JP2010165585A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓄電素子からガスが排出されたことを検出することができる蓄電装置を提供する。
【解決手段】 ガスを排出させるための弁(21)を備えた蓄電素子(20)と、蓄電素子を収容し、液体が充填されたケース(10)と、を有する。ケースは、ケースの内部および外部からの圧力に応じて変形可能な複数の変形部(12)を有しており、各変形部には、変形部の変形方向に応じた信号を出力するセンサ(40a〜40d)が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄電素子からガスが排出されたことを検出することのできる蓄電装置に関するものである。
従来、ケース内に複数の二次電池を収容した電池パックでは、二次電池からのガス漏れを検出するために、ケース内に圧力センサを配置しているものがある(例えば、特許文献1参照)。ここで、ケースを密閉状態としておけば、二次電池からガスが漏れたときにケースの内圧が上昇し、この圧力変化を圧力センサによって検出することができる。
一方、特許文献2に記載の安全装置では、ひずみゲージを用いることによって、バッテリ装置やバッテリケースの破損を検出するようにしている。
特開2000−123887号公報 特開平09−74603号公報(段落0033,0034、図3)
特許文献1に記載の装置では、ケースの内部が空気(気体)で満たされているため、二次電池からガスが漏れても、ケースの内圧が変化し難くなっている。すなわち、二次電池からガスが漏れても、ケース内に存在する空気が圧縮されて、ガス漏れに伴う圧力上昇を吸収してしまうことがある。
したがって、ケース内に圧力センサを配置しても、二次電池のガス漏れを検出できないことがある。また、検出精度の良い圧力センサを用いることもできるが、この場合には、コストが上昇してしまう。
そこで、本発明の目的は、圧力センサを用いずに、蓄電素子からガスが排出されたことを検出することができる蓄電装置を提供することにある。
本発明である蓄電装置は、ガスを排出させるための弁を備えた蓄電素子と、蓄電素子を収容し、液体が充填されたケースと、を有する。そして、ケースは、ケースの内部および外部からの圧力に応じて変形可能な複数の変形部を有しており、各変形部には、変形部の変形方向に応じた信号を出力するセンサが設けられている。
ここで、変形部は、ケースの外側に向かって凸となる状態と、ケースの内側に向かって凸となる状態との間で変形させることができる。このように変形部を変形させれば、例えば、センサとしてひずみゲージを用いることができ、変形部の変形方向に応じた信号を出力することができる。
また、ケースの内部全体を、液体で満たしておくことができる。これにより、蓄電素子からのガスの発生に応じて、変形部を変形させやすくすることができる。
一方、変形部を、ケースのうち、蓄電素子を挟んで対向する面に設けることができる。また、ケースが、蓄電素子を囲む4つの側面を有している場合において、各側面に変形部を設けることができる。さらに、変形部の厚さを、ケースのうち、変形部が固定される本体部の厚さよりも薄くすることができる。これにより、ケースの本体部よりも変形部を変形させやすくすることができる。
本発明の蓄電装置は、上記センサの出力信号に基づいて蓄電素子の状態を判別するコントローラを備えた制御システムにおいて用いることができる。ここで、複数の変形部がケースの外側に向かって突出するように変形している場合において、蓄電素子からガスが発生していると判別することができる。そして、蓄電素子からガスが発生していると判別した場合には、蓄電素子における電力の入出力を制限することができる。一方、複数の変形部が互いに異なる変形状態である場合や、複数の変形部が変形していない場合には、蓄電素子からガスが発生していないと判別することができる。
本発明によれば、ケースに設けられた変形部の変形状態に基づいて、ケース内の状態、特に、蓄電素子からガスが発生しているか否かを確認することができる。ここで、ケース内には、蓄電素子とともに液体が収容されているため、蓄電素子からガスが排出されたことに応じて、変形部を容易に変形させることができる。
本発明の実施例1である電池パックの内部構成を示す概略図である。 実施例1の電池パックの側面を示す概略図である。 実施例1の電池パックにおいて、ガスが発生したときの状態を示す概略図である。 実施例1の電池パックにおいて、外力が作用したときの状態を示す概略図である。 実施例1の電池パックにおいて、外力が作用したときの状態を示す概略図である。 実施例1において、電池パックの充放電を制御する回路構成を示すブロック図である。 実施例1において、電池パックの充放電を制御する処理を示すフローチャートである。 実施例1の変形例である電池パックの内部構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置)の構成について、図1および図2を用いて説明する。ここで、図1は、電池パックの内部構成を示す概略図であり、電池パックの内部を上方から見たときの図である。また、図2は、電池パックを図1の矢印Aで示す方向から見たときの図である。
