JP2010191169A - 輝度均斉化シートおよび面光源装置 - Google Patents

輝度均斉化シートおよび面光源装置 Download PDF

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Hiroyasu Tachibana
宏泰 立花
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Junya Kojima
淳也 小島
Kuniaki Muto
国昭 武藤
Yoshiharu Nishigori
義治 錦織
Hiroki Tanaka
宏樹 田中
Etsuko Ishii
悦子 石井
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Abstract

【課題】輝度低下を生じることなく、充分に輝度を均斉化できる輝度均斉化シートと、それを具備した、輝度が高く、しかも出射光が充分に均斉化されている面光源装置を提供する。
【解決手段】透光性基材11の少なくとも片面に、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるパターン状に、グラビアオフセット方式の印刷により白色拡散層12が形成されている輝度均斉化シート1。少なくとも光源2と、前記の輝度均斉化シート1を具備する面光源装置100。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置等のバックライトや照明などに利用できる面光源装置とその構成部材として利用できる輝度均斉化シートに関する。
通常、液晶表示装置のバックライトユニットや照明などに用いる面光源装置は、冷陰極管等の光源と、光源からの光を均斉化するため、光源の光出射側に設けられる光拡散体を有する。
この光拡散体の中で最も単純なものとしては、基材に拡散子を均一に練りこんだり、塗工したり、表面に微細な凹凸をつけることで、「全面に均一に拡散効果を持たせた光拡散体」が挙げられる。これらの光拡散体の内、ある程度の厚さと剛性を有し、支持体としても機能する厚手の拡散シートを「光拡散板」として用い、必要に応じて、更に数枚の薄手拡散シートを積層させることで、所望の均斉化度を達成する手法が一般的に用いられる。しかし、単に、拡散シートを積層させると、輝度の均斉化は図れるものの、部材増となるだけでなく、輝度ロスも大きくなる。省エネや部材コストの削減を考慮すると、より少ない部材で輝度均斉化を図ることが望ましい。そこで部材増及び輝度ロスの抑制を両立する手段の一つとして、面光源装置に具備する光拡散板の光源側に、入射する不均一な輝度分布に合わせて拡散効果を部分的に調整したパターンを印刷する試みがなされており、この方式の光拡散板として、例えば特許文献1には、具体的な印刷パターンの設計法に関する提案が、特許文献2には印刷に用いるインキの色調調整に関する提案が挙げられている。
また、全く別の手段で光拡散板の輝度均斉効果を高める提案として、特許文献3、4には、光拡散板の表面に光拡散効果を有する「断面鋸歯状のプリズム条列」を付与する手法が挙げられている。
特開2005−117023号公報 特開2000−162411号公報 特開2006−195276号公報 特開2006−164890号公報
しかし、特許文献1〜4に記載の光拡散体を用いた面光源装置で、充分な輝度の均斉化を図ることが難しく、拡散シートや輝度向上シートなどを別途多数枚積層する必要があり、その結果、輝度ロスが大きくなった。
そこで、本発明は、輝度低下を生じることなく、充分に輝度を均斉化できる輝度均斉化シートと、それを具備した、輝度が高く、しかも出射光が充分に均斉化されている面光源装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]透光性基材の少なくとも片面に、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるパターン状に、グラビアオフセット方式の印刷により白色拡散層が形成されていることを特徴とする輝度均斉化シート。
[2]透光性基材の厚さが、1〜4mmであることを特徴とする[1]に記載の輝度均斉化シート。
[3]透光性基材の少なくとも片側表面に、光拡散性を有する微細な凹凸形状を具備することを特徴とする[1]または[2]いずれかに記載の輝度均斉化シート。
[4]白色拡散層が、紫外線硬化型インキの印刷により形成されたことを特徴とする[1]〜[3]に記載の輝度均斉化シート。
[5]少なくとも光源と、請求項[1]〜[4]いずれかに記載の輝度均斉化シートを具備することを特徴とする面光源装置
本発明の輝度均斉化シートは、拡散性に優れるため不均一な輝度分布を有する入射光を効率よく均斉化する能力を発揮する光学部材である。また、それを具備する本発明の面光源装置は、省電力化のため光源数の削減を実施し、光源から入射する輝度ムラが大きくなった状態でも、輝度均斉化シートの効果により、高輝度且つ色調ムラの少ない出射光が、安定して得られるものである。
本発明の輝度均斉化シートの一実施形態を示す拡大断面図である。 本発明の輝度均斉化シートの一実施形態を示す拡大断面図である。 本発明の輝度均斉化シートならびに面光源装置の一実施形態を示す断面図である。 図3に示す輝度均斉化シートならび面光源装置を斜め上から見た図である。 本発明の実施例1〜4及び比較例1〜3、6の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。 本発明の実施例5の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。 本発明の実施例6の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。 本発明の実施例7及び比較例4の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。 本発明の実施例8の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。 本発明の実施例9及び比較例5の輝度均斉化シートならびに面光源装置の断面図である。
