JP2010172475A - 経皮的薬剤投与システム - Google Patents

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Abstract

【課題】経皮的薬剤投与システムの小型化、及び複数種類の薬剤及び電流プロファイルの管理と確認を簡便化する。
【解決手段】経皮的薬剤投与システム10aは、識別情報34を記録した識別情報記憶手段としてのRFタグチップ20及び薬剤38を備えたパッチ12、コントローラ電源52aを備えたコントローラ14a、複数の電流プロファイル90を記録したクレイドル16によって構成されている。クレイドル16が、識別情報34を読み込み、また該識別情報34に基づいた電流プロファイル90を選択し、コントローラ14aへ送信することによって、薬剤38の確認、及び該電流プロファイル90に基づいた薬剤38の投与を1つのコントローラ14aで行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、経皮的薬剤を有するパッチと、所定のコントローラを用いて皮膚に貼られたパッチに電流を流して薬剤を皮膚から投与する経皮的薬剤投与システムに関する。
一般に、薬剤の投与には経口投与や注射による投与がよく用いられている。経口投与の場合、服用の簡便さ、安全性に優れているものの、水溶性薬剤や高分子薬剤が十分に吸収されないという課題がある。また注射の場合も、速効性という利点はあるが、患者に苦痛を与えてしまうという不都合がある。
現在では、従来から用いられているこれらの方法の課題や不都合を補う目的で、皮膚を通しての薬剤投与システム(以下、経皮的薬剤投与システムと称する)の開発が進められている。経皮的薬剤投与システムには、電気エネルギーを使用する方法、超音波を使用する方法等、いくつかの方法が提案されてきた。
電気エネルギーを使用する方法のうち、古くから研究され、一部実用化されている方法として、イオントフォレシスがある。イオントフォレシスは、皮膚の離れた2点に正負の電極を装着し、正極から、皮膚の角質層を横切った後、角質層より体内側を通過して、負極へとつながる電流が生じることにより、角質層部分において、荷電した薬剤を電気泳動の原理で移動させて吸収させる方法である。原理的には荷電薬剤が吸収促進の対象となるが、電流によって水の流れも生じるため、電荷を持たない薬剤や分子量の大きな薬剤でも皮膚透過性が上昇すると報告されている。
特許文献1では、イオントフォレシスの例として電極に薬剤を備えるパッチに電池駆動であるコントローラを組み合わせ、該コントローラから電極に電力を供給することが開示されている。特許文献1では、パッチに設けられた複数の反射板における光の反射状況をパッチの種類を判別し、該パッチに対する供給電流を切り換えている。
一般的なイオントフォレシスは、薬剤を含んだパッチと、該パッチに電流を供給するコントローラとを有し、該コントローラの電源は、壁電源から供給する方式である。そのために、コントローラを始め、システムとして大型化する傾向があり、さらに薬剤投与中も患者の行動が制限されるといった課題を有していた。
また、一般的なイオントフォレシスにおいて、医師や看護師等といった有資格者が、患者の症状に応じて、電気出力、すなわちエネルギー及びエネルギーのプロファイル(時間変化の波形)の設定を、専用のコントローラで行ってきた。なお、イオントフォレシスにおけるプロファイルは、薬剤投与速度、薬剤投与時間、電流値等の設定を意味する。プロファイルの設定作業は、パッチごとに、コントローラにおけるボリューム等を調整する方法であるため、複数種類のパッチを扱う場合、手間がかかると共に、管理及び確認が困難であった。また、このような機能を有することから、コントローラは据え置き型で大きい。
一方、特許文献1のコントローラは、複雑なプロファイルの設定をすることなく、単純に供給電流を切り換えるだけであることから小型であり、しかも電池駆動であることから、薬剤投与中の患者を拘束することがない。
特表平11−506368号公報
ところで、前記の特許文献1のような形式のイオントフォレシスでは、パッチに応じて供給電流を切り換えるだけであり、時間に応じて電流値を変化させることはできない。また、回路上の制約から対応可能なパッチの種類には限度がある。コントローラの電池は交換が必要となり、メンテナンスに手間がかかる。
さらに、特許文献1のように、コントローラにて直接パッチの種類を判断するためには、コントローラがその分大型化してしまう課題を有している。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、薬剤投与中の患者を拘束することなく、しかもパッチに応じたプロファイルの設定を自動で、且つ1つのコントローラで行えることで、これらの管理及び確認の簡便化を図ると共に、小型な経皮的薬剤投与システムを提供することを目的とする。
本発明に係る経皮的薬剤投与システムは、電極部に薬剤を備えると共に、識別情報を記録した識別情報記憶手段を備える複数種類のパッチと、1つの前記パッチに接続され、前記電極部に給電する蓄電部を備えたコントローラと、前記パッチ及び前記コントローラがセットされるクレイドルとを有し、前記クレイドルは、前記パッチの種類に応じた前記薬剤の投与速度及び投与時間を含むプロファイルが複数記録された記憶部と、前記パッチから前記識別情報を読み込む第1通信部と、前記第1通信部から得られた識別情報に基づいて前記記憶部の複数のプロファイルから1つを選択する選択部と、前記選択部により選択されたプロファイルを前記コントローラへ供給する第2通信部とを備え、前記コントローラは、前記第2通信部から得られたプロファイルに基づいて、前記蓄電部から前記電極部に対する電流を変化させることを特徴とする。
本発明に係る経皮的薬剤投与システムは、電極部に薬剤を備えると共に、識別情報を記録した識別情報記憶手段を備える複数種類のパッチと、1つの前記パッチに接続され、前記電極部に給電する蓄電部を備えるコントローラと、前記パッチ及び前記コントローラがセットされるクレイドルとを有し、前記クレイドルは、前記パッチから前記識別情報を読み込む第1通信部と、前記第1通信部から得られた識別情報を前記コントローラへ供給する第2通信部とを備え、前記コントローラは、前記パッチの種類に応じた前記薬剤の投与速度及び投与時間を含むプロファイルが複数記録された記憶部と、前記第2通信部から得られた識別情報に基づいて前記記憶部の複数のプロファイルから1つを選択する選択部とを備え、前記選択部によって選択されたプロファイルに基づいて、前記蓄電部から前記電極部に対する電流を変化させることを特徴とする。
