JP2010197405A - 肺障害を発現させる素因の決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法を提供する。
【解決手段】肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法であって、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含み、該肺界面活性物質のレベルが重篤な肺障害を発現させる素因を示すものであることを特徴とする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、肺障害の発現を診断または予測する方法に関し、さらに詳しくは、肺胞毛細管膜障害の発現を診断または予測する方法に関する。本発明の方法は、とりわけ、肺障害を検出したりまたは有毒な因子によってあるいは治療剤に暴露された結果として生じる所望でない副作用として引き起こされるものなどの肺障害の発現を予測するため、および肺障害の進行をモニターするために有用である。
本明細書の著者により参照される刊行物の参考書目の詳細は、本記載の最後にまとめてある。肺の気/液界面には、リン脂質、中性脂質および特別のタンパク質(サーファクタントタンパク質A、B、CおよびD(本明細書では、それぞれ、「SP−A」、「SP−B」、「SP−C」および「SP−D」と称する))を含む単分子層が並んでいる。「肺界面活性物質(pulmonary surfactant)」の総称で知られるこれらタンパク質は、表面張力を下げ、呼吸の労力を低減させ、さらに表面張力を変えて異なるサイズの肺胞を共存させることにより肺を安定化させる。
肺界面活性物質のリン脂質は肺胞II型細胞により合成され、該細胞でラメラ体(lamellar bodies)として知られる個々の小胞中に貯蔵される。様々な刺激、とりわけII型細胞の物理的な歪みに応答してラメラ体の内容物が下相(hypophase)に遊離され、そこで水和して管状ミエリン(tubular myelin)として知られる3−D格子構造を形成する。この管状ミエリンが今度は生物物理活性を有する単分子層を気/液界面に提供する。
単分子層の成分は限られた寿命を有し、絶えず置き換わっている。ジ飽和リン脂質(DSP)は表面張力を低肺容量で起こると思われる非常に低い値まで下げる性質を有すると考えられており、一方、2番目に多量に認められる肺界面活性物質脂質であるコレステロールは、吸収速度(rate of absorption)および新たに遊離された物質の流動性に影響を及ぼすと考えられる。システムは極めてダイナミックである:ラットでは、哺乳動物の肺界面活性物質の主要な成分であるジパルミトイルホスファチジルコリンの肺胞での半減期は〜80分であり、その85%もがII型細胞に取り込まれて再利用される(非特許文献1)。
今日、4つのタンパク質、SP−A、SP−B、SP−CおよびSP−Dは、哺乳動物の肺界面活性物質と独特に結合していることが示されている。極めて疎水性のタンパク質(SP−BおよびSP−C)は単分子層の機能性成分であり、一方、より親水性のタンパク質(SP−A)は肺界面活性物質ホメオスタシスおよび宿主防御に一層関与しており、SP−Dは宿主防御にのみ関与しているとの一般的なコンセンサスが存在する。
成人呼吸窮迫症候群(ARDS)は、気道を介した直接的な外傷かまたは血液を介した間接的な外傷のいずれかにより引き起こされる重篤で広汎性の肺障害を代表する。ARDSの顕著な特徴は、浸透性浮腫(permeability edema)の結果としての血液の酸素による飽和および呼吸系コンプライアンスの悪化である。種々の異なる障害がARDSを導き得るが、共通する経路はおそらく肺障害という結果となる。酸素フリーラジカル、アラキドン酸代謝産物、および炎症メディエーター、たとえば、インターロイキン−1、プロテアーゼ、および腫瘍壊死因子の遊離を伴う肺内での白血球活性化は、肺胞毛細管膜の浸透性を高める結果となる。この巨大分子関門の喪失に伴い、肺胞には血清タンパク質が押寄せ、これら血清タンパク質が肺の界面活性物質の機能を損なう(非特許文献2;非特許文献3)。このことが状態をさらに悪化させる静水力を生み出し(非特許文献4)、肺胞浮腫と同時に気体交換および肺コンプライアンスの悪化へ導く。
過去10年間の間に肺の浸透性を決定するための多くの方法が評価されてきている(非特許文献5)。一般に、これら方法は肺中へのまたは肺からの放射性標識の流量を決定することに依存していた。しかしながら、適当なスキャナーでの記号論理学的(logistic)問題、安定性、および標識の特異性、および数学的なモデル形成上の不確かさのために、わずかしか臨床的に応用されていない(非特許文献5)。さらに、有害な因子によって引き起こされたものなどの肺障害は、気道耐性または気体交換における変化が起こるに充分な障害が生じたときに臨床的にのみ検出可能であった。このことが比較的進行した肺疾患を反映することはよく受け入れられている。
サーファクタントタンパク質は、通常、肺においてのみ相当量で認められる。気室(airspaces)ではSP−Aはストークス半径が〜35nmの高分子量(〜650kDa)オリゴマーを優勢に形成する(非特許文献6)。成熟SP−Bは低分子量(〜18kDa)のチオール依存性のホモダイマーとして会合し(非特許文献7)、通常、界面活性物質リン脂質の複合体と堅固に会合しているが(非特許文献8)、単離II型細胞におけるインビトロおよびインビボ研究は、該タンパク質の少なくとも幾つかがそれぞれ〜45kDaおよび〜25kDaの分子量を有する親水性のモノマー性プロタンパク質およびプロセシングを受けた中間体として肺胞中に分泌されることを示唆している(非特許文献9;非特許文献10)。
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本発明に至る研究において、本発明者らは予期しないことに、血清の肺界面活性物質レベルが肺障害(とりわけ、早期の段階での肺障害)かまたは肺障害を発現させる素因のいずれかの極めて高感度の診断マーカーを提供することを見出した。
従って、本発明の一つの側面は哺乳動物における肺障害の診断方法に関し、該方法は、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含む。
他の側面において、哺乳動物における肺障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dレベルの1またはそれ以上の変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面は哺乳動物における肺障害の診断方法に関し、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面において、哺乳動物における早期の段階の肺障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面は哺乳動物における早期の段階の肺障害の検出方法に関し、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面において、哺乳動物における早期の段階の肺胞毛細管膜障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの増大をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面は哺乳動物における肺障害の程度の変化をモニターする方法を提供し、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面において、哺乳動物における肺胞毛細管膜障害の程度の増大をモニターする方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの増大をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面は哺乳動物における肺胞毛細管膜障害の程度の減少をモニターする方法を提供し、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの減少をスクリーニングすることを含む。
