JP2010167347A - 放電装置及び放電方法 - Google Patents

放電装置及び放電方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010167347A
JP2010167347A JP2009010816A JP2009010816A JP2010167347A JP 2010167347 A JP2010167347 A JP 2010167347A JP 2009010816 A JP2009010816 A JP 2009010816A JP 2009010816 A JP2009010816 A JP 2009010816A JP 2010167347 A JP2010167347 A JP 2010167347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrodes
dielectric
discharge device
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009010816A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Aso
雄二 麻生
Katsunori Ishii
克典 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2009010816A priority Critical patent/JP2010167347A/ja
Publication of JP2010167347A publication Critical patent/JP2010167347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

【課題】電源の大型化を必要とせずに、設計の自由度が高い、気相および液相の浄化や改質を可能とした放電装置及び放電方法を提供する。
【解決手段】パルス電源101と、前記パルス電源101の端部に接続された一対の電極102、103とを有し、前記電極102、103のうち一方の電極102の少なくとも一部の領域が誘電体105で覆われてなる放電装置100であって、前記誘電体105と前記他方の電極103との間に、前記誘電体105に液面が接するように液体(例えば水W)を介在させ、前記一方の電極102が第一の面を、前記他方の電極103が第二の面を備えている時、前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、前記一対の電極102,103を配置させ、前記一対の電極102,103間に、パルス電圧を印加させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、設計の自由度が高い、気相および液相の浄化や改質を可能とした放電装置及び放電方法に関する。
従来から、高電圧を電極間に印加して、水中で発生させた放電を利用して水の改質を行う技術が知られている(例えば、特許文献1乃至特許文献2参照)。
特許文献1に記載の水の改質装置は、水溶液中において2個の電極間にパルス電界を発生させて生じる水中放電により水溶液を処理するようになっている。具体的には、少なくとも1個の電極を誘電材料層で被覆し、この装置の作動中誘電材料によって少なくとも1個の電極を水溶液から完全に隔離する。これによって、従来の水中放電装置において許容できる電界強度よりも高い電界強度の使用を可能にし、水の改質を行うようになっている。
特許文献2に記載の水の改質装置は、水中での放電によりこの水を改質するようになっており、その具体的な構成として、放電容器内の水に非接触状態で対向配置された電極に正負反転の非対称な波形を有する交流パルス電圧を印加し、電位反転の際に誘起されて放電容器内に発生する電場により水中放電を行うようになっている。そして、この構成によって水の改質を行うようになっている。
特表2001−507274号公報(10−11頁、Fig.1) 特開2001−9463号公報(4−5頁、図1)
特許文献1に記載の技術は水中放電の技術であり、印加する電圧をパルス波形の先行する一方の極性の持続時間を水分子の双極子モーメントの応答に合わせて比較的長く、それに続く他方の極性への反転時間を分極磁場の保存のため、比較的短い時間で急峻に変化するような非対称波形にすることが必要である。したがって、原理的には電極の単位面積あたりの水中放電量を効率良く発生させようとすると、電場が均一に存在する必要があり、一対の電極はそれぞれの平面が対向していなければならない。例えば、一対の電極のそれぞれの平面が非対向な場合には、電場が不均一(密な部分と疎な部分が発生する)になり、広範囲に水中放電が発生せず、エネルギーの熱損失が発生する可能性がある。最悪の場合には水中放電が発生しなくなる可能性がある。
