JP2010176288A - 業務プロセス類似度評価装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】業務プロセス類似度評価装置およびその方法を提供する。
【解決手段】第1の業務プロセスにおける指定タスクIに最も類似するタスクI’を、第2の業務プロセスから特定し、ノードIの後方/前方隣接ノードI+1/I−1について前記ノードI’の後方/前方K(KはN以下の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを検出し、次いで前記ノードI+1/I−1の後方/前方隣接ノードI+2/I−2について前記検出した類似ノードの後方K以下の範囲のノードのうち最も類似するノードを検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの後方/前方リンク距離の範囲に含まれる各ノードに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、ノードIおよび前記検出した各ノードに対する類似度を合計する。
【選択図】図1

Description

本発明は、業務プロセス間の類似度を評価する業務プロセス類似度評価装置およびその方法に関する。
病院あるいは一般の企業や工場などでの業務は、その業務の目的を完了するための一連の仕事あるいは手順の連鎖からなり、一つのプロセスと考えられる。例えば病院の入院病棟での注射業務は、医師が指示を出し処方箋を発行し、看護師が指示を受け、薬剤師が処方箋を受け取り、薬剤を調剤および監査し、病棟に運び、看護師が病棟に運ばれた薬剤を混注するなどの準備し、患者のベッドサイドに混注済みの薬剤を運んで、注射を実施する、といったプロセスである。
業務に含まれる仕事あるいは手順をここではタスクとよび、このようにタスクの連鎖からなる業務のことを業務プロセスと呼ぶ。業務プロセスは、複数のタスク(長方形)および分岐条件(ダイヤ図形)からなるフローチャートとして表現されることができる。これをここでは業務プロセスマップと呼ぶ。
業務プロセスマップは、タスクもしくは分岐条件をノードとする有向グラフと考えることができる。タスクには、“指示受け”、“調剤”、“監査”などといったタスク名により表される内容がある。このため、業務プロセスを有向グラフと考える場合、グラフ内の各ノードはそれぞれ内容が異なるため、ノードをラベルにより識別する必要がある。従って業務プロセスはラベル付き有向グラフと考える必要がある。また同じ目的の業務プロセス内の同じ内容のタスクであっても病院が異なれば“看護師が指示を受ける”、“薬剤を調剤する”などというようにタスク名は一般に異なる。
ところで、複数の病院間で、お互いに注射業務プロセスを比較したり、他病院の業務で自病院の業務に似たものを参照したい場合など、同じ目的(注射や与薬など)の複数の業務プロセスの間の類似度を評価したい場合がある。また、事業所が異なれば、同目的の業務プロセスであっても全体が類似することはほとんどないので、とくに注目するタスクの周辺について、他の事業所の業務プロセスが類似しているかどうかを評価したい。このような背景のもと業務プロセスの類似度を比較する従来の技術としては以下の(1)〜(4)ものがある。
(1)部分グラフ同型判定
上記のとおり、業務プロセスは有向グラフと考えることができるので、2つの業務プロセスの類似度の評価の極端な形として、2つの業務プロセスが完全に一致しているかどうかを判定するということが考えられる。あるいは一方の業務プロセスの一部が、他方の業務プロセスの一部に完全に一致するかどうかを判定するということも考えられる。
この場合2つのグラフが一致するかどうかを判定する技術を用いればよい。このような技術としては非特許文献1のUllmannによるアルゴリズムがある。このアルゴリズムではグラフのノードにはラベルがあることは想定されていない。つまりノード間の区別はせず、ノードとリンクの関係が一致するかどうかを判定する。
一方、化学物質の構造をグラフとして考え、一致判定を行う方法がある。この方法ではたとえば化学物質の構造の場合、C(炭素)、H(水素)、O(酸素)といった有限個の元素記号をラベルとするグラフで表現でき、DNAの場合はA、T、C、Gのように4つの塩基の記号をラベルとするグラフとして表現できるため、これらの各グラフのラベル集合は有限集合である。このようなグラフの一致判定を行うための表記法としてCANOST法あるいはCAST法がある。
(2)SimRank
SimRankは、一つの有向グラフの中の二つのノードについて、それぞれのノードを終点とする経路上のノードが互いに類似しているかを評価するものである(非特許文献2参照)。SimRankでは、それぞれのノードを終点とする経路上に共通のノードが無ければ二つのノードには類似性は無いことになる。
(3)特開2006-285313号公報(特許文献1)
ユーザが作成した業務プロセス図と近似する業務プロセスモデルを検索する。その際、検索キー(業務の名称など)使って検索するほか、業務プロセスモデルの形状、類似度を使うとあるが、実施方法については記述がない。
(4)特開2006-260333号公報(特許文献2)
ユーザが画面上で、プロセスマップの部品を使って、フローを作ると、これに似たフローを検索する。分岐図形で分割される一連のタスクをルートとよび、各ルートのタスクの並び方が似ているフローを検索する。ルートは合流しないことが前提、また全ルートが一つのタスクを始点とする。つまり業務プロセスは根付きの有向木でなければならず、ユーザが作成した業務プロセスの根を起点として末端に至る全体の類似度を計算する。
特開2006-285313号公報 特開2006-260333号公報
J.R.Ullmann, "An Algorithm for Subgraph Isomorphism Detection", Journal of Association for Computing Machinery, vol.23, pp.31-42,1976 G.Jef, J. Widom, "SimRank: A measure of Structural-Context Similarity", Proceedings of the ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining, July 2002.
(1)部分グラフ同型判定の問題点
Ullmannの方法ではノードにラベルがあることを想定していないが、業務プロセス
の場合はタスクを区別しない類似度には意味がない。一方、化学物質の構造をグラフ
として考え、化学物質の構造の一致判定を行う方法の場合は、ラベル集合が有限であ
るが、業務プロセスのノードのラベルは、“指示出し”や“指示受け”といったテキ
ストであり、ラベル集合としては無限集合となるため、化学構造の一致判定の手法は
適用できない。また異なる事業所間で、同目的の業務プロセスが完全に一致すること
はほとんどないので、2つの業務プロセスが一致するかどうかを判定するのではなく
、類似しているかどうかを評価する必要がある。また、2つの業務プロセスの一部が
一致しているかどうかを判定することで、類似度の評価とすることも考えられるが、
この場合も、部分であってもラベルが異なれば一致していないことになり、その部分
が類似しているかどうかも評価できない。
(2)SimRankの問題点
二つのグラフの類似度を評価することを想定していない。二つの業務プロセスのグ
ラフを合わせて非連結の一つのグラフとみなすこともできるが、この場合、二つの業
務プロセスから一つずつ計二つのノードをとっても、それぞれのノードを終点とする
経路上に共通のノードはあり得ないので(異なる病院の業務プロセスの中に、両病院
で共有するノードはない)、SimRankによる評価では類似性は無いことになる。
(3)特開2006-285313の問題点
業務プロセスの構造をどのように考慮するのか全く記載がない。
(4)特開2006-260333の問題点
業務プロセスを根付きの有向木に限定する方法であるため、業務プロセスの中の任
意のタスクについて、そのタスクの前方と後方の両方を含む周辺が類似しているかど
うかを評価できない。また起点から末端に至る業務プロセス全体が類似しているかど
うかを評価するが、業務プロセスの注目するタスクの周辺が類似しているかどうかは
評価できない。
本発明は、第1および第2の業務プロセス間の類似度を第1の業務プロセスにおける指定タスクの周辺に着目して評価することを可能とした業務プロセス類似度評価装置およびその方法を提供する。
本発明の一態様としての業務プロセス類似度評価装置は、
それぞれ複数のタスクのフローからなる複数の業務プロセス毎に前記業務プロセスの実施事業の事業所識別情報と前記業務プロセスのプロセス識別情報とを記憶する第1の記憶手段と、
各前記業務プロセスにおける前記複数のタスクのフローを、タスクを表すノードとタスクの実施順序を表すリンクに表現した複数のプロセスマップを記憶する第2の記憶手段と、
各前記業務プロセスのそれぞれで実施される前記複数のタスクの属性を記述したタスク情報を記憶する第3の記憶手段と、
前記複数の業務プロセスのうちの1つである第1の業務プロセス、前記第1の業務プロセスにおいて実施される複数のタスクのうちの1つである第1のタスクを指定する指定手段と、
前記第1の業務プロセスと異なる事業所により実施される業務プロセスのうち前記第1業務プロセスと同目的の第2の業務プロセスを、前記第1の業務プロセスのプロセス識別情報との比較に基づいて、または前記事業所間で同一目的の業務プロセスを対応付けて保持したテーブルに基づいて、検索する検索手段と、
前記第1のタスクの周辺フローについて前記第1および第2の業務プロセス間のプロセス類似度を計算するプロセス類似度計算手段と、
