JP2010161754A - 携帯端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ通信に用いられる異なる通信方式間における切替を好適に制御できる携帯端末を提供する。
【解決手段】第一の通信手段39と、第二の通信手段37と、第一の通信手段39による通信が圏外に移行した場合に、圏外通知を行う状態管理手段51と、圏外通知を受け付けた場合、ユーザに対して第一の通信手段39が切断された旨の通知であるユーザ通知を行う通知手段62、63と、ユーザ通知に対する所定の処理が完了したか否かを判定する判定手段63と、処理が完了したと判定された場合、状態管理手段51に対しユーザ通知に対する処理が完了した旨の設定を行う設定手段62と、第一の通信手段39の通信状態が圏外に移行してから処理が完了した旨の設定が行われるまでの間、第二の通信手段37による通信が圏内であったとしても、第二の通信手段によるデータ通信を禁止する通信禁止手段51とを備えた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の通信方式によるデータ通信を行う機能を備えた携帯端末に係り、特に、通信方式の切替を好適に行う携帯端末に関する。
今日、携帯電話機などの携帯端末は、基本機能である音声通話機能に加え、メール送受信機能、Webページ閲覧機能などのデータ通信機能を備えたものが多く知られている。
従来、携帯端末でデータ通信を行う場合には、公衆回線網を用いた移動体通信方式(例えばCDMA(Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communications))を介して行われるのが一般的であった。これに対し、今日では無線LAN(Local Area Network)システムを用いた通信機能がさらに付加された携帯端末も知られている。
このような移動体通信、無線LAN通信などの複数の通信方式を利用可能な携帯端末においては、データ通信に利用する通信方式をいかに選択するかが問題となる。例えば、通信方式を好適に選択して消費電力を低減させる、無線LAN接続機能を有する移動体通信端末が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−181178号公報
携帯端末は、利用可能な(圏内である)通信方式が複数ある場合には、複数の通信方式のうち優先的に利用される通信方式が予め決められている場合がある。ここで、優先的に利用される通信方式を用いたデータ通信中に、一時的な通信圏外などが発生した場合には、例えば、データ通信を継続させるためや他のデータ通信が発生した場合にそのデータ通信が行えるようにするためにも他の通信方式への切替を行うことが望ましい。
携帯端末に設けられた異なる通信方式間においては、課金体系が異なる場合がある。例えば、移動体通信を用いた通信方式(例えば移動体通信)と、無線LANを用いた通信方式とでは、一般的には移動体通信を用いた通信方式のほうが割高になる。
携帯端末においては、上述したように一時的な通信圏外などの発生に伴い、優先的に利用される通信方式(例えば、料金が安価な無線LAN)から、他の通信方式(例えば、料金が割高な移動体通信)に自動的に切り替えられる場合が起こり得る。この結果、通信方式が切り替えられたことがユーザに認識されないままデータ通信が継続された場合、意図せずデータ通信の料金が加算されてしまう事態が発生するという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、データ通信に用いられる異なる通信方式間における切替を好適に制御することができる携帯端末を提供することを目的とする。
本発明に係る携帯端末は、第一の無線通信方式でデータ通信を行う第一の通信手段と、前記第一の通信方式と異なり、基地局を介した第二の無線通信方式でデータ通信を行う第二の通信手段と、前記第一の通信手段の通信状態を管理し、前記第一の通信手段による通信が圏内から圏外に移行した場合に、前記第一の通信手段が圏外に移行した旨の通知である圏外通知を行う状態管理手段と、前記状態管理手段より前記圏外通知を受け付けた場合、ユーザに対して前記第一の通信手段が切断された旨の通知であるユーザ通知を行う通知手段と、前記ユーザ通知に対する所定の処理が完了したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記処理が完了したと判定された場合、前記状態管理手段に対し前記ユーザ通知に対する前記処理が完了した旨の設定を行う設定手段と、前記状態管理手段により管理された前記第一の通信手段の通信状態が圏外に移行してから、前記設定手段により前記処理が完了した旨の設定が行われるまでの間、前記第二の通信手段による通信が圏内であったとしても、前記第二の通信手段によるデータ通信を禁止する通信禁止手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る携帯端末によれば、データ通信に用いられる異なる通信方式間における切替を好適に制御することができる。