本発明の輝度均斉化シートとそれを具備する面光源装置の実施形態について説明する。
<輝度均斉化シート>
本実施形態の一例として輝度均斉化シート1の断面図を図1に示す。本発明の輝度均斉化シート1は、透光性基材11と、その少なくとも片面に、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるようパターン状に、グラビアオフセット方式の印刷により形成された白色拡散層12からなるものである。但し、図示の便宜上、白色拡散層12の大きさを強調して記載している。
[透光性基材]
透光性基材として用いるシートは、光を透過し、本発明の白色拡散層を形成可能であれば特に限定するものではなく、例えばガラス基板や透明樹脂シートもしくは板が使用できる。構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられる。中でも、適度な弾性と耐熱性、耐光性等のバランスから、厚さ250μm以下の薄手シートとしては、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムが、それ以上の厚手板としては、シクロオレフィンポリマーやポリスチレン−ポリメチルメタクリレート共重合体などの板状シートが、好適に利用できる。
しかし、コストアップや重量増及び輝度ロスにつながる部材数増の抑制と、輝度均斉化の両立を図るため、透光性基材単独でもある程度の入射光の輝度均斉効果を有することが望ましく、その手段として、透光性基材に下記に例示する光拡散性微粒子や、例えば特開2005−54176号公報等に記載される発泡性材料を内添したり、それらの材料を含む塗工層を表面に設けたり、精密賦形技術により光拡散性を有するプリズムなどの凹凸を表面に付与したりするなどの手法が例示でき、これら手段を適宜組み合わせても良い。
光拡散性微粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機物や無機物の中空粒子や発泡粒子や多孔質粒子等があげられる。中でも、光拡散板の光拡散性がより高まるため、ベースとなる透明樹脂と光拡散性微粒子の屈折率差が大きいと、より好ましい。
光拡散性微粒子として、無機粒子の中では、無機ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー等、又はこれらの混合物が例示できる。有機粒子としては、高屈折率のエピスルフィド系樹脂(屈折率:1.70)、チオウレタン系樹脂(1.67)、ポリ塩化ビニリデン(1.6〜1.63)、非晶ポリエステル(1.62)、ポリスチレン(1.59)、ポリカーボネート(1.59)、ポリ塩化ビニル(1.54)、尿素樹脂(1.54)、ウレタン樹脂(1.53〜1.67)、オレフィン−マレイミド交互共重合体(1.53)、ポリアクリロニトリル(1.52)、ポリメタクリロニトリル(1.52)、ポリ(シクロヘキサン)(1.51)、ポリプロピレン(1.50)、ポリメタクリレート(1.51)、ポリビニルアルコール(1.49〜1.53)、脂環式オレフィン樹脂(ノルボルエン系)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリアセタール(1.48)、ポリ(1、3―シクロヘキサジエン)(1.45)、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの樹脂の共重合体でも混合して使用しても良い。
光拡散性微粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、だるま粒子(例えば、架橋ポリスチレン粒子と架橋メタクリレート粒子をつなぎ合わせた粒子)、板状、鱗片状、繊維状、中空状などが挙げられる。
中でも、光拡散効果の高い中空粒子は、粒子内の空気層の屈折率1.0と低く、その周囲との屈折率差が稼ぎやすいため効率よく、光を屈折し、高い光拡散効果が得られる。具体的には、架橋ポリメタクリル酸メチル(屈折率1.49。例えば積水化学工業MBXシリーズ)、架橋ポリスチレン(屈折率1.59。例えば積水化学工業SBXシリーズ)、市販の未架橋アクリル系中空粒子、スチレンとメチルメタクリレート共重合体の中空粒子が例示でき、アクリロニトリル系樹脂(例えば、積水化学工業EHMシリーズ)などの発泡粒子を加熱して発泡させ、中空化しても良い。
上記の光拡散性微粒子を含有させて入射光を拡散させるタイプの光拡散板としては、JIS−K7361に従って測定される全光線透過率が、40〜70%の範囲となるものが光拡散性として好ましい。光拡散板の全光線透過率が70%を越えると、充分な光拡散効果が期待しがたく、40%未満になると、面光源装置内での輝度ロスが大きくなる。
透光性基材に光拡散性を付与する手段として、光拡散板やその他光学シートの表面に光拡散性を有する微細な凹凸形状を付与することも有効である。凹凸の形状は、面光源装置の構成や光源との組み合わせによって適宜調整すればよく、特に限定するものではないが、鋸歯状の鋭利なプリズム形状や、その先端を丸めたもの、蒲鉾型などの断面形状のプリズム条列を有するシートや、マイクロレンズを配列したシートなどが例示できる。
凹凸形状を有する表面に、欠陥なく印刷を施すのは容易ではないが、本発明のグラビアオフセット印刷により、転写面となるゴムロールの材質を印刷面の凹凸に応じて適宜選択することで、凹凸面へも高精細な印刷が可能となる。従って本発明より、通常の印刷方式では問題が多かった「表面賦形面へパターン印刷を施した輝度均斉化シート」も支障なく得ることが出来る。
輝度均斉化シートが面光源装置の部材として使用される際、出射光の色調偏りや、白色拡散層形成部との色調ムラが生じないよう、透光性基材も色調の偏りが少ないものが望ましい。一例としては、JIS−Z8729で規定される透過b*値が−1〜8の範囲であるとよい。
