以下、この発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態に係る画像形成装置1の正面側から見たときの概要を示し、図2はその画像形成装置1の側面側から見たときの状態を示している。
図1に示す画像形成装置1は、支持部材、外装カバー等で構成される筐体10の内部空間に、公知の電子写真方式等を利用して現像剤としての乾式トナー(粉体)で構成されるトナー像を形成する作像装置2が設置されている。図1等における符号12は筐体10の底部に設けられる可動式の支持脚、符号100は画像形成装置1を設置する場所の設置面である。
この実施の形態における作像装置2は、ベルト状等の中間転写体30を用いる中間転写方式を採用しており、互いに異なる色(例えばイエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:K)のトナー像を形成する複数の作像ユニット20Y,20M,20C,20Kを中間転写体30の回転方向に沿って並べて配置した構成になっている。また、作像装置2は、複数の作像ユニット20を選択して使用することによりトナーで構成される単色の画像又は多色の画像を形成することができる。
作像装置2における各作像ユニット20では、ドラム状の感光体21を矢印で示す方向(図1に示す例では時計回りの方向)に回転させ、その感光体21の像形成領域となる周面を帯電装置22により所要の電位に帯電させた後、その帯電された感光体21の周面に対して露光装置23により画像情報(信号)に基づく光(LB)を照射することにより所要の潜像電位からなる静電潜像を形成する。続いて、各作像ユニット20では、各感光体21に形成した各色成分の静電潜像を、現像装置24から供給される所要の色のトナーにより現像してトナー像として顕像化した後、そのトナー像を感光体21に接触した状態で回転移動するベルト状の中間転写体30に一次転写装置25により転写する。
作像装置2では、上記した作像工程で各作像ユニット20の感光体21に形成された各色成分のトナー像を中間転写体30にそれぞれ転写する。複数のトナー像を組み合わせて多色の画像を形成する場合は、該当する中作像ユニット20の感光体21に形成された所要の色成分のトナー像を、中間転写体30に対して互いに位置合わせした状態で転写する。上記作像工程においては、帯電装置22、現像装置24及び一次転写装置25に対し、図示しない電源から帯電用電圧、現像用電圧又は一次転写用電圧がそれぞれ印加される。また、転写終了後の感光体21については、その周面に残留するトナー等が図示しない清掃装置により除去される。
次いで、作像装置2では、中間転写体30に転写されたトナー像を、ロール形式の二次転写装置32と中間転写体30の間の二次転写位置にむけて給紙装置35から搬送される用紙9に、二次転写装置32により転写する。
ベルト状の中間転写体30は、作像装置2の各作像ユニット20の下方側に位置する状態で配置されており、具体的には複数のベルト支持ロール31a〜31c等に架け渡されて矢印で示す方向(図1に示す例では反時計回りの方向)に回転する。支持ロール31aは駆動ロール、支持ロール31cは二次転写の接地されたバックアップロールである。二次転写装置32の二次転写ロールには、二次転写工程時に、図示しない電源から二次転写用電圧が印加される。給紙装置35は、用紙収容体36に積載された状態で収容される所望のサイズ、種類等の用紙9を送出装置37により1枚ずつ送り出す。給紙装置35から所要のタイミングで送り出された用紙9は、給紙装置35と二次転写装置32の間に設置される複数の搬送ロール対、搬送ガイド材等で構成される給紙用の用紙搬送路38を通して搬送される。
次いで、作像装置2では、二次転写工程でトナー像が転写された用紙9を定着装置40に搬送して導入し、そのトナー像を用紙9に定着させる。二次転写装置32と定着装置40の間には、転写後の用紙9を搬送するベルト方式等の用紙搬送装置39が設置されている。
定着装置40は、筐体41の内部に、矢印で示す方向に回転駆動するとともに表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体42と、この加熱回転体42の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体43とを設置して構成されている。この定着装置では、トナー像が転写された用紙9が加熱回転体42と加圧回転体43の間の接触部を通過する際に加熱及び加圧され、これによりトナー像を溶融させて用紙9に定着する。
その後、作像装置2では、定着が終了した後の用紙9を、定着装置40から排出した後に、排出用の用紙搬送路45を通して図示しない排紙収容部等に搬送する。また、用紙9の両面に画像を形成する場合は、その片面にトナー像の転写及び定着がされた後の用紙9を、定着装置40から排出された後に反転用の用紙搬送路46に送り込むとともに、その反転用の用紙搬送路46と給紙用の用紙搬送路38との間を接続する状態で設置される再送用の用紙搬送路47を通して用紙搬送路38に合流させるように送り、最終的に、その他面にトナー像を転写するタイミングに合わせて二次転写位置まで搬送する。
また、作像装置2は、各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kにおける現像装置24としてトナーとキャリアを含む現像剤を利用するものを使用しており、また、図1等に示すように、その各現像装置24Y,24M,24C,24Kに対し、前記Y,M,C,Kの各色成分のトナーを個別に収容する各トナーカートリッジ50Y,50M,50C,50Kから新たな現像剤を必要に応じて補給するように構成されている。各トナーカートリッジ50からの現像剤の補給動作は、その各トナーカートリッジ50と各現像装置24との間をそれぞれ接続する補給装置55により行っている。トナーカートリッジ50に収容される現像剤は、トナーのみの場合に限らず、トナーとキャリアを含む場合もある。図1に点線で示す符号56は、補給装置55と各現像装置20との間に設置されて補給用の現像剤をそれぞれ搬送するための現像剤搬送路である。
トナーカートリッジ50としては、両端部が塞がれた円筒状の形状からなる容器が使用されている。また、トナーカートリッジ50は、カートリッジ装着部15に正常に装着されたときに底部となる一部分(装着時の奥側となる底部分)にトナーが排出されるトナー排出口51が開設されているとともに、そのトナー排出口51を塞ぐ位置と開ける位置との間をカートリッジ50の周方向に移動させることができるスライド式の開閉蓋52が取り付けられている。さらに、トナーカートリッジ50は、その円筒状の形状における長手方向の一端部側(装着時の手前となる端部側)の端面に取っ手部53が設けられている。この取っ手部53は、例えば、カートリッジ装着部15に装着したカートリッジ50全体を周方向に所要の角度だけ回転させることにより開閉蓋52を閉じ位置又は開ける位置に移動させるときなどに使用される。
