JP2010174767A - ガスタービン,ガスタービンの制御装置及びガスタービンの点火制御方法 - Google Patents

ガスタービン,ガスタービンの制御装置及びガスタービンの点火制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、万が一点火失敗時にも排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制することにある。
【解決手段】本発明は、燃料中の水素含有量を推定する手段と、圧縮機内を流れる空気の一部を抽気する分岐系統と、分岐系統を流れる空気の流量を調節する流量制御機構と、ガスタービンの点火時に、推定手段から得られる燃料中の水素含有量に応じた分岐系統を流れる空気の流量を算出し、流量制御装置に制御信号を出力する分岐系統の空気流量算出部を有した制御装置とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明はガスタービン,ガスタービンの制御装置及びガスタービンの点火制御方法に関する。
製鉄プロセスから発生するコークス炉ガスや高炉ガス,石油精製プロセスから発生する副生ガスなどは、数%から数十%程度の水素ガスを含む。これらのガスを有効利用するための一手段として、ガスタービンで燃焼させ、発電する方法が挙げられる。
ここで、水素ガスは天然ガスに比べ、希薄可燃限界が小さいという特徴がある。例えば、天然ガスの主成分であるメタンの希薄可燃限界は、体積濃度で5%程度であり、化学量論比の約1/2である。一方、水素ガスの希薄可燃限界は、体積濃度で4%程度であり、化学量論比の約1/7と小さい。即ち、水素ガスが希薄状態でも燃焼しやすいことを示している。そのため、水素ガスを含有する燃料をガスタービンで使用する際には、軽油などの比較的安全な起動用燃料を利用して点火を行った後、水素含有燃料に切り換えて使用している(特許文献1)。
特開2007−33022号公報
起動用燃料を用いて起動する場合、点火を失敗した際に、排気ダクトなど予期しない場所の燃空比が希薄可燃限界を超え、排気ダクトで燃料が燃焼するおそれがあった。
そこで本発明の目的は、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、万が一点火に失敗した時に、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制することにある。
本発明は、燃料中の水素含有量を推定する手段と、圧縮機内を流れる空気の一部を抽気する分岐系統と、分岐系統を流れる空気の流量を調節する流量制御機構と、ガスタービンの点火時に、推定手段から得られる燃料中の水素含有量に応じた分岐系統を流れる空気の流量を算出し、流量制御装置に制御信号を出力する分岐系統の空気流量算出部を有した制御装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、万が一点火に失敗した時に、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制できる。
実施例1に係るガスタービンシステムの構成を表すシステムフロー図である。 実施例1に係るガスタービン制御装置の構成を表すシステムブロック図である。 実施例2に係るガスタービンシステムの構成を表すシステムフロー図である。 実施例2に係るガスタービン制御装置の構成を表すシステムブロック図である。 実施例3に係るガスタービンシステムの構成を表すシステムフロー図である。 実施例3に係るガスタービン制御装置の構成を表すシステムブロック図である。 ガスタービン燃焼器の構造である。
まず、天然ガスなどを燃料とする通常のガスタービンにおいて、燃焼器の点火制御方法を説明する。
天然ガスなどを燃料とする通常のガスタービンは、点火時に、起動用モータなどの補助動力を用いて、ガスタービンの回転数を定格回転数の数分の一程度の低速回転とする。そして、燃焼器に燃料を供給し、点火栓によって点火する。このとき、燃焼器に供給される燃料と空気の比率は、化学量論比の半分以下である燃料希薄状態に設定される。点火時において、燃焼器に供給される燃料と空気の比率を燃料希薄状態とする理由は、万が一、点火栓による点火を失敗した場合に、ガスタービン下流側の排気ダクト内において、燃料と空気の比率を希薄可燃限界以下に保持するためである。そして、点火失敗時にも、燃料が排気ダクト内で燃焼することを防止できる。
