JP2010203811A - 三次元受波装置およびこれを備えた三次元測位装置ならびに三次元測位方法 - Google Patents

三次元受波装置およびこれを備えた三次元測位装置ならびに三次元測位方法 Download PDF

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Abstract

【課題】迅速に三次元座標を測位することを目的とする。
【解決手段】音波信号を受信する2つのマイクロホンからなる受波器対を3対備え、マイクロホンの第一の対を構成する2つのマイクロホン21,22が、x軸上に座標原点2を挟んで対称に配置され、マイクロホンの第二の対を構成する2つのマイクロホン23,24が、座標原点2を通りかつx軸に直交するy軸上に座標原点2を挟んで対称に配置され、マイクロホンの第三の対を構成する2つのマイクロホン25,26が、座標原点2を通りかつx軸およびy軸に直交するz軸上に、座標原点2を挟んで対称に配置されていることを特徴とする三次元受波装置3を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空間内の壁面上の点の三次元座標を求める三次元受波装置およびこれを備えた三次元測位装置ならびに三次元測位方法に関するものであり、主に、壁面で囲まれた大型タンク、ボイラの火炉等の保守点検時に、内部に作業者が入って保守検査等の作業を行う場合に、作業者の居場所あるいは検査箇所の位置を三次元座標で表して特定するためのものである。
火力発電所で用いられるボイラ火炉は、製作時、及び、運転開始後定期的に開放し、内部に作業者が入り、製品検査や保守検査を行う。検査では、ボイラ火炉壁内に設置された配管の肉厚などを計測するのだが、それにはまず、検査箇所を明確にしておく必要がある。しかし、ボイラ火炉は容量が大きいため、目視によって検査箇所を正確に把握することは困難である。
従来は、検査箇所の高さ方向や左右方向の位置について、巻尺等を用いて測定することで作業者の居場所、即ち、検査箇所の位置を把握していたが、この方法では位置の把握作業だけでも多大な時間と人手を要していた。
そこで、三次元的に位置を特定することを目的とした三次元測位方法という方法を用いることが考えられる。この方法は、3点以上の座標が既知である点を基準点として、測位したい点までの距離を、音波を用いてその伝播速度と伝播時間から算出し、その距離を用いて位置を特定するものである。このような三次元測位方法は例えば特許文献1に開示されている。
特開昭63−266376号公報
しかし、従来の多くの三次元測位方法は、少なくとも3点の既知である点を地上表面に設置し、それらを基準点として、測位したい位置の距離を測定して三次元座標を算出するものであり、少なくとも基準点となる3点の座標位置を把握しておく必要があった。
また、特許文献1では、3点の既知である基準点によって形成される平面に対して、測位したい点がどちらの方向に位置しているのかを特定できる状態を前提として位置特定を行っており、3つの基準点によって形成される平面に対して表側か裏側であるかの方向を特定する必要性がそもそも存在しない。そのため、3点の基準点によって形成される平面に対して測位する点と対称な位置にある点とを区別することができない。この方法でボイラ火炉内などの屋内において床設置面から離れた位置に基準点を設置した場合、三箇所の基準点からの距離だけでは三箇所の基準点で形成される平面に対して測定点と対称な位置の点との判別ができないという問題がある。
他に、レーザを用いる方法としては、既知の基準点に設置したレーザ発信器から出されるレーザ光線を任意の測位したい点に設置されたセンサが受光して、その受光角度や到達時間からその位置を特定する方法があるが、レーザ光線は指向性が大きく、レーザ発信器と受波装置との間にレーザ光線を遮断するような障害物があると測定できないという問題がある。
また、検査作業時の課題としては、複数の測定したい点がある場合には、1箇所ずつ測位して手作業でデータを判別するなど、何らかの方法で、位置を識別できるようにしておく必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、測位したい点から発信される音波信号を、簡便な設定によって三次元的に受波する三次元受波装置およびこれを備えた三次元測位装置ならびに三次元測位方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の三次元受波装置およびこれを備えた三次元測位装置ならびに三次元測位方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる三次元受波装置は、音波信号を受信する2つの受波器からなる受波器対を3対備え、第1受波器対を構成する2つの前記受波器が、x軸上に、座標原点を挟んで対称に配置され、第2受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸に直交するy軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、第3受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸および前記y軸に直交するz軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置されていることを特徴とする。