本発明に係る携帯端末の一例である折り畳み式の携帯電話機の外観の構成を示す図。 本発明に係る携帯端末の一例である折り畳み式の携帯電話機の他の外観の構成を示す図。 本実施形態における携帯電話機の主な機能構成を示す概略的な機能ブロック図。 本実施形態における携帯電話機の主制御部により実現される機能構成を示す機能ブロック図。 本実施形態における携帯電話機により実行される通信切替処理を説明するフローチャート。 ユーザ通知アプリにより出力されるユーザ通知の一例を示す図。 本実施形態における携帯電話機により実行される通信切替処理が行われる場合の通信状態を説明する図。 本実施形態における携帯電話機により実行される通信要求時の処理を説明するフローチャート。
図1は、本発明に係る携帯端末の一例である折り畳み式の携帯電話機1の外観の構成を示す図である。図1(A)は、携帯電話機1を約180度に開いた開状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図1(B)は、携帯電話機1を開状態としたときの側面から見た外観の構成を示す。
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第一の筐体12と第二の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ38および無線LANアンテナ40)が設けられており、それぞれ内蔵されたアンテナを介して移動体通信網の基地局(図示せず)や無線LANアクセスポイント(図示せず)との間で電波を送受信する。
第一の筐体12には、その表面に操作キー14が設けられる。操作キー14は、特に、「0」から「9」の数字や「あ」行から「わ」行のかな文字、「A」から「Z」のアルファベットの入力が可能な数字キー15や、上下左右方向キーを備えた十字キー16、確定キー17、メールキー18、電源キー19、左ソフトキー20、右ソフトキー21などで構成される。
十字キー16は、上下左右方向に操作されることによりメインディスプレイ23に表示されたカーソルなどを上下左右方向に移動させることができる。また、確定キー17が押下されることにより、種々の処理の確定処理が実行される。確定キー17には、メインディスプレイ23の下部に設けられた確定キー機能表示部23aに表示される処理も割り当てられる。
さらに、第一の筐体12の十字キー16および確定キー17の上部には、左ソフトキー20および右ソフトキー21が設けられる。第一の筐体12の側面には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー22が設けられる。左ソフトキー20、右ソフトキー21およびサイドキー22は、第一の筐体12の内部方向に押下されることによって、それぞれ所定の処理が割り当てられている。特に左ソフトキー20および右ソフトキー21は、メインディスプレイ23の下部に設けられた左ソフトキー機能表示部23bおよび右ソフトキー機能表示部23cに表示される処理が割り当てられる。メールキー18は、電子メール機能を利用する際のメニュー画面を表示する処理が割り当てられたキーである。ユーザは、電子メール機能を利用する際、まずこのメールキー18を押下し、メニュー画面を開く操作を行う。
第一の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン24が設けられており、マイクロフォン24によって通話時のユーザの音声を集音する。
なお、第一の筐体12は、背面側に図示しないバッテリが挿着されており、電源キー19が押下されてオン状態になると、バッテリから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
一方、第二の筐体13には、その大部分の面積を占めるメインディスプレイ23が設けられる。メインディスプレイ23には、移動体通信網および無線LAN通信網のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクトの他、電子メールの内容、ホームページの内容などが表示される。なお、メインディスプレイ23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイにより構成されるディスプレイである。
第二の筐体13のメインディスプレイ23の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)25が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ25以外の音声出力部としてのスピーカ(図3のスピーカ35)も設けられている。
図2は、本発明に係る携帯端末の一例である折り畳み式の携帯電話機1の他の外観の構成を示す図である。図2の携帯電話機1は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた閉状態を構成する。図2(A)は、携帯電話機1が閉状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図2(B)は、携帯電話機1が閉状態のときの側面から見た外観の構成を示す。
