JP2010190891A - 担体およびその製造方法並びに抽出操作器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】担体を生理活性物質を安定に固定化することが可能なものとする。
【解決手段】多孔性膜表面に重合反応開始点となるハロゲン基を配した後に、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合を行うことによりカルボン酸含有重合体を多孔性膜にグラフトさせるか、あるいは、カルボン酸含有重合体をハロゲン化有機物を開始剤として、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合により製造した後に、この製造したカルボン酸含有重合体を多孔性膜にグラフトさせることにより、多孔性膜にカルボン酸含有重合体を配置し、配位子の密度が1.0×1016個/mm3以上の担体を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、生理活性物質を固定するのに好適な担体およびその製造方法、さらにはその担体を備えた抽出操作器具に関するものである。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定技術が発達し、測定に供される生理活性物質を選択的に抽出する方法も種々検討されている。たとえば生理活性物質がタンパク質の場合、測定チップとタンパク質を共有結合により固定化するための手法として、タンパク質のアミノ基と測定チップ上のカルボキシル基とを結合させる方法が知られている。
しかしながら、この方法では、固定化によってタンパク質表面の任意のアミノ基が修飾され、固定化されるタンパク質の配向が決まらない、修飾されるアミノ基の位置によっては、タンパク質と基質との結合が阻害されてタンパク質の活性が低下する恐れがある、という不都合が生じる。また、この方法では、チップ上にタンパク質を濃縮する必要があるが、固定化の際にタンパク質を、固定化されるタンパク質のpIよりも低いpH、かつ低いイオン強度の緩衝液に溶解する必要がある。それゆえ、このような条件下で変性するタンパク質の場合には、活性を維持したまま固定化することができないという問題もあった。
一方、遺伝子改変により人工的に合成されたタンパク質のN末端あるいはC末端に導入されたTagと呼ばれる部分を用いて、中性条件下で測定チップ上にタンパク質を固定化する手法が開発されている。その代表例として、His-tagを用いた固定化技術が挙げられる。この技術は、遺伝子組換えによって発現させたHis-tagタンパク質を精製するためのアフィニティーカラム用として開発され、タンパク質を一定の配向性で付与することができる。
特に、ニトリロトリ酢酸(Nitrilotriacetic acid、以下NTAという)とNi(II)イオンとによるNTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化では、錯体中の2つの配位座に配位した水分子がHis-tagタンパク質のオリゴヒスチジン残基の2つのイミダゾール基の窒素原子と置換することによって、His-tagタンパク質が特異的かつ一定方向に固体表面に結合する。このNTA-Ni(II)錯体を用いるHis-tagタンパク質の固定化では、酸性条件下でプレコンセントレーションを行う必要がないため、生理的条件の緩衝液(PBSなど)を用いてHis-tagタンパク質の固定化が可能となり、前述した問題を回避することが可能である。
しかし、His-tagタンパク質とNTA-Ni(II)錯体との組み合わせは、アフィニティーカラムによる精製を目的として開発されているため、その結合は充分に強固ではなく、解離平衡が存在する。そのため、目的とする生理活性物質を選択的に取り出すために、複雑な操作条件の探索と分取操作を行わなければならないが、そのような操作をしても充分な選択性が得られにくい場合があり、選択性を補うために溶出液を大量に用いる必要がある。しかし、そのような大量の溶出液を使用すると、対象とする生理活性物質を含む活性物質溶液濃度が極めて薄くなってしまうという問題がある。
上記のような問題を解決するために、いくつかの検討がなされている。例えば、特許文献1や2には、酸化剤等で酸化することによってHis-tagタンパク質に配位している金属イオンの置換不活性化による固定化方法が開示されている。しかし、これらの方法では、その酸化速度や酸化剤によってはタンパク質の失活が起こる場合があるという問題がある。また、特許文献3には、配位子を上記NTAではなく、triNTAとすることによる結合の改善の試みが記載されているが、実用的に充分な固定化は得られていない。
また、非特許文献1には、NTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化において、His-tagタンパク質のイミダゾール基とNi(II)を多点でNTAの配位子と結合する技術が開示されている。
生理活性物質を多点で把持することができれば、結合力を高めることができ、上述のような解離の問題は解決できると考えられるが、上記非特許文献1では、どの程度のNTA密度であれば解離の問題が解決できるかという点は検討されていない。さらに、非特許文献1に記載されている固定技術は近接している配位子同士がリジットであり、フレキシブルに動くことができないので、タンパク質に対し多点で金属が配位結合しにくく、実際には生理活性物質を多点で安定に固定することができないという問題がある。
ところで、排水中の重金属イオンを捕捉する方法として、多孔性膜に対して物理的な刺激を施して高分子をグラフトさせることにより、金属イオンを吸着させる手法が知られている(特許文献4)。この高分子がグラフトされている多孔性膜を利用することができれば、生理活性物質を多点で安定に把持することが可能であると考えられる。
特開2006-266831号公報 特開平6-157600号公報 特表2002-536428号公報 特開平2-187143号公報
Anal.Chem.2005,77,1096-1105
しかし上記特許文献4に記載されている技術は、重金属イオンの捕捉が主たる目的であるため、金属錯体(例えば上記NTA-Ni(II)錯体)を用いて生理活性物質を捕捉しようとする用途においては、配位子の金属への錯体形成の程度により、むしろ生理活性物質の捕捉が不適当になるという問題がある。