前記プロセス類似度に応じて、前記第2の業務プロセスの事業所識別情報およびプロセス識別情報を表示する第1の表示手段と、を備え、
前記プロセス類似度計算手段は、
前記第1のタスクの周辺フローの範囲を規定する後方リンク距離Nおよび前方リンク距離M(NおよびMの少なくとも一方は1以上の整数、他方は0以上の整数)を保持する保持手段と、
任意の2つのノード同士の類似度を、一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算するノード類似度計算手段と、
前記第1および第2の業務プロセスに対応する第1および第2のプロセスマップを読み出す読み出し手段と、
前記第1のプロセスマップにおいて前記第1のタスクに対応するノードIを特定し、前記第2のプロセスマップにおいて前記ノードIに最も類似するノードI’を特定する、ノード特定手段と、
前記後方リンク距離Nが1以上のとき、前記ノードIの後方隣接ノードI+1について前記ノードI’の後方K1(K1は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI+1の後方隣接ノードI+2について前記検出した類似ノードの後方K1以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの後方リンク距離Nの範囲に含まれるノードI+1〜ノードI+Nのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する、後方類似ノード検出手段と、
前記前方リンク距離Mが1以上のとき、前記ノードIの前方隣接ノードI−1について前記ノードI’の前方K2(K2は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI−1の前方隣接ノードI−2について前記検出した類似ノードの前方K2以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの前方において前方リンク距離Mの範囲に含まれるノードI−1〜ノードI−Mのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する、前方類似ノード検出手段と、
前記ノードI、前記ノードI+1〜I+N、前記ノードI−1〜I−Mのそれぞれの類似ノードに対する類似度を合計することにより、前記第1および第2の業務プロセス間の前記プロセス類似度を計算する類似度合計手段と、
ことを特徴とする。
本発明の一態様としての業務プロセス類似度計算方法は、
それぞれ複数のタスクのフローからなる複数の業務プロセス毎に前記業務プロセスの実施事業の事業所識別情報と前記業務プロセスのプロセス識別情報とを記憶する第1の記憶手段と、
各前記業務プロセスにおける前記複数のタスクのフローを、タスクを表すノードとタスクの実施順序を表すリンクに表現した複数のプロセスマップを記憶する第2の記憶手段と、
各前記業務プロセスのそれぞれで実施される前記複数のタスクの属性を記述したタスク情報を記憶する第3の記憶手段と、にアクセスするステップと、
前記複数の業務プロセスのうちの1つである第1の業務プロセス、前記第1の業務プロセスにおいて実施される複数のタスクのうちの1つである第1のタスクを指定する指定ステップと、
前記第1の業務プロセスと異なる事業所により実施される業務プロセスのうち前記第1の業務プロセスと同目的の第2の業務プロセスを、前記第1業務プロセスのプロセス識別情報との比較に基づいて、または前記事業所間で同一目的の業務プロセスを対応付けて保持したテーブルに基づいて、検索する検索ステップと、
前記第1のタスクの周辺フローについて前記第1および第2の業務プロセス間のプロセス類似度を計算するプロセス類似度計算ステップと、
前記プロセス類似度に応じて、前記第2の業務プロセスの事業所識別情報およびプロセス識別情報を表示する第1の表示ステップと、を備え、
前記プロセス類似度計算ステップは、
前記第1のタスクの周辺フローの範囲を規定する後方リンク距離Nおよび前方リンク距離M(NおよびMの少なくとも一方は1以上の整数、他方は0以上の整数)を保持する保持ステップと、
任意の2つのノード同士の類似度を一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算するノード類似度計算ステップと、
前記第1および第2の業務プロセスに対応する第1および第2のプロセスマップを読み出す読み出しステップと、
前記第1のプロセスマップにおいて前記第1のタスクに対応するノードIを特定し、前記第2のプロセスマップにおいて前記ノードIに最も類似する類似ノードI’を特定するノード特定ステップと、
前記後方リンク距離Nが1以上のとき、前記ノードIの後方隣接ノードI+1について前記ノードI’の後方K1(KはN以下の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI+1の後方隣接ノードI+2について前記検出した類似ノードの後方K1以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの後方リンク距離Nの範囲に含まれるノードI+1〜ノードI+Nのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する後方類似ノード検出ステップと、
前記前方リンク距離Mが1以上のとき、前記ノードIの前方隣接ノードI−1について前記ノードI’の前方K2(K2は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI−1の前方隣接ノードI−2について前記検出した類似ノードの前方K2以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの前方において前方リンク距離Mの範囲に含まれるノードI−1〜ノードI−Mのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する前方類似ノード検出ステップと、
前記ノードI、前記ノードI+1〜I+N、前記ノードI−1〜I−Mのそれぞれの類似ノードに対する類似度を合計することにより、前記第1および第2の業務プロセス間の前記プロセス類似度を計算する類似度合計ステップと、
を有することを特徴とする。
本発明により、第1および第2の業務プロセス間の類似度を第1の業務プロセスにおける指定タスクの周辺に着目して評価することが可能になる。
図1は、本発明の一実施の形態としての業務プロセス処理装置の構成を示すブロック図である。 業務プロセスマップをフローチャート形式で示す図。 ノード情報の一例を示す図。 リンク情報の一例を示す図。 本実施の形態に係わる業務プロセスマップの一例を示す図。 隣接行列の一例を示す図。 距離行列の一例を示す図。 タスク情報の一例を示す図。 業務プロセスおよびタスク指定手段および類似業務プロセス検索結果表示手段の説明図。 事故情報の一例を示す図。 改善案情報の一例を示す図。 改善案の評価に用いる分割表の例を示す図。 図1の装置の動作の流れを示すフローチャート。 業務プロセス類似度計算手段の詳細構成を示すブロック図。 業務プロセス類似度計算手段の処理の説明図。 業務プロセス類似度計算手段の処理の説明図。 業務プロセス類似度計算手段の処理の説明図。 第2の実施形態の説明図。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施の形態としての業務プロセス類似度評価装置の構成を示すブロック図である。
この業務プロセス類似度評価装置は、業務プロセス情報保持手段(第1の記憶手段、第2の記憶手段、第3の記憶手段、第4の記憶手段)11、業務プロセスおよびタスク指定手段(指定手段)12、業務プロセス類似度計算手段(プロセス類似度計算手段)13、類似業務プロセス検索結果表示手段(第1の表示手段)14、同目的業務プロセス検索手段(検索手段)15、改善案情報保持手段(第6の記憶手段)21、事故情報保持手段(第5の記憶手段)22、改善案有効性評価手段23、改善案検索結果表示手段(第2の表示手段)24を備える。
各手段はソフトウェア(プログラム)により実現されてもよいし、ハードウェアにより実現されてもよいし、これらの両方によって実現されてもよい。またソフトウェアにより実現される場合、これらのソフトウェアがCD−ROM、メモリカード、ハードディスク等の記憶媒体に格納され、CPUおよびメモリを備えるコンピュータによってこれらのソフトウェアが記憶媒体から読み出され実行されることにより各手段の機能が実現されてもよい。以下、各手段の詳細について説明する。
業務プロセス情報保持手段11は、複数の事業所(病院など)の複数の業務についての業務プロセスに関する情報として、
(1)業務プロセス基本情報と、
(2)業務プロセスマップ情報と、
(3)タスク情報と、
(4)事業所情報と、を記憶する。
(1)の業務プロセス基本情報は、以下のデータの組からなる、各業務プロセスについての基本的な情報である。
・ その業務プロセスの業務プロセスID
・ その業務プロセスが実施されている事業所の事業所ID
・ 業務プロセス名
ここで業務プロセスIDおよび業務プロセス名は本発明のプロセス識別情報の一例である。本発明のプロセス識別情報は、業務プロセスを識別可能な情報であればどのようなものでもよく、これらに限定されるものではない。また事業所IDは事業所識別情報の一例であり、本発明の事業所識別情報は、事業所を識別可能な情報であればどのようなものでもよくこれに限定されるものではない。
