JP2010175578A - 光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高温・高湿環境での耐久性に優れる光学フィルタを提供する。
【解決手段】高温・高湿環境での耐久性の最も低い光学材料、例えば、アミニウム塩系、又はフタロシアニン系のアミニウム塩系の赤外線吸収剤を含む第1の調光層1が、透明基材3上の最下層に設けられて、第1の調光層1の光学材料よりも耐久性に富む光学材料、例えば、黒色色素であるアジン系染料を含む第2の調光層2と透明基材3とによって保護されるため、最下層の調光層の光学材料の劣化を極力抑えることができ、光学フィルタ全体として高温・高湿環境での耐久性を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】高温・高湿環境での耐久性の最も低い光学材料、例えば、アミニウム塩系、又はフタロシアニン系のアミニウム塩系の赤外線吸収剤を含む第1の調光層1が、透明基材3上の最下層に設けられて、第1の調光層1の光学材料よりも耐久性に富む光学材料、例えば、黒色色素であるアジン系染料を含む第2の調光層2と透明基材3とによって保護されるため、最下層の調光層の光学材料の劣化を極力抑えることができ、光学フィルタ全体として高温・高湿環境での耐久性を向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラ等の光学系に利用される光学フィルタに関するものであり、特に湿式成膜技術を用いて形成された調光層を備える光学フィルタに関するものである。
カメラ等の撮像装置では、光量調整のために可視光域の光をほぼ均質に減衰させるND(ニュートラルデンシティー:Neutral Density)フィルタが用いられ、また、この種のNDフィルタには不要な赤外線域を遮断するための調光層を含むものもある。例えば、特許文献1の光学フィルタでは、コーティングにより赤外線カットフィルタとNDフィルタとを一体的に設けている。このような光学フィルタは湿式成膜技術を用いて得ることができ、例えば、特許文献2に示されるように色素を分散した樹脂を透明基材上に塗布することによって得られる。
赤外線吸収フィルタとして調光層に用いられる赤外線吸収剤は、ジイモニウム系、アミニウム塩系、フタロシアニン系等の光学材料を含むが、これら光学材料は比較的に高温・高湿環境での耐久性が低い。このため光学フィルタの光学特性の劣化の問題があった。
また、樹脂に溶解する色素量に限度があり、例えば、黒色色素としてアジン系染料を樹脂に分散させる場合、アジン系染料は樹脂に1.5%までしか溶解せず、過剰に色素を添加した場合、色素が析出して光学特性を損なう。さらに、アジン系染料に加えて、例えば、アミニウム塩系、又はフタロシアニン系のアミニウム塩系の赤外線吸収剤を樹脂に分散させると、これらはアジン系染料より樹脂に溶解しやすく、アジン系染料が析出してしまうことがある。このように黒色色素、赤外線吸収剤はそれぞれ樹脂に対する溶解度が異なるために、一度に樹脂に溶かすことが難しい。これらのことから、調光層を厚くしなければならないが、厚膜の層を均一に成膜することは難しく、光学フィルタの光学特性を向上させることが難しかった。
解決しようとする問題点は、調光層に含まれる光学材料の内、高温・高湿環境での耐久性が低くいものがあり、この吸収材料の経年劣化により光学フィルタの光学特性が劣化するという点と、光学フィルタの光学特性を向上させるという点である。
本発明は、複数の調光層を備えた光学フィルタであって、高温・高湿環境での耐久性の低い光学材料を含む調光層から順に透明基材上に積層してなることを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、高温・高湿環境での耐久性の最も低い光学材料を含む調光層が、透明基材上の最下層に設けられて他の調光層と透明基材とによって保護されるため、最下層の調光層の光学材料の劣化を極力抑えることができ、ひいては光学フィルタの寿命を延ばすことが可能となる。また、本発明は、調光層を複数の層とすることにより、良好な光吸収特性を持った調光層を形成することができ、湿式成膜技術を用いて全体として所望の光学特性を得ることが可能となる。
本発明は、高温・高湿環境での耐久性の最も低い光学材料を含む調光層が、透明基材上の最下層に設け、この調光層を他の調光層と透明基材とによって挟持することにより、この調光層を水分、熱から保護し、光学フィルタの光学特性の劣化を抑えることを実現した。また、本発明は、調光層を複数の層とすることにより、良好な光吸収特性を持った調光層を形成することができ、全体として所望の光学特性を得ることを実現した。
図1は、本発明の光学フィルタの実施例1の概略断面図であって、本例の光学フィルタ10はNDフィルタであり、第1の調光層1、第2の調光層2をこの順に透明基材3上に塗布形成してなる。
第1の調光層1は、5μm〜100μmから適宜に選択された厚さの樹脂層で、次のように形成される。樹脂としてポリエステル系の2液硬化型インクを用いてあり、この樹脂に、青色色素と、第1の光学材料としての赤外線吸収剤とを、樹脂に対する溶解度の許容範囲で適宜に溶解させる。青色色素としては、例えば、アンスラキノン系染料を用い、赤外線吸収剤としては、例えば、ジイモニウム系、アミニウム塩系、フタロシアニン系の光学材料を用いる。後述する第2の調光層に溶解する黒色色素と、第1の調光層に溶解する青色色素と、赤外線吸収剤とは、最終的なNDフィルタが可視光領域で波長依存性のない均一な調光を実現するように定量されている。以上のように色素を溶解した樹脂を透明基材3上に印刷し、硬化させて第1の調光層が形成される。
第2の調光層2は、5μm〜100μmから適宜に選択された厚さの樹脂層で、次のように形成される。樹脂としてポリエステル系の2液硬化型インクを用いてあり、この樹脂に、これに第2の光学材料として黒色色素、例えば、アジン系染料を樹脂に対する溶解度の許容範囲で適宜に溶解させてインクとする。このインクを第1の調光層1上に印刷し、硬化させて第1の調光層が形成される。