また、微細な孔を有する多孔性膜においては細孔の形状も複雑であるため、タンパクの捕捉においては多孔性膜の最表面と、細孔内部での捕捉効率に差異が生じることが推測される。多孔性膜上で捕捉効率に差異が生じると生理活性物質を捕捉するための配位子を安定かつ強固に結合させることができない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、従来よりもはるかに高濃度で生理活性物質を安定に固定化することが可能な担体およびこの担体の製造方法、並びにこの担体を備えた抽出操作器具を提供することを目的とするものである。
本発明の担体は、支持体に結合された配位子を有する担体であって、前記支持体が平均孔径30nm以上1mm以下の多孔性膜であり、かつ前記配位子の密度が1.0×1016個/mm3以上であることを特徴とするものである。
前記多孔性膜の表面にカルボン酸含有重合体を有し、前記配位子が前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸と結合していることが好ましい。
前記重合体は数平均分子量が1×104から1×106であって、分子量分布が2.0以下であることが好ましい。
前記配位子はニトリロトリ酢酸誘導体であることが好ましい。
前記配位子に金属イオンが固定され、該金属イオンに生理活性物質が固定されていることが好ましい。
前記生理活性物質が前記金属イオンに配位結合する官能基を複数有し、該官能基がイミダゾール基であることが好ましい。
本発明の担体は、抽出操作器具として好適に用いられる。
本発明の担体の第1の製造方法は、多孔性膜と、該多孔性膜の表面に配置されたカルボン酸含有重合体と、該カルボン酸含有重合体に結合した配位子とを有する担体の製造方法であって、前記多孔性膜表面に重合反応開始点となるハロゲン基を配した後に、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合を行うことによりカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせることを特徴とするものである。
本発明の担体の第2の製造方法は、前記カルボン酸含有重合体を、ハロゲン化有機物を開始剤として、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合により製造した後に、該製造したカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせることを特徴とするものである。
前記配位子と前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸との結合は、縮合剤を用いた縮合反応により行うことが好ましい。前記配位子と前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸との結合の際には、アプロティックな極性溶媒を用いることがより好ましい。
本発明の担体は、支持体に結合された配位子を有する担体であって、支持体が平均孔径30nm以上1mm以下の多孔性膜であり、かつ配位子の密度が1.0×1016個/mm3以上であるので、従来よりもはるかに高濃度で生理活性物質を多点で安定に固定化することが可能となる。また、多孔性膜は比表面積が大きいので、最表面のみならず、膜の細孔表面に配位子が存在することにより、体積あたりの配位子量が大きくなる。さらに生体分子を包含する液体が膜を透過するという操作法を用いることで、この液体が配位子に接触する頻度を大きくすることができるので生体分子の捕捉効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の担体の製造方法は、多孔性膜と、この多孔性膜の表面に配置されたカルボン酸含有重合体と、このカルボン酸含有重合体に結合した配位子とを有する担体の製造方法であって、前記多孔性膜表面に重合反応開始点となるハロゲン基を配した後に、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合を行うことによりカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせる方法、あるいはカルボン酸含有重合体を、ハロゲン化有機物を開始剤として、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合により製造した後に、この製造したカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせる方法によって、多孔性膜にカルボン酸含有重合体を配置するので、配位子の密度を1.0×1016個/mm3以上で多孔性膜に結合することができる。
本発明の一実施の形態である担体の構成を示す概略模式図である。 本発明の一実施の形態を示す担体を製造する工程を示す模式図である。 本発明の一実施の形態を示す担体に生理活性物質を結合する工程を示す模式図である。
本発明の担体は、支持体に結合された配位子を有する担体であって、支持体が平均孔径30nm以上1mm以下の多孔性膜であり、かつ配位子の密度が1.0×1016個/mm3以上であることを特徴とする。以下、図面を参照して本発明の担体について説明する。図1は、本発明の一実施の形態である担体の構成を示す概略模式図である。なお、図1では結合状態をわかりやすくするため、一部を拡大し、配位子としてニトリロトリ酢酸(NTA)、金属イオンとしてCu(II)イオンを例にとって示している。
図1に示す担体は、平均孔径30nm以上1mm以下の孔を有する多孔性膜と、この多孔性膜表面上に配置されたカルボン酸含有重合体と、このカルボン酸含有重合体上に配位子としてNTAとを備えてなり、配位子であるNTAが1.0×1016個/mm3以上の密度でカルボン酸含有重合体に結合してなるものである。本発明の担体はNTAが1.0×1016個/mm3以上の密度で結合しているので、多点(NTAと生理活性物質(例えば、含窒素複素環基)が複数の金属イオンと結合)で生理活性物質を固定することが可能となり、安定に生理活性物質を固定化することができる。ここで、上記多孔性膜表面とは、多孔性膜の、膜の最表面や多孔性膜が有する孔の表面を意味する。なお、図1に示す担体は、配位子を所望の密度で結合できるようにするため、配位子の足場となるカルボン酸含有重合体を有している態様を示しているが、配位子を1.0×1016個/mm3以上の密度で多孔性膜に結合することができる足場であれば、これに限定されるものではない。
以下、本発明の担体の各構成およびその構成の形成方法等について順に説明する。
(1)支持体(多孔性膜)