これら透光性基材の厚さは、30μm未満ではハンドリングし難く、印刷にも支障をきたすおそれがあり、寸法安定性も劣るため不向きであり、4mmを越えると、コストや部材重量の観点から不利であるため、30μm〜4mmが好ましい。本発明のグラビアオフセット印刷に用いる印刷機では、通常印刷時に、基材を版胴に巻きつけたり、屈曲させたりする機構ではないため、基材の厚みや柔軟性に関する制約が少ない特長がある。この特長を生かし、支持体としての機能も有する光拡散板に白色拡散層を直接印刷すると工程数も最小限となるため好適である。その場合、支持体としての強度を考慮し、基材となる拡散板の厚さは、1mm以上が好適である。
但し、白色拡散層は必要に応じて、拡散板に直接印刷するだけでなく、別基材に印刷したシートを、インモールドや貼合などの手法を用いて、印刷後に拡散板と一体化させたり、印刷シートの印刷部のみを熱や圧力などの手段を用いて転写させる、などの手法を用いて形成してもよい。これら印刷用別基材を用いる手法をとる場合、印刷シートの基材となるシートの厚さは、印刷や転写などの工程に支障を及ぼさなければ印刷基材は薄くても良く、薄手フィルムにロールのまま印刷しても良い。また、転写後は不要となる転写法基材については、転写性が良好であれば、転写箔などの不透明基材を用いても良い。
[白色拡散層]
本発明の輝度均斉化シートは、透光性基材の少なくとも片面に、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるパターン状に、グラビアオフセット印刷により白色拡散層が形成されたものである。
グラビア(凹版)オフセット印刷は、グラビア版(凹版)上でパターン化したインキを、版と接触して回転するゴムロール上に押し当てて転移させ、その表面を印刷基材に接触させて再転移する印刷方式である。その機構上、上述の通り、厚手基材や凹凸面へも印刷可能なだけでなく、グラビア版や転写用ゴムロールの素材、インキ処方を調製することで、高精細印刷やインキの厚盛りも可能などの特徴を有する。更に、オフセット印刷方式であるため、印刷中も版面をクリーンな状態に保つことができるため、欠陥発生率を抑制でき、電化製品の構成部材として利用される本発明の輝度均斉化シートの印刷方式として好適な印刷方式である。厚手基材への印刷やインキの厚盛りは、スクリーン印刷でも可能であるが、印刷の精細度や欠陥の発生率及び生産性の面で、グラビアオフセット方式に劣る。また、広く利用されている平版オフセット方式は、生産性は優れるものの、基材物性(厚さや表面形状)に対する制約が多い。
使用する印刷機は特に限定するものではなく、用いる透光性基材やインキに応じて印刷機構や搬送機構、乾燥方式を組み合わせればよく、例えば乾燥方式は用いるインキの種類に応じて、熱風乾燥、赤外線乾燥、紫外線乾燥、など公知の手段より適宜選択すればよい。紫外線硬化型インキは、基材上に転写されたインキ形状がほぼ維持された状態で白色拡散層として固定化されるため、高精細印刷に好適である。この紫外線硬化型印刷を実施する場合も、紫外線照射の光源種類(例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDなど)は適宜選択すればよい。
透光性基材11の少なくとも片面に形成される白色拡散層12は、光源から到達する光を均斉化して出射できるよう印刷階調値(濃度)を調整されたグラデーション印刷パターンを形成する。印刷階調値(濃度)は、例えばインキの処方のほかインキ厚や印刷面積により調整できる。ここで印刷面積とは、単位面積あたりの白色拡散層12の面積(単位%)を示す。グラビア印刷では、通常、グラビアセルと呼ばれる細かい凹点内に詰めるインキの量(セル容量)によって濃淡を表現する。例えば、グラビアセルを印刷パターンに応じてメッシュ状に形成し、その深度によってインキ量を調整する。印刷の精細度はグラビアメッシュのスクリーン線数(1インチ当りに入るセルの個数)によって調整でき、インキの転移量も精度良く且つ細かく制御できるので、高精細印刷にも好適に対応できる。印刷パターンやインキ粘度にもよるがグラビアメッシュの範囲としては、50〜300メッシュ程度が望ましく、特に好ましくは80〜200メッシュであると良い。線数が低すぎると、解像度が不十分となるだけでなく、セル内につめるインキ量が多くなるため計量精度が劣り不適である。一方、線数が高すぎると、精度よくインキを計量・転移させることが困難となるため、好ましくない。輝度均斉化シートの印刷品位や光学特性に支障を及ぼさない状態であれば、セルのメッシュパターンは、図1に例示するように、インキを適度にレベリングさせて解消した状態で白色拡散層としてもよいし、図2に例示するように、メッシュパターンを残したまま白色拡散層としても、何れでも良い。図2は、本発明の一実施形態として、透光性基材11の片面に、白色インキを印刷後、速やかにインキセットして得た白色拡散層12を有する輝度均斉化シート1’の断面図である。図示の便宜上、白色拡散層12の大きさを強調し、数は省略して記載している。
また、簡便な手法として、印刷パターンの品位に支障を及ぼさない状況であれば、セルの深さは一定とし、部分的にセルの設置密度を変えて印刷面積を変化させ、印刷階調を制御しても良い。
更には、メッシュ状にグラビアセルを設けるのではなく、線幅3〜50μmのラインを組み合わせて、グラデーション印刷パターンを形成しても良く、この輝度均斉化シートのラインを線状光源と平行に組み合わせることで、効率的な光拡散効果が期待できる。グラビアオフセット印刷方式は、特に印刷方向に平行となる細線の再現性に優れるため、その特徴を活かせば、他の印刷方式では困難な極細線を組み合わせた印刷にも適する。
面光源装置内で、不均一な輝度分布を有する入射光を最も効率良く均斉化するには、高輝度部分の入射光のうち、均斉化後も必要な分はそのまま透過させ、過剰分は拡散・反射させることで、再配分するとよく、そのための光拡散層としては白色が最適である。反射を重視して拡散層をミラーインキで形成すると、入射光を反射することはできるが透過には適さない。また、黒や灰色のインキを用いると、入射光の一部が吸収されてしまい、輝度低下や発熱を招くため不適である。
この白色拡散層は、出射光の色調偏りや、白色拡散層形成部との色調ムラが生じないよう、透光性基材と同様に色調の偏りが少ないものが望ましい。例えば、JIS−Z8729で規定される透過b*値が−1〜8の範囲内であると良い。