(2)の業務プロセスマップ情報は、業務に含まれる仕事あるいは手順であるタスクの連鎖(フロー)からなる業務プロセスを表現した情報である。業務プロセスマップ情報は、図2のように複数のタスク(長方形)および分岐条件(ダイヤ図形)からなるフローチャートによって表現すことができる。また図2の業務プロセスマップは、タスクもしくは分岐条件をノードとする有向グラフであるため、図3のノード情報と図4のリンク情報との組によって表現することができる。業務プロセス情報保持手段11は、業務プロセスマップ情報として、図3および図4のようなノード情報およびリンク情報を保持している。
なお図3のノード情報はノードIDフィールドと、「タスクと分岐の識別」フィールドとを含む。「タスクと分岐の識別」が0の場合、対応するIDのノードはタスクであり、1の場合、そのノードは分岐であることを意味する。ノードID(図2におけるタスクブロックまたは分岐ブロックの中の数字)は、たとえばタスク名または分岐条件といったノードのラベルを抽象的に表現したもので、一般には“指示出し”や“指示受け”といったテキストであり、ラベル集合としては無限集合となる。すなわち、業務プロセスの場合、タスク名または分岐条件はどのような文字列もあり得るため、ラベル集合は無限集合となる。これに対し、化学構造の場合は、C(炭素)、H(水素)、O(酸素)といった有限個の元素記号をラベルとするグラフで化学構造を表現でき、DNAの場合はA、T、C、Gのように有限個の4つの塩基の記号をラベルとするグラフでDNAを表現できるため、これらのグラフのラベル集合は有限集合である。
以降の説明では、図5の業務プロセスマップのようにタスクと分岐をともにグラフのノード(長方形)として表し、閉路および分岐(YES、NOなどの場合分け)を含まないようにする。このような業務プロセスマップはあらかじめ業務プロセス情報保持手段11に保持しておいてもよいし、本実施の形態の処理を行う際に、図3および図4の情報から生成してもよい。なお図5の業務プロセスマップは図2(または図3および図4の組)の業務プロセスマップとは異なるものである。
閉路を含まない業務プロセスマップの生成について説明すると以下の通りである。一般の業務プロセスマップでは分岐を始端として、それより前方のタスクにつながるリンク(図2の分岐ノード7からタスクノード5へのリンクなど)がありうるが、このようなリンクを削除し業務プロセスマップから閉路を取り除くことで、簡単に閉路を含まない業務プロセスマップを生成できる。あるいは分岐と、この分岐を始端もしくは終端とするリンクを削除し、分岐を介して繋がっていた2つのタスクの間にリンクを新たに張り、さらにあるタスクを始端として前方のタスクに繋がるリンクを削除することで、閉路および分岐を含まないグラフを生成することもできる。
このように閉路あるいは分岐を取り除くことで、後述の類似度の計算においては、計算が簡単になる。ただし、閉路があっても計算はできるので、閉路を取り除かなくても、本発明は適用可能である。
図5の業務プロセスマップから、図6のように、タスクの隣接関係を示す隣接行列Aを生成できる。この隣接行列はあらかじめ業務プロセスマップから生成して業務プロセス情報保持手段11に保持しておいてもよいし、本実施形態の処理時に業務プロセスマップから生成するようにしてもよい。
隣接行列Aにおける行および列は、全ノードに1から始まる連番を振ったときのノード番号を示す。ここでは簡単のため、ノード番号はノードのラベル(長方形の中の数字)に対応するとする。実際のプログラム内では、ノード番号は、ノードを格納する配列のインデックスなどに対応する。図5のグラフ内に、ノードiを始端としノードjを終端とするリンクがあれば隣接行列Aのi行j列成分Aijは1(第1の値)となり、そのようなリンクが無ければAijは0(第2の値)となる。なおこれとは逆にそのようなリンクがあれば0(第1の値)、無ければ1(第2の値)としてもよい。また図5では起点タスクを行、終点タスクを列としているが、これとは逆に起点タスクを列、終点タスクを行にしてもよい。
ここで、隣接行列Aに基づき、後方隣接ノード集合および前方隣接ノード集合を定義する。
ノードiの後方隣接ノード集合Vi+は、ノードiを始端とするリンクを介して隣接するノード(後方隣接ノード)の集合のことであり、具体的には、式(1)に示すように隣接行列Aのi行の中で、1となるセルの列番号を取り出して集めたものである。
Vi+={j|Aij=1} (1)
一方、ノードiの前方隣接ノード集合Vi-は、ノードiを終端とするリンクを介して隣接するノード(前方隣接ノード)の集合のことであり、具体的には式(2)に示すように隣接行列Aのi列の中で、1となるセルの行番号を取り出して集めたものである。
Vi-={j|Aji=1} (2)
隣接行列AからWarshall-Floydアルゴリズムにより、任意の2ノード間の最短の有向経路上の距離を求めることができる。したがって、各ノード間についてそれぞれ距離を計算することで、図7に示すように各ノード間の距離を行列の形で表した距離行列Dを生成することができる。この距離行列Dは予め隣接行列Aから生成して業務プロセス情報保持手段11に保持しておいてもよいし、本実施形態の処理において隣接行列Aから生成するようにしてもよい。
ここで距離行列Dに基づき、後方ノード集合および前方ノード集合を定義する。
タスクiの距離N以内の後方ノード集合ViK+とは、ノードiを起点とする最短有向経路上の距離K以内のノードの集合のことであり、式(3)に示すように隣接行列Dのi行の中で、K以下のセルの列番号を取り出して集めたものである。
ViK+={j|Aij≦K} (3)
また、タスクiの距離K以内の前方ノード集合ViK-は、ノードiを終点とする最短有向経路上の距離K以内のノードの集合のことであり、式(4)に示すように隣接行列Dのi列の中で、K以下のセルの行番号を取り出して集めたものである。
ViK-={j|Aji≦K} (4)
以上の隣接行列A、距離行列Dは、基本的には、業務プロセス情報を業務プロセス情報保持手段11に始めて登録する際に、一度計算して業務プロセス情報保持手段11に保持し、業務プロセス情報に変更があった場合は、そのとき再度、隣接行列A、距離行列Dを計算すればよい。ただし、上述したように、本実施の形態の処理を行う都度、業務プロセス情報から、隣接行列A、距離行列Dを計算することも可能である。
(3)のタスク情報は、一つの業務プロセスに含まれる各タスクの情報であり、業務プロセス情報に関連付けられる。図8にタスク情報の一例を示す。
図8に示すように、タスク情報は、タスクID、タスク名、オーナー(そのタスクの責任者)、参加者、入力(そのタスクを実施する際に必要な物や情報など)、出力(そのタスクを実施した結果得られる物や情報など)、リスク分析・評価手法として一般的に知られているFMEA(Failure Mode and Effects Analysis)の分析結果である、そのタスク(あるいは各入力、出力)の失敗モード、失敗モードの頻度、失敗モードの潜在度、失敗モードの危険度、失敗モードの影響度を含む。失敗モードは簡単に言えば考えられる事故のパターン、頻度は統計的な頻度、潜在度は発見されずに見過ごされる確率、危険度は見過ごされた場合に最悪の影響が発生する確率、影響度は最悪の場合にどの程度の影響があるかを示す。分岐についてもタスク情報に含めることができ、その場合、分岐条件も記載しておくとよい。なお図3のノード情報(業務プロセスマップ情報)のノードIDは、図8のタスク情報のタスクIDと同一のため、タスクIDで代用してもよい。
(4)の事業所情報は、業務プロセスが実施されている事業所の特性を表す情報である。病院の場合、事業所情報は、各病院についての以下のようなデータの組を保持する。
・ 病院ID
・ 病院名
・ 病床数
・ 診療科(複数)
・ 医師数
・ 看護師数
・ 月平均入院患者数
・ 月平均外来患者数
業務プロセスおよびタスク指定手段12は、ユーザとの入出力インターフェースを形成する。
業務プロセスおよびタスク指定手段12は、基本画面をユーザに表示し、この画面で図9のように業務プロセス(第1の業務プロセス)の指定をユーザから受けると(「1.プロセスを選択」)、指定された業務プロセスに対応する業務プロセス情報を読み出し、読み出した業務プロセス情報に含まれる業務プロセスマップを画面に表示する(図9の左下参照)。
さらに業務プロセスおよびタスク指定手段12は、画面に表示された業務プロセスマップの上で、マウスなどによりタスク図形の指定をユーザから受けると、指定されたタスクを選択する(「2.タスクを選択」)。たとえばユーザは業務プロセスマップにおいて改善したいタスクを選択する。
さらに業務プロセスおよびタスク指定手段12は、ユーザから、そのタスクを含む周辺フローと類似している部分を持つ他の業務プロセスの検索指示を受けると(「3.類似業務プロセスの選択を要求」)、業務プロセスマップ類似度計算手段13に検索要求を行う。
業務プロセス類似度計算手段13は、業務プロセスおよびタスク指定手段12からの検索指示に応じて、類似する業務プロセスマップの検索を行う。業務プロセス類似度計算手段13は、まず同目的業務プロセス検索手段15に対し、業務プロセスおよびタスク指定手段12で指定された業務プロセスと同目的の業務プロセス(第2の業務プロセス)の検索を指示し、同目的業務プロセス検索手段15で見つけられた同目的の業務プロセスとの類似度(プロセス類似度あるいは業務プロセス類似度)を計算する。
同目的業務プロセス検索手段15は、業務プロセス類似度計算手段13からの指示に従って、業務プロセスおよびタスク指定手段12で指定された業務プロセスと同目的の業務プロセスを検索する。
例えばユーザが業務プロセスおよびタスク指定手段12を用いて自病院の注射の業務プロセスを指定した場合、同目的業務プロセス検索手段15は、業務プロセス情報保持手段11に保持された他病院の同目的(注射)の業務プロセスを検索する。
ユーザが指定した業務プロセスと同目的か否かの判定は、たとえば以下のように行う。
・全事業所で、同じ業務プロセスには同じ業務プロセスIDを発番している場合は、ユーザが指定した業務プロセスと同一の業務プロセスIDを持つ業務プロセスが同目的の業務プロセスであるとする。
