JP2010180157A - 浴用剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】浴水に溶解後時間が経っても香料本来の香気の質が維持される浴用剤組成物の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(D):
(A)炭酸ガス発生物
(B)分子量100以下のアミノ酸
(C)色素、及び、
(D)炭素数10のテルペン系炭化水素、炭素数5〜20のアルコールのギ酸エステル、酢酸エステルもしくはプロピオン酸エステル、及び炭素数10〜15のケトンから選ばれる1種又は2種以上を含有する香料成分
を含有し、成分(B)と(C)の含有比(質量比)が(B):(C)=0.1:1〜100:1である浴用剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸ガス発生物含有浴用剤組成物に関する。
浴用剤組成物は一般に芒硝、硼砂、イオウ、食塩、炭酸塩等の無機塩類混合物に香料、着色料、植物エキス、有機酸等を配合したもので、浴水に香り、色調を与えたり、皮膚表面に適度な刺激を与えたりすることによって血液の循環を活発にし、疲労回復、新陳代謝を増進させるものである。これらの浴用剤組成物の中に、炭酸塩と有機酸を組み合わせた発泡性入浴剤があり、浴水中に炭酸ガスの気泡を発生させて血行促進作用やリラックス感や爽快感を高め、入浴を楽しくする効果を有する。香料はこのような入浴効果をさらに高める働きがある。
これまで、香りの強さを持続せしめた入浴剤等は知られているものの(特許文献1)、香りの質の点についての研究は少ない。
一方、発泡性入浴剤に、アミノ酸(アルギニン、セリン)と天然色素(リボフラボン)と香料を配合した入浴剤(特許文献2)や、発泡性入浴剤にアミノ酸(グリシン、アルギニン)を配合した入浴剤(特許文献3)が知られているが、いずれも保湿効果を高めたものであって、香り、とりわけ香りの質に関する技術については言及されていない。
特公平8−16050号公報 特開2001−226253号公報 特開平11−292751号公報
本発明の課題は、浴水に溶解後時間が経っても香料本来の香気の質が維持される浴用剤組成物を提供するものである。
本発明者らは、炭酸ガス発生物含有浴用剤組成物に分子量100以下のアミノ酸と色素とを特定の割合で含有させると、浴用剤組成物を浴水に溶解後時間が経っても特定の香料について香料本来の香気が維持されることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)炭酸ガス発生物
(B)分子量100以下のアミノ酸
(C)色素、及び、
(D)炭素数10のテルペン系炭化水素、炭素数5〜20のアルコールのギ酸エステル、酢酸エステルもしくはプロピオン酸エステル、及び炭素数10〜15のケトンから選ばれる1種又は2種以上を含有する香料成分
を含有し、成分(B)と(C)の含有比(質量比)が(B):(C)=0.1:1〜100:1である浴用剤組成物を提供するものである。
本発明の浴用剤組成物は、浴水に溶解後時間が経っても香料本来の香気が維持されるので、長時間快適な入浴効果を得ることができる。
本発明浴用剤組成物において(A)炭酸ガス発生物は、浴用剤組成物を浴水に投入したとき炭酸ガスを発生させるものであり、炭酸塩と酸とを組み合わせたものが好ましい。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酸としては、有機酸及び無機酸の何れでも良く、例えばコハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸等の有機酸;ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等の無機酸が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、香りの質の持続性の点から、有機酸が好ましく、特に、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸が好ましく、さらにフマル酸が好ましい。
