JP2010166962A - すり鉢 - Google Patents

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▲隆▼司 城▲崎▼
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Abstract

【課題】すりこぎによる粒状の食材をすり潰し作業の負担を軽減し、食材性質に応じてすり潰しによる粒度を変えることが可能なすり鉢を提供する。
【解決手段】すり鉢10は、すり鉢部11と、すり鉢部11が載置されるすり鉢台21とを備えている。すり鉢部11は、セラミック製の略半球面状の肉厚容器であるすり鉢本体12の外周縁に沿って径方向外方にすり鉢本体12の上端開口12aに対してわずかに上方に傾斜して円環状に延びた鍔部14を一体で有している。すり鉢本体12の内側面は、周方向に沿った3か所に区分けされた扇形の領域15〜17にされており、各領域には粗さの異なる溝が形成されている。すり鉢台21は、正方形の厚板であり、中心に円形の取付孔22を設けている。すり鉢部11をすり鉢台21の取付孔22に嵌め合わせることによりすり鉢台21に載置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、香辛料、ごま、岩塩等の粒状の食材を細かくすり潰すのに用いるすり鉢に関する。
従来、すり鉢としては、逆円錐台形状のものが一般的であったが、このような形状ではテーブル等に載置される下側面の面積が小さく、すりこぎで食材をすり潰す際に動き易かった。そのため、すり潰しを行う際に、作業者自身あるいは他の者が手ですり鉢を押さえる必要があり、すり潰し作業が非常に煩雑であった。そのため、例えば特許文献1に示すように、回転防止ゴムの取り付けられた上部外周押さえ台と底部外周押さえ台を調整ねじにて固定した箱状のすり鉢作業台を用意し、逆円錐台形状のすり鉢を上部外周押さえ台の上部固定穴と下部外周押さえ台の下部固定孔に通して固定させて、すり鉢が動かないようにしたものが提案されている。しかし、これら従来のすり鉢は、逆円錐台形状であるため、食材をすり潰す作業を行う場合、すりこぎを手で握って略垂直にしてすり鉢に押さえ付けながらかき回してすり潰す必要があるが、そのため、すりこぎを握った腕に加わる負担が大きく腕が疲れやすいという問題があった。また、従来は、すり鉢の内面の溝は全面で同一粗さ(密度)で設けられており、例えば食材のすり潰しの粒度を食材によって変えたい場合でも、溝の粗さに合わされることになり、食材の性質に合わせてすり潰し粒度を変えることが困難であった。
特開平8−252188号公報
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、すりこぎによる粒状の食材をすり潰す作業の負担を軽減できるすり鉢を提供することを目的とする。また、本発明は、食材の性質に応じてすり潰しによる粒度を変えることが可能なすり鉢を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、略半球面状の肉厚容器であるすり鉢本体の上端外周縁の全周に沿って外方に環状に延びた鍔部を有するすり鉢部と、貫通した取付孔を有する厚板であるすり鉢台とを設け、すり鉢部がすり鉢台の取付孔に嵌め合わされてすり鉢台に載置されてなることにある。
本発明においては、すり鉢が、略半球面状の肉厚容器であるすり鉢部をすり鉢台の円形の取付孔に嵌め合わせて載置するものであるため、すり鉢部を傾斜させた状態で取付孔に緊密に嵌め合わせることができる。また、すり鉢部の内側面が略半球面状に凹んでいるため、すり鉢部を傾斜させることによっても、すり鉢部の内側面全面の使用が可能になっている。その結果、本発明においては、すり鉢を使用する作業者が手ですりこぎを傾斜させた状態で握ってすり鉢部の内側面に当てて食材をすり潰すことができるので、すり潰しの作業においてすりこぎを握る腕に与える負担が軽減される。また、手ですり鉢部を支持する際に、すり鉢部の外周縁に設けられた鍔部の上端側を手で持って楽に支持することができるため、作業者のすり鉢部を支持する負担が軽減し、また食材をすり潰すすり鉢本体内に手が入らないため、食材に手が触れるという衛生上の問題もない。
また、本発明において、鍔部が、すり鉢本体の上端開口に対してわずかに上方に傾斜していることが好ましい。これにより、すり鉢部を傾斜させた状態で取付孔に緊密に嵌め合わせたとき、鍔部がすり鉢本体の上端開口に対してわずかに上方に傾斜しているため、すり鉢部に手を添えて鍔部の上端側を持つとき、手の平をほぼ立てた状態で自然に鍔部を持つことができるため、すり鉢部を手で握って支持する負担がさらに軽減する。また、本発明においては、すり鉢部を傾斜させた際に、下側において鍔部先端がわずかに上方に向くため、食材のすり鉢部内から外部へのこぼれ出しを抑える効果も得られる。