また、特許文献2に関しても同様に電極の単位面積あたりの水中放電量を効率良く発生させようとすると、電場が均一に存在する必要がある。そのため、電極に複数の突出部を備え、突出部の面と、もう一方の電極の面が対向するように配置されている。例えば、一対の電極の作用する面が対向配置されていない場合、一対の電極の最短距離の部分でのみ水中放電が発生し、、その他の突出部では電場が不均一なために水中放電が発生しなくなる可能性がある。最悪の場合には全ての点で水中放電が発生しなくなる可能性がある。
すなわち、従来技術では電極の設置位置や形状に制限がかかり、放電装置の大型化や複雑化を必要とするため、製品化する際の汎用性に欠けていた。
本発明の目的は、電源の大型化を必要とせずに、設計の自由度が高い、気相および液相の浄化や改質を可能とした放電装置及び放電方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の放電装置は、
パルス電源と、
前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
前記電極のうち一方の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
放電装置であって、
前記誘電体と前記他方の電極との間に、
前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
前記一対の電極を配置させ、
前記一対の電極間に、
パルス電圧を印加する
ことを特徴としている。
また、本発明の放電方法は、
パルス電源と、
前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
放電装置であって、
前記誘電体と前記他方の電極との間に、
前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
前記一対の電極を配置させ、
前記一対の電極間に、
パルス電圧を印加する
ことを特徴としている。
また、本発明の放電装置の他の態様は、
パルス電源と、
前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
放電装置であって、
前記誘電体と前記他方の電極との間に、
前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
前記一対の電極を配置させ、
前記一対の電極間に、
パルス電圧を印加する
ことを特徴としている。
また、本発明の放電方法の他の態様は、
パルス電源と、
前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
放電装置であって、
前記誘電体と前記他方の電極との間に、
前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
前記一対の電極を配置させ、
前記一対の電極間に、
パルス電圧を印加する
ことを特徴としている。
このような構成を有することで、装置の大型化を必要とせずに、様々な放電装置の形状や電極の形状・設置位置でも、液体と誘電体(固相)との間の気相で放電を発生させて、気相、液相、又は固相の浄化や改質を可能とした放電装置及び放電方法を提供することができる。
すなわち、本発明によると、電源の大型化を必要とせずに、設計の自由度が高い、気相および液相の浄化や改質を可能とした放電装置及び放電方法を提供することが出来る。
本発明の第1の実施形態に係る放電装置の概略的な構成を示す概念図である。 図1に示した放電装置の作用を説明する概念図である。 図1に示した放電装置の第1変形例を示す図1に対応する概念図である。 図1に示した放電装置の第2変形例を示す図1に対応する側方断面図でる。 本発明の第2の実施形態に係る放電装置の概略的な構成を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第1変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第2変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第3変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第4変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第5変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第6変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第7変形例を示す概念図である。 図5に示した放電装置の第8変形例を示す概念図である。
以下、本発明の各実施形態及びその実施例に係る放電装置及び放電方法について図面に基づいて説明する。ここで、図1は、本発明の第1の実施形態に係る放電装置の概略的な構成を示す概念図であり、図2は図1に示した放電装置の作用を説明するための概念図である。なお、これらの図においては、構成の理解の容易化を図るために断面ハッチングを省略している(以下、他の図も同様とする)。