本発明において、炭酸塩と酸の含有比(質量比)は、発泡による香料の浴水への分散性と、分子量100以下のアミノ酸の浴水への溶解性とのバランスの点から、1:0.5〜1:5であることが好ましく、1:0.7〜1:3がより好ましく、さらに1:0.8〜1:2が好ましく、特に1:0.9〜1:1.6が好ましい。なお、炭酸塩と酸の種類と含有比を選択して浴水のpHが5〜7(0.02質量%水溶液中)となるようにすれば浴水中に炭酸ガスを安定に溶解した状態で存在せしめることが可能なため、血行促進効果等にも優れた浴用剤組成物を得ることができる。
本発明の浴用剤組成物中、成分(A)の含有量は、香料を浴水中に均一に分散させ、かつ分子量100以下のアミノ酸や色素の浴水への溶解速度を高め浴水中に含まれる香調の変化に関与する成分へ速やかに作用させる点から、5質量%以上であることが好ましく、特に40〜99質量%、更に70〜99質量%、殊更75〜95質量%であることが好ましい。
本発明浴用剤組成物において(B)分子量100以下のアミノ酸は、例えばグリシン、アラニン等が挙げられる。中でも、水道水中に含まれる香調の変化に関与する成分へ速やかに且つ効率的に作用し、香りの質の持続性を高めることができる点、及び浴水への溶解性の点から、より分子量80以下のアミノ酸が好ましい。
本発明の浴用剤組成物中、成分(B)の含有量は、溶解性、香りの質の持続性の点から、0.0001質量%以上であることが好ましく、特に0.001〜10質量%、更に0.01〜1質量%、殊更0.05〜0.5質量%であることが好ましい。
また、成分(A)と(B)の含有比(質量比)は分子量100以下のアミノ酸の浴水への溶解性の点から、(A):(B)=1:0.00001〜1:0.4であることが好ましく、1:0.00001〜1:0.02がより好ましく、1:0.0005〜1:0.007が特に好ましい。
本発明浴用剤組成物において(C)色素は、厚生労働省令タール色素別表I及びIIで定めるタール色素や食品添加物として認められている天然色素等が挙げられる。具体的には、タール色素としては、青色1号、赤色106号、赤色2号、黄色4号、黄色202(1)号、緑色3号等が挙げられ、天然色素としては、クロロフィル、リボフラビン、アンナット等が挙げられる。色素としては、浴水への溶解性の点等から、タール色素が好ましく、中でも青色1号、赤色106号、黄色4号が好ましい。特に、黄色4号が好ましい。これらの色素は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の浴用剤組成物中、成分(C)の含有量は、色調、香りの質の持続性の点から0.00001質量%以上であることが好ましく、特に0.0001〜5質量%、更に0.001〜1質量%、殊更0.005〜0.1質量%であることが湯の色調が濃くなりすぎず、香りの質の持続性のため好ましい。
また、成分(B)と(C)の含有比(質量比)は、香りの質の持続性の点から、(B):(C)=0.1:1〜100:1であるが、0.5:1〜50:1がより好ましく、0.5:1〜10:1が特に好ましく、1:1〜5:1が更に好ましい。
本発明浴用剤組成物において(D)香料成分の炭素数10のテルペン系炭化水素としては、α−ピネン、β−ピネン、カンフエン、リモネン、テルピノーレン、ミルセン、p−サイメン等が挙げられる。
また、炭素数5〜20のアルコールのギ酸エステル、酢酸エステルもしくはプロピオン酸エステルとしては、ギ酸ゲラニル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル等;酢酸イソアミル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、酢酸フェニルエチル、酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸テルピニル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸ミルセニル等;プロピオン酸リナリル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸シンナミル等が挙げられる。
また、炭素数10〜15のケトンとしては、ダマセノン、ダイナスコン、ダマスコン、ヨノン、メチルヨノン等が挙げられる。
これらの香料成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、他の香料と調合して含有させることもできる。
