JP2010194170A - インプラントフィクスチャー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒状の本体部1aと、本体部1aの外周面に形成された突起部5と、外周面において、突起部5よりも低く、少なくとも両側を突起部5で囲まれた凹部7と、を有するインプラントフィクスチャー1。突起部5及び凹部7としては、それぞれ、円形又は楕円形のものがある。また、突起部5を、一対の突条とし、凹部7は一対の突条により両側を挟まれた溝としてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明のインプラントフィクスチャーは、上述したような突起部と凹部とを備えることにより、それらを備えない場合に比べて、骨との骨結合が強固になる。また、インプラントフィクスチャーを埋入してから、骨結合が所定の強度に達するまでに要する保持期間が短くてすむ。
(1)凹部は、その周囲全てを突起部で囲まれている。
(2)突起部及び凹部は、それぞれ、棒状の本体部の径方向から見て、円形又は楕円形である。
(3)突起部は一対の突条であり、凹部は、一対の突条により両側を挟まれた溝である。
(4)突起部は突条であり、凹部はその突条における外周面に形成された円形又は楕円形の凹部である。
インプラントフィクスチャー1の構成を、図1及び図2に基づいて説明する。図1はインプラントフィクスチャー1の正面図であり、図2は、図1のA−A断面における断面図である。
上記凹部7は、突起部5の中央部に位置し、周囲を突起部5で囲まれている。凹部7の、埋設部1aの径方向から見たときの形状は円形である。凹部7は、図2に示すように、埋設部1aの径方向に関して、突起部5よりも低い部分である。凹部7の底7aは、埋設部1aの径方向に関して、埋設部1aの外周面(突起部5以外の部分)と面一であってもよいし、外周面より高く(外周面よりも外側に突出し)てもよいし、外周面より低く(外周面よりも陥没し)てもよい。
突起部5の根本の部分(埋設部1aの外周面に接する部分)における直径d1(図2参照)は、100〜1500μm(好ましくは200〜800μm)の範囲内で設定できる。
突起部5の、埋設部1aの外周面からの高さh1(図2参照)は、50〜1000μm(好ましくは100〜500μm)の範囲内で設定できる。
凹部7の直径d2(図2参照)は、直径d1よりも小さい値であって、50〜1000μm(好ましくは100〜500μm)の範囲内で設定できる。
凹部7の深さh2(図2参照)は、20〜1000μm(好ましくは50〜500μm)の範囲内で設定できる。
なお、インプラントフィクスチャー1の表面は、さらに、フッ酸等を用いて、細かい(突起部5や凹部7の大きさに比べて小さい)凹凸をつけることができる。この細かい凹凸としては、5〜25μmの大きさの孔が多数形成されたものが好ましい。
(b)インプラントフィクスチャー1の使用方法
歯の欠損した部位の歯肉を切開した後、ドリル等を用いて顎骨に所定の大きさの埋入窩を形成し、その埋入窩にインプラントフィクスチャー1のうち、埋設部1aを埋入する。そして、一定の保持期間を設け、インプラントフィクスチャー1の表面と、その表面に接する骨とをミクロレベルで結合させる(骨結合)。次に、所定の保持期間の後、インプラントフィクスチャー1に、直接、又はアバットメント(図示略)を介して、上部構造(クラウン、図示略)を取り付ける。
(c)インプラントフィクスチャー1が奏する効果
インプラントフィクスチャー1は、埋設部1aの外周面に突起部5及び凹部7を備えることにより、それらを備えない場合に比べて、骨結合が強固になる。また、インプラントフィクスチャー1を埋入してから、骨結合が所定の強度に達するまでに要する保持期間が短くてすむ。
上記の効果は、実験により確認することができる。その実験方法としては、以下のものが挙げられる。
インプラントフィクスチャー1を、生体骨(例えばうさぎの骨)に埋め込み、約1ヶ月間、骨の成長を観察する。その後、生体骨に埋め込まれた状態のインプラントフィクスチャー1を、その中心軸を中心として回転させるのに必要なトルクと、インプラントフィクスチャー1を生体骨から引き抜くのに必要な引っ張り力とを測定する。そして、上記のトルクと引っ張り力とから、インプラントフィクスチャー1の生体骨への固着力(骨結合の強さ)を評価する。
このとき、比較例として、以下のR1〜R3も同時に試験し、本実施例1のインプラントフィクスチャー1の試験結果と対比することにより、本実施例1のインプラントフィクスチャー1が奏する効果を示すことができる。
(R1)埋設部1aの外周面に、円盤状の突起部のみを備える(凹部7が形成されていない)もの
(R2)埋設部1aの外周面に、円形の窪みのみが形成されたもの(突起部5が形成されていない)もの
