JP2010168015A - 自動車用パーキングブレーキケーブルとその耐久性評価方法 - Google Patents

自動車用パーキングブレーキケーブルとその耐久性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーキングブレーキケーブルの振動を原因とするアウタケーシングの折損を防止することを目的とする。
【解決手段】 パーキングブレーキケーブルのアウタケーシングのブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングの長さをLとし、該クランプとブレーキ側端部の一方を固定し、他方をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で加振したときのパーキングブレーキケーブルの振幅量をAとした場合において、L/A≧3.5となるようにパーキングブレーキケーブルを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のパーキングブレーキに使用されるパーキングブレーキケーブルと、その耐久性を評価する方法に関するものである。
特許文献1は、自動車のパーキングブレーキ装置を開示している。このパーキングブレーキ装置には、手動式操作レバーや足踏み式操作ペダル等の入力装置からの操作をブレーキ側に伝達する手段としてパーキングブレーキケーブルが用いられている。パーキングブレーキケーブルは、筒状のアウタケーシングと、アウタケーシング内に往復動可能に挿通されたインナケーブルを備えている。アウタケーシングの一端は入力装置に取付けられ、アウタケーシングの他端はブレーキ装置に取付けられている。インナケーブルは、アウタケーシングに案内されて、入力装置へ入力された操作をブレーキ装置に伝達する。アウタケーシングは、その中間の少なくとも一箇所でクランプされ、車体側に保持固定されている。
特開2004−138106号公報
上述したパーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する方法としては、パーキングブレーキケーブルを入力装置及びブレーキ装置に実際に装着し、ブレーキ装置を上下方向に所定距離(サスペンションのストローク長)だけ往復動させる耐久試験(揺動試験)を行っていた。そして、予め設定された回数だけ往復動させても破壊しないものを合格品としていた。しかしながら、このような耐久試験で合格品とされたにもかかわらず、前記耐久試験における設定回数以下の回数しか揺動していないはずのパーキングブレーキケーブルのアウタケーシングが折損する事態が発生した。
本件発明者が原因を調査したところ、自動車の走行に伴うタイヤの上下動によってパーキングブレーキケーブルが振動し、その振動によりアウタケーシングが折損していることが明らかとなった。さらに、タイヤが周期的に上下動することで車体(いわゆる、ばね下)が共振し、その車体の共振に伴ってパーキングブレーキケーブルが共振すると、上記折損が起こりやすくなること、及び、上記折損はアウタケーシングのブレーキ装置側の端部からそのブレーキ装置側の端部に最も近いクランプ(第一クランプ)までの間で発生していることも明らかとなった。
本発明は、前記の新しい知見に基づいてなされたものであり、路面からの外力に起因する振動に対して耐久性の高いパーキングブレーキケーブルを提供すること、及びパーキングブレーキケーブルが前記振動に対する耐久性を具備するか否かを評価するための耐久性評価方法を提供することを目的とする。
本発明の自動車用パーキングブレーキケーブルは、筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシング内に往復動可能に挿通されているインナケーブルとを備えており、前記アウタケーシングがその中間の少なくとも一箇所でクランプされている。この自動車用パーキングブレーキケーブルは、アウタケーシングのブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングの長さをLとし、該クランプとブレーキ側端部の一方を固定し、他方をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で加振したときのパーキングブレーキケーブルの振幅量をAとした場合において、L/A≧3.5となる。
ここで、上記の「アウタケーシングの長さL」とは、ブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングのうち、その一端を加振したときに振動する部分、すなわち、可撓性を有する部分の長さのことを言う。従って、クランプやキャップ等の保持部材により可撓性を失っている部分の長さは含まれない。
また、上記の「振幅量A」とは、パーキングブレーキケーブル(インナケーブルを装着した状態)を加振した場合の前記L部分の振幅量を言う。