本発明の浴用剤組成物中、成分(D)の含有量は、入浴効果を高める点から、0.001〜5質量%であることが好ましく、特に0.005〜3質量%、更に0.01〜2質量%、殊更0.1〜1質量%であることが好ましい。
更に、この組成物中には上記以外の成分、例えば、無機塩類、生薬類、油脂類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、界面活性剤、保湿剤、冷感剤、水溶性高分子等を任意成分として含有させてもよい。
本発明の浴用剤組成物は、成分(A)〜(D)、必要により前記任意成分を含有させ、常法によって混合することにより調製される。またその形態としては、粉末、顆粒、ブリケット錠、錠剤等の固形とすることが好ましく、特に固形状、例えばブリケット錠、又は錠剤とするのが好ましい。中でも、本発明に適した炭酸ガス濃度、pH等を達成することができるためだけでなく、香料の分散性や香りの質の持続性、分子量100以下のアミノ酸の浴水への溶解性の点から1回分の使用量は2〜100g、好ましくは20〜90g、特に好ましくは30〜80gの錠剤が好ましい。尚、これらの剤型に各々通常使用されている賦形剤、滑沢剤等を添加することができる。
試験1 溶解性の確認
[確認方法]
40℃、150Lのさら湯、又は炭酸水素ナトリウムとフマル酸を1/0.1,1/0.5,1/1に混合した粉体を35g溶解した浴水に、グリシンを0.15gまたは2g添加し静置したときのグリシンの溶解時間を計測した。
[結果]
結果を表1に示す。炭酸塩と有機酸の含有比を1:0.5以上とすることによりグリシンの溶解時間が短縮した。このことから、炭酸塩と有機酸の含有比を1:0.5以上とすることにより、グリシンの浴水への溶解速度が速まり、浴水(水道水)中に含まれる成分に速やかに作用するとともに、溶け残りのない溶解性が良好な入浴剤となることが明らかとなった。
Figure 2010180157
実施例1 香りの質の持続性の評価
表2に示した組成を常法により混合し圧縮成形することにより、45g/錠の錠剤型入浴剤を製造した。
Figure 2010180157
[評価方法]
40℃/250Lの浴水に、入浴剤1錠を溶解し、1時間後の香料本来の香り(シトラス-フローラル調の香り)と、経時変化により発生した香調の変化を専門パネラー(2名)により以下の評価基準で官能評価した。
なお、本実験に用いた浴水には、全蒸発残留物170mg/L、カルシウム硬度51mg/L、マグネシウム硬度18mg/L、硫酸イオン37mg/L、重炭酸イオン27mg/L、ナトリウム25mg/L、硝酸イオン11mg/L、シリカ21mg/L、遊離塩素2mg/Lが含まれており、電気伝導率は27mS/m、pHは7.2であった。
<評価基準>
++:強く感じる
+:感じる
±:わずかに感じる
−:感じない
[結果]
結果を表3に示す。表3から明らかなように、入浴剤を溶解した1時間後には、本発明の入浴剤では、経時変化により発生した香調の変化は感じられず、香料本来の香りが十分に感じられ、香料本来の香気の質が維持されることが判明した。
このことから、本発明の浴用剤組成物は、浴水の量が多く香料の浴水中濃度が薄くなり、香りの質が水質の影響を受けやすくなるような厳しい入浴条件においても、香料本来の香気の質が長く持続することが明らかとなった。
Figure 2010180157

Claims (4)

  1. 次の成分(A)〜(D):
    (A)炭酸ガス発生物
    (B)分子量100以下のアミノ酸
    (C)色素、及び、
    (D)炭素数10のテルペン系炭化水素、炭素数5〜20のアルコールのギ酸エステル、酢酸エステルもしくはプロピオン酸エステル、及び炭素数10〜15のケトンから選ばれる1種又は2種以上を含有する香料成分
    を含有し、成分(B)と(C)の含有比(質量比)が(B):(C)=0.1:1〜100:1である浴用剤組成物。
  2. 成分(C)の色素がタール色素である請求項1記載の浴用剤組成物。
  3. 成分(B)が分子量80以下のアミノ酸である請求項1又は2記載の浴用剤組成物。
  4. 成分(A)の炭酸ガス発生物が炭酸塩と酸を含有し、炭酸塩と酸の含有比(質量比)が1:0.5〜1:5である請求項1〜3の何れか一項に記載の浴用剤組成物。
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