図7は、ガスタービン燃焼器の構造を示す。圧縮機1で圧縮された空気101は、デフューザ31を通って燃焼器2に流入し、外筒23と燃焼器ライナ24の間を通過する。その空気101の一部は、燃焼器ライナ24の冷却空気25として燃焼室21に流入する。また、その空気101の残りは空気流27として燃焼空気孔26を通り燃焼室21に流入する。燃焼室21と燃料ノズル22との間には、燃焼空気孔26を設けた盤状部材20が配置されている。図7では、盤状部材20に設けられた燃焼空気孔26がバーナーを構成する。
図7のガスタービン燃焼器において、点火栓が挿入されてガスタービン燃焼器に点火される時、バーナーから燃焼室21に供給される空気流量は、燃焼器に流入する空気101の全量に比べ、おおよそ1/2〜3/4程度である。残りの空気101は、燃焼器ライナ24に設けられた冷却孔や希釈孔を通じて、冷却空気25として燃焼室21に流入する。そのため、燃焼室上流側のバーナー近傍は、燃料と空気の比率(すなわち、燃空比)が希薄可燃限界以上となる。そして、点火栓による点火が可能な条件となる。
以上のような点火制御方法により、燃焼室上流側が点火栓による点火を可能とする燃料の濃い状態になると同時に、タービンより下流側の排気ダクトは燃料濃度を希薄可燃限界以下に保持する。したがって、燃焼器の確実な点火と、予期しない場所における燃料の燃焼を防ぐことを両立させている。
これに対し、コークス炉ガスや高炉ガス、または、石油精製プロセスから発生する副生ガスなどは、それらの組成中に水素ガスを含む。前述のように、水素ガスの希薄可燃限界は小さいため、点火失敗時に、排気ダクト内部の水素ガス濃度が希薄可燃限界を予期せず超えてしまう可能性がある。水素ガス濃度が希薄可燃限界を超えると、水素ガスが排気ダクト内部で燃焼する。そのため、水素ガスが排気ダクト内部で燃焼することを防止するためには、点火時に、燃焼室上流側をより燃料希薄な条件としなければならない。しかし、燃焼器の点火条件が希薄すぎると、燃焼室内上流側での爆発力も小さくなり、点火失敗の確率が高くなる。そのため、水素ガス含有燃料で燃焼器を点火する際にも、着火を確実に行うとともに、予期しない場所で燃料が着火することを予防することが求められている。
図1は、実施例1に係るガスタービンの構成を表すシステムフロー図である。
発電用ガスタービンは、圧縮機1,燃焼器2,タービン3を備え、タービン3の出力により発電機4を回転させ電力を得る。
圧縮機1は空気100(大気圧)を圧縮し、高圧の空気101を生成する。空気101は燃焼器2へ流入し、燃料の燃焼に使用される。燃焼器2内で生じた燃焼ガス103は、タービン3へと送られ、タービン3を駆動する。タービン3を出たタービン排気ガス104は、排気ダクト5を通って、排気塔6から大気中へと放出(105)される。タービン3で得られた駆動力はシャフト7aを通じて圧縮機1に伝えられ、空気の加圧に用いられる。また、シャフト7bを通じて発電機4に伝えられ、電力に変換される。タービン3によって駆動される機械は、ポンプやスクリューなど、発電機4以外の機械であってもよい。
ここで、本実施例の圧縮機1は、圧縮機内部を流れる空気の一部を抽気する分岐系統110を有する。分岐系統110は、分岐空気流量制御機構111を介して、タービン3より下流側の排気ダクト5に配管されている。分岐系統110の目的は、分岐空気流量を増加させることにより、燃焼器2に流入する空気101を減少させ、少量の燃料で燃焼器2の点火を可能にすることである。したがって、分岐系統110は燃焼器の上流から下流まで、燃焼器をバイパスするように構成されていればよい。
次に、このガスタービンの起動方法について説明する。
