JP2010197269A - 試料観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 走査型電子顕微鏡を用いた、汎用性の高いドメイン観察方法を提供する。
【解決手段】
走査型電子顕微鏡を用いて、観察試料に電子線を照射して得られる反射電子像によりドメイン観察を行なう試料観察方法であって、試料を鏡面研磨し、研磨面に導電性を有する蒸着膜を形成して前記観察試料を作製する試料準備工程と、前記観察試料を、走査型電子顕微鏡で、前記電子線の加速電圧を3kV以上10kV以下となるように設定するとともに、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に比べてコントラストを強調する条件で観察する観察工程と、を有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、強誘電体等のドメイン観察を行なう試料観察方法に関するものであり、特に走査型電子顕微鏡の反射電子像を用いた試料観察方法に関するものである。
磁性体や強誘電体材料等の結晶粒子中にはある大きさで分極の方向が揃った領域があり、ドメインと呼ばれている。従来、このようなドメインの観察は、偏光顕微鏡、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡などを用いて行われている。
この中で、走査型電子顕微鏡は、幅広い倍率に対応できるとともに、種々の試料に適応可能であり、観察のための試料の前処理も比較的容易であることから注目されている。しかしながら、ドメインは、分極の方向が異なるのみで、表面状態や組成に殆ど変化がないため、通常の観察方法ではドメイン観察を行なうことはできない。そこで、走査型電子顕微鏡を用いて観察する場合には、70度程度傾斜した試料に電子線を照射して結晶配向を測定する電子後方散乱回折(EBSD:Electron Back Scatter Diffraction Patterns)法や、試料の観察面を鏡面研磨した後に化学的にエッチングし、さらにカーボンを蒸着して二次電子像で観察する方法、観察面を鏡面研磨し蒸着をしないで二次電子像で観察する方法を用いる必要がある。
「分極反転デバイスの基礎と応用」、宮澤 信太郎、栗村 直監修、オプトロニクス社、2005
しかしながら、EBSD法では分解能が低く、ドメインの大きさによっては観察できないという問題があった。さらに、観察倍率によっては、極狭い領域のみの測定しかできず、広い領域にわたり観察を行なうには莫大な時間がかかり現実的ではないという問題点があった。また、観察面を鏡面研磨した後に化学的にエッチングし、さらにカーボンを蒸着して二次電子像で観察する方法では、酸などの薬品を用いる必要があり、材料ごとにエッチング条件を探す必要があり、その作業には熟練を要するとともに、廃液処理も必要となり、試料の前処理が煩雑になるという問題点があった。観察面を鏡面研磨し蒸着をしないで二次電子像で観察する方法では、絶縁材料を無蒸着で観察する方法であることから、チャージアップの影響で安定した観察が行えず、観察に熟練を要するという問題があった。
本発明は上述の問題点を鑑みて案出されたものであり、その目的は、適用試料、適用倍率の自由度が高いため、汎用性が高く、安定したドメイン観察を行なうことのできるの試料観察方法を提供することである。
本発明の試料観察方法は、走査型電子顕微鏡を用いて、観察試料に電子線を照射して得られる反射電子像によりドメイン観察を行なう試料観察方法であって、試料を鏡面研磨し、研磨面に導電性を有する蒸着膜を形成して前記観察試料を作製する試料準備工程と、前記観察試料を、走査型電子顕微鏡で、前記電子線の加速電圧を3kV以上10kV以下となるように設定するとともに、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に比べてコントラストを強調する条件で観察する観察工程と、を有するものである。
本発明の試料観察方法によれば、化学的なエッチング処理を必要としないことから、材料毎にエッチング条件を探す必要がなく、観察試料の前処理が容易となる。また、化学的なエッチング処理を行なうときに生じていた酸などの廃液処理も不要となる。さらに、観察面に導電性を有する蒸着膜を形成することから、電子線を照射してもチャージアップが生じないため、安定して観察試料を観察することができる。以上より、安定した観察を行なうための前処理が容易な、汎用性の高い試料観察方法を提供できる。