これによって、薬剤投与中の患者を拘束することなく、パッチに応じた電流プロファイルの設定を自動で、且つ1つのコントローラで行えることで、これらの管理及び確認が簡便となり、システムの小型化も可能となる。
前記第1通信部は、所定の第1通信方式による通信部であり、前記第2通信部は、前記第1通信方式と異なる第2通信方式による通信部であってもよい。
前記第1通信方式と前記第2通信方式とが、異なった通信方式を用いることで、互いに干渉することなく、安定した通信を行うことができる。
また、前記識別情報記憶手段は、RFタグのチップであり、前記第1通信方式は、RF通信であってもよい。さらに、前記RFタグのチップは、パッシブ型であってもよい。
無線通信であるRF通信を行うことによって、パッチとの通信に、コネクタ等の機械的な接触は不要となり、異物の侵入等による通信障害を防止することができる。また、製品の耐久性の面でも好適である。また、パッチでは電池等の電源が不要となり、パッチの小型化が可能となる。また、電源を有さないため、RFタグの保存期間に制約がなくなることで、パッチの管理が簡便となる。
さらにまた、前記第2通信方式は、赤外線通信であってもよい。
無線通信である赤外線通信を行うことによって、コントローラとの通信に、コネクタ等の機械的な接触は不要となり、異物の侵入等による通信障害を防止することができる。また、製品の耐久性の面でも好適である。さらに、前記第1通信方式と、異なった通信方式を用いることで、通信位置及び手段(赤外線と電波)が異なるため、互いに干渉することなく、安定した通信を行うことができる。
また、前記クレイドルは、前記蓄電部を充電可能であってもよい。
これによって、コントローラの蓄電部の交換頻度が削減され、メンテナンスが簡便となる。
また、前記識別情報記憶手段は、バーコードであってもよい。さらに、前記識別情報記憶手段は、二次元コードであってもよい。さらにまた、前記第1通信部は、スキャナであってもよい。
これらによって、安価なシステムの提供が可能となり、第1通信方式と第2通信方式とでは、通信位置及び手段(可視光と赤外線)が異なるため、混信することがなく、安定した通信を行うことができる。
また、前記プロファイルは、さらに、薬剤の投与開始時に投与速度を増加させる初期加速時間を含んでもよい。
これによって、薬剤投与時に患者への負担が軽減されるように、プロファイルを設定することができる。
本発明に係る経皮的薬剤投与システムによれば、薬剤投与中の患者を拘束することなく、しかもパッチに応じた電流プロファイルの設定を自動で、且つ1つのコントローラで行えることで、これらの管理及び確認が簡便でありながら、システムの小型化が可能になるという効果を達成することができる。
第1の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システムを示す全体斜視図である。 パッチの概略下面図である。 パッチの上方向からの全体斜視図である。 コントローラの下方向からの全体斜視図である。 コントローラの概略ブロック図である。 電流プロファイルの一例を示した時間と電流値の相関図である。 クレイドルの全体斜視図である。 クレイドルの概略ブロック図である。 薬剤投与のフローチャートである。 識別情報の読み取り、及び電流プロファイルの書き込みの実施図である。 薬剤投与の実施図である。 第2の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システムを示す分解斜視図である。 コントローラの下方向からの全体斜視図である。 第3の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システムにおけるコントローラの概略ブロック図である。 薬剤投与のフローチャートである。
以下、本発明に係る経皮的薬剤投与システムについて第1〜第3の実施の形態を挙げ、添付の図1〜図15を参照しながら説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10aは、基本構成としてパッチ12と、コントローラ14aと、クレイドル16とによって構成されている。
経皮的薬剤投与システム10aでは、パッチ12がコントローラ14aと一体化して患者36の皮膚に貼られた後、コントローラ14aからパッチ12へ電流を流して、パッチ12に設けられた薬剤38を経皮的に投与する。
図2及び図3に示すように、パッチ12は、識別情報記憶手段としてのRFタグチップ20、ドナーリザーバー22、リターンリザーバー24、及び一対の接続用ピン26a、26bとによって構成されている。パッチ12は、薄い板状であり、該パッチ12の上面には、上方向を指向して一対の接続用ピン26a、26bが凸設している。ここで、経皮的薬剤投与システム10aにおける上下方向とは、説明の便宜上、図1に示したパッチ12とクレイドル16の接触面に対し垂直方向を指し、コントローラ14a側を上方向、クレイドル16側を下方向とするが、実際の使用時の向きがこれに限定されることはない。また、平面視長方形の一方の短辺における両隅は、面取りがなされており、丸みを帯びている。これによって、コントローラ14aと接続する場合、その向きを間違えることがない。
RFタグチップ20は、パッチ12の下面における略中央に設置されている。RFタグチップ20は、電池等の外部電源を必要としないパッシブ型RFタグ20aである。該パッシブ型RFタグ20aは、ICチップ30及びアンテナ32によって構成されている。該パッシブ型RFタグ20aは、800MHz〜2.54GHzで動作する高周波回路、電源再生回路、メモリ制御回路、メモリ等によって構成されている(いずれも図示せず)。該パッシブ型RFタグ20aの電源は、電源再生回路を用いて外部からの信号を、アンテナ32で受信し、電力に変換することによって直流電源を再生する。パッシブ型RFタグ20aを用いることによって、電池等の電源が不要となり、パッチ12の小型化が可能となる。また、電源を有さないことで、パッシブ型RFタグ20aの保存期間に制約がなくなり、パッチ12の管理が簡便となる。なお、RFタグチップ20は、パッシブ型RFタグ20aに限定されず、例えば、アクティブ型RFタグであってもよい。