そして、この画像形成装置1においては、図1、図2等に示すように、筐体10の内部空間のうち作像装置2(各作像ユニット20)の上方の部分に、トナーカートリッジ50を着脱自在に装着するためのカートリッジ装着部15が設けられている。
カートリッジ装着部15は、図3〜図8等に示すように、トナーカートリッジ50の全体を収容するための空間を確保する収容枠部16と、その収容枠部16の下部に配置されてトナーカートリッジ50を載せて保持するカートリッジ載せ台60と、カートリッジ載せ台60をカートリッジ装着部15の内部に格納した位置(格納位置:載せ台60が図1に示す状態にあるときの位置)とその装着部15から筐体10の外部に引き出した位置(引出し完了位置:載せ台60が図3aに示す状態にあるときの位置)との間を直線状に移動させるように支持するスライドレール70と、トナーカートリッジ50の内部に回転自在に設置されているトナー搬送部材と結合して回転動力を伝達する駆動伝達部17とを備えている。カートリッジ装着部15の装着口(収容枠部16の入口)は、筐体10に設けられる図示しない開閉扉によって開放及び隠蔽されるようになっている。
図4等における符号14は、トナーカートリッジ50を装着する際に通過させる装着通し孔14aを有し、収容枠部16の開口(入口)に設置される正面枠体を示す。また符号55aは補給装置55における現像剤搬送管、符号55bは現像剤搬送管55aを現像剤搬送路26に接続する接続部、符号54はトナーカートリッジ50の外周面に付されるラベル等で構成される情報表示部を示す。図5等における符号18は収容枠部16と駆動伝達部17との間に設置され、カートリッジ50を保持する形状を有するトナーカートリッジ保持枠、符号19はトナーカートリッジ50の排出口51から排出されるトナーを取り入れるトナー取入口を示す。トナー取入口19は、補給装置55における現像剤搬送管55aの一端部と接続されている。
また、カートリッジ装着部15は、図2に示すように、筐体10の上部となる高い位置に設けられている。このため、カートリッジ装着部15は、その装着部15の高さ(H)が高くになることで増加するトナーカートリッジ装着作業(特にカートリッジ50をカートリッジ載せ台60に載せる作業とその載せ台60から降ろす作業)の負担を軽減させる観点から、カートリッジ載せ台60を以下に説明するように取り付けている。図2中の符号Hは、画像形成装置1を設置する場所の設置面100からのカートリッジ装着部15の装着最下部15aにおける高さを示し、その装着部15の高さに相当するものである。
カートリッジ載せ台60は、図3等に示すように、その載せ台60の引き出し方向A1の下流側となる一端部60aが、引出し完了位置での高さ:H2(設置面100からの高さ)よりも低い下方の位置:H3(<H2)となるカートリッジ載せ降ろし位置(載せ台60が図3bで示す状態にあるときの位置)まで変位するように、スライドレール70の所要の部分に回転軸61を介して揺動自在に取り付けている。図3bの符号Δhは、引出し完了位置の高さ:H2とカートリッジ載せ降ろし位置の高さ:H3との最大高低差を示す。
スライドレール70は、その基本的な構造部分が公知のスライドレールからなるものである。この実施の形態では、カートリッジ装着部15の収容枠部16(筐体10の一部でもよい)等に間隔をあけて対向して固定された状態で取り付けられる一対の外側(固定)レール71と、その各外側レール71の内側に長手方向に対して直線状に移動し得るように取り付けられる一対の内側(可動)レール72とで構成される形式のスライドレール70を使用している。
内側レール72は、カートリッジ載せ台60の引き出し方向A1に移動させると、その引き出し側の先端部72aを含む部分が、カートリッジ装着部15の収容枠部16における正面枠体14の装着通し孔14aを通過して収容枠部16の外部ひいては筐体10の外部に所望の量だけ突出した状態となる位置まで移動して停止する(図3、図5などを参照)。内側レール72の引き出し時の停止は、例えば、内側レール72の一部が外側レール71に設ける図示しない停止用突起部に突き当たることにより行われる。また、内側レール72は、カートリッジ載せ台60の押し込み方向A2に移動させると、その引き出し側の先端部72aを含む部分が、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部ひいては筐体10の内部に完全に収容された状態となる位置まで移動して停止する(図4などを参照)。内側レール72の押し込み時の停止は、例えば、カートリッジ50の一部(先端部など)が装着部15に形成される停止用の部分(壁面など)と突き当たった状態になることにより行われる。
カートリッジ載せ台60は、図5、図6等に示すように、本体フレーム62、揺動補助アーム63A,63B、カートリッジ保持部を兼ねる外装材64等で構成されている。
本体フレーム62は、図6等に示すように、長手方向のほぼ中央部にカートリッジ受け溝62dが形成された長方形状の底板部62aと、その底板部62aにおける引き出し方向A1に沿う両側の端部が上方に折り曲げられた状態の側板部62b,62cとを有する形状の構造体である。本体フレーム62は、その側板部62b,62cにおける引き出し方向A1上流側の端部が、スライドレール70における内側レール72との間に設置する回転軸61を介して支持されている。これにより、本体フレーム62全体は、図6、図7等に示すように、スライドレール70(内側レール72)に対し、回転軸61を中心にして矢印B1,B2で示す方向(下げ方向B1、上げ方向B2)に揺動するようになっている。
本体フレーム62を支持するスライドレール70における内側レール72は、その引き出し方向A1下流側(先端側)となる先端部72aが、図7、図8等に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置まで下げた状態にある本体フレーム62(最終的にはカートリッジ受け台60)にトナーカートリッジ50を載せたとき、少なくともトナーカートリッジ50の上面50dよりも引き出し方向A上流側(後端側)となる位置に存在するという条件を満たす位置に存在するような構造を採用している。換言すれば、図8に示すように、内側レール72の先端部72aが、カートリッジ載せ降ろし位置に下げたときの載せ台60に載せたトナーカートリッジ50の回転軸61に対して平行な方向から投影したときの投影領域(図8の二点鎖線で描く領域)内に位置して突出しない状態に配置されている。
また、本体フレーム62を取り付ける回転軸61は、例えば、図6、図7等に示すように、内側レール72の引き出し方向A1下流側(先端側)となる先端側(先端部72aのある側)に配置されている。この実施の形態では、回転軸61を、内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aの少し内側の部分に設けている。
