JP2010197267A - 電子回路基板検査装置および検査治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】治具の修正、補修などのメンテナンス性を改善し、測定ポイントの追加、位置変更など設計変更に容易に対応することができ、冶具の収納スペースを削減することを可能にした電子回路基板検査装置および検査治具を得る。
【解決手段】一面側において被検査基板1の各検査ポイントに接触し各検査ポイントを他面側の異なるポイントに変換して直線状に配列された変換ポイントに導く主変換基板12と、主変換基板12と一体に設けられ主変換基板12の変換ポイントを主変換基板面上に立ち上げ任意のワイヤリングが可能な変換補助基板13と、変換補助基板13の立ち上げられたポイント19−1を電子回路基板検査装置本体に電気的に接続するためのコネクタ7を備えたコネクタ装着基板20と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子回路基板検査装置および検査治具に関するものである。より具体的には、電子部品の実装前の裸基板(以下、「ベアーボード」という)のオープン・ショート検査装置、部品実装後の基板の検査装置(以下、これを「インサーキットテスタ」という)、これらの検査装置全般、およびこれらの装置に用いられる一括接触タイプの検査治具に関する。よって、本明細書において「検査装置」とは「電子回路基板検査装置」を指すものとする。ベアーボードの検査装置は一般的にBBC(Bare Board Checker)、インサーキットテスタはICT、ファンクションテスタはFCTと称される。本発明は、これら検査装置、およびこれに用いる検査冶具の使い勝手改善およびコストの低廉化を目的とするものである。
ICTではユニット式の小型のハンドプレスのものも存在し、本発明はこれにも有効に活用できるが、汎用性のある大型検査装置に適用することがより効果的であるから、大型検査装置を想定しながら説明する。検査装置の主たる方式には、一括接触タイプの治具を使用する方式(本発明はこの方式に属する)の他に、冶具を使用しない別の方式の検査装置が実用化されている。従来の治具を用いる方式を第1方式とすると、それと異なる第2方式としてフライングプローブ(FP)方式、第3方式として光学式(AOI方式:非接触方式の一種)等々がある。第2、第3方式は、BBC及びICTに適用した例はあるが、FCT装置には応用できない。
本発明は上記第1方式に属するので、第1方式の治具を用いる検査装置に関して、その概略を説明する。測定ポイントに対する接触子としては、スプリング作動式のプローブピンが用いられ、このプローブピンを剣山状に植設した治具(通称「ピン治具」)が主として用いられていた。その後、BBC検査装置においては、異方性導電ゴム(以下「PCR」という)とリジットタイプのプリント基板をセットとして使用することにより、ピン治具を不要にした治具も実用化されている。PCR方式を使用しない場合は、今まで通りのプローブピンを使用することになる。
従来の一括接触タイプの治具方式検査装置の長短を簡単に説明すると、ピン方式とPCR方式の双方について言えることであるが、
(1)治具代が非常に高価である。
(2)その反面、測定時間は短時間で済む(最大のメリットである)。
(3)設計変更への対応が難しい。
等である。
前記第2方式であるFP方式は、接触子(この場合、プローブ)を、接触させたい測定ポイント部に移動させて接触させ、次のポイントに移動させて接触させるという動作を繰り返しながら測定・検査する方式である。この方式の特色は、
(1)細密な部分での接触・測定も、ほとんど問題が無い。
(2)設計変更に対して柔軟に対応できる。
(3)イニシャル費がほとんどかからず、ランニングコストも極僅かである。したがって、多品種少量生産に最適である。
(4)その反面、測定時間が長くかかる。
等である。
前記第3のAOI方式は、外観による検査方式で、測定対象ポイント部分に光源から照明光(場合によってはX線)を照射し、その反射光をCCDカメラなどで捉え、画像データを基に判定分析・処理をする方式である。BBCの場合、断線とショートの有無、ICTの場合、ハンダ接合部が正常であるか否か、あるいは、部品の欠品・正規性等を検査する。この方式の特色は、
(1)設計変更に対して柔軟に対応できる。
(2)イニシャルコストがほとんど不要で、ランニングコストも極僅か。
(3)細密な部分に対しても比較的問題が少ない。
(4)測定時間は比較的短時間である。
(5)実際の電気的な測定でないため、信頼性、正確性に劣る。
等である。この第3方式は、多層プリント基板の内層材のパターンチェック等に適した方である。
本発明は、前記第1方式である治具を用いる方式の検査装置およびそれに用いる治具の改良に関するものである。以下、その概要を説明する。現在、第1方式に使用されている冶具は、その設計手法、製作手法に照らせば、当然高価なものになる。プローブピンを用いる治具の場合は、相当手間をかけたワイヤリング結線作業を強いられるため、それがコスト高騰の主な要因になっている。また、PCRを用いる治具の場合は、PCRと共に用いられるリジットのプリント基板である変換基板(「オフグリッドアダプター」と称する場合がある)が多層構造にならざるを得ない。例えば、ピン数の多いBGA−ICが実装された基板が検査試料の場合は特にそれが顕著である。そして、上記多層構造の基板の製作方法は、基板を1枚ずつ重ねながら必要な表裏のパターンを電気的に接続していくいわゆるビルドアップ工法が採用される。そのうえ、測定ポイントには厚みのあるバンプ接点部を設けなければならないという事情があり、かつ、PCRそのものも高価なものであるので、やはりコスト高になる難点がある。
このように、電子回路基板検査装置およびこれに用いる検査治具は高価であるため、安価な治具を供給することに焦点を当てて本発明の発想の原点にした。
本発明の発想の骨子は、主変換基板と変換補助基板を用いることによって、ワイヤリング作業工数を低減し、上記主変換基板は、多層基板にする必要がなく、2層両面プリント基板で足りるようにしたことである。主変換基板は、被測定基板毎に個別仕様のものが必要であるが、規格品を被測定基板に対応して個別に追加工するだけで足りるようにする一方、上記変換補助基板は規格品を用いるようにし、これによりコスト低減を実現した。
ICTあるいはBBC双方において、スプリング作動式のプローブを用いる治具の場合、前述のとおりワイヤリング処理しているのが通常で、コスト高になるばかりでなく、冶具の体積が嵩張ってその保管スペースも大きくなる難点がある。そこで、本発明は、検査装置およびその冶具に、主変換基板と変換補助基板を使用する発想を取り入れ、治具製作工数の低減によるコストの低減、冶具の体積の小型化および分解、組み立てを可能にすることによって保管スペースを削減することを可能にした。また、PCRと変換基板を併用する方式にした場合でも、変換基板が多層基板になってしまうことを回避することができ、2層の両面基板で実現することを可能にした。
過去に、BBCに対応することができるプローブピン治具、あるいはICT/FCTの双方に対応することができるプローブピン治具において、ワイヤリング接続方式を廃する目的と、同じ治具を複数台製作するときのコストメリットを追及する目的をもった例として、リジットプリント変換基板(「インターフェース基板」ともいう)を導入した例はある(特許文献1参照)。ただし、特許文献1記載の発明の目的は、治具のコスト低減ではなく、基板上の配線パターンを活用することによって冶具を簡易化することにある。
また、ICTに限定した検査装置ないしはその冶具の発明として、基板のパターンをもって、ワイヤリング作業を改善し、治具の修正も簡単に対応可能にした発明がある(特許文献2参照)。
本発明は前述のとおり、検査装置用冶具のコスト低減、メンテナンス性の改善、測定ポイントの追加、位置変更など設計変更への対応を容易にすることなどを目的としている。この点、特許文献1,2記載の発明はコストの低減を目的としている。しかし、特許文献1,2記載の発明は、必ずしもコスト低減に結びつかない場合もあり、普及するまでには至っていない。また、目的を達成するための手段は、本発明と特許文献1,2記載の発明とではまったく異なっている。ICT対応の検査装置および検査冶具は、依然として、ワイヤリング作業が主流となっているが、本発明をICT対応の検査装置および検査冶具に適用することによって、コストの低減に大いに貢献することができる。
本発明はまた、治具本体側に、主変換基板と変換補助基板を付加するとともに、装置本体側にも、装置本体側検査ヘッドと接続するためのコネクタ実装用配線基板を採用することによって、ワイヤリング処理を不要にすることができる。従来、治具側の各プローブピンを装置本体側へ接続するために、中間的コネクタに結線処理を行なわせていた部分を、本発明では検査装置本体側にそっくり移行させ、装置本体部で完結させるようにしたものである。本発明は、このように、主変換基板と変換補助基板を付加するという発想と、上記コネクタ実装用配線基板を導入するという発想によって、個々の治具製作時に、ワイヤリング作業をほとんど省略することができる。この発想は特に、ユニバーサル仕様のICT検査装置およびBBC検査装置に大きな効果をもたらす。
本発明は、ユニットタイプの検査治具にも適用可能である。従来の手法では、個々の治具にハンドプレスユニット部材が必要となる。本発明によれば、ハンドプレスユニット部材を個々の冶具で共有することができるので、この点からもコスト低減、収納スペースの削減等の効果をもたらす。その理由は、ハンドプレス式のユニット冶具に関しても、後で説明するコネクタ基板実装構想と類似した部材を導入することにより実現可能であるからである。このコネクタ実装基板は、ユニバーサル仕様すなわち仕様の異なる被測定基板であっても共通に使用できるようにし、これをユニットプレス冶具部に所属させる構想である。以下、主として、ユニバーサルタイプの大型検査装置を中心にして説明することにし、ハンドプレスタイプのユニット型検査装置および治具については説明を省略する。
前述のように主変換基板と変換補助基板を用いることにより次のような2次的なメリットがある。
(1)治具が完成した後であっても、設計変更等に比較的簡単に対応することができる。
(2)メンテナンスが容易になった。
設計変更に対応することが可能となった理由は以下のとおりである。従来のプローブピン治具方式では、ほとんどの場合、治具本体内で、ワイヤリング処理されている。このワイヤリング処理は、無数のワイヤーを所定のポイントに誤りなく接続しなければならないので相当複雑な作業であるが、治具が完成した後は、ワイヤリング部分を分解することは簡単ではなく、追加工、補修、修正を行うことは困難であった。本発明によれば、分解、再組み立てが容易になった。
本発明の技術思想を適用することによってその効果をもたらすためには、検査装置本体の仕様がそれに対応しており、あるいは、対応できるように装置本体が改造されていればなんら問題はない。しかし、それでは本願発明の効果をもたらすことができる検査装置が限定される。そこで、すでにユーザーが使用している検査装置を改造することなく、本願発明を適用することができるように、治具の「外段取り組み立て」という工夫を加えた。そうすることによって、本発明に係る治具を従来の仕様の検査装置に直ちに適用することができるとともに、旧仕様の治具も、並行して運用できる。その点、独立した形で運用できるユニット形式のハンドプレス仕様の検査装置および治具は、新規に製作するものであっても、以降その仕様を踏襲すれば、その後継続的に本発明の効果をもたらすことができる。
ワイヤリング処理を行っている治具の場合、最大測定ポイント以内の測定点数であれば、測定ポイントをコネクタ経由で装置本体に導くことは可能である。しかし、変換基板を使用する構想のもとでは、被測定基板の測定ポイントの場所、密度等の状況によって、一通りのルールで簡単に変換することができない場合がある。特に、2層のみの両面変換基板を使用するという限られた条件のもとでは、その傾向が強い。この点に関して、本発明では、最大基板寸法を想定して均一に分散させた変換ポイント部を、測定ポイントが集中している箇所に再集約できるように、電極間短絡電路で共通測定ポイントにする。この着想を現実のものにすることができたのは、変換補助基板を採用する着想と、変換補助基板に適用する測定ポイントの変換パターンを、ライン列変換方式にする着想に想到したからである。
ただし、測定ポイントの信号伝達電路の引き回しに柔軟性を待たせるという技術思想は、特許文献3、特許文献4に記載されている。特許文献3記載の発明は、変換基板内で所定のパターン引き回しを実現させるために、変換基板を高多層化することによって対応している。特許文献4記載の発明は、検査装置が確保している最大測定ポイントを、あたかも、その数倍の測定ポイントを保持しているかのように取り扱うことができるようにしたもので、本発明とは技術思想が異なる。本発明は、数が限定された測定ポイントを、主変換基板へ有効に導くことを可能にしたもので、主変換基板を少数の層構成である2層構成としながら、それを実現させたものである。そして、測定ポイント変換基板における導電パターンの共通電極化は、検査装置本体側の仕様に合わせて行うため、治具の価格アップを回避できる。
図10は従来の治具方式回路基板検査装置の例を示す。プローブピンを接触子にした一括接触タイプの治具と、それを測定装置本体にセットして用いる場合の、相関関係を概略的に示している。なお、各図面は、BBCの検査装置を想定しているが、基本的には、ICT等の検査装置の場合も大差ない。また、各図面は、被測定基板の上面側からのみ一括接触をさせる例になっているが、上下両面から、同じ構造の治具を接触させる場合もあるし、片方側からのみ接触させる場合もある。BBCの場合は両面側から接触させる場合が多い。ICTの場合は、メインの部品実装面でなく、裏面側からのみの接触方式をとっている例が多い。
図10において、符号1は被測定基板を示す。破線で囲まれたブロック2は従来の形式のピン治具全体を示す。符号3はプローブピンを示す。このプローブピン3が被測定基板1の測定ポイントに接触する。符号4は、プローブピン3を位置決めして植設し固定するための板材を示す。符号5は、被測定基板1の測定・接触ポイントを示す。符号6はワイヤーを示していて、このワイヤー6は、プローブピン3からコネクタ7に結線されている。コネクタ7は、各プローブピン3を測定器本体の電気系判定部に電気的に接続するワイヤーが纏められて固定される部分で、ワイヤー6を、ハンダによる直付け、あるいは、ソケットを用いて接続するのが普通である。ここまで説明した部分が、従来の個々のコネクタ装着タイプの治具2を構成している。
上記ワイヤー6の接続作業は非常に手間のかかるもので、治具が非常に複雑なものになり、組立作業工数が多くなり、コスト高の大きな要因でもある。符号8は、個々の治具に付属しているコネクタ7から、装置本体の測定部に接続するワイヤー(通常フラットケーブル)を示す。符号9は装置本体部に所属している電気系テスタ部、符号10は装置本体の治具加圧用プレスを示す。検査装置の運用すなわち測定作業時には、治具2を装置に固定し、前作業としてワイヤー8を接続する。装置によっては、ワイヤー8は不要とし、治具のセット時に、コネクタ7とテスタ部9に属しているコネクタ部とが自動接続されるものもある。
ワイヤー8の結線作業は、自動的になされる装置もあるが、ICT検査装置ではほとんど手作業にてそれを行なう方式が多い。その場合、例えば、同じ番号のオス・メスのコネクタ同士を接続することによって誤配線をなくすようにしている。しかし、不注意による誤配線もあり得るし、繰り返し抜き差し操作が必要となるので、部品の消耗・劣化も発生しがちで、信頼性を低下させる部分でもある。
特開平11−64426 特開2000−162237 特開平5−159821 特開平5−341007
本発明は、以上説明した従来の問題点を解消するために考えられたもので、治具検査方式に限定し、被測定基板に対応した専用の治具を必要とするものの、治具を安価に提供すること、治具の修正、補修などのメンテナンス性を改善し、測定ポイントの追加、位置変更など設計変更に容易に対応することができること、冶具の収納スペースを削減すること、を可能にした電子回路基板検査装置および検査治具を提供することを目的とする。
本発明に係る電子回路基板検査装置用冶具は、一面側において被検査基板の各検査ポイントに接触し各検査ポイントを他面側の異なるポイントに変換して直線状に配列された変換ポイントに導く主変換基板と、主変換基板と一体に設けられ主変換基板の上記直線状の変換ポイントを主変換基板面上に立ち上げ任意のワイヤリングが可能な変換補助基板と、変換補助基板の上記立ち上げられたポイントを電子回路基板検査装置本体に電気的に接続するためのコネクタを備えたコネクタ装着基板と、を備えていることを最も主要な特徴とする。
上記主変換基板に対して複数の変換補助基板を一体に設けてもよい。
主変換基板は2層構成によって検査ポイントを変換し、この2層構成によって変換することができない検査ポイントについてはワイヤーで接続することによって変換を実現するとよい。
変換補助基板とコネクタ装着基板との間には、主変換基板と一体に取り付けられたプローブ保持ブロックを介在させ、プローブ保持ブロックに設けられているプローブを介して被検査基板の各検査ポイントが主変換基板に導かれるようにするとよい。なお、上記プローブは主変換基板に埋め込んでもよい。
主変換基板とプローブ保持ブロックは、被検査基板の仕様ごとにセットとして組み立て、コネクタ装着基板はいずれの仕様の被検査基板にも共通に用いるようにするとよい。
本発明に係る電子回路基板検査装置は、上記のように構成された冶具を備え、この冶具を介して入力される被検査基板の各検査ポイントにおいて測定することによって得られるデータをプログラムに従って処理することにより被検査基板の良否を判定するように構成されている。
本発明によれば、検査ポイントを直線状に配列された変換ポイントに変換する主変換基板と一体に、上記直線状の変換ポイントを主変換基板面上に立ち上げ任意のワイヤリングが可能な変換補助基板を設けたことにより、以下のような効果を得ることができる。
(1)治具のコストを低減することができる。
(2)設計変更が容易になる。
(3)ICTなどユニットタイプのハンドプレス方式の場合、治具外装部材、コネクタ等の共有化を図ることによって、治具製作材コストを低減することができる。
(4)異機種基板測定のための段取り替えを迅速に行うことができる。従来、検査装置本体とピン治具との間でコネクタによる着脱が不可欠であったが、本発明はその手間はほとんど必要としない。コネクタ部の損傷、信頼性の低下、誤ったコネクタ接続等も低減できる。
(5)治具がコンパクトにまとまるため保管の際のスペースが節約できるとともに管理が容易になる。
本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具の実施例を模式的に示す縦断面図である。 上記実施例における変換補助基板を示す(a)は側面図、(b)は正面図である。 本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具の別の実施例を模式的に示す縦断面図である。 本発明と対比するために、PCRと変換基板を併用した従来の電子回路基板検査装置および検査治具の例を模式的に示す縦断面図である。 変換補助基板とPCRを使用した本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具の変形例を模式的に示す縦断面図である。 上記2層構成の主変換基板の変換パターンの例を示す正面図である。 ライン列変換において分散、集約パターンの例を示す説明図である。 本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具のさらに別の実施例を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る治具においてプローブピンの増設の例を示す縦断面図である。 従来の電子回路基板検査装置および検査治具の例を模式的に示す縦断面図である。
以下、本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る電子回路基板検査装置用検査治具の実施例を概略的に示す。図1において、符号11で示す点線で囲まれた部分が検査治具を示す。検査治具11は、個々の被測定基板に対応する主変換基板12と、変換補助基板13を備えている。この2種の基板12,13の検査ポイントに、符号15および15−1で示す装置本体側のプローブピンが接触する構造になっている。
図1には、上下方向の一点鎖線を境にして左右に異なる実施例が記載されている。左側の実施例は上記主変換基板12のみを用いる実施例、右側の実施例は主変換基板12と変換補助基板13を用いる実施例である。主変換基板12は後で説明するようにグリッド方式の変換基板であり、一面側において被検査基板の各検査ポイントに接触し各検査ポイントを他面側の異なるポイントに変換して直線状に配列された変換ポイントに導くように構成されている。変換補助基板13は主変換基板の上記直線状の変換ポイントを主変換基板面上に立ち上げ任意のワイヤリングが可能な基板であり、図1に示す実施例では、変換補助基板13は主変換基板12の面に対し垂直面をなすように装着される。
上記プローブピン15は変換補助基板13の上端部に設けられている接触ポイント19−1に接触し、上記プローブピン15−1は主変換基板12の面に形成されている接触ポイントに接触するようになっている。プローブピン15および15−1はそれぞれピンブロック16および16−1の所定の位置に、これらのピンブロックを厚さ方向に貫通して固定されている。プローブピン15は変換補助基板13の接触ポイント19−1に接触するため、接触ポイント19−1の配列に従ってライン状に配列されている。プローブピン15−1は、主変換基板12の面の接触ポイントに接触するため、これら接触ポイントの配置に従ってピンブロック16−1の面方向に広がって配置されている。これらプローブピン15および15−1とピンブロック16、16−1はプローブ植設ブロック14を構成している。プローブピンの作動形式は各種考えられるが、この実施例ではスプリング作動式を採用している。
図1において、主変換基板12の下側には、板状のプローブ植設ブロック4が主変換基板12との相対位置を決めて配置されている。プローブ植設ブロック4には、複数のプローブピン3がブロック4との相対位置が決められかつブロック4を厚さ方向に貫通して固定されている。符号18は主変換基板12の変換前ポイントを示している。この変換前ポイント18は、被測定基板1の測定ポイント5と同じ位置関係にある。すなわち、被測定基板1の上にプローブ植設ブロック4が重ねられ、その上に主変換基板12が重ねられると、1本のプローブピン3を介して被測定基板1の測定ポイント5が主変換基板12の変換前ポイント18と電気的につながる。
図1において、符号19は、プローブピン3を介したあと、主変換基板12によって変換された後の測定ポイントを示している。この測定ポイント19はライン列変換点になっていて、図1上では符号17で示すエリアに配置されている。グリッド状に存在している測定点を変換するエリアは符号17−1で示している。変換補助基板13を用いる場合は、変換補助基板13の上部にある前記ポイント19−1に、ライン列変換で使用するプローブピン15が接触するようになっている。
プローブ植設ブロック4、主変換基板12、これに加えて変換補助基板13を含むピン冶具11は、セットとして運用されるとともに、被測定基板1の仕様毎に個別のものが必要となる。プローブピン15とその植設ブロック16、あるいは、プローブピン15−1とその植設ブロック16−1のいずれかを組み合わせたプローブピン治具ブロック14は、被測定基板1の仕様が異なっても共通に使用することができる。また、プローブピン植設ブロック16、あるいは、プローブピン植設ブロック16−1は、コネクタ装着基板20と一体になって用いられ、それらが装置本体側のユニバーサル電気系ヘッド部9に連結される。コネクタ装着基板20も仕様の異なる被測定基板1に共用することができる。このように、主変換基板12と変換補助基板13を含む一括接触タイプの治具11と、上記プローブピン治具ブロック14およびコネクタ装着基板20を組み合わせて運用するように構成した検査装置が、本発明の根幹をなす。
上記主変換基板12と変換補助基板13についてさらに説明する。これらの基板には、グループテクノロジーの思想を反映させ、可能な限り規格品を用いることによって低価格化を実現する。ただし、変換補助基板13の母材はほぼ100%規格品で対応することは可能であるが、主変換基板12は規格品をそのままでは利用できない。被測定基板1の仕様毎に主変換基板12の変換パターンが異なるからである。そこで、共通の母材に追加工を施して被測定基板1の仕様に対応した主変換基板12に仕上げる。主変換基板12の表裏を導通させるスルーホール部は、所定の位置に形成することが可能であるから、基板両面の全面に導電箔を残したまま、スルーホール部のみを導通メッキで仕上げた、いわば、中間完成品基板を母材にする。
上記母材に変換パターンを形成するために追加工する。回路パターンの作成は、マスキング版を用いるエッチング方式で行ってもよいが、ルーター加工すなわち切削する方式で行なってもよい。変換電路のガーバーデータをCAD編集すれば、その加工は短時間で済ますことが可能である。リードタイムの短縮も可能である。エッチングによるパターン作成方式は、不要の銅箔を全て落とすことが可能であるが、ルーターにてそれと同等の仕上げを行なわせるには、工数がかかる。そこで、必要なパターン電路のみを形成し、その部分が他の電路とショートしないように、その部分の外周を切削加工することによって対応する。これにより、加工時間を短縮することができる。共通母材としての基板は、量産化によるコスト低減効果がある。
主変換基板12は、低コストで製作が比較的容易な2層構成の基板とすることを基本とするが、被測定基板1の使用によっては、2層構成の主変換基板12では100%測定点を変換できない場合がありえる。部分的に変換ができない測定点が生じる場合の対策として、変換補助基板13を併用する着想に至った。この着想は以下に述べるように設計変更時にも有効である。主変換基板12の製作工程において、パターン引き回しが不可能であることによって変換できない測定ポイントまたは設計変更時に生じる新たな測定ポイントも、主変換基板12の裏面側(図1において上面側)に頭出しをするようにする。頭出し位置はパターン変換後の位置でなくてよい。上記頭出し位置を、ワイヤーによって、変換補助基板13の遊んでいるライン列変換点に導くという発想である。変換補助基板13に、変換目的の遊びポイントを始めから設けておいてもよい。図1において符号22は、手作業によりはんだ付けされた主変換基板12の頭出し位置と変換補助基板13のライン列変換ポイントとの間をつなぐコンタクトワイヤーを示している。図6には他の処理方法を示しているが、これについては後で説明する。
図1では、プローブピン3と主変換基板12の接続手法の詳細は示していない。色々な接続手法が考えられるが、例えば、(1)ダブルアクションのスプリング作動式プローブを用いる、(2)PCRを用いる、等の手法が現実的である。プローブの固定方法によっては、ダブルアクションのスプリング作動式でなくてもよく、単独作動方式のものでも採用可能である。
変換補助基板13のより具体的な例について図2を参照しながら説明をする。図2に示す例では、厚さ1.6mmのリジット2層基板を想定しているが、厚みが薄いので、スプリング作動式の市販プローブ等は植設することは難しい。そこで、製作コストを低減しまたメンテナンス性を向上させるために、図2に示す例のように、単線バネ材をU字形状に折り曲げたU字形バネ23によるコンタクト方式を考えた。U字形バネ23は、U字状に折り返されて形成されたバネ材の一方の片が変換補助基板13の下端部に固定され、折り返されて形成された他方の片がその弾性力で主変換基板12のライン列変換点19に圧接して電気的に接続されるようになっている。
変換補助基板13には、例えば主変換基板12の変換ポイントから任意にコンタクトワイヤー22によりワイヤリングすることが可能で、コンタクトワイヤー22の接続作業性を改善するための工夫がなされている。図2において、符号25はスルーホールを示しており、このスルーホール25でコンタクトワイヤー22のハンダ付けを行うようになっている。変換補助基板13の面には無数の直線状の回路パターンが上下方向に互いに平行に形成されていて、各回路パターンの途中にスルーホール25が形成されている。コンタクトワイヤー22のハンダ付け作業性を向上させるために、隣り合う回路パターンの途中に形成されているスルーホール25の高さ位置を異ならせている。変換補助基板13の一面、例えば図2(a)において左側からのワイヤー22のハンダ付けは下段のスルーホール25で、変換補助基板13の他面、例えば図2(a)において右側からのワイヤー22のハンダ付けは上段のスルーホール25で接続する、というように使い分けをするとよい。図2において符号24は、U字形バネ23を位置決めしてハンダ付けするためのスルーホールを示す。変換補助基板13の上端には、前記接触ポイント19−1が上記直線状の回路パターンごとに、かつ、各回路パターンに電気的つながって形成されている。
このように構成された変換補助基板13を主変換基板12と組み合わせて使用することにより、ライン列変換ピッチが相当細密に形成されている被検査回路基板1の検査にも対応することができる。換言すれば、ライン列変換の本数を削減できること、つまり、変換補助基板13の間隔を大きくすることができることになり、手作業による半田付けが容易になる。
この変換補助基板13は、BBCの検査に使用することは有効であるが、ICTの検査に使用する場合は、測定ポイントに加える接触子の圧力を相当強力にしなければならない場合がある。この場合は、スプリング作動式のプローブを用いるのが無難であり、また、変換補助基板13を垂直に立てる代わりに、水平に寝かせ、それにプローブを植設する構成が有効である。ただし、この場合も変換補助基板13の変換パターンはライン列変換形式とし、ワイヤー22の手作業による配線を容易にするためのスペースを確保することが望ましい。以上をまとめると、水平に寝かせた変換補助基板13にプローブを植設し、変換補助基板13の幅をなるべく狭め、ワイヤリング作業スペースを確保した設計にするとよい。
変換補助基板13の前記U字形バネ23の代わりに、PCRを採用してもよい。この場合、変換補助基板13の上部のライン列変換点19−1の部分も含めてPCRを使用するとよい。また、図示の例では、変換補助基板13のライン列変換点19−1に接触するプローブピン15の作動形式として、スプリング作動式を想定しているが、ライン列変換点19−1の部分に、U形状変形バネ23と同じ構成のU形状変形バネを設けてもよい。このようにすると、PCR採用時と同様に、プローブピン15を置換することができる。
図2に示す変換補助基板13の下端縁部に切り欠き26が形成されている。この切り欠き26は、設計変更等によって新規プローブを追加する必要がある場合などに、変換補助基板13の存在が邪魔になることも有り得るので、そのときの逃げ部とするために設けている。また、初期設計段階においても、新たに手作業によってワイヤー接続処理が必要になり、かつ、このワイヤーを、変換補助基板13を横切って配置させなければならないこともある。このような場合に、上記切り欠き26に上記ワイヤーを通すことができる。主変換基板12は、なるべく簡単な構成とするために2層基板とすることを想定しているので、内層パターンが無く、変換電路は基板の表裏にのみ存在しており、目視によって主変換基板12の良否を判定することができる。
図1において、符号20は、すべてのプローブ15とコネクタ部7とを電気的に接続するためのコネクタ装着基板を示す。図1では、すべてのプローブ15とコネクタ部7がワイヤー21でも接続されているが、ワイヤー21またはコネクタ装着基板20のいずれかを選択すればよい。コネクタ装着基板20を用いる場合は、プローブピン植設ブロック16の上面側に露呈している各プローブ15に接触する導電ポイントと、このポイントをコネクタ7の所定の電極に電気的に導く回路パターンをコネクタ装着基板20に形成する。コネクタ7は測定器本体と接続するためのもので、測定器本体の定位置に固定される。コネクタ装着基板20を導入すれば、検査装置を簡潔なものにすることができる。コネクタ7の各接点と測定器本体はワイヤー8で接続される。コネクタ装着基板20を用いる形式であっても、ワイヤー21で接続する形式であっても、コネクタ7と装置本体の電気系測定部9を結線するワイヤー8は必要であるが、被検査基板1の使用が変わっても、その都度、プローブピン治具ブロック14からコネクタ7および測定器本体に至る構成部分の変更は不要で、工数の低減と信頼性の向上を図ることができる。コネクタ7と測定器本体の測定部9が自動結線される装置の場合は、上記ワイヤー8は、直接目に見える形では存在せず、回路基板の回路パターンなどで構成されることになる。
なお、グリッド格子点変換方式と、この方式によるグリッド変換点をダイレクトに接触させる方式の電気系測定部9を有した検査装置の場合は、コネクタ装着基板20と同じ機能あるいは構造を持ったものが検査装置に存在しているのが一般的である。かかる構成の検査装置に、本発明における変換補助基板13を導入する場合は、ライン列変換方式で製作した治具を、再度グリッド格子変換させなければならない。その場合は、コネクタ装着基板20と同じ目的の部材を、ユニバーサル(共有)仕様ものとして製作し使用することになる。この場合は、コネクタ7の装着は必要なくなり、ライン列変換をグリッド格子点変換に戻す目的の変換基板となる。この変換基板の例として、後で説明する図5の符号35で示す基板がある。
以上、プローブピン治具ブロック14とコネクタ装着基板20をセットにし、検査装置本体のプレス下降機構側に固定して運用することを想定した構造とその効果ついて説明した。この技術思想は、新規に検査装置を導入するとき、あるいは、検査装置を改造する場合であれば容易に導入することができる。ただ、ユーザーは、既存の検査装置および検査装置用治具を現に使用しており、これら既存の装置および冶具に本発明の技術思想を適用するために、改造を強いることは望ましくない。
その対策を講じた例を図3に示す。図3において、符号28は上記コネクタ装着基板20に対応するコネクタ装着基板を示す。図3は、コネクタ装着の必要性がある検査装置と治具部分の構成を示している。具体的には、「外段取り」という発想のもとに、本発明の変換基板構想に基づく治具ブロックとコネクタ装着基板とをセット運用するものである。ここでいう「外段取り」とは、治具使用時にその都度簡単な組み立てを行い、その後にそれらを使用することを意味している。治具とコネクタ装着基板を簡単に組み立て、分解可能な設計とすることにより、外段取りの着想を導入している。図3において、無数のコネクタピン4を保持する保持ブロック4と主変換基板12と変換補助基板13を含む検査治具11とコネクタ装着基板28を一つのセットとして「外段取り」によって組み立てる。このセットを、ここでは外段取り用コネクタ治具セット27とする。上記コネクタ装着基板28は、前記実施例におけるコネクタ装着基板20に対応する。
上記外段取り用コネクタ治具セット27は、これを検査装置本体に固定させたままの状態ではなく、一つ一つの被検査基板1に対してその都度着脱しながら運用する。例えば、第1の被検査基板1を第1の上記セットに装着して検査に供し、この検査中に第2の被検査基板1を第2の上記セットに装着し、第1の被検査基板1の測定が終了したら上記第1のセットを検査装置から取り外して第1の被検査基板1も第1のセットから取り外し、第1のセットには第3の被検査基板1を装着して検査に備える、というように運用する。この発想では、上の説明で明らかなように、ユーザーは2台以上の外段取り用コネクタ治具セット27を所有することによって、効率的な検査を行うことができる。
外段取り用コネクタ治具セット27の一部であるコネクタ実装基板28は、ユニバーサル化を実現するための変換基板で、それにプローブを植設したものを予め共通部品として準備しておく。このコネクタ実装基板28と個別の治具とを外段取り組み立てをし、使用時に個別の治具と一体化して活用する。かかる発想を導入することによって、既存の治具も、本発明仕様の治具も、検査装置本体を改造することなく活用することができる。
図1に示す実施例におけるコネクタ装着基板20は、プローブ15の保持ブロック16と分離できる構造なっているが、図3に示す実施例では、上記ブロック16に対応するものが省略され、コネクタ装着基板28そのものにプローブを植設し、それらを一体として組み立てられている。
上記コネクタ装着基板28は、これにグリッド格子点変換パターンを形成しようとすると超高多層基板になってしまう。しかし、本発明によるライン列変換の発想では、ライン列本数以上の層数の基板にはならないので、コネクタ装着基板28の製造コスト面で大きな効果が生じる。図3ではコネクタ実装用アタッチメント部材の図示は省略している。
プローブ保持ブロック4に保持されている各プローブピン3の先端が被検査基板1の所定の測定点に接触し、上記各プローブピン3の後端が主変換基板12の接触ポイントに接触し、主変換基板12と変換補助基板13で変換された結果としての変換補助基板13の接触ポイント19−1にコネクタ装着基板28の各接触子が接触した状態で、テスタ部9にて測定され、信号処理が行われて結果の判定が行われる。判定は、例えば設計上のマスターデータとの比較によって行われ、合否判定、欠陥検出などが行われる。各測定ポイント間の測定および判定処理のアルゴリズム、処理ロジック、手順は、装置に組み込まれているプログラムにしたがって実行される。この判定手順などは本発明には直接関係がないから具体的な説明は省略する。
(従来例との比較)
ここで、これまで説明してきた本発明に係る電子回路基板検査装置および検査治具を、従来例と対比する。図4は、PCRと変換基板を併用した従来の電子回路基板検査装置および検査治具の例を示す。図4において、符号29はグリッド変換基板、符号30は異方性導電ゴム(PCR)、符号32は変換前測定ポイント、符号33はグリッド格子点変換後ポイント位置、符号34はグリッドポイント一括接触テストヘッド機構をそれぞれ示している。グリッド変換基板29は多層構成の基板である。グリッド変換基板29とPCR30を併用する発想は、図3に示す実施例において、コネクタ装着基板28にスプリング作動式のプローブピン等を配置した場合に有効である。符号31を付した破線エリアで囲まれた部分がPCRと変換基板併用の治具を示す。
図4に示す従来例には、次のような特色がある。
(1)変換基板29は高多層基板となる場合がほとんどである。
(2)一度製作した基板は、修正がほとんどできない。
(3)PCR30は静電気を発生しやすいので、装置本体には静電気対策が必要である。
(4)BBCを対象とした検査装置への適用が中心である。
(5)接触子の撓みストロークが小さいので、加圧条件に色々な制約が存在する。
(6)比較的スマートな外観になる。
(7)比較的微細な測定ポイントに対しても応用できる。
主変換基板12にPCRを応用してもよい。本発明では、主変換基板を、2層基板で構成することを追及しているので、仮に、図5に示すようなPCR30を用いたとしても、主変換基板と変換補助基板の変換方式は、グリッド変換ではなくライン変換を採用することができる。図5において、符号29−1は2層構成の主変換基板を示す。この2層構成の主変換基板29−1で変換することができないポイントに関しては、図6に符号41で示すように、主変換基板42−1または42−2の上面で、所定のポイント間を接続するワイヤーを設けるとよい。あるいは、図5に示す実施例のように、主変換基板29−1の所定のポイントと変換補助基板13の所定のポイントとをつなぐワイヤー22を設けてもよい。
図5において、符号33−1はライン列変換後のポイントを示しており、図1の例におけるライン列変換後のポイント19に対応するものである。図5において、符号31−1を付した破線で示すブロックがPCR方式の治具である。このPCR方式の治具31−1と前記外段取り用コネクタ治具セット27を一緒に用いてもよい。あるいは、グリッド格子点変換方式の電気測定系ヘッド34を使用する場合は、外段取り用コネクタ治具セット27の代わりに、グリッド再変換基板35を使用する。ただ、再グリッド変換基板35を使用する場合は、コネクタ7は不要である。
図6は、主変換基板の変換パターンの例を示すもので、右側にライン列変換の例を、左側にグリッド格子点変換の例を示している。これらの変換パターンに対応して、検査装置本体側のプローブピン(図1において符号15または15−1で示す)が植設される。符号36を付した破線で示すエリアは変換を行うエリア、符号38付した白丸のポイントはライン列変換ポイントで、この変換ポイントのエリアを楕円形のエリア37で示している。符号38−1で示すポイントはグリッド格子点変換時の変換ポイントである。本発明では、ライン列変換方式を優先的に推奨する。符号39は変換前測定ポイント位置、符号40は主変換基板に設ける変換パターン電路を示している。主変換基板を2層構成の基板とするために、変換できないポイントが生じた場合は、手作業によりワイヤー41で電路を構成してポイントの変換を実現する。符号42−1で示すエリアは、ライン列変換パターンを構成している。符号42−2で示すエリアはグリッド格子点変換のパターンを構成している。符号43、43−1は予備的に設けるランドを示しており、設計変更等で発生する新規変換ポイントに対して、このランドにワイヤーを接続することにより測定ポイントの変換を可能にしている。
図7を参照しながらライン列変換についてさらに詳細に説明する。コネクタ装着基板側に位置させる接触子は、想定される最大寸法の被検査基板が測定対象である場合でも、測定の対象となる面積に均一にライン列変換点が分布している必要がある。しかし、例えば、図7において符号44で示す破線の枠内の網掛け部分のように、最大測定面積に比べて相当小さい面積の被検査基板であって、測定対象ポイント数が、最大測定ポイントに近い数の測定ポイントを有している基板の場合は、偏った変換分布がなされることが必要になる。もちろん、最大測定処理ポイント数は上限があるため、コネクタ装着基板側に、無闇に最大測定ポイント数以上の変換ポイントを設けることはできない。この問題点の解決案を図7を参照しながら説明する。
図7において、符号44は被検査基板の最大検査エリアを、符号45は小面積で最大の測定ポイントを有している基板の面積部分を示す。1点鎖線の枠で囲ったエリアは、前記主変換基板12が示すエリアを示している。主変換基板12は被測定基板よりも一回り大きい。黒丸はライン列変換測定点47を示している。ライン列変換測定点47は、最大面積の被測定基板を想定して分散させた変換ポイントであって、直線状に配置されている。ライン列変換測定点47の全数が測定器の最大測定処理可能な測定点数である。そして、図7に示す例では、左側3列のライン列変換測定点47の一つ一つが、被検査基板の、符号48で示す白丸の各点に導通するように、導電パターンを増設する。このようにすることによって、被検査基板の右側に集中している測定ポイントの吸い上げも、主変換基板の大きさを限定した大きさに仕上げることが可能になり、最短変換点へのパターンの引き回しも簡単になる。ただし、前記コネクタ装着基板20または28は、この手法を常時有効とするために、常に接触子が作用できるような設計でなければならない。また、上記白丸の各点48に変換がなされる場合は、導通しているライン列変換測定点47と重複した変換は制限されねばならない。そして、ライン列変換測定点47を上記各点48に変換する方式では、変換補助基板13は2列の組み立て構造となる。ライン列変換測定点47の位置関係は、図1に示す実施例の接触ポイント19−1と同じ位置関係になる。
図6に戻って、グリッド格子点変換方式とライン列変換方式それぞれの特徴について説明する。既存の検査装置のユニバーサル化変換パターンは、ほとんどの場合、あるピッチ(格子寸法)によるグリッド格子点変換方式である。この場合、プローブピンの植設は比較的容易であり、比較的に太いプローブを採用することができる。本発明がライン列変換を採用した理由は、変換補助基板に、図2に符号23で示すような特殊なコンタクトを導入することが可能であるからであり、その結果として、一ラインで多くの変換ポイントを設けることが可能であるからである。このことは変換補助基板相互の間隔を大きく取ることができ、変換補助基板相互間でのワイヤリング処理スペースを大きく確保することができることにも通じる。
また、ライン列変換方式を取り入れることの別のメリットとして、図6に符号41で示す電路部分は、主変換基板による測定ポイント変換を2層構成で変換対応できない場合に、この対応できない箇所のみをワイヤリング処理することによって対応することができる。変換補助基板13へのワイヤリング22も同じである。この処理は変換基板の上面側で行うが、プレス時には、このワイヤリング部とプローブが干渉しないように配慮しなければならない。グリッド格子点変換手法でワイヤリング処理を行おうとすると、ワイヤーの固定に注意を払う必要がある。その点、ライン列変換方式では、ライン列変換される部分にワイヤーを存在させなければよいので、作業性が改善されることになる。
次に、図8に示す実施例について説明する。この実施例は、前記主変換基板12を採用することなく、変換補助基板13のみで、しかも、全測定ポイントを、手作業によるワイヤリングで変換する方式である。この方式の場合、特にライン列変換手法が有効になる。何故なら、変換補助基板13側に配線するときのハンダ付け作業は、なるべく大きな空間があることが望ましいからである。特に、測定ポイントがそれほど多くない被測定基板の場合は有効である。
次に、設計変更によって冶具を修正しなければならない場合の対応手法の例を、図9を参照しながら説明する。本発明は、被測定基板の測定ポイントに対応して接触する接触子ブロックが、その部分のみの機能部品として単独で取り扱うことができるようにするという発想であるから、接触子の位置修正、追加等の加工が簡単であるという利点を備えている。測定点を新しく追加する場合は、図9に示すように、主変換基板12の上面側に、測定点49の頭出しをし、この測定点49を主変換基板12または変換補助基板13の適切な遊びポイント位置にワイヤリングをすればよい。
1 被検査基板
3 プローブピン
7 コネクタ
9 検査装置本体の電気系テスタ部
11 検査治具
12 主変換基板
13 変換補助基板
19 接触ポイント
20 コネクタ装着基板

Claims (6)

  1. 一面側において被検査基板の各検査ポイントに接触し各検査ポイントを他面側の異なるポイントに変換して直線状に配列された変換ポイントに導く主変換基板と、
    主変換基板と一体に設けられ主変換基板の上記直線状の変換ポイントを主変換基板面上に立ち上げ任意のワイヤリングが可能な変換補助基板と、
    変換補助基板の上記立ち上げられたポイントを電子回路基板検査装置本体に電気的に接続するためのコネクタを備えたコネクタ装着基板と、
    を備えている電子回路基板検査装置用冶具。
  2. 主変換基板に対して複数の変換補助基板が一体に設けられている請求項1記載の電子回路基板検査装置用冶具。
  3. 主変換基板は2層構成によって検査ポイントを変換し、この2層構成によって変換することができない検査ポイントについてはワイヤーで接続することによって変換を実現している請求項1記載の電子回路基板検査装置用冶具。
  4. 被検査基板と主変換基板との間には、主変換基板と一体に取り付けられたプローブ保持ブロックが介在し、プローブ保持ブロックに設けられているプローブを介して被検査基板の各検査ポイントが主変換基板に導かれる請求項1ないし4のいずれかに記載の電子回路基板検査装置用冶具。
  5. 主変換基板とプローブ保持ブロックは、被検査基板の仕様ごとにセットとして組み立てられ、コネクタ装着基板はいずれの仕様の被検査基板にも共通に用いられる請求項4記載の電子回路基板検査装置用冶具。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載されている電子回路基板検査装置用冶具を備え、この冶具を介して入力される被検査基板の各検査ポイントにおいて測定することによって得られるデータをプログラムに従って処理することにより被検査基板の良否を判定する電子回路基板検査装置。
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