本発明の第1の実施形態に係る放電装置100は、パルス電源101と、パルス電源101の各端部に接続された電極102と電極103の平面を非対向(それぞれの電極において、一方の電極の面の法線ベクトルと、他方の電極の面の法線ベクトルとが交わらない、あるいは重ならないない部分を有すること)に設置し、これら電極102,103のうち、一方の電極102の全表面が誘電体105で覆われ、この誘電体105と他方の電極103との間に一塊の液体として水Wが介在している。本実施形態においては、電極102の上部と電極103の下部とが、非対向となっている。そして、パルス電源101を介して各電極102,103に印加される電圧によって、水Wが電極103と同電位になり、電極102との間に電位差が生じるため、誘電体105と水Wの水面とが接する部分において誘電体105と水Wとの間をその周囲の空気Aを介して放電させるようになっている(図1の点線で示す放電AD(Atmospheric discharge)参照)。なお、パルス電源101には、高圧パルス電源が用いられている。
このように、電極103,誘電体,105の間に一塊の水Wが介在していれば、電極は非対向に配置できることにより、本装置を他の装置に組み込む場合において、形状の自由度が高い。
ここで、本発明で使用する形状に関する語句の説明を行なう。
(電極が非対向)
それぞれの電極において、一方の電極の面の法線ベクトルと、他方の電極の面の法線ベクトルとが交わらない、あるいは重ならないない部分を有することを、電極が非対向であるとする。
(電極が非平行)
それぞれの電極が平面を有している場合は、それぞれの平面を無限遠に広げた場合に一部でも平面同士が交わる部分があることを、電極が非平行であるとする。ただし、それぞれの電極が平面を成し、それらが同一平面上に存在している場合は、それぞれの電極は平行であるとする。
水Wは純水に限らず、水道水、汚水等どのような水でも良い。また、水以外の液体でも良い。空気Aも同様に、純空気に限らず、臭気物質や汚染物質、水蒸気を含んだ空気でも良く、また、空気以外の気体でも良い。なお、図1及び図2は本発明の本質的構成を示す概念図であるため、一方の円弧上の電極102を覆う誘電体105と他方の板状の電極103との間に一塊の水Wを図示するように介在させる具体的手段については示していないが、これを具体化した態様については第1の実施形態の後述する変形例で明らかにする。
続いて、このような構成を有する放電装置100を用いた放電方法について説明する。この放電方法を実施するに当って、最初に放電装置100のパルス電源101を介して各電極間にパルス電圧を印加する。これによって、一方の電極102を覆った誘電体105と水Wの水面とが接する部分において、図2に示すように、この接する部分の周囲の空気Aを介して放電が生じる(図2の点線で示す放電AD参照)。この放電により、例えば気体が空気や酸素の場合、酸素の一部がオゾン(O)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O )等反応性に富んだ物質(活性種と呼ぶ)になる。また、液体が水の場合、それらの活性種が水と反応したり、或いは水分子が直接放電の作用を受け、ヒドロキシラジカル(・OH)や過酸化水素(H)等の活性種も生成される。それらの活性種は気相に漂ったり、液相に溶け込んだりして、気相、液相の物質を酸化(分解)や殺菌をし、気相、液相の浄化、改質が可能となると考えられる。特に、誘電体(固相)が放電の作用を直接受けたり、気相や液相で生成した活性種により、付着している物質(例えば汚れ)が除去(浄化)されたり、表面が親水化等の改質をされると考えられる。また、気相や液相に含まれている臭気物質や汚染物質、黴菌が放電の作用を直接受け、他の物質に変化したり、殺菌をし、気相、液相の浄化、改質が行われることもあると考えられる。
また、この放電により、ヒドロキシラジカル(・OH)や過酸化水素(H)等の活性種を含むミストが生成される(図2の点線で示す放電AD部の周辺参照)。それらのミストが気相を漂うことにより、気相の黴菌が殺菌される。また、ミストが活性種を含むため、気相の臭気物質も変質されると考えられる。
また、気体が空気の場合、放電により窒素酸化物(NOx)が生成し、それらが液(水)に溶け込むことで硝酸(HNO)になり、水が酸性水になる(水のpHが下がる)効果も期待できる。
気相が空気、液相が水以外の場合でも、それらを形成する分子が放電により解離され、反応性に富んだ物質(例えばラジカル)となり、気相、液相の浄化、改質が可能となる。
また、水に浸した電極103から放電することはないので、電極表面の腐食や消耗、それに伴う液体への溶解(液体の汚染)を避けることができる。
このように、電極の表面を誘電体で被覆することにより、放電による電極の劣化を防ぐことができ、一対の電極を非対向に設置できるため、形状の自由度が向上する。
また、このように、1つのデバイスで活性種を生成し、ミストとして飛散させることができるため、装置の小型化が可能になり、部品点数が少なくて済むため、メンテナンス性も向上する。
さらに、電極や誘電体の形状が単純で良いため、防汚性及び清掃性が高い。