従って、本発明の他の側面は哺乳動物における肺障害の診断方法に関し、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの比率の変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面は哺乳動物における肺障害の程度の変化をモニターする方法に関し、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの比率の変調をスクリーニングすることを含む。
本発明のさらに他の側面において、肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含み、その際、該肺界面活性物質のレベルはさらに肺障害を発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面は、肺障害因子に暴露されたためにALIを発現している哺乳動物においてARDSを発現させる素因を決定する方法を提供し、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質の変調をスクリーニングすることを含み、その際、該肺界面活性物質のレベルはARDSを発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面において、肺障害因子に暴露されたためにALIを発現している哺乳動物においてARDSを発現させる素因を決定する方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Aおよび/またはSP−Bのレベルをスクリーニングすることを含み、その際、該SP−Aおよび/またはSP−BのレベルはARDSを発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面は、肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法を提供し、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの比率の変調をスクリーニングすることを含み、その際、該比率は重篤な肺障害を発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面は、肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法を提供し、該方法は、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調を他の肺臨床パラメーターの測定結果と相関させることを含み、その際、該相関は重篤な肺障害を発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面において、肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調を他の肺障害スコアと相関させることを含み、その際、該相関の結果は重篤な肺障害を発現させる素因を示すものである。
本発明のさらに他の側面は、肺界面活性物質の検出試薬を収容すべく適合させた第一の区画と、該第一の区画中の該試薬による検出を容易にするのに有用な試薬を収容すべく適合させた第二の区画とを区画された形態で含む、血清試料をアッセイするための診断キットを提供する。たとえば、生物学的試料を収容するためにさらなる区画も含まれていてよい。検出試薬は抗体または他の適当な検出分子であってよい。
本発明は、その一部において、血清の肺界面活性物質レベルと肺障害の発現または肺障害の発現の素因の診断との間の相関の同定(identification)に基づいている。従って、本発明の一つの側面は哺乳動物における肺障害の診断方法に関し、該方法は、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含む。
「体液」について言及するときは、該哺乳動物の体からの流体について言及することを包含するものであり、たとえば、これらに限られるものではないが、血液(全血に由来する成分、たとえば、血清および血漿を含む)、尿、涙、気管支分泌液または粘液および該哺乳動物の体中に導入されてその後に除去された流体、たとえば、肺洗浄の後に肺から抽出した塩水溶液を含む。好ましくは、体液は血液または尿であり、さらに一層好ましくは血液である。以下、血液について言及するときは他のすべての体液について言及することを包含するものとして読まれなければならない。
本明細書において使用する「哺乳動物」には、ヒト、霊長類、家畜(たとえば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ロバ)、実験室の試験動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)、ペット動物(たとえば、イヌ、ネコ)および捕獲した野生動物(たとえば、カンガルー、シカ、キツネ)が含まれる。好ましくは、哺乳動物はヒトまたは実験室の試験動物である。さらに一層好ましくは、哺乳動物はヒトである。「肺障害」なる語は、たとえば、自己免疫状態の開始、移植後の肺の拒絶、炎症応答という結果となる感染、肺における圧力/容積関係の変化、該哺乳動物の外来因子(たとえば、タバコの煙または埃)、有害因子または毒性因子(たとえば、溶媒または有毒ガス(fumes))への暴露、または治療薬剤への暴露の結果生じた所望でない副作用などの、先天的な異常または獲得された異常による肺障害を包含するが、これらに限られるものではない。肺障害の例としては、これらに限られるものではないが、形態的および/または構造的な障害および/または肺の機能に対する障害、たとえば、肺クリアランスの欠陥または肺の気体交換機構に対する障害によるタンパク質(たとえば、サーファクタントタンパク質)または流体の蓄積が挙げられる。本発明の特別の態様において、該肺障害は肺胞毛細管膜障害である。
本明細書において「肺界面活性物質」について言及するときは、肺リン脂質、肺中性脂質およびおよび肺サーファクタントタンパク質を含む(これらに限られるものではない)すべての形態の肺界面活性物質およびその誘導体について参照することを包含するものとして読まれなければならず、たとえば、SP−Bの前駆体、プレプロタンパク質、プロタンパク質および中間体形を含むすべてのサブユニット分子を包含する。肺サーファクタントタンパク質の例としては、SP−A、SP−B、SP−CおよびSP−Dが挙げられる。好ましくは、該肺サーファクタントタンパク質は、SP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dである。「SP−A」、「SP−B」、「SP−C」および「SP−D」について言及するときは、そのすべての前駆体、プロタンパク質および中間体形を含むこれら分子のすべての形態について言及するものと理解されなければならない。
従って、哺乳動物における肺障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dレベルの1またはそれ以上の変調をスクリーニングすることを含む。