・事業所ごとに業務プロセスIDを発番している場合は、ユーザが指定した業務プロセスの業務プロセス名と類似した業務プロセス名を持つ業務プロセスを、同目的の業務プロセスとする。
・以上の他、事業所間で同一目的の業務プロセスを対応付けて保持したテーブルを作成しておきこのテーブルに基づいて検索することも可能である。
なお検索条件として、前述した事業所情報の項目(病院ID、病院名、病床数、診療科(複数)、医師数、看護師数、月平均入院患者数、月平均外来患者数))を指定することにより、(1)同目的の業務プロセスのうち、診療科の構成が同じ病院の業務プロセスのみを検索するといったように検索対象を絞り込むことや、(2)後述の業務プロセス類似度計算手段13の業務プロセス類似度(プロセス類似度)の調整(類似度の増減)を行うこともできる。
業務プロセス類似度計算手段13は、上述したように、業務プロセスおよびタスク指定手段12で指定された業務プロセスと、同目的業務プロセス検索手段15で検索された各同目的の業務プロセスとの間の類似度をそれぞれ計算する。業務プロセス類似度計算手段13の詳細な動作については後述する。
類似業務プロセス検索結果表示手段14は、業務プロセス類似度計算手段13で計算された類似度とともに、同目的業務プロセス検索手段15で見つけられた同目的の業務プロセスの業務プロセス情報(図9の例では事業所と業務プロセス名と業務プロセスマップ)を表示する(「4.検索結果の表示」)。ここでは閾値以上の類似度をもつ業務プロセス情報を表示対象とし、これにより、ユーザにより指定された業務プロセスに類似する業務プロセスの表示が得られる。表示の順序は、たとえば類似度の大きい順(あるいは小さい順)である。図示の例では、業務プロセスマップの表示は表示ボタンの押下によって行われ、業務プロセスおよびタスク指定手段12は、表示ボタンの選択指示をユーザから受けることで、該当する業務プロセスマップが表示される。ここでは閾値以上の類似度をもつ業務プロセスを表示対象としたが、すべての業務プロセスを表示対象としてもよい。
以上によりユーザにより指定された業務プロセスの中の、ユーザにより指定したタスクについて、その周辺と類似した部分を持つ他の業務プロセスを検出し表示することができる。
事故情報保持手段22には、各病院で生じた事故の情報が保持されている。事故情報のデータ例を図10に示す。事故情報は、どの業務プロセスのどのタスクのどの失敗モードが発生したかを表しており、具体的には、事故の発生した業務プロセスおよびタスク、失敗モード、事故の発生日等を含む。事故データの中には、実際には患者には影響を及ぼさなかったヒヤリハット(インシデント)や軽微な影響で済んだ事例も含まれる。業務プロセスIDは同じ注射業務であっても病院ごとに異なるIDを振るようにすれば病院ごとの事故データを区別可能であり、そうでない場合は改善案情報および事故情報に病院IDを追加すればよい。事故データは病院で多く実施されているインシデントレポートシステムにより担当者により入力され、入力された事故データが事故情報保持手段22において保持される。
改善案情報保持手段21には、各病院で実施された改善案の情報が保持されている。改善案情報のデータ例を図11に示す。改善案情報は、どの業務プロセスのどのタスクのどの失敗モードについて、どのような改善案をいつ適用したかを表し、具体的には事故に対して適用された改善案と、改善案が適用された、業務プロセス、タスク、失敗モードおよび適用日等を含む。
改善案有効性評価手段23は、類似業務プロセス検索結果表示手段14に表示された業務プロセスのうち、最も高い類似度、または閾値以上の類似度をもつ業務プロセスを選択する。または、ユーザ入力を促し、ユーザ指示を介して業務プロセスを選択する。ここでは閾値以上の類似度をもつ業務プロセスをすべて選択すると想定する。
また改善案有効性評価手段23は、失敗モードの指定をユーザから受ける。
改善案有効性評価手段23は、選択された各業務プロセス(自病院と同一目的の業務プロセス)において、業務プロセスおよびタスク指定手段12での指定タスク(改善対象タスク)に最も類似するタスク(類似計算については後述する)の、上記で指定された失敗モードに適用された改善案を改善案情報保持手段21から検出し、検出した改善案の有効性を、次の手順で評価する。
1.改善案適用日の前と改善案適用日以降の事故データ件数の集計をそれぞれ集計する

詳細には、まず改善案の対象とする失敗モード(指定された失敗モード)について
の事故データ件数を集計(すなわち改善案を実施した病院において改善案と同じ業
務プロセスID、同じタスクIDおよび同じ失敗モードの事故データの件数を集計)
し、事故データの発生日と改善案適用日を比較することで、改善案適用前の事故デ
ータ件数(a)と改善案適用後の事故データ件数(b)をそれぞれ集計する。
2.集計開始日(パラメータとして事前に与えてある)から改善案適用前日までの日数
(A)と、改善案適用後から集計終了日(本計算の実施日とすればよい)までの日数(B
)を求める。
3.図12に示すように、改善案適用前後における失敗モード発生件数(a),(b)と、日
数(A)−失敗モード発生件数(a)と、日数(B)−失敗モード発生件数(b)とを示す分割表
を作成し、改善案適用前後の当該失敗モードの発生のオッズ比
{b/(B-b)}/{a/(A-a)}
を求め、これを有効性の指標として用いる。または、リスク比
{b/B}/{a/A}
を有効性の指標として用いてもよい。さらにこの分割表について、カイ二乗検定も
しくはFisherの正確確率検定を行うことで、改善案適用前後の違いのp値を検定で
きる。なお発生件数a,bは、日数A、Bに比べて十分小さいことが想定されるので、B
-bまたはA-aが負になる可能性は実際上あり得ないと思われる。
オッズ比またはリスク比が小さいほど改善後に当該失敗モードが発生しにくくなっていることを示すから、オッズ比またはリスク比が小さい改善案は有効であるといえる。またp値が小さいほど有効性についての信頼性もあることになる。
改善案有効性評価手段23は、検出された改善案の中で、有効性の高くかつ信頼性の高い改善案を選択して(絞り込んで)、改善案検索結果表示手段24に表示する。または、改善案有効性評価手段23は、検出された改善案を、有効性もしくは信頼性の高い順に改善案検索結果表示手段24に表示してもよい。表示された改善案を参考にすることで、改善対象タスクについて、自病院での改善の実施を効率よく行うことができる。
このように病院の業務プロセスのあるタスク(たとえば事故の多いタスク)を改善したい場合、他の病院で同じ目的を有しかつ類似する業務プロセスに適用された改善案で効果があったものを検索し、自病院での改善案の策定にあたり参考にすることで改善の実施を効率よく行うことができる。すなわち、自病院のある業務プロセスと同じ目的の他病院の業務プロセスに適用された有効な改善案であっても、業務プロセスが類似していなければ自病院への適用は難しいが、本実施形態では、自病院の改善対象タスクの周辺が類似しておりかつ同じ目的を有する他病院の業務プロセスのタスクについて実施された効果のある改善案を検出できるため、改善の実施を効率よく行うことができる。
図13は、図1の装置による動作の流れを示すフローチャートである。
まず、画面上でユーザ入力を介して業務プロセスおよびタスク指定手段12が業務プロセスの指定を受ける(S11)。
次に、指定された業務プロセスのプロセスマップ(第1のプロセスマップ)が画面に表示され、業務プロセスおよびタスク指定手段12が、ユーザ入力を介して、タスク(タスクi0(第1のタスク))を選択する(S12)。
次に、選択したタスクi0を含むその周辺フローと類似している部分を持つ同一目的の他の業務プロセスマップ(第2のプロセスマップ)を検索するように、業務プロセスおよびタスク指定手段12がプロセスマップ類似度計算手段13に検索要求を行う(S13)。
次に、プロセスマップ類似度計算手段13が、ユーザ指定された業務プロセスと同目的の業務プロセスを検索するように同目的業務プロセス検索手段15に指示し、同目的業務プロセス検索手段15から、発見された同目的の業務プロセスを取得する(S14)。
次に、プロセスマップ類似計算手段13が、ユーザ指定された業務プロセスのプロセスマップと、発見された同目的の業務プロセスのプロセスマップ間の類似度(周辺類似度あるいは業務プロセス類似度(プロセス類似度))を、タスクi0の周辺フローについて計算する(S15)。
次に、類似業務プロセス検索結果表示手段14が、計算された周辺類似度に応じた順序で、上記発見された同目的の業務プロセスの情報を表示する(S16)。
次に、改善案有効性評価手段23が、たとえば、ユーザから失敗モードの指定を受け、また閾値以上の類似度をもつ同目的の業務プロセスを選択する(S17)。そして、選択した同目的の業務プロセスにおいて、上記タスクi0に最も類似するタスクの指定失敗モードに対して過去に適用された改善案を改善案情報保持手段21から取得し、改善案の有効性または信頼性またはこれらの両方を事故情報保持手段22に基づき評価する(S17)。
次に、改善案検索結果表示手段24が、改善案をそれらの有効性または信頼性に従って表示する(S18)。たとえば有効性または信頼性の高い順に表示する。または有効性かつ信頼性がそれぞれ所定の閾値を満たす改善案を表示する。
図14は、業務プロセス類似度計算手段13の詳細構成を示すブロック図である。業務プロセス類似度計算手段13は、上述したように、業務プロセスおよびタスク指定手段12により指定された業務プロセスと、同目的業務プロセス検索手段15により見つけられた同目的の業務プロセスとの間の類似度(プロセス類似度)を、業務プロセスおよびタスク指定手段12により指定されたタスクの周辺部分について計算する。ここでは特に業務プロセス類似度の計算に関わる処理を行うブロックを示している。