このような三次元受波装置によれば、座標原点には音波信号を受信する受波器が、座標原点の各軸上に座標原点を挟んで対称に三対設置されている。したがって、各軸に対して2個ずつ合計6個の受波器が設けられている。
音波信号が伝播する空間に設置された一対の受波器は、音波信号を2箇所の設置位置で受信する。受波器は座標原点を挟んで対称に設けられているので、2箇所の設置位置の中心は座標原点となる。したがって、受波器が2箇所の設置位置で受信した一対の音波信号から2箇所の中心位置である座標原点における音響インテンシティベクトルを演算することができる。他の二対に対しても同様に座標原点における音響インテンシティベクトルを演算することができる。受波器が各軸に対して一対ずつ設けられているので、座標原点における各軸に対する音響インテンシティベクトルが一度に求められる。
上記の発明において、前記受波器は、前記x軸と前記y軸と前記z軸の軸上の三対の前記受波器が一体化されていることを特徴とする。
このような三次元受波装置によれば、受波器は各軸に一対ずつ三対設けられ一体化されている。ここでの一体化とは、三対の受波器が適切に配置され相対位置関係が変化することが無いように固定された状態を表す。三対6個の受波器が三軸上に設置され一体化されているので1個毎に設置する必要がなく、一度に設置できる。一度に設置できるので設置準備を迅速に行うことができる。また、1個毎の座標校正が不要である。
本発明にかかる三次元測位装置は、空間を区画する壁面上の任意の測位点の三次元座標を求める測位装置において、前記座標原点と前記壁面との離間距離を取得する取得部と、 前記x軸と前記y軸と前記z軸のいずれか一つの軸が前記壁面に直交するように設置された前記三次元受波器を有する受波装置と、前記測位点に設置され音波信号を発信する送波器を有する送波装置と、前記取得部に取得された前記離間距離と前記受波装置で受信した前記音波信号のデータから前記測位点の座標を演算する演算部と、を備えたことを特徴とする。
空間は壁面によって区画され、壁面には三次元座標が不明な測位点があるとき、測位点に音波信号を発信する送波器を設置し、送波器から音波信号を発信させる。発信された音波信号は、空間を伝播する。このような三次元測位装置によれば、座標原点は壁面上から離間した位置に設けられており、座標原点と壁面との離間距離が取得部に取得される。また、座標原点は、軸の一つが壁面に直交するように軸方向を定められている。座標原点には音波信号を受信する受波器が、座標原点の各軸上に座標原点を挟んで対称に対向して三対設置されている。
音波信号が伝播する空間に設置された一対の受波器は、音波信号を2箇所の設置位置で受信する。受波器は座標原点を挟んで対称に対向して設けられているので、2箇所の設置位置の中心は座標原点となる。受波器が2箇所の設置位置で受信した一対の音波信号は、受波装置の演算部へ送信される。演算部へ送信された一対の音波信号から2箇所の中心位置となる座標原点における音響インテンシティベクトルが演算される。受波装置は各軸に一対ずつ設けられているので、座標原点の各軸に対する音響インテンシティベクトルが一度に求まる。
空間に設けられた座標原点は軸の一つが測位点を含む壁面に直交するように軸方向を定められているので、座標原点における各軸に対する3軸方向の音響インテンシティベクトルと、取得部で取得された原点と壁面との離間距離の関係から幾何的に測位点の三次元座標を求めることができる。
本発明にかかる三次元測位装置は、前記送波装置が、前記音波信号を発信する信号発生器と、前記信号発生器から発信された前記音波信号を駆動するパワーアンプと、前記測位点に設置されたスピーカーである前記送波器と、を有することを特徴とする。
このような三次元測位装置によれば、送波装置は、音波信号を発信する信号発生器を備えている。信号発生器から発信された音波信号はパワーアンプによって駆動される。駆動された音波信号は測位点に設置されたスピーカーに送られる。音波信号は、スピーカーから発信される。したがって、パワーアンプにより駆動された音波信号は、測位点から発信される。
本発明にかかる三次元測位装置は、前記受波装置が、前記音波信号を受信するマイクロホンを有する前記三次元受波器と、受信した前記音波信号を増幅させる増幅器と、増幅した前記音波信号から必要な前記音波信号を抽出するバンドパスフィルターと、前記音波信号を記録する波形記録装置を備えたことを特徴とする。