第二の筐体13には、例えばLCDで構成されるサブディスプレイ28が設けられており、現在の移動体通信網および無線LAN通信網のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
図3は、本実施形態における携帯電話機1の主な機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。携帯電話機1は、主制御部30、電源回路部31、入力制御部32、表示制御部33、音声制御部34、記憶部36、通信制御部37、無線LAN通信制御部39、タイマ部41がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
主制御部30は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、記憶部36に記憶された各種プログラムに基づき動作して、携帯電話機1の総括的な制御を行う。電源回路部31は、電源キー19に対する入力インタフェースを備え、ユーザにより電源キー19が押されたことを検知すると、その旨を示す信号を生成して主制御部30に伝送する。また、電源回路部31は、電力供給源(バッテリ)を備え、電源キー19を介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
入力制御部32は操作キー14、サイドキー22に対する入力インタフェースを備え、操作キー14、サイドキー22のいずれかが押されたことを検知すると、押されたキーを示す信号を生成して主制御部30に伝送する。表示制御部33はメインディスプレイ23およびサブディスプレイ28に対する表示インタフェースを備える。表示制御部33は、主制御部30の制御に基づいて、文書データや画像データなどをメインディスプレイ23およびサブディスプレイ28に表示する。また表示制御部33は、主制御部30の制御に基づいて、メインディスプレイ23およびサブディスプレイ28への表示を無効にしたり有効にしたりする。
音声制御部34は、主制御部30の制御に基づいて、マイクロフォン24で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部34は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部30の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、レシーバ25から音声として出力する。
記憶部36は、主制御部30が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータなどを格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部30が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成される。
通信制御部37は、主制御部30の制御に基づいて、基地局からアンテナ38を介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部30の指示により、音声制御部34に伝送されてレシーバ25やスピーカ35から出力されたり、表示制御部33に伝送されてメインディスプレイ23に表示されたり、または記憶部36に記録されたりする。また通信制御部37は、主制御部30の制御に基づいて、マイクロフォン24で集音された音声データや操作キー14を介して入力されたデータや記憶部36に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ38を介して送信する。
なお、通信制御部37は、無線LAN通信制御部39により実現される無線LANを利用した通信方式とは異なる、携帯電話機1の移動体通信網を利用した通信方式(例えばCDMA(Code Division Multiple Access)、またはGSM(Global System for Mobile Communications))に準拠した無線通信デバイスなどから構成される。携帯電話機1は、通信制御部37によりこの移動体通信網を利用した通信(以下、移動体通信という。)を行う。本実施形態においては、通信制御部37は、基地局を介した第二の無線通信方式でデータ通信を行う第二の通信手段として機能する。
無線LAN通信制御部39は、例えば無線LAN規格(例えばIEEE802.11)に準拠した無線通信デバイスなどから構成される。無線LAN通信制御部39は、アクセスポイント(AP)をサーチして、サーチされたAPに無線LANアンテナ40を介して接続することによりデータ通信(以下、無線LAN通信という。)を行う。本実施形態においては、無線LAN通信制御部39は、第一の無線通信方式(無線LAN通信方式)でデータ通信を行う第一の通信手段として機能する。
タイマ部41は、主制御部30の指示に基づいて、所定時間の経過を通知するタイマ処理を行う。タイマ部41は、主制御部30からタイマ開始指示を受信すると、このタイマ開始指示に基づいて所定時間(タイマ時間)の計時を開始し、所定時間が経過した際に、主制御部30にタイマ終了通知を送信する。