また、電極の表面を誘電体で被覆するため、放電による電極の劣化が生じず、殺菌ミスト生成能力の劣化が生じない。
続いて、上述した第1の実施形態に係る放電装置100の第1変形例について説明する。図3は、図1に示した放電装置100の第1変形例に係る放電装置110を概略的に示す概念図である。なお、上述の第1の実施形態に係る放電装置100と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。また、この変形例に係る放電装置110の各構成要素の材質等については、上述の第1の実施形態に係る放電装置100と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
この第1変形例に係る放電装置110は、第1の実施形態に係る放電装置100とは異なり、一方のの電極112が誘電体115で全体的に覆われておらず、他方の板状の電極113側の面であってその両端部を除く領域のみが誘電体115で覆われている。そして、この一方の電極112の誘電体115と他方の電極113との間に水Wが介在している。なお、この変形例においても水Wを電極間に介在させる具体的手段については図示省略する。
このような一方の電極112を全て誘電体115で覆わず、液面が接する部分だけを覆う簡単な構成によっても第1の実施形態に係る放電装置100と同等の作用効果を生じる。
具体的には、高圧パルス電源からなるパルス電源111を介して放電装置110の各電極112,113にパルス電圧を印加することで、一方の電極112の一部を覆う誘電体115と水Wの水面とが接する部分において誘電体115との水Wとの間に空気Aを介して放電を生じさせ(図3における点線で示す放電AD参照)、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第1の実施形態の第2変形例について説明する。図4は図1に示した放電装置100の第2変形例に係る放電装置120を概略的に示す側方断面図であり、図1に比べてより実際の使用形態に近づけた構成を示している。なお、上述の第1の実施形態及びその第1変形例に係る放電装置100,110と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2変形例に係る放電装置120は、第1の実施形態に係る放電装置100をより実際の使用態様に適した形で具現化した変形例である。この第2変形例に係る放電装置120は、水Wが容器124内に溜められ、誘電体125で覆われた一方の電極122の一部と、誘電体で周囲が覆われていない他方の電極123の一部が水Wに浸されている。第2変形例に係る放電装置120がこのような構成を有していても、上述した第1の実施形態及びその第1の変形例と同等の作用効果を発揮することができる。
具体的には、高圧パルス電源からなるパルス電源121を介して各電極122,123にパルス電圧を印加することで、一方の電極122の一部を覆う誘電体125と水Wの水面とが接する部分において誘電体125との水Wとの間に空気Aを介して放電を生じさせる(図4における点線で示す放電AD参照)。この放電によって、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、このような作用効果に加えて、水面に接した空気Aに漂っている活性種によって容器124の水面から突出した容器内壁124aの酸化や殺菌が行われ、容器内壁124aを浄化や改質することができる。また、水中に溶け込んだ活性種やHNOにより水中の容器内壁124bを酸化や殺菌して、容器内壁124bも浄化や改質をされることが期待できる。その結果、この変形例による放電装置120を用いることで、容器内124の水Wや空気A、誘電体125の改質や浄化を行うだけでなく、容器内壁124a,124bの容器内壁の浄化も期待できる。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る放電装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る放電装置200の概略的な構成を示す概念図である。なお、上述の実施形態及びその各変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この第2の実施形態に係る放電装置200は、図1に示した第1の実施形態に係る放電装置100と基本的構成が共通するが、高圧パルス電源からなるパルス電源201の両端に接続された電極202,203の双方が誘電体205,206で完全に覆われている点で構成が異なっている。なお、図6は本発明の本質的構成を示す概念図であるため、誘電体205と誘電体206との間に水Wを図示するように介在させる具体的手段については示していないが、これを具体化した態様については第2の実施形態の後述する変形例で明らかにする。