循環しているSP−AおよびSP−Bのレベルは、該タンパク質の相対的なサイズおよび肺の浸透性のみならず、膜関門を突破するのに利用できる形態にも依存する。SP−Aは、肺胞液中では遊離のものが殆ど存在しない程度までリン脂質に貪欲に結合する。対照的に、肺胞の免疫応答性SP−Bの優勢な形態であるプロタンパク質およびプロセシングを受けた中間体は表面脂質との結合が認められず、おそらく循環系へ自由に入ることが可能となっている。さらに、血漿のSP−B/SP−A比が肺機能とともに変化することは、血漿SP−Bの方がSP−Aよりも肺浸透性の変化の一層ダイナミックなマーカーであることを示唆している。
最も好ましい態様において、本発明は哺乳動物における肺障害の診断方法に関し、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの変調をスクリーニングすることを含む。特別の側面において、該肺障害は肺胞毛細管膜障害である。
該界面活性物質の「誘導体」には、その断片、一部、部分、変異体およびアナログが含まれる。誘導体は、アミノ酸の挿入、欠失または置換によるものであってよい。アミノ酸の挿入誘導体は、アミノおよび/またはカルボキシル末端融合および単一または複数のアミノ酸の配列内挿入を含む。挿入アミノ酸配列変異体は、1またはそれ以上のアミノ酸残基が該タンパク質中の部位に導入されたものである。欠失変異体は、配列からの1またはそれ以上のアミノ酸残基の除去を特徴とする。置換アミノ酸変異体は、配列中の少なくとも1の残基が除去され、その部位に異なる残基が挿入されたものである。
本発明の方法は、早期の段階の肺障害を検出するうえで特に有用である。「早期の段階」は、肺障害の開始および発現が検出できないかまたは1もしくはそれ以上の侵襲性の手順を経ずしては確認できない期間として定義される。たとえば、本発明の方法は、喫煙者における肺浸透性の早期の変化を検出することに応用できる。「早期の段階」はまた、たとえば、穏やかだが慢性の肺障害などの低レベルの肺障害を包含するものと理解されなければならない。好中球の漸増(recruitment)およびエラスターゼや反応性酸素種による肺結合組織の初期破壊を伴うことのある肺浸透性の早期変化は、肺障害の目に見える兆候が外見上存在しなくとも血漿SP−Bレベルの増大によりマークできる。
従って、哺乳動物における早期の段階の肺障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含む。好ましくは、該肺界面活性物質は、SP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dであり、さらに一層好ましくはSP−Bである。
最も好ましい態様において哺乳動物における早期の段階の肺障害の検出方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの変調をスクリーニングすることを含む。とりわけ、該肺障害は、肺胞毛細管膜障害である。
本発明をいかなる一つの理論または作用様式に限定することを意図するものではないが、肺胞毛細管膜障害は肺胞毛細管の浸透性の増大を引き起こす。免疫応答性のSP−AおよびSP−Bは全身の循環系には通常認めうる量では存在しないが、肺障害を患う患者の血清中でのさらなる肺サーファクタントタンパク質の出現が肺胞毛細管の浸透性の変化の結果として起こる。
従って、「変調」なる語は、正常な参照レベル(または正常な参照レベル範囲)かまたは該哺乳動物の体液から決定された早期の界面活性物質レベルの結果と比較した血清肺界面活性物質レベルの増大および減少を意味する。正常な参照レベルは、肺障害を何ら有しない哺乳動物または哺乳動物群からの体液からの界面活性物質レベルである。該参照レベルは別個の数字であってもよいし、または数字の範囲であってもよい。該参照レベルは界面活性物質分子の個々のクラスで異なるかもしれない。たとえば、SP−Aの正常レベルはSP−Bまたは特定のSP−Bサブユニットの正常レベルと異なるかもしれない。好ましくは、該変調は血液の肺界面活性物質レベルの増大である。
この好ましい態様に従い、哺乳動物における肺障害の診断方法が提供され、該方法は、該哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの増大をスクリーニングすることを含む。詳しくは肺損傷は、早期段階の肺損傷であり、さらに詳しくは、肺胞毛細管膜損傷である。
好ましい具体例は、哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの増加をスクリーニングすることを特徴とする哺乳動物における早期段階の肺胞毛細管膜損傷の診断方法を提供する。好ましい方法は、血液中の肺界面活性物質レベルの増加を検出することであるが、特定の状況下においては該界面活性物質レベルの減少を検出することが望まれる。たとえば、肺胞毛細管膜損傷の患者の診断治療の過程において肺胞毛細管膜の形態における改善をモニターすること、または呼吸困難症候群の未熟児において肺の成熟をモニターすることなどである。
本発明のもう1つの態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの調節をスクリーニングすることを特徴とする、哺乳動物における肺損傷の範囲内の変化をモニターする方法を提供する。肺界面活性物質は、SP−A、−B、−Cまたは−Dが好ましく、SP−Bがさらに好ましい。詳しくは肺損傷は、肺胞毛細管膜損傷である。
好ましい具体例は、哺乳動物の血液中のSP−Bレベルの増加をスクリーニングすることを特徴とする、哺乳動物における肺胞毛細管膜損傷の範囲内の増加をモニターする方法を提供する。さらに別の好ましい具体例は、哺乳動物の血清中のSP−Bレベルの減少をスクリーニングすることを特徴とする、哺乳動物における肺胞毛細管膜損傷の範囲内の減少をモニターする方法を提供する。
本発明方法に用いる肺界面活性物質について、正常な参照レベルに相対する絶対値の分析に加えて、もう1つの別のレベルに相対する価も分析する。たとえば、肺傷害によって、SP−B:SP−Aの比率が肺の機能に反比例するような、血液中のSP−AおよびSP−Bレベルの特異な変化がもたらされる。これらの比率は、正常な参照レベルの比率とも比較することができる。
したがって、本発明のもう1つの態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの比率の調節をスクリーニングすることを特徴とする、哺乳動物における肺損傷の診断方法に関する。
「肺界面活性物質レベルの比率」とは、哺乳動物におけるいずれか2つまたはそれ以上の肺界面活性物質の比率として理解すべきである。「肺界面活性物質」は、先の定義と同様の意味をもつ。哺乳動物において、ひとつの肺界面活性物質レベルの、もう1つの肺界面活性物質レベルに対する比率は、肺損傷を表すことができる。該肺界面活性物質レベルの比率は、SP−B:SP−Aの比率であるのが好ましく、SP−Bプレタンパク質:SP−Aがさらに好ましい。さらに好ましくは、該調節は比率の増加である。さらに好ましくは、SP−B:SP−AまたはSP−Bプレタンパク質:SP−Aの比率における増加は肺胞毛細管膜損傷を表す。