まず、起動装置8によって、タービン回転数が定格回転数の数分の一程度の低速回転数となるように、圧縮機1を回転させる。(なお、本実施例では、タービンと圧縮機が一軸で連結されている。そのため、タービンと圧縮機の回転数は同じである。)このとき、タービンの回転部分には回転数検出器11が設けられており、回転数410が図2に示した制御装置12へ送られる。タービン回転数が予め設定された回転数に達した後、一定時間回転を継続するパージ運転を行う。このとき、圧縮機1から送り出された空気が、燃焼器2及びタービン3を経て排気塔6まで流れ、排気ダクト5の未燃燃料を外部へ排出させる。したがって、点火時に、排気ダクト5において予期せぬ燃焼などを防止できる。
パージ運転終了後、燃料200は、燃料流量制御弁201で流量を調整されて、燃焼器2の燃焼室内へ流入する。それと同時に、点火栓9が燃焼室内へ挿入されて、点火が行われる。ここで、燃料配管に水素含有量検知手段10が配置されている。水素含有量検知手段10は、例えば、配管中のガスの一部を吸引して、ガスクロマトグラフや質量分析計、あるいは熱量計などによって、水素濃度を推定する手段が考えられる。さらに簡便には、燃料取引時の書類に記載されている組成や発熱量から推定した水素濃度を、予め制御装置に入力しておくマニュアル操作でもよい。
図2は、ガスタービンの制御装置を示す。
水素含有量検知手段10によって求められた水素含有量400は、制御器401及び制御器411に入力される。
点火燃料流量算出部は、制御器401を有する。制御器401は、水素含有量に応じた点火燃料減少分402を求める。点火燃料減少分402は、標準的な燃料(例えば、メタンを主成分とした天然ガスなど水素含有量が小さいガス燃料)を点火させる際に必要な点火燃料流量403との差分を表す。減算器404は、点火燃料流量403から点火燃料減少分402を減算し、点火燃料指令値405を算出する。そして、点火燃料指令値405に基づき、図1の燃料流量制御弁201に対して開度信号406を発する。ここで、制御器401は、水素含有量400が少ない場合は点火燃料減少分402を小さくし、水素含有量400が多い場合は点火燃料減少分402も大きくなるように、水素含有量400と点火燃料減少分402の関係が設定されている。
以上の燃料流量制御と並行して、以下の空気流量制御を行う。
分岐系統の空気流量算出部は、制御器411を有する。制御器411は、水素含有量400に応じた分岐弁開度増加分412を求める。一方、標準的な燃料を燃焼させる際に、分岐系統110に流れる空気の流量を確保するために必要な分岐弁開度413は、回転数410の関数で算出される。加算器414は、分岐弁開度413及び分岐弁開度増加分412を加算し、最終的な分岐弁開度指令値415を算出する。そして、加算器414は、分岐弁開度指令値415を分岐空気流量制御機構111に送信する。ここで、制御器411は、水素含有量400が少ない場合は分岐弁開度増加分412を小さくし、水素含有量400が多い場合は分岐弁開度増加分412も大きくなるように、水素含有量400及び分岐弁開度増加分412の関係が設定されている。
このようにガスタービンの点火時に、制御装置12は、水素含有量検知手段10から得られる燃料中の水素含有量に応じ、分岐系統110を流れる空気の流量を分岐弁開度指令値として算出し、分岐空気流量制御機構111に指令値を送信する。また、制御器411では、燃料の水素含有量400が多い場合、分岐空気102の流量を増加させるため、燃焼器下流側の排気ダクト5に通常より多くの空気が供給される。そのため、燃焼器2内の燃空比に対して、排気ダクト5内の燃空比は小さくなる。燃料の水素含有量400が多いほど、排気ダクト5内の燃空比は小さくなる。したがって、万が一点火失敗時にも、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制できる。
更に、制御器401は、水素含有量400が多い場合、点火燃料減少分402が大きくなるように設定されている。そのため、燃焼器2に供給される燃料流量は少なくなる。また、水素含有量400が多い場合、分岐空気102の流量が増加すると共に、燃焼器に流入する空気101の流量は減少する。
また、水素含有量400が少ない場合、燃焼器2に供給される燃料流量は多くなると共に、分岐空気流量は減少させ、燃焼器に流入する空気101の流量は増加する。このように、制御器401及び制御器411を備えることにより、燃焼器のバーナー近傍の燃空比は確実に点火可能な値となる。