(R3)埋設部1aの外周面に、円盤状の突起部と、円形の窪みとが、別々の場所に形成されている(凹部の周囲が突起部で囲まれていない)もの
なお、上述したように、インプラントフィクスチャー1の表面に、フッ酸等を用いて、細かい凹凸を形成すると、骨結合が一層強固になる。
本実施例2のインプラントフィクスチャー1も、前記実施例1と略同様の効果を奏することができる。
上記突条対9は、図5に示すように、埋設部1aの外周面に螺旋状に形成されている。突条対9は、一定の間隔をおいて平行に配置された、第1の突条13と第2の突条15とから成る。溝11は、第1の突条13と第2の突条15とにより両側を挟まれた部分である。
図6に示すように、第1の突条13及び第2の突条15は、それぞれ、埋設部1aの外周面から、埋設部1aの径方向に突出する。溝11は、埋設部1aの径方向に関して、第1の突条13及び第2の突条15よりも低い部分である。溝11の底11aは、埋設部1aの径方向に関し、埋設部1aの外周面(第1の突条13及び第2の突条15以外の部分)と面一であってもよいし、外周面より高く(外周面よりも外側に突出し)てもよいし、外周面より低く(外周面よりも陥没し)てもよい。
第1の突条13の根本の部分における外側から、第2の突条15の根本の部分における外側までの幅w1(図6参照)は、100〜1500μm(好ましくは200〜800μm)の範囲内で設定できる。
第1の突条13及び第2の突条15の、埋設部1aの外周面からの高さh3(図6参照)は、50〜1000μm(好ましくは100〜500μm)の範囲内で設定できる。
溝11の、入り口付近における幅w2(図6参照)は、幅W1より小さい値であって、50〜1000μm(好ましくは100〜500μm)の範囲内で設定できる。
溝11の深さh4(図6参照)は、20〜1000μm(好ましくは50〜500μm)の範囲内で設定できる。
本実施例3のインプラントフィクスチャー1も、前記実施例1と略同様の効果を奏することができる。
上記突条17は、図7に示すように、埋設部1aの外周面に螺旋状に形成されている。凹部19は、突条17の外周面17aに複数形成された円形の窪みであって、突条17の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて配列されている。
図8(a)及び(b)に示すように、突条17は、埋設部1aの外周面から、埋設部1aの径方向に突出する。凹部19は、埋設部1aの径方向に関して、突条17よりも低い部分である。凹部19の底19aは、埋設部1aの径方向に関し、埋設部1aの外周面(突条17以外の部分)と面一であってもよいし、外周面より高く(外周面よりも外側に突出し)てもよいし、外周面より低く(外周面よりも陥没し)てもよい。また、突条17において、凹部19間の部分では、図8(b)に示すように、一定の高さとなっている。
本実施例4のインプラントフィクスチャー1も、前記実施例1と略同様の効果を奏することができる。
なお、凹部19の、埋設部1aの径方向から見たときの形状は、楕円であってもよい。その場合、楕円の長軸方向は、突条17の長手方向と平行であってもよいし、その他の方向であってもよい。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、インプラントフィクスチャー1の材質は、他のセラミックスや金属(例えばチタン)であってもよい。
3・・・ナット部、5・・・突起部、7・・・凹部、
7a、11a、19a・・・底、9・・・突条対、11・・・溝、13・・・第1の突条、15・・・第2の突条、17・・・突条、17a・・・外周面
Claims (5)
- 棒状の本体部と、
前記本体部の外周面に形成された突起部と、
前記外周面において、前記突起部よりも低く、少なくとも両側を前記突起部で囲まれた凹部と、
を有することを特徴とするインプラントフィクスチャー。 - 前記凹部は、その周囲を前記突起部で囲まれていることを特徴とする請求項1記載のインプラントフィクスチャー。
- 前記突起部及び前記凹部は、それぞれ、円形又は楕円形であることを特徴とする請求項2記載のインプラントフィクスチャー。
- 前記突起部は、一対の突条であり、
前記凹部は前記一対の突条により両側を挟まれた溝であることを特徴とする請求項1記載のインプラントフィクスチャー。 - 前記突起部は、突条であり、
前記凹部は前記突条に形成された円形又は楕円形の凹部であることを特徴とする請求項1記載のインプラントフィクスチャー。
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2009
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