JP2010171308A - 配線形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部空間をもつ立体物の内壁面に対して、短絡や断線の問題を発生することなく導電性微細配線を形成できる配線形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】内部空間をもちレーザ光を透過する円筒型立体物15の内壁面に配線を形成する方法であって、円筒型立体物15の内壁面に対して、導電性微粒子を含有する分散溶液による塗布層16を形成する第1の工程と、塗布層16に対して立体物の外部方向からレーザ光を連続的に照射することで、導電性微細配線17を形成していく第2の工程と、導電性微細配線17以外の領域の材料を除去する第3の工程を備えたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、円筒管等の内部空間をもつ透明な立体物の内壁面に配線層を形成する配線形成方法に関するものである。
一般的に、電子デバイス製造において、平面基板上に微細な導電性配線を形成する方法としては、銀や銅などの導電膜をスパッタリング、真空蒸着、無電解めっき等により全面に成膜した後、フォトリソグラフィ法により所望の配線にエッチングする方法、マスクを通して無電解めっきや真空蒸着により所望の導電性配線を形成する方法、はんだや導電ペーストを用いて平面基板上に直接描画する方法等が知られている。しかし、上述のプロセスでは、装置が大型化してしまったり、手間のかかる工程が必要であったり、解像度が不足していたりなどの諸問題があり、簡便な方法で、かつ高精細な導電性微細配線を形成できる方法が望まれている。
一方、粒子直径サイズが1〜数100nmである極微粒子(以下、ナノ粒子という)は、量子サイズ効果などの特有な効果を発現する機能材として、近年その開発が脚光を浴びており、ナノ粒子を含有したインク材料を用いて導電性微細配線を形成する技術開発も行われている。ナノ粒子材料を利用して、例えば、インクジェット法やスクリーン印刷法などによる導電性微細配線形成方法なども各種提案されているが、配線の微細化や、位置精度などの問題を伴うものである。しかも、この導電性微細配線を形成する対象が、前述の平面基板上ではなく、内部空間をもつ立体物の内壁面となると、さらに困難となる。例えば、円筒管の内壁面に微細配線を形成する方法を考えてみる。もし、円筒管の直径が1000mmもあれば、各種微細配線形成装置自体を円筒管内部に入れて、内側から直接形成することも可能だが、円筒管の直径が数10mm以下となってくると、前述したような方法では現実的には不可能である。
また、別の方法により円筒管内壁面に微細配線を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、事前に透明な円筒管内部の全面にメッキ法などにより導電性薄膜を形成しておき、外部方向から強い出力のレーザ光を先の導電性薄膜に照射することにより、不要な部分を焼き飛ばし、除去することで所望の導電性微細配線を形成する方法である。
特開2006−310455号公報
上記工法は、確かに透明な円筒管などの中空体の内壁面に対して、レーザ照射により導電性微細配線が形成できる方法であるが、レーザアブレーションを利用したサブトラクト法によるものである。したがって、レーザアブレーションに起因する課題が残ることになる。例えば、透明円筒管内壁面に形成した導電性薄膜のうち、不要な部分を除去するべくレーザ光の照射を行うと、円筒管内部の閉じられた空間内にレーザアブレーションによるカスが飛び散ることになる。特に、円筒管が細く、また形成される配線が微細になればなるほど、この飛び散ったカスが重大な問題となってくる。
例えば、形成される配線のライン/スペースが10/10μm以下になってくると、飛び散ったレーザアブレーションによるカスで、配線間が短絡してしまう不具合が発生する確率が増大してしまう。さらには、微細配線形成のスループットを上げるために照射するレーザの出力を上げていくと、前述したカスによる配線間短絡の問題だけでなく、微細配線自体の部分的な断線の問題も発生してくる。また一般的に、円筒管内壁面の全面積に対して、形成される微細配線が占める面積の割合は非常に少ないものであり、大部分の導電性薄膜をレーザ照射により除去することになるため、時間もかかり、非常に非効率的である。