多孔性膜は、水に不溶性で、かつ物理的刺激によってカルボン酸を有する低分子もしくは高分子有機化合物をグラフトできる材質のものであればよく、例えば、セルロース、アシル化セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンクロライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトンなどの既知高分子多孔性材料を用いることができる。
また、物理的刺激によってカルボン酸を有する低分子もしくは高分子有機化合物をグラフトすることが適当でない材質、たとえばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のような材料であっても、多官能性モノマーをあらかじめ重合させておくことにより、物理的刺激によってカルボン酸を有する低分子もしくは高分子有機化合物をグラフトすることができるようにした多孔性膜を用いてもよい。
ここで、上記物理的刺激とは、官能基を持った有機化合物と基盤となる有機材料とにおいて共有結合を形成させることが可能であったり、あるいは重合性モノマーのグラフト重合を促進させるのに充分な有機ラジカルを発生させることが可能な物理的刺激を意味し、具体例としては、例えばUV光、プラズマ、X線やγ線、α線、β線、電子線、陽電子線、陽子線、重イオン線、中性子線などを好適に挙げることができる。
多孔性膜の平均孔径は30nm以上1mm以下である。生理活性物質の中でも代表的なタンパク質の多くはその大きさが約10nmであること、後述する足場となる重合体の分子量分布の制御し易さという側面から好適な制御ラジカル重合法による重合体の主鎖長はおよそ10nm以上であることから、タンパク質を多孔性膜の孔面の配位子でも捕捉できることが可能とするためには多孔性膜の孔径は30nm以上であることが必要である。もっとも、生理活性物質の濃度が高い場合には目詰まりによる圧力損失が著しく増大する可能性があるため、実施する目的によっては50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。
一方、孔径が1mmを超えると、たとえばタンパク質を捕捉するアフィニティーカラムの例でも知られているように、細孔内の主流による生理活性物質の通過量が著しく大きくなり、配位子と接触する効率が著しく悪くなる。よって、多孔性膜の孔径は1mm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
多孔性膜の平均孔径は走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などを用いて得られた撮像から求める方法で求められる。なお、多孔性膜は、求められる特性に応じて、有する孔の形状、形態が異なる多孔性膜、あるいは材質の異なる多孔性膜を複数重ねて用いることもできる。多孔性膜の孔の形状は、タンパク等の生理活性物質の捕捉を著しく阻害しない限り制限されない。なお、平均孔径とは観察した分布の数平均、気体で算出する場合であれば計算上の気泡径分布の体積平均、あるいは単分散粒子を透過させるテストであれば体積平均粒径を持つ単分散粒子が99%以上透過しなかった最大をその粒子径とする、といった方法により規定される。
多孔性膜の孔形成方法は、既知の手法により開孔形成されたものを用いることができ、例えば、熱誘起もしくは溶媒誘起製膜による開孔、熱・比熱延伸による開孔、電子ビームなど物理的刺激による開孔、あるいはあらかじめ基材が溶解しない溶媒に溶解しうる粒子やポリマーを基材にブレンドしておいて、フィルム成型後に粒子を溶解せしめる開孔方法などを好適に挙げることができる。
(2)カルボン酸含有重合体
配位子を所望の密度で結合できるようにするため、多孔性膜には配位子の足場となる有機化合物を結合させることが好ましく、膜面近傍で親水性の配位子を高密度で結合させるという観点からは、カルボン酸を含有する重合体を用いることが好ましい。
カルボン酸含有重合体は数平均分子量が1×104から1×106であって、分子量分布が2.0以下であることが好ましい。カルボン酸含有重合体の数平均分子量が1×104よりも小さい場合には、膜面近傍で親水性の配位子を高密度で配置させる足場が充分ではなく、一方でカルボン酸含有重合体の数平均分子量が1×106よりも大きくなると、膜面内へのグラフト効率が著しく低下して、多孔性膜を用いて配位子を配する効果が低減するため好ましくない。また、カルボン酸含有重合体の分子量分布が2.0よりも大きくなると、生理活性物質の捕捉効率を上げる配位子の高密度化の効果が得られにくくなる。
カルボン酸含有重合体の数平均分子量定及び分子量分布は、Gel Permeation Chromatographyや時間飛行型質量分析機を用いて求めることができる。
(2−1)カルボン酸含有重合体の形成(図2(a))
多孔性膜にカルボン酸を結合させる手法として、従来公知の重合反応や、ゾルゲル反応などを用いることができ、得られた担体性能が大きく損なわれない範囲で適当に選択することが可能である。しかし、従来公知の重合反応では、分子量分布が成り行きであって、制御が不充分であり、生理活性物質の捕捉効率を上げる配位子の高密度化の効果が得られにくくなる。このため、多孔性膜の微細な孔内の表面においても分子量分布に大きな差違が無い、カルボン酸含有重合体を存在させる手法をとることが好ましい。このようなカルボン酸重合体を多孔性膜に結合するためには、制御ラジカル重合を用いることができる。
(制御ラジカル重合)
制御ラジカル重合とは、通常のラジカル重合とは異なり、ポリマーの分子量、モノマー残基序列、次元構造などを任意に制御できる重合であり、例えばポリマー成長末端が化学変換可能な活性を有するリビングラジカル重合が好適に挙げられる。リビングラジカル重合としては、例えば、原子移動ラジカル重合(ATRP)(J.Wangら、Macromolecules,1995年、28巻、7901頁 K. Matyjaszewski, J. Xia. Chem. Rev., 101, 2921-2990, 2001参照)、ニトロキシドを介するラジカル重合(NMP)(C.J.Hawkerら、Macromolecules,1996年、29巻、5245頁参照)、硫黄類化合物経由可逆付加チェイントランスファーラジカル重合(RAFT)(A.Ajayaghoshら、Macromolecules,1998年、31巻、1436頁参照)などが好適に挙げられる。
上記制御ラジカル重合法の中でも、分子量分布の小さい重合体を得られやすいという観点からは、上記ATRP法が好ましい。ATRP法は、有機ハロゲン化合物をドーマント種(ラジカル反応において休眠種とも呼ばれる安定な化学種)として用い、遷移金属触媒錯体の酸化還元反応を利用することで、可逆的にラジカル種を発生させる方法である。使用される金属触媒は、重合するポリマーに応じて選択されるが、分子量分布が小さい重合体を得率よく得られやすいという点からすれば、銅またはルテニウムが好ましい。