このような三次元測位装置によれば、送波装置から発信され空間を伝播する音波信号は、マイクロホンを有する受波器によって受信される。受信された音波信号は、受波装置に備えられた増幅器により増幅される。増幅された音波信号は受波装置に備えられたバンドパスフィルターを通る。音波信号は、バンドパスフィルターを通るので、必要な音波信号を抽出することができる。抽出された音波信号は受波装置に備えられた波形記録装置に記録される。記録された波形データは、演算部へ送られる。
本発明にかかる三次元測位装置は、前記演算部は、前記音波信号を演算する演算器と、演算結果を表示する表示器を備えたことを特徴とする。
このような三次元測位装置によれば、受波装置から演算部の演算器へ送られた波形データを用いて各軸の音響インテンシティベクトルが演算される。空間に設けられた座標原点は、軸の一つが測位点を含む壁面に直交するように軸方向を定められているので、座標原点における各軸に対する3軸方向の音響インテンシティベクトルと、既知である原点と壁面との距離の関係から、測位点の三次元座標が幾何的に求められる。演算部は、表示器を備えているので、求められた測位点の三次元座標を表示器により表示することができる。
本発明にかかる三次元測位装置は、複数の前記測位点に設置された前記送波器から発信される前記音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする。
このような三次元測位装置によれば、複数の測位点に設置された送波器から、それぞれ異なる波形の音波信号が発信される。異なる波形とは、それぞれの測位点の音波信号が区別することのできる波形であり、例えば周波数の異なる音波信号が発信されることで区別することができる。
異なる波形が混在した音波信号は、空間を伝播して、受波器に受信される。受信された音波信号は、受波装置に備えられたバンドパスフィルターによって、波形別に分けられる。分けられた音波信号は、各測位点から発信される音波信号との比較によって、発信源である各々の測位点を同定することが可能となる。したがって、複数の測位点の同定を同時に行うことができる。
本発明にかかる三次元測位装置は、複数の前記壁面に対し前記座標原点は共通とされ、複数の前記測位点に設置された前記送波器から発信される前記音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする。
このような三次元測位装置によれば、複数の壁面に対し、一つの座標原点が定められている。複数の壁面上の測位点に設置された送波器から、それぞれ異なる波形の音波信号が発信される。異なる波形とは、それぞれの測位点の音波信号が区別することのできる波形であり、例えば周波数の異なる音波信号が発信されることで区別することができる。異なる波形が混在した音波信号は、空間を伝播して、受波器に受信される。受信された音波信号は、受波装置に備えられたバンドパスフィルターによって、各壁面に対する波形別に振り分けられる。振り分けられた音波信号は、各測位点から発信される音波信号との比較によって、発信源である測位点を同定することが可能となる。したがって、複数の壁面上にある複数の測位点の同定を同時に行うことができる。
本発明にかかる空間を区画する壁面上の任意の測位点の三次元座標を特定する三次元測位方法は、前記測位点に設置された送波装置から音波信号を発信させ、前記音波信号を受信する2つの受波器からなる受波器対を3対備え、第1受波器対を構成する2つの前記受波器が、x軸上に、座標原点を挟んで対称に配置され、第2受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸に直交するy軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、第3受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸および前記y軸に直交するz軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、x軸とy軸とz軸のいずれか1つの軸は、前記壁面に対して垂直となるように設置され、前記座標原点と前記壁面との離間距離を取得し、受信した前記音波信号から前記座標原点における前記x軸と前記y軸と前記z軸の各音響インテンシティベクトルを算出することによって、前記測位点の三次元座標を特定する。
このような三次元測位方法によれば、空間は壁面によって区画され、壁面には三次元座標が不明な測位点がある。測位点に音波信号を発信する送波器を設置し、音波信号を発信させる。発信された音波信号は、空間を伝播する。座標原点を壁面から離間した位置に設け、座標原点と壁面との離間距離を取得しておく。また、座標原点は、軸の一つが壁面に直交するように軸方向を定める。座標原点には音波信号を受信する受波器を、座標原点の各軸上に座標原点を挟んで対称に三対設ける。受波器は、各軸に対して2個ずつ設けられる。