また、この面光源装置内での変色を軽減する目的で、白色拡散層中に紫外線吸収剤を配合したり、透光性上層を設けてもよい。透光性上層には、白色インキ印刷により形成した白色拡散層の光拡散性能を妨げない範囲であれば、紫外線吸収剤や光拡散性粒子などを添加してもよく、処方次第で耐擦過性向上も期待できる。上層の具体的な形成方法としては、紫外線硬化型ニスを全面印刷したり、光拡散性粒子を含む塗工層を設けたり、透光性樹脂をラミネートしたりする、などの手法が例示できる。
[印刷インキ]
グラビアオフセット印刷用インキとしては、油性インキが一般的であるが、本発明に用いるインキとしては、それに限定せず例えば水性インキなどでもよく、蒸発乾燥型インキの他にも、酸化重合型インキ、加熱硬化型インキ、2液反応型インキ、紫外線硬化型インキ、紫外線硬化と酸化重合併用式のハイブリッドインキなどの公知のものであれば何れでもよい。但し、本発明に必須な光拡散効果を発揮する白色拡散層とするため、必須ではないが白色顔料を含ませると良い。白色顔料としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、クレー、塩基性炭酸鉛、チタン酸ストロンチウム、硫酸バリウム等が挙げられるが、これらに限定するものではない。中でも、酸化チタンや酸化亜鉛、硫酸バリウムが好適である。特に、隠蔽性が高く、屈折率が大きいため光拡散性も高く、比重が小さいためインキ中での分散安定性が高く、しかも、化学的安定性、物理的安定性にも優れる酸化チタンがもっとも好ましい。酸化チタンは、アナターゼ型結晶、ルチル型結晶のいずれであってもよいが、熱安定性、化学的安定性の観点から、ルチル型が好ましい。酸化チタンの平均一次粒子径は220〜270nmが適当である。ここで、平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡により撮影した画像を画像解析することにより求めた値である。酸化チタンの平均一次粒子径が220nm以上であれば、充分な光遮蔽性を確保できるため、輝度をより均斉化でき、270nm以下であれば、色むらを防止できる。酸化チタン自体はやや黄色味を帯びた白色を呈するが、平均一次粒子径が比較的小さい(220nm近傍)ものは、やや青味を帯びているため好ましく使用される。
また、拡散層の白色色調を損なわない範囲であれば、色調調整のため白色顔料以外の着色顔料を混合添加してもよい。この色調調整用顔料としては、一般的にプロセスカラーインキに使用されるジスアゾエロー(Pigment Yellow 12、14)、ブリリアントカーミン6B(Pigment Red 57-1)、フタロシアニンブルー(Pigment Blue 15-3、15-4)、カーボンブラック(Pigment Black 7)の他、各種着色顔料が利用でき、その他の例として無機顔料では、酸化物であるコバルトブルーや、フェロシアン化物である紺青、クロム酸化合物であるモリブデンレッド、ケイ酸塩である群青、リン酸塩であるマンガンバイオレット、有機顔料では、ニトロソ顔料であるナフトールグリーンB、酸性染料レーキであるピーコックブルーレーキ、塩基性染料レーキであるメチルバイオレットレーキ、フタロシアニン顔料であるフタロシアニングリーン、キナクリドン顔料であるキナクリドンバイオレッド、ジオキサン顔料であるジオキサジンバイオレッドなどがあげられる。なお、これらの色調調整用着色顔料は、白色インキの成分として配合するほか、市販の白色インキに後から添加したり、上記着色顔料を用いた有色インキを白色インキと混合して使用しても良い。
白色顔料として好適に利用される酸化チタンの色調や、本発明に好適な紫外線硬化型インキの必須成分である光重合開始剤に黄色味を有するものが多いことから、色調調整用着色顔料としては、青系もしくは紫系の顔料が好適に利用される。
白色顔料の種類や印刷するパターンによっても変動するが、白色顔料の含有率は、白色拡散層の状態、即ち揮発溶剤成分を除いた状態で、20〜70質量%が好ましい。20質量%未満では充分な光拡散性を付与することが難しく、70質量%を超えると印刷後の耐擦過性を維持することが困難となる。中でも本発明の白色拡散層は、輝度均斉効果を発揮するため一定量の入射光を拡散もしくは反射させる必要があるため、比較的高含有量である40〜70質量%がより好ましく、耐擦過性や印刷適性等を考慮すると、45〜55質量%が最も好ましい。前述の白色顔料以外の着色顔料を添加する場合は、着色顔料の添加量は、白色顔料に対して1質量%以下が好ましい。
また、白色色調を大きく損なわない範囲であれば、着色顔料以外の体質顔料や光拡散性粒子を混合しても良い。
以上に示した顔料成分の他、インキにはビヒクル、補助剤成分を含む。特に限定するものではないが、ビヒクル成分としては、ロジン及びその誘導体、硝化綿などのセルロース誘導体、ゴム系樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂などの樹脂成分、芳香族系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤などの溶剤成分、補助材や添加材としては、顔料分散剤、スリップ剤、消泡剤、酸化防止剤、耐光性助剤となる前述の紫外線吸収剤などが例示できる。
印刷品質を良好に保つには、インキ粘度が重要となるが、グラビアオフセット印刷の要となる「インキの計量精度及び転移精度」を良好に保つには、インキ粘度は30〜5000mPa・Sが好ましく、より好適には50〜2000mPa・Sである良い。インキ粘度が低すぎると転移面でインキが乱れやすく不適であり、逆に粘度が高すぎると、グラビアセル内のインキが正確に転移されなくなるため不適である。