このATRP法を適用してグラフト重合させることにより、複雑な多孔性膜に効率よく配位子の足場となるカルボン酸含有重合体を形成することができる。より詳細には、(1)反応開始点となる有機ハロゲン化合物(ハライド)を多孔性膜表面全体に配する処理を施した後にグラフト重合する方法、あるいは(2)活性末端を持つ重合体をグラフト重合する方法を挙げることができる。
(1) ハライドを多孔性膜表面全体に配する処理を施した後にグラフト重合(第1の製造方法)
重合反応開始点となるハライドを多孔性膜の孔内部にまで一様に配しておく処理方法としては、既知の合成手法を利用することができるが、例として以下の手法が挙げられる。膜に対して、電子線やプラズマなどの物理刺激を照射してから速やかに水やポリエチレングリコール、水蒸気、酸素雰囲気下に曝すことによって、表面に水酸基を形成させ、その後に、既知のハロゲン化試薬(塩化メタンスルホニル,塩化チオニル,臭化チオニル)を用いてクロライドやブロマイドに変換する方法、あるいはハロゲン化試薬の代わりにハロゲン化アルキルトリメトキシシシランを用いたゾルゲル反応によるハロゲン化する方法、または、ハロゲン蒸気雰囲気下で物理刺激照射によりハロゲン化する方法などを挙げることができる。
上記のような処理を行うことによって、多孔性膜の孔内部にまでハロゲン基を結合させることができる。こうして得られた多孔性膜に分子量分布の小さい(分子量分布が2.0以下)カルボン酸含有重合体を形成する方法としては、既知の合成手法を利用することができるが、例としてアクリル酸、メタクリル酸などカルボン酸を含有するモノマーにATRP法を施して直接導入する方法や、ATRP法によりヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを重合させて得られた水酸基に無水コハク酸や無水トリメリット酸、トリメシン酸クロライド、無水シクロヘキシル-1,2-ジカルボン酸などを縮合させてポリカルボン酸を誘導する方法、さらには、ATRP法によりグリシジル(メタ)アクリレートを重合させて得られたエポキシ基に塩基性条件下でカルボン酸含有の求核性反応をする官能基(アミノ基など)を付加させてなるポリカルボン酸を誘導する方法、などを挙げることができる。
(2)活性末端を持つ重合体をグラフト重合する方法(第2の製造方法)
活性末端を持つ重合体をグラフト重合する方法としては、上記の多孔性膜に配したハロゲン基の代わりに、ハロゲン化有機物を開始剤に用いて、先にカルボン酸含有重合体を得た後、塩基性条件下で、多孔性膜表面に配した水酸基(上記第1の製造方法に記載したと同様に、膜に対して、電子線やプラズマなどの物理刺激を照射してから水やポリエチレングリコール、水蒸気、酸素雰囲気下に曝すことによって、表面に水酸基を形成)とハロゲン基末端を持つカルボン酸含有重合体とで共有結合を形成させるという既知の合成を用いることにより、膜の最表面や細孔表面に、カルボン酸含有重合体を配した多孔性膜を得ることができる。
開始剤に用いる有機ハロゲン化物としては、特に、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するエステル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が好ましい。とりわけ、カルボニル基のα位にハロゲンを有するエステル化合物(以下、α−ハロエステルと言う)が好ましく、ハロゲンとして臭素である開始剤が特に好ましい。
α−ハロエステルとしては例えば以下のものが例示される。
Figure 2010190891
(式中、Raは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、Rbは、炭素数1〜20の2価のアルキレン基またはカルボニル基とエステル結合を形成する炭素数1〜20のアルキレンオキシド基、炭素数6〜20の2価のアリーレン基、カルボニル基とエステル結合を形成する炭素数6〜20のアリーレンオキシド基、を表す。Rcは水素原子もしくはメチル基を表す。Lは、多孔性膜と共有結合を形成しうる連結基を表し、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、トシレート基、トリアルコキシシリル基、トリハライドシリル基、などを表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。)
(3)配位子の結合(図2(b))
(3−1)配位子
配位子は、カルボン酸含有重合体と縮合できるアミノ基、水酸基、メルカプト基を有し、連結基を介して金属と錯形成できる化合物であればよく、各種キレート剤を用いることができる。
用いられる多座配位子化合物の好適な例としては、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリスアミノエチルアミンなどの脂肪族ポリアミン類:イミノジ酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N′,N′-トリ酢酸、N-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン-N,N′,N′-トリ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヘキサヒドロキシレンジアミン四酢酸、エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、シクロヘキサン-trans-1,2-ジアミン四酢酸などの脂肪族ポリアミンのカルボキシメチル誘導体;アミノプリンなどの含アミノ基芳香族へテロ環類;1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン、1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンなどのアザクラウンエーテル類またはこれらのカルボキシメチル誘導体;1,10-フェナンスロリン、2,2’:6’,2’’-テルピリジン、2,2’-ビピリジン, 2,2’-ジイミダゾールなどの芳香族塩基類;ニトリロトリ酢酸(NTA)、N-カルボキシメチルアスパラギン酸、エチレンジシステイン、ホスホセリン、N-カルボキシメチルプロリン、ポリ−L−リジン、ポリ(2-アミノ)アジピン酸、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)グリシンなどのアミノ酸類縁体やアミノ酸のカルボキシメチル誘導体;ジメチルグリオキシム、ジフェニルグリオキシム、サリチルアルドキシムなどのオキシム類;さらにはアミノヒドロキサム酸、8-ヒドロキシキノリン、2-ピリジルメチルアミノアセテート、ジピコリルアミン、トリエチレンホスホルアミド、ホウ酸ピラゾリル類よりなる群から選択される化合物で2〜6座配位を形成できるように連結基等で配置できるよう修飾された化合粒を挙げることができる。