また、スライドレール70の内側レール72は、その引き出したときに回転軸61の設置部分が筐体10の外側に存在し、かつその回転軸61を中心にして揺動するカートリッジ載せ台60の揺動動作が支障なくできるという条件を満たす程度に、筐体10の外部に突出した状態で引き出される。
この他、本体フレーム62は、一方の側板部62cにおける引き出し方向A1上流側の端部における回転軸61から離れた部分で外側(内側レール72のある側)にむけて突出する突出棒62dを設けている。また、突出棒62dは、その先端部を内側レール72に形成する揺動範囲規制用の長孔72dに挿し入れている。これにより、本体フレーム62は、下げ方向B1に揺動させた場合、突出棒62dが揺動範囲規制用の長孔72dの一端(引き出し方向A1の下流側端部)に当たった時点で下げ方向A1の揺動が制止される。また、本体フレーム62は、上げ方向B2に揺動させた場合、突出棒62dが揺動範囲規制用の長孔72dの他端(引き出し方向A1の上流側端部)に当たった時点で上げ方向A2の揺動が制止される。
さらに、本体フレーム62は、回転軸61を中心にして下げ方向B1に揺動させるときにだけ回転運動に対して制動力が発揮されるワンウェイクラッチ65を、内側レール72との間に介在させた状態で取り付けている。これにより、特に本体フレーム62は、トナーが十分に収容されているトナーカートリッジ50が搭載されている場合やトナーがほぼ空の状態にあるトナーカートリッジ50が搭載されている場合に、その各カートリッジ50を載せた本体フレーム62が引き出し完了位置まで引き出したときに、それらの自重で下方にいきなり下がり始めてしまうことがワンウェイクラッチ65の制動力を受けることで防止される。また、本体フレーム62は、その下げ方向B1に揺動させるときには、操作者の手による下げ操作が開始された後にワンウェイクラッチ65による制動力を受けて緩やかに揺動し、その上げ方向B2に揺動させるときには操作者の手による上げ操作が開始された後にワンウェイクラッチ65による制動力を受けずに容易に揺動する。ワンウェイクラッチ65の制動力については、本体フレーム62に要求される状態や動きに適した制動力が発揮される条件に設定される。
揺動補助アーム63A,63bは、図6、図7等に示すように、その一端部が、内側レール72の先端部72aと回転軸61の設置部分との間となる位置に設置される取付け軸66を介して揺動自在に取り付けられている。また、揺動補助アーム63A,63bは、その他端部が、本体フレーム62の側板部62b,62cにおける引き出し方向A1下流側の端部の外側に突出して設けられる支持軸62eに長孔63dを介して取り付けられている。これにより、揺動補助アーム63A,63bは、本体フレーム62を下げ方向B1に揺動させた際に、一端部が内側レール72に支持された状態でもって、その本体フレーム62(最終的にはカートリッジ載せ台60)の下げられた先端側の部分を吊り上げるような状態で支持するとともに、その下げる量(下げ角度)を規制する。
また、揺動補助アーム63A,63Bは、その長手方向のほぼ中央部に孔(又は凹部)63eが形成されている。これに加えて、本体フレーム62には、全体が底板部62aの一部(切欠き曲げ部)に取り付けられ、先端部が側板部62b,62cを貫通して揺動補助アーム63A,63bの孔63eに向けて進退移動する状態で支持される可動ピン62fを設けている。可動ピン62fは、例えばスプリングバネの押圧力を受けて側板部62b,62cの外側にむけて加圧されており、その全体が弾性的に進退移動する状態になっている。これにより、本体フレーム62は、その上げ方向B2に揺動してほぼ水平の状態になって可動ピン62fが揺動補助アーム63A,63bの孔63eに対向すると、可動ピン62fの先端部が孔63eに侵入し、ほぼ水平の状態に保持される。一方、本体フレーム62は、その下げ方向B1に揺動させると、可動ピン62fが揺動補助アーム63A,63bの孔63eとずれた位置関係になって可動ピン62fの先端部が孔63eから抜け出るようにして外れ、その下げ方向B1への揺動が可能な状態になる。
外装材64は、図5に示すように、本体フレーム62の底板部62aにおけるカートリッジ受け溝62dと連続するような湾曲面状に形成されたカートリッジ受け領域部64aと、そのカートリッジ受け領域64aの上端部から本体フレーム62の各側板部62b,62c及びワンウェイクラッチ65をその外側からそれぞれ覆い隠すことができる形状に形成されたカバー領域部64b,64cとを有する部材である。カートリッジ受け領域部64aの引き出し方向A1下流側となる端部には、トナーカートリッジ50の取っ手53が形成された端面の一部が接触し、カートリッジ50の全体がカートリッジ載せ台60内において引き出し方向A1下流側に移動してずれることを阻止する制止面部64dが形成されている。
また、カートリッジ載せ台60には、図5〜図7等に示すように、そのカートリッジ載せ降ろし位置に揺動させて傾いた状態にある載せ台60にトナーカートリッジ50を載せたときのカートリッジ50の脱落等を防止するため、そのときのカートリッジ一端部50aを一部覆う状態で保持する可動式の保持(保護)カバー80を設けている。
保持カバー80は、トナーカートリッジ50の取っ手部53が形成された側の一端部50aの上部外周面をその外側から覆うような状態で保持する(保護する)アーチ状の外周面保持部81と、外周面保持部81の一端部に形成されて取っ手部53のあるカートリッジ端面50cの一部を接触し得る状態で保持する端面保持部82を有する構造物である。このうち外周面保持部81は、その内面に複数のリブ(突条)81aが形成されており、この各リブ81aがトナーカートリッジ50の一端部50aの上部外周面に接触することで保持するように構成されている。
この保持カバー80は、その外周面保持部81の下部が、揺動補助アーム63A,63Bの自由端部(長孔63dのある端部)に延長されて形成される延長板63fに設置する回転軸83を介して矢印C1,C2で示す方向(保持を解除する方向C1、保持する方向C2)に揺動するように取り付けられている。また、保持カバー80は、外周面保持部81の下部内面に設けたガイドピン81bが、揺動補助アーム63A,63Bの延長板63fに形成されたガイド孔63gの縁部にそって誘導され、保持する方向C2に揺動させた際に保持すべき位置で(ガイドピン81bが制止用ガイド凹部に嵌め入れられることで)制止された状態に保たれる(図6を参照)。
以下、トナーカートリッジ50のカートリッジ装着部15に装着するときの動作(操作作業の内容を含む。以後も同じ。)とその装着部15から取り外すときの動作について説明する。
最初に装着動作について説明すると、まず筐体10のカートリッジ装着部15における収容枠部16の入口前にある図示しない開閉扉を開け、続いて、図3、図5等に示すように、収容枠部16の内部に格納されているカートリッジ載せ台60を、操作者が手で引っ張って筐体10の外部に引き出した後に、その引き出した状態から下げた状態にする。