透明基材3は、PET(Polyethylene Terephthalate)からなり、25μm〜100μmから適宜に選択された厚さである。
光学フィルタ10では、第1の調光層1の赤外線吸収剤より比較的に高温・高湿環境での耐久性に優れる黒色色素を含む第2の調光層2と、透明基材3とによって第1の調光層1で挟持してあり、第1の調光層1の光学材料を水分、熱から保護し、光学フィルタの光学特性の劣化を抑えることが可能となるという効果を奏する。
また、光学フィルタ10では、調光層を複数の層とすることにより、印刷技術、言い換えれば、湿式成膜技術を用いて、適当な光吸収特性を持った調光層を形成することができ、全体として所望の光学特性を得るという効果も奏する。
図2は、本発明の光学フィルタの実施例2の概略断面図であって、本例の光学フィルタ20は、実施例1の光学フィルタ10の第1の調光層1、第2の調光層2を透明基材3の裏面にも設けたものである。例えば、透明基材3の両面に第1の調光層1、1を印刷形成した後に、これら第1の調光層1、1のそれぞれに第2の調光層2、2を印刷形成して、本例の光学フィルタ20は構成される。
光学フィルタ20では、実施例1の効果に加えて、透明基材3の両面に第1の調光層1、第2の調光層2を設けることによって、光学フィルタ20の反りを抑制することができる。また、光学フィルタ20では、第1の調光層1、第2の調光層2を2つ設けるために、各層を薄くすることができ、色素を樹脂に無理なく分散させることができ成膜性が向上する。これらから光学フィルタ20は光学特性をさらに向上させることができる。
図3は、本発明の光学フィルタの実施例3の概略断面図であって、本例の光学フィルタ30は、実施例2の光学フィルタ20の第2の調光層2、2上にそれぞれ帯電防止層4、4を設け、さらに帯電防止層4、4上にそれぞれ反射防止膜5、5を設けてある。帯電防止層4、4は、酸化スズ等の導電性酸化物のナノ粒子を樹脂に分散させたインクを第2の調光層2、2上に塗布形成してなり、50nm〜200nmから適宜に選択された厚さである。反射防止膜5、5は、フッ化アクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂等を帯電防止層4、4上に塗布形成してなり、50nm〜100nmから適宜に選択された厚さである。
光学フィルタ30では、実施例2の効果に加えて、帯電防止層4によって帯電を防止して静電気によりゴミの付着を抑えることが可能となり、また、反射防止膜5により反射光による光学特性の劣化を抑えることが可能となる。
デジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学系において利用されるNDフィルタ、カラーフィルタ、赤外線カットフィルタ等の光学フィルタに適用できる。上述の各実施例では光学フィルタとしてNDフィルタを用いた例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、光学材料についても赤外線吸収剤に限らずに色素等様々なものでよく、湿式成膜技術を用いて形成された複数の調光層を有する光学フィルタであれば、カラーフィルタ、赤外線カットフィルタ等様々なものに適用可能である。
1 第1の調光層
2 第2の調光層
3 透明基材
10 光学フィルタ
20 光学フィルタ
4 帯電防止層
5 反射防止膜
30 光学フィルタ
2 第2の調光層
3 透明基材
10 光学フィルタ
20 光学フィルタ
4 帯電防止層
5 反射防止膜
30 光学フィルタ
Claims (4)
- 光学材料を含む樹脂からなる複数の調光層を透明基材上に設けてなる光学フィルタであって、高温・高湿環境での耐久性の最も低い光学材料を含む調光層が、前記透明基材上の最下層に設けてあり、当該調光層を他の調光層と前記透明基材とによって挟持することを特徴とする光学フィルタ。
- 透明基材上に形成され、第1の光学材料を含む樹脂からなる第1の調光層と、
前記第1の調光層上に形成され、第2の光学材料を含む樹脂からなる第2の調光層と、
を備えてあり、前記第2の光学材料は、高温・高湿環境での耐久性において前記第1の光学材料よりも優れるものであることを特徴とする光学フィルタ。 - 前記透明基材の両面に前記第1の調光層と前記第2の調光層とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルタ。
- 前記第2の調光層上に、帯電防止層と反射防止膜とをこの順に設けたことを特徴とする請求項3に記載の光学フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009014912A JP2010175578A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 光学フィルタ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009014912A JP2010175578A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 光学フィルタ |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002071940A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光学フィルターおよびこれを用いた前面板ならびに画像表示装置 |
JP2003004939A (ja) * | 2001-06-25 | 2003-01-08 | Asahi Glass Co Ltd | 光学フィルム |
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2009
- 2009-01-27 JP JP2009014912A patent/JP2010175578A/ja active Pending
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