本実施形態における携帯電話機1は、通信制御部37および無線LAN通信制御部39を備えることで、移動体通信網および無線LAN通信網を用いたデータ通信機能を実現することができる。
携帯電話機1は、データ通信に用いられるいずれか一方の通信方式を優先的に利用してデータ通信を行う。また、携帯電話機1は、一時的な通信圏外などが発生した場合には、他の通信方式に自動的に切り替えてデータ通信を行うようになっている。
本実施形態における携帯電話機1は、この優先的に利用される通信方式から他の通信方式に切り替える処理を、切替が行われることをユーザに確実に通知した上で実行するように構成されている。このため、優先的に利用される通信方式から他の通信方式に切り替える処理が、ユーザに通知されないままで自動的に行われることに対する不利益を回避することができるようになっている。以下、本実施形態における携帯電話機1で行われる、優先的に利用される通信方式から他の通信方式に自動的に切り替えられる際の処理について、具体的に説明する。
図4は、本実施形態における携帯電話機1の主制御部30により実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
端末状態管理モジュール51は、携帯電話機1の状態を管理する機能を有する。携帯電話機1の各部は、状態が変化するとこの端末状態管理モジュール51に通知を行うようになっている。また端末状態管理モジュール51は、管理する情報を必要に応じて携帯電話機1の各部から参照されたり、または端末状態管理モジュール51に登録された処理を行ったり、必要に応じて各部に通知を行ったりするようになっている。本実施形態においては、端末状態管理モジュール51は、無線LAN通信制御部39の通信状態を管理し、移動体通信および無線LAN通信が双方とも圏内である状態から、無線LAN通信が圏外に移行した場合に、ネットワーク監視アプリ62に圏外通知を行う状態管理手段として機能する。また、端末状態管理モジュール51は、移動体通信および無線LAN通信が双方とも圏内である状態から、無線LAN通信の通信状態が圏外に移行した状態に変わったとき以後、設定手段により処理が完了した旨の設定が行われるまでの間、移動体通信が圏内であったとしても、移動体通信によるデータ通信を禁止する通信禁止手段として機能する。
データ通信アプリ52は、データ通信を行うアプリケーションであり、例えばブラウザである。通信アプリ制御部53は、このデータ通信アプリ52から通信要求を受けると、通信制御部37と無線LAN通信制御部39とに、現在の無線の状態を確認するとともに、その無線状態に応じた優先度の判断、および通信制御部37あるいは無線LAN通信制御部39への接続要求を行う。通信制御部37および無線LAN通信制御部39は、この通信アプリ制御部53からの指示に基づき、端末状態管理モジュール51に対して通信可否の問合せを行った後、データ通信を行うようになっている。
UI(User Interface)タスク60は、メインディスプレイ23、サブディスプレイ28に対する表示や、操作キー14、サイドキー22に対する操作に応じた制御信号の生成など、ユーザインターフェイスを司る。UIタスク60には、UIタスク制御部61、ネットワーク監視アプリ62、ユーザ通知アプリ63、およびネットワーク情報管理ライブラリ64が設けられる。
UIタスク制御部61は、UIタスク60に設けられた各部を制御する。
ネットワーク監視アプリ62は、端末状態管理モジュール51で管理された各通信制御部37、39の通信状態に応じて必要となる処理をUIタスク60に設けられる他のアプリケーションに通知する。本実施形態においては、ネットワーク監視アプリ62は、ユーザ通知アプリ63と共に、端末状態管理モジュール51より圏外通知を受け付けた場合、ユーザ通知を行う通知手段として機能する。また、ネットワーク監視アプリ62は、ユーザ通知アプリ63によりユーザ通知に対する所定の処理が完了したと判定された場合、端末状態管理モジュール51に対しユーザ通知に対する処理が完了した旨の設定を行う設定手段として機能する。
ユーザ通知アプリ63は、ネットワーク監視アプリ62の指示に基づき、ユーザに対して無線LAN通信が切断された旨の通知であるユーザ通知を出力する。ユーザ通知アプリ63は、例えばメインディスプレイ23に表示したり、スピーカ35から音声出力を行ったりすることでユーザ通知を出力する。また、ユーザ通知アプリ63は、出力したユーザ通知に対して操作キー14などを介した応答を受け付ける。ユーザ通知アプリ63は、本実施形態においては上述した通知手段、およびユーザ通知に対する所定の処理が完了したか否かを判定する判定手段として機能する。
ネットワーク情報管理ライブラリ64は、UIタスク60に設けられた各部に対するインタフェースとしての機能を有する。ネットワーク情報管理ライブラリ64は、本実施形態においては、特にネットワーク監視アプリ62と端末状態管理モジュール51とのインタフェースとしての機能を有する。