音波信号が伝播する空間に設置された一対の受波器は、音波信号を2箇所の設置位置で受信する。受波器は座標原点を挟んで対称に設けられているので、2箇所の設置位置の中心は座標原点となる。受波器が2箇所の設置位置で受信した音波信号は、受波装置の演算部へ送信される。演算部へ送信された一対の音波信号から2箇所の中心位置となる座標原点における音響インテンシティベクトルが演算される。受波装置は各軸に一対ずつ設けられているので、座標原点の各軸に対する音響インテンシティベクトルを一度に求めることができる。また、三対同時に受信できるので計測時間を短縮できる。
空間に設けた座標原点は軸の一つが測位点を含む壁面に直交するように軸方向を定めているので、座標原点における各軸に対する3軸方向の音響インテンシティベクトルと、取得した原点と壁面との離間距離の関係から、測位点の三次元座標は幾何的に算出することができる。以上の方法を用いることにより、測位点の三次元座標を特定することができる。
本発明にかかる三次元測位方法は、前記壁面上にある任意の複数の前記測位点において、複数の前記測位点に設置された送波器を有する送波装置から発信される音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする。
このような三次元測位方法によれば、複数の測位点に設置された送波器から、それぞれ異なる波形の音波信号を発信させる。異なる波形とは、それぞれの測位点の音波信号が区別することのできる波形であり、例えば周波数の異なる音波信号が発信されることで区別することができる。異なる波形の音波信号を発信させたことによって、空間には異なる波形が混在する音波信号が伝播する。空間を伝播してきた音波信号を座標原点に設置した受波器で受信させる。受信した音波信号を、受波装置に備えられた増幅器によって増幅させ、バンドパスフィルターによって、波形別に振り分ける。振り分けた音波信号は、各測位点から発信された音波信号と比較することによって、発信源である測位点を同定させることが可能となる。したがって、本方法によって、複数の測位点の同定を同時に行うことができ、複数の測位点の三次元座標を同時求めることが可能となる。
本発明にかかる三次元測位方法は、複数の前記壁面上にある任意の複数の前記測位点において、複数の前記測位点に設置された送波器を有する送波装置から発信される音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする。
このような三次元測位方法によれば、複数の壁面上の複数の測位点に設置された送波器から、それぞれ異なる波形の音波信号を発信させる。異なる波形とは、それぞれの測位点の音波信号が区別することのできる波形であり、例えば周波数の異なる音波信号が発信されることで区別することができる。異なる波形の音波信号を発信させたことによって、空間には異なる波形が混在する音波信号が伝播する。空間を伝播してきた音波信号を受波器で一度に受信させる。受信した音波信号を、受波装置に備えられた増幅器によって増幅させ、バンドパスフィルターによって、波形別に分ける。振り分けた音波信号は、各測位点から発信された音波信号との比較によって、発信源である測位点を同定させることが可能となる。したがって、本方法によって、複数の壁面上の複数の測位点の同定を同時に行うことができ、これらの測位点の三次元座標を同時求めることが可能となる。
本発明によれば、ボイラ火炉等の面で囲まれる空間の内部の検査に用い、基準点を1箇所設けることで、床面に基準点を配置することが出来ない場合においても、測位したい点の三次元位置を特定することができる。
本発明の三次元受波装置のマイクロホンの配置と探査面を模式的に示した概略構成図である。 本発明のシステム構成を示したブロック図である。 本発明の各軸成分の音響インテンシティベクトルを示した概念図である。 本発明における測位点のx座標を求めるための説明図である。 本発明のおける測位点のz座標を求めるための説明図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
図1には、ボイラ火炉壁面などの検査すべき面としての探査面1と、三次元受波装置3を構成している6個のマイクロホンの配置が模式的に表されている。
探査面1から離間した位置に、測位するための基準点となる、三次元受波装置3の座標原点2を設定する。座標原点2から探査面1までの最短距離Aの値は、メジャーなどで計測し、後述する演算部11内の取得部に取得させる。この取得方法としては、例えば、演算部の記録媒体に入力することによって行われる。
そして、音波信号を受信するための受波器としてのマイクロホンを、座標原点2の各軸上に座標原点2を挟んで対称となるように、x軸上に2個のマイクロホン21,22、y軸上に2個のマイクロホン23,24、z軸上に2個のマイクロホン25,26の三対6個のマイクロホンを設置する。各軸のマイクロホンのペアは所定の間隔で固定されており、各軸上の三対6個のマイクロホンの位置は相対的に変化することがないように予め固定されていることが好ましい。なお、本実施形態において、x軸、y軸およびz軸は、それぞれが互いに直交している。