そこで、本発明は上記に課題に鑑みてなされたものであって、円筒管等の内部空間をもつ立体物の内壁面に形成する配線間の短絡や断線の不具合を発生することなく、レーザ光照射による解像度の高い導電性微細配線を形成することのできる配線形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の配線形成方法は、内部空間をもちレーザ光を透過する立体物の内壁面に配線を形成する方法であって、立体物の内壁面に対して、導電性微粒子を含有する分散溶液による塗布層を形成する第1の工程と、塗布層に対して立体物の外部方向からレーザ光を連続的に照射することで、配線層を形成していく第2の工程と、配線層以外の領域の材料を除去する第3の工程を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、円筒管等の内部空間をもつ透明な立体物の内壁面に形成する配線間の短絡や断線の不具合を発生することなく、レーザ光照射による解像度の高い導電性微細配線を形成することのできる配線形成方法を提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明である、配線形成方法は、内部空間をもちレーザ光を透過する立体物の内壁面に配線を形成する方法であって、立体物の内壁面に対して、導電性微粒子を含有する分散溶液による塗布層を形成する第1の工程と、塗布層に対して立体物の外部方向からレーザ光を連続的に照射することで、配線層を形成していく第2の工程と、配線層以外の領域の材料を除去する第3の工程を備えたことを特徴とする。
これにより、円筒管等の内部空間をもつ透明な立体物の内壁面に形成する配線間の短絡や断線の不具合を発生することなく、レーザ光照射による解像度の高い導電性微細配線を形成することのできる配線形成方法を提供することができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の配線形成方法であって、第2の工程において、立体物を回転させる回転駆動手段と、レーザ光の焦点位置を、回転軸方向とフォーカス方向に移動させる2次元の駆動手段によって、レーザ光を照射することにより、立体物の形状を生かしつつ、容易に配線を形成することができる。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の配線形成方法であって、立体物の内部空間内にレーザ光を遮蔽する遮蔽物を配置したことにより、所望の位置以外へのレーザ光の照射を防ぎ、立体物の内壁面に所望の導電性微細配線を形成できる。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1記載の配線形成方法であって、第3の工程において、立体物の内部空間に現像液を連続的に流し、かつ立体物を回転させることで、配線層以外の領域の材料除去することを特徴とすることにより、少量の現像液で効率的に不要な材料を除去することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
本発明の配線、より具体的には導電性微細配線の形成方法は、導電性のナノ粒子(特許請求の範囲における導電性微粒子に対応する)を含有する導電性ナノ粒子分散溶液を用いることを特徴とする。
まず始めに、導電性微細配線形成の大まかなプロセスについて図4を用いて説明する。図4は、円筒型立体物の内壁面にらせん状の導電性微細配線を形成するプロセスを説明する例であるが、15は円筒型立体物(円筒管)、16は塗布層、17は導電性微細配線である。
まず、第1のステップとして、図4(a)に示すように後述するディッピング法、スプレー法などにより円筒型立体物15の内壁面に塗布層16を形成する。次に第2のステップとして、塗布層16に対してレーザ光を照射しながら、円筒型立体物15とレーザ光を相対的に移動させることで、図4(b)に示すようにらせん状の導電性微細配線17が形成される。第3のステップとして、前ステップで形成された導電性微細配線17以外の余剰な塗布層16を適当な溶剤などにより除去することで、図4(c)に示すように円筒型立体物15の内壁面に形成された導電性微細配線17だけが残されることになる。
以下に、各プロセスに関する詳細な説明を行う。
まず、第1のステップである塗布層の形成方法について説明する。一般的に、導電性を示す金属または複合金属の物性値は、バルク材料とナノ粒子とでは大きく異なることが知られている。例えば、銀ナノインク等と呼ばれる導電性ナノ粒子分散溶液中に含まれる銀(Ag)のナノ粒子の平均粒子径は5〜10nm程度と非常に小さい。このため粒子表面の格子歪みが通常の銀のバルク材料と比べて大きく、それゆえ各種特徴が現れてくる。例えば、融点(厳密には、溶融する状態と定義できないかもしれないが)で比較すると、銀のバルク材料の融点は約900℃であるのに対して、銀のナノ粒子では200℃以下で溶融状態となるものもある。一方、銀のナノ粒子が溶融した状態での比抵抗値は、バルク材料と比べて、同程度もしくは若干劣る程度の比抵抗値が得られる。そこで、バルク材料の融点である900℃の領域では、例えば樹脂材料等を基板として用いることはできないが、200℃程度であれば、耐熱温度の高い樹脂材料、例えばポリイミドなどの樹脂材料を基板として利用することが可能となる。