高精細なパターン印刷に適する紫外線硬化型白色インキの場合、ビヒクル成分として光重合開始剤と、それとの組み合わせで紫外線照射により重合可能な感光性樹脂、オリゴマー、モノマーなどが挙げられる。例えば、樹脂成分としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂などや又はそれらの変性もしくは共重合樹脂、モノマーやオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。具体的には、ラジカル重合系としては、単官能のエチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドンや、2官能のヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールポリエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3官能以上のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなど、カチオン重合系としては、グリシジルエーテル化合物や脂環式エポキシ化合物などのエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などが例示できるが、これらに限定するものではない。
印刷適性の観点から白色インキのインキ粘度・タック、紫外線硬化性を適性に調整する必要があり、最適値となるようにビヒクル成分の種類、分子量・配合を調整する必要があるが、例えばオリゴマーとしては分子量1000〜3000のものが好適に利用できる。なお、インキ粘度の上昇を抑制しつつ、紫外線硬化性を高めたい場合は、例えばデンドリマーなどの低分子量多官能型成分を用いるとよい。
なお、紫外線硬化型インキの場合、基本的に紫外線照射によりインキセットが進行するため、揮発溶剤成分は必要としないが、印刷適性を損なわない範囲であれば、少量含んでいても良い。
紫外線硬化型白色インキに含まれる光重合開始剤としては、光拡散性付与のため必要な白色顔料と吸収波長領域が重ならず、且つフォトブリーチ効果によりインキ密着性が良好で、紫外線照射後の印刷層の黄色味も少ないアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましく例示できる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:BASF社製 LucirinTPO、チバ社製 DAROCUR TPO)や2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:BASF社製 Lucirin TPOL)や、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:チバ社製 IRGACURE819など)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル) −2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(商品名:チバ社製 CGI403など)が例示できるが、これに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、紫外線照射により開裂する部位自身が吸収を持つため、ビヒクル成分の硬化の基点となるフォスフィノルラジカルを生成した後に吸収を失い白色化するため、黄変抑制に有効であり、且つ、インキ層の内部まで充分に硬化させることが出来るため、インキ層の剥離抑制に効果的である。コストやインキ表面の硬化性向上などの理由から、他種の光開裂型もしくは水素引き抜き型の光重合開始剤を使用もしくは併用しても良く、中でも、比較的黄変しにくい、酸素による重合阻害に耐性の高いなどの特徴を有するα−ヒドロキシケトンもしくはα−アミノケトンなどのベンゾインアルキルエーテル型光重合開始剤が好ましい。α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン(商品名:チバ社製 IRGACURE184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(商品名:チバ社製 DAROCUR1173))、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(商品名:チバ社製 IRGACURE2959)が、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:チバ社製 IRGACURE907)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(商品名:チバ社製 IRGACURE379)などが例示できるが、これらに限定するものはない。
<面光源装置>
本発明の面光源装置の一実施形態について説明する。
本実施形態として例示する面光源装置100の断面図を図3に、斜め上方から見た図を図4に示す。この面光源装置100は、矩形状の開口部を有するハウジング3とその内側の底面に設けられた反射板4、ハウジング3に収容された冷陰極管からなる複数の光源2(図3、4では光源2が8本平行に配列されている)と、ハウジング3の開口部を塞ぐように光源2の光出射側に順に積層した光拡散性粒子を含有する光拡散板を基材とした輝度均斉化シート1、拡散シート5を具備する。図3、4では、図示の便宜上、輝度均斉化シートの白色拡散層12のパターンを簡略化し、適宜部材の厚みを強調している。更に、図4では部材構成を明確にするため、ハウジング3の開口部を塞ぐ形で積層する部材をずらした状態で図示している。
[光源]
光源としては、冷陰極蛍光管(CCFL)、熱陰極蛍光管(HCFL)、外部電極陰極管(EEFL)のような線状光源や、発光ダイオード(LED)などの点状光源が採用できるが、特にこれらに限定するものでない。線状光源は、直管の他、U字管などの屈曲管を用いても良い。
複数の光源を使用する場合、それらの設置位置は限定するものではなく、多少の変動があってもよいが、ユニットの薄型化の観点からは、ハウジングの開口部を塞ぐ形で設置する光拡散板との距離が均一であることが好ましい。また、その光源設置位置と光拡散板との平均距離は、面光源装置の薄型化を意図する場合は、6mm以下であると好ましい。
[光拡散板]