次に、上述したように構成された本実施形態における携帯電話機1において実行される、優先的に利用される通信方式から他の通信方式に切り替えられる際の処理の流れについて説明する。
図5は、本実施形態における携帯電話機1により実行される通信切替処理を説明するフローチャートである。この通信切替処理は、通信制御部37により実行される移動体通信および無線LAN通信制御部39により実行される無線LAN通信のいずれもが通信圏内である場合に実行される。また、この通信切替処理は、優先的にデータ通信に用いられる通信方式が無線LAN通信方式であり、無線LAN通信制御部39により無線LAN通信を用いたデータ通信が実行されている場合の処理として説明する。このため、通信制御部37による移動体通信を用いたデータ通信が実行されている場合には、この通信切替処理は実行されない。
ステップS1、およびステップS1´において、通信制御部37により実行される移動体通信および無線LAN通信制御部39により実行される無線LAN通信のいずれもが通信圏内となっている。
ステップS2において、無線LAN通信制御部39は、無線LAN通信が圏内から圏外に移行したか否かの判定を行う。無線LAN通信制御部39は、無線LAN通信が圏内の状態であると判定した場合には、引き続き現在実行されているデータ通信を行う。
一方、無線LAN通信制御部39は、無線LAN通信が圏外に移行したと判定した場合、ステップS3において、端末状態管理モジュール51に対して無線LAN通信が圏外に移行した旨を通知する。
ステップS4において、端末状態管理モジュール51は、無線LANが圏外に移行したことに伴い、通信制御部37によるデータ通信の禁止を開始する(時間x)。
上述したとおり、通信制御部37は、通信アプリ制御部53より接続要求を受け付けることによりデータ通信を実行するようになっている。ここで通信制御部37は、通信アプリ制御部53よりデータ通信の接続要求を受け付けると、端末状態管理モジュール51に通信可否を問合せるようになっている。端末状態管理モジュール51は、この通信可否の問合せに対して通信許可または通信禁止の通知を返す。端末状態管理モジュール51は、この通信制御部37より受け付けた通信可否の問い合わせに対し、通信禁止の通知を返すことで、通信制御部37によるデータ通信を禁止する。これらの通信アプリ制御部53と通信制御部37(および無線LAN通信制御部39)との間で行われる処理を含む、通信制御部37によるデータ通信を禁止する際の処理の詳細は、図8を用いて後述する。
ステップS5において、端末状態管理モジュール51は、ネットワーク監視アプリ62に対して圏外通知を行う。ステップS6において、ネットワーク監視アプリ62は、端末状態管理モジュール51に対して、ユーザ通知の要否情報の要求を行う。
ここで、無線LAN通信制御部39による無線LAN通信が圏外に移行した場合には、二通りの場合が含まれる。無線LAN通信が圏外に移行する第一の場合は、無線LAN通信制御部39が通信可能なAPとの接続が切断されたことに伴う圏外であり、これを「真の圏外」という。
無線LAN通信が圏外に移行する第二の場合は、通信制御部37により行われる移動体通信に限定されたデータ通信が実行されたため、強制的に無線LAN通信が圏外に移行した場合であり、これを「見かけ上の圏外」という。「見かけ上の圏外」に移行する場合は、例えば携帯電話機1が、ショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)を利用するためのデータ通信の実行指示を受け付けた場合などの、移動体通信に限定されたデータ通信が実行された場合である。
端末状態管理モジュール51は、無線LAN通信が圏外に移行した場合、「真の圏外」に移行したのか、「見かけ上の圏外」に移行したのかに関する情報を管理する。
ステップS7において、端末状態管理モジュール51は、ネットワーク監視アプリ62の要求に対して、無線LAN通信が「真の圏外」であるか「見かけ上の圏外」であるかに応じて、ユーザ通知の要否情報を通知する。
端末状態管理モジュール51は、無線LAN通信が「真の圏外」である場合には、ユーザ通知を必要とする旨の通知を行う。一方、端末状態管理モジュール51は、無線LAN通信が「見かけ上の圏外」である場合には、ユーザ通知を不要とする旨の通知を行う。「見かけ上の圏外」である場合には、ユーザ操作に伴って移動体通信によるデータ通信が実行されている場合であるため、無線LAN通信から移動体通信に切り替えられた旨をユーザに通知することは不要だからである。
ステップS8において、ネットワーク監視アプリ62は、端末状態管理モジュール51より受け取った要否情報に基づき、ユーザ通知を必要とするか否かの判定を行う。ネットワーク監視アプリ62は、ユーザ通知が不要であると判定した場合、通信切替処理を終了する。なお、ユーザ通知が不要であると判定されたために通信切替処理が終了した場合、上述した移動体通信によるデータ通信が終了し、無線LAN通信が「見かけ上の圏外」から圏内に移行すると、再度、圏外判定ステップS2に戻り、以降の処理が繰り返される。
ステップS9において、ネットワーク監視アプリ62は、ユーザ通知アプリ63に対してユーザ通知を開始する指示を通知する。