ICチップ30には、製造段階で識別情報34が記録されており、クレイドル16で該識別情報34を読み取ることによって、パッチ12の管理及び確認が可能となる。
識別情報34とは、例えば8ビットのデータであり、パッチ12を識別、確認するための情報である。
アンテナ32は、パッチ12の下面にアルミ、銅、銀のエッチングや印刷方式で形成され、コントローラ14aからの信号を受信し、反射する機能を有している。なお、図示しないフィルム等でICチップ30及びアンテナ32が覆われることで、ICチップ30及びアンテナ32は外部と絶縁されており、患者36の皮膚に直接触れることはない。
RFタグチップ20と同一面、すなわちパッチ12の下面には、中心から対称の位置にドナーリザーバー22及びリターンリザーバー24が設けられている。ドナーリザーバー22は、薬剤38を充填すると共に、正極の電極板としての機能をも有する。薬剤38は、陽イオンを有している。
リターンリザーバー24は、ドナーリザーバー22と同一の構造を有しているが、薬剤38の代わりに生理食塩水40を充填し、負極の電極板としての機能をも有している。生理食塩水40は、陰イオンを有している。
接続用ピン26a、26bは、パッチ12の上面に凸設し、且つパッチ12の内部において、ドナーリザーバー22及びリターンリザーバー24と接続している。また、接続用ピン26a、26bは、コントローラ14aにおける凹型の接続用ホック42a、42bに挿入されることで、コントローラ14aからドナーリザーバー22及びリターンリザーバー24へ電気を供給する機能を有する。また、一対の接続用ピン26a、26b及び接続用ホック42a、42bは、それぞれの設置面の中心から非対称位置に設けてもよい。これによって、パッチ12とコントローラ14aを接続する場合、その向きを間違えることがない。
図1、図4及び図5に示すように、コントローラ14aは、平面視でパッチ12と同一の形状である。コントローラ14aは、一対の接続用ホック42a、42b、電源スイッチ44、投与制御スイッチ46、赤色灯48a、緑色灯48b、コントローラ通信用窓50、コントローラ電源52a、コントローラ14aの制御回路であるコントローラ制御部54によって構成されている。
接続用ホック42a、42bは、コントローラ14aにおける下面に、接続用ピン26a、26bと係合できる大きさ及び位置に配設された穴である。接続用ホック42a、42bは、接続用ピン26a、26bと係合することにより、コントローラ14aとパッチ12間を通電する機能を有する。なお、接続用ホック42aが接続用ピン26aに、接続用ホック42bが接続用ピン26bに接続されるものとする。
電源スイッチ44は、オンの状態でコントローラ電源52aからコントローラ制御部54へ通電することで、コントローラ14aとクレイドル16との通信や薬剤38の投与等が可能となり、オフの状態で電気を遮断する機能を有する。電源スイッチ44の種類としては、オルタネイト動作型、モーメンタリ動作型等、様々な種類が考えられるが、いずれにも限定されない。以下に説明する各スイッチも同様である。
投与制御スイッチ46は、オンの状態で患者36の体内へ薬剤38の投与を行い、オフの状態で薬剤38の投与を中断、終了させる機能を有する。なお、投与制御スイッチ46をオンにして、後述する電流プロファイル90に基づく所定の時間が経過した後には、投与が終了したものと判断して、投与制御スイッチ46が自動的にオフとなるように設定してもよい。
図6に示すように、電流プロファイル90とは、時間(t)及び電流値(I)の関係を示した、例えば8ビットのデータであり、例えば薬剤38の投与速度、投与時間、及び投与量を規定するデータである。イオントフォレシスにおいて、該電流値は、薬剤38の投与速度と比例するため、電流プロファイル90を設定することで、薬剤38の投与量の設定も同時に行うことができる。
なお、図6に示すように、電流プロファイル90の、基本的なデータとしては、一定の割合で該電流値を増加させる初期加速時間データA、その後の電流データB、及び投与時間データCからなる。例えば、Aは20〜30秒程度、Bを1mA程度、Cを10分程度に設定すると、患者36へ負担がかからず好適である。また、初期加速時間データA、電流データB、及び投与時間データCは、時間及び電流値が特定可能であれば、どのような表現形式であってもよい。さらにまた、薬剤38の種類の数、電流プロファイル90を設定することで、薬剤38の投与速度、投与時間、及び投与量を簡便に設定することができ、結果、パッチ12の管理を簡便に行うことができる。
赤色灯48a及び緑色灯48bは、例えばLED(Light Emitting Diode)を用いた表示灯である。赤色灯48aは、速い点滅をすることでコントローラ14aの異常動作を患者36や医師や看護師等といった有資格の使用者62に通知する機能を有する。また、赤色灯48aは、遅い点滅をすることで、患者36や使用者62にコントローラ電源52aの残量が少ないことを通知する機能を有する。緑色灯48bは、点滅することで、患者36や使用者62に薬剤投与が正常に行われていることを通知する機能を有する。ただし、赤色灯48a及び緑色灯48bの用途がこれらに限定されることはない。
コントローラ通信用窓50は、クレイドル16とコントローラ制御部54が第2通信方式である赤外線通信を行う際に、赤外線が通過する透明又は半透明のプラスティック板である。なお、誤作動防止のため、コントローラ通信用窓50には、通信に用いられる赤外線の波長周辺域以外を遮断する機能を有してもよい。
コントローラ電源52aは、乾電池やボタン型電池等の蓄電機能を有した電源であり、コントローラ14aが携帯可能となるような形態、大きさであればよい。