本実施例の電池パック1は、車両に搭載することができ、この車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車とは、車両の走行エネルギを発生させる動力源としての内燃機関や燃料電池に加えて、電池パック1を動力源として用いた車である。また、電気自動車とは、電池パック1だけを動力源として用いた車である。電池パック1を用いると、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として蓄えておいたり、車両の外部から供給された電力を蓄えておいたりすることができ、蓄えられた電力を車両の走行エネルギ等に用いることができる。
電池パック1は、パックケース10と、パックケース10内に収容された複数の単電池(蓄電素子)20とを有している。複数の単電池20は、バスバー(不図示)を介して電気的に直列に接続されている。ここで、図1では、2つの単電池20を示しているが、単電池20の数は適宜選択することができ、これらの単電池20を電気的に直列に接続すればよい。
単電池20としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池が用いられている。なお、単電池20の形状は、適宜選択することができ、例えば、円筒形や角形といった形状にすることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタを用いることもできる。単電池20は、発電要素と、発電要素を収容する電池ケースとで構成されている。発電要素は、充放電を行うことができる要素であり、例えば、正極素子、負極素子および電解液で構成することができる。また、発電要素の正極素子および負極素子には、正極端子および負極端子がそれぞれ接続されており、正極端子および負極端子は、電池ケースに取り付けられている。
単電池20の電池ケースには、発電要素から発生したガスを外部に排出させるための弁(安全弁)21が設けられている。ここで、発電要素を過充電等したときには、発電要素からガスが発生することがあり、このガスを電池ケースの外部に排出させるために弁21が設けられている。なお、弁21としては、塑性変形によって閉じ状態から開き状態に変化する弁(いわゆる破壊型の弁)を用いたり、閉じ状態および開き状態の間で可逆的に変化する弁(いわゆる復帰型の弁)を用いたりすることができる。
パックケース10は、ケース本体(本体部)11および変形板(変形部)12で構成されており、4つの側面、上面および下面を有している。ケース本体11の各側面には、図1および図2に示すように、開口部11aが形成されている。各開口部11aは、変形板12によって塞がれており、変形板12の外縁部は、ケース本体11の外壁面に固定されている。ケース本体11および変形板12によって、複数の単電池20を収容するためのスペースが形成されており、パックケース10の内部は、密閉状態となっている。
変形板12の厚さは、ケース本体11の厚さよりも薄くなっており、変形板12は、ケース本体11よりも変形しやすくなっている。ケース本体11および変形板12は、アルミニウム等といった金属で形成することができる。なお、変形板12および開口部11aの大きさや形状は、以下に説明するように、変形板12を変形させて、この変形を検出できればよく、適宜設定することができる。
変形板12の外面には、ひずみゲージ40a〜40bが取り付けられている。第1のひずみゲージ40aおよび第2のひずみゲージ40bは、パックケース10において互いに対向する位置に配置された変形板12にそれぞれ設けられている。同様に、第3のひずみゲージ40cおよび第4のひずみゲージ40dは、パックケース10において互いに対向する位置に配置された変形板12にそれぞれ設けられている。
各ひずみゲージ40a〜40dは、変形板12の変形に応じた信号を出力するようになっている。具体的には、変形板12がパックケース10の内側に向かって凸となるように変形した場合と、変形板12がパックケース10の外側に向かって凸となるように変形した場合とで、ひずみゲージ40a〜40dの出力が互いに異なるようになっている。各ひずみゲージ40a〜40dには、信号線41が接続されており、上述した変形板12の状態を示す信号を、信号線41を介して外部に出力できるようになっている。