また、試料観察時の電子線による加速電圧を3kV以上10kV以下とすることから、観察試料の最表面のドメインの情報をもつ反射電子を検出することができる。そして、このような反射電子をコントラストを強調する条件で測定することから、通常はノイズに隠れたり輝度の違いを認識できなかったりすることから反射電子像では観察できなかったドメインを、走査型電子顕微鏡で観察することができる試料観察方法を提供することができる。
以上より、本発明によれば、走査型電子顕微鏡を用いた、汎用性が高いドメイン観察可能な試料観察方法を提供できる。
本発明の試料観察方法で、強誘電体からなる観察試料を観察した反射電子像である。
本発明の試料観察方法の実施の形態について、工程毎に説明する。
〔試料準備工程〕
まず、観察試料を準備する。試料としては結晶内にドメインを有するものであれば特に限定はされないが、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸バリウムなどの強誘電体材料を用いることができる。
このような試料を、鏡面研磨して研磨面を作製する。具体的には、試料を通常の走査電子顕微鏡用試料研磨と同様に研磨機を用いて研磨する。まず、ダイヤモンド研磨板を用いて荒削りを行い、試料表面を平坦化する。その後、研磨液と研磨板との組合せの粒度を徐々に小さくして研磨していく。なお、研磨液としてはダイヤモンド懸濁液等を用いることができる。最終的には、仕上げ研磨として、研磨液に、アルミナ懸濁液またはコロイダルシリカ懸濁液を用い、研磨板としてバフを用いて、バフ研磨を行い鏡面加工する。
なお、一連の研磨作業を行なう際に研磨機に試料を保持する方法は、試料のサイズ等を考慮して適宜選択することができる。例えば、試料を直接研磨機に接着して行なっても良いし、樹脂に埋め込んだものや、走査型電子顕微鏡用の試料台に接着剤等で固定したものを治具を用いて保持しても良い。
なお、走査型電子顕微鏡の観察用試料の表面加工方法としてはイオンビームを用いるイオン研磨もあるが、上述のように、機械研磨で鏡面研磨を行うので、イオン研磨などで問題となるイオン照射によるダメージ相の形成や、熱ダメージによるドメインの変質が起こらない。このことから、試料を機械研磨することで、試料の前処理段階におけるドメインの変質を抑制することができる。
このように鏡面加工した研磨面を作製することで、後の観察工程において反射電子像を観察するときに、観察試料表面の凹凸に起因するコントラストの変化を抑制し、ドメインによる信号量の変化(コントラストの変化)を抽出することができる。
次に、鏡面研磨した試料の研磨面に導電性を有する蒸着膜を形成する。蒸着膜としては、走査型電子顕微鏡で電子銃を照射したときのチャージアップを抑制するために導電性を有していれば、特にその材料は限定されないが、例えば、カーボン、Pt、Au等を用いることができる。中でも、ドメインの極表面の情報を得るために、電子線の吸収及び観察面で反射される反射電子の吸収を抑えるためにカーボンを用いることが好ましい。カーボンからなる蒸着膜は、真空にしたチャンバー内で、蒸着源となるカーボンを抵抗加熱により蒸発させる蒸着機も用いて形成すれば良い。蒸着膜の膜厚は蒸着源と試料間の距離や、蒸着機中の蒸着源と試料との間に設けたシャッターの開閉等で制御することができる。なお、このような手法で作製したカーボン膜はアモルファスであり、試料からの情報(反射電子)を弱めるので、その膜厚は薄いほうが望ましく、チャージアップを抑えることができる必要最小限の厚みで形成する。具体的には、膜厚は10nm以下であればチャージアップを防ぎつつ、ドメイン観察をすることができるが、より好ましくは、5nm以下とする。
このように、蒸着膜として、カーボンを用い、その厚みを10nm以下とすることで、観察試料のドメインからの信号が弱められることなく反射電子の検出器に到達し、鮮明なドメイン像を観察することができる。
以上のように、試料を鏡面研磨し、その研磨面に蒸着膜を形成することで、観察面のドメインを損傷させることなく、簡易に観察試料を作製することができる。
〔観察工程〕