図5に示すように、コントローラ制御部54は、主たる制御部としてのCPU(Central Processing Unit)100、コントローラ通信部56、記憶部としての内部メモリ58、及びドライバ60等を有しており、上記の各機能部は、CPU100がプログラムを読み込み、コントローラ通信部56、内部メモリ58、及びドライバ60等と協働しながらソフトウェア処理を実行することにより実現される。クレイドル16との通信の結果、コントローラ制御部54は、クレイドル16から受信した電流プロファイル90を実行するようにプログラムされている。また、薬剤38の投与の際に、患者36の体内抵抗が大きくなる、電源電圧が変動する等の理由で、電流プロファイル90に基づいた電流が流れていない場合、コントローラ制御部54は、例えばPID(Proportional Integral Differential)制御やPI(Proportional Integral)制御等で、電流プロファイル90に沿って薬剤38の投与が行われるように制御する機能も有する。これにより、適正な電流を流すことができる。
コントローラ通信部56は、クレイドル16のクレイドル制御部74と第2通信方式である赤外線通信を行う機能を有する。また、受信したデータをCPU100へ送信する機能も有する。
内部メモリ58は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが含まれ、コントローラ通信部56及びCPU100を介して、クレイドル16から受信した電流プロファイル90が書き込まれる。
ドライバ60は、電流プロファイル90及びコントローラ制御部54からもたらされる制御情報に基づいて、接続用ホック42a、42bへ電流を供給する機能を有する。ドライバ60は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)方式によって供給電流を時間的に自由に変換させることができ、電流供給パターンに回路上の制限はない。
なお、コントローラ通信部56、内部メモリ58及びドライバ60は、CPU100に集積されてもよい。
図7に示すように、クレイドル16は、略直方体であるクレイドル本体16aとクレイドル壁部16bを有した形状を有している。平面視長方形のクレイドル壁部16bに対向する辺における両隅は、面取りがなされており、丸みを帯びている。これは前述したパッチ12及びコントローラ14aと同様であり、これによって図1に示すように、パッチ12及びコントローラ14aを一体として、クレイドル本体16a上にセットするとき、使用者62にとって、その方向の目安となる。
図7及び図8に示すように、クレイドル16は、電源コード64、電源スイッチ66、動作表示部68、クレイドル通信用窓70、セットマーク72、及びクレイドル16の制御回路であるクレイドル制御部74によって構成されている。また、クレイドル16は、クレイドル16の背面より延出した電源コード64によって、壁電源から駆動電力が供給され、例えばAC(Alternating Current、交流)の100V又は200Vを電源としている。ここでは一般商用の壁電源を使用した例を示しているが、電池駆動であってもよい。
電源スイッチ66は、クレイドル本体16aの側面に設けられ、オンの状態で通電し、パッチ12とクレイドル16間、及びコントローラ14aとクレイドル16間での通信等が可能となり、オフの状態で電気を遮断する機能を有する。
動作表示部68は、クレイドル本体16aに設けられた、例えば液晶モニタであって、クレイドル16の動作状況や通信状況、所定のエラー情報、操作確認等を表示する機能を有する。
クレイドル通信用窓70は、クレイドル壁部16bに設けられた、赤外線通信のための赤外線が通過する透明又は半透明のプラスティック板である。誤作動防止のため、クレイドル通信用窓70には、通信に用いられる赤外線の波長周辺域以外を遮断する機能を有してもよい。
セットマーク72は、図1に示すように、パッチ12及びコントローラ14aを一体としてクレイドル本体16aにセットする際、その位置の目安となる線である。これによって、コントローラ通信用窓50とクレイドル通信用窓70とは、向かい合わせとなり、混信することのない、安定した通信環境を確保することが可能となる。セットマーク72は、クレイドル本体16a上に描かれた線や溝であってもよく、実線、破線といった種類や、色等は問わない。また、セットマーク72内を浅い凹部にして、パッチ12及びコントローラ14aを一体として浅く嵌合させてもよい。
図8に示すように、クレイドル制御部74は、主たる制御部としてのCPU(Central Processing Unit)102、第1通信部としてのRF通信部110、記憶部としての内部メモリ120、第2通信部としての赤外線通信部200、いずれも図示しない電源、及びドライバ等によって構成されており、上記の各機能部は、CPU102がプログラムを読み込み、RF通信部110、内部メモリ120、赤外線通信部200、及びドライバ等と協働しながらソフトウェア処理を実行することにより実現される。
RF通信部110は、RF送受信部112及びRFアンテナ114によって構成されている。RF通信部110は、第1通信方式であるRF(Radio Frequency)通信によりパッチ12と通信することで、識別情報34を読み込むこととなる。無線通信であるRF通信を行うことによって、パッチ12との通信に、コネクタ等の機械的な接触は不要となり、異物の侵入等による通信障害を防止することができる。また、製品の耐久性の面でも好適である。さらに、RF通信部110で、すなわちクレイドル16でパッチ12の種類を判断することで、コントローラ14aの小型化が可能となる。なお、第1通信方式とは広義であって、一方的な読み取りも含む。また、RF通信の方式には、電磁結合方式、電磁誘導方式、電波方式等が考えられるが、いずれにも限定されない。
RF送受信部112は、RFアンテナ114を介して、パッチ12のアンテナ32へ信号を送信し、且つ該アンテナ32からの反射波を受信する機能を有する。なお、RF送受信部112は、CPU102に集積されてもよい。
図1に示すように、パッチ12及びコントローラ14aを一体として、セットマーク72に合わせてセットされるとき、RFアンテナ114は、パッチ12のアンテナ32の近傍に配設されると好適である(図7参照)。これによって、通信距離が可及的に短くなり、混信することのない、安定した通信環境を確保することが可能となる。