さらに具体的には、上記導電性ナノ粒子は、20℃における比抵抗値が20μΩ・cm以下(好ましくは10μΩ・cm以下)である金属または複合金属材料であることが望ましい。このような条件を満足する金属としては、Au,Ag,Cu,Zn,Cd,Al,In,Tl,Sn,Co,Niなどが挙げられる。これらの中でもAu,Ag,Cu,Al,Zn,SnおよびInが比抵抗値および融点がより低いので好ましい。
また、導電性ナノ粒子が複合金属からなる場合、Au,Ag,Cu,Al,Zn,SnおよびInの少なくとも1種を含有する複合金属を用いるのが好ましい。かかる複合金属としては、Cu−Zn,Cu−Sn,Al−Cu,Cu−Sn−Pd,Cu−Ni,Au−Ag−Cu,Au−Zn,Au−Ni,Ag−Cu−Zn,Ag−Cu−Zn−Sn,Sn−Pb,Ag−In,Cu−Ag−Ni,Ag−Pd,Ag−Cuなどが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。複合金属中の各金属の組成比については特に制限はなく、種々選択できる。
さらに、金属および複合金属は不純物元素を含んでいてもよいが、その量は1%未満であることが好ましい。不純物元素としては、Fe,Cr,W,Sb,Bi,Pd,Rh,Ru,Ptなどの金属、また金属以外にも、P,B,C,N,Sなどの非金属、Na,Kなどのアルカリ金属、およびMg,Caなどのアルカリ土類金属が挙げられる。これらの不純物元素は、1種もしくは2種以上含有されていてもよい。
本発明で用いる導電性ナノ粒子分散溶液は、上記の金属または複合金属のナノ粒子を製造した後、適当な溶媒に分散させることによって調製することができる。例えば、上記金属または複合金属のナノ粒子を得る方法としては、原料固体をルツボに入れ、高周波誘導加熱方式により加熱して金属蒸気を発生させ、He,Arなどのガス分子との衝突によって急冷させてナノ粒子化するガス中蒸発法などの乾式法や、金属塩の溶液にNaBH4等の無機還元剤、ヒドラジン系、アミン系もしくはジオール系化合物等の有機還元剤などを作用させ、または酸化還元電位がより卑な金属(例えばMgなど)または低原子価の金属塩を作用させることによって得られる溶液還元法などの湿式法などがある。この様にして得られた金属または複合金属のナノ粒子を適当な溶媒に分散させて導電性ナノ粒子分散溶液を調製することができる。分散液としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶媒が利用可能であるが、これに限定されるものではなく、ナノ粒子の分散性、安定性が確保でき、かつ後処理で扱いやすく、100℃程度の低温沸点を有するものであればよい。なお、この様にして調製した導電性ナノ粒子分散溶液をそのまま塗布液として用いてもよいし、例えば、粘度調整のために濃縮、脱塩、精製、希釈等の種々の処理を施した後に塗布液として用いてもよい。
立体物を形成する材質は、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラスなどのガラス材料;サファイア(Al23)、MgO,BeO,ZrO2,Y23,ThO2,CaO,GGG(Gadolinium Gallium Garnet)等の無機材料;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;フッ素樹脂;ナイロン;ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂を挙げることができ、所望によりそれらを複合させたり、積層させたりしたものなど併用したものを用いてもよいが、照射するレーザ光の波長に対して十分な透過率を有していることが重要である。透過率が低いと、単にレーザ光のエネルギー利用効率が下がってしまうだけではなく、立体物自体での光の吸収、発熱がおこり、耐熱性の低い材質である場合には問題となる。