本発明のパーキングブレーキケーブルにおいて、L及びAを夫々上記のように定めると、L/Aはパーキングブレーキケーブルの振幅比率を表している。振幅比率L/Aが大きい状態は、ケーブル長Lに対して振幅量Aが小さい状態であり、パーキングブレーキケーブルに発生する振動が小さいことを意味する。本発明者が鋭意検討した結果、この振幅比率が3.5以上、即ちL/A≧3.5が成立するようにパーキングブレーキケーブルを構成することによって、自動車の走行に伴うタイヤの上下動によってパーキングブレーキケーブルが振動したとしても、その振動が小さく抑えられ、通常必要とされる耐久期間(振動回数500万回)内にアウタケーシングが折損してしまうことを防止することができることが判明した。本発明では、振幅比率L/Aを評価基準として、振幅比率L/Aが3.5以上となるようにコントロールケーブルを構成することで、振動に対する耐久性に優れたパーキングブレーキケーブルを安定して得ることができるようになる。
このパーキングブレーキケーブルでは、クランプとブレーキ側端部の間におけるパーキングブレーキケーブルの共振周波数とパーキングブレーキケーブルを装備する車体の共振周波数とを少なくとも6Hz相違させることが好ましい。
このパーキングブレーキケーブルでは、車体の共振周波数とパーキングブレーキケーブルの共振周波数(ブレーキ側端部とクランプとの間の共振周波数)とがずれている。このため、自動車の走行時のタイヤの上下動によって車体が共振したとしても、その周波数ではパーキングブレーキケーブルが共振しない。これによって、パーキングブレーキケーブルに大きな振動が発生することが抑えられ、パーキングブレーキケーブルのアウタケーシングは一層折損し難くなる。
本発明のパーキングブレーキケーブルの耐久性評価方法は、筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシング内に往復動可能に挿通されているインナケーブルとを備えており、前記アウタケーシングが少なくとも一箇所でクランプされている自動車用パーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する方法である。この方法では、アウタケーシングのブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングの長さLを決定する工程と、該クランプとブレーキ側端部の一方を固定し、他方をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で加振したときのパーキングブレーキケーブルの振幅量Aを測定する工程とを有している。そして、測定されたLとAがL/A≧3.5を満たすか否かによってパーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する。
このパーキングブレーキケーブルの耐久性評価方法では、耐久性を評価するパーキングブレーキケーブルの上記L及びAを夫々決定してL/A(振幅比率)を算出し、L/A≧3.5を満たすか否かによって該パーキングブレーキケーブルの振動に対する耐久性を評価する。上記のように、振幅比率L/Aが大きければそれだけケーブルに発生する振動が小さいことを意味し、その振幅比率が3.5以上、即ちL/A≧3.5が成立するパーキングブレーキケーブルは、通常必要とされる耐久期間(振動回数500万回)内にアウタケーシングが折損してしまうことを防止できることが判明している。この方法では、振幅比率L/Aを評価基準としてパーキングブレーキケーブルの振動に対する耐久性を評価することにより、振動に対する耐久性に優れたパーキングブレーキケーブルか否かを正確に評価することができる。
なお、本発明の耐久性評価方法と従来のブレーキ装置を上下方向に所定距離(サスペンションのストローク長)だけ往復動させる耐久試験(揺動試験)とを併せて行うようにしてもよい。この場合は、パーキングブレーキケーブルの耐久性を対揺動性、対振動性の二面から評価することができ、パーキングブレーキケーブルの耐久性をより正確に評価することができる。
本発明によると、振動に対して耐久性の高いパーキングブレーキケーブルを提供することができる。
本発明のパーキングブレーキケーブルのブレーキ装置側の端部近傍の一例を示す図。 振動試験結果(振幅比率と耐久性の関係)を表すグラフ。 振動試験結果(共振周波数と耐久性の関係)を表すグラフ。 車体の振動を周波数解析した結果を示すグラフ。 本発明のパーキングブレーキケーブルのブレーキ装置側の端部付近の他の一例を示す図。
以下に説明する本実施例の技術的特徴を列挙する。
(形態1) アウタケーシングには、平鋼ケーブル型のアウタケーシングが用いられる。アウタケーシングの外径は、例えばφ8mm〜10mmを用いることができる。
(形態2) アウタケーシングの長さLはL≦500mmを満たしている。
(形態3) パーキングブレーキケーブルは、パーキングブレーキケーブルの共振周波数(上記Lに相当する部分)を調整するための調整手段を備えている。
(形態4) 調整手段は、パーキングブレーキケーブルの共振周波数(上記Lに相当する部分)が、該パーキングブレーキケーブルを実装する車体(ばね下)の共振周波数と少なくとも6Hz相違するように調整する。
(形態5)調整手段としては、ガイドパイプ等の調整部材を用いることができる。ガイドパイプを用いる場合、ガイドパイプはパーキングブレーキケーブルの端部に備え付けることができる。
(形態6) パーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する際には、クランプ側を固定して、ブレーキ側の端部を振動させて、振幅量Aを測定する。