この際、カートリッジ載せ台60は、その引き出し方向A1に引っ張られると、スライドレール70の内側レール72が外側レール71の長手方向に移動することにより直線状に移動し、その格納位置から引出し完了位置まで引き出される(図3aを参照)。また、カートリッジ載せ台60は、引き出された内側レール72の一部が外側レール71の停止用突起部に突き当たって停止することにより、引出し完了位置で停止する。引き出されたカートリッジ載せ台60の高さ:H2は、カートリッジ装着部15の最下部15aとほぼ同じ高さになる(図3aを参照)。
また、カートリッジ載せ台60は、その引出し完了位置で下げ方向B1に下げられると、その本体フレーム62が内側レール72に設置された回転軸61を中心にして下方に揺動し、その引き出し方向A1下流側の先端部60aが、引出し完了位置からカートリッジ載せ降ろし位置まで下げられ、最終的に載せ台全体が傾いた状態になる(図3b、図5を参照)。
このときのカートリッジ載せ台60は、本体フレーム62における進退自在な支持ピン62fの先端部が揺動補助アーム63A、63Bの孔63aから外れることで、回転軸61を中心にして下方に揺動し始める。また、カートリッジ載せ台60は、その下げられる際に、回転軸61に併設されたワンウェイクラッチ65の制動力を受けてゆっくりと下がる。最後に、カートリッジ載せ台60は、本体フレーム62の回転軸61の近傍に設置した突出棒62dが内側レール72における揺動範囲規制用の長孔72cの一端部に突き当たることで下げ方向B1の揺動が停止し、また、その引出し方向A1先端側の端部60aよりも内側の部分が揺動補助アーム63A、63Bにより支持される。
カートリッジ載せ降ろし位置に変位したカートリッジ載せ台60の先端部60aの載せ降ろし位置での高さ:H3は、その引出し完了位置の高さ:H2よりもΔhだけ低い高さになる(図3bを参照)。また、このときのカートリッジ載せ台60は、その全体が回転軸61を中心にして所要の角度:θだけ傾いた状態になる(図3b、図5を参照)。
これにより、カートリッジ載せ台60に対するトナーカートリッジ50の載せる位置(状態)の一部が例えば引出し完了位置の高さ:H2で載せる場合に比べて低くなるので、トナーカートリッジ50全体を必要以上に高く持ち上げる必要もなく、カートリッジ載せ台60に容易に載せることができる。
また、カートリッジ載せ台60をカートリッジ載せ降ろし位置に変位させたときには、図5や図8に示すように、スライドレール70における内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aが、カートリッジ載せ台60の側面上辺部から突出する量が少ない状態に保たれる。
これにより、トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60に載せる作業を行うときに、内側レール72の先端部72aの存在が邪魔になることはない。なお、トナーカートリッジ50を載せる際には、カートリッジ載せ台60にある保持カバー80をその保持を解除する方向C1に回転軸83を中心にして揺動させて開けた(又は倒した)状態にしておく(図5、図8を参照)。
そして、装着する対象のトナーカートリッジ50は、図9に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置に変位させて斜めの状態にあるカートリッジ載せ台60に載せられる。
この際、トナーカートリッジ50は、取っ手部53のある側の端部50aを下にした斜めの状態で載せ台60に載せられる。このときのトナーカートリッジ50は、取っ手部53のある端面50dの一部がカートリッジ載せ台60の外装材64における制止面部64d(図5、図8を参照)に接触して斜め下方への移動が阻止される。また、このときのトナーカートリッジ50は、そのトナー排出口51がトナー装着部15におけるトナー取入口19と周方向にずれた状態で載せられる。この実施の形態では、図9に示すように、トナーカートリッジ50における円弧板状の取っ手部53の長手方向がカートリッジ端面において上下方向にほぼ一致するような状態になることや、カートリッジ外周面に付される情報表示部54(矢印の表示部54b)がほぼ最上部に位置した状態になることで、トナーカートリッジ50の載せる状態(姿勢)が正しいことを確認できるように設定されている。
トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60に載せた後は、図10に示すように、まずカートリッジ載せ台60にある保持カバー80をその回転軸83を中心にして保持する方向C2に揺動させて閉じた(又は起こした)状態にする。
これにより、斜め状態のカートリッジ載せ台60に載るトナーカートリッジ50は、その下側となる端部50aにおける外周面及び端面の一部が保持カバー80の外周面保持部81及び端面保持部82(図6を参照)によって包囲される状態で保持され、載せ台60において脱落しにくい安定した状態に保たれる。
続いて、カートリッジ載せ降ろし位置においてトナーカートリッジ50が載せられて斜め状態にあるカートリッジ載せ台60(の端部50a)を、図11に示すように、上方に持ち上げて引出し完了位置に戻す。
この際、カートリッジ載せ台60は、その上げ方向B2に持ち上げられると、その本体フレーム62が内側レール72に設置された回転軸61を中心にして上方に揺動し、その引き出し方向A1下流側の先端部60aがカートリッジ載せ降ろし位置から引出し完了位置の高さ:H2まで上昇し、最終的に載せ台全体がほぼ水平の状態になる(図3a、図11を参照)。
このときのカートリッジ載せ台60は、その持ち上げられる際に、回転軸61に併設されたワンウェイクラッチ65の制動力を受けることなく持ち上げられる。また、カートリッジ載せ台60は、その引出し完了位置まで持ち上げられると、本体フレーム62の回転軸61の近傍に設置した突出棒62dが内側レール72における揺動範囲規制用の長孔72cの他端部に突き当たり、これにより上げ方向B2の揺動が制止されて停止する。さらに、その引出し完了位置まで持ち上げられると、本体フレーム62における進退自在な支持ピン62fが揺動補助アーム63A、63Bの孔63aに嵌め入れられ(図6を参照)、これによりカートリッジ載せ台60全体がほぼ水平の状態で保たれる。
続いて、トナーカートリッジ50が載せられて引出し完了位置に持ち上げられた状態にあるカートリッジ載せ台60を、図2、図4に示すように、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部に向けて押し込んで格納した状態にする。