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの調節をスクリーニングすることを特徴とする、哺乳動物における肺損傷の範囲内の変化をモニターする方法に関する。本発明方法は、たとえば炎症応答、異物性作用剤、有害作用剤、毒性作用剤への曝露、治療剤への曝露の副作用、移植後の肺拒絶、自己免疫の発症、潜在的に肺損傷が引き起こされる、喫煙する個人、または溶接、スプレー塗布、ガラスファイバー製造などの職業に従事する個人、もしくは受動的喫煙者である個人といったような異物性作用剤あるいは有害性もしくは毒性作用剤に曝露された個人の肺クリアランス作業またはガス交換の障害および肺胞毛細管膜損傷の発症による、肺の機能的または形態的/項像的損傷(肺胞毛細管膜損傷またはタンパク質停滞の発症)の非侵入性臨床または診断モニターとして広範囲に適用しうるがこれらに限定されるものではない。本発明方法は、いずれかの認識された素因またはある程度の肺損傷を獲得する可能性に関係のない個人の肺の健康状態にも適用しうる。
本発明方法は、哺乳動物の血液中の定量された肺界面活性物質レベルの分析に基いて、哺乳動物の肺損傷の程度の診断にも適用される。たとえば、血液中の肺界面活性物質レベルの増加の程度は、哺乳動物において進行中の肺損傷の程度のインジケーターとして用いられる。急性肺傷害(Acute Lung Injury)(本明細書では、以降ALIと称する)は、胃の内容物の吸引、肺炎、敗血症、大量輸血、多数の外傷性傷害および膵臓炎といったような多数の因子(これらに限定されるものではない)への曝露に引き続いて進行する。いくらか数は少ないが、死亡率が50〜60%の、ALIのより重篤な形態である、より重篤な肺傷害(急性または成人呼吸窮迫症候群(Acute or Adult Respiratory Distress Syndrome)、以降ADRSと称する)が進行する患者もいる。ARDSが進行中である可能性の高い患者を予測することによって、たとえば新規な治療法のターゲッティング、および他に正当化されようがないほどのコストがかかる複合呼吸ストラテジーの使用が可能になる。
したがって、本発明の他の態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの調節をスクリーニングすることを特徴とする(ここで、肺界面活性物質は、さらなる肺損傷が進行する素因を表す)、肺傷害因子に曝露された哺乳動物において重篤な肺損傷の進行する素因を決定する方法を提供する。語句「肺傷害因子」は、新たな肺損傷を直接または間接的に引き起こすかまたは存在する肺損傷を悪化させるいずれかの因子への言及として理解すべきである。該因子としては、機械的換気、高酸素症、胃の内容物の吸引、肺炎、敗血症、大量輸血、多数の外傷性傷害および膵臓炎が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明方法は、肺傷害因子に曝露されており重篤な肺傷害が進行しそうな(ALIのみではない)患者、または肺傷害因子への曝露の結果としてALIが進行しており重篤な肺損傷が進行しそうな患者のいずれかの患者を予測するのに有用である。したがって、語句「重篤な肺損傷」は、その広い意味合いで理解されるべきであり、新たな肺損傷の進行または重篤性の増加といったような存在する肺損傷の悪化のいずれかへの言及を意味している。特に好ましい具体例において、哺乳動物は、肺傷害因子への曝露によるALIが進行しており、重篤な肺損傷はARDSである。ALIは臨床的に明らかであってもなくてもよい。
本発明の好ましい具体例にしたがって、本発明は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質の調節をスクリーニングすることを特徴とする(ここで、肺界面活性物質のレベルは、ARDSが進行する素因を表す)、肺傷害因子への曝露によるALIが進行している哺乳動物においてARDSの進行する素因を決定する方法を提供する。界面活性物質がSP−Aおよび/またはSP−Bであるのが最も好ましい。
本発明の最も好ましい具体例にしたがって、本発明は、哺乳動物の血液中のSP−Aおよび/またはSP−Bのレベルをスクリーニングすることを特徴とする(ここで、SP−Aおよび/またはSP−Bのレベルは、ARDSが進行する素因を表す)、肺傷害因子への曝露によるALIが進行している哺乳動物においてARDSの進行する素因を決定する方法を提供する。
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの比率の調節をスクリーニングすることを特徴とする(ここで、比率は、重篤な肺損傷が進行する素因を表す)、肺傷害因子へ曝露された哺乳動物において重篤な肺損傷の進行する素因を決定する方法を提供する。
どのような作用の理論や形態にも制限されることなく、SP−AおよびSP−Bは、臨床的に検出しえない疾患の重篤度の代理マーカーであると考えられる。したがって、さらなる肺損傷の「素因」のスクリーニングへの言及は、その広い意味合いで理解されるべきであり、さらなる肺損傷が進行しそうな哺乳動物に対するスクリーニングおよびすでにさらなる肺損傷が進行しているが、まだ臨床上の総合的症状を示していない哺乳動物に対するスクリーニングの両方を意味する。
本発明の別の態様において、ARDSなどの重篤な肺損傷が進行する素因は、肺傷害スコアといったような、肺の機能または形態学の多数の因子または臨床パラメーター(以降、肺臨床パラメーターと称する)の測定結果を肺界面活性物質レベルと相関させることによって決定することができる。たとえば、ARDSが進行する危険は、SP−AとSP−Bレベルを相関させるモデルを利用することによって決定することができる。特定の具体例において、該方法は、SP−A、SP−Bおよび肺傷害スコア(ここでP=0.012およびR=46%)を相関させる。肺傷害スコアは、臨床パラメーターに基いており、疾病の臨床重篤度を要約するのに用いられる。日射病における肺傷害スコアではARDSの進行の予測することはできないが、界面活性物質レベル予測インデックスと合わせると有用である。
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの調節を他の肺臨床パラメーターの測定結果と相関させることを特徴とする(ここで、相関は、重篤な肺損傷が進行する素因を表す)、肺傷害因子へ曝露された哺乳動物において重篤な肺損傷の進行する素因を決定する方法を提供する。好ましくは、本発明は、哺乳動物の血液中の肺界面活性物質レベルの調節を他の肺傷害スコアと相関させることを特徴とする(ここで、相関結果は、重篤な肺損傷が進行する素因を表す)、肺傷害因子へ曝露された哺乳動物において重篤な肺損傷の進行する素因を決定する方法を提供する。哺乳動物が、肺傷害因子に曝露された結果としてのALIに冒されており、該重篤な肺損傷がARDSであるのが好ましい。界面活性物質がSP−Aおよび/またはSP−Bであるのがより好ましい。
本発明のこの態様は、肺傷害スコアに関して例証されるが、肺傷害スコアならびに肺界面活性物質レベルの評価に限定されることを意図するものではないことを理解すべきである。むしろ、いずれかの肺臨床パラメーター(肺傷害スコアは1つの例に過ぎない)と肺界面活性物質レベルとの相関関係にまで範囲が広げられることを理解すべきである。
哺乳動物の血清中の肺界面活性物質レベルのスクリーニングは、機能テスト、酵素テストまたは免疫学的テストなどの多数の技法を介して達成される。機能テストには、界面活性物質の放出または再取りこみに影響を及ぼす能力によって、または宿主防衛特性を検出することによって、SP−Aまたは−Bを検出することが含まれる。SP−Cは、会合したパルミテートを測定することによって検出される。免疫学的テストには、抗体−肺界面活性物質複合体が形成されるのに十分な条件下で、血清サンプルを肺界面活性物質(あるいは一群の肺界面活性物質)またはその誘導体に特異的な抗体と1回接触させ、次いで該複合体を検出することが含まれる。