面光源装置のハウジングの開口部には、光源の保護機能も兼ねて、ある程度の強度を有する光拡散板を設置することが望ましい。この光拡散板は、面光源装置に使用する各種シート状光学部材と光源間の距離を一定に保つ支持体としての役割も担うため、材質にもよるが厚さは1mm以上あると好ましく、部材重量やコスト、面光源装置全体の厚さを考慮すると、4mm以下が好ましい。効率的な輝度均斉効果の付与や部材数抑制の観点から、本発明の輝度均斉化シートに用いる透光性基材として、この光拡散板を用いると好適であり、その好ましい材料、物性(色調など)は透光性基材の材料として前述した通りである。
[反射板]
面光源装置には、光源の光を効率よく出光させるために、周辺部に反射板もしくはシートを用いることが望ましく、材質としては、白色のプラスチックシート(白色ポリエチレンテレフタレートシート、白色ポリプロピレンシートなど)を単独もしくは、樹脂、金属、金属蒸着板などの基材に貼り付けたものが例示できる。これらはハウジングの内側の底面と一体化されていても良く、光源からの光を効率よく利用するために、凹凸処理やプリズム接着など各種加工がなされていても良い。
[その他光学部材]
本実施形態の面光源装置には、更なる均斉化や輝度向上のため、前述以外にも拡散シートや、集光効果を利用した輝度向上シートなどの光学部材を用いてもよい。
拡散シートは、入射光を拡散可能で、その光拡散性が面方向に均一なシートであり、光拡散板と共に、輝度ムラ解消の点で有効である。例えば、透光性基材上に前述の各種光拡散性微粒子を含む塗料を塗工したり、光拡散性のあるインキを印刷することにより作成できる。市販品としては、積水化学フィルム株式会社製のレンチキュラーフィルム(商品名:エスティナED)、株式会社きもと製の拡散フィルム(商品名:ライトアップ)などが例示できる。
集光効果を利用して出射光を効率よく利用する透明樹脂シートである輝度向上シートとしては、シート表面に断面が鋸歯状の直線的なギザギザで構成されるプリズムシートや、カマボコ型のシリンドリカルレンズを平行に並べたレンチキュラーシート、単レンズを縦・横に並べたマイクロレンズシート(フライアイレンズシート)などが例示でき、市販品としては、住友スリーエム株式会社製の輝度向上フィルム(商品名:BEFII、BEFIII、RBEF、DBEF)や、積水化学フィルム株式会社製のレンチキュラーフィルム(商品名:エスティナEL)、未来ナノテック(韓国)社製のマイクロレンズアレイパターンシート(商品名:UTEシート)などが例示できる。支持体としての機能を担う光拡散板以外の、これら光学シートの厚さは、50μm〜1mmであることが好ましく、100μm〜500μmであることがより好ましい。50μm未満であるとシートがたわみやすく、1mmを越えるとシートを積層すると重量やコスト増を招くおそれがある。
また、光拡散板と同様に、これらの光学シートを本発明の輝度均斉化シートの透光性基材とし、片面もしくは両面に白色拡散層を印刷しても良い。
[印刷パターンについて]
図3、4の面光源装置100において、光拡散板を基材とした輝度均斉化シート1に入射する光は、光源2の略直上部分で光量が多くなり、光源2から離れるほど光量が少なくなる、不均一な輝度分布を有する。
そこで、本実施形態の輝度均斉化シート1には、入射光量の多い部分には光拡散性が高くなるよう白色インキの印刷パターンを調整する。例えば、8本の光源2の各々の略直上の部分にて、印刷階調値が極大値となり、複数の光源2の中間点の略直上の部分にて、印刷階調値が極小値となるように調整する。その結果、輝度均斉化シート1に入射した光は均斉化され、均一な輝度分布の出射光が得られる。この輝度均斉化シート1の効果により、面光源装置100で例示した、拡散シート5を省略しても、充分な輝度均斉効果は得られるが、これを具備することでより安定的に高い均斉化レベルが維持できる。
なお、面光源装置の構成は、例示した上記実施形態に限定されるものではなく、要求品質に応じて、例えば、前述の輝度向上シートや拡散シートなどの各種光学シートを追加して用いてもよく、その枚数や積層順も含め適宜選択可能であり、同一素材を複数枚使用しても良い。例えば、光拡散板や拡散シートは、面方向に均一に気泡が形成された発泡体であってもよい。また、光拡散板は、片面もしくは両面に凹凸が賦形されて光拡散性を有するものであったり、輝度均斉化シート1に用いられる透光性基材11の両面に白色拡散層12が設けられていてもよい。白色拡散層形成面は、面光源装置内で光源側を向いていても、出向面側に向いていても良い。
輝度均斉化シートの印刷パターンも、使用する光源や他の光学部材との組合せによって大きく変わってくるので、条件に合わせてパターン設計が必要となる。例えば、面光源装置100において光拡散性粒子を含有する光拡散板の代わりに、入射光を屈折させるため正確に角度を規定したプリズム形状を表面に付与した透明プリズム板を用いる場合、前述の例示とは異なり、各光源2の略直上の部分よりも複数の光源2同士の中間点の方が、光量が多くなる場合もある。これらの状況に対応する手段として、特願2008-283605号、特願2008-283604号、特願2008-223909号、特願2008-223908号、特願2008-230996号、特願2008-273708号、特願2008-273710号等に記載の手法に従って、印刷パターンの調整を行なっても良い。
[面光源装置]
実施例及び比較例には、準備した面光源装置101〜106の断面図を図5〜図10に示す。全ての面光源装置が、矩形状の開口部を有するハウジング3とその内側の底面に設けられた反射板4、ハウジング3に収容された光源(平行に配列された8本の冷陰極管)と、ハウジング3の開口部を塞ぐように光源2の光出射側に適宜積層する面状光学部材を具備する。光拡散板としては、透明樹脂(スチレンーメチルメタクリレート共重合体)に、適量のシリカ粒子を光散乱性微粒子として均一に分散させ、これを射出成形して得た光拡散板を用いた。光拡散板の全光線透過率は、光拡散性微粒子の配合量により調整した。 面光源装置101の場合、光拡散板を輝度均斉化シートの透光性基材として用い、積層して用いる光学部材として、(韓国)未来ナノテック社製のマイクロレンズアレイパターンシート(商品名:UTEシート)を輝度向上シート6と、厚さ188μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、コスモシャインA4300)にアクリル系ビーズを含有する塗工層を設けたシートを拡散シート5として、共に基材面側を光源側に向けて、面光源装置に設置した。