上述した導電性ナノ粒子分散溶液を用いて塗布層を立体物の内壁面上に形成する。形成される塗布層としては、ある程度の均一な膜厚であればよい。平面基板などの場合は、スピンコート塗布法などにより比較的均一な塗布膜を形成するのが一般的であるが、本発明の場合には適当な方法ではない。したがって、基板形状の影響をあまり受けず、比較的均一な薄膜を形成することができる簡便な塗布方法としてディッピング法が望ましい。さらには、塗布膜の膜厚を制御するために、ディッピング処理の後に回転、振動などの処理を加えても構わない。しかし、上述したような用件を満たすような塗布法であればよく、特にディッピング法に限定するものではなく、例えばスプレー塗布工法なども適当な工法である。
なお、立体物の内壁面と塗布層との間に下地層を設けてもよく、表面の平面性の改善、後述するプロセスを経て形成される導電性微細配線と立体物の内壁面との密着力の向上などの効果がある。該下地層の材料としては、立体物の内壁面と塗布層との密着性に優れている材料が好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の高分子物質;熱硬化性または光・電子線硬化樹脂;およびカップリング剤(例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など)などの表面改質剤;コロイダルシリカ等が好ましい。この下地層の形成方法としては、塗布層の形成方法と同様にディッピング塗布法などが適当である。
次に、第2のステップである立体物の内壁面上に形成した塗布層にレーザ光を照射して導電性微細配線を形成する方法について説明する。本実施の形態では、図1に示すような配線形成装置を用いて導電性微細配線の形成を行った。
以下、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施の形態による配線形成装置の模式図、図2は本実施の形態による配線形成装置の制御ブロック図、図3は本実施の形態による配線形成装置の制御フローチャートである。
さらに、このようなプロセスを詳細に説明する。
まず、図1において、1はレーザ光源、2は導電性微細配線を形成するために照射されるレーザ光、4はレーザ光2を微小スポットに絞り込むための集光レンズ、3は集光レンズ4の位置を可変する集光レンズアクチュエータ、5は円筒型の立体物、6はレーザ光照射によって形成された導電性微細配線、7は立体物5を回転移動させるための回転ステージアクチュエータ、8は立体物5をXY方向に移動させるXY軸ステージアクチュエータ。
次に、図2は上述した配線形成装置の制御ブロック図を示し、図1と同じ符号のものは上述の通りであり、10はレーザ光源1の出力を可変するためのレーザ駆動電流制御部、11は集光レンズアクチュエータ3を駆動するための集光レンズ位置制御部、12はXY軸ステージアクチュエータ8を駆動するためのXY軸ステージ位置制御部、13は回転ステージアクチュエータを駆動するための回転ステージ位置制御部、9は立体物内壁面に形成される導電性微細配線の描画パターンデータ、14は導電性微細配線の位置情報データに基づいて、集光レンズ4の位置データ、XY軸ステージの位置データや移動速度、レーザ光源1の駆動電流データを算出する演算部である。
ここで、レーザ光源1と集光レンズアクチュエータ3は、特許請求の範囲におけるレーザ光照射手段に対応し、XY軸ステージアクチュエータ8は、同じく駆動手段に対応し、XY軸ステージ位置制御部12は、同じく駆動制御手段に対応し、レーザ駆動電流制御部10と集光レンズ位置制御部11は、同じくレーザ光照射手段に対応し、演算部14は、同じく演算手段に対応している。
上記のように構成した配線形成装置についての動作を図3に示す。動作シーケンスの最初のステップとしては、立体物の回転軸を回転ステージの軸に合わせるように設置し、さらにレーザ光の集光スポットが立体物の基準位置マーカに合うように立体物の回転位置を調整する。次に、形成する導電性微細配線の描画パターンデータに基づいてスタート位置までXY軸ステージ、回転ステージを移動させる。以降は、ユーザが設定した描画パターン、描画速度、レーザ出力の各データにしたがって、塗布層にレーザを照射していくが、より具体的には、塗布層上の描画条件の変化点、つまりXY軸ステージアクチュエータ、回転ステージアクチュエータ、レーザ光源への出力を変化させる必要がある位置での各データに基づいてシーケンシャルに制御を行っていく。全ての描画パターンデータに対して、以上のようなシーケンス制御を繰り返すことによって、ユーザが設定した所望の描画パターンが得られるものである。なお、ここではXY軸ステージアクチュエータ12によって立体物5を移動制御する場合を説明したが、もちろん、両者が相対的に変位すればよいのであって、レーザ光側を移動制御させてもよい。