ステップS10において、ユーザ通知アプリ63は、ユーザ通知の出力を行う(時間x)。ユーザ通知アプリ63により出力されるユーザ通知は、無線LAN通信が切断された旨の通知である。ユーザ通知は、無線LAN通信が切断された旨の通知に限らず、無線LAN通信から移動体通信に切り替える旨を通知するものであってもよい。
図6は、ユーザ通知アプリ63により出力されるユーザ通知の一例を示す図である。ユーザ通知アプリ63は、図6に示すように、例えばメインディスプレイ23に「アクセスポイントから切断されました」というポップアップ70を表示させる。また、確定キー機能表示部23aには、ユーザ通知に対する応答を意味する「OK」の文字が表示され、ユーザに対して確定キー17の押下を促す。
また、ユーザ通知アプリ63は、ポップアップ70と同時に、スピーカ35より音声データを出力したり、バイブレータ(図示せず)による振動を発生させたり、LED(Light Emitting Diode、図示せず)の発光を行ったりして、ポップアップに合わせてこれらのユーザ通知を行ってもよい。
ステップS11において、ユーザ通知アプリ63は、所定の処理が完了したか否かの判定を行う。この所定の処理は、メインディスプレイ23に表示したユーザ通知に対する応答をユーザより受け付ける処理、または、ユーザ通知が行われてから所定時間(例えば5秒)が経過(T.O.)したことを検出する処理である。ユーザ通知に対する応答をユーザより受け付ける処理は、例えば確定キー17の入力を受け付ける処理である。また、所定時間の経過の検出は、タイマ部41が所定時間の計時を開始し、所定時間経過後にユーザ通知アプリ63がタイマ終了通知を受け取ることにより検出される。ユーザ通知アプリ63は、所定の処理が未だ完了していないと判定した場合、所定の処理が完了するまで待機する。
一方、ユーザ通知アプリ63は、所定の処理が完了したと判定した場合(時間x)、ステップS12において、ネットワーク監視アプリ62に対してユーザ通知終了通知を行う。
ステップS13において、ネットワーク監視アプリ62は、ユーザ通知アプリ63より受け付けた通知に伴い、端末状態管理モジュール51に対してユーザ通知に対する所定の処理が完了した旨の設定を行う。
ステップS14において、端末状態管理モジュール51は、通信禁止ステップS4において開始した、通信制御部37によるデータ通信の禁止を終了する(時間x)。これに伴い、端末状態管理モジュール51は、通信制御部37より通信可否の問合せを受け付けた場合には、通信許可の通知を返すことで、通信制御部37によるデータ通信を許可する。
図7は、本実施形態における携帯電話機1により実行される通信切替処理が行われる場合の通信状態を説明する図である。図7の(A)は、通信制御部37により実行される移動体通信の通信状態の例を示す。図7の(B)は、無線LAN通信制御部39により実行される無線LAN通信の通信状態の例を示す。図7の(C)は、本実施形態における通信切替処理が行われない場合において、図7の(A)、(B)の通信状態が発生した際のユーザから見た利用可能な通信方式を示す。図7の(D)は、本実施形態における通信切替処理が行われた場合において、図7の(A)、(B)の通信状態が発生した際のユーザから見た利用可能な通信方式を示す。
なお、以降時間x乃至xをユーザ通知出力準備処理中として、時間x乃至xをユーザ通知出力中として、時間x乃至xをユーザ通知終了処理中として説明する。
図7の(A)に示すように移動体通信の通信状態が圏内であり(図5のステップS1)、(B)に示すように無線LAN通信の通信状態が圏内である場合(ステップS1´)、携帯電話機1で行われるデータ通信は、双方が圏内であるため、(C)、(D)に示すように優先的に利用される通信方式である無線LAN通信を用いたデータ通信が利用可能となっている状態である。
ここで、携帯電話機1は、無線LAN通信が圏外になると(ステップS2のYES)、次にデータ通信を行う要求がなされた場合には、移動体通信に切り替えられるようになっている。なお、無線LAN通信網によるデータ通信を行っている途中で無線LAN通信が圏外になった場合には、そのデータ通信は自動的に移動体通信に切り替わらず一旦エラーとして中止するものとする。
本実施形態において説明した通信切替処理が行われない場合、図7の(C)に示すように、無線LAN通信が圏外となったため利用不可となった後は、ほぼ同時に移動体通信を用いたデータ通信が可能な状態に移行する(時間x以降、次にデータ通信を行う要求がなされた場合には移動体通信によりデータ通信が行われる)。このため、無線LAN通信が切断され、移動体通信に切り替わることをポップアップなどを表示することによりユーザに通知しようとしても遅延が生じ、ユーザに通信方式の切替が通知されないまま移動体通信によるデータ通信が開始されてしまう可能性がある。例えば、タスクスイッチなどの影響により、無線LAN通信の切断からポップアップなどが表示されるまでに遅延が発生することも考えられる。