<実施例1>
厚さ2.5mmで全光線透過率51%に調整した光拡散板Aを透光性基材として、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるパターン状に設計した150メッシュのグラビア版を用いて、酸化チタンを含有する紫外線硬化型白色インキをグラビアオフセット印刷した後、直ちに紫外線(紫外線照射量400mJ/cm)を照射したところ、白色インキが硬化し、光拡散板Aの片面にパターン状白色拡散層を有する輝度均斉化シートAが得られた。
印刷パターンは、面状光学部材を配置する前の状態の面光源装置の輝度分布ムラを測定し、それを均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとした。この場合、光量が多くなるにつれて印刷階調値が高くなるよう、光源と同じ間隔で、印刷階調値が極大値となるパターンであった。
得られた輝度均斉化シートAを組み込み、構成101の面光源装置Aを得た。
(輝度分布ムラ測定方法)
面状光学部材を配置する前の面光源装置の輝度分布ムラは、装置上方1000mmの位置に設置した輝度計(トプコンテクノハウス社製、製品名「UA−1000」)で、面光源装置中央部を、平行に配列された光源の垂直方向に横断する形で、端から端まで0.6mm間隔で三刺激値Y(輝度)[cd/m]として測定した。
<実施例2>
厚さ1.5mm、全光線透過率58%に調整した光拡散板Bを透光性基材としたこと以外は実施例1と同様にして、輝度均斉化シートBを形成した。
得られた輝度均斉化シートBを組み込み、構成101の面光源装置Bを得た。
<実施例3>
グラビア版のパターンを、面光源装置の光源と平行に配列された幅30μmのラインを組み合わせて、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるグラデーションパターンとなるよう、ラインの本数及び間隔を調整したパターンで設計したこと以外は実施例2と同様にして、輝度均斉化シートCを形成した。
得られた輝度均斉化シートCを組み込み、構成101の面光源装置Cを得た。
<実施例4>
紫外線硬化型白色インキの代わりに、酸化チタンを含有する油性白色インキを用い、紫外線照射の変わりに、熱風乾燥したこと以外は、実施例2と同様にして、輝度均斉化シートDを形成した。
白色拡散層は、乾燥前の適度なレベリングにより、インキ厚が滑らかに変化する形状となった。この状態で、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるよう印刷パターンを設定した。
得られた輝度均斉化シートDを組み込み、構成101の面光源装置Dを得た。
<実施例5>
印刷パターンを、実施例2で用いた光拡散板Bのみを面状光学部材として配置した状態の面光源装置の輝度分布ムラを、均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとしたこと以外は、実施例2と同様にして、輝度均斉化シートEを形成した。
得られた輝度均斉化シートEを組み込み、構成102の面光源装置Eを得た。
<実施例6>
片面にプリズム条列を表面賦形した片面賦形拡散板を透光性基材として用い、面光源装置として光源側となる、賦形面の反対側に印刷したこと以外は実施例2と同様にして、輝度均斉化シートFを形成した
片面賦形拡散板には、光拡散性微粒子は配合せず、プリズム条列は、断面形状が二等辺三角形の突起部が互いの裾がつながってV字型の溝が形成されるように連なる構成とし、突起部のピッチは69μm、頂角の角度は110゜となるよう賦形した。印刷パターンは、面状光学部材を配置する前の状態の面光源装置の輝度分布ムラを、均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとした。
得られた輝度均斉化シートFを組み込み、構成103の面光源装置Fを得た。
<実施例7>
両面にプリズム条列を表面賦形した両面賦形拡散板を透光性基材として用い、面光源装置として光源側となる面に印刷したこと以外は実施例3と同様にして、輝度均斉化シートGを形成した
両面賦形拡散板には、光拡散性微粒子は配合せず、プリズム条列は、断面形状が二等辺三角形の突起部が互いの裾がつながってV字型の溝が形成されるように連なる構成とし、印刷される光源側となる面は、突起部のピッチは70μm、頂角の角度は130゜、反対面は突起部のピッチは100μm、頂角の角度は110゜となるよう賦形した。印刷パターンは、面状光学部材を配置する前の面光源装置の輝度分布ムラを、均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとした。
得られた輝度均斉化シートGを組み込み、構成104の面光源装置Gを得た。
<実施例8>
透光性基材として、プリズム形状を有する樹脂シート(住友3M社製 商品名:BEFIII)を用い、プリズム面の反対面に印刷したこと以外は、実施例2と同様にして、輝度均斉化シートHを形成した。
印刷パターンは、実施例2で透光性基材として用いた光拡散板のみを面状光学部材として配置した状態の面光源装置の輝度分布ムラを、均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとした。
光拡散板7には実施例2で用いた光拡散板Bを用い、得られた輝度均斉化シートHと共に組み込み、構成105の面光源装置Hを得た。
<実施例9>
透光性基材として、プリズム形状を有する樹脂シート(住友3M社製 商品名:BEFIII)を用い、プリズム面に印刷したこと以外は、実施例3と同様にして、輝度均斉化シートJを形成した。
印刷パターンは、実施例2で透光性基材として用いた光拡散板と上記BEFIIIを面状光学部材として積層配置した状態の面光源装置の輝度分布ムラを、均斉化できるよう階調を調整した印刷パターンとした。
光拡散板7には実施例2で用いた光拡散板Bを用い、得られた輝度均斉化シートJと共に組み込み、構成106の面光源装置Jを得た。
<比較例1>