また、導電性微細配線6の線幅は、塗布層へのレーザ光2の照射スポットのサイズ、形状によって決まってくる。当然、より細い配線を形成する場合には、集光レンズ4によりレーザ光2を微小スポットに集光する必要がある。また、本質的に導電性微細配線6の形成は、レーザ光照射による熱エネルギー変化である。導電性微細配線6を形成するために立体物5に対してレーザ光2を照射、スキャンしていくので、このスキャン速度によって塗布層のある部位に投入される熱エネルギーは変わってくるため、レーザ光2の照射強度とスキャン速度の制御は重要である。一方、巨視的に見れば、塗布層のある微小箇所において、導電性ナノ粒子が熱エネルギーによって溶融し、相互に結合するためには、レーザ光2の総エネルギー量よりも、微小箇所でのエネルギー密度が重要である。ここで、エネルギー密度を決めるものは、レーザ光2の照射強度と照射面積である。つまり、立体物内壁面上に均一な導電性微細配線を形成するためには、レーザ光2の照射面積が常に均一になるように、集光レンズ位置制御部11は、描画パターンデータに基づいて集光レンズ4の位置制御を正確に行う必要がある。また、一度立体物1に対して照射、スキャンを行った位置に、同様な照射、スキャンを複数回行ってもよい。一度照射、スキャンした部位の位置情報データを基に、再度同様にレーザ光2を照射することで、1度の照射、スキャンでは不十分だった熱エネルギーを補うことができる。このような場合に、比較的低出力のレーザ光源を利用できる利点がある。また、高出力のレーザ光源を用いた場合に、所望の配線パターン以外のエリアにレーザ光が照射されてしまう場合がある。例えば、立体物の内部空間が特に小さく、本来レーザ光を集光照射している面の反対側の内壁面までの距離が近い場合である。透過、反射、散乱などにより多少のレーザ光が他の部分に照射されてもあまり問題はないが、レーザ光が高出力の場合には、照射されてしまった箇所に余計な導電性部が形成されてしまうことになり問題がある。このような問題を避けるために、余計なレーザ光に対する遮蔽版のようなものを立体物の内部空間に設置することも有効である。
ここで、本発明に用いられるレーザ光2の波長は、塗布層で吸収、発熱するものであれば、紫外光から赤外光まで任意のものを選択することができる。代表的なレーザとしては、AlGaAs,InGaAsP,GaN系などの半導体レーザ、Nd:YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ、ArF,KrF,XeClなどのエキシマレーザ、色素レーザ、ルビーレーザなどの固体レーザ、He−Ne,He−Xe,He−Cd,CO2,Arなどの気体レーザ、自由電子レーザなどが挙げられる。また、これらのレーザの第二高調波、第三高調波などの高次高調波を利用してもよい。さらに、これらのレーザは、連続で照射しても、パルスで複数回照射してもよい。さらには、上述したように低温度でも微細配線が形成可能な導電性ナノ粒子で塗布層を形成しているため、比較的低出力の半導体レーザも利用可能である。このような低出力の半導体レーザは、制御性の面からみても望ましいものである。また、低出力のレーザ光源1を複数用いて、各レーザ光源1から出射されるレーザ光2を光学系により一つのレーザ光2に重ね合わせてもよい。この場合、多少光学系が複雑になるものの、低出力のレーザ光源1を使える利点がある。
レーザ光源1に必要な照射エネルギーは、導電性ナノ粒子の種類、サイズ、塗布層の厚みなどに依存しているため一概には言えないが、導電性ナノ粒子が実質的にアブレーションせずに、溶融するようなエネルギーとしなければならない。また、複数のレーザ光源1と複数の光学系を用いると、それぞれの光学系の相対位置制御や、集光レンズ位置の独立制御などシステム構成が複雑になってくるが、上述したものと同様のプロセスを用いて、同じパターンにはなるが複数の導電性微細配線を同時に形成できるため、生産性が高くなるという効果を有する。なお、複数のレーザ光源1を用いるのではなく、1つのレーザ光源1から出力されるレーザ光2を分光して、複数の集光レンズを含む光学系を用いても、上述と同様に複数の導電性微細配線を同時に形成できる。しかし、この場合には、レーザ光源1が1つで済むという利点はあるものの、1つのレーザ光源1に頼ることになるので高出力タイプのレーザ光源1が必要となり、またレーザ光源1自身の出力制御によって、各光学系への光出力を個別に制御できないため、各光学系の中で減衰率を独立に制御できる可変フィルタのようなものを用いる必要がある。
次に、上述したように導電性微細配線6を形成した後の第3のステップである余分な塗布層を除去する方法について説明する。