本発明において、すり鉢本体の外側面に、周方向に等間隔に離れた複数個所にて突出して外側面の中心側から放射状に延びた複数本のリブを設けることができる。これにより、すり鉢部をすり鉢台の円形の取付孔に嵌め合わせ際に、すり鉢本体の外側面に複数本の線状のリブが突出しているため、リブが取付孔に食い込んだ状態で取付孔に強固に取り付けられる。そのため、すり鉢本体の外側面や取付孔の形状に製造上生じる多少のばらつきが有っても、それに関係なくすり鉢本体がすり鉢台の取付孔に確実に強固に固定される。その結果、本発明によれば、すりこぎによる食材のすり潰し作業において、すり鉢部がすり鉢台に対して動かないため、すり鉢部を傾斜させた状態での食材のすり潰し作業が円滑に行われる。
また、本発明において、すり鉢本体の内側面が、周方向に沿った複数か所にて仕切られた複数の扇形の領域にされており、各領域の全面には各領域毎に異なる粗さで溝が形成されていることが好ましい。これにより、食材のすり潰しによって所望の粒度を得るために、それに応じた溝の粗さの扇形領域を選んで、その扇形領域が下側になるようにすり鉢本体を傾斜させてすり鉢台に固定させることができる。その結果、本発明によれば、適正な溝粗さの扇形領域において、食材を所望の粒度に確実にすり潰すことができるので、食材の特性を適正に引き出すことができる。
また、本発明において、すり鉢台の下面に滑り止めを設けることが可能である。これにより、すり鉢をテーブル等に置いてすり潰し作業を行うとき、すり鉢台とテーブル等の間での滑りが押さえられてすり鉢台が動かないようにされるため、すり潰し作業が円滑に行われる。
本発明においては、すり鉢部が略半球面状になっているため、すり鉢部を傾斜させた状態で取付孔に緊密に嵌め合わせることができ、またすり鉢部の内側面全面の使用が可能であり、その結果、すりこぎを傾斜させた状態ですり鉢部の内側面に当てて食材をすり潰すことができるので、すり潰しの作業において腕に与える負担が軽減される。また、本発明においては、すり鉢部の外周縁に設けられた鍔部の上端側を手で持って楽に支持することができるため、作業者のすり鉢部を支持する負担が軽減し、また食材に手が触れるという衛生上の問題もない。さらに、本発明においては、すり鉢本体の外側面に突出した複数本の線状のリブを設けることにより、リブが取付孔に食い込んだ状態で取付孔に強固に取り付けられため、すりこぎによる食材のすり潰し作業において、すり鉢部がすり鉢台に対して動かなく、すり潰し作業が円滑に行われる。
また、本発明においては、食材のすり潰しによって所望の粒度を得るために、それに応じた適正な溝の粗さの扇形領域を選んで、その扇形領域が下側になるようにすり鉢本体を傾斜させてすり鉢台に固定させることにより、食材を所望の粒度に確実にすり潰すことができるので、食材の特性を適正に引き出すことができる。また、本発明においては、すり鉢台の下面に滑り止めを設けたことにより、すり鉢台とテーブル等の間での滑りが抑えられるため、すり潰し作業が円滑に行われる。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1は、実施例1に係る粒状の食材をすり潰すのに用いられるすり鉢を正面図により示したものである。図2〜図5は、すり鉢部を正面図、平面図、底面図及びV−V線方向の断面図により示し、図6〜図8は、すり鉢台を平面図、VII−VII線方向の一部断面図及び底面図により示したものである。すり鉢10は、すり鉢部11と、すり鉢部11が載置されるすり鉢台21とを備えている。
すり鉢部11は、セラミック製の略半球面状の肉厚容器であるすり鉢本体12の上端外周縁に沿って径方向外方にすり鉢本体12に対してわずかに上方に傾斜して円環状に延びた鍔部14を一体で有している。鍔部14は、すり鉢本体12の上端開口12aに対してわずかに上方に傾斜している。すり鉢本体12の内側面には均一の粗さで溝15が形成されている。なお、溝15の粗さの程度については、すり鉢部11の成形に用いる成形型の設計の際に調節することが可能である。すり鉢本体12の外側面には、周方向に等間隔に離れた3か所にて中心側から外周縁に向けて径方向に放射状に延びた同一形状の3本のリブ13を設けている。リブ13は、外側面に対して垂直に突出した薄板状であって、リブ13の突出した先端縁は、中心側の径方向のわずかの部分が表面から傾斜して延びた直線部13aになっており、その他の大部分がほぼ外側面に沿った曲線状の曲線部13bになっている。