このように電極202,203をそれぞれ誘電体205,206で覆うことで、パルス電源201の両端に接続された各電極202,203にパルス電圧を印加すると、水Wの電位が電極202と203の間の電位となり、電極202と水Wとの間、及び電極203と水Wとの間に電位差が生じるため、各誘電体205,206と水Wの水面とが接する部分において誘電体205,206と水Wとの間で空気Aを介して放電を生じさせる(図5の点線で示す放電AD参照)。
第2の実施形態に係る放電装置200がこのような構成を有することで、水Wと誘電体205,206との間であって空気Aを介して生じる放電の箇所をより増やすことができ、短時間の放電によってより多くの活性種を発生させ、それらにより、或いは放電により直接、液相、気相、固相の浄化、改質を行うことができ、より効率良く浄化、改質を進めることができる。
続いて、第2の実施形態の第1変形例に係る放電装置について説明する。図6は、図5に示した放電装置200の第1変形例に係る放電装置210を概略的に示す概念図である。なお、上述の第1及び第2の実施形態並びに第1の実施形態の各種変形例に係る放電装置と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。また、この変形例においても水Wを電極間に介在させる具体的手段については図示省略する。
この第1変形例に係る放電装置210は、図3に示す第1の実施形態の第1変形例に係る放電装置110に対応した構成を有しているが、双方の電極212,213の一部にそれぞれ誘電体215,216が密着した状態で備わり、各誘電体間に水Wが介在する構成を有することで第1の実施形態の第1変形例110と構成が異なっている。この第1変形例に係る放電装置210によっても、上述した第2の実施形態に係る放電装置200と同様に2つの誘電体215,216と水Wの水面とが接する部分で両者間に空気Aを介してより広い領域で放電(図7の点線で示す放電AD参照)を生じさせることができるので、液相、気相、固相の浄化、改質をより効率良く進めることができる。
続いて、第2の実施形態の第2変形例に係る放電装置について説明する。図7は、図5に示した放電装置200の第2変形例に係る放電装置220を示す側方断面図であり、図5に比べてより実際の使用形態に近づけた構成を示している。なお、この変形例に係る放電装置220は、上述の第1の実施形態の第2変形例に係る放電装置120に対応した構成を有しているので、同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2の実施形態の第2変形例に係る放電装置220は、第1の実施形態の第2変形例に係る放電装置120とは異なり、双方の電極222,223が誘電体225,226で覆われ、この双方の誘電体225,226の一部がそれぞれ容器224に溜まった水Wに浸されている。この第2変形例に係る放電装置220がこのような構成を有することで、上述の第2の実施形態及びその第1変形例に係る放電装置200,210と同様に、誘電体225,226と水Wの水面とが接する部分で空気Aを介して生じさせる放電の領域を広めることができ(図7における点線で示す放電AD参照)、第1の実施形態の第2変形例に係る放電装置120に比べて液相、気相、固相の浄化、改質をより効率良く進めることができる。
続いて、第2の実施形態の第3変形例に係る放電装置について説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この第3変形例に係る放電装置230は、図8に示すように、高圧電源パルスからなるパルス電源231の両端に接続された円弧状電極232,233が、誘電体からなる円筒状容器234の側壁内側に一対の電極の端部を若干離間した位置に密着させて取り付けられ、一対の電極上の誘電体に一塊の水Wが接するように容器235内に水Wを介在させる。すなわち、電極232,233をそれぞれ外方に向ける、すなわち非対向に位置させる。
このように、非対向に設置することで、容器235に投げ込む可搬型の装置形状でも、第1の実施形態の第2変形例に係る放電装置120と同様に、液相、気相、固相の浄化、改質を行なうことが出来る。
続いて、第2の実施形態の第3変形例のさらなる変形例、第4変形例に係る放電装置240について説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図9に示すように、この第4変形例に係る放電装置240は、基本的な構成は第3変形例と同じだが、板状の電極242,243が誘電体からなる逆三角形の容器244の側面内側に取り付けられている。すなわち、一対の電極242,243をそれぞれ外方に向ける、すなわち非対向に位置させる。
また、第2の実施形態の第3実施例のさらなる変形例、第5変形例に係る放電装置250ついて説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図10に示すように、この第5変形例に係る放電装置250は、基本的な構成は第3変形例と同じだが、板状の電極252,253が誘電体からなる長方形の容器254の側面内側に取り付けられている。すなわち、一対の電極252,253をそれぞれ外方に向ける、すなわち非対向に位置させる。