この際、カートリッジ載せ台60は、その押し込み方向A2に押し込まれると、スライドレール70の内側レール72が外側レール71の長手方向に沿って直線状に移動し、これにより引出し完了位置から格納位置まで押し込まれて格納される。また、カートリッジ載せ台60は、トナーカートリッジ50の取っ手部53側の一端部50aと反対側の端部50bが装着部15の奥側の壁面部等の部分に接触したときに、押し込み方向A2への移動が完全に停止する。このときカートリッジ載せ台60の保持カバー80における端面保持部82が、正面枠体14の装着通し孔14aの内部に納まった状態になる(図4を参照)。この時点で、トナーカートリッジ50はカートリッジ装着部15の収容枠部16の空間内に格納された状態となる。
最後に、カートリッジ装着部15に格納された状態にあるトナーカートリッジ50は、その開閉蓋52を開けるためにカートリッジ載せ台60において矢印D1で示す方向(蓋開け方向)に所要の角度だけ回して姿勢を変える(図4を参照)。この際、トナーカートリッジ50は、その取っ手部53を手でもって蓋開け方向D1に所要の角度だけ回される。これにより、開閉蓋52のみがカートリッジ保持枠18の一部に突き当たって停止した状態に保ち続けられるのに対し、トナーカートリッジ50のトナー排出口51(図2を参照)が、開閉蓋52の閉じ状態から開放されてカートリッジ装着部15におけるトナー取入口19(図5等を参照)と対向する位置まで変位する。なおこの操作の後で、筐体10のカートリッジ装着部15における収容枠部16の入口前にある図示しない開閉扉を閉じる。
以上の操作作業を行うことにより、トナーカートリッジ50は、カートリッジ装着部15に完全に装着された状態となる(図1、図2及び図4を参照)。
一方、トナーカートリッジ50のカートリッジ装着部15からの取外し動作は、上記した装着動作を逆の手順で進めることで行われる。取外し動作は、例えば、トナーカートリッジ50の交換等を行う際に実施される。
具体的には、最初に、筐体10のカートリッジ装着部15における収容枠部16の入口前にある図示しない開閉扉を開けた後に、トナーカートリッジ50にある開閉蓋52を閉じるために矢印D2で示す方向(蓋閉じ方向)に所定の角度だけ回して姿勢を変える(図4を参照)。
続いて、トナーカートリッジ50が載るカートリッジ載せ台60を、引き出し方向A1に引っ張ってその格納位置から筐体10の外部となる引出し完了位置まで引き出した状態にし(図3a、図11を参照)、しかる後、その引出し完了位置でカートリッジ載せ台60を下げ方向B1に揺動させてカートリッジ載せ降ろし位置まで下げた状態にする(図3b、図10を参照)。最後に、カートリッジ載せ台60にある保持カバー80を開けた状態にする(図9を参照)。
これにより、取り外す対象のトナーカートリッジ50は、図9に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置にあって引き出し方向A1の先端部60aが下に位置する斜め状態にあるカートリッジ載せ台60に載った状態におかれるので、そのカートリッジ載せ台60から取り出して降ろされる。また、取り外し対象のトナーカートリッジ50を降ろした後のカートリッジ載せ台60(図5を参照)には、装着する対象のトナーカートリッジ50を載せればよい。
このようにしてトナーカートリッジ50がカートリッジ装着部15から取り外される。
この取外し時においても、取り外す対象のトナーカートリッジ50を載せたカートリッジ載せ台60は、その先端部60aの載せ降ろし位置での高さ:H3が引出し完了位置の高さ:H2よりもΔhだけ低い高さになるとともに(図3bを参照)、その全体が回転軸61を中心にして所要の角度:θだけ傾いた状態になる(図3b、図9を参照)。
これにより、カートリッジ載せ台60に対するトナーカートリッジ50を降ろす位置(状態)の一部が例えば引出し完了位置の高さ:H2で載せる場合に比べて低くなるので、トナーカートリッジ50全体を必要以上に高く持ち上げる必要もなく、カートリッジ載せ台60から容易に降ろすことができる。
また、取り外す対象のトナーカートリッジ50が載ったカートリッジ載せ台60をカートリッジ載せ降ろし位置に変位させたときには、図8や図10に示すように、スライドレール70における内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aが、カートリッジ載せ台60に載るトナーカートリッジ50の上面50dから突出しない状態に保たれる。これにより、トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60から降ろす際に、内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aの存在が邪魔になることはない。
さらに、取り外す対象のトナーカートリッジ50を載せたカートリッジ載せ台60をカートリッジ載せ降ろし位置まで下げる途中や下げ終わったときには、そのトナーカートリッジ50がカートリッジ載せ台60にある保持カバー80により保持されて安定した状態に置かれている(図10を参照)。
なお、この画像形成装置1は、図1に示すように、異なる色の現像剤を収容する複数のトナーカートリッジ50Y,50M,50C,50Kを使用するとともに、その各トナーカートリッジ50を専用に装着する複数のカートリッジ装着部15Y,15M,15C,15Kが設けられている。このため、この画像形成装置1は、その各カートリッジ装着部15におけるカートリッジ載せ台60に載せるべき正しいトナーカートリッジ50(各装着部15に装着すべきY,M,C,Kのうちの正しい色の現像剤が収容されているもの)を載せているか否かを装着作業時に簡単に識別することができる以下の構成を採用している。
すなわち、図9、図12の上部(下向き矢印よりも上の部分)に示すように、各カートリッジ載せ台60にある可動式の保持カバー80(の外周面保持部81の内面)に装着カートリッジ識別用の凹部86を形成し、その一方で、トナーカートリッジ50の取っ手部53のある側の端部50a(の外周面)に上記凹部86に嵌まり合う形状の装着カートリッジ識別用の凸部56を形成している。
保持カバー80の装着カートリッジ識別用の凹部86は、外周面保持部81の内面に形成する複数のリブ81aのうち一部のもの(一対のリブ81c)を利用して形成されており、具体的にはその一部のリブ81cで挟まれる空間を凹部としたものである。また、トナーカートリッジ50の装着カートリッジ識別用の凸部56は、保持カバー80を保持する方向C2に揺動させた状態(図10を参照)にしたときに、その保持カバー80にある凹部86の揺動移動時の軌跡上に存在することになるトナーカートリッジ50の端部外周面部分に形成されている。
また、装着カートリッジ識別用の凹部86及び凸部56は、トナーカートリッジ50の種類(収容する現像剤の色:Y,M,C,Kで区分される種類)ごとに設ける位置を異ならせている。例えば、図12に示す凹部86及び凸部56は、マゼンタ色M用のものである。図12中の符号56Kは、ブラック色K用の凸部である。ただし、凹部86及び凸部56を形成する位置は、例えば、トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60に載せた際に、その取っ手部53の姿勢(例えば長手方向の向き)を一定の状態(例えば、その長手方向が上下方向の状態にある場合:図9、図12を参照)にすることを基準にして設定されている。