業務プロセス類似度計算手段13は、読み出し手段31、保持手段32、ノード特定手段33、ノード類似度計算手段34、後方類似ノード検出手段35、前方類似ノード検出手段36、類似度合計手段37を備える。
読み出し手段31は、業務プロセスおよびタスク指定手段12により指定された業務プロセスの情報(プロセスマップ等)および業務プロセスおよびタスク指定手段12により指定されたタスク(第1のタスク)の情報を業務プロセス情報保持手段11から読み出す。指定された業務プロセスのプロセスマップはたとえば第1のプロセスマップに相当する。また読み出し手段31は、同目的業務プロセス検索手段15により検索された同目的の業務プロセスの情報(プロセスマップ等)を業務プロセス情報保持手段11から読み出す。当該同目的の業務プロセスのプロセスマップはたとえば第2のプロセスマップに相当する。
保持手段32は、指定タスク(第1のタスク)の周辺フローの範囲を規定する後方リンク距離Nおよび前方リンク距離M(NおよびMの少なくとも一方は1以上の整数、他方は0以上の整数)を保持する。
ノード類似度計算手段34は、与えられた任意の2つのノード同士の類似度を、一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算する。
ノード特定手段33は、業務プロセスおよびタスク指定手段12により指定された業務プロセスのプロセスマップ(第1のプロセスマップ)において、指定タスク(第1のタスク)に対応するノードIを特定する。また、ノード特定手段33は、上記同目的の業務プロセスのプロセスマップ(第2のプロセスマップ)において、当該ノードIに最も類似するノードI’を特定する。ノード特定手段33は、ノードI’の特定の際には、ノード類似度計算手段34を用いてノード間の類似度を計算することにより最も類似するノードを特定する。
後方類似ノード検出手段35は、保持手段32に保持された後方リンク距離Nが1以上のとき以下の処理を行う。すなわち、ノードIの後方隣接ノードI+1についてノードI’の後方K1(K1は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを第2のプロセスマップ(同目的の業務プロセスのプロセスマップ)から検出する。次いでノードI+1の後方隣接ノードI+2について、上記検出した類似ノードの後方K1以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを第2のプロセスマップから検出する。以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行う。これにより、ノードIの後方リンク距離Nの範囲に含まれるノードI+1〜ノードI+Nのそれぞれに対する類似ノードを第2のプロセスマップから検出する。後方類似ノード検出手段35は、最も類似ノードを検出する際には、ノード類似度計算手段34を用いてノード間の類似度を計算する。
前方類似ノード検出手段36は、保持手段32に保持された前方リンク距離Mが1以上のとき、ノードIの前方隣接ノードI−1についてノードI’の前方K2(K2は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを第2のプロセスマップ(上記同目的の業務プロセスのプロセスマップ)から検出する。次いで記ノードI−1の前方隣接ノードI−2について、上記検出した類似ノードの前方K2以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを第2のプロセスマップから検出する。以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、ノードIの前方において前方リンク距離Mの範囲に含まれるノードI−1〜ノードI−Mのそれぞれに対する類似ノードを第2のプロセスマップから検出する。前方類似ノード検出手段36は、最も類似ノードを検出する際には、ノード類似度計算手段34を用いてノード間の類似度を計算する。
類似度合計手段37は、ノードI、ノードI+1〜I+N、ノードI−1〜I−Mのそれぞれについて検出した類似ノードに対する類似度を合計する。この合計値が、上記指定された業務プロセス(第1の業務プロセス)および上記同目的の業務プロセス(第2の業務プロセス)間のプロセス類似度(周辺類似)である。
以下では、業務プロセス類似度計算手段13の動作についてさらに詳細に説明する。以下では、類似ノードを検出する範囲を規定する上記K1およびK2の値はそれぞれ1である場合を想定する。すなわちノードIの後方隣接ノードI+1について検出する最も類似するノードは、ノードI’の後方隣接ノードの中から検出し、ノードIの前方隣接ノードI−1について検出する最も類似するノードは、ノードI’の前方隣接ノードの中から検出する。K1およびK2の値が2以上の例については後述する。
(プロセス類似度の具体的な計算方法)
以下、図15に示すように、ユーザが選択した業務プロセス(第1の業務プロセス)をラベル付き有向グラフG=(V,E)として表現し、単に業務プロセスGと呼ぶ。ここでVは業務プロセスGのタスクあるいは分岐に対応するノード集合{1,2,3,4,5,6,7,…}であり、Eはこれらのタスクあるいは分岐を結合するリンク集合である。さらに業務プロセスおよびタスク指定手段12でユーザが選択した業務プロセスGの中のタスク(第1のタスク)に対応するノードをi0(ノードI)とする。同様に同目的業務プロセス検索手段15が検索した同目的の業務プロセス(第2の業務プロセス)を有向グラフG’=(V’,E’)として表現する。V’はグラフG’のノード集合{1’,2’,3’,4’,5’,6’,7’,…}であり、E’はグラフG’のリンク集合である。上述のようにノードi0(ノードI)はノード特定手段33により特定される。
このとき業務プロセスG(第1の業務プロセス)のノードi0(ノードI)の周辺と、ある一つの同目的の他の業務プロセス(第2の業務プロセス)G’=(V’,E’)のプロセス類似度(周辺類似度)fは式(5)のように定義される。
Figure 2010176288
ここでf+はノードi0(ノードI)後方類似度で、図15に示すように有向グラフG上でノードi0(ノードI)を起点とする有向経路上の一定の距離N(後方リンク距離N)以内の部分と、グラフG’においてノードi0に最も類似するノードi’0(ノードI’)を起点としてグラフGの当該部分に対応する部分と間の類似度である。このf+(ノードi0の後方類似度)は、後の説明から明らかなように、上述したノードI、ノードI+1〜I+Nのそれぞれについて検出した類似ノードに対する類似度の合計に相当する。f+の計算の詳細は後述する。上述のようにノードi’0(ノードI’)はノード特定手段33により特定される。
f-はノードi0(ノードI)の前方類似度で、有向グラフG上でノードi0(ノードI)を終端とする有向経路上の一定の距離M(前方リンク距離M)以内の部分と、グラフG’=(V’,E’)においてノードi0に最も類似するノードi’0(ノードI’)を終端としてグラフGの当該部分に対応する部分の類似度である。このf-(ノードi0の前方類似度)は、後の説明から明らかなように、上述したノードI、ノードI−1〜I−Mのそれぞれについて検出した類似ノードに対する類似度の合計に相当する。同じくf-の計算の詳細は後述する。
以降の説明では、特に断りのない限り、説明の簡単のため、前方リンク距離Mと後方リンク距離Nとが同じであるとして、距離Nに統一して説明する。なお距離Mと距離Nとは同じ値であっても異なる値であってもよいが、NとMは少なくとも一方は1以上で、他方は0以上の整数である。
fsはノードi0の単独類似度で、ノードi0(ノードI)と、グラフG’のノードの中でノードi0に最も類似したノードi’0(ノードI’)との間の類似度である。上記の説明から明らかなように、f+(ノードi0の後方類似度)とf-(ノードi0の前方類似度)とを合計すると単独類似度(ノードIとノードI’間の類似度)fsが重複して加算される。このため式(5)の3項では、単独類似度(ノードIとノードI’間の類似度)fsを減算している。すなわち、ノードi0(ノードI)の後方類似度と前方類似度には、それぞれノードi0(ノードI)の単独類似度も含まれ、式(5)の第1項と第2項を加算すると、ノードi0(ノードI)の単独類似度が二重に加算されることになるため、式(5)の第3項でノードi0の単独類似度を減算している。
このようにして式(5)に基づきノードi0(ノードI)の周辺類似度(業務プロセス類似度)を計算する。この式(5)の計算は、以下の再帰処理の説明からも明らかになるように、後方類似ノード検出手段35、前方類似ノード検出手段36および類似度合計手段37により行われる。
上記のように、ノードi0(ノードI)の周辺類似度(業務プロセス類似度)は、ノードi0自身の類似度と、その一定範囲内の後方および前方の類似度を加算したものになる。隣接行列を用いてグラフの構造に従った類似度を計算するため、同じようなタスクを実施している業務プロセスでも、タスクの並び順が異なれば、周辺類似度(業務プロセス類似度)は小さくなる。
(後方類似度と前方類似度)
Gのあるノードiの後方類似度f+は式(6)で再帰的に定義される。
Figure 2010176288
図16は式(6)を説明するための補足図である。
式(6)において左辺の後方類似度f+の引数V’iは、ノードiに対応付けられる、G’上のノードの候補である(図16の(1))。右辺の単独類似度fs(計算方法は後述する)の計算において、この候補ノードの中からノードiに最も類似度が近いノードi'maxが検索され、検索されたノードi'maxの類似度が単独類似度fsに相当する。