インカデジタルプリンター社製 inca SP320を用いて、白色インクをUVインクジェット方式にて印刷し、白色拡散層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、輝度均斉化シートKを形成した。印刷階調は、インク吐出量により調整した。
得られた輝度均斉化シートKを組み込み、構成101の面光源装置Kを得た。
<比較例2>
市販のスクリーン印刷用白UVインキ(十条ケミカル社製 レイキュアーPF4200高濃度白)を用い、320メッシュでスクリーン印刷により100線の網点印刷したこと以外は実施例2と同様にして、輝度均斉化シートLを形成した。
得られた輝度均斉化シートLを組み込み、構成101の面光源装置Lを得た。
<比較例3>
セイコ−アドバンス社製のスクリーンインキ2500 110デンショクホワイトを、320メッシュでスクリーン印刷により100線の網点印刷した後、紫外線照射は行なわず、熱風乾燥により白色拡散層を得たこと以外は実施例4と同様にして、輝度均斉化シートMを形成した。
得られた輝度均斉化シートMを組み込み、構成101の面光源装置Mを得た。
<比較例4>
市販のスクリーン印刷用白UVインキ(十条ケミカル社製 レイキュアーPF4200高濃度白)を用い、320メッシュでスクリーン印刷したこと以外は実施例7と同様にして、輝度均斉化シートNを形成した。
得られた輝度均斉化シートNを組み込み、構成104の面光源装置Nを得た。
<比較例5>
市販の水ありオフセット印刷用白色UVインキ(東洋インキ製造株式会社製、FDOニューR2 白:主成分ルチル型酸化チタン)を用い、100線の平版オフセット印刷をしたこと以外は実施例9と同様にして、輝度均斉化シートPを形成した。
得られた輝度均斉化シートPを組み込み、構成106の面光源装置Pを得た。
<比較例6>
白色インキの代わりに、黒色インキを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、輝度均斉化シートQを形成した。
得られた輝度均斉化シートQを組み込み、構成101の面光源装置Qを得た。
(評価方法)
実施例及び比較例で得た輝度均斉化シートを下記の方法で評価した。
《輝度均斉化シート評価》
(印刷評価)
各輝度均斉化シートを50枚ずつ抜き取り、黒アクリル板の上に置き、擦過キズや印刷ヌケ、異物付着の状態を目視評価し、下記指標に従って3段階に評価した。
○:設計どおり印刷されており、印刷欠陥もない。
△:欠陥のないものもあるが、2割以上の印刷シートに、印刷ヌケやつぶれなどの乱れがある。
×:印刷面に、目視で明確人判別される印刷ヌケやつぶれなどの乱れがあり、不適。
《面光源装置評価》
実施例及び比較例で得られた輝度均斉化シートを、対応する面光源装置に組み込み、光源を点灯させた状態で、輝度と均斉化の状態を目視にて下記指標を元に三段階評価した。併せて、面光源装置の上方1000mmの位置に輝度計(トプコンテクノハウス社製、製品名「UA−1000」)を設置し、面光源装置中央部を平行に配列された光源の垂直方向に横断する形で、端から端まで0.6mm間隔で三刺激値Y(輝度)[cd/m]と、色度x、色度yを測定し、輝度ロスや輝度均斉化の状態を確認する目安とした。
(輝度評価)
○:均斉化前の積算輝度量がほぼ維持されている。
△:均斉化前に比べ、積算輝度量が低下している。
×:均斉化前に比べ、目視で明確に判る範囲で輝度低下が大きく不適。
(均斉化評価)
○:充分に均斉化されている。
△:ほぼ均斉化されているが、やや輝度や色調ムラがある。
×:明確に判る範囲で輝度や色調ムラが大きく不適。
各輝度均斉化シート並びに面光源装置の作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 2010191169
Figure 2010191169
表2に示す通り、実施例1〜9の輝度均斉化シートは、基材の厚さや表面形状に拘わらず、欠陥のない高精細印刷が施されており、それを組み込んだ面光源装置は、充分に高い輝度を有し、且つ均斉化もされ、色調のムラや偏りも感じられないものとなった。
これに対し、比較例1の紫外線硬化型インクジェット方式にて作成した輝度均斉化シートを用いた面光源装置では、輝度が低くなっただけでなく、色調ムラが感じられた。比較例2の紫外線硬化型スクリーン印刷方式にて作成した輝度均斉化シートも、同様の傾向があるだけでなく、印刷の精細度が劣った。また、熱風乾燥方式のスクリーン印刷にて作成した輝度均斉化シートは、特に高階調部分で印刷部のつぶれによる欠陥が目立ち、その影響が面光源装置としても判別できる状態であった(比較例3)。また、スクリーン印刷方式や平版オフセット印刷にて試みた凹凸面への印刷は、印刷のヌケや乱れなどの印刷欠陥が目立ち不適であった(比較例4、5)。なお、グラビアオフセット方式で黒色インキを印刷すると、印刷自体は問題なく実施されたものの、面光源装置の部材として用いた際、輝度の低下が著しく不適であった(比較例6)。
1、1’ 輝度均斉化シート
11 透光性基材
12 白色拡散層
2 光源
3 ハウジング
4 反射板
5 拡散シート
6 輝度向上シート
7 光拡散板
100〜106 面光源装置

Claims (5)

  1. 透光性基材の少なくとも片面に、不均一な輝度分布を有する入射光を均斉化して出射できるパターン状に、グラビアオフセット方式の印刷により白色拡散層が形成されていることを特徴とする輝度均斉化シート。
  2. 透光性基材の厚さが、1〜4mmであることを特徴とする請求項1に記載の輝度均斉化シート。
  3. 透光性基材の少なくとも片側表面に、光拡散性を有する微細な凹凸形状を具備することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の輝度均斉化シート。
  4. 白色拡散層が、紫外線硬化型インキの印刷により形成されたことを特徴とする請求項1〜3に記載の輝度均斉化シート。
  5. 少なくとも光源と、請求項1〜4いずれかに記載の輝度均斉化シートを具備することを特徴とする面光源装置。
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