すなわち、時間x乃至xでデータ通信要求を受けると、移動体通信によるデータ通信が開始されてしまう。特に、時間x乃至xの間でデータ通信要求を受け、移動体通信によるデータ通信が行われてしまうと、無線LAN通信が圏外になったことをユーザに報知する前に(ユーザに報知されることなく)移動体通信によるデータ通信が行われる。この結果、ユーザに対して意図しない高いデータ通信料が課金されてしまうことになる。
なお、時間x乃至xの間は、図6に示したようなポップアップ70が表示されるため、ユーザからのデータ通信要求を受け付けることができないが、時間x以前にユーザ操作されたデータ通信要求を時間x乃至xの間で通信制御部37が受け付ける可能性はある。
これに対し、本実施形態において説明した通信切替処理が行われる場合、図7の(D)に示すように、携帯電話機1は、無線LAN通信が圏外となったため利用不可となった後(時間xの後)は、端末状態管理モジュール51が無線LAN通信制御部39からの通知を受けたことに基づいて、通信制御部37によるデータ通信の禁止を行うようになっている(ステップS4)。その後、携帯電話機1は、ユーザ通知アプリ63によりポップアップ70などを用いたユーザ通知を行い(ステップS10)、ユーザがポップアップ70に対する応答を受け付け、またはユーザがポップアップを確認したとみなせるだけの所定時間が経過するまで(時間xまで)、端末管理モジュール51により移動体通信による通信を禁止する(ステップS14)。
すなわち、携帯電話機1の端末管理モジュール51は、図7の(A)に示すように、実際には移動体通信の通信状態は圏内ではあるが、(D)に示すようにポップアップ70などによるユーザ通知の出力中および出力準備処理中、出力終了処理中(時間x乃至x)においては移動体通信による通信を強制的に禁止する。このため、携帯電話機1は、無線LAN通信が圏外に移行したことに伴い、無線LAN通信から移動体通信に切り替わる際には、移動体通信に切り替わる前に確実にユーザに通知することができ、ユーザが認識しないまま移動体通信によるデータ通信を行うことを抑制することができる。
ここで、携帯電話機1が、例えばブラウザの通信要求をユーザにより受け付けた際に実行される処理を説明する。以下に説明する通信要求時の処理は、上述した通信アプリ制御部53と通信制御部37および無線LAN通信制御部39との間で行われる処理を含む、通信制御部37によるデータ通信を禁止する際の処理に該当する。
図8は、本実施形態における携帯電話機1で実行される通信要求時の処理を説明するフローチャートである。なお、以下に説明する通信要求時の処理は、図5の通信切替処理と並行して動作するが、通信要求時の処理の概略がわかるように図8にはその一部のステップのみを記載し、ネットワーク監視アプリ62およびデータ通知アプリ63の動作も省略している。
まず、移動体通信および無線LAN通信がいずれも圏内のとき(図5の時間x以前、ステップS4以前)に、ユーザによってデータ通信を伴う操作を受け付けた(通信要求を受けた)場合の動作を説明する。
ステップS21において、ユーザよりデータ通信を伴う操作を受け付けると、ステップS22において、データ通信アプリ52は、通信アプリ制御部53に対して通信要求を通知する。
ステップS23において、通信アプリ制御部53は、通信要求を受け付けたことに伴い、通信制御部37および無線LAN通信制御部39に対し、現在の無線状態の要求(圏内か圏外か)を行う。ステップS24において、通信制御部37および無線LAN通信制御部39は、それぞれ現在の無線の状態(圏内か圏外か)の状況に関する情報を、通信アプリ制御部53に対して通知する。ここでは、移動体通信および無線LAN通信の無線の状態がそれぞれ圏内であるため、通信アプリ制御部53に対してそれぞれ圏内である旨が通知される。
ステップS25において、通信アプリ制御部53は、通信制御部37および無線LAN通信制御部39から通知された無線状態に関する情報を元に、どちらの通信網でデータ通信を行うべきかを判断する。ここでは、移動体通信および無線LAN通信の双方が圏内であるため、優先的に用いられる通信方式である無線LAN通信でデータ通信を行うべきであると判断される。
ステップS26において、通信アプリ制御部53は、無線LAN通信制御部39に対して接続要求を行う。
ステップS27において、無線LAN通信制御部39は、通信アプリ制御部53からの接続要求の受付に伴い、携帯電話機1全体の制御を管理している端末状態管理モジュール51に対して、携帯電話機1が通信可能な状況か否かを問い合わせる。ステップS28において、端末管理モジュール51は無線LAN通信制御部39に対して通信許可または通信禁止の通知を行う。ここでは、特にデータ通信禁止の状態ではないため、端末状態管理モジュール51は通信許可の通知を行う。
ステップS29において、無線LAN通信制御部39は図示しないAPに対して接続を行いデータ通信を開始する。以上で、無線LAN通信網および移動体通信網の双方が圏内である場合の動作の説明を終了する。
次に、無線LAN通信が圏内から圏外に変わり、移動体通信が圏内のとき(図5の時間x乃至x、ステップS4以降)に、ユーザによってデータ通信を伴う操作を受けた(通信要求を受けた)場合の動作を説明する。なお、時間x以前の各ステップと重複した動作には、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