余分な塗布層を除去する方法としては、適切に除去できれば特に方法に拘るものではないが、簡便な方法としては、適当な溶剤により除去することができる。ここで用いる溶剤としては、余剰材料を溶解できるものであればよい。例えば、元々の導電性ナノ粒子分散溶液自体の溶媒として用いているトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶媒が利用可能である。具体的には、レーザ光2による導電性微細配線形成を行った立体物を、上述の適当な溶剤の中に浸す。立体物の内壁面上に残る導電性微細配線部分以外の余剰材料は、溶剤中に溶解拡散するため、内壁面上からは除去されることになる。一方、導電性微細配線は、レーザ光による加熱処理が適切に行われている場合には、ナノ粒子自身が金属化すると同時に、内壁面との密着性が向上しているので、溶剤による除去処理を行っても内壁面上に残る。このようにして、レーザ光が照射、スキャンされなかった部分の塗布層が除去され、導電性微細配線のみが残ることになる。また、余剰材料の溶解拡散を補助促進するために、超音波洗浄などの物理的な作用によるプロセスを併用しても構わない。また他の現像手段としては、立体物を溶剤の中に浸すのとは逆に、立体物の内部空間に適当な量の溶剤を連続的に流すことで、余剰材料を除去することもできる。この場合、立体物自体を回転、振動させることで、溶剤を内壁面に対して効率よく接触させることができ、使用する溶剤量を少なくすることができる。特に、立体物を回転させながら除去しようとする際は、第1のステップで用いた配線形成装置の回転ステージアクチュエータ7を利用することもでき、より効率的に行うことができる。
いずれの場合においても、洗浄処理が不十分だと、余剰材料が残ってしまうし、反対に洗浄処理が過剰であれば、所望の導電性微細配線自体にダメージを与えてしまう可能性があるため、適当な洗浄処理条件というのが必要になってくる。以上によって、内部空間を有する立体物の内壁面上への導電性微細配線の形成が終了する。なお、上述の余剰材料の除去処理を行った後であれば、導電性微細配線が形成済みの立体物全体に対して、アニーリング等の後処理工程を行ってもよい。このようにすることで、もう少し高い温度でのアニーリング処理が必要なナノ粒子材料の種類では、導電性微細配線の抵抗率を低減したり、内壁面との密着強度を向上させることができる。
また、上述した説明では、レーザ光を塗布層に照射する場合を例に挙げたが、塗布層の配線形成領域に熱エネルギーを供給することができるものであれば、本発明を適用することができる。
以上のように本実施の形態では、立体物の内壁面の形状に合わせてレーザ光の集光位置制御を行うようにしたので、内壁面の任意の部位に均一なレーザ光の照射スポットを形成して、均一な熱エネルギーをナノ粒子を含む塗布層に供給する制御が可能となり、簡便で、解像度の高い導電性微細配線を形成する方法を提供することができ、例えば、RFIDの微小なアンテナ部を形成するプロセスなどに有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる、したがって本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
ここでは、導電性微粒子分散溶液としてアルバック社製の銀ナノメタルインク(Ag1T(製品名))を用いた場合について説明する。平均粒径は5nmとなっており、導電性のナノ粒子を含有した分散溶液としては平均的なものであり、溶媒はトルエンを主成分とした有機溶剤となっている。透明な立体物としては、加熱処理をすることを考慮して耐熱ガラス製の円筒管とし、内径10mm、肉厚1mm程度のものである。この位の細い内径になると、例えば、対象物に直接描画できるインクジェット法のヘッドユニットをガラス円筒管内部に入れることは、現実的には不可能である。また、一般的な耐熱ガラスは、可視域において90%以上の十分な光透過率を有しており、後述する波長770nmのレーザ光を用いることが可能である。このガラス円筒管に対して、ディッピング法で導電性微粒子分散溶液の塗布層を形成する。適当な量の上述した導電性微粒子分散溶液が入っている容器に、ガラス基板を縦方向にして静かに浸漬させた後、1mm/s程度のゆっくりした速度で引き上げる。ここで、導電性微細配線を形成したいのは、ガラス円筒管の内壁面であり、外壁面に塗布された材料は照射するレーザ光の妨げとなるため、後述する余剰材料の除去工程で用いるトルエン溶液によりふき取る処理を行う必要がある。または、ディッピングを行う前に、あらかじめ適当なテープなどにより、外壁面にマスク処理を行なっておくことで、余剰材料の付着を防ぐような処理でも構わない。その後、溶媒を乾燥除去するために、1時間程度、室温で放置する。ナノ粒子の金属化が進行しない温度(70℃以下)程度であれば、乾燥炉などを利用してもよい。