Nは前述のとおり、ユーザが選択したノードi0からの周辺とみなす範囲を制限する距離の値である。
kはユーザが選択したノードi0(ノードI)からノードiまでのG上での有向経路上の距離である(有向経路上のリンクの個数に等しい)。
式(5)の左辺引数のノードi0(ノードI)から、ノードiまでの距離kが、距離の制限N以下、かつノードiに対応付けられるG’上のノードの候補の集合が空でない場合のみ上記のとおり、式(6)の右辺の上側の式で類似度を計算するが、その際右辺は、第1項のfsと、第2項のノードiを始端とする各リンクの終端ノードj(ノードiの後方隣接ノード)の後方類似度との和であり、第2項があることにより再帰的に計算される。
右辺第2項の計算において、ノードiの後方隣接ノードjの集合Vi+(図16の(2))は前述した隣接行列Aから取得する。各後方隣接ノードjの後方類似度の計算f+(j,…)を呼び出す際、その第2引数である、ノードjに対応付けられるG’上のノードの候補の集合は、右辺の第1項のfsの計算において求められたノードiに最も近いG’のノードi’maxの後方隣接ノード集合V’i’max(図16の(3))である。これは第1項の計算でi’maxが得られた後、G’の隣接行列A’の第i’max行から取り出せばよい。G’上でノードi’maxの後方隣接ノードが存在しなければ第2引数V’i’max+はφ(空集合)となる。右辺第2項の第4引数は、ユーザが選択したノードi0からの距離なので、左辺より一つ増加させてk+1となる(図16の(4))。
ノードiの前方類似度は、後方類似度と同様に式(7)で定義される。
Figure 2010176288
右辺上側の式の第2項で、ノードiの前方隣接ノードについての前方類似度を計算する際、ノードiの前方隣接ノードはGの隣接行列のi列で1である行番号を取り出せばよい。またノードiの各前方隣接ノードに対応付けられる候補のG’のノードは、iに最も類似したノードi’maxについて、G’の隣接行列のi’max列で1である行番号を取り出せばよい。
(ノード間(タスク間)の類似度)
上述したようにノード類似度計算手段34は、任意の2つのノード同士の類似度を、一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算するものである。以下ノード類似度計算手段34の動作についてさらに詳しく説明する。
各ノードは、業務プロセスの各タスクもしくは分岐に対応するから、これら各ノードは、図8のタスク情報に示すようなタスクもしくは分岐についての情報と関連付けられる。これよりノードに対応するタスク情報の各項目(属性)を要素とする特徴ベクトル
v = (タスク名,タスクのオーナー,入力,出力,失敗モード,頻度,潜在度,危険度、影響度)
を定義できる。分岐もノードとして扱う場合は、分岐の条件も特徴ベクトルの要素となる。
ベクトル化を行う場合、タスク名やタスクのオーナーといった文字列については、コード化により数値化すればよい。例えば、注射の業務プロセスにおいて、複数の注射薬剤を混ぜるタスクとして“混注する”がある。このタスク名“混注する”をシフトJISコードで表現すると
8DAC928D82B782E9(16進) (8)
となる。このように文字列で表現された要素は数値化が可能である。このため、2つのノードiとノードi’に対応する特徴ベクトルvとv’をそれぞれ上記のように数値ベクトル化できる。
特徴ベクトルvとv’を数値化した数値ベクトルの差をベクトルuとし、内積u・uの平方根を、特徴ベクトルvとv’の距離として定め、この距離を用いて特徴ベクトルvとv’の類似度を定義する。たとえば距離に−1を乗じた値、または距離の逆数を、2つのノードiとノードi’の類似度fn(i,i’)とする。また距離そのものを類似度とすることも可能である(この場合距離が近いほど類似度が大きいという関係になる)。
ここでタスク名“混注する”によく似たタスク名“混注をする”はシフトJISコードでは
8DAC928D82F082B782E9(16進) (9)
となる。式(8)と式(9)は数値としては非常に異なるため、“混注する”と“混注をする”を厳密に区別する場合は、距離が遠くなっても問題ないが、特徴ベクトルvの要素であるタスク名の類似性を考慮したい場合は以下のようにすればよい。
特徴ベクトルvとv’のタスク名の文字列をそれぞれ一文字ずつに分割し、
v 混:8DAC、注:928D、す:82B7、る:82E9
v’ 混:8DAC、注:928D、を82F0、す:82B7、る:82E9
とする。vのタスク文字列中の各文字の評価値として、他方のv’のタスク文字列の中に含まれていれば1、含まれていなければ0とし、各文字の評価値の総和をvのタスク文字列の評価値とすると、
混:1、注:1、す:1、る:1 → vのタスク文字列の評価値=4 (10)
となる。同様にv’のタスク文字列中の各文字について、他方のvのタスク文字列の中に含まれていれば1、含まれていなければ0とし、各文字の評価値の総和をv’のタスク文字列の評価値とすると
混:1、注:1、を:0、す:1、る:1 → v’のタスク文字列の評価値:4 (11)
となる。
上記の各文字列の評価値(10)と(11)の和8の、両者の文字列の文字数の総和9に対する比をタスク文字列とv’タスク文字列間の「要素類似度」と定義すると、要素類似度は8/9=0.899となる。特徴ベクトルの他の要素についても、それが文字列であれば同様の計算ができる。上記ベクトルuを計算する際には、たとえば要素類似度の逆数もしくはこの逆数に重みを与えた値を当該要素の差分として用いることができる。
上記の類似度の定義とは別に、各要素の要素類似度を並べて得られるベクトルの大きさを、2つのノードiとノードi’の類似度fn(i,i’)として定義することも可能である。
式(6)および式(7)におけるノードiの単独類似度fs(i,V’i)の計算においては、第2引数のV’iに含まれる各ノードi'について、ノードiとの類似度fn(i,i’)を計算し、最大の類似度をノードiの単独類似度として決定し、最大の類似度を与えるノードi’をi’maxとして決定すればよい。
(距離に応じた類似度の重み付け)
式(6)の右辺第2項で再帰的に呼ばれるノードiの隣接ノードの後方類似度の項に、式(12)のように正の係数Cを掛ける場合を考える。この場合、第2項の各jについての後方類似度は、再帰的にjの後方隣接ノードについて計算される後方類似度にCを掛けたものとなり、したがって、ノードi0からの距離kが増すにつれて、C、C2、C3と重みを変化させることができる。ノードi0からの距離が遠くなるほどCを1より小さくしていけば、ノードi0からの距離が遠い部分の後方類似度は小さく評価される。式(7)の前方類似度についても全く同様に右辺第2項に係数C’を掛ければよい。
Figure 2010176288
(グラフに閉ループがある場合)
分岐と、それ以前のタスクを結合するリンクがある場合などは、グラフ中に閉ループが存在する。この時、式(6)に従って後方類似度を再帰的に呼び出すと、Nの大きさによっては同じノードについて何回も後方類似度を計算することなる。これを回避したい場合は、一度後方類似度を計算したノードをリストとして記憶しておく、一旦記憶されたノードについては、式(6)右辺第2項において後方類似度の計算を呼び出さないようにすればよい。もしくはノード数だけの長さを持つ配列変数を持っておき、これに後方類似度が未計算ならば0、計算済みならば1というように記録しておき、あるノードの後方類似度を計算する場合に、その後方隣接ノードについて、上記配列変数の当該ノードの値が1ならば、そのノードについては式(6)右辺第2項において後方類似度の計算を呼び出さないようにすればよい。このような処理を行わずに閉ループに沿って何回も後方類似度を計算してもよい。ここでは後方類似度の計算の場合について説明したが、式(7)に従って前方類似度を再帰的に呼び出すと、Nの大きさによっては同じノードについて何回も前方類似度を計算することなるため、これを回避したい場合は上記と同様の処理を行うようにすればよい。
(距離行列を用いた類似度の計算)
上記では業務プロセス類似度計算手段13について具体的に説明したが、この際、類似ノードを検出する範囲を規定する上記K1およびK2の値はそれぞれ1である場合を示した。すなわちノードIの後方隣接ノードI+1について検出する最も類似するノードは、ノードI’の後方隣接ノードの中から検出し、ノードIの前方隣接ノードI−1について検出する最も類似するノードは、ノードI’の前方隣接ノードの中から検出する場合を示した。以下では、上記K1およびK2の値が2以上の例について説明する。
式(6)、式(7)のノードiの後方類似度および前方類似度の計算においては、上述したように、再帰的に後方隣接ノード、前方隣接ノードについての後方類似度および前方類似度を計算する。図16に示すようにGのあるノードiとG’のあるノードi’maxが対応しているとした場合、ノードiの後方類似度は、ノードiの後方隣接ノードi+1、i+2、i+3、...についての後方類似度を計算し、これらのノードに対応するG’のノードの候補はi’maxに隣接するノードである。
この方法では、図17(A)に示すように、G’のi’maxの後方隣接ノードm’を間に挟んで、ノードm’の後方隣接ノードが、ノードiの後方隣接ノードと類似している場合、ノードm’の後方隣接タスクとノードiの後方隣接タスクとの類似度が評価されないため、周辺類似度が小さくなってしまう。
これを回避したい場合は、式(6)右辺第2項の第2引数として、i’maxの後方隣接ノード集合ではなく、式(3)に示した、i’maxから距離K1以内の後方ノード集合ViK1+を引数とすればよい。ただしノードi’maxから後方リンク距離Nの範囲を超えないものとする。