一方、パックケース10の内部には、単電池20の他に、液状の熱交換媒体30が充填されており、熱交換媒体30は、単電池20およびパックケース10に接触している。そして、パックケース10は、液状の熱交換媒体30が外部に漏れてしまわないように、密閉状態となっている。本実施例では、パックケース10の内部に形成されたスペースが、熱交換媒体30で満たされている。なお、パックケース10内が熱交換媒体30で満たされていなくてもよく、パックケース10の内部に空気層が形成されていてもよい。ただし、空気層の体積が大きすぎると、単電池20からガスが排出されたときに、変形板12を変形させにくくなってしまう。
熱交換媒体30は、単電池20の温度を調節するために用いることができる。具体的には、単電池20が充放電によって発熱した場合には、熱交換媒体30は単電池20から熱を奪うことができる。すなわち、単電池20で発生した熱は、熱交換媒体30に伝達され、熱交換媒体30およびパックケース10を介して電池パック1の外部に放出させることができる。これにより、単電池20の温度上昇を抑制することができる。
また、熱交換媒体30を直接的又は間接的に温めれば、この熱を、熱交換媒体30を介して単電池20に伝達することができる。ここで、パックケース10内にヒータを配置して、ヒータを熱交換媒体30に接触させれば、熱交換媒体30を直接、温めることができる。また、ヒータを用いて外部からパックケース10に熱を与えれば、パックケース10を介して熱交換媒体30を間接的に温めることができる。このように、熱交換媒体30を介して単電池20に熱を与えることにより、単電池20の温度低下を抑制することができる。
熱交換媒体30としては、熱伝導性や絶縁性に優れた液体を用いることが好ましく、具体的には、絶縁油、シリコンオイル、フッ素系不活性液体を用いることができる。なお、絶縁性を有する部材で単電池20を覆っておけば、熱交換媒体30としては、絶縁性を有する液体を用いなくてもよい。
上述した構成の電池パック1において、パックケース10の内圧が変化する場合について、図3〜図5を用いて説明する。
図3は、単電池20からガスが発生したときの電池パック1の内部構成を示す概略図である。過充電等によって単電池20からガスが排出されると、パックケース10の内圧が上昇することになる。本実施例では、パックケース10内を熱交換媒体30で満たしているため、単電池20からガスが排出されたときに、パックケース10の内圧を上昇させやすくすることができる。すなわち、液体としての熱交換媒体30は、非圧縮性を有する物質であるため、パックケース10内を空気(気体)で満たす場合に比べて、単電池20からガスが排出されることに応じて、パックケース10の内圧を変化させやすくすることができる。
変形板12は、ケース本体11よりも変形しやすくなっているため、パックケース10の内圧が上昇することによって、変形板12は、図3に示すように、電池パック1の外側に向かって凸となるように変形する。ここで、パックケース10内にガスが発生すると、パックケース10におけるすべての内壁面に対して圧力が作用することになる。このため、すべての変形板12は、電池パック1の外側に向かって凸となるように変形する。このとき、各ひずみゲージ40a〜40dからは、各変形板12が電池パック1の外側に向かって凸に変形したことを示す情報が出力される。
ここで、変形板12のうち、最も変形量の大きな部分に、ひずみゲージ40a〜40dを設ければ、変形板12の変形状態を効率良く検出することができる。本実施例のように、矩形状の変形板12を用いた場合には、変形板12の中央部にひずみゲージを設けることができる。
図4および図5は、電池パック1に対して外力が作用した場合における電池パック1の内部構成を示す概略図である。ここでいう外力とは、電池パック1の外部から作用する力をいう。
ここで、図4は、電池パック1(パックケース10)の一部に対して外力F1が作用した状態を示しており、このような状態が発生する理由としては、例えば、人為的な理由が挙げられる。また、図5は、電池パック1の全体に対して外力F2が作用した状態を示しており、このような状態が発生する理由としては、例えば、電池パック1の搭載された車両が振動したり、衝突したりした場合が挙げられる。
図4に示す状態では、パックケース10の1つの側面に設けられた変形板12に対して、外力F1が作用し、この変形板12だけが変形している。ここで、外力F1を受けた変形板12は、パックケース10の内側に向かって凸となるように変形しており、この情報が第3のひずみゲージ40cから出力されている。一方、外力F1が作用していない3つの変形板12は変形しておらず、この情報が各ひずみゲージ40a,40b,40dから出力されている。なお、外力F1を受けた変形板12の変形量によっては、他の変形板12が変形することがあり、このときの他の変形板12はパックケース10の外側に向かって凸となるように変形することになる。