このとき、3つの軸のうちのいずれか一つの軸が探査面1に対して法線となるように位置決めを行う。図1においては、y軸が探査面1に対して法線となるように設置されている。したがって、座標原点2と探査面1との最短距離Aはy軸上の距離で表される。
探査面1上には、座標が不明であるマーキングすべき測位点13がある。測位点13上に音波信号を送信する送信器としてのスピーカー4を設置する。
図2には、三次元受波装置のシステム構成を示したブロック図が表されている。測位点13上に設置されたスピーカー4は、パワーアンプ5によって駆動される。パワーアンプは、信号発生器6から発生した信号が送られているので、測位点13上のスピーカー4から音波信号が発信される。
スピーカー4から発信された音波信号は、三次元受波装置3の三対6個のマイクロホンによって受信される。三次元受波装置は、ケーブル7によって、音波信号を増幅する増幅器8に接続されている。音波信号は、増幅器8によって増幅され、バンドパスフィルター9へ送られる。バンドパスフィルター9では、ノイズが取り除かれ、必要な波長帯域の音波信号が抽出され、波形記録装置10へと送られる。波形記録装置10では、ノイズ除去後の音波信号が所定の記録媒体に記録される。記録された音波信号は、演算部11に送られ、後述する所定の演算が行われ、測位点13の三次元座標が求められる。得られた三次元座標は、ディスプレイ等の表示器12にて視認できるように表示される。
音波信号が伝播する空間に設置された一対の受波器は、音波信号を一対2個のマイクロホン21,22(または、マイクロホン23,24、または、マイクロホン25,26)、すなわち、2箇所の位置で受信する。マイクロホン21,22(または、マイクロホン23,24、または、マイクロホン25,26)は、座標原点2を挟んで対称に設けられているので、2箇所の設置位置の中心は座標原点2となる。したがって、マイクロホン21,22(または、マイクロホン23,24、または、マイクロホン25,26)が2箇所の設置位置で受信した一対の音波信号から2箇所の中心位置である座標原点2における音響インテンシティベクトルを演算することができる。他の二対に対しても同様に座標原点2における音響インテンシティベクトルを演算することができる。受波器が各軸に対して一対ずつ座標原点2に対称に設けられているので、座標原点2における各軸(x軸、y軸、z軸)に対する音響インテンシティベクトル、すなわち、音圧のベクトル(単位としてはPaまたはdB)が一度に求められる。
図3には、各軸の音響インテンシティベクトルx´、y´、z´が表されている。測位点13の三次元座標は、以下に説明するように、座標原点2における各軸の音響インテンシティベクトルと、座標原点2と探査面1との離間距離Aから、幾何的に求めることが可能である。
測位点13の座標の算出方法を図4及び図5を用いて説明する。探査面1上の測位点13の三次元座標を(x1,y1,z1)とする。本実施形態の場合、y軸が探査面1に対して法線となるように三次元受波装置3が設置されているので、座標原点2と探査面1との離間距離Aは、y1と等価であり、Aは取得されているので、既知である。
図4には、x1を求めるための説明図が示されている。x´とy´のベクトルの和であるベクトルl´とy軸が成す角度をθ´とすると、θ´と、x1は次式で表される。これにより、x1を求めることができる。
Figure 2010203811
図5には、z1を求めるための説明図が示されている。ベクトルl´と、座標原点2及び測位点13を通る直線とで成される角度をθ1とする。z1は、次式で表される。これにより、z1を求めることができる。
Figure 2010203811
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
このように、座標原点2には音波信号を受信する受波器としてのマイクロホン21,22,23,24,25,26が、座標原点2の各軸上に座標原点を挟んで対称に三対設置されている、すなわち、各軸に対して2個ずつ合計6個の受波器が設けられている構成とされた三次元受波装置3を用いることによって、音波信号が伝播する空間に設置された一対の受波器は、音波信号を2箇所の設置位置で受信する。受波器としてのマイクロホン21,22,23,24,25,26は座標原点2を挟んで対称に設けられているので、2箇所の設置位置の中心は座標原点2となる。したがって、一対のマイクロホン21,22(または、マイクロホン23,24、または、マイクロホン25,26)が2箇所の設置位置で受信した一対の音波信号から2箇所の中心位置である座標原点2における音響インテンシティベクトルを演算することができる。別の二対に対しても同様に座標原点2における音響インテンシティベクトルを演算することができる。受波器マイクロホン21,22,23,24,25,26が各軸に対して一対ずつ設けられているので、座標原点2における各軸に対する音響インテンシティベクトルが一度に求められる、という作用がある。したがって、従来は広い範囲に複数(3点以上)の基準点を設けるためのマイクロホンを設置する必要があったが、1箇所にまとめて設置することができるので、設置準備に要する時間を短縮できる。さらに、三対6個のマイクロホン21,22,23,24,25,26の相対位置関係が変化しないように予め固定されたものを用いることによって、より迅速に設置準備を行うことができる。