したがって、万が一点火失敗時に、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制できると同時に、燃焼器2内の燃料と空気の比率(燃空比)を、確実に点火可能な燃空比に保つことが可能になる。
以上のような構成及び制御器により、いかなる水素含有量に対しても、点火栓による点火を可能とする燃料の濃い状態を燃焼器上流側に生じさせると同時に、タービン下流での燃料濃度は希薄可燃限界以下に保持できる。そのため、確実に点火できると共に、万が一の際に、予期しない場所(排気ダクトなど)で燃料が燃焼することを抑制でき、信頼性,安全性が向上する。
また、水素ガス含有燃料を用いた点火が可能となるため、都市ガスや軽油などの点火・起動用燃料を別途用いる必要がなくなり、設備のコスト低減が図れる。さらに、起動途中に、起動用燃料から水素ガス含有燃料に切り換える操作も不要となることから、設備の取り扱いが容易になり、起動時間の短縮が図れる。
そして、分岐系統110は、以下の変形例も考えられる。
第1に、分岐系統110の取り出し口を、圧縮機1の下流側流路に設けることもできる。上述したように、分岐系統110は燃焼器の上流から下流をバイパスするように構成されていれば、本実施例の効果は得られる。
この場合、分岐系統110の取り出し口は、外筒23に設ける。圧縮機1の下流側は、燃焼器尾筒28を格納する空間となっており、圧縮機中間段よりも広い空間を確保しやすい。そのため、分岐系統110の取り出し口を圧縮機1の下流側流路に設けることで、分岐系統110の取り出し口32を設けやすい利点がある。
第2に、燃焼器尾筒28を貫通する穴を設けると共に、分岐空気流量制御機構111を外筒23の内部に設けることもできる。即ち、燃焼器尾筒28を貫通する穴が、燃焼器の上流から下流をバイパスする流路(分岐系統110)となる。このような構成とすることにより、外筒23及び燃焼器尾筒28との間の空間に、分岐系統110および分岐空気流量制御機構111をコンパクトに格納することができる。この場合も、分岐系統110は燃焼器の上流から下流までバイパスするように構成されているため、本実施例の効果は得られる。
図3は、実施例2に係るガスタービンの構成を表すシステムフロー図である。図4は、実施例2におけるガスタービンの制御装置を示す。
実施例2が実施例1と異なる点は、制御装置12において、水素含有量400に基づき点火時の回転数指令値を求める装置を備えた点である。
ガスタービン回転数算出部は、制御器421を有する。制御器421は、水素含有量検知手段10によって求められた水素含有量400をもとに、回転数増加分422を算出する。点火回転数423は、標準的な燃料に対して予め設定されている。そのため、加算器424が、点火回転数423及び回転数増加分422の和である点火回転数指令値425を算出する。そして、加算器424が起動装置8に点火回転数指令値425を送信する。ここで、制御器421は、水素含有量400が少ない場合、回転数増加分422を小さくし、水素含有量400が多い場合、回転数増加分422も大きくなるように、水素含有量400及び回転数増加分422の関係が設定されている。
以上の回転数制御と並行して、実施例1で述べた分岐空気流量制御を行う。その方法は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。なお、本実施例においても、制御器411は、水素含有量400が少ない場合、分岐弁開度増加分412を小さくし、水素含有量400が多い場合、分岐弁開度増加分412も大きくなるように設定されている。
以上の制御を行うことで、燃料の水素含有量400が多い場合、点火回転数指令値425によって圧縮機回転数を増加させ、圧縮機1に吸込まれる空気100の流量は多くなる。また、分岐弁開度指令値415によって分岐空気102の流量も増加する。したがって、制御器421及び411の設定を適切に行うことで、これらの効果が相殺されて、燃焼器に流入する空気101の流量は水素含有量によらずほぼ一定となる。本実施例において、点火燃料指令値は、水素含有量400の大小に関わらず一定である。そのため、燃焼器2内の燃料と空気の比率(燃空比)はほぼ一定となり、点火を確実に行うことが可能である。