第2の実施形態の第4,5変形例からわかるように、容器に投げ込む可搬型の装置形状の場合、電極の作用する面を非対向に設置すれば、その装置は形状を問わない。
続いて、第2の実施形態の第6変形例に係る放電装置260について説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図11に示すように、この第6変形例に係る放電装置260は、高圧パルス電源からなるパルス電源261の両端に接続された板状の電極262,263を誘電体からなるV字型の容器264の側壁外側にそれぞれ有しており、一対の電極と接する誘電体に一塊の水Wが接するように容器264内に水Wを介在させる。このとき、電極263の下端がV字型容器の凸部に接するよう、電極263を移動させた形状をしており、一対の電極262、263が非対向に設置されている。本実施形態においては、電極262の上部と電極263の下部が非対向となっている。
これにより、一対の電極間に水Wが存在すれば、三角柱の形状として縦置き,横置き,斜め置きに設置しても、また水位が変化しても、液相、気相、固相の浄化や改質を行なうことができる。また、一対の電極が非対向に設置できるので、製造時の電極設置位置の精度を厳密にする必要がない。
続いて、第2実施例の第7変形例に係る放電装置270について説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図12に示すように、この第7変形例に係る放電装置270は、高圧パルス電源からなるパルス電源271の両端に接続された板状電極272,273を誘電体からなるコの字型の容器274(開放部を上とする)の外側に有しており、電極272,273が底部と側壁に設置され、それぞれL字型の電極となっている。さらに、一対の電極と接する誘電体に一塊の水Wが接するように容器274内に水Wを介在させる。
これにより、一対の電極間に水Wが存在すれば、水位が変化しても、液相、気相、固相の浄化や改質を行なうことができる。また、一対の電極が非対向に設置できるので、製造時の電極設置位置の精度を厳密にする必要がない。
その他の変形例として、第2実施例の第8変形例に係る放電装置280について説明する。なお、上述の第1、第2実施形態及びその各種変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図13に示すように、この第8変形例に係る放電装置280は高圧パルス電源からなるパルス電源281の両端に接続された板状の電極282,283が電極同士の端部を若干離間した状態で水平に設置した板状の誘電体284の裏面に設置されている。さらに、一塊の水Wを一対の電極282,283の直上で誘電体284と水面が接するように介在させる。このとき、電極にパルス電圧を印加すると、水Wの周囲において空気Aを介して放電が生じる(図13の点線で示す部分)。
これにより、水Wが水滴のような場合でも放電を発生させることができる。また、滴下した水滴の量をミスト化することが出来るため、ミスト生成量の制御にも応用できる。
なお、上述した各実施形態及びその変形例で使用する電極の材料は、導体であれば何れでも良く、例えば金属であれば銅、銀、アルミニウム、チタンやそれらの合金等の何れも使用でき、非金属であっても、使用する液体よりも電気伝導度が低いものであれば、例えば導電性のセラミックスや樹脂等でも使用可能である。
また、上述した各実施形態及びその変形例で使用する誘電体としての材料として、アルミナ等の非導電性のセラミックス、又はガラス、樹脂等の材料を使用しても良い。
誘電体の厚さは、用いる材料やパルス電源の電圧にもよるが、0.1μmから10mmが良い。
液体の容器又は流路は全体を誘電体で構成されても良く、或いは容器又は流路の少なくとも一部、即ち液面近傍を誘電体で構成されても良い。
また、上述した各実施形態及びその変形例で使用する、安全面や電極間での放電を防止するために用いる絶縁体の材料としては、樹脂や絶縁性のセラミックス、ガラス等絶縁性を有していればどのような材料でも使用可能である。
また、本発明における液体の種類としては、上述した実施形態では液体として水を用いたが、純水や水道水や汚水等の水の他、有機溶媒や油等、どのような液体を用いても良い。
上述した各実施形態及びその変形例では気体として通常の空気を用いたが、臭気物質等不純物を含んだ空気や、空気に限らず、酸素、窒素、水蒸気、ヘリウム等如何なる気体であっても良い。
また、第2の実施形態の第2変形例、第3変形例の更なる変形例のような特別なアクチュエータを備えることなく、単に一方の電極側の静電容量を他方の電極側の静電容量より小さくしても、一方の電極側においてのみ放電を生じさせることができ、小型のパルス電源を用いた簡単な構成の放電装置とすることが可能となる。この場合の電極と液体との間に生じる電位差の変化のさせ方は、2つのコンデンサを構成する、各電極に対応する誘電体と水Wとの接触面積をそれぞれ異なるようにしたり、各誘電体の誘電率をそれぞれ異なるようにしたり、各誘電体の厚みをそれぞれ異なるようにしたり何れの方法をとることも可能である。