1つの特に好ましい方法において、血清サンプル中の標的界面活性物質分子は、リポーター分子で標識されるかまたはされていない特異的抗体に曝露される。標的の量およびリポーター分子のシグナル強度に応じて、結合した標的は、抗体との直接標識付けによって検出可能である。別法として、第1の抗体に特異的な第2の標識抗体を、標的−第1抗体複合体に曝露して標的−第1抗体−第2抗体の三位複合体を形成させる。該複合体をリポーター分子が放出するシグナルによって検出する。本明細書で用いる「リポーター分子」とは、その化学的性質によって、分析上、抗原結合抗体の検出を可能にする、検出可能なシグナルを提供する分子を意味する。検出は定性的または定量的のいずれかである。このタイプのアッセイにおいて最も一般的に用いられるリポーター分子は、分子(すなわち放射性同位体)と化学発光分子を含む、酵素、フルオロフォアまたは放射性核種のいずれかである。
酵素イムノアッセイの場合、一般的に過ヨウ化グルタルデヒドの手段によって酵素を第2抗体と複合させる。しかし、容易に理解されるように、広範な異なる複合技法が存在し、当業者であればそれらを容易に利用することができる。一般に用いられる酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、βガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼなどが挙げられる。特異的酵素のために用いる基質は一般に、対応する酵素による加水分解の際に、検出可能な色の変化を生み出すように選ばれる。適当な酵素の例として、アルカリホスファターゼおよびペルオキシダーゼが挙げられる。蛍光生成基質を用いることも可能であり、該基質からは前記色素生成基質とは異なり蛍光生成物が得られる。すべてのケースにおいて、酵素標識抗体を第1抗体ハプテン複合体に加え、結合させ、次いで過剰の試薬を洗浄する。次いで、抗体−抗原−抗体複合体に、適当な基質を含有する溶液を加える。基質が第2抗体に結合した酵素と反応して質的視覚シグナルが生み出され、該シグナルを、通常、分光光学的に定量分析することができ、その量がサンプル中に存在するハプテンの量を表す
別法として、フルオレセインまたはローダミンといったような蛍光化合物は、抗体に対し、その結合能力を変えることなく化学的にカップリングすることができる。特定の波長の光を照射されることにより活性化されたとき、蛍光色素標識された抗体は光エネルギーを吸収し、分子が励起状態になり、次いで光学顕微鏡で視覚的に検出可能な特徴のある色の光を放出する。EIAにおいて、蛍光標識された抗体は、第1抗体−ハプテン複合体に結合される。未結合の試薬を洗浄した後、次いで残っている三位複合体を適当な波長の光に曝露し、観察された蛍光から、対象のハプテンの存在が示される。免疫蛍光法およびEIA技法は、両者とも当業界で非常によく知られた方法であり、本発明方法に対して特に好ましいものである。しかし、放射性同位体、化学発光または生物発光分子もまた使用することができる。
本発明方法は、哺乳動物における界面活性物質レベルの測定および実験中に行われる多数の測定(たとえば、個々の哺乳動物における肺損傷状態の進行中のモニタリングに必要な測定)の両方を含むことを理解すべきである。
本発明の他の態様は、肺界面活性物質を検出するための作用剤を含むように適合された第1コンパートメントおよび第1コンパートメントの作用剤による検出を促進するのに有用な試薬を含むように適合された第2コンパートメントからなる仕切り形体を特徴とする、血清サンプルをアッセイするための診断キットを提供する。生物学的サンプルを受け入れるためなど、他のコンパートメントをさらに含めることもできる。該作用剤は抗体または他の適当な検出分子である。
本発明のさらなる特徴を次の実施例によりさらに詳しく説明する。しかし、この詳細な記述は、本発明を例示する目的のためのみに記載されるものであることを理解すべきである。上記本発明の広範な記載内容にいずれかの制限を加えるものであると理解すべきではない。
以下の実施例におけるSP−AおよびSP−Bに関する言及は免疫応答性SP−AおよびSP−Bへの言及として理解すべきである。
図1は、パラコートを吸引した患者からサンプリングした血液について、サーファクタントタンパク質の循環の測定および血中酸素発生の調査をした結果を示す図である。
サンプルの調製および保管
血液は、血漿用には迅速にリチウムヘパリン含有チューブ(ディスポーザブル・プロダクツ、シドニー、オーストラリア)に入れ、血清用にはクロッツ・リトラクション・アクセレレーターに入れて、5000rpmで室温にて5分間遠心分離した(Megafuge;ヘラウス・クリスト、オステロデ、ドイツ)。サンプルはバッチ分析用に−20℃で保管した。
一次抗体の調製
肺胞蛋白症の患者の洗浄液からSP−AおよびSP−Bを精製した。完全フロイントアジュバント(ディフコ・ラボラトリーズ、デトロイト、MI)に各タンパク質を乳化し、三匹のニュージーランド白ウサギに皮下注射した。不完全フロイントアジュバント(ディフコ・ラボラトリーズ)に乳化したSP−AおよびSP−Bで追加免疫感作した。ウサギを放血させ、50%(vol/vol)飽和硫酸アンモニウムを用いて結成からIgGを沈降させた。IgGに136.8mMの塩化ナトリウム、8.1mMのリン酸水素二ナトリウム、2.6mMの塩化カリウム、0.02%のナトリウムアジドを含む0.7mMのリン酸二水素カリウムおよび0.05%(vol/vol)のTween20(PBST)を加えてもとの血清の体積に戻し、200mlの架橋正常ヒト血清に対して4℃で一夜免疫吸着させた。可溶性A型血液の抗原決定基に対する特異性を除去するために、A(+ve)、A(−ve)、AB(+ve)、O(+ve)およびO(−ve)の血液型をもつ5体の検体からの等量の血漿血漿を含む貯蔵血液から、架橋血清を調製した。4℃、8000g(最大)にて1時間遠心分離して未吸着の成分を単離し、新鮮なヒト血清免疫吸着剤を用いて免疫吸着操作を繰り返した。最終的に、0.2μmのAcrodyscフィルター(滅菌アクロディスク;ゲルマン・サイエンシズ、アン・アーバー、MI;#4192)で抗体を濾過した。両抗体は、天然および還元状態の両方の抗原に対して強く反応する。SP−Bに対する抗体は、成熟ペプチドに加えて、その加工中間体およびそのプロプロテインにも反応する。
ELISA
SP−AおよびSP−Bを、標準として肺胞蛋白症患者の洗浄液から精製したSP−AおよびSP−Bを用いるELISA阻害アッセイにより測定した。サンプルは、ブラインドランダム作法にてアッセイした。会合した血漿または界面活性物質成分からSP−AおよびSP−Bを遊離させるために、すべてのタンパク質を次の作法で処理した。125μlのアリコートを、0.25%のBSAを含む10mMのトリス、1mMのEDTA(pH7.4)で希釈した。室温で10分間旋回させた後、3%SDSおよび12%トリトンX−100(v/v)を含む溶液125μlを各サンプルに加えた。サンプルを再度10分間旋回し、サーファクタントタンパク質濃度をELISA阻害アッセイを用いて測定した。
SP−AおよびSP−Bアッセイは、2つに分けて行った。コスターELISAプレート(コスター、ケンブリッジ、MA;#2595)を、15mMの炭酸ナトリウム、35mMの重炭酸ナトリウムおよび0.02%ナトリウムアジド(pH9.6)を含む溶液中の精製SP−AおよびSP−B(1μg/ml)で4℃にて一夜コートした。コートしたプレートは、使用前にPBSTで洗浄した。
別のELISAプレートにて、サンプルおよび標準の希釈液(常套の方法で各プレートに置かれたもの)をそれぞれの一次抗体のアリコートとともにインキュベートした。各処理サンプルには、0.25%BSA(PBST/BSA)を含むPBSTで二倍希釈を4回行ってアッセイした。PBST/BSA(SP−A:1.95ng/mlから250ng/ml;SP−B:7.8ng/mlから1.0μg/ml)で二倍希釈を8回おこなって標準曲線を作成した。サンプルは二回アッセイを繰り返し、標準は4回アッセイを繰り返した。