(第1実施例) 本発明の自動車用パーキングブレーキケーブルの第1実施例について以下に説明する。図1は、自動車用のパーキングブレーキケーブル1のブレーキ装置2側の端部近傍を示す図である。パーキングブレーキケーブル1は、図1に示すように筒状のアウタケーシング3内に、インナケーブル4が往復動可能に挿通されてなる。パーキングブレーキケーブル1は、アウタケーシング3の一端が支持キャップ5を介して車体のブレーキ装置2に、他端が図示しない手動式操作レバーや足踏み式操作ペダル等の入力装置に夫々取付けられている。パーキングブレーキケーブル1は可撓性を有している。このため、パーキングブレーキケーブル1の両端間に複数のクランプが設けられ、これらクランプによりパーキングブレーキケーブル1を車体に固定することで、その配索経路を変更できるようになっている。図1には、パーキングブレーキケーブル1のブレーキ側端部の近傍がクランプ6で車体に保持されている状態が示されている。自動車のパーキングブレーキ装置では、入力装置からの操作に伴ってアウタケーシング3内をインナケーブル4が前後動することにより、入力装置の操作がブレーキ側に伝達されるようになっている。パーキングブレーキケーブル1を構成するアウタケーシング3とインナケーブル4には、従来公知のものを用いることができる。例えば、アウタケーシング3には、直径φ8mm〜10mmの平鋼ケーブル型のアウタケーシングを用いることができる。また、インナケーブル4には、複数のワイヤを撚り合わせたプルケーブル(直径φ2〜4mm)を用いることができる。
支持キャップ5は、図1に示すような略筒状部材であって、亜鉛ダイカストやアルミダイカスト等によって形成されている。支持キャップ5の一端にはブレーキ装置2が固定されており、その他端にはアウタケーシング3の一端が挿入されて保持されている。支持キャップ5で保持したアウタケーシング3の端部からはインナケーブル4が引出され、支持キャップ5内を通ってブレーキ装置2内部へと導かれている。
図1に示すクランプ6は、アウタケーシング3のブレーキ側端部を保持する支持キャップ5から最も近いクランプ(以下「第一クランプ6」とする。)である。アウタケーシング3は、この第一クランプ6を含めた一又は二以上のクランプで中間部を車体に固定されている。
本実施例では、アウタケーシング3の端部から第一クランプ6までのアウタケーシング3の長さLが500mm以下とされている(すなわち、L≦500mm)。長さLを500mm以下とするのは、配索経路を確保するためである。ここで、長さLは、アウタケーシング3のうち、自動車の走行によりタイヤが上下動したときに、これに伴うブレーキ装置2の上下動を受けて振動する可撓部分の長さのことを言う。本実施例の場合は、アウタケーシング3と支持キャップ5の開口端部との境界部分(図1中X点)からアウタケーシング3中の第一クランプ6のブレーキ装置2側の端部との境界部分(図1中Y点)までの長さがLとなる。
また、図1に示すAは、第一クランプ6を固定したままブレーキ装置2側を、パーキングブレーキケーブル1が装備される車体の共振周波数で振動させた場合(図中白抜き矢印参照)のパーキングブレーキケーブル1の振幅量である。なお、パーキングブレーキケーブル1を加振する加振力は、自動車の車体に作用すると予測される最大の加振力よりも大きな力とされる。本実施例では加振力10G(=98m/s)としている。なお、ブレーキ装置2側を加振したときに振動するのは、パーキングブレーキケーブル1中、上記Lの長さに当たる部分である。このAは、実際に振動試験を行ったり、振動シミュレーションを行ったりすることによって測定することができる。
本実施例のパーキングブレーキケーブル1は、前記のように定めたL、Aが、L/A≧3.5となるように構成されている。このL/Aはパーキングブレーキケーブル1の振幅比率を表す数値であり、パーキングブレーキケーブル1の振動に対する耐久性を評価するための評価基準の一つである。上述したLとAの説明から明らかなように、振幅比率L/Aが大きい状態は、ケーブル長Lに対して振幅量Aが小さい状態であり、パーキングブレーキケーブル1に発生する振動が小さいことを意味する。
図2は本件発明者が行ったパーキングブレーキケーブルの振動試験の試験結果を示すグラフである。この振動試験は、パーキングブレーキケーブルの第一クランプ6の部分を固定した状態で、ブレーキ装置2側をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で振動させてアウタケーシング3に折損が生じたか否かを観察する試験である。本試験では、ブレーキ装置2側を、車体の共振周波数である10Hz、加振力10G(=98m/s)で振動させた。また、与える振動の最大回数を500万回とした。振動の最大回数を500万回としたのは、パーキングブレーキケーブルに通常必要とされる耐久期間内での最大振動回数が500万回程度であると考えられるためである。また、アウタケーシングには、直径φ10mmの平鋼ケーブル型のアウタケーシングを用い、インナケーブルには、直径φ3mmのプルケーブルを用いた。かかる条件の下で、上記アウタケーシングの長さLを変化させながら、パーキングブレーキケーブルの振幅量を測定し、また、アウタケーシングが折損するまでの回数を測定した。図2中の縦軸は試験を行ったパーキングブレーキケーブルの振幅比率、横軸は試験を行ったパーキングブレーキケーブルが折損したときの振動回数をそれぞれ示す。横軸の値が500万回の場合、パーキングブレーキケーブルが折損することなく本振動試験の最大振動回数である500万回に達したことを示している。図2に示すように、振幅比率が3.5を下回るパーキングブレーキケーブルでは、いずれも500万回以下の振動でアウタケーシングに折損が生じた。一方、振幅比率が3.5以上のパーキングブレーキケーブル(本実施例のパーキングブレーキケーブル)では、いずれも500万回の振動によっては折損しなかった。