本発明で使用するパルス電圧に関する語句の説明を行う。
(パルス電圧)
ある一定パルス周期をもって変化する電圧であり、その波形は、正弦波、ノコギリ波、矩形波も含む。電圧が正極性もしくは負極性に偏った直流電圧でも良く、電圧が正極性と負極性を行き来する交流電圧であっても良い。また、一定電圧を保持する時間が存在しても良く、パルス上昇時間T1とパルス下降時間T2が同じでも、異なっていても良い。
パルス周波数は、電圧や誘電体の材質、厚さにもよるが、50Hzから1MHzが良く、好ましくは100Hzから500kHz、より好ましくは1kHzから100kHzが良い。
(パルス電源)
パルス電圧を発生することができる電源。
(パルス電圧値Vp−p)
パルス電圧における最大電位と最小電位との電位差である。
電極に印加するパルス電圧値Vp−pは、誘電体の材質、厚さにもよるが、300Vp−pから300kVp−pが良く、好ましくは1kVp−pから100kVp−p、より好ましくは3kVp−pから30kVp−pが良い。
(パルス上昇時間T1)
パルス電圧が連続して増加している時間のことを指し、電圧が増加に転ずる変曲点から、極大点までの時間である。
パルス上昇時間T1は、電圧や誘電体の材質、厚さにもよるが、
3マイクロ秒から10ミリ秒が良く、
好ましくは、4マイクロ秒から5ミリ秒、
より好ましくは、5マイクロ秒から0.5ミリ秒が良い。
(パルス下降時間T2)
パルス電圧が連続して減少している時間のことを指し、電圧が減少に転ずる変曲点から次の極小点までの時間である。
パルス下降時間T2は、電圧や誘電体の材質、厚さにもよるが、
3マイクロ秒から10ミリ秒が良く、
好ましくは、4マイクロ秒から5ミリ秒、
より好ましくは、5マイクロ秒から0.5ミリ秒が良い。
(パルス周期T3)
パルス電圧の最大値から次の最大値までの時間である。
(パルス周波数)
パルス周期T3の逆数である。
本発明は、汚れなどが付着しやすい配管や排水口の内面と液面とが接する部分の浄化や改質、水処理プラントや水処理装置等における浄水処理や排水処理、液体の工業的な製造、脱臭や気体清浄機、気体の工業的な製造等に利用することができる。
100 放電装置
101 パルス電源
102,103 電極
105 誘電体
A 空気
W 水
AD 空中放電
T1 パルス上昇時間
T2 パルス下降時間
T3 パルス周期
Vp−p パルス電圧値

Claims (6)

  1. パルス電源と、
    前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
    前記電極のうち一方の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
    放電装置であって、
    前記誘電体と前記他方の電極との間に、
    前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
    前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
    前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
    前記一対の電極を配置させ、
    前記一対の電極間に、
    パルス電圧を印加する
    ことを特徴とする放電装置。
  2. パルス電源と、
    前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
    前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
    放電装置であって、
    前記誘電体と前記他方の電極との間に、
    前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
    前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
    前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
    前記一対の電極を配置させ、
    前記一対の電極間に、
    パルス電圧を印加する
    ことを特徴とする放電装置。
  3. パルス電源と、
    前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
    前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
    放電装置であって、
    前記誘電体と前記他方の電極との間に、
    前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
    前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
    前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