また、従来は、各マイクロホン21,22,23,24,25,26の座標が必要であり、校正作業に時間を要していたが、同じく1箇所に纏めてあるため、座標校正を迅速に行うことができる。
また、計測時においても、三つの軸方向のための三対のデータを同時に受信できるので、軸ごとに計測する必要がなく、三軸の音響インテンシティベクトルを一度に求めることができるので、計測時間が短縮でき、計測時の違いによる計測誤差を生ずることがない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では1箇所の測位点の三次元座標を取得することを目的としていたが、第2実施形態では、複数の測位点の三次元座標を一度に取得することを目的としている点で異なる。
複数の測位点がある場合には、各測位点に設置されたスピーカー4から、それぞれ、異なった波形の音波信号を発信させる。異なる波形とは、それぞれの測位点の音波信号が区別することのできる波形であり、例えば周波数の異なる音波信号が発信されることで区別することができる。
異なる波形の音波信号を発信させたことによって、空間には異なる波形が混在する音波信号が伝播する。空間を伝播してきた音波信号を座標原点2に設置した三次元測位装置3で受信させる。発信された音波信号は第1実施形態と同様の三次元受波装置3のもので良い。受信された音波信号は、増幅器8によって増幅され、バンドパスフィルター9によって、波形別に振り分けられる。振り分けられた音波信号は、各測位点13から発信された音波信号と比較することによって、発信源である測位点13を同定させることが可能となる。したがって、複数の測位点13の同定を同時に行うことができ、複数の測位点13の三次元座標を同時求めることが可能となる。
同じ壁面上の複数の測位点13がある場合のほかに、壁面1が複数存在し、それぞれに複数の測位点13がある場合にも同様に三次元座標を取得することができる。基準点が4面のボイラ火炉壁のような面で囲まれる空間、例えば、第1の壁面に対して直角を成す第2の壁面、第1の壁面に平行に対向する第3の壁面、第2の壁面に平行に対向し第1の壁面と直角を成す第4の壁面、の4面で囲まれた空間内に基準点を設置した場合においては、基準点を囲む複数の壁面が互いに直角に形成されているので、基準点を通る3軸のいずれかの軸はいずれかの壁面に対して法線となる。したがって、それぞれの壁面にある任意の測位点は、どの壁面に存在するのかを区別することによって、同様に三次元座標を適宜、幾何的に算出することが可能となる。すなわち、測位点13を有する壁面1に対して、直角を成す別の壁面に測位したい点がある場合には、測位点ごとに異なる波形の音波信号を発信させることによって、同時に三次元測位を行うことができる。
従来は、ボイラ火炉壁1面毎、状況によっては、1箇所ごとに計測を行い、マイクロホンも都度設置していた。しかし、本実施形態のように測位点ごとに異なった波形、例えば、異なった周波数の音波信号を発信させることで、基準点である三次元受波装置3がこれらの音波信号をまとめて受信し、受信データの波形解析を行うことによって音源位置の同定が可能となる。音源位置を同定されたデータから、それぞれの音響インテンシティベクトルが算出され、それぞれに対応する三次元座標値が幾何的に求められる。
以上から、複数の測位点を一度に迅速に三次元測位することが可能となる。
1 探査面
2 座標原点
3 三次元受波装置
4 スピーカー
5 パワーアンプ
6 信号発生器
7 ケーブル
8 増幅器
9 バンドパスフィルター
10 波形記録装置
11 演算部
12 表示器
13 測位点
21,22,23,24,25,26 マイクロホン

Claims (11)

  1. 音波信号を受信する2つの受波器からなる受波器対を3対備え、
    第1受波器対を構成する2つの前記受波器が、x軸上に、座標原点を挟んで対称に配置され、
    第2受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸に直交するy軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、