内部メモリ120には、データベース150として、複数のファイル152が記録されている。各ファイル152には、パッチ12の種類に応じた薬剤38の種類のデータである薬剤種類データ154、ドナーリザーバー22に充填された薬剤38の充填量のデータである薬剤充填量データ156、電流プロファイル90、及びファイル152を識別情報34で検索するための検索用識別情報34a等のデータが書き込まれている。CPU102のソフトウェア機能による所定の選択部が、パッチ12から読み込まれた識別情報34に対応した検索用識別情報34aを検索することで、適切なファイル152を選択することとなる。また、内部メモリ120は、フラッシュメモリ等の、不揮発性メモリを用いることにより、データベース150の更新又は追加を可能にしてもよい。ファイル152は情報量の小さいデータであり、内部メモリ120に対し十分に多く書き込んでおくことができる。
赤外線通信部200は、図8に示すように、赤外線ドライバ/レシーバ部202、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)204、送信用エンコーダ206、及び受信用デコーダ208によって構成されている。赤外線通信部200は、コントローラ14aと第2通信方式である赤外線通信を行う。赤外線通信部200は、RF通信部110と異なった媒体(本実施例では、赤外線と電波)の通信方式を用いることで、互いに干渉することなく、安定した通信を行うことができる。また、コントローラ14aとの通信にコネクタ等の機械的な接触が不要となり、異物の侵入等による通信障害を防止することができる。また、製品の耐久性の面でも好適である。
赤外線ドライバ/レシーバ部202は、例えばIrDA(Infrared Data Association) DATA1.0やIrDA DATA1.1といった規格の通信をしてもよい。すなわち、いずれも図示しない送信用の赤外線LEDのドライブ回路や受信用のフォトダイオード、増幅回路、ノイズフィルタ、コンパレータ等によって構成されている。
UART204は、シリアル転送方式のデータとパラレル転送方式のデータを相互に変換して、CPU102と、送信用エンコーダ206及び受信用デコーダ208との通信を可能にする機能を有する。
送信用エンコーダ206は、UART204の信号形式から、例えばIrDA DATA1.0といった規格で規定されている赤外線送信パルスへ変調し、該パルスを赤外線ドライバ/レシーバ部202へ送信する機能を有する。
受信用デコーダ208は、送信用エンコーダ206とは逆に、赤外線受信パルスから、UART204の信号形式へ復調し、UART204へ送信する機能を有する。
なお、UART204、送信用エンコーダ206、及び受信用デコーダ208は、CPU102に集積されてもよい。
経皮的薬剤投与システム10aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、該経皮的薬剤投与システム10aを用いて患者36に行われる薬剤38の投与について、図9を用いて説明する。
まず、使用者62の手元に、パッチ12、コントローラ14a、及びクレイドル16を準備する。パッチ12のドナーリザーバー22には薬剤38が、リターンリザーバー24には生理食塩水40が製造段階で、予め充填されている。パッチ12のICチップ30には、製造段階で識別情報34が予め記録されている。さらに、クレイドル16には、製造段階、あるいは使用者62によって、予めデータベース150が書き込まれている。
ステップS1において、使用者62は、図10に示すように適切なパッチ12を選択した後、パッチ12及びコントローラ14aを、一対の接続用ピン26と接続用ホック42を係合させることで一体化させて、クレイドル本体16a上のセットマーク72に合わせてセットする。
次にステップS2において、コントローラ14aの電源スイッチ44、及びクレイドル16の電源スイッチ66をオンにする(図1及び図10参照)。
次にステップS3において、電源スイッチ44及び電源スイッチ66がオンであるため、クレイドル16のRFアンテナ114から信号が送信される。該信号を、パッチ12のアンテナ32を介して、電力に変換し、パッチ12に直流電源が再生されることで、パッチ12のICチップ30が記録する識別情報34が、RF通信によってRF通信部110へ送信される。CPU102は、該識別情報34によって、パッチ12の確認が可能となる。さらにCPU102は、該識別情報34に対応した検索用識別情報34aを検索することで、内部メモリ120のデータベース150に記録されたファイル152を選択して、薬剤種類データ154、薬剤充填量データ156、電流プロファイル90等を確認する。前記RF通信中は、動作表示部68が、例えば「通信中」と表示することで、使用者62又は患者36に通知してもよい。また、動作表示部68には、識別情報34から読み取った薬剤種類データ154及び薬剤充填量データ156を表示する。これによって、使用者62は、パッチ12の充填する薬剤38を簡便に確認することができ(ステップS4)、誤った種類の薬剤38の投与を防止することができる。薬剤種類データ154及び薬剤充填量データ156が表示されない場合は、ステップS2へ戻る。
次にステップS5において、CPU102が選択した電流プロファイル90が、赤外線通信部200から赤外線通信を用いて、コントローラ14aのコントローラ制御部54へ送信されて、内部メモリ58に書き込まれる。このとき、電流プロファイル90と共に所定形式のベリファイデータ92を、コントローラ制御部54からクレイドル16の赤外線通信部200へ送信し、クレイドル16のCPU102では受信した電流プロファイル90を該ベリファイデータ92に基づいて確認する。受信した電流プロファイル90及びベリファイデータ92が正常と判断された時は、CPU102は、正常受信通知としてハンドシェーク信号94を発信する。なお、コントローラ14aは、コントローラ電源52aの充電量が不十分な時は、所定の注意信号もコントローラ制御部54から赤外線通信部200へ送信し、動作表示部68において、コントローラ電源52aの交換を促す表示をしてもよい。