上記の中でも、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N′,N′-トリ酢酸またはそれらの誘導体がさらに好ましい。
(3−2)配位子の固定方法
配位子が、生理活性物質を固定化する官能基の他に、エステル化あるいはアミド化できる水酸基もしくはアミノ基を有する場合には、カルボン酸含有重合体を有する多孔性膜表面上において、縮合剤を用いてエステル化あるいはアミド化することにより、配位子を配置することができる。
縮合剤としては、既知の縮合剤を用いることができ、好適な例としてカルボジイミド類、N−ヒドロキシイミド類、下記一般式(Ia)又は(Ib)に示される含窒素化合物、ジフェニルリン酸アジド類、特開2006-58071号記載の含窒素へテロ環アンモニウム塩、特開2006-90781号記載のチオフェノール類や含水酸基へテロ縮環化合物を挙げることができる。
好ましいカルボジイミド類としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、特開2006-90781号記載のカルボジイミド類などが挙げられる。
N-ヒドロキシイミド類は単独でも使用できるが、カルボジイミド類と併用がより好ましく、併用されるN-ヒドロキシイミド類としては、N-ヒドロキシサクシンイミド、N-ヒドロキシ-3-スルホサクシンイミドなどが挙げられる。
下記一般式(Ia)又は(Ib)の式中、R1及びR2は、互いに独立して電子吸引性基を表し、R1及びR2は結合されて複素環を形成してもよく、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す
Figure 2010190891
一般式(Ia)のR1及びR2に用いられる電子吸引性基としては、たとえば、アセチル基、プロピニル基、ブチロイル基、2-エチルヘキサノイル基、フラノイル基、ベンゾイル基などのアシル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシフェニルスルホニル基などのスルホニル基、あるいはニトリル基、などを用いることができる。一般式(Ia)又は(Ib)の式中、R1及びR2は結合されて、複素環を形成してもよい。
複素環を形成した一般式(Ia)又は(Ib)で表された化合物に該当する好適な例として、特開2006-58071号や特開2006-90781号公報記載の水酸基やホスホニウム塩を有する含窒素へテロ縮環縮合剤、またはウロニウム塩を有する芳香族環縮合剤を用いてもよい。これら縮合剤は、単独で用いてもよいし、適宜併用して用いてもよい。より配位子を高密度で配置することできるという観点からは、特開2006-58071号記載のホスホニウム塩と特開2006-90781号記載のカルボジイミドとの併用が挙げられる。
縮合剤を用いた配位子の結合の際には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤を用いることによって配位子を1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で高分子膜に結合することができる。この配位子密度は好ましくは、1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下、より好ましくは1.0×1016個/mm3以上1.8×1017個/mm3以下である。ただし、密度が高くなるほど、生理活性物質は膜(配位子が構成する膜)内に進入しにくくなることがあるため、配位子は多ければ多いほどよいというわけではない。
縮合反応時に用いる有機溶剤は、アプロティックな極性溶媒を用いることができる。たとえば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N’-ジメチルエチレンウレア、N,N’-ジメチルプロピレンウレア、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、フルフリルアセテートなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。好ましくは、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N’-ジメチルプロピレンウレア、テトラヒドロフラン、より好ましくはジメチルスルホキシドを挙げることができる。
この配位子の結合の際には添加剤として塩基を用いることが好ましい。塩基を用いることにより、配位子の結合率をより高めることができる。この塩基の例としては、DBU(1,8-diazabicyclo[5,4,0]undec-7-ene)、DBN(1,5-diazabicyclo[4,3,0]non-5-ene)、イミダゾール、メチルイミダゾール、ピリミジン、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、ピコリン、2,6-ルチジンキノリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルフェニルアミン、DABCO(1,4-diazabicyclo[2.2.2]octane)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等が好ましく挙げられ、用いる有機溶媒によって適宜選択することができる。
用いる塩基の量としては結合配位子量に対して0.1モル%以上10000モル%以下が好ましく、より好ましくは100モル%以上1000モル%以下、さらには300モル%以上500モル%以下であることが好ましい。
(3−3)配位子密度
配位子密度は以下のようにして求めることができる。実際に測定を行って求める場合は、支持体上に配位子を結合した後、金属イオンを付与し、支持体上に固定された金属イオンの数をICP分析装置などで求め、この金属イオンの数と配位子が結合している部分の支持体の面積から、単位面積あたりの配位子の数を求めることができる。計算によって求める場合は、配位子の体積をCHEM3D(CambridgeSoft社製)などの計算ソフトを使用して求めることで、単位面積あたりの配位子の数を求めることができる。配位子の体積を計算ソフトで求めた場合、例えばNTAであれば0.3nm3程度と見積もられるので3.3×1018個/mm3よりも高い密度では理論上配位子を結合することは困難である。なお、配位子密度は固定化した生理活性物質を除去後、金属イオンの数を測定することによって求めることもできる。