すり鉢台21は、木製の正方形の厚板であり、中心に円形の取付孔22を設けている。取付孔22の上下の内周縁は、略45°の傾斜でわずかに切り欠かれた切り欠き部22aになっている。すり鉢台21の底面側の四辺は、板厚の半分程度が略45°の傾斜で切り欠かれた切り欠き部23になっており、すり鉢台21をテーブル等に載せたときの取り扱いが容易なようにされている。また、すり鉢台21の裏面の4隅側には、ゴム製等の滑り難い薄板状の滑り止め部24が貼り付けられている。すり鉢部11をすり鉢台21の取付孔22に嵌め合わせることにより、すり鉢本体12の外側面に設けた3本のリブ13が取付孔22の切り欠き部22aに食い込んで強固に取り付けられ、すり鉢10として形成される。
すり鉢部11は、図1に示すように、傾斜させた状態ですり鉢台21に固定することができ、また、すり鉢部11の内側面が略半球面状であるため、すり鉢部11を傾斜させることによっても、すり鉢部11の内側面全面の使用が可能である。そのため、作業者は、手で握ったすりこぎ25を垂直から傾けた状態ですり鉢部11の内側面に当てて擦ることができる。また、鍔部14がすり鉢本体12の外周縁に沿って径方向外方にすり鉢本体12に対してわずかに上方に傾斜しているため、すり鉢部11に手を添えて鍔部14の上端側を持つとき、手の平をほぼ立てた状態で自然に鍔部14を持つことができる。
つぎに、すり鉢10に使用されるすりこぎ25の一例について図面を用いて説明する。図9,図10は、すりこぎ25を正面図及び一部破断面図により示し、図11はすりこぎ棒26を一部破断面図により示し、図12〜図15は刷毛部31を正面図、底面図、M−M線方向の一部破断面図及びN−N線方向の断面図により示したものである。すりこぎ25は、長尺丸棒状で一端が曲面状のすり潰し面となっているすりこぎ棒26と、その他端に取り付けられて長手方向に延びた刷毛部31とを設けている。以下、すりこぎの一端と他端については、図9の左端を一端、右端を他端に合わせるものとする。
すりこぎ棒26は、木製あるいはセラミック製の長尺丸棒状であって一端から他端に向けて同軸状にわずかに縮径しており、一端側が曲面状に膨出したすり潰し面27となっており、他端側に軸方向に同軸状に凹んだ取付孔28を設けており、取付孔28の内周面にはねじ溝28aが同軸状に形成されている。刷毛部31は、毛束32と、これを支持する樹脂製の毛束保持部材33とにより構成されている。毛束32は、天然繊維製や、アクリル、ポリプロピレン、PBT,ナイロン等の化学繊維製や、動物の毛等の毛材を用い、毛の量、長さ、素材の混合比を調整して束ね、または毛の量、長さを調整した単一原料の素材を円柱形に束ねたものであり、長手方向略1/3の部分が毛束保持部材33内全体に緊密に挿嵌されるようになっている。
毛束保持部材33は、ABS,PP等の樹脂製の薄肉の円筒状であって、両端が開放されたストレートな中心孔33aを同軸的に設けている。毛束保持部材33は、長手方向に右側から順次ほぼ1/3ずつに分けられた右側部34と中間部35と左側部36を設けている。右側部34は、右端側から順に締付部34aと位置決め部34bを設けている。締付部34aは、位置決め部34bの周方向4箇所を切り欠いて軸方向から見て略正方形になるように形成されており、毛束保持部材33を取付孔28に締め付ける際に締付治具(図示しない)を係合させて締め付けを容易にするために用いられる。位置決め部34bは、円板形状であってその外径がすりこぎ棒26の取付孔28の内径より大きくなっている。
中間部35は、外径が上記取付孔28の内径とほぼ同一であって外周面に同軸状にネジ溝が形成されており、取付孔28に螺合可能になっている。左側部36は、中間部35よりさらに小径であり、外周面の1箇所に貫通孔37を設けている。毛束保持部材33内には他端側から毛束32が挿入されており、毛束保持部材33内に接着剤38が注入されて毛束32に含浸されて硬化している。この接着剤38の一部は貫通孔37内に進入して係止部38aとなっている。なお、貫通孔37の数については、2個以上であってもよい。