ステップS6において、ハンドシェーク信号94をクレイドル16で受信した後は、動作表示部68に、例えば「設定完了」と表示することで、使用者62又は患者36に通知する。ハンドシェーク信号94の受信が、動作表示部68で確認できない場合は、ステップS5へ戻る。
次にステップS7において、使用者62又は患者36は、パッチ12及びコントローラ14aを、クレイドル16から取り外した後、パッチ12から所定の保護フィルムを取り外し、患者36にパッチ12及びコントローラ14aを貼着する(S8、図11参照)。パッチ12の下面、すなわち患者36との接触面は、適度の粘着力を有しているため、パッチ12及びコントローラ14aが、患者36から脱落することはない。
ステップS9において、使用者62又は患者36は、投与制御スイッチ46をオンにする。これにより、CPU100は、内部メモリ58から電流プロファイル90を読み込み、該電流プロファイル90に基づきドライバ60から接続用ホック42a、42bへ通電する。これによって、電気泳動の原理で、正極であるドナーリザーバー22から、患者36の皮膚の角質層を横切った後、該角質層より体内側を通過し、負極であるリターンリザーバー24へ流れる電流が生じる。よって、正の電荷を帯びた薬剤38は、前述の電流と同様に移動するが、前記角質層の部分にて、患者36の体内に吸収される。なお、生理食塩水40の有する、例えば塩化物イオンといった陰イオンは、前述の電流とは逆に、リターンリザーバー24から、患者36の角質層を横切った後、該角質層より体内側を通過して、ドナーリザーバー22へ移動する。また、薬剤38は、電流プロファイル90に基づいた時間及び投与速度にて、患者36に投与される。
投与が正常に行われている場合は、緑色灯48bが点滅することで(ステップS10)、使用者62又は患者36に通知する。緑色灯48bが点滅しない場合は、異常が発生したことが考えられる。異常が発生した場合は、赤色灯48aが速い点滅をする(ステップS11)。赤色灯48aが速い点滅をした場合は、一旦投与制御スイッチ46をオフにして(ステップS12)、ステップS8へ戻る。赤色灯48a、緑色灯48bのいずれも点滅しない場合も、ステップS8へ戻る。なお、電流プロファイル90に基づいた投与速度を満たしていない場合、コントローラ制御部54が、電流プロファイル90に沿うように制御を行う。薬剤38の投与が正常に完了した時には、投与制御スイッチ46が自動的にオフとなり、赤色灯48a及び緑色灯48bは、いずれも消灯する(ステップS13)。
なお、薬剤38の投与完了後、引き続き同じ種類のパッチ12を使用する場合は、すでに適切な電流プロファイル90を読み込み済みのため、クレイドル16を再び使用して、電流プロファイル90を読み込むことなく、そのままパッチ12を交換して薬剤38の投与を行ってもよい。ただし、パッチ12の取り違え防止のために、その都度クレイドル16を介さないと、薬剤38の投与を行えないように設定することも可能である。
次に、図12に示すように、第2の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10bについて説明する。第2の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10bについて、経皮的薬剤投与システム10aと同じ構成要素については同符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10bは、基本構成としてパッチ12と、コントローラ14bと、クレイドル17とによって構成されている。
図12及び図13に示すように、コントローラ14bは、一対の接続用ホック42a、42b、電源スイッチ44、投与制御スイッチ46、赤色灯48a、緑色灯48b、コントローラ通信用窓50、コントローラ電源52b、一対の充電用ホック80、及びコントローラ14の電気回路であるコントローラ制御部54によって構成されている。すなわち、コントローラ14aに対して、コントローラ電源52aをコントローラ電源52bに置き換え、充電用ホック80を加えた構成となっている。
コントローラ電源52bは、蓄電機能を有しており、充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池)やコンデンサ等であればよく、また、コントローラ14bが携帯可能となるような形態、大きさであればよい。これによって、コントローラ電源52bの交換頻度が削減され、メンテナンスが簡便となる。
充電用ホック80は、図13に示すように、コントローラ通信用窓50と同一面上に、後述する充電用ピン82と係合できる大きさ及び位置に配設された穴である。
クレイドル17は、図12に示すように、電源コード64と、電源スイッチ66と、動作表示部68と、クレイドル通信用窓70と、セットマーク72と、クレイドル制御部74と、一対の充電用ピン82、及び充電スイッチ84によって構成されている。すなわち、クレイドル16に対して、充電用ピン82及び充電スイッチ84を加えた構成となっている。
充電用ピン82は、図12に示すように、クレイドル壁部17bに、充電用ホック80と係合できる大きさ及び位置に、先端がやや太い形状で凸設されている。充電用ピン82は、充電用ホック80と係合することにより、クレイドル17から供給される電力によって、コントローラ電源52bを充電することができる。なお、充電用ホック80や充電用ピン82といった接続線を介さずに、例えばコイル間の電磁誘導で電力を供給する無接点充電方式でもよい。さらに、コントローラ14bの充電中は、パッチ12と一体化してなくてもよい。
充電スイッチ84は、クレイドル本体17aの側面に設けられ、オンの状態でコントローラ電源52bを充電し、オフの状態で充電を終了する機能を有する。なお、充電完了時には、自動的にオフにする機能を有してもよい。また、現在の充電状況をコントローラ通信部56から赤外線通信部200へ赤外線通信を用いて送信し、該充電状況を動作表示部68にて表示してもよい。例えば、充電中は「充電中」と表示し、充電終了時は同様に、例えば「充電終了」と表示してもよい。なお、充電スイッチ84のオン/オフにかかわりなく、コントローラ電源52bの蓄電量から判断して、自助充電してもよい。