90分後、アリコートをSP−AおよびSP−Bでコートしたプレートに移し、室温にてさらに90分間インキュベートした。次いで、これらのプレートをPBSTで洗浄し、PBST/BSAで希釈したアルカリホスファターゼ複合ヒツジ抗ウサギポリクローナルIgG(サイレナス・ラボラトリーズ)のアリコートとともに90分間室温にてインキュベートした。PBSTで洗浄した後、1.0Mジエチルアミンおよび0.5mM塩化マグネシウム中の15mMリン酸ニトロフェニルジナトリウム(シグマ104ホスファターゼ基質タブレット;シグマ・ケミカル・コーポレイション;セントルイス、MO)で、室温にてプレートを展開した。〜1時間で、DynatechMR5000リーダー(ダイナテック・ラボラトリーズ、チャンティリー、VA)を用い、405nmにて基質の吸着を測定した。AssayZapプログラム(バイオソフト、ファーガソン、MO)を用いて、標準曲線を作成し、免疫応答性に基いて各サンプル中のサーファクタントタンパク質の濃度を計算した。
統計
結果を平均±SEで表した。データが正常に分散しているという仮定をする理由がなかったので、非パラメーター分析を用いた。マン−ホイットニーU検定またはウィルコクソン・マッチド・ペア・サイン・ランク検定を用いてすべてを比較した。
正常血漿サーファクタントタンパク質レベルおよび喫煙
タバコの喫煙は、肺損傷を引き起こす因子として関連付けられている。この肺損傷には、気道および肺柔組織の損傷が含まれ、気管支炎、気腫およびある種の肺ガンといったような広い範囲の身体状態として現れる。しかし、多くの喫煙者は臨床的に明らかな肺損傷を有さず、無症候である。したがって、「正常血漿サーファクタントタンパク質レベル」は、非喫煙者および無症候性肺損傷を意味する「正常喫煙レベル」である喫煙者について記載する必要がある。タバコの喫煙は、煙刺激によって血管に作用するニューロペプチド(タキキニン)が気道内の感覚神経から放出される(Germonpreら、1995;Geppettiら、1993;Leiら、1993;NadelおよびBorson、1991)ために、急性かつ可逆的に肺上皮浸透性を増加するので、喫煙者はスクリーニングの少なくとも4時間前に喫煙を絶つことを要求される。2mlの末梢血管血液を前腕前部の静脈から採取し、速やかにリチウムヘパリンチューブに入れて、5000rpmで室温にて5分間遠心分離する(Megafuge;ヘラウス・クリスト、オステロデ、ドイツ)。
どの肺疾患をもっているかわかっていない66人の無症候性成人から血液をサンプリングした。被験者の年齢、性別および喫煙暦について特に留意した。結果を表1に示す。
Figure 2010197405
(平均±SE、マン−ホイットニーU検定)
31人の被験者は、20.1±2.7パック/年のタバコを吸い、このことは、33%のRおよびP値=0.0005にて彼らのSP−Bレベルと相関があった。SP−Aについてのこれらのデータから得られる95%の信頼区間は、非喫煙者については219.7−277.1(ng/ml)であり、喫煙者については181.4−303.2(ng/ml)であり、SP−Bでは、非喫煙者については1840−2213(ng/ml)であり、喫煙者については2619−3473(ng/ml)であった。
血漿SP−Bレベルは、無症候性非喫煙者と比べて、無症候性喫煙者において上昇し、これは喫煙者における損なわれた肺の健康に匹敵する。血漿SP−Bレベルが肺の健康の非常に敏感なマーカーであるという主張をサポートするものである。95%の信頼間隔を用いて、上昇した集団に関し、肺損傷を示す、各サーファクタントタンパク質の血漿レベルの上昇を評価する。続いてのデータは、このデータに匹敵する上昇レベルまたは個々の被験者における縦方向の実験から得られるベースライン血漿レベルからの上昇を意味する。
ヒトにおける肺胞毛細管膜バリヤーの運動誘発性傷害
18人の被験者(平均±SE;年齢:18〜29歳,24.3±0.80歳;身長:162〜188cm,178.6±1.72cm;体重:53〜95kg,75.9±2.61kg)(すべて非喫煙者)は、深夜から絶食した後、肺機能研究所に午前7.00から8.00の間に到着した。被験者の半分において、前腕前部静脈から末梢血液サンプリングを1回行った。残りの9人の被験者は運動養生法を行い、その後迅速に血液サンプリングを行った。1週間後、被験者のグループを逆にした。8週間、13人の被験者において手順を繰り返した。
急性運動手順
心拍数をモニターするために、被験者に耳脈拍酸素濃度計(Criticare504−USP、CSI−USA、ワウケシャ、WI)を装着させた。被験者は60rpmにて自転車をこぎ(エルゴメトリー・システム・モデル380B;シーメンスーエルマAB、ソナ、スウェーデン)、10分以内に心拍数が最大心拍数(210−(0.6×年齢)として算出したもの)の約90%になるように負荷を増やした。自転車こぎをさらに20分間継続し、負荷は心拍数が可能な限りこの値に近い値を維持するように継続的に調節した。すべてのケースにおいて、期間中の負荷は徐々に減少した。
結果
血清SP−Bレベルは、運動の後、有意に上昇した(<0.01、n=31;ウィルコクソン・マッチド・ペア・サイン・ランク検定)(休憩時:1565.5ng/ml±94.46;運動時:1899.85ng/ml±128.35;平均±SE)。ヒトでは、肺胞毛細管圧は、激しい運動中は35mmHgで最高になり、この圧力は血液−空気関門の完全さを損ねるのに十分な圧力である。上記のような調査結果は、このことに一致し、肺胞毛細管圧の急速な上昇は、肺胞毛細管にストレス性の機能不全を引き起こし、肺胞毛細管の浸透性を増加する。
それとは逆に、ウマは、比較上、はるかに大きな心筋出力を有しており、さらに、サラブレッドは性能を最大化するように選択的に繁殖されている。したがって、肺胞毛細管圧は、激しい運動中の肺のベースにおいて200mgHgに達する。ウマの血液−空気関門は、多くの他の哺乳動物のものよりもストレス性機能不全に対する耐性が強いが、このような圧力に直面した場合、非常に驚いたことに5歳のサラブレッドの〜90%において、少なくともひとつの著しい肺血液漏出の症状が出現し、これは競馬業界に大きな出費を負担させることになる。循環するSP−AおよびSP−Bは、静水圧誘発性肺損傷の敏感なマーカーである。
競走馬において、激しい運動中に肺血管の圧力が上昇し、その結果として肺水が増加し、肺胞毛細管浸透性が増大するので、肺血管が破裂して、肺胞内に血液が現れる。トレーニング中、レース中、および運動誘発性肺損傷からの回復期間中の血液または血液産物であるサーファクタントタンパク質レベルをモニターする。
急性呼吸不全
急性呼吸不全は、心肺浮腫、多外傷、多輸血、敗血症または重篤な感染、胃内容物の吸引、肺炎、潘種性血管内凝固および膵臓炎などの複数の原因によるものである。
フリンダース・メディカル・センターのクリティカル・ケア・ユニットにいる83人の患者から血液のサンプルを取り、血漿を単離し、分析するまで−20℃で保管した。年齢、性別、および胸部レントゲンスコアから誘導した肺傷害スコア(LIS)、酸素の部分圧/吸い込まれた酸素の比率(PaO/FiO比率)、ポジティブエンド呼気圧の量および呼吸系コンプライアンスを算出した。10人の被験者は、呼吸不全以外の理由で機械的に換気されており、正常な肺機能をもつと考えられた。残りの73人の患者は、急性呼吸不全であり、根本的な原因に応じて分けられた
結果
Figure 2010197405