図5に示す状態では、電池パック1の全体に対して外力F2が作用することにより、外力F2が作用する方向に関して対向して配置された変形板12が変形している。具体的には、外力F2の作用する2つの変形板12のうち、一方の変形板12は、パックケース10の内側に向かって凸となるように変形しており、この情報が第3のひずみゲージ40cから出力されている。また、他方の変形板12は、パックケース10の外側に向かって凸となるように変形しており、この情報が第4のひずみゲージ40dから出力されている。一方、ひずみゲージ40a,40bが取り付けられた変形板12には、外力F2が作用しないため、変形していない。
なお、図4および図5に示す状態は、電池パック1に外力が作用したときの一例を示しているだけであり、外力の作用する方向や大きさによって、4つの変形板12の変形状態は異なることになる。ただし、電池パック1に外力が作用した場合には、図3に示すように、すべての変形板12がパックケース10の外側に向かって凸となるように変形することはない。
次に、本実施例における回路構成について、図6を用いて説明する。
各ひずみゲージ40a〜40dは、信号線41を介してコントローラ50に接続されており、コントローラ50は、各ひずみゲージ40a〜40dの出力に基づいて、各ひずみゲージ40a〜40dが取り付けられた変形板12の状態を検出することができる。また、コントローラ50は、後述するように、ひずみゲージ40a〜40dの出力に基づいて、リレー91,92のオン/オフを切り替える。ここで、リレー91,92がオン状態であれば、電池パック1の充放電が許容され、リレー91,92がオフ状態であれば、充放電が禁止されることになる。
DC/DCコンバータ60は、電池パック1からの電圧を昇圧したり、インバータ70からの電圧を降圧したりする。インバータ70は、DC/DCコンバータ60からの直流電力を交流電力に変換したり、モータ・ジェネレータ80からの交流電力を直流電力に変換したりする。モータ・ジェネレータ80は、インバータ70からの交流電力を受けて、車両の走行に用いられる運動エネルギを発生させたり、車両の制動に伴う外部からの運動エネルギを受けて交流電力を発生させたりする。
なお、本実施例では、モータ・ジェネレータ80として3相交流モータを用いているが、これに限るものではない。また、本実施例では、DC/DCコンバータ60を用いているが、これを省略することもできる。
次に、図6に示す回路構成において、電池パック1におけるガス発生の判別処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS10において、コントローラ50は、ひずみゲージ40a〜40dの出力に基づいて、変形板12の3つの状態を判別する。第1の状態は、変形板12がパックケース10の外側に向かって凸となるように変形している状態である。第2の状態は、変形板12がパックケース10の内側に向かって凸となるように変形している状態である。第3の状態は、変形板12が変形していない状態である。
ステップS11において、コントローラ50は、すべての変形板12が、パックケース10の外側に向かって凸となるように変形しているか否かを判別する。そして、すべての変形板12がパックケース10の外側に向かって変形していれば、ステップS12に進み、そうでなければ、ステップS14に進む。ここで、ステップS12に進む場合とは、電池パック1が図3に示す状態となっているときである。また、ステップS14に進む場合とは、例えば、図1、図4および図5に示す状態となっているときである。
ステップS12において、コントローラ50は、単電池20からガスが排出されており、単電池20が異常状態にあると判別する。そして、ステップS13において、コントローラ50は、リレー91,92をオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、電池パック1の充放電が禁止され、単電池20の更なる充放電によって単電池20から更にガスが発生してしまうのを防止することができる。
なお、本実施例では、単電池20の充放電を禁止しているが、単電池20の充放電を抑制することもできる。具体的には、単電池20に入力される電力値または、単電池20から出力される電力値を低下させることができる。ここで、単電池20における電力の入出力を制限することには、上述した単電池20の充放電を禁止および抑制することが含まれる。