次に、試料準備工程において作製した観察試料を走査型電子顕微鏡にて観察する。観察試料の走査型電子顕微鏡内への設置方法、走査型電子顕微鏡の試料室の真空度等は、通常の走査型電子顕微鏡による試料観察方法と同様にして行なう。観察試料の観察面と走査型電子顕微鏡の電子銃との距離は、観察倍率、観察試料に応じて適宜設定することができる。
走査型電子顕微鏡内に設置された観察試料に、電子線を照射する。ここで、電子線の加速電圧は3kV以上10kV以下に設定する。3kV未満とすると、観察に充分な信号量を有する反射電子像を得ることができないため好ましくない。10kVを超えると、反射電子の観察試料表面からの脱出深さが深くなり、反射電子像が複雑になるとともに、表面のドメインからの信号が少なくなるため好ましくない。3kV以上10kV以下とすることで、観察試料の最表面のドメインの情報をもつ反射電子を効率よく検出することができる。
そして、このような条件で測定した反射電子像のコントラストを、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に比べてコントラストを強調する条件で観察する。通常の測定においては、コントラストの調整を自動調整する場合でも、手動で調整する場合でも、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定する。具体的には、表示可能な輝度範囲が0から255の場合には、反射電子走査画像の輝度の最大値と最小値を求めて256分割したり、輝度及び分布量をヒストグラム法により表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するようにしたり、反射電子走査画像の輝度情報を代表する複数の数値(通常2つ、50と150など)を抽出し、その代表値から外れる信号が少なくなるようにしたりするために、反射電子検出器の光電子増倍管の電圧等のパラメータを調整していた。
これに対して、本発明では、このようなコントラストの条件から外し、よりコントラストを強調する条件で測定する。具体的には、観察画面上で反射電子信号が飽和しない範囲でコントラストを最大に設定する。なお、このような条件は、観察画面がざらつき、像を確認できないため、通常は用いられない。このように、コントラストを強調する条件で測定することで、従来はノイズに隠れたり輝度の違いを認識できなかったりすることから反射電子像では観察できなかったドメインを走査型電子顕微鏡で観察することができる試料観察方法を提供することができる。
ここで、従来は不可能であると考えられていた反射電子像によるドメイン観察が、本発明により可能となったメカニズムについて考察する。
強誘電体のドメインの観察が可能な透過電子顕微鏡における、ドメイン観察のメカニズムは、90°ドメインは回折コントラストで、180°ドメインはフリーデル則の破れが原因とそれぞれ考えられている。フリーデル則の破れとは、ある結晶面で電子線の反射が起こるとき、結晶面の表側で反射が起こる場合と裏側で反射が起こる場合とで反射強度が異なる現象である。観察する試料に中心対称性がなく、かつ、試料が厚く多重反射が起こるときにフリーデル則の破れが生じる。透過電子顕微鏡では180°ドメインが観察できる場所は試料が厚く、多重反射が起こる場所に限られており、試料の薄い場所では180°ドメインは観察できない。
以上のような透過電子顕微鏡におけるドメイン観察方法を考慮すると、90°ドメインはドメイン間の結晶方位がわずかに傾いているので、走査型電子顕微鏡においても、透過電子顕微鏡の回折コントラストに相当するチャンネリングコントラストを得ることができる。一方、180°ドメインについては、走査型電子顕微鏡の反射電子像に見られるチャネリングコントラストもバルク試料内での電子線の回折現象を利用しているため、フリーデル則の破れが原因となる180°ドメインの観察が行えると考えられる。
ただし、走査型電子顕微鏡における反射電子像は、本来観察試料の組成の違いに起因するコントラストの違いを観察するものである。ドメインは極性は異なるが、組成の変化はないためコントラストの違いが生じる主たる原因は存在しない。
このため、ドメインによるコントラストの違いが生じる信号量変化は非常に小さく、ノイズに隠れる可能性がある。そこで、加速度電圧をフリーデル則の破れを観察できる程度に大きく、表面にあるドメインの情報を多く含むように大きすぎないように設定して、ドメインによる信号量変化を確保するとともに、コントラストの条件を通常の条件に比べ大きくコントラストを強調するものとし、通常であればノイズに隠れる信号量の違いを拾って強調することで、反射電子像によるドメイン観察が可能となったものと考えられる。