ここでK1=2とすれば図17(A)の例では、ノードiの後方隣接ノードi+1、i+2、i+3に対応付けられるG’のノード候補は{m’, m’+1, m’+2, m’+3}となり、ノードi+1、i+2、i+3と最も類似したG’のノードとしてm’+1, m’+2, m’+3の中から選択されることが可能になり、間にm’が挟まったことによる類似度の低下は避けられる。
K1=2をより大きな値にすれば、さらにm’のような非類似ノードが複数個挟まっている場合でも、類似度の低下は回避できるが、非類似ノードが複数個挟まっていること自体の非類似性が評価できないので、K1の値はたとえば2〜3程度にしておくのがよい。前方類似度の計算においても全く同様に、式(4)の距離K2以内の前方ノード集合を用いればよい。
上記距離K1およびK2の値は、前述したように、同じであっても異なる値であってもよい。
(非類似ノードのスキップ)
一方、図17(B)に示すように、Gのノードiの後方隣接ノードmを間に挟んで、ノードmの後方隣接ノードが、G’のノードi’の後方隣接ノードと類似している場合も、式(6)では、これらの類似度が評価されない。
これを回避したい場合は、以下のように計算すればよい。
式(6)の右辺第2項では、ノードiの後方隣接ノード集合Vi+内の各ノードjについて、jを第1引数として再び式(6)が呼ばれる。図17(B)の場合はj = mである。このとき、まず第1項を計算する。図17(B)の場合はfs(m,V’i’max+)が計算されるが、V’i’max+の中にノードmと類似したノードがないため、fs(m,V’i’max+)は非常に小さい値となる。式(6)の右辺第2項の計算において、このようにVi+内の各ノードjについて、再帰呼び出し先の第1項fs(j,V’i’max+)が一定の閾値より小さいiについては再帰呼び出し先の式(6)の第2項を計算せずfs(j,V’i’max+)=0とする(すなわち本願発明のとの関連でいえば、後方隣接ノードI+1についてノードI’の後方隣接ノードのそれぞれとの類似度がすべて閾値未満のときは、後方類似ノードI+1の類似ノード探索をスキップし、ノードI+1の類似度を所定の最低値に設定する)。そして、ノードjの替わりにノードjの後方隣接ノード集合Vj+(図17(B)の場合、Vj+={m+1、m+2、m+3})について、元の式(6)右辺の第2項を計算し、その際、第2引数はV’i’max+のままで、第4引数はk+2とする(すなわち本願発明との関連でいえば、ノードI+1の後方隣接ノードI+2と、ノードI’の後方隣接ノードとの類似度を計算して最も類似するノードを検出し、次いでノードI+2の後方隣接ノードI+3について当該検出した類似ノードの後方隣接ノードのうち最も類似するノードを検出する。
このようにして、ノードmが挟まったことによる類似度の低下は避けられる。またこの場合は、式(12)のように1より小さい正の係数Cを右辺の第2項に掛けることにより、ノードmが挟まっていることによる非類似性を評価できる。
この方法は、「距離行列を用いた類似度の計算」の項に示した距離行列を用いた類似度の計算と併用できるので、図17(A)および図17(B)の両方の状況が存在したとしても、類似度を良好に計算できる。
(第2の実施形態:タスクの入出力(入力、出力)を用いた業務プロセスの類似度)
図2に示した業務プロセスマップは、例えばタスク1に続いてタスク2を実施し、さらに続いてタスク3を実施するといったタスクの実施順序を示したグラフであった。図8に示すようにタスク1の出力B、Cの中のCが、直接タスク3の入力となっている場合、タスク1とタスク3は入出力を介して隣接しているということができる。そこで、図8のタスク情報を用いて、入出力を介したタスクの隣接関係による有向グラフを作ることができる。
具体的には図8のタスク情報において、各タスクiの各出力について、それが他のタスクjの入力になっているかどうかをチェックし、図18(A)の上段のようにタスクiのある出力がタスクjの入力になっていれば、図6の隣接行列AでAij = 1とし、タスクiのいずれの出力もタスクjの入力になっていなければAij = 0とする。これにより図18(A)の下段のように、タスクiからタスクjへの接続を示すグラフが得られる。このようなグラフも隣接行列の形式は、タスクの実施順序についてのグラフと全く同じなので、前述した方法で類似度を評価できる。
また、図18(B)のように、タスクiのある出力がタスクjの入力になっていれば、入力を出力と同一視し、出力もノードとして扱ってグラフを作成してもよい。この場合、出力に対応するノードについて前述した単独類似度の計算を行う際、2つの出力間で、出力名についてのテキスト類似度を計算すればよい。
また上記の図18(A)および図18(B)の両方の場合について、元のタスクの実施順を示すリンクを残したまま、さらに上記の入出力による隣接関係を示すリンクを追加したグラフを作成するようにしてもよい。
(第3の実施形態:類似設計製品の検索への適用)
これまでは業務プロセスをグラフとみなした場合の類似度評価方法およびシステムを示したが、以下の(i)〜(v)ように製品と業務プロセスとの対応を考えることもできる。
(i)業務プロセス → 製品
(ii)業務プロセス基本情報 → 製品名、製品ID、製品の製造元など
(iii)タスク → 製品を構成する部品、機能
(iv)タスク情報 → 部品名、機能名、部品や機能の入出力、部品や機能の操作者
(v)リンク → 部品間の入出力や、機能呼び出しによる隣接関係
このような対応づけにより、本実施形態の類似度評価方法およびシステムは、機器やソフトウェア、あるいはこれらが組み合わされたシステムといった製品間の類似度評価にも適用できる。
11:業務プロセス情報保持手段(第1〜第4の記憶手段)
12:業務プロセスおよびタスク指定手段(指定手段)
13:業務プロセス類似度計算手段(プロセス類似度計算手段)
14:類似業務プロセス検索結果表示手段(第1の表示手段)
15:同目的業務プロセス検索手段(検索手段)
21:改善案情報保持手段(第6の記憶手段)
22:事故情報保持手段(第5の記憶手段)
23:改善案有効性評価手段(評価手段)
24:改善案検索結果表示手段(第2の表示手段)
31:読み出し手段
32:保持手段
33:ノード特定手段
34:ノード類似度計算手段
35:後方類似ノード検出手段
36:前方類似ノード検出手段
37:類似度合計手段

Claims (10)

  1. それぞれ複数のタスクのフローからなる複数の業務プロセス毎に前記業務プロセスの実施事業の事業所識別情報と前記業務プロセスのプロセス識別情報とを記憶する第1の記憶手段と、
    各前記業務プロセスにおける前記複数のタスクのフローを、タスクを表すノードとタスクの実施順序を表すリンクに表現した複数のプロセスマップを記憶する第2の記憶手段と、
    各前記業務プロセスのそれぞれで実施される前記複数のタスクの属性を記述したタスク情報を記憶する第3の記憶手段と、
    前記複数の業務プロセスのうちの1つである第1の業務プロセス、前記第1の業務プロセスにおいて実施される複数のタスクのうちの1つである第1のタスクを指定する指定手段と、
    前記第1の業務プロセスと異なる事業所により実施される業務プロセスのうち前記第1業務プロセスと同目的の第2の業務プロセスを、前記第1の業務プロセスのプロセス識別情報との比較に基づいて、または前記事業所間で同一目的の業務プロセスを対応付けて保持したテーブルに基づいて、検索する検索手段と、
    前記第1のタスクの周辺フローについて前記第1および第2の業務プロセス間のプロセス類似度を計算するプロセス類似度計算手段と、
    前記プロセス類似度に応じて、前記第2の業務プロセスの事業所識別情報およびプロセス識別情報を表示する第1の表示手段と、を備え、
    前記プロセス類似度計算手段は、
    前記第1のタスクの周辺フローの範囲を規定する後方リンク距離Nおよび前方リンク距離M(NおよびMの少なくとも一方は1以上の整数、他方は0以上の整数)を保持する保持手段と、
    任意の2つのノード同士の類似度を、一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算するノード類似度計算手段と、
    前記第1および第2の業務プロセスに対応する第1および第2のプロセスマップを読み出す読み出し手段と、
    前記第1のプロセスマップにおいて前記第1のタスクに対応するノードIを特定し、前記第2のプロセスマップにおいて前記ノードIに最も類似するノードI’を特定する、ノード特定手段と、
    前記後方リンク距離Nが1以上のとき、前記ノードIの後方隣接ノードI+1について前記ノードI’の後方K1(K1は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI+1の後方隣接ノードI+2について前記検出した類似ノードの後方K1以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの後方リンク距離Nの範囲に含まれるノードI+1〜ノードI+Nのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する、後方類似ノード検出手段と、
    前記前方リンク距離Mが1以上のとき、前記ノードIの前方隣接ノードI−1について前記ノードI’の前方K2(K2は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI−1の前方隣接ノードI−2について前記検出した類似ノードの前方K2以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの前方において前方リンク距離Mの範囲に含まれるノードI−1〜ノードI−Mのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する、前方類似ノード検出手段と、