上記試験結果が示すように、振幅比率(L/A)が3.5以上となるように構成されたケーブルでは、500万回の振動を与えた場合であってもアウタケーシング3の折損が生じず、振動に対する耐久性を十分に備えるものと認められる。従って、振幅比率(L/A)を評価基準とし、L/A≧3.5を満たすようにパーキングブレーキケーブルを構成することで、自動車の走行に伴うタイヤの上下動等、路面からの外力に起因する車両の振動に対して十分な耐久性を備えたパーキングブレーキケーブルとすることができる。
また、図3は、上記の振動試験の試験結果を、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数を評価基準として評価したものである。図3中の縦軸はパーキングブレーキケーブル1の共振周波数、横軸は試験を行ったパーキングブレーキケーブルが折損することなく耐久した振動回数を夫々示している。図3に示すように、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数が16Hzを下回るパーキングブレーキケーブル1では、500万回以下の振動でアウタケーシング3に折損が生じた。一方共振周波数が16Hz以上のパーキングブレーキケーブル1では、いずれも500万回の振動試験を耐久することができた。
上記試験結果が示すように、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数が16Hz以上のパーキングブレーキケーブル1では、500万回の振動試験ではアウタケーシング3が折損せず、振動に対する耐久性を十分に備えるものと認められる。すなわち、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数を、パーキングブレーキケーブル1を装備する車体の共振周波数から6Hz以上ずらすことで、パーキングブレーキケーブル1の振動を十分に低減することができ、パーキングブレーキケーブル1の折損を防止することができるものと認められる。従って、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数を評価基準とし、その共振周波数を車体の共振周波数から6Hz以上ずらすことで、自動車の走行に伴う車両の振動に対して十分な耐久性を備えたパーキングブレーキケーブルとすることができる。
なお、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数とパーキングブレーキケーブル1を装備する車体の共振周波数との差は、6Hz以上であればよく、任意の値を採ることができる。具体的には、図4に示すように、車体の共振周波数fのときの加速度の絶対値の最大値をAとし、その加速度の絶対値の最大値Aが加速度の絶対値の最大値Aの1/6(適切な数値に修正下さい)となる周波数をf、fとすると、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数fをfより小さくするか、fより大きくすればよい。このようにすることで、パーキングブレーキケーブル1の振動を十分に低減することができ、自動車の走行に伴う車両の振動に対して十分な耐久性を備えたパーキングブレーキケーブルとすることができる。
(第2実施例) 本発明のパーキングブレーキケーブルの他の実施例について以下に説明する。本実施例のパーキングブレーキケーブルも、その基本的構成は第1実施例に記載のものと共通する。ただし、本実施例では、図5に示すように、支持キャップ5とアウタケーシング3の接続部にガイドパイプ7を取り付けている点で異なる。
ガイドパイプ7は、図5に示すように、支持キャップ5とアウタケーシング3の一部に外側から嵌められている。ガイドパイプ7は、金属製(例えば、STKM)であって、下端部付近をラッパ状に広径に形成した略筒状部材である。ガイドパイプ7は、パーキングブレーキケーブル1に対して剛性が高く、可撓性は極めて小さい。このため、支持キャップ5とアウタケーシング3の接続部にガイドパイプ7を外嵌することにより、パーキングブレーキケーブル1のガイドパイプ7が嵌められた部位が振動することが規制される。すなわち、本実施例のパーキングブレーキケーブル1では、アウタケーシング3の長さLは、アウタケーシング3とガイドパイプ7の開口端部の内側面との境界部分(図5中Z点)からアウタケーシング3中の第一クランプ6のブレーキ装置2側の端部との境界部分(図5中Y点)までの長さがLとなる。したがって、車体の振動を受けて振動する可撓部分の長さLが実施例1記載のものより短くなるため、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数は実施例1記載のものよりも高くなる。このようにガイドパイプ7を取付けることにより、本実施例のパーキングブレーキケーブル1の共振周波数は、パーキングブレーキケーブル1を装備する車体の共振周波数から少なくとも6Hz相違するように調整されている。このため、自動車の走行時のタイヤの上下動によって車体が共振したとしても、その周波数ではパーキングブレーキケーブル1が共振せず(即ちパーキングブレーキケーブルに大きな振動が発生することがなくなり)、パーキングブレーキケーブル1のアウタケーシング3は一層折損し難くすることができる。