上述のようなメカニズムにより観察しているため、透過型電子顕微鏡では限られた場所以外は観察できなかった180°ドメインを、本発明によれば、場所を限定することなく観察できることになる。走査電子顕微鏡ではバルクの試料を観察するので、試料全面が透過電子顕微鏡における試料が厚く多重反射が起こる場所に相当することになるからである。
このような工程により観察試料を観察することで、汎用性の高いドメイン観察方法を提供することができる。なお、本手法を用いることで、従来のEBSD法では観察できなかった5000倍以上の高倍率で広範囲にわたる観察が短時間で可能となり、サブミクロンオーダー、ナノメートルオーダーのドメインも観察できる。本発明は特にこのような高倍率でのドメイン観察を、どのような試料に対しても適用できる点で有効である。
次に、本発明による試料観察方法のさらに好ましい例について説明する。
観察工程において、上述の例では、走査型電子顕微鏡の電子線を照射する電子銃と観察試料との距離および電子銃の照射電流については特に限定していないが、電子線を照射する電子銃と観察試料との距離(ワーキングディスタンス、以下WDとする)を10mm以上とし、電子線の照射電流を7nA以上とすることが好ましい。
WDは、高分解能で測定するために、通常はできるだけ小さく設定する。しかしながら、発明者が鋭意遂行を重ねた結果、理由は明らかではないが、ドメイン観察を行なう場合には、WDを小さくすると、結晶粒子のコントラストは強調されるがドメインのコントラストは低くなり、WDを大きくすると結晶粒子のコントラストが弱まりドメインのコントラストが強調されることを確認した。このため、WDを10mm以上とすることが好ましい。
一方、照射電流についても、高分解能で測定するために、通常はできるだけ小さく設定する。しかしながら、発明者が鋭意遂行を重ねた結果、ドメイン観察を行なう場合には、照射電流を大きくするに従い、ドメインのコントラストが強調されることを確認した。
このようなWD、照射電流の測定条件は、通常の高分解能観察の設定と逆の設定であり、ドメイン観察時に特有の条件である。特に、高倍率で観察する場合には、通常、より厳密にWDを小さく、照射電流を小さくしていたが、ドメイン観察の場合には、高倍率観察の場合であっても、この特有の条件で観察することが好ましい。
また、観察工程において、積算撮影を行なったり、一視野の撮影時間を5分以上の低速スキャンとしたりすることが好ましい。
本発明の手法では、反射電子像撮影時に、ノイズに隠れる恐れのあるコントラストの違いを強調して観察するために、細かなドメインが観察できるようになる。しかし、一方で、コントラストを強調する条件で観察すると、像のノイズが増える。このため、積算撮影を行なったり、一視野の撮影時間を5分以上の低速スキャンとしたりすることでノイズを抑制することが好ましい。このような観察方法とすることで、撮影時(観察時)のノイズを抑えることができ、コントラストが強調できしかもノイズの少ない像を観察することが可能になる。
なお、走査型電子顕微鏡の付属設備の一つであるエネルギー分散型X線分光器の制御ソフトには試料のドリフト補正を行いながら走査電子顕微鏡像の積算撮影が可能なものもある。積算撮影を行なう場合には、撮影に長時間を要し、電子線の照射位置がずれる(ドリフトする)ことにより像が不鮮明となる恐れがあるが、このような機能を用いれば、長時間に亘る積算撮影を行っても積算の都度ドリフトを補正するので積算によって像が不鮮明になることを抑制することができる。
また、観察工程に続いて、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に調整する、画像調整工程をさらに設けてもよい。
画像観察工程においては、ノイズに隠れる恐れのある、僅かな信号量の変化を抽出するためにコントラストを強調する条件で観察を行っている。これに対して、さらにノイズを抑えつつコントラストを強調するために積算撮影や、低速スキャンによる撮影を行ない、ドメインのコントラストを抽出した後、再度、得られた画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に調整することで、より鮮明にドメインを観察することができるものとなる。なお、このコントラストの調整方法は特に限定されず、通常の画像処理の自動調節機能等で実現してもよい。