経皮的薬剤投与システム10bは、基本的には以上のように構成されるものである。該経皮的薬剤投与システム10bが適用される本実施の形態に係る経皮的薬剤投与方法については、経皮的薬剤投与システム10aが適用される経皮的薬剤投与方法と同様であるので、その説明を省略する。
次に、第3の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10cについて説明する。第3の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10cについて、第1の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10aと同じ構成要素については同符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第3の実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10cは、基本構成としてパッチ12と、コントローラ14cと、クレイドル16とによって構成されている。すなわち、コントローラ14aをコントローラ14cに置き換えた構成となっている。
図14に示すように、コントローラ14cのコントローラ制御部54における内部メモリ120には、データベース150として、複数のファイル152が記録されている。各ファイル152には、パッチ12の種類に応じた薬剤種類データ154、薬剤充填量データ156、電流プロファイル90及びファイル152を識別情報34で検索するための検索用識別情報34a等のデータが予め書き込まれている。この場合、CPU100のソフトウェア機能による所定の選択部が、コントローラ制御部54が受信した識別情報34に対応した検索用識別情報34aを検索することで、適切なファイル152を内部メモリ120のデータベース150から選択することとなる。なお、ファイル152は情報量の小さいデータであり、内部メモリ120に対し十分に多く書き込んでおくことができる。
経皮的薬剤投与システム10cは、基本的には以上のように構成されるものである。該経皮的薬剤投与システム10cが適用される本実施の形態に係る経皮的薬剤投与方法については、図15にて示すが、経皮的薬剤投与システム10aが適用される経皮的薬剤投与方法と同じステップに関しては、その説明を省略する。
ステップS104において(第1の実施の形態におけるステップS4に相当)、RF通信部110にて識別情報34を受信すると、クレイドル16が読み取った該識別情報34と共に所定形式のベリファイデータ92を、赤外線通信部200から赤外線通信を用いて、コントローラ14cのコントローラ制御部54へ送信する。
ステップS105において(第1の実施の形態におけるステップS5に相当)、CPU100は、コントローラ14cのコントローラ制御部54にて受信した識別情報34に対応した検索用識別情報34aを検索することで、内部メモリ120のデータベース150に記録されたファイル152を選択して、薬剤種類データ154、薬剤充填量データ156、及び電流プロファイル90等を、確認、選択する。また、受信した識別情報34及びベリファイデータ92が正常と判断された時は、CPU100から、薬剤種類データ154及び薬剤充填量データ156と共に、正常受信通知としてハンドシェーク信号94がコントローラ通信部56を介してクレイドル16へ送信される。
ステップS106において(第1の実施の形態におけるステップS6に相当)、クレイドル16の赤外線通信部200にて受信した薬剤種類データ154及び薬剤充填量データ156を、動作表示部68に表示する。これによって、使用者62は、パッチ12の充填する薬剤38を簡便に確認することができ、誤った種類の薬剤38の投与を防止することができる。また、ハンドシェーク信号94を赤外線通信部200で受信した後は、動作表示部68に、例えば「設定完了」と表示することで、使用者62又は患者36に通知する。薬剤38の種類や分量が、動作表示部68で確認できない場合、又はハンドシェーク信号94の受信が、動作表示部68で確認できない場合は、ステップS102へ戻る。
上述したように、本実施の形態に係る経皮的薬剤投与システム10a、10b、10cによれば、コントローラ14a、14b又は14cに蓄電部を備えていることから薬剤投与中の患者を拘束することがない(ただし、激しい運動を許容するものではないことはもちろんである)。しかもパッチ12に応じた電流プロファイル90の設定を自動で、且つ1つのコントローラ14a、14b又は14cで行えることで、これらの管理及び確認が簡便である。電流プロファイル90による電流供給は、時間に応じて変化する適切な電流を供給することができる。また、パッチ12の種類の判別はクレイドル16又は17が行い、コントローラ14a、14b又は14cが行う必要がないため、システムの小型化が可能になるという効果を達成することができる。また、電流プロファイル90は、内部メモリ58又は120に十分多く記録されており、対応可能なパッチ12の種類が多い。コントローラ14a、14b又は14cにおけるドライバ60は、PWM方式等のデジタル式の高周波のオン−オフ方式により、供給電流を時間的に自由に変換させることができ、電流供給パターンに回路上の制限がない。
変形例としては、第1通信方式、すなわちパッチ12とクレイドル16、17間の通信に、識別情報記憶手段としてのバーコードを用いてもよい。この際、識別情報34は、パッチ12にバーコードで記録し、第1通信部として、例えばLD(Laser Diode)を用いたスキャナを備えたクレイドル16、17で読み取ることとなる。これによって、より安価なシステムを確立することができる。さらに、第1通信方式と第2通信方式とでは、通信位置及び手段(可視光と赤外線)が異なるため、混信することがなく、安定した通信を行うことができる。
別の変形例としては、第1通信方式、すなわちパッチ12とクレイドル16、17間の通信に、識別情報記憶手段として、例えばQRコードといった、二次元コードを用いてもよい。この際、識別情報34は、パッチ12に二次元コードで記録し、第1通信部として、例えばLDを用いたスキャナを備えたクレイドル16、17で読み取ることとなる。これによって、より安価なシステムを確立することができる。さらに、第1通信方式と第2通信方式とでは、通信位置及び手段(可視光と赤外線)が異なるため、混信することがなく、安定した通信を行うことができる。