ステップS14において、コントローラ50は、単電池20からガスが排出されておらず、単電池20が正常状態であると判別する。この場合には、リレー91,92がオン状態のままであり、単電池20の充放電が許容されたままである。
本実施例によれば、変形板12およびひずみゲージ40a〜40dを用いることにより、単電池20からガスが排出されたか否かを判別することができる。しかも、ひずみゲージ40a〜40dの出力に基づいて、変形板12の変形方向を判別することにより、変形板12の変形が、単電池20から排出されたガスによるものなのか、他の要因によるものなのかを判別することができる。ここでいう変形板12の変形方向とは、パックケース10の内側又は外側に向かう方向をいう。
ここで、本実施例とは異なる構成で、パックケースの内圧変化を検出して、単電池からガスが発生したか否かを判別することができる。具体的には、パックケース内のスペースを熱交換媒体で満たしておき、パックケース内に圧力センサを配置することにより、単電池からガスが発生したことを検出することができる。すなわち、単電池からガスが排出されると、パックケースの内圧が上昇することになるため、この圧力変化を圧力センサによって検出することにより、ガスの発生を間接的に検出することができる。
しかし、上述した構成では、圧力センサによる誤検知が発生するおそれがある。例えば、パックケースに対して外力が作用したときには、パックケースの一部が変形等することにより、パックケースの内圧が変化することがある。このような場合には、単電池からガスが排出されておらず、単電池が正常状態であるにもかかわらず、内圧変化の検出によって単電池からガスが発生していると誤って判別してしまうおそれがある。
本実施例によれば、パックケース10の内圧変化に基づいてガスの発生を検出する構成を前提としつつ、パックケース10の内圧変化が、単電池20の異常状態によるものなのか、他の要因によるものなのかを区別することができる。
なお、本実施例では、パックケース10における4つの側面に対して、ひずみゲージ40a〜40dを備えた変形板12を設けているが、これに限るものではなく、変形板12を設ける位置は、適宜設定することができる。例えば、パックケース10が上面、下面および4つの側面で構成されている場合において、これらの面(6面)のうち、少なくとも2つの任意の面に、ひずみゲージを備えた変形板12を設けることができる。
また、ひずみゲージを備えた変形板12を設ける位置や数は適宜設定することができる。例えば、パックケース10における1つの面に、複数の変形板12を設けることができる。また、パックケース10のうち、変形しやすい領域に変形板12を設ければ、ひずみゲージによる検出精度を向上させることができる。
例えば、単電池20を挟んで互いに対向する2つの側面にのみ、変形板12を設けることができる。より具体的には、図1に示す構成において、図の上下方向で対向する位置にのみ変形板12を配置することができる。ここで、図4や図5に示すように、対向する変形板12が互いに異なる変形状態となれば、ひずみゲージ40c,40dの出力に基づいて、電池パック1に外力F1,F2が作用したことを判別することができる。言い換えれば、単電池20が正常状態であることを判別することができる。また、図3に示すように、対向する変形板12が同一方向(パックケース10の外側に向かう方向)に変形していれば、ひずみゲージ40c,40dの出力に基づいて、単電池20からガスが排出されたことを判別することができる。言い換えれば、単電池20が異常状態であることを判別することができる。
一方、パックケース10の角部を形成する隣り合う2つの側面にのみ、変形板12を設けることもできる。より具体的には、図1に示す構成において、ひずみゲージ40b,40cを備えた変形板12だけを設けることができる。ここで、図4や図5に示すように、ひずみゲージ40b,40cが取り付けられた変形板12が互いに異なる変形状態となれば、ひずみゲージ40b,40cの出力に基づいて、電池パック1に外力F1,F2が作用したことを判別することができる。また、図3に示すように、2つの変形板12が同一方向(パックケース10の外側に向かう方向)に変形していれば、ひずみゲージ40c,40bの出力に基づいて、単電池20からガスが排出されたことを判別することができる。
また、本実施例では、6つの面で構成されたパックケース10に変形板12を設けるようにしているが、これに限るものではない。すなわち、パックケース10が複数の面で構成されていれば、本発明を適用することができる。また、本実施例では、変形板12を平板状に形成しているが、曲面を有していてもよい。変形板12が曲面を有している場合であっても、変形板12がパックケース10の内側および外側に向かって変形すれば、この変形状態をひずみゲージによって検出することができる。