また、燃焼器下流側の排気ダクト5は、水素含有量400が多い場合、分岐空気102の流量が増加する。そのため、燃焼器2内の燃空比に対して、排気ダクト5内の燃空比は小さくなる。水素含有量400が多いほど、排気ダクト5内の燃空比は小さくなる。そのため、万が一点火失敗時にも、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制できる。
以上のような構成及び制御器により、いかなる水素含有量に対しても、点火栓による点火を可能とする燃料の濃い状態を燃焼器上流側に生じさせると同時に、タービン下流での燃料濃度は希薄可燃限界以下に保持することで、確実に点火できると共に、万が一の際に、予期しない場所(排気ダクトなど)で燃料が燃焼することを抑制でき、信頼性,安全性が向上する。
図5は、実施例3に係るガスタービンの構成を表すシステムフロー図である。図6は、実施例3におけるガスタービンの制御装置を示す。
実施例3が実施例1と異なる点は、圧縮機1の上流側に設けられた、圧縮機吸込み空気100の流量を調整する吸込み空気流量制御機構112と、水素含有量400に対応して点火時の圧縮機が吸込む空気量を調整する制御器431とを設けた点にある。
圧縮機吸込み空気流量算出部は、制御器431を有する。制御器431は、水素含有量検知手段10によって求められた水素含有量400に応じた吸込み弁開度増加分432を算出する。なお、標準的な燃料を使用した場合に圧縮機1が吸込む空気量を規定する吸込弁開度433は、回転数410の関数として予め設定されている。加算器434は、吸込弁開度433及び吸込み弁開度増加分432の和である吸込み弁開度指令値435を算出し、吸込み空気流量制御機構112にこの指令値435を送信する。ここで、制御器431は、水素含有量400が少ない場合、吸込み弁開度増加分432は小さくし、水素含有量400が多い場合、吸込み弁開度増加分432も大きくなるように、水素含有量400及び吸込み弁開度増加分432の関係が設定されている。
以上の圧縮機吸込み空気流量の制御と並行して、実施例1で述べた分岐空気流量制御を行う。その方法は、実施例1と同様であるので、説明は省略する。本実施例においても、制御器411は、水素含有量400が少ない場合、分岐弁開度増加分412は小さく、水素含有量400が多い場合、分岐弁開度増加分412も大きくなるように、水素含有量400及び分岐弁開度増加分412の関係が設定されている。
以上の制御を行うことで、水素含有量400が多い場合、吸込み弁開度指令値435によって吸込み弁開度が大きくなるため、圧縮機1に吸込まれる空気100の流量は多くなる。また、分岐弁開度指令値415によって分岐弁開度も大きくなり、分岐空気102の流量も増加する。したがって、制御器431及び411の設定を適切に行うことで、これらの効果が相殺されて、燃焼器に流入する空気101の流量は水素含有量によらずほぼ一定となる。本実施例において、点火燃料指令値は、水素含有量400の大小に関わらず一定である。そのため、燃焼器2内の燃料と空気の比率(燃空比)はほぼ一定となり、点火を確実に行うことが可能である。
また、燃料の水素含有量400が多い場合、分岐空気102の流量が増加する。そのため、燃焼器下流側の排気ダクト5の燃空比は、燃焼器2内の燃空比に対して小さくなる。水素含有量400が多いほど、排気ダクト5内の燃空比は小さくなるため、万が一点火失敗時にも、水素ガスを含有する燃料を使用するガスタービンが、排気ダクト内で燃料が燃焼することを抑制できる。
以上のような構成及び制御器により、いかなる水素含有量に対しても、点火栓による点火を可能とする燃料の濃い状態を燃焼器上流側に生じさせると同時に、タービン下流での燃料濃度は希薄可燃限界以下に保持することで、確実に点火できると共に、万が一の際に、予期しない場所(排気ダクトなど)で燃料が燃焼することを抑制でき、信頼性,安全性が向上する。
製鉄プロセスから発生するコークス炉ガスや高炉ガス、または、石油精製プロセスから発生する副生ガスなど、組成中に水素ガスを含むガスを有効利用するためのガスタービンとして発電に利用できるほか、上記燃料を用いて熱と電力を併給可能なコジェネレーションシステム、あるいはポンプ・圧縮機・スクリューなどの機械駆動用エンジンとしても適用可能である。
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