なお、本実施例では、ガイドパイプ7によってパーキングブレーキケーブル1の共振周波数を調整したが、パーキングブレーキケーブル1の共振周波数を調整する方法はこのような例に限られない。例えば、ガイドパイプの取付け位置や数、サイズ、形状、素材等を変更することで、共振周波数を調整することができる。また、アウタケーシングの素材を変更(即ち、アウタケーシングの剛性を変更)することで共振周波数を調整することができ、また、アウタケーシングの形状を変更して周波数を調整することもできる。
最後に、本発明を具現化した一実施例に係るパーキングブレーキケーブルの耐久性評価方法について説明する。本実施例の耐久性評価方法では、まず、パーキングブレーキケーブル1の長さLを決定する。すなわち、パーキングブレーキケーブル1を装備する車両に合わせて第一クランプ6の位置を決定する。これによって、長さLが特定される。
なお、長さLは、アウタケーシング3のうち、車体の振動を受けて振動する可撓部分の長さのことを言う。従って、図1に示す例ではXY間の長さがLとなり、ガイドパイプ7を備えた図5に示す例ではZY間の長さがLとなる。
第二に、第一クランプ6を固定したまま、パーキングブレーキケーブル1のブレーキ装置2側を、パーキングブレーキケーブル1を装備する車体の共振周波数で振動させ、その時のパーキングブレーキケーブル1の振幅量Aを測定する。パーキングブレーキケーブル1を加振する加振力は、車体に作用すると予測される最大の加振力よりも大きな力とされる。振幅量Aは、加振装置等を用いた振動試験によって測定することができる。本実施例では、振幅量Aの測定が完了すると、振動試験を終了することができる。
第三に、測定したL、Aを基にL/A(振幅比率)≧3.5が成立するか否かを判定する。L/A≧3.5を満たす場合を耐久性あり、L/A≧3.5を満たさない場合を耐久性なしと評価することができる。
本実施例においては、長さLを決定し、振幅量Aを測定し、振幅比率L/Aを評価基準としてパーキングブレーキケーブル1の耐久性を評価するため、500万回の耐久試験を実施する場合と比較して、短時間で耐久性を評価することができる。これによって、耐久性を満足する長さLを効率的に決定することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 パーキングブレーキケーブル
2 ブレーキ装置
3 アウタケーシング
4 インナケーブル
5 支持キャップ
6 第一クランプ
7 ガイドパイプ

Claims (3)

  1. 筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシング内に往復動可能に挿通されているインナケーブルとを備えており、前記アウタケーシングがその中間の少なくとも一箇所でクランプされている自動車用パーキングブレーキケーブルであって、
    アウタケーシングのブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングの長さをLとし、
    該クランプとブレーキ側端部の一方を固定し、他方をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で加振したときのパーキングブレーキケーブルの振幅量をAとした場合において、L/A≧3.5となることを特徴とする自動車用パーキングブレーキケーブル。
  2. クランプとブレーキ側端部の間におけるパーキングブレーキケーブルの共振周波数とパーキングブレーキケーブルを装備する車体の共振周波数とが少なくとも6Hz相違することを特徴とする請求項1に記載の自動車用パーキングブレーキケーブル。
  3. 筒状のアウタケーシングと、該アウタケーシング内に往復動可能に挿通されているインナケーブルとを備えており、前記アウタケーシングがその少なくとも一箇所でクランプされている自動車用パーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する方法であって、
    アウタケーシングのブレーキ側端部からそのブレーキ側端部に最も近いクランプまでのアウタケーシングの長さLを決定する工程と、
    該クランプとブレーキ側端部の一方を固定し、他方をパーキングブレーキケーブルが装備される車体の共振周波数で加振したときのパーキングブレーキケーブルの振幅量Aを測定する工程と、を有しており、
    測定されたLとAがL/A≧3.5を満たすか否かによってパーキングブレーキケーブルの耐久性を評価する自動車用パーキングブレーキケーブルの耐久性評価方法。
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