また、電流プロファイル90は、基本的には製造段階で予め記録されているが、医療上の条件や制度によっては医師、看護師、薬剤師、保健師等が書き込んでもよい。
本発明に係る経皮的薬剤投与システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10a〜10c…経皮的薬剤投与システム
12…パッチ 14、14a〜14c…コントローラ
16、17…クレイドル 16a、17a…クレイドル本体
16b、17b…クレイドル壁部 20…RFタグチップ
20a…パッシブ型RFタグ 22…ドナーリザーバー
24…リターンリザーバー 32…アンテナ
34…識別情報 34a…検索用識別情報
36…患者 38…薬剤
52a、52b…コントローラ電源 54…コントローラ制御部
56…コントローラ通信部 58、120…内部メモリ
62…使用者 74…クレイドル制御部
80…充電用ホック 82…充電用ピン
90…電流プロファイル 100、102…CPU
110…RF通信部 112…RF送受信部
114…RFアンテナ 150…データベース
154…薬剤種類データ 156…薬剤充填量データ
200…赤外線通信部

Claims (11)

  1. 電極部に薬剤を備えると共に、識別情報を記録した識別情報記憶手段を備える複数種類のパッチと、
    1つの前記パッチに接続され、前記電極部に給電する蓄電部を備えたコントローラと、
    前記パッチ及び前記コントローラがセットされるクレイドルと、
    を有し、
    前記クレイドルは、前記パッチの種類に応じた前記薬剤の投与速度及び投与時間を含むプロファイルが複数記録された記憶部と、
    前記パッチから前記識別情報を読み込む第1通信部と、
    前記第1通信部から得られた識別情報に基づいて前記記憶部の複数のプロファイルから1つを選択する選択部と、
    前記選択部により選択されたプロファイルを前記コントローラへ供給する第2通信部と、
    を備え、
    前記コントローラは、前記第2通信部から得られたプロファイルに基づいて、前記蓄電部から前記電極部に対する電流を変化させることを特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  2. 電極部に薬剤を備えると共に、識別情報を記録した識別情報記憶手段を備える複数種類のパッチと、
    1つの前記パッチに接続され、前記電極部に給電する蓄電部を備えるコントローラと、
    前記パッチ及び前記コントローラがセットされるクレイドルと、
    を有し、
    前記クレイドルは、前記パッチから前記識別情報を読み込む第1通信部と、
    前記第1通信部から得られた識別情報を前記コントローラへ供給する第2通信部と、
    を備え、
    前記コントローラは、前記パッチの種類に応じた前記薬剤の投与速度及び投与時間を含むプロファイルが複数記録された記憶部と、
    前記第2通信部から得られた識別情報に基づいて前記記憶部の複数のプロファイルから1つを選択する選択部と、
    を備え、前記選択部によって選択されたプロファイルに基づいて、前記蓄電部から前記電極部に対する電流を変化させることを特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  3. 請求項1又は2記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記第1通信部は、所定の第1通信方式による通信部であり、
    前記第2通信部は、前記第1通信方式と異なる第2通信方式による通信部であること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  4. 請求項1〜3記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記識別情報記憶手段は、RFタグのチップであり、
    前記第1通信方式は、RF通信であること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  5. 請求項4記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記RFタグのチップは、パッシブ型であること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記第2通信方式は、赤外線通信であること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記クレイドルは、前記蓄電部を充電可能であること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  8. 請求項1、2、6、7のいずれか1項に記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記識別情報記憶手段は、バーコードであること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  9. 請求項1、2、6、7のいずれか1項に記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記識別情報記憶手段は、二次元コードであること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  10. 請求項8又は9記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記第1通信部は、スキャナであること
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
  11. 請求項1〜10記載の経皮的薬剤投与システムにおいて、
    前記プロファイルは、さらに、薬剤の投与開始時に投与速度を増加させる初期加速時間を含むこと
    を特徴とする経皮的薬剤投与システム。
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