4 発電機
5 排気ダクト
6 排気塔
7 シャフト
8 起動装置
9 点火栓
10 水素含有量検知手段
11 回転数検出器
12 制御装置
100,101 空気
102 分岐空気
103 燃焼ガス
104 タービン排気ガス
105 排気筒排気ガス
110 分岐系統
111 分岐空気流量制御機構
112 吸込み空気流量調節機構
200 燃料
201 燃料流量制御弁
400 水素含有量

Claims (6)

  1. 圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と水素ガスを含有する燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、
    前記燃料中の水素含有量を検知する手段と、
    前記圧縮された空気の一部を抽気する分岐系統と、
    前記分岐系統を流れる空気の流量を調節する流量制御機構と、
    前記ガスタービンの点火時に、前記検知手段から得られる前記燃料中の水素含有量に応じた前記分岐系統を流れる空気の流量を算出し、前記流量制御装置に制御信号を出力する分岐系統の空気流量算出部を有した制御装置とを備えたことを特徴とするガスタービン。
  2. 請求項1に記載のガスタービンであって、
    ガスタービンの回転数制御機構と、
    前記ガスタービンの点火時に、前記推定手段から得られる前記燃料中の水素ガス含有量に応じたガスタービン回転数を算出するガスタービン回転数算出部を有した制御装置とを備えたことを特徴とするガスタービン。
  3. 請求項1に記載のガスタービンであって、
    前記圧縮機の吸込み空気流量制御機構と、
    前記ガスタービンの点火時に、前記推定手段から得られる前記燃料中の水素ガス含有量に応じた前記圧縮機の吸込み空気流量を算出する圧縮機吸込み空気流量算出部を有した制御装置とを備えたことを特徴とするガスタービン。
  4. 請求項1乃至3に記載のガスタービンであって、
    前記燃料中の水素ガス含有量が小さい場合、前記分岐系統を流れる空気の流量も小さくなるように、
    前記燃料中の水素ガス含有量が大きい場合、前記分岐系統を流れる空気の流量も大きくなるように調節することを特徴とするガスタービン。
  5. 圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と水素ガスを含有する燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮された空気の一部を抽気する分岐系統とを備えたガスタービンの制御装置であって、
    前記ガスタービンの点火時に、前記水素ガスを含有する燃料の水素含有量に応じ、前記分岐系統を流れる空気の流量を算出する分岐系統の空気流量算出部を有することを特徴とするガスタービンの制御装置。
  6. 圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気と水素ガスを含有する燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃焼器からの燃焼ガスにより駆動されるタービンと、前記圧縮された空気の一部を抽気する分岐系統とを備えたガスタービンの点火制御方法であって、
    前記ガスタービンの点火時に、前記水素ガスを含有する燃料の水素含有量に応じ、前記分岐系統を流れる空気の流量を調節することを特徴とするガスタービンの点火制御方法。
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WO2015037295A1 (ja) * 2014-06-12 2015-03-19 川崎重工業株式会社 マルチ燃料対応のガスタービン燃焼器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015037295A1 (ja) * 2014-06-12 2015-03-19 川崎重工業株式会社 マルチ燃料対応のガスタービン燃焼器
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