(4)金属イオン
金属イオンは、不飽和金属錯体を形成する金属イオンであればよく、得られる金属錯体の安定性の観点からは遷移金属イオンが好ましく、具体的には、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Ga(III)のいずれかのイオンから選択することができるが、Hisタグタンパクの吸着量を最適にする目的の場合には、Cu(II)であることが好ましい。
(5)生理活性物質の固定化
(5−1)生理活性物質
生理活性物質は、例えば免疫タンパク質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫タンパク質、免疫グロブリン結合性タンパク質、糖結合性タンパク質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは配位子結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。これらの生理活性物質は、金属イオンへの配位結合により基板上に固定されるものであり、金属イオンに対して配位可能な官能基を有する、即ち、金属配位能を有するものであればよい。このような金属配位能は、強い配位力を持つ配位子を共有結合することによって容易に付与することができる。
官能基としては、含窒素複素環を有し、金属イオンと共に金属錯体を形成可能なものであればよい。含窒素複素環としては、窒素原子を含む3員環から7員環の単環及び縮合環構造のいずれであってもよく、環中の窒素原子は単数でも複数であってもよい。好ましくは、5員環から6員環のものを挙げることができる。このような含窒素複素環を有する配位子として具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,3,4-チアジアゾ−ル、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4,5-テトラジン、アゼピン、アゾニン、キノリン、アクリジン、フェナンスリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、1,8-ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾトリアゾール、キノキサリン、キナゾリン、ペリミジン、シンノリン、フタラジン、1,10-フェナンスロリン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、8-ヒドロキシキノリン、8-メルカプトキノリン、2,2’-ビピリジン、2,2’-ジピリジルアミン、ジ(2-ピコリルアミン)、2,2’,2”-ターピリジン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびそれらの誘導体が挙げられる。得られる金属錯体の安定性の観点から好ましくはピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、およびそれらの誘導体が好ましい。
とりわけ、官能基としては、アミノ酸自動合成装置を用いた導入、あるいは遺伝子操作による導入が容易であることから、イミダゾール基が好ましい。イミダゾール基を含むヒスチジン(His)を機能性部位として導入したいわゆるHis-tagは長い方が好ましく、イミダゾール基は6個〜100個程度であることがより好ましい。ヒスチジンは、His-His-His-Hisのように連続していてもよく、例えば、His-His-○−His-Hisのように、間に別なアミノ酸を含んでなる構造を有していてもよい。
(5−2)生理活性物質の固定化
生理活性物質の固定化は、生理活性物質を含む水溶液を、担体に接触させることにより、行うことができる。生理活性物質が含窒素複素環基を有する場合、生理活性物質の含窒素複素環が金属イオンに配位結合し、錯体を形成することによって固定化される。
支持体に結合した配位子に対して、金属イオンと、窒素複素環基を有する生理活性物質と、を付与すると、金属イオンに、配位子と、生理活性物質の含窒素複素環基と、水分子または水酸化イオンと、が配位し、錯体を形成する。
図3は本発明の担体に金属イオンと窒素複素環基を有する生理活性物質を付与した工程を示す概略模式図である。例えば、配位子としてNTAを使用し、6配位可能な金属イオン(図ではCu(II))を付与した場合、6配位部位中4つの配位部位を、NTAが保有する3つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの2つの配位部位は生理活性物質の含窒素複素環基と、水分子または水酸化イオンなどとが占有することにより、6配位の錯体を形成する。
配位子として、イミノジ酢酸基を持つ化合物を支持体に配置し、6配位可能な金属イオンを付与した場合は、6配位部位中3つの配位部位を、イミノジ酢酸が保有する2つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの3つの配位部位は生理活性物質の含窒素複素環基と、水分子または水酸化イオンなどとが占有することにより、6配位の錯体を形成する。
ここでは、金属イオンは、6配位可能な金属イオンを例に挙げて説明したが、配位数については7配位以上でもよく、5配位以下でもよい。また、錯体を形成するカルボキシル基は、1つの配位子から供給されずともよく、複数の配位子から供給され、錯体を形成してもよい。
(6)抽出操作器具
担体を適宜加工して、抽出操作器具に設置することにより、抽出器具として用いることができる。抽出器具の具体的用途としては、His−Tagタンパクを捕集検知するバイオセンサー、特定のHis−Tagタンパクにのみ効率的に固相反応を進行させるバイオリアクター(例えばバイオリアクター技術、1988年、(株)シーエムシー、バイオチップとバイオセンサー、2006年、共立出版(株))に適用することができる。バイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーであり、バイオリアクターとは、酵素、菌体、細胞、オルガネラなどの生体触媒による生化学的反応を利用して、有用物質の生産、エネルギーの発生、環境汚染物質の分解などに応用する反応器を意味する。