    第3受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸および前記y軸に直交するz軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置されていることを特徴とする三次元受波装置。
  2. 前記受波器は、前記x軸と前記y軸と前記z軸の軸上の三対の前記受波器が一体化されていることを特徴とする、請求項1に記載の三次元受波装置。
  3. 空間を区画する壁面上の任意の測位点の三次元座標を求める測位装置において、
    前記座標原点と前記壁面との離間距離を取得する取得部と、
    前記x軸と前記y軸と前記z軸のいずれか一つの軸が前記壁面に直交するように設置された請求項1または請求項2に記載の前記三次元受波器を有する受波装置と、
    前記測位点に設置され音波信号を発信する送波器を有する送波装置と、
    前記取得部に取得された前記離間距離と前記受波装置で受信した前記音波信号のデータから前記測位点の座標を演算する演算部と、
    を備えたことを特徴とする、三次元測位装置。
  4. 前記送波装置は、前記音波信号を発信する信号発生器と、前記信号発生器から発信された前記音波信号を駆動するパワーアンプと、前記測位点に設置されたスピーカーである前記送波器と、を有することを特徴とする請求項3に記載の三次元測位装置。
  5. 前記受波装置は、前記音波信号を受信するマイクロホンを有する前記三次元受波器と、受信した前記音波信号を増幅させる増幅器と、増幅した前記音波信号から必要な前記音波信号を抽出するバンドパスフィルターと、前記音波信号を記録する波形記録装置を備えたことを特徴とする、請求項3または4に記載の三次元測位装置。
  6. 前記演算部は、前記音波信号を演算する演算器と、演算結果を表示する表示器を備えたことを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載の三次元測位装置。
  7. 複数の前記測位点に設置された前記送波器から発信される前記音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする、請求項3から6のいずれかに記載の三次元測位装置。
  8. 複数の前記壁面に対し前記座標原点は共通とされ、複数の前記測位点に設置された前記送波器から発信される前記音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする、請求項3から7のいずれかに記載の三次元測位装置。
  9. 空間を区画する壁面上の任意の測位点の三次元座標を特定する方法において、
    前記測位点に設置された送波装置から音波信号を発信させ、
    前記音波信号を受信する2つの受波器からなる受波器対を3対備え、
    第1受波器対を構成する2つの前記受波器が、x軸上に、座標原点を挟んで対称に配置され、
    第2受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸に直交するy軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、
    第3受波器対を構成する2つの前記受波器が、前記座標原点を通りかつ前記x軸および前記y軸に直交するz軸上に、該座標原点を挟んで対称に配置され、x軸とy軸とz軸のいずれか1つの軸は、前記壁面に対して垂直となるように設置され、
    前記座標原点と前記壁面との離間距離を取得し、
    受信した前記音波信号から前記座標原点における前記x軸と前記y軸と前記z軸の各音響インテンシティベクトルを算出することによって、前記測位点の三次元座標を特定する三次元測位方法。
  10. 前記壁面上にある任意の複数の前記測位点において、
    複数の前記測位点に設置された送波器を有する送波装置から発信される音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする、請求項9に記載の三次元測位方法。
  11. 複数の前記壁面上にある任意の複数の前記測位点において、
    複数の前記測位点に設置された送波器を有する送波装置から発信される音波信号は、それぞれが異なる波形を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の三次元測位方法。
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KR101733231B1 (ko) * 2015-02-17 2017-05-08 하동경 음원의 3차원 위치 파악 방법 및 그 장치와, 음원의 3차원 위치를 이용한 음질 개선 방법 및 그 장치
KR101840522B1 (ko) 2015-11-18 2018-05-04 이화여자대학교 산학협력단 신호 보정을 수행하는 신호 처리 장치

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