換気対照被験者は、正常なSP−AおよびSP−Bレベルであった(表2)。しかし、広範囲の急性呼吸不全の原因において血漿レベルの上昇がみられる。最も高いSP−AおよびSP−Bレベルは、一般に、両者とも肺傷害の直接的原因である、吸引または肺炎による急性呼吸不全の患者にみられた。最も低いレベル(しかし依然としてSP−AおよびSP−Bレベルは上昇)は、心肺浮腫の患者にみられた。これは、肺胞毛細管透過性の増大を表すこれらのタンパク質の血漿レベルの上昇を意味し、この上昇は、一般に肺傷害の直接原因において最も大きく、肺傷害の間接原因である、肺静水圧による上昇を原因とする肺傷害においてやや少ない。
メトトレキサートなどの治療的肺毒性薬物のモニタリング
メトトレキサートは、リューマチ性関節炎など、種々の身体状況の治療のために免疫抑制薬物として通例用いられる薬物である。しかし、メトトレキサートの副作用は、現在のところ、血中空気変化などの症状によって、または高度の肺機能テストによって検出されている肺損傷である。このような方法は、進行した肺損傷のみを検出する。血液または血液産物サーファクタントタンパク質レベルを用いて、肺胞毛細管透過性の増大を検出することによって、メトトレキサート療法の安全性をモニターする。モニタリングは、予備テストおよびそれに続く断続的テスト(毎日、毎週または毎月)を含む。
ブレオマイシン処置患者のモニタリング
ブレオマイシンは、肺毒性を引き起こすことが知られている抗ガンまたは細胞毒性薬物である。ブレオマイシン誘発性肺傷害の危険因子は、投与量の増加、他の細胞毒性薬物の併用、放射線療法および補足酸素などである。肺傷害を説明するために3つの主なメカニズムが考えられる。反応性酸素からの直接細胞毒性は、急性肺傷害(ALI)と類似している透過性肺浮腫を引き起こす。肺傷害は、過敏症や特異体質応答によっても起こる。他の細胞毒性薬物と併用せず、通例記載されている用量で患者に投与する限りは、肺毒性を起こさない。
表3では、ブレオマイシンおよび他の細胞毒性薬物を処置した4人の患者を挙げている。患者はどのような呼吸症状も起こしておらず、ガンに関連する肺症状を起こしておらず、すべての患者は非喫煙者であった。安静時に血液をサンプリングし、血漿をアッセイに用いるまで−20℃で凍結保管した。
Figure 2010197405
Figure 2010197405
1)肺機能試験は肺容積を含み、化学療法前の転移因子および気管支拡張薬応答は正常であった。
2)1週間後、さらに30ユニットのブレオマイシンを投与、彼のSP−AおよびSP−Bレベルはまだ上昇していたが、それぞれ295.5および1199.8ng/mlまで低下した。
3)2週間後、さらに、18ユニットのブレオマイシンを投与する化学療法のサイクルを繰り返した。彼のSP−Aレベルは339.9ng/mlに上昇し、SP−Bレベルは5512.8ng/mlに上昇した。
結果
患者3の血漿SP−Bレベルは上昇するが、他の患者のSP−Bレベルは正常である。これは、ブレオマイシンの肺毒性の影響に対する個々の変異性を意味する。
患者2:ブレオマイシンの追加投与(脚注3参照)によるSP−AおよびSP−Bの上昇は、肺胞毛細管透過性の増大および血漿サーファクタントタンパク質レベルの増加に至るブレオマイシン誘発性肺損傷を意味する。このことは、サーファクタントタンパク質レベルを用いて肺毒性薬物の投与をモニターすることができるということを示している。
患者1:さらなる化学療法後、SP−AおよびSP−Bが低下したことは、ブレオマイシン誘発性肺損傷の回復または消散を意味する。このことは、サーファクタントタンパク質レベルを用いて毒性薬物による肺損傷の消散をモニターすることができるということを示している。
放射線療法誘発性肺損傷
意図的あるいは偶然に肺を曝露する放射線療法によって、肺損傷が起こり得る。これは、しばしば相対的に無症候性であるけれども、症候を示すようになり、呼吸不全を発症する患者もある。これは、治療の開始後数週間の内に起こる。サーファクタントタンパク質レベルを用いて、この肺損傷をモニターし、放射線療法の用量および/または頻度を個人化する。
ケース1:19歳の非喫煙者の男性2人から、ホジキンリンパ腫に対する一連の放射線療法の後、血液をサンプリングした。彼は、呼吸症候をあらわさず、先の化学療法は肺毒性ではないと考えられた。彼の血漿SP−Aレベルは416.9ng/mlに上昇し、SP−Bレベルは4020.6ng/mlに上昇した。
ケース2:57歳の女性から、肺の扁平上皮細胞癌に対する3週間の放射線療法の後、血液をサンプリングした。彼女は最近禁煙しており、呼吸症候に変化はなかった。先の化学療法は、肺毒性ではないと考えられた。彼女の血漿SP−Aレベルは963.6ng/mlまで著しく上昇し、SP−Bレベルは2742.3ng/mlに上昇した。
放射線療法誘発性肺毒性による症候は、通例、治療の数週間後に起こる。両方の患者におけるサーファクタントタンパク質の上昇は、放射線療法誘発性肺損傷および肺胞毛細管透過性の増大による上昇を意味する。したがって、サーファクタントタンパク質レベルを用いて、放射線療法をモニターし、療法を個人化し、成長因子などの処置の救助をモニターする。
除草剤誘発性肺損傷
パラコートは、酸素ラジカルの生成により脂質細胞膜を破壊する広範に用いられている除草剤である。またこのことは、ヒトにおいて、特にきわだって肺に対して毒性を示すメカニズムであると考えられる。典型的な例では、吸引後数日で急性肺傷害が発症し、通常、これは、著しい肺線維症をともなう急性呼吸窮迫症候群の発症による致命的呼吸不全へと進行する。
血液は、引き続いて、サーファクタントタンパク質の循環の測定および血中酸素発生の証拠調査のためにパラコートを吸引した患者からサンプリングした。図において、投与後64時間までは、吸い込まれた酸素に対する血中酸素発生の初期値の比率(PaO/FiO)は正常であり、変化はなかった。PaO/FiOの比率の突然の下降は、肺損傷の証拠である。血漿中SP−Bレベルも、投与時から吸引後54時間および血中酸素発生が変化する10時間前に、突然に増加するまでは正常であった。このデータは、肺損傷のサーファクタントタンパク質が早期マーカーであり、このことが肺損傷の臨床診断において先行するものであることを実証している。
重篤な肺損傷の予測
発症する傾向を与える原因を経験した後、患者は急性肺傷害(ALI)を発症し、急性呼吸不全に対する呼吸サポートを必要とするかもしれない。これがさらに重篤な肺損傷へ進行すると、急性呼吸窮迫症候群(ADRS)と呼ばれるようになる。どの患者がARDSを発症するかという予測をすることは、多くの治療法に密接に関連がある。
クリティカル・ケア・ユニットおよびフリンダーズ・メディカル・センターで処置した43人の患者の血液を、肺傷害スコア(LIS)で<2.5として定義されるALIの発症後12時間以内にサンプリングした。患者の性別、年齢,LISおよびARDS(LIS>2.5)の発症を記録した。血漿を単離し、アッセイに用いるまで−20℃で冷凍保管した。データは、平均±SEで表し、マン−ホイットニーU検定でデータを比較した。
Figure 2010197405
SP−Bの血漿レベルは、ALIでない患者よりも、ARDSを発症するであろうALIの患者において有意に高い(表4)。LISは、2つのグループ間で相異せず、年齢または性別の分散に差異はないので、これは臨床分野では予測することはできない。このことは、サーファクタントタンパク質レベルを用いて重篤な肺傷害の発症を予測しうることを示している。
サーファクタントタンパク質の比率
サーファクタント成分の比率は、疾患の経過を理解し、診断し、次いでモニターするのに有用である。例として、表5に、実験を行ったいくつかの患者のグループにおけるSP−B/Aの比率を挙げた。
Figure 2010197405