金属イオンとしてCu(II)を使用した場合は、イミダゾール基を末端に有する生理活性物質とCu(II)では保持力が高いため、洗浄液(例えばイミダゾール溶液)を多量に流してもイミダゾール基を末端に有する生理活性物質が流出せず、Ni(II)の時よりも精度の高い精製を行うことができる。従って、この態様の担体をバイオセンサーやバイオリアクターに適用した場合には、生理活性物質(披験物質)の精製に好適に利用することが可能である。
以下に本発明の担体についての実施例を示す。
(実施例1)
(担体基盤A-1cの作製)
RDI社製「ダイナミトロン5MeV―150kW」を用いて、ミリポア社の「デュラポア」に電子線(被曝線量200kGy)を照射した後に水蒸気に10分間曝した。その後、窒素雰囲気で満たしたガラス製容器の中に、上記の処理で得られた多孔性膜と、脱水テトラヒドロフラン30部、攪拌磁石子を加えて、氷水浴で10℃以下に冷却条件で、マグネティックスターラーで攪拌しながら、塩化メタンスルホニル5部を滴下した。さらにその後、その容器を窒素気流下で温度70℃に4h攪拌操作を行ってから、容器内から取り出した試験片をメタノールに浸漬させ、氷冷条件下で、ヒドロキシアンモニウム水溶液を徐々に添加して、中和操作を行った。これを超純水で洗浄して、担体基盤A-1cを得た。
(開始剤の合成)
N-〔2-Hydroxyethyl〕phthalimide(アルドリッチ製)4.7部とピリジン2部をテトラヒドロフラン30部を入れたフラスコを氷冷しながら、2-bromoisobutyrylbromide(アルドリッチ製)5.5部を徐々に滴下した。16時間攪拌して得られた反応液を、ヘキサン100部で希釈して、希塩酸とイオン交換水で洗浄した。油相を硫酸ナトリウムで乾燥して、含水固体をろ別したあとの有機相の溶媒を減圧溜去した。得られたシロップをカラムクロマトグラフィーで精製し、ハロゲン化有機物の開始剤を得た。
(重合体の合成)
上記開始剤0.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メタノール15部、塩化第一銅0.083部、臭化第二銅0.05部、ビピリジン0.3部、と共に脱気処理した後、マグネティックスターラーで1.5時間攪拌した。テトラヒドロフランを加えて重合体を溶解した後、n−ヘキサン500部に投入して再沈殿させた。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。その後、定法に従い、ヒドラジン一水和物を用いてフタルイミドの脱保護を行い、アミノ末端ヒドロキシメタクリレートを得た。
(担体基盤A-1bの作製)
続いて、ガラス製容器の中に、担体基盤A-1cとテトラヒドロフラン30部、トリエチルアミン0.12部、攪拌磁石子を加えて、室温にて、マグネティックスターラーで攪拌しながら、上記で得られたアミノ末端ヒドロキシメタクリレートのテトラヒドロフラン溶液を滴下した。24時間攪拌した後、得られた多孔性膜をエタノール、超純水、アセトンの順に洗浄して、担体基盤A-1bを得た。
(カルボン酸含有担体基盤の作製)
担体基盤A-1bを無水コハク酸11部、ジメチルアミノピリジンを0.5部、テトラヒドロフラン100部と共にガラス容器内に入れて、55℃3h攪拌した。得られた担体基盤をエタノール、超純水、アセトンの順に洗浄し、担体基盤A-1aを得た。
(担体A−1の作製)
担体基盤A-1aに、ジメチルスルホキシド(DMSO)1部、EDC[1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide塩酸塩]0.02部およびNHS[N-Hydroxysuccinimide]0.2部から成る混合液を、くまなく滴下した。30分間室温で静置したのち、余分な溶液を除去してから、DMSOで一回洗浄した。得られた試料に0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)をジメチルスルホキシド1mlに添加した液を12時間反応させた。溶液を除去、超純水で1回洗浄して、担体A−1を得た。
(実施例2)
実施例1の(担体A−1の作製)工程において、NHSのかわりに、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HO−Bt[1-hydroxybenzotriazole])を使用した以外は実施例1と同様の操作を行って担体A−2を得た。
(実施例3)
実施例1の(担体A−1の作製)工程において、EDC 0.02部とNHS 0.2部のかわりに、EDC 0.2部とNHS 0.4部を用い、ジメチルスルホキシドに代えて、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7(DBU)の6%ジメチルスルホキシド溶液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行って担体A−3を得た。
(実施例4)
実施例3の1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7の6%ジメチルスルホキシド溶液の代わりに、1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン‐5(DBN)の6%ジメチルスルホキシド溶液を用いた他は、実施例3と同様の操作を行って担体A−4を得た。
(実施例5)
実施例1の(担体A−1の作製)工程において、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)の代わりに0.4mmolのイミノジ酢酸(有機合成薬品工業製,IDA)を用いた他は同様の操作を行って担体A−5を得た。
(実施例6)
実施例1の(重合体の合成)工程において、ヒドロキシエチルメタクリレート15部の代わりに、グリシジルメタクリレート15部、ジビニルベンゼン0.5部を用いて重合体を合成し、実施例1の(カルボン酸含有担体基盤の作製)の工程において、無水コハク酸11部の代わりにγ―アミノ酪酸11部を用いてカルボン酸含有担体基盤を作製した他は、実施例1と同様の操作を行って担体A−6を得た。
(比較例1)
実施例1の(担体A−1の作製)工程において、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)をジメチルスルホキシド1mlに添加した液の代わりに、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)を超純水1mlに添加した水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って担体B−1を得た。
(比較例2)