さらに、保持カバー80においては、装着カートリッジ識別用の凹部86として使用しないリブ81aどうしの間には、リブ81a間の凹部空間を一部塞ぐような壁部87を形成している。この壁部87は、その壁部87のあるリブ81a間の凹部(86)を通過すべきトナーカートリッジ50側の凸部56が保持カバー80を保持する方向C2に揺動させた際に通過することを阻止する。この他、凹部86を構成する一対のリブ81cやその隣接するリブ81aについては、トナーカートリッジ50を装着部15に格納した後に開閉蓋52を開ける方向D1に回転させる際に、その凸部56の周方向への移動を妨げないように該当する部分を切り欠いた形状にするか、または、その該当する部分には設けないようになっている。
そして、このような装着カートリッジ識別用の凹部86及び凸部56を設けていることにより、例えば、図12の下部(下向き矢印よりも下の部分)に示すように、マゼンタ色Mのトナーカートリッジ50Mを、カートリッジ乗せ降ろし位置に下げた状態にあるカートリッジ載せ台60に載せた後(図9を参照)、保持カバー80を保持する方向C2に揺動させた際(図10を参照)、その保持カバー80にあるマゼンタ色Mの識別用の凹部86(M)がトナーカートリッジ50Mの識別用の凸部56に突き当たることなく通過し、保持カバー80が正常な保持する位置まで揺動する(図10を参照)。これにより、カートリッジ載せ台60に載せたトナーカートリッジ50がマゼンタ色Mの正しいトナーカートリッジ50Mであることを識別することができる。
一方、そのカートリッジ載せ台60に対して、例えば別の色であるブラック色Kのトナーカートリッジ50Kを載せた場合は、保持カバー80を保持する方向C2に揺動させた際に、そのカートリッジ50Kにおける識別用の凸部56(K)が該当するリブ81a間にある壁部87に突き当り、保持カバー80が正常な保持する位置まで揺動しなくなる。これにより、カートリッジ載せ台60に載せたトナーカートリッジ50がマゼンタ色Mの正しいトナーカートリッジ50Mでないことを識別することができる。
特に装着カートリッジ識別用の凹部86をカートリッジ載せ台60の一部(上記の例では保持カバー80)に設けることにより、カートリッジ載せ降ろし位置に変位させたカートリッジ載せ台60にトナーカートリッジ50を載せる際に、そのトナーカートリッジ50が本来載せるべき正しいものであるか否かを確認することができる。これにより、誤ったトナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60に載せてカートリッジ装着部15に一度格納してしまうという無駄な動作を行うことを回避することができる。
上記した構成例では、装着カートリッジ識別用の凹部86をカートリッジ載せ台60の保持カバー80に設け、装着カートリッジ識別用の凸部56をトナーカートリッジ50に設けた場合を説明したが、装着カートリッジ識別用の凹部をトナーカートリッジ50に設け、装着カートリッジ識別用の凸部を保持カバー80等のような可動部材でなくカートリッジ載せ台60の保持カバー80に設けるように構成することもできる。また、このような装着カートリッジ識別用の凸部56や凹部86は、保持カバー80以外にも、カートリッジ載せ台60に設ける他の可動部材などに設けるようにしても構わない。
また、上記した構成例では、装着カートリッジ識別用の凹部86をカートリッジ載せ台60の保持カバー80に設けた場合を説明したが、その装着カートリッジ識別用の凹部(87)をカートリッジ載せ台60の他の一部(例えば外装材64の底部:図5を参照)に設けるように構成することもできる。この場合は、トナーカートリッジ50に設ける装着カートリッジ識別用の凸部(57)は、その凹部87に対応するカートリッジ外周面の一部に設ければよい(図2を参照)。
[他の実施形態]
図13は、この発明の他の実施の形態に係る画像形成装置を示すものであり、その画像形成装置の側面側から見たときの状態を示している。
この実施の形態に係る画像形成装置1Bは、前記した実施の形態に係る画像形成装置1と対比した場合、カートリッジ装置部15のカートリッジ載せ台60の取付け構造が以下に説明するように一部異なるが、それ以外の部分についてはほぼ同じ構成になっている。
画像形成装置1Bにおけるカートリッジ装置部15のカートリッジ載せ台60Bは、図13〜図17に示すように、その載せ台60Bの全体の引出し完了位置での高さ:H2(設置面100からの高さ)よりも低い位置:H4(<H2)となるカートリッジ載せ降ろし位置(載せ台60Bが図3b等で示す状態にあるときの位置)まで変位して停止するように、スライドレール70の所要の部分にリンク部材90A,90B、91A,91Bを介して下降移動自在に取り付けられている。図13bの符号Δhは引出し完了位置の高さ:H2とカートリッジ載せ降ろし位置の高さ:H4との最大高低差、矢印E1,E2で示す方向はカートリッジ載せ台60Bの下降する方向及びその上昇する方向を示す。図14等における符号69は、カートリッジ載せ台60Bの取っ手である。
リンク部材90、91はいずれも、長い板材であってその長手方向の中央部にガイド用の長孔92が形成された部材である。また、リンク部材90、91は、その一端部がスライドレール70の内側レール72の所要の位置に間隔をあけた状態で取り付けられ、その他端部がカートリッジ載せ台60Bの側部における所要の位置に間隔をあけた状態で取り付けられている。
詳しくは、リンク部材90、91の一端部は、図16等に示すように、そのガイド用の長孔92に対し、内側レール72の内面側に間隔をあけて設けた取付け軸(回転軸)95,96を挿し入れて移動自在な状態に取り付けられている。取付け軸95,96は、内側レール72の引き出し方向A1の先端部72とその先端部から引き出し方向A1の上流側にずれた位置に設けている。また、リンク部材90、91の他端部は、カートリッジ載せ台60Bの側部に間隔(取付け軸95,96との間隔をほぼ同じ間隔)をあけて設けた取付け軸97,98に、その他端部に形成する図示しない取付け孔を介して回転自在な状態で取り付けられている。取付け軸97,98は、カートリッジ載せ台60Bの側部における引き出し方向A1の先端部72とその先端部から引き出し方向A1の上流側にずれた位置に設けている。
また、リンク部材90、91におけるガイド用の長孔92については、例えば、カートリッジ載せ台60Bの引出し完了位置からカートリッジ載せ降ろし位置まで所要の高低差Δhだけ下降させるために必要な移動量と、カートリッジ載せ台60Bの引出し完了位置にあるときに内側レール72とほぼ平行した状態に保たれるために必要な移動量を確保する長さで形成される。さらに、カートリッジ載せ台60Bは、その格納位置や引出し完了位置にあるときには、例えば以下の構成により、内側レール72に対して一体化(仮固定)された状態に保たれるようになっている。すなわち、図17に一部拡大して示すように、カートリッジ載せ台60Bを支持する内側レール72における取付け軸95,96が、リンク部材90、91における各ガイド用長孔92の引き出し方向A1下流側の端部に上方に向けて突出して窪んだ形状にそれぞれ形成される凹部92aに対して一時的に嵌まり込んで引っ掛かった状態になるように構成されており、これによりカートリッジ載せ台60Bが内側レール72に対して仮固定される。