さらに、本実施例では、変形板12の変形をひずみゲージ40a〜40dを用いて検出しているが、これに限るものではなく、変形板12の変形(ひずみ)を検出できるものであれば、いかなる構成であってもよい。例えば、ひずみゲージ40a〜40dの代わりに、圧電素子を用いることもできる。また、本実施例では、変形板12のうち、パックケース10の外壁面を構成する面に、ひずみゲージ40a〜40dを設けているが、これに限るものではない。すなわち、変形板12の変形を検出できる位置にひずみゲージを設ければよく、例えば、変形板12のうち、パックケース10の内壁面を構成する面に、ひずみゲージ40a〜40dを設けることができる。
また、本実施例では、ケース本体11に変形板12を固定しているが、この構成に限るものではない。すなわち、本実施例におけるケース本体11および変形板12を一体的に構成することもできる。具体的には、図8に示すように、パックケース10において、変形領域(変形部)10aおよび本体領域(本体部)10bを設けることができる。図8は、本実施例の変形例である電池パックの内部構成を示す概略図であり、本実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用いている。
図8に示す構成において、変形領域10aの厚さは、本体領域10bの厚さよりも薄くなっており、変形領域10aは、本実施例で説明した変形板12と同様に変形することができる。そして、変形領域10aにひずみゲージを設ければ、本実施例と同様に、単電池20からガスが排出されたことを判別したり、電池パック1に外力が作用したことを判別したりすることができる。
1:電池パック(蓄電装置) 10:パックケース
11:ケース本体(本体部) 11a:開口部
12:変形板(変形部) 20:単電池(蓄電素子)
21:弁 30:熱交換媒体
40a〜40d:ひずみゲージ 50:コントローラ
60:DC/DCコンバータ 70:インバータ
80:モータ・ジェネレータ 91,92:リレー

Claims (7)

  1. ガスを排出させるための弁を備えた蓄電素子と、
    前記蓄電素子を収容し、液体が充填されたケースと、を有し、
    前記ケースは、前記ケースの内部および外部からの圧力に応じて変形可能な複数の変形部を有しており、
    前記各変形部には、前記変形部の変形方向に応じた信号を出力するセンサが設けられていることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記変形部は、前記ケースの外側に向かって凸となる状態と、前記ケースの内側に向かって凸となる状態との間で変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記変形部は、前記ケースのうち、前記蓄電素子を挟んで対向する面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記ケースは、前記蓄電素子を囲む4つの側面を有しており、
    前記変形部は、前記各側面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置と、
    前記センサの出力信号に基づいて前記蓄電素子の状態を判別するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、前記複数の変形部が前記ケースの外側に向かって突出するように変形している場合には、前記蓄電素子からガスが発生していると判別することを特徴とする蓄電装置の制御システム。
  6. 前記コントローラは、前記蓄電素子からガスが発生していると判別した場合には、前記蓄電素子における電力の入出力を制限することを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置の制御システム。
  7. 請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置と、
    前記センサの出力信号に基づいて前記蓄電素子の状態を判別するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、前記複数の変形部が互いに異なる変形状態である場合、または前記複数の変形部が変形していない場合には、前記蓄電素子からガスが発生していないと判別することを特徴とする蓄電装置の制御システム。
JP2009007749A 2009-01-16 2009-01-16 蓄電装置 Pending JP2010165585A (ja)

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