実施例3のAB-NTAを溶解させる溶媒として、ジメチルスルホキシドの代わりに超純水を用いた他は、実施例3と同様の操作を行って担体B−2を得た。
(比較例3)
実施例1の(重合体の合成)工程において、ハロゲン化有機物開始剤0.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メタノール15部、塩化第一銅0.083部、臭化第二銅0.05部、ビピリジン0.3部の代わりに、グリシジルメタクリレート15部、ジビニルベンゼン0.5部、重合開始剤V-50 0.45部、イオン交換水300部を用いて、70 ℃で15時間重合を行った。キャッピング剤として、2−メルカプトエチルアミン0.02部を加えて、アミノ末端のポリグリシジルメタクリレートを得たこと、実施例1の(担体A−1の作製)において、ジメチルスルホキシドの代わりに超純水を用いたことの他には、実施例1と同様にして担体B−3を得た。
(配位子密度の測定)
実施例1〜5、比較例1および2の担体の作製において、AB-NTAを結合した後に、0.1mol/lのCuCl2水溶液を添加し、10分後に溶液を除去し、超純水で2回洗浄した。50mMのEDTA水溶液5mlで2度抽出を行った。この抽出液を合わせてICP分析装置で測定してCuの数を検出し、このCuの数とウエル底面積(38mm2)から配位子数を換算し、配位子密度を求めた。
(p38 MAP Kinase αの固定)
実施例1〜5、比較例1および2の担体作製後、それぞれの担体に、1mmol/lのCuCl2水溶液を多孔性膜に結合しているAB-NTAの数に対して充分過剰な量を添加し、3分後に溶液を除去して、超純水で2回洗浄した。次に2.5ug/mlのHis6-p38 MAP Kinase α(CALBIOCHEM社製)を充分過剰な量添加し、15分後に溶液を除去し、200μMのイミダゾール水溶液で洗浄した。
(p38 MAP Kinase αの比活性)
実施例1〜5、比較例1および2の担体作製後、それぞれの担体に1mM MgCl2 1μl、1mM ATP 0.6μl、0.27M Myelin Basic Protein 35μl、TBSバッファー13μlを加え、室温で1時間反応させた。その後、溶液を回収して、Kinase-Glo(promega社)を50μl添加し、室温で10分静置し、発光量をLAS-3000(富士フイルム株式会社製)により測定し、比較例2の発光量を1とした相対値により比活性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2010190891
表1から明らかなように、配位子を固定化する反応工程においてアプロティックな極性溶媒を用いた実施例1〜6では、配位子密度が有意に高く、またp38 MAP Kinase α比活性から明らかなようにHis-tagによりp38 MAP Kinase αが安定に結合していた。一方、配位子を固定化する反応工程においてH2Oを用いた比較例1〜3では配位子密度が低く、p38 MAP Kinase αを安定に結合させることはできず、配位子を固定化する反応工程においてアプロティックな極性溶媒を用いることが配位子密度の向上、ひいては生理活性物質の安定結合に寄与することが看取される。
なお、実施例3は、配位子AB-NTAを溶解させるときの添加剤としてDBUを、実施例4では同じくDBNを用いたものであるが、いずれの場合にも、配位子密度、p38 MAP Kinase α比活性ともに実施例1よりも高くなっており、配位子の結合率を高めるためには添加剤として塩基を用いることが有効であることがわかる。
本発明は、生理活性物質を固定する担体として利用することができ、より詳細には、生理活性物質を精製するための担体として、また生理活性物質を固定した後、この生理活性物質と特異的に反応する披験物質の精製等に利用することができる。

Claims (11)

  1. 支持体に結合された配位子を有する担体であって、前記支持体が平均孔径30nm以上1mm以下の多孔性膜であり、かつ前記配位子の密度が1.0×1016個/mm3以上であることを特徴とする担体。
  2. 前記多孔性膜の表面にカルボン酸含有重合体を有し、前記配位子が前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸と結合していることを特徴とする請求項1記載の担体。
  3. 前記重合体の数平均分子量が1×104から1×106であって、分子量分布が2.0以下であることを特徴とする請求項1または2記載の担体。
  4. 前記配位子がニトリロトリ酢酸誘導体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の担体。
  5. 前記配位子に金属イオンが固定され、該金属イオンに生理活性物質が固定されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の担体。
  6. 前記生理活性物質が前記金属イオンに配位結合する官能基を複数有し、該官能基がイミダゾール基であることを特徴とする請求項5記載の担体。
  7. 請求項1〜6記載の担体を備えてなることを特徴とする抽出操作器具。
  8. 多孔性膜と、該多孔性膜の表面に配置されたカルボン酸含有重合体と、該カルボン酸含有重合体に結合した配位子とを有する担体の製造方法であって、前記多孔性膜表面に重合反応開始点となるハロゲン基を配した後に、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合を行うことによりカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせることを特徴とする担体の製造方法。
  9. 多孔性膜と、該多孔性膜の表面に配置されたカルボン酸含有重合体と、該カルボン酸含有重合体に結合した配位子とを有する担体の製造方法であって、前記カルボン酸含有重合体を、ハロゲン化有機物を開始剤として、金属錯体を触媒とする制御ラジカル重合により製造した後に、該製造したカルボン酸含有重合体を前記多孔性膜にグラフトさせることを特徴とする担体の製造方法。
  10. 前記配位子と前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸との結合を、縮合剤を用いた縮合反応により行うことを特徴とする請求項8または9記載の担体の製造方法。
  11. 前記配位子と前記カルボン酸含有重合体のカルボン酸との結合の際に、アプロティックな極性溶媒を用いることを特徴とする請求項10記載の担体の製造方法。
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