通信アプリ制御部53により通信制御部37および無線LAN通信制御部39に対して現在の無線状態の要求(圏内か圏外か)が行われたことに伴い(ステップS23)、ステップS34において、通信制御部37および無線LAN通信制御部39は、それぞれ現在の無線の状態(圏内か圏外か)の状況に関する情報を、通信アプリ制御部53に対して通知する。ここでは、通信制御部37および無線LAN通信制御部39は、移動体通信が圏内、無線LAN通信が圏外である旨をそれぞれ通信アプリ制御部53に対して通知する。
ステップS35において、通信アプリ制御部53は、通信制御部37および無線LAN通信制御部39から通知された無線状態に関する情報を元に、どちらの通信網で通信を行うべきかを判断する。ここでは、無線LAN通信が圏外、移動体通信が圏内であるため、移動体通信網で通信すべきであると判断される。
ステップS36において、通信アプリ制御部53は、通信制御部37に対して接続要求を行う。
ステップS37において、通信制御部37は、通信アプリ制御部53からの接続要求の受付に伴い、携帯電話機1全体の制御を管理している端末状態管理モジュール51に対して、携帯電話機1が通信可能な状況か否かを問い合わせる。ステップS38において、端末管理モジュール51は、通信制御部37に対して通信許可または通信禁止の通知を行う。ここでは、図5のステップS4において、通信禁止状態になっているため、端末管理モジュール51から通信制御部37に対して、通信禁止の通知が行われる。
通信制御部37は、データ通信アプリ52に対し、通信エラーである旨を通信アプリ制御部53を介して通知する(ステップS39およびS40)。以上で、無線LAN通信が圏外、移動体通信網が圏内である場合の動作の説明を終了する。
本実施形態において説明した通信切替処理が行われない場合には、ステップS4乃至ステップS14(時間x乃至x)の通信を禁止する処理が行われない。このため、ステップS38において、端末状態管理モジュール51より通信許可の通知がなされ、通信制御部37は移動体通信網でのデータ通信を開始することとなる。これにより、無線LAN通信が圏外になったことがユーザに報知される前に(ユーザに報知されることなく)移動体通信によるデータ通信が行われてしまい、データ通信料の意図しない高い課金が発生することになる。
なお、本実施形態において説明した通信切替処理は、移動体通信を用いたデータ通信を強制的に禁止する処理である。このため、携帯電話機1は、圏内でありデータ通信可能な通信方式が一以上存在する場合であっても、通信を行うことのできない状態が強制的に作り出されることになる。この結果、携帯電話機1の各部においてシステム上の不具合を生じる可能性がある。
ここで、例えば本実施形態における携帯電話機1が、データ通信を行うアプリケーションがバックグラウンドで動作する場合において、データ通信の実行が抑止される構成を有する携帯電話機であった場合を考える。
携帯電話機1において移動体通信による通信が禁止である間は、ポップアップ70などのユーザ通知を行うユーザ通知アプリ63がフォアグラウンドで動作するアプリケーションとして存在することになる。このため、データ通信を行うアプリケーションは、ユーザ通知アプリ63の存在によりバックグラウンドで動作するアプリケーションとして扱われるため、本来データ通信の実行が抑止されることは考慮済みとなっている。その結果、携帯電話機1において本実施形態で説明した通信切替処理を実行した場合であっても、特に不具合を生じることがない。
また、携帯電話機1が移動体通信によるデータ通信を禁止している間は、ユーザにとってもデータ通信が実行できないという不具合が生じる可能性もある。
例えば、ユーザが、無線LAN通信が圏内から圏外に移行する直前(例えば図5の圏外通知ステップS3直前)に、操作キー14などを用いてデータ通信の指示を入力した場合を考える。このとき、ユーザは、無線LAN通信によるデータ通信が実行されるものと期待して実行指示を入力したと考えられる。
しかし、本実施形態における通信切替処理の実行の有無に係わらず、無線LAN通信が圏外に移行した後に移動体通信に切り替わる際には、一度無線LAN通信が失敗し、その後移動体通信によるデータ通信が再度確立されるという段階を経なければならない。このため、本実施形態における携帯電話機1のように、ユーザのデータ通信実行指示に対しても強制的に通信を禁止する時間を設けたとしても、特にユーザに対する不具合は与えないものと考える。
また、例えば、ユーザが無線LAN通信が圏内から圏外に移行したとほぼ同時(例えば図5の圏外通知ステップS3とほぼ同時)に、操作キー14などを用いてデータ通信の指示を入力した場合を考える。この場合、ユーザがデータ通信の指示を入力した場合であっても、入力の直後または同時にユーザ通知アプリ63がフォアグラウンドで動作するアプリケーションとして存在することとなる。このため、上述したようにデータ通信を行うアプリケーションがバックグラウンドで動作する場合には、データ通信の実行が抑止されることは考慮済みであり、ポップアップ70の表示と共に強制的にