JP2010195392A - 連続降下アプローチによる航空機の予測可能性の最大化 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、到着時間に最大の精度を保証する連続降下アプローチに関する。この連続降下アプローチは空力的飛行経路角を維持することにより実行され、対地速度の精度を向上させる。ここに開示される改善点は、このアプローチを使用しない場合には所望の対地速度からのドリフトを生じ、つまり到着時間にずれを生じるような、連続降下アプローチ中に行われる旋回について説明する。空力的飛行経路角を修正して、旋回完了時の航空機の潜在エネルギーを補償的に変化させることにより、運動エネルギーに予想されるドリフトを相殺する。
【選択図】図1
Description
航空管制は、速さと向きが共に変動する風、及び異なる飛行手順のような不確定要素の影響を受け、そのような不確定要素は航空機間の間隔を狭めるように作用しうる。それでも、航空管制が、レーダによる進路誘導、速度変更及び/又は高度変更を使用して戦術的レベルでこれらの不確定要素を修正できることにより、多数の航空機が比較的小さなスペースの制約内で安全に運行することができる。結果として、空港への通常の進入においては、他の航空交通が許す限り、航空機が一段ずつ降下を許可されることにより連続して高度を下げる段階式アプローチが行われる。
しかし、連続降下アプローチは航空管制にとって問題を生じる。このアプローチは綿密に計画しなければならず、その際、(例えば優勢な風の状態に起因して)予想される飛行歴に対し、従来の段階式降下アプローチに使用されるものと同様の、航空機と航空機の間に確実に安全な間隔を保つための戦術的修正を行うことができない。一般にこれは、航空管制官が、航空機同士が安全な間隔を保って空港に着陸することを保証するために、風の変化及びその他の不確定要素の結果として航空機の間隔に生じうる差異を念頭に置き、航空機間の間隔を大きくしなければならないことを意味する。このような間隔の増大は、空港のキャパシティを縮小するので望ましくない。
維持すべき空力的な飛行経路角は、揚力係数の変動が最小になるように選択することができる。換言すれば、連続降下アプローチにおいて行われる降下の開始点と終了点との間に最小の変動を示す空力的な飛行経路角を決定することができる。最適な空力的飛行経路角は航空機の種類によって変化し、場合によっては同じ種類でもモデルの違いによって変化しうる。さらに、空力的な飛行経路角には、航空機の重量、予想される風及び風の勾配、並びに予想される気象条件などのパラメータも影響しうる。維持すべき空力的な飛行経路角は、データのルックアップテーブルを用いて決定することができるか、又はシミュレーションを使用して決定することができる。これは航空機上で、又は空港において行うことができる。空港では、当該空港に到着する全ての種類の航空機に共通の空力的飛行経路角を割り当てることができ、また降下開始点において満たされるべき対地速度を割り当てることができる。
(a)所定の空力的飛行経路角を使用して連続降下アプローチを開始すること、
(b)所定の空力的飛行経路角を維持しながら連続降下アプローチを実行すること、
(c)旋回を行うとき、所望の対地速度歴からの実際の対地速度のドリフトを補償するような、所定の空力的飛行経路角に対する修正値を算出すること、及び
(d)修正した空力的飛行経路角を維持しながら旋回を行うこと
を含み、
(e)所定の空力的飛行経路角に対する修正値は、旋回を行うときに、所望の対地速度歴からの実際の対地速度のドリフトを補償するものであり、旋回完了時の航空機の潜在エネルギーを変化させることにより、旋回完了時の航空機の、所望の運動エネルギーと実際の運動エネルギーとの差異に相当する運動エネルギーの誤差をほぼ修正するように算出される。
この問題を緩和するために、連続降下アプローチの間に使用される空力的飛行経路角に修正を加える。このような修正は、旋回の間に適用することができる。これにより、航空機は、修正が行われなかった場合の空力的飛行経路角を使用した場合とは異なる高度で旋回を終えることになる。その結果生じた潜在エネルギーの変化を使用して、対地速度のドリフトにより生じる運動エネルギーの変化を均衡させることができる。例えば、風の予測誤差により生じる対地速度の誤差を予想することができる。次いで、対応する運動エネルギーの誤差を決定し、次いで、旋回中に維持される空力的飛行経路角に修正を加えることにより、旋回中に潜在エネルギーの補償的変化を導入することができる。
本方法は、連続降下アプローチの開始時に所定の対地速度を使用することを含むことができる。所定の対地速度は、連続降下アプローチの飛行時間の予測可能性を最大にするように選択することができる。対地速度は、パイロットが選択することができるか、又は航空管制が選択して航空機に供給することができる。
したがって、本方法は、所定の空力的飛行経路角に対する修正を算出するときに運動エネルギーの誤差を評価することを含む。このような評価は、直接実行することができるか、又はもっと大きな計算の一部として行なうことができる。例えば、本方法は、旋回完了時の航空機の、実際の対地速度と所望の対地速度との差異に相当する対地速度誤差を評価すること、および対地速度誤差に基づく運動エネルギー誤差を取得することを含むことができる。運動エネルギー誤差は、
を解くことにより算出することができ、ここでΔETは運動エネルギー誤差であり、mは航空機の質量を表わし、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、ΔVGSは対地速度誤差である。空力的飛行経路角の変化は
を解くことにより算出することができ、ここでΔγは空力的飛行経路角の変化であり、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、ΔVGSは対地速度誤差であり、gは重力加速度であり、sfは最終高度であり、siは最初の高度である。
を解くことにより空力的飛行経路角の変化を算出することを含み、ここでΔγは空力的飛行経路角の変化であり、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、Δwxは、真の南北方向に予測される風ベクトル成分と、真の南北方向における実際の風ベクトル成分との差異であり、Δwyは、真の東西方向に予測される風ベクトル成分と、真の東西方向における実際の風ベクトル成分との差異であり、χiは最初の真の機首方位であり、χfは真の最終機首方位であり、gは重力加速度であり、Rcは旋回の半径である。「真の」という形容詞は、磁気成分ではなく、真の地理的な成分を示す。
前出の等式に使用される値は、様々な方法で取得することができる。それらの一部は測定可能であるか、又は航空機が行う測定から取得することができる。例えば、風の速度ベクトルは、計器飛行機能を有する多くの航空機ナビゲーションシステムにより測定され、次いで成分が算出される。他の値、例えば機首方位、旋回の半径、及び最終対地速度は、本アプローチの飛行計画から知ることができる。多くの場合、これらの値はメモリに保存されて、空力的飛行経路角の補正値を算出するコンピュータなどによって使用可能である。
本方法は、旋回完了時の所定の空力的飛行経路角に戻り、当該所定の空力的飛行経路角を維持しながら直線飛行を継続することを含むことができる。この方法は、続いて、連続降下アプローチ中に一又は複数の旋回を更に行い、それら一又は複数の旋回の各々について(e)を前提としてステップ(c)及び(d)を繰返すことを含むことができる。このように、本発明の利点は旋回毎に活かすことができる。
前パラグラフの方法は、運動エネルギー誤差を評価することを含むことができる。
を解くことにより運動エネルギー誤差を算出することを含むことができ、ここでΔETは運動エネルギー誤差であり、mは航空機の質量を表わし、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、ΔVGSは対地速度誤差である。
前パラグラフの方法は、
を解くことにより空力的飛行経路角の変化を算出することを含むことができ、ここでΔγは空力的飛行経路角の変化であり、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、ΔVGSは対地速度誤差であり、gは重力加速度であり、sfは最終高度であり、siは最初の高度である。
を解くことにより空力的飛行経路角の変化を算出することを含み、ここでΔγは空力的飛行経路角の変化であり、VGSfは旋回終了時の航空機の所望の対地速度であり、Δwxは、真の南北方向に予測される風ベクトル成分と、真の南北方向における実際の風ベクトル成分との差異であり、Δwyは、真の東西方向に予測される風ベクトル成分と、真の東西方向における実際の風ベクトル成分との差異であり、χiは最初の真の機首方位であり、χfは真の最終機首方位であり、gは重力加速度であり、Rcは旋回の半径である。
上記6つのパラグラフのいずれかに記載の方法は、旋回を複数のセグメントに分割し、各セグメントについて、所望の運動エネルギーと、当該セグメントの飛行完了時の航空機の実際の運動エネルギーとの差異に相当する運動エネルギー誤差をほぼ修正するような、セグメントの飛行完了時の航空機の潜在エネルギーの変化を生成する空力的飛行経路角の変化を算出することを含むことができる。
本発明はまた、上記方法のいずれかを実施するようにプログラムされたコンピュータ、コンピュータで実行されると、コンピュータに上記方法のいずれかを実行させるコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムを有するコンピュータで読み取り可能な媒体を含む。このコンピュータは、航空機又はその他(例えば、管制施設の一部)に設置することができる。
航空管制施設の一部を形成する場合のコンピュータは、空港に進入する航空機のための飛行計画を生成するために使用することができる。例えば、航空管制施設は、連続降下アプローチの直線飛行部分の間に使用すべき飛行経路角、旋回中に使用すべき修正済み空力的飛行経路角、及び目標とする対地速度(例えば、降下開始点において)を含む詳細を航空機に供給することができる。
上記方法の他の任意選択的機能は、特許請求の範囲に規定される。
一般に、実際に使用される空力的飛行経路角γTASは、多数の要因によって左右される。これらの要因の一つは、連続降下アプローチの開始時、つまり降下開始点における対地速度VGである。この対地速度VG TODは、空港で算出して飛来する航空機に供給することができる。
いずれの場合も、最適な角度γTASは、自動的に又は手動で(例えばパイロットがデータテーブルを参照することにより)決定することができる。空力的飛行経路角γTASを上述の飛行パラメータに関連付ける関数を供給してもよい。別の方法では、空力的飛行経路角γTASのテーブルを供給し、航空機の種類、航空機の重量、風、風の勾配、及び気象条件の特定の組み合わせを検索できるようにする。これらの関数又はテーブルは、航空機のコンピュータ、パイロット、空港のコンピュータ、又は空港職員が使用できる。
により、その種類の航空機の標的対気速度VTAS TODを算出することができる。
このような対気速度VTAS TODは、降下開始点における風速Vwind TODを用いて容易に対地速度VG TODに変換される。つまり、
理論上は、その種類に適切な対地速度VG TODを各航空機に供給することができる。しかしながら、実際には、種類に関係なく全ての航空機に供給される平均の対地速度VG TODを求める。これは、各航空機の種類(又は型)について求めた値の単純平均である。平均は、その空港を使用する種類別の航空機の数を反映するような重み付けを使用して取得することができる。これは、例えばロンドンのヒースローのようなハブでは、ボーイング747型機のような比較的大型の航空機が見られ、地方空港ではボーイング737型機のような小型の航空機が多いといったように、空港によって航空機の種類の分布が異なるため有用である。
ステップ10において、航空機は、目的地、通常は空港に属する管制官から降下開始点の位置を受け取る。降下開始点の位置は、位置及び高度(例えば10,000フィート)を特定する。別の方法では、この情報は航空機のパイロットが既に知っている。例えば、パイロットには着陸するべき滑走路を指示することができ、これによりパイロットは、例えばフライトバッグから、この滑走路に関する降下開始点の位置を検索することができる。
この実施形態では、VG TODで表わす対地速度は全ての航空機について同一であるので、降下中の速度歴がみな類似することになり、航空機間の間隔を最小に維持することができる。対地速度VG TODは、上述のようにして算出することができる。
ステップ14では、航空管制(ATC)によって促され、航空機は降下開始点の位置に進む。この区間の飛行は手動で又は自動操縦で行うことができる。いずれにしろ、航空機は特定の対地速度VG TODに移行する。
ステップ18では、航空機は連続降下アプローチを続けて基準点に到達する。ここで、航空機は、到達した高度の如何に関わらず水平飛行する。目的の高度は2,000フィートとすることができるが、航空機の種類及び降下の第1セグメントにおける実際の飛行条件が様々に異なることにより、航空機が到達する高度は所望の値周辺でばらつくことになる。連続降下アプローチでは、このような高度のばらつきが安全性に影響を与えないように、計算により保証することができる。
ステップ20でも水平飛行を続け、ステップ22において降下に移行する。この時点で、航空機はILSを使用してその目的地に着陸するための最終アプローチを行う。
しかしながら、このような方法では、到着時間が不正確となる。これらの不正確性は、旋回の間に航空機に作用する風の速度ベクトルの予測が不正確であることにより、アプローチを行う航空機の対地速度歴がドリフトすることによって生じる。通常の連続降下アプローチでは、到着時間の不確定度は数秒以上に達しうる。
航空機の側方ナビゲーションシステムは、旋回の間に航空機が名目上の水平航路を辿るように、バンク角に小さな修正を加えることができるが、これらの修正は、周囲の気団に対する航空機の速度に大きく影響することはない。これは、風の予測誤差の大きさが一般に航空機の速度の1%程度であるためで、名目上の水平航路を辿るために必要なのは、機首方位及びバンク角に対する非常に小さい修正のみである。ガリレイ不変性の原理の結果として、予測されない風のドリフトが一定であることにより、航空機が感じる力は基本的に変わらないので、旋回中の周囲の気団に対する速度の相対的な変化は、予測される場合と非常に類似している。
と表わすことができ、ここで、
VGSiは最初の対地速度であり、
VTASiは最初の真対気速度であり、
wxは、(磁気方向ではなく)南北方向における真の風の速度成分であり(北風の場合+)、
wyは、東西方向における真の風の速度成分であり(東風の場合+)、
Xiは、最初の、航空機の真機首方位である。
旋回終了時の対地速度は、
によって示され、ここで、記号は上記と同じ意味を有し、下付きのfは最初の値ではなく最終値であることを表わす。上記二つの等式を減じると、
となる。この等式を、予測される旋回と実際の旋回とに適用し、両等式を減じると、
である。ここで、Δは予測される場合と実際の場合との差異を表わす。上述のように、真対気速度と予測される対気速度との差異は事実上ゼロであり、上記等式は単純に
となる。
このような対地速度のドリフトは他の場合であれば避けることができないが、旋回中に維持すべき空力的飛行経路角に変更を加えることにより修正される。このような修正は以下のようにして算出する。
と表わすことができる。旋回終了時点でのこのような対地速度の誤差は、運動エネルギーの誤差
と等しい。ここでは、対地速度の誤差が全体の対地速度と比較して小さいことを前提としており、mは航空機の重量であり、VSGfは旋回終了時点での名目上の対地速度である。上述のように、運動エネルギーのこのような誤差は、空力的飛行経路角を調節することにより有効となる潜在エネルギーの相補的な変化を用いて取り除かれる。つまり、
であり、ここで、si及びsfは、航空機の最初の高度と最終高度である。空力的飛行経路角に必要な修正は、上記等式に基づいて取得することができ、すなわち、
である。ここで、Rcは旋回の半径である。
(i)旋回終了時点で必要な名目上の対地速度、
(ii)真の南北方向及び東西方向に予想される風ベクトルの成分と、それに対応する真の南北方向及び東西方向の実際の風ベクトルの成分(航空機のナビゲーションシステムによって決定されたもの)との差異、
(iii)最初の機首方位及び最終機首方位、並びに
(iv)旋回の半径
実際には、風ベクトルの誤差が旋回中一定であるという上記で用いた仮定は、旋回が長くなる程使用が適切でなくなることが分かっている。これにより到着時間に不正確性が生じるので、旋回が長い場合は複数のセグメントに分割し、セグメント毎に空力的飛行経路角に対する修正を算出して適用することができる。例えば、一つの旋回が30°を超える場合、このような旋回はそれぞれが30°未満のセグメントに分割することができる。セグメントは等しくすることができる。或いは、可能であれば30°のセグメントを使用してもよい。例えば、100°の旋回は、それぞれが25°の4つのセグメントに分割することができるか、又はそれぞれが30°のセグメント3つと、10°のセグメント1つとに分割することができる。
参照番号52により模式的に示す航空機に設置されたコンピュータは、図3の方法を実行することができる。方法は110において開始し、航空機50は空力的飛行経路角γTASを維持しながら行路60の直線部分に沿って連続降下アプローチを行う。この空力的飛行経路角γTASは、航空機の行路の全ての直線部分で維持される。これは特許文献1に記載の方法に従って行うことができる。このように、航空機50は、降下開始点に設定された所望の対地速度を達成することができる。
ステップ140において、旋回中に維持すべき修正済みの空力的飛行経路角γTASを、以下のようにして計算する。まず、測定した風ベクトルに基づいて風ベクトル成分を算出する。次いで、予想された風ベクトル成分と実際の風ベクトル成分との差異、つまりΔwxとΔwyを計算する。Δwx及びΔwyが決定されると、コンピュータ52は、上記で得た以下の等式
を解き、これによって空力的飛行経路角に必要な修正値と、その結果得られる修正済みの飛行経路角γ’TASを算出することができる。即ち、
現代のコンピュータは、上記の計算を非常に迅速に行うことができ、従って、ステップ120における旋回の開始から、ステップ150における修正済み空力的飛行経路角の適用までの時間は一秒に満たない。実際には、横方向と縦方向の両方に対する指令への航空機50の反応にはもっと時間がかかる場合が多い。即ち、ロール指令を発行すると、ステップ120において、本方法は、航空機50がロール指令への応答の初期段階にある間にステップ150に進む。したがって、ロール指令とピッチ指令はほぼ同時に実行されるように見える。
図3のステップ160に示すように、行路63において旋回は終了する。図4に示すように、及びステップ170において、航空機の翼は水平となり、航空機50は再び元の空力的飛行経路角γTASで飛行する。空力的飛行経路角のこのような変化は、上述で説明したようにして達成することができる。
本方法は、連続降下アプローチの間に、必要に応じて、即ち航空機が旋回を行う度に、繰返すことができる。
図5は、図3の方法100と類似の、連続降下アプローチ中に旋回を行う方法200を示す。本方法はステップ110から開始し、ここで空力的飛行経路角γTASを維持しながら降下を始める。航空機はステップ120において旋回を開始する。
しかしながら、ステップ222の結果、コンピュータによって旋回角が30°を超えると判定されると、コンピュータは旋回を複数のセグメントに分割する。この実施形態では、これは、旋回を30°のセグメントと、最終的に余ったそれより小さな1のセグメントに分割することによって行う。例えば、75°の旋回は、30°のセグメント2つと、15°のセグメント1つとに分割される。別の方法では、旋回角は、30°以下で最大の等しいセグメントに分割される。例えば、84°の旋回角は、28°のセグメント3つに分割することができる。
ステップ261において最後のセグメントではないという判定が行われた場合、本方法はステップ262に進んで旋回を継続する。本方法はステップ230に戻り、風ベクトルを再度測定する。他の値を再度読み取っても読み取らなくともよい(直前の繰り返しに用いた値を使用してもよい)。こうして本方法は、ステップ240及び250を繰り返すことにより、新規に測定した風ベクトルを使用して修正済み空力的飛行経路角γ’TASを更新し、航空機はこのように更新された修正済み空力的飛行経路角γ’TASで飛行するように制御される。ステップ260において第2のセグメントが終了すると、ステップ261においてそれが最後のセグメントであるかについての評価を行う。このようにして、本方法は、最後のセグメントが完了するまで各セグメントを上述のように繰返す。次いで、本方法は、ステップ261を経てステップ170に進み、そこで航空機が水平に戻ることにより旋回を完了し、元の空力的飛行経路角γTASに戻る。
当業者であれば、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を必ずしも逸脱することなく、上記の実施形態の変形例を提供することが可能であることが分かるであろう。
52 コンピュータ
60、61、62、63、64 航空機の行程
Claims (15)
- 所望の対地速度歴に従って、ある空力的飛行経路角を維持するように計画された連続降下アプローチを行う際に、航空機の当該空力的飛行経路角に対する修正値を算出する方法であって、前記修正値が、連続降下アプローチの間に旋回を行うときの、所望の対地速度歴からの実際の対地速度のドリフトを補償するものであり、旋回完了時の航空機の潜在エネルギーに変化を生じることにより、所望の運動エネルギーと旋回完了時の航空機の実際の運動エネルギーとの差異に相当する運動エネルギー誤差を実質的に修正するような、空力的飛行経路角の変化を算出することからなる方法。
- 旋回を複数のセグメントに分割し、各セグメントについて、当該セグメント完了時の航空機の潜在エネルギーに変化を生じることにより、所望の運動エネルギーと、当該セグメント完了時の航空機の実際の運動エネルギーとの差異に相当する運動エネルギー誤差を実質的に修正するような空力的飛行経路角の変化を算出することからなる、請求項1に記載の方法。
- 航空機の連続降下アプローチ実行方法であって、所定の空力的飛行経路角を維持しながら連続降下アプローチを行うステップと、予定する旋回について、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の、所定の空力的飛行経路角に対する修正値を算出するステップと、旋回の間に修正済みの空力的飛行経路角を維持しながら旋回を行うステップとを含む方法。
- 航空機の、一の旋回を含む連続降下アプローチ実行方法であって、
(a)所定の空力的飛行経路角で連続降下アプローチを開始するステップ、
(b)所定の空力的飛行経路角を維持しながら連続降下アプローチを行うステップ、
(c)旋回を行うとき、所望の対地速度歴からの実際の対地速度のドリフトを補償するような、所定の空力的飛行経路角に対する修正値を算出するステップ、及び
(d)修正済みの空力的飛行経路角を維持しながら旋回を行うステップ
を含み、
(e)所定の空力的飛行経路角に対する補正値が、旋回を行うときに所望の対地速度歴からの実際の対地速度のドリフトを補償するものであり、旋回完了時の航空機の潜在エネルギーに変化を生じることにより、所望の運動エネルギーと旋回完了時の航空機の実際の運動エネルギーとの差異に相当する運動エネルギー誤差を実質的に修正するように、算出される、方法。 - 所定の対地速度で連続降下アプローチを開始するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 所定の空力的飛行経路角に対する補正値を計算するときに運動エネルギー誤差を評価するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 所望の対地速度と、旋回完了時の航空機の実際の対地速度との差異に相当する対地速度誤差を評価するステップ、及び当該対地速度誤差に基づいて運動エネルギー誤差を取得するステップを含む、請求項7に記載の方法。
- 旋回を複数のセグメントに分割するステップ、及び各セグメントに対してステップ(e)を前提としてステップ(c)及び(d)を実行するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 旋回が閾値を超えるかどうかを判定するステップ、及び旋回が閾値を超える場合にのみ旋回を複数のセグメントに分割するステップを含む、請求項12に記載の方法。
- 旋回を完了すると所定の空力的飛行経路角に戻すステップ、及び直線飛行の間は当該所定の空力的飛行経路角を維持するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 連続降下アプローチの間に更に一又は複数の旋回を行い、当該一又は複数の旋回の各々に対し、ステップ(e)を前提としてステップ(c)及び(d)を繰返すステップを含む、請求項14に記載の方法。
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