刷毛部31の形成については、毛束32の一端側略1/3長さ部分を毛束保持部材33の中心孔33a内に挿入し、毛束保持部材33の貫通孔37を外側からテープ等で塞いで、毛束保持部材33内に接着剤38を注入し、毛束保持部材33内の毛束32に含浸させる。これにより、毛束32に浸透した接着剤38の一部が貫通孔37内にも進入し、接着剤38が硬化することによって刷毛部31に形成される。ここで、接着剤38の一部が貫通孔37に進入して硬化した係止部38aによって毛束32が毛束保持部材33に強固に取り付けられた状態になる。このように形成された刷毛部31は、すりこぎ棒26の取付孔28に左側部36から挿入し、中間部35を取付孔28に螺合させて位置決め部34bが取付孔28の開口周囲に当るまで挿入される。刷毛部31は、毛束保持部材33を回動させることにより取付孔28に簡単に取り付けたり取り外したりすることができるため、刷毛部31の取り替えが容易である。
上記実施例1においては、すり鉢台21の円形の取付孔22に嵌め合わされたすり鉢部11が略半球面状になっているため、すり鉢部11を傾斜させた状態で取付孔22に緊密に嵌め合わせることができる。その際に、すり鉢部11の外側面に3本の線状のリブ13が突出しているため、リブ13が取付孔22に食い込んだ状態で取付孔22に強固に取り付けられる。そのため、すり鉢部11の外側面やすり鉢台21の取付孔22の形状に製造上生じる多少のばらつきが有っても、それに関係なくすり鉢部11がすり鉢台21の取付孔22に確実に強固に固定される。さらに、すり鉢台21の外側面には滑り止め部24が設けられているため、すり鉢10をテーブル等に置いてすり潰し作業を行うとき、すり鉢台21とテーブル等の間での滑りが抑えられる。その結果、実施例1においては、すりこぎ25による食材のすり潰し作業において、すり鉢部11がすり鉢台21に対して動かないようにされ、すり鉢台21がテーブル等に対して動かないようにされているため、すり鉢部11を傾斜させた状態での食材のすり潰し作業が円滑に行われる。
また、すり鉢部11の内側面が略半球面状なため、すり鉢部11を傾斜させることによっても、すり鉢部11内側面全面の使用が可能であり、すり潰し作業を円滑に行うことが可能である。そのため、作業者はすりこぎ25を傾斜させた状態で自然にすり鉢部11の内側面に当てて食材をすり潰すことができるので、すり潰しの作業においてすりこぎ25を持つ腕に与える負担が軽減される。また、手ですり鉢部11を持って支える際に、すり鉢本体12の外周縁に設けられた鍔部14がすり鉢本体12の上端開口12aに対してわずかに上方に傾斜しているため、鍔部14上端側が斜め上方に向いた状態にされる。その結果、すり鉢部11に手を添えて鍔部14の上端側を持つとき、手の平をほぼ立てた状態で自然に鍔部14を持つことができるため、すり鉢部11を支持する力が少なくて済み、すり鉢部11を手で持って支持する負担がさらに軽減する。また、実施例1においては、すり鉢部11を傾斜させた際に、下側において鍔部14先端がわずかに上方に向くため、食材のすり鉢部11内から外部へのこぼれ出しを抑える効果も得られる。
なお、本実施例1においては、すりこぎ25として、すりこぎ棒26と、その他端に取り付けられて長手方向に延びた刷毛部31とを設けたものとしていることにより、すりこぎ25で食材をすり潰した際にすり鉢10の溝に食い込んだ微量の食材については、刷毛部31でこすり出すことにより、簡単に残らず取り出すことができるので、少ない食材を確実に回収して有効に利用することができる。また、実施例1において、匂いの強い香辛料のようにすり潰した後に毛束32に匂いが付着したり、他の食材と混ざると都合が悪いような場合には、他の食材に使用する際に刷毛部31を取り外して新しい刷毛部に簡単に取り替えれて使用できるので便利である。また、毛束32が摩耗したり痛んだりした時にも、刷毛部31のみを簡単に取り替えることができる。そのため、すりこぎ棒26及び刷毛部31の有効活用が可能になる。
さらに、毛束32に含浸された接着剤38の一部が毛束保持部材33に設けた貫通孔37内にも一体で充填されて係止部38aとなっていることにより、毛束32が係止部38aによって貫通孔37に係止された状態となっている。その結果、本実施例1においては、刷毛部31の長期の使用により、接着剤38が収縮したり毛束保持部材33に対する接着剤38の接着力が低下したりしても、毛束保持部材33からの毛束32の抜けを確実に防止できる。なお、刷毛部31において、毛束保持部材33の貫通孔37を通して図示しない支持棒を毛束32内に挿入させることができる。これにより、接着剤38の含浸した毛束32が支持棒にも固定されるため、毛束32が支持棒を介して貫通孔37にさらに強固に固定された状態になり、毛束保持部材33からの毛束32の抜けをさらに確実に防止できる。