非喫煙者のSP−B/A比率は換気対照者と同様であったが、しかしながら、喫煙者のSP−B/A比率はそれより高い。このことは、肺胞毛細管膜にある小さなポアを通した漏出を反映するSP−Bレベルと一致する。肺炎や吸引などの肺損傷の直接的原因におけるSP−B/A比率は、敗血症などの間接的原因に比べて著しく増加している。このことは、この群において透過性の大きな増加と一致している。これらの結果から、実際の界面活性物質レベルに加えて、SP−B/A比率も用いることができる。
肺界面活性物質状態の代理マーカーとしての血管内SP−AおよびSP−Bレベルのモニター
SP−Aおよび−Bの非肺性血管および血管外レベルは肺胞毛細管透過性のみに依存するのではなく、肺胞レベルにも依存するであろう。
原発性肺胞プロテイノシスは、気室(airspaces)における過剰の界面活性物質の拡散蓄積を特徴とする、未知の病因の慢性疾患である。患者は一般的に、青年と幼児のはっきりとした割合の45歳以下である。肺全体洗浄が標準的治療法となっているが、臨床経過は著しく変化する。原発性肺胞プロテイノシス患者における界面活性物質合成と分泌は正常であるが、肺胞内の界面活性物質の蓄積はそのクレアランスにおける損傷から起こると考えられている。
先天性肺胞プロテイノシスもまた気室における過剰の界面活性物質の拡散蓄積を特徴とする。原発性肺胞プロテイノシスとの相違は、先天性表現型の多くの確立した原因があることである。これらは、例えば、GM−CSF受容体ベータ共通鎖の発現の欠乏や、SP−B遺伝子における分子欠損を含むが、これらに限定されるものではない。
個別末梢血液検体を、原発性肺胞プロテイノシスと診断された患者12人(30歳±2.7、平均±SE)の前腕前部の静脈から採取した。患者は臨床的にも、および気管支貫通あるいは開放性肺生検に基づいても、特発性と診断された。個別末梢血液検体を、先天性肺胞プロテイノシスと診断された幼児3人(1歳以下)の前腕前部の静脈からも採取した。幼児は正常GM−CSF受容体成分を示し、分子的にも免疫組織化学的にもSP−B欠損を示さなかった。
結果
血清SP−AおよびSP−Bは、原発性あるいは先天性肺胞プロテイノシスの患者において、正常に比べ非常に上昇した(全ての群で、p<0.001;マン−ホイットニーU検定)(表6)。
Figure 2010197405
(平均±SE)
循環SP−Aおよび−Bは原発性あるいは非SP−B欠損−先天性肺胞プロテイノシスの患者で大きく上昇する。肺胞毛細管透過性はこれらの患者で正常であるので、これは循環SP−Aおよび−Bは肺界面活性物質レベルの変化を表すことを示唆している。
原発性肺胞プロテイノシスの約30%のケースは自然に消散し、いくらかは延長した期間にかけて多洗浄を必要とし、一方他は散在性肺疾患へと進行する。もし未治療のままで放置すれば、患者の30%が呼吸困難、低酸素血症および死に至る。肺移植がなければ、先天性肺胞プロテイノシスの幼児の予後は悪い。
現在のところ、肺胞プロテイノシスの重篤度は、血中酸素などの間接的パラメーターのみにより不完全に反映される。循環サーファクタントタンパク質レベルはこの状態をモニターする直接的非侵略的方法を提供する。この試験は、SP−Bは存在あるいは存在しない状態の先天的形態の診断に特に有用である。さらに、循環サーファクタントタンパク質レベルは、呼吸窮迫症候群の未熟児の界面活性物質レベルと肺成熟度のモニターの直接的非侵略的方法を提供する。
血管内および血管外液におけるSP−Aおよび−Bレベルのモニター
個別胸膜液および対応する血液を、治療胸腔穿刺の症状を示す88人の患者(63±14歳;平均±SE)から採取した。この実験人口は腫瘍形成(転移癌、血腫悪性腫瘍、および中皮腫)、炎症性胸膜滲出(パラ肺炎、手術後、肺気腫、横隔膜下膿瘍、コラーゲン血管障害、および他の種々の原因)、鬱血性心不全の患者、および硬変症および水胸症の患者から成る。
結果
胸膜SP−AおよびSP−Bレベルは対応する血清検体に比べて、有意に上昇している(両者とも、p<0.001、n=88;ウィルコクソン・マッチドペア・サインド・ランク検定)(表7)。血清SP−AおよびSP−Bレベルは共に胸膜レベルに有意に関連している(SP−A;p<0.001、r=0.57、n=88;SP−B;p<0.001、r=0.4)。
Figure 2010197405
上皮細胞および内皮細胞は一般的にアルブミン(M67kD、動水力学半径〜3.5nm)より大きい分子の動きを限定するが、蛋白質はその濃度勾配を肺胞ハイポフェイズ(hypophase)と血管と血管外コンパートメントの間から拡散する。血管および血管外両方のSP−Aおよび−Bのレベルは肺胞毛細管透過性と肺健康度の敏感なマーカーである。
本分野の技術者は、ここに開示の発明がここに特に開示しているもの以外の変更・修正が可能であることを認めるであろう。本発明がすべての変更・修正をも包含することは、理解されるべきである。本発明は、明細書に個別にあるいは総括的に引用された、あるいは指摘された工程、特徴、組成物および化合物のすべてを、および、2個あるいはそれ以上の工程あるいは特徴のいかなる組合せおよびすべての組合せを包含する。
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Claims (14)

  1. 肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法であって、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調をスクリーニングすることを含み、該肺界面活性物質のレベルが重篤な肺障害を発現させる素因を示すものであることを特徴とする方法。
  2. 該変調が増大である請求項1に記載の方法。
  3. 該哺乳動物が肺障害因子への暴露のために急性の肺障害を発現し、該重篤の肺障害が急性の呼吸窮迫症候群である、請求項2に記載の方法。
  4. 該肺界面活性物質が、SP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dである、請求項1ないし3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 該肺界面活性物質がSP−Bである、請求項4に記載の方法。
  6. 該体液が血液である請求項1ないし5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法であって、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの比率の変調をスクリーニングすることを含み、該比率が重篤な肺障害を発現させる素因を示すものであることを特徴とする方法。
  8. 該体液が血液である請求項7に記載の方法。
  9. 肺障害因子に暴露された哺乳動物において重篤な肺障害を発現させる素因を決定する方法であって、該哺乳動物の体液中の肺界面活性物質レベルの変調を他の肺臨床パラメーターの測定結果と相関させることを含み、該相関の結果が重篤な肺障害を発現させる素因を示すものであることを特徴とする方法。
  10. 該肺臨床パラメーターが肺障害スコアである、請求項9に記載の方法。
  11. 該肺界面活性物質が、SP−A、SP−B、SP−CまたはSP−Dのいずれか一つまたはそれ以上である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 該肺界面活性物質がSP−Bである、請求項11に記載の方法。
  13. 該体液が血液である請求項9ないし12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 該哺乳動物がヒトである、請求項1ないし13のいずれか一つに記載の方法。
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