    前記ノードI、前記ノードI+1〜I+N、前記ノードI−1〜I−Mのそれぞれの類似ノードに対する類似度を合計することにより、前記第1および第2の業務プロセス間の前記プロセス類似度を計算する類似度合計手段と、
    を有することを特徴とする業務プロセス類似度評価装置。
  2. 前記プロセスマップは、
    行方向および列方向のそれぞれが前記プロセスマップ内の全タスクのIDを表し、各セルの値は、該当する行タスクから列タスクへのリンクが存在するときは第1の値、存在しないときは第2の値である、
    または
    行方向および列方向のそれぞれが前記プロセスマップ内の全タスクのIDを表し、各セルの値は、該当する列タスクから行タスクへのリンクが存在するときは第1の値、存在しないときは第2の値である、
    隣接行列として構成されたことを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  3. 各前記事業所のそれぞれの属性を記述した事業所情報を記憶する第4の記憶手段をさらに備え、
    前記検索手段は、前記第1の業務プロセスの実施事業所と属性が一致する前記第2の業務プロセスを検索する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  4. 前記業務プロセスの識別情報は、業務プロセスIDまたは業務プロセス名を含み、
    前記検索手段は、前記第1の業務プロセスと業務プロセスIDが同じか否か、または前記第1の業務プロセスとの業務プロセス名の一致度合いに従って、前記第1業務プロセスと同目的の業務プロセスを検索する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  5. 各前記事業所で生じた事故の業務プロセス、タスク、発生日を含む事故データを記憶した第5の記憶手段と、
    各前記事業所で生じた事故に対して適用された改善案と、前記改善案が適用された、業務プロセス、タスク、適用日とを含む改善案データを記憶した第6の記憶手段と、
    前記プロセス類似度が計算された前記第2の業務プロセスのうち前記プロセス類似度に応じて選択されるまたはユーザにより選択される第2の業務プロセスにおいて前記ノードI’に対応するタスクに対して適用された改善案の有効性を評価する評価手段と、
    前記評価手段により評価された有効性に応じて前記改善案を表示する第2の表示手段と
    を備え、
    前記評価手段は、
    選択された第2の業務プロセスの事業所に関して、所定の集計開始日以降かつ前記改善案の適用日より前の発生日を有し、かつ、前記改善案と同一の業務プロセスおよびタスクを有する、事故データの件数をカウントすることにより第1の事故発生件数を計算し、
    前記選択された第2の業務プロセスの事業所に関して、前記改善案の適用日以降かつ所定の集計終了日以前の発生日を有し、かつ、前記改善案と同一の業務プロセスおよびタスクを有する、事故データの件数をカウントすることにより第2の事故発生件数を計算し、
    前記集計開始日から前記適用日の前日までの合計日数により前記第1の事故発生件数を除した値と、前記適用日から前記集計終了日までの合計日数により前記第2の事故発生件数を除した値と、の比であるリスク比に基づき前記改善案の有効性を評価する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  6. 前記事故データおよび前記改善案データはそれぞれ、事故内容を表す失敗モードを含み、
    前記評価手段は、前記第1のタスクに対して改善したい失敗モードを指定し、
    前記改善案と同一の失敗モードを有する事故データの件数をカウントし、
    前記改善案と同一の失敗モードを有する事故データの件数をカウントする
    ことを特徴とする請求項1ないし5に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  7. 前記評価手段は、前記リスク比の代わりに、
    前記集計開始日から前記適用日の前日までの合計日数と前記第1の事故発生件数との差分値により前記第1の事故発生件数を除した値と、前記適用日から前記集計終了日までの合計日数と前記第2の事故発生件数との差分値により前記第2の事故発生件数を除した値と、の比であるオッズ比に基づき前記改善案の有効性を評価する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  8. 前記評価手段は、前記プロセス類似度が最も高い前記第2の業務プロセスを選択する
    ことを特徴とする請求項7に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  9. 前記後方類似ノード検出手段は、前記後方隣接ノードI+1について前記ノードI’の後方K1以下の範囲のノードのそれぞれとの類似度がすべて閾値未満のときは、前記後方類似ノードI+1の類似ノード探索をスキップし、前記後方隣接ノードI+1の後方隣接ノードI+2と、前記ノードI’の後方K1以下の範囲のノードとの類似度を計算して最も類似するノードを検出し、次いで前記ノードI+2の後方隣接ノードI+3について当該検出した類似ノードの後方K1以下の範囲のノードのうち最も類似するノードを検出し、
    前記類似度合計手段は、前記類似度の合計計算において前記ノードI+1の類似度を所定の最低値に設定する
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の業務プロセス類似度評価装置。
  10. それぞれ複数のタスクのフローからなる複数の業務プロセス毎に前記業務プロセスの実施事業の事業所識別情報と前記業務プロセスのプロセス識別情報とを記憶する第1の記憶手段と、
    各前記業務プロセスにおける前記複数のタスクのフローを、タスクを表すノードとタスクの実施順序を表すリンクに表現した複数のプロセスマップを記憶する第2の記憶手段と、
    各前記業務プロセスのそれぞれで実施される前記複数のタスクの属性を記述したタスク情報を記憶する第3の記憶手段と、にアクセスするステップと、
    前記複数の業務プロセスのうちの1つである第1の業務プロセス、前記第1の業務プロセスにおいて実施される複数のタスクのうちの1つである第1のタスクを指定する指定ステップと、
    前記第1の業務プロセスと異なる事業所により実施される業務プロセスのうち前記第1の業務プロセスと同目的の第2の業務プロセスを、前記第1業務プロセスのプロセス識別情報との比較に基づいて、または前記事業所間で同一目的の業務プロセスを対応付けて保持したテーブルに基づいて、検索する検索ステップと、
    前記第1のタスクの周辺フローについて前記第1および第2の業務プロセス間のプロセス類似度を計算するプロセス類似度計算ステップと、
    前記プロセス類似度に応じて、前記第2の業務プロセスの事業所識別情報およびプロセス識別情報を表示する第1の表示ステップと、を備え、
    前記プロセス類似度計算ステップは、
    前記第1のタスクの周辺フローの範囲を規定する後方リンク距離Nおよび前方リンク距離M(NおよびMの少なくとも一方は1以上の整数、他方は0以上の整数)を保持する保持ステップと、
    任意の2つのノード同士の類似度を一方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルと、他方のノードに対応するタスクの属性からなるベクトルとの距離に応じて計算するノード類似度計算ステップと、
    前記第1および第2の業務プロセスに対応する第1および第2のプロセスマップを読み出す読み出しステップと、
    前記第1のプロセスマップにおいて前記第1のタスクに対応するノードIを特定し、前記第2のプロセスマップにおいて前記ノードIに最も類似する類似ノードI’を特定するノード特定ステップと、
    前記後方リンク距離Nが1以上のとき、前記ノードIの後方隣接ノードI+1について前記ノードI’の後方K1(KはN以下の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI+1の後方隣接ノードI+2について前記検出した類似ノードの後方K1以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの後方リンク距離Nの範囲に含まれるノードI+1〜ノードI+Nのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する後方類似ノード検出ステップと、
    前記前方リンク距離Mが1以上のとき、前記ノードIの前方隣接ノードI−1について前記ノードI’の前方K2(K2は1以上の整数)以下の距離範囲のノードのうち最も類似する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出し、次いで前記ノードI−1の前方隣接ノードI−2について前記検出した類似ノードの前方K2以下の距離範囲のノードのうち最も類似するノードを前記第2のプロセスマップから検出し、以降同様にして類似ノードの探索処理を順次行うことにより、前記ノードIの前方において前方リンク距離Mの範囲に含まれるノードI−1〜ノードI−Mのそれぞれに対する類似ノードを前記第2のプロセスマップから検出する前方類似ノード検出ステップと、
    前記ノードI、前記ノードI+1〜I+N、前記ノードI−1〜I−Mのそれぞれの類似ノードに対する類似度を合計することにより、前記第1および第2の業務プロセス間の前記プロセス類似度を計算する類似度合計ステップと、
    を有することを特徴とする業務プロセス類似度評価方法。
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