次に、実施例2について説明する。実施例2においては、図16に示すように、すり鉢部11Aのすり鉢本体12の半球面状に凹んだ内側面は、周方向に沿った3か所にて径方向に延びた直線で仕切られて、同一形状の3つの扇形の領域15〜17に区分けされており、各領域には異なる粗さ(密度)で溝が形成されている。第1の領域15には、通常の粗さで溝が形成されており、第2の領域16にはそれより細かい溝が形成されており、第3の領域17には第1の領域15より大きい粗さで溝が形成されている。
このように各領域15〜17における溝の粗さを変えた実施例2においては、食材のすり潰しによって所望の粒度を得るために、それに応じた溝の粗さのいずれかの扇形領域15〜17を選んで、その扇形領域が下側になるようにすり鉢部11を傾斜させてすり鉢台21に載置することができる。その結果、実施例2においては、適正な溝粗さの扇形領域15〜17において、食材を所望の粒度に確実にすり潰すことができるので、食材の特性を適正に引き出すことができる。なお、扇形の領域の数や配置、あるいは溝の粗さの程度については、すり鉢部11の成形に用いる成形型の設計の際に調節することが可能である。実施例2においては、3つの扇形の領域15〜17に区分しているが、溝粗さの異なる扇形の領域を2つあるいは4つ以上とすることも可能である。
なお、上記各実施例においては、すり鉢部11の外側面にリブ14を設けているが、必要に応じてリブを省くことも可能である。また、上記各実施例においては、すり鉢台21の裏面に滑り止め部24を設けているが、必要に応じて省くことも可能である。その他、上記各実施例に示したすり鉢については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することができる。
本発明は、すり鉢部をすり鉢台の円形の取付孔に嵌め合わせることにより、すり鉢部が略半球面状になっているため、すり鉢部を傾斜させた状態で取付孔に緊密に嵌め合わせることができ、すりこぎを傾斜させた状態ですり鉢部の内側面に当てて食材をすり潰すことができるので、すり潰しの作業において腕に与える負担が軽減される。また、本発明においては、食材のすり潰しによって所望の粒度を得るために、それに応じた溝の粗さの扇形領域を選んで、その扇形領域が下側になるようにすり鉢本体を傾斜させてすり鉢台に固定させることにより、食材を所望の粒度に確実にすり潰すことができるので、食材の特性を適正に引き出すことができる。その結果、本発明は有用である。
本発明の実施例1に係るすり鉢を示す正面図である。 すり鉢部を示す正面図である。 すり鉢部を示す平面図である。 すり鉢部を示す底面図である。 すり鉢部を示す図4のV−V線方向の断面図である。 すり鉢台を示す平面図である。 すり鉢台を示す図6のVII−VII線方向の一部破断面図である。 すり鉢台を示す底面図である。 すりこぎを示す正面図である。 すりこぎを示す一部破断面図である。 すりこぎ棒を示す一部破断面図である。 刷毛部を示す正面図である。 刷毛部を示す底面図である。 刷毛部を示す図12のM−M線方向の一部破断面図である。 刷毛部を示す図13のN−N線方向の断面図である。 実施例2に係るすり鉢部を示す平面図である。
10…すり鉢、11,11A…すり鉢部、12…すり鉢本体、13…リブ、14…鍔部、15〜17…第1〜第3の領域、21…すり鉢台、24…滑り止め部、25…すりこぎ、26…すりこぎ棒、31…刷毛部。

Claims (5)

  1. 略半球面状の肉厚容器であるすり鉢本体の上端外周縁の全周に沿って外方に環状に延びた鍔部を有するすり鉢部と、貫通した取付孔を有する厚板であるすり鉢台とを設け、前記すり鉢部が前記すり鉢台の取付孔に嵌め合わされて該すり鉢台に載置されてなることを特徴とするすり鉢。
  2. 前記鍔部が、前記すり鉢本体の上端開口に対してわずかに上方に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のすり鉢。
  3. 前記すり鉢本体の外側面に、周方向に等間隔に離れた複数個所にて突出して外側面の中心側から放射状に延びた複数本のリブを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のすり鉢。
  4. 前記すり鉢本体の内側面が、周方向に沿った複数か所にて仕切られた複数の扇形の領域にされており、各領域内には各領域毎に異なる粗さで溝が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のすり鉢。
  5. 前記すり鉢台の下面に滑り止めを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のすり鉢。
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