以下、このカートリッジ載せ台60Bを有するカートリッジ装着部15にトナーカートリッジ50の装着するときの動作とその装着部15から取り外すときの動作について説明する。ここでは、主に前記した実施の形態におけるトナーカートリッジ50の装着及び取り外し動作と異なる内容部分を中心にして説明する。
最初に装着動作について説明すると、まず、図13等に示すように、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部に格納されているカートリッジ載せ台60Bを、手で引っ張って筐体10の外部に引き出した後に、その引き出した状態から下降させた状態に変位させる。
この際、カートリッジ載せ台60Bは、その取っ手69を持って引き出し方向A1に引っ張られると、スライドレール70の内側レール72が外側レール71の長手方向に沿って移動することにより直線状に移動し、その格納位置から引出し完了位置まで引き出されて停止する(図13a、図14、図15を参照)。
次に、カートリッジ載せ台60Bは、引出し完了位置で下降させる方向E1に下げられるが、この下げる操作は、初めにカートリッジ載せ台60Bが内側レール72に対して一体化されるカートリッジ載せ台60Bを上方に少し持ち上げた状態にしてリンク部材90,91におけるガイド用長孔92をその凹部92aに嵌まり込んだ状態の取付け軸95,96との仮固定された状態から開放した状態にした後、その載せ台60Bを少し引き出し方向A1に引く。これにより、リンク部材90、91が、ガイド用の長孔92の所要の長さだけ取付け軸95,96に対してスライドするように移動した後、その載せ台60B側に取り付けられているリンク部材端部が引き出し方向A1の下流側となる斜め前方の下方にむけて曲線軌道を描く状態で下がり始める。特にリンク部材90の受け台側の端部は、内側レール72の引き出し方向A1の先端側となる先端部72aよりも、引き出し方向A1の下流側の位置にむけて下がるように設定されている。
続いて、カートリッジ載せ台60Bは、この斜め前方にむけて下がり始めるリンク部材90、91によりほぼ水平な状態に保たれながら、下降させる方向E1に変位し始める。そして、カートリッジ載せ台60Bは、リンク部材90、91によって引出し完了位置からカートリッジ載せ降ろし位置まで下降させられた後、最終的に全体がほぼ水平な状態に保たれるように保持される(図13b、図16、図17を参照)。カートリッジ載せ台60Bのカートリッジ載せ降ろし位置での停止は、例えば、図15〜図17に示すようにリンク部材90、91の一部が載せ台60Bの側部に形成される停止突起部68に突き当たることで行われる。
カートリッジ載せ降ろし位置に変位したカートリッジ載せ台60Bの高さ:H4は、その引出し完了位置の高さ:H2よりもΔhだけ低い高さになる(図13bを参照)。また、このときのカートリッジ載せ台60は、その全体がほぼ水平の状態に保たれている(図13b、図17を参照)。
これにより、カートリッジ載せ台60Bに対するトナーカートリッジ50の載せる位置(状態)の一部が例えば引出し完了位置の高さ:H2で載せる場合に比べて低くなるので、トナーカートリッジ50全体を必要以上に高く持ち上げる必要もなく、カートリッジ載せ台60Bに容易に載せることができる。また、その載せる際には、トナーカートリッジ50全体を傾けた状態にする必要がない。
また、カートリッジ載せ台60Bをリンク部材90、91によりカートリッジ載せ降ろし位置に変位させたときには、図16や図17に示すように、スライドレール70における内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aが、カートリッジ載せ台の引き出し方向A1の先端部60Baからその引き出し方向A1の下流側に対して突出しない状態に保たれる。これにより、トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60Bに載せる際や降ろす際に、内側レール72の先端部72aの存在が邪魔になることはない。
そして、装着する対象のトナーカートリッジ50は、図16や図17に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置に変位させてほぼ水平の状態にあるカートリッジ載せ台60に載せられる。
続いて、トナーカートリッジ50が載せられてほぼ水平の状態にあるカートリッジ載せ台60(の端部60a)を、図13a、図14、図15に示すように、上方に持ち上げて引出し完了位置に戻す。
この際、カートリッジ載せ台60は、その上昇させる方向E2に持ち上げられると、そのリンク部材90、91が長孔92を介して内側レール72に設置された取付け軸95,96に案内されて上方に移動し、その引き出し方向A1下流側の先端部60aがカートリッジ載せ降ろし位置から引出し完了位置の高さ:H2まで上昇し、最終的に載せ台全体がほぼ水平の状態になる(図13a、図15を参照)。
続いて、トナーカートリッジ50が載せられて引出し完了位置に持ち上げられた状態にあるカートリッジ載せ台60Bを、図2、図4に示すように、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部に向けて押し込んで格納した状態にする。
以上の操作作業を行うことにより、トナーカートリッジ50は、カートリッジ装着部15に完全に装着された状態となる(図1、図2を参照)。
一方、トナーカートリッジ50のカートリッジ装着部15からの取外し動作は、上記した装着動作を逆の手順で進めることで行われる。
具体的には、トナーカートリッジ50が載るカートリッジ載せ台60Bを、引き出し方向A1に引っ張ってその格納位置から筐体10の外部となる引出し完了位置まで引き出した状態にし(図13a、図15を参照)、しかる後、その引出し完了位置でカートリッジ載せ台60Bを下降させる方向E1にリンク部材90,91を介して下降させてカートリッジ載せ降ろし位置まで変位させた状態にする(図13b、図17を参照)。
これにより、取り外す対象のトナーカートリッジ50は、図17に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置にあって全体がほぼ水平の状態にあるカートリッジ載せ台60Bに載った状態におかれるので、そのカートリッジ載せ台60Bから取り出して降ろされる。また、取り外し対象のトナーカートリッジ50を降ろした後のカートリッジ載せ台60B(図16を参照)には、装着する対象のトナーカートリッジ50を載せればよい。