    前記一対の電極を配置させ、
    前記一対の電極間に、
    パルス電圧を印加する
    ことを特徴とする放電方法
  4. パルス電源と、
    前記パルス電源の端部に接続された一対の電極とを有し、
    前記一対の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われてなる
    放電装置であって、
    前記誘電体と前記他方の電極との間に、
    前記誘電体に液面が接するように液体を介在させ、
    前記一方の電極が第一の面を、前記他方の電極が第二の面を備えている時、
    前記第一の面の法線ベクトルと、前記第二の面の法線ベクトルとが少なくとも交差しない部分を有するよう、
    前記一対の電極を配置させ、
    前記一対の電極間に、
    パルス電圧を印加する
    ことを特徴とする放電方法。
  5. 前記第一の平面と前記第二の平面とが非平行となるよう、
    前記一対の電極を配置させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電装置。
  6. 前記第一の平面と前記第二の平面とが非平行となるよう、
    前記一対の電極を配置させる
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の放電方法。
JP2009010816A 2009-01-21 2009-01-21 放電装置及び放電方法 Pending JP2010167347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010816A JP2010167347A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 放電装置及び放電方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010816A JP2010167347A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 放電装置及び放電方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010167347A true JP2010167347A (ja) 2010-08-05

Family

ID=42699984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009010816A Pending JP2010167347A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 放電装置及び放電方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010167347A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6004613B2 (ja) 均一電場誘電体放電反応器
CN104938038B (zh) 等离子体产生装置
KR100967878B1 (ko) 수중 플라즈마 발생장치 및 방법
US10116124B2 (en) Ion generator and method of manufacturing the same
KR100624732B1 (ko) 연면 방전형 공기정화장치
KR20110109111A (ko) 플라즈마 건을 이용한 수처리 장치 및 방법
JP4947302B2 (ja) 放電装置及び放電方法
JP2009241017A (ja) 放電装置及び放電方法
KR101918147B1 (ko) 플라즈마 수처리 장치
JP5438893B2 (ja) オゾン発生装置
KR101497591B1 (ko) 방전을 이용한 수처리장치
JP2010137212A (ja) プラズマ発生装置
CN108367950B (zh) 水处理装置及水处理方法
KR20060070519A (ko) 이온 발생 장치 및 이를 이용한 대기, 하수 및 폐수정화방법
JP2009241016A (ja) 放電装置及び放電方法
JP2010167347A (ja) 放電装置及び放電方法
JP2010167012A (ja) ミスト生成装置及びミスト生成方法
JP2010167352A (ja) ミスト生成装置及びミスト生成方法
JP2010167346A (ja) ミスト生成装置及びミスト生成方法
KR20060124864A (ko) 수중 플라즈마 방전장치 및 그것을 이용한 수중 방전방법
JP2010167348A (ja) 放電装置及び放電方法
JP2010137126A (ja) ミスト生成装置及びミスト生成方法
JP2010136759A (ja) ミスト生成装置及びミスト生成方法
JP2013081916A (ja) 水処理装置
JP2010149071A (ja) 放電装置及び放電方法