その後、塗布層が形成できたガラス円筒管に対してレーザ光を照射、スキャンを行う。導電性微細配線形成用として用いるレーザ光源としては、波長770nm、最高出力180mWのソニー製SLD302Vが利用できる。このレーザ光源の直後に配されるコリメートレンズ、光路を遮断できるシャッタ、塗布層に集光するための集光レンズなどの光学系によって、レーザ光源からの出射光をターゲットである内壁面上の塗布層に集光することができ、所望する導電性微細配線のサイズ、形状に対して、レーザ光の集光形状を合わせこむように光学系を調整する必要がある。また、上述の集光レンズは、レーザ光の光軸に対して平行に微動できるように設置されてあり、集光レンズ位置制御部によって集光位置の微調整が可能となっている。レーザ光源の出力としては、形成する導電性微細配線の形状にもよるが、照射する内壁面上で100mW程度が確保できることが望ましい。また、レーザ光のスキャン速度も、レーザ光源の出力と、形成する導電性微細配線の形状にもよるが、10μm程度の配線幅であれば、1mm/s程度のスキャン速度が適当である。
また、本実施例では、微細配線形成用のレーザ光を照射、スキャンする際に、レーザ光は固定位置とし、ガラス円筒管の方を移動させる。レーザ光の照射光軸に対して鉛直方向に配した回転ステージ(基板保持手段に対応する)に立体物を保持し、さらにXY2軸のステージと共に外部制御可能であり、コンピュータなどの自動制御によってガラス円筒管内壁面の任意の位置に対して、正確にレーザ光を照射可能である。このようにして、内壁面上に形成した塗布層の配線形成領域にレーザ光を照射、スキャンする。 導電性微細配線を形成するためのレーザ光の照射、スキャンを完了した後、余剰材料の除去を行う。ここでは、元々のナノ粒子分散溶媒であるトルエン溶液を用いて、配線形成済みの立体物を浸漬させる。さらに、余剰材料の溶解拡散を補助促進するために、超音波洗浄機の中に1分ほど入れることで、余剰材料をできるだけ除去する。
以上のようなプロセスによって、比抵抗値:10μΩ・cm、ライン/スペース幅:10/10μm程度の導電性微細配線が得られる。
以上のように、本発明にかかる配線形成方法は、内部空間を有する立体物内壁面上に導電性微細配線を形成する場合に有用であり、特に内部空間が狭い立体物に対して有用である。
本実施の形態による配線形成装置の模式図 本実施の形態による配線形成装置の制御ブロック図 本実施の形態による配線形成装置の制御フローチャート 本実施の形態による配線形成のプロセス図
1 レーザ光源
2 レーザ光
3 集光レンズアクチュエータ
4 集光レンズ
5 立体物
6 導電性微細配線
7 回転ステージアクチュエータ
8 XY軸ステージアクチュエータ
9 描画パターンデータ
10 レーザ駆動電流制御部
11 集光レンズ位置制御部
12 XY軸ステージ位置制御部
13 回転ステージ位置制御部
14 演算部
15 円筒型立体物
16 塗布層
17 導電性微細配線

Claims (4)

  1. 内部空間をもちレーザ光を透過する立体物の内壁面に配線を形成する方法であって、
    前記立体物の内壁面に対して、導電性微粒子を含有する分散溶液による塗布層を形成する第1の工程と、
    前記塗布層に対して前記立体物の外部方向からレーザ光を連続的に照射することで、配線層を形成していく第2の工程と、
    前記配線層以外の領域の材料を除去する第3の工程を備えたことを特徴とする配線形成方法。
  2. 前記第2の工程において、立体物を回転させる回転駆動手段と、前記レーザ光の焦点位置を、回転軸方向とフォーカス方向に移動させる2次元の駆動手段によって、前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1記載の配線形成方法。
  3. 前記立体物の前記内部空間内に前記レーザ光を遮蔽する遮蔽物を配置したことを特徴とする請求項1記載の配線形成方法。
  4. 前記第3の工程において、前記立体物の前記内部空間に現像液を連続的に流し、かつ前記立体物を回転させることで、前記配線層以外の領域の材料除去することを特徴とする請求項1記載の配線形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014185358A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 M&M Research Inst レーザを用いる焼結体膜形成方法及び焼結体膜形成装置

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