以上のように、本発明の試料観察方法によれば、走査電子顕微鏡によるドメイン観察方法において、酸などの薬品を用いたエッチング処理を必要とせず、チャージアップの影響も無く安定した観察ができ、かつ、倍率、材料等についての汎用性の高いものを提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
試料としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用い、鏡面加工を行なった。具体的な鏡面加工条件は、ダイヤモンド研磨板を用いて荒削りを行い、試料表面を平坦化した後、研磨液と研磨板との組合せの粒度を徐々に小さくして研磨していき、仕上げ研磨として、研磨液に、コロイダルシリカ懸濁液を用い、研磨板としてバフを用いて、バフ研磨を行い鏡面加工する。なお、研磨によるドメインの変化および研磨による表面状態の僅かな変化による反射電子信号の変動を抑えるために、仕上げ研磨時には研磨板への試料の押圧を低く設定した。
このようにして作製した観察試料を走査型電子顕微鏡で、WDを15mmに、加速電圧を5kVに、照射電流を8nAに、スキャン速度を8秒/画像とし、50回積算して測定した。
その結果、図1に示すように、ナノメートルオーダーのドメインを明瞭に観察することができた。
なお、コントラストを反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定する条件とした場合には、ドメインを観察することはできなかった。
また、加速度電圧を2.5kVにた場合にも、ドメインを観察することはできなかった。
照射電流を7nA未満としたり、WDを10mm未満としたりした場合には、ドメインのコントラストが弱くなることを確認した。
なお、上述のようなドメインの観察は、例えば、サーマル電界放出型(FE)やコールドFE型等、形式の異なる走査型電子顕微鏡としても同等の像を得ることができ、試料の材料が異なっても観察することができることを確認した。これにより、走査型電子顕微鏡の機種や試料の材料を選ばない、汎用性の高い観察方法であることを確認できた。

Claims (8)

  1. 走査型電子顕微鏡を用いて、観察試料に電子線を照射して得られる反射電子像によりドメイン観察を行なう試料観察方法であって、
    試料を鏡面研磨し、研磨面に導電性を有する蒸着膜を形成して前記観察試料を作製する試料準備工程と、
    前記観察試料を、走査型電子顕微鏡で、前記電子線の加速電圧を3kV以上10kV以下となるように設定するとともに、反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に比べてコントラストを強調する条件で観察する観察工程と、を有する試料観察方法。
  2. 前記観察工程において、観察倍率を5000倍以上とする、請求項1記載の試料観察方法。
  3. 前記観察工程において、前記電子線を照射する電子銃と前記観察試料との距離を10mm以上とし、前記電子線の照射電流を7nA以上とする、請求項1または2に記載の試料観察方法。
  4. 前記観察工程において、積算撮影を行なう、請求項1乃至3のいずれかに記載の試料観察方法。
  5. 前記観察工程において、一視野の撮影時間を5分以上の低速スキャンとする、請求項1乃至4のいずれかに記載の試料観察方法。
  6. 前記観察工程に続いて、
    反射電子走査画像の輝度及び分布量を表示可能な輝度範囲内に平均的に分布するように設定するコントラストの条件に調整する、画像調整工程をさらに含む、請求項4または5に記載の試料観察方法。
  7. 前記試料準備工程において、前記鏡面研磨は機械研磨で行い、アルミナ懸濁液またはコロイダルシリカ懸濁液を用いて行う、請求項1乃至6のいずれかに記載の試料観察方法。
  8. 前記試料準備工程において、前記蒸着膜は厚み10nm以下のカーボン膜からなる、請求項1乃至7のいずれかに記載の試料観察方法。
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