このようにしてトナーカートリッジ50がカートリッジ装着部15から取り外される。
この取外し時においても、取り外す対象のトナーカートリッジ50を載せたカートリッジ載せ台60Bは、その全体の載せ降ろし位置での高さ:H4が引出し完了位置の高さ:H2よりもΔhだけ低い高さになるとともに(図13bを参照)、その全体がほぼ水平の状態に保たれる(図13b、図17を参照)。
これにより、カートリッジ載せ台60Bに対するトナーカートリッジ50を降ろす位置(状態)の全体が例えば引出し完了位置の高さ:H2で載せる場合に比べて低くなるので、トナーカートリッジ50全体を必要以上に高く持ち上げる必要もなく、カートリッジ載せ台60Bから容易に降ろすことができる。
また、取り外す対象のトナーカートリッジ50が載ったカートリッジ載せ台60Bをカートリッジ載せ降ろし位置に変位させたときには、図17に示すように、スライドレール70における内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aが、カートリッジ載せ台60Bの引き出し方向A1の下流側の端部60Ba(しかも、その載せ台60Bに載るトナーカートリッジ50の取っ手部53のある側の端部50a)から突出しない状態に保たれる。これにより、トナーカートリッジ50をカートリッジ載せ台60Bから降ろす際に、内側レール72の引き出し方向A1の先端部72aの存在が邪魔になることはない。
図18〜図21は、前記した実施の形態に係る画像形成装置A(図1〜図3)の一部を変形した構成例を示すものである。
この実施の形態に係る画像形成装置Aでは、カートリッジ装置部15におけるカートリッジ載せ台60Cの取付け構造について一部異なる構成を採用している。すなわち、カートリッジ載せ台60Cは、図18〜図20に示すように、基本的には、その側板部における引き出し方向A1上流側の端部60Cbが、スライドレール70における内側レール72との間に設置する回転軸61を介して支持されており、これにより、その全体がスライドレール70(内側レール72)に対し、回転軸61を中心にして矢印B1,B2で示す方向(下げ方向B1、上げ方向B2)に揺動するようになっている。しかし、このカートリッジ載せ台60Cは、以下に説明するように取付け構造が異なる1つの揺動補助アーム63Cによって支持されるようになっている。
揺動補助アーム63Cは、図20等に示すように、長い板材であって、その長手方向のほぼ中央部から一方の端部にむけて延びるガイド用の長孔63Caが形成された部材である。この揺動補助アーム63Cは、その一端部が、内側レール72の先端部72aに設置される取付け軸66Cを介して揺動自在に取り付けられており、その他端部が、カートリッジ載せ台60(フレーム本体62)の側板部における引き出し方向A1のほぼ中央部に突出して設けられる支持軸62gに長孔63Caを介して取り付けられている。これにより、揺動補助アーム63Cは、カートリッジ載せ台60Cを下げ方向B1に揺動させた際に、一端部が内側レール72の先端部70a側に支持された状態でもって、そのカートリッジ載せ台60Cの下げられた先端側の部分を吊り上げるような状態で支持するとともに、その下げる量(下げ角度)を規制する。
以下、このカートリッジ載せ台60Cを有するカートリッジ装着部15にトナーカートリッジ50の装着するときの動作について説明する。ここでは、主に前記した実施の形態におけるトナーカートリッジ50の装着動作と異なる内容部分を中心にして説明する。
まず、図18、図19に示すように、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部に格納されているカートリッジ載せ台60C(図18を参照)を、手で引っ張って筐体10の外部に引き出した後に、その引き出した状態から下降させた状態に変位させる。
この際、カートリッジ載せ台60Cは、その取っ手69を持って引き出し方向A1に引っ張られると、スライドレール70の内側レール72が外側レール71の長手方向に沿って移動することにより直線状に移動し、その格納位置から引出し完了位置まで引き出されて停止する(図3a、図19を参照)。
次に、カートリッジ載せ台60Cは、その引出し完了位置で下げ方向B1に下げられると、その全体(本体フレーム62)が内側レール72に設置された回転軸61を中心にして下方に揺動し、その引き出し方向A1の下流側の先端部60Caが、引出し完了位置からカートリッジ載せ降ろし位置まで下げられ、最終的に載せ台全体が傾いた状態に保たれる(図3b、図20を参照)。この際、カートリッジ載せ台60Cは、1つの揺動補助アーム63Cによって吊り上げられるような状態で支持されて停止する。
これにより、カートリッジ載せ台60Cに対するトナーカートリッジ50の載せる位置(状態)の一部が例えば引出し完了位置の高さ:H2で載せる場合に比べて低くなるので、トナーカートリッジ50全体を必要以上に高く持ち上げる必要もなく、カートリッジ載せ台60Cに容易に載せることができる。
そして、装着する対象のトナーカートリッジ50は、図21に示すように、カートリッジ載せ降ろし位置に変位させて斜めに傾いた状態にあるカートリッジ載せ台60Cに載せられる。
続いて、トナーカートリッジ50が載せられて傾いた状態にあるカートリッジ載せ台60C(の端部60Ca)を、上方に持ち上げて引出し完了位置に戻す。この際、カートリッジ載せ台60Cは、回転軸61を中心にして上げる方向B1に揺動し、その引き出し方向A1下流側の先端部60Caがカートリッジ載せ降ろし位置から引出し完了位置の高さ:H2まで上昇し、最終的に載せ台全体がほぼ水平の状態になる(図3a、図19を参照)。
続いて、トナーカートリッジ50が載せられて引出し完了位置に持ち上げられた状態にあるカートリッジ載せ台60Cを、図2、図18に示すように、カートリッジ装着部15の収容枠部16の内部に向けて押し込んで格納した状態にする。
以上の操作作業を行うことにより、トナーカートリッジ50は、カートリッジ装着部15に完全に装着された状態となる(図1、図2を参照)。なお、トナーカートリッジ50のカートリッジ装着部15からの取外し動作は、上記した装着動作を逆の手順で進めることで行われる。
なお、前記した各実施の形態においては、現像剤として乾式トナーを使用し、その乾式トナーで構成される画像を形成する画像形成装置について例示したが、画像形成装置としては、この他にも例えば、現像剤として液体現像剤(湿式トナー)を使用し、その液体現像剤で構成される画像を形成する湿式の画像形成装置や、現像剤としてインクを使用し、そのインクで構成される画像を形成するインク吐出式の画像液性装置などであってもよい。このような画像形成装置を採用する場合には、前記トナーカートリッジ50に代えて、液体現像剤やインク等を収容するカートリッジを使用するとともに、そのカートリッジを装着する装着部について前記した各実施の形態におけるトナーカートリッジの装着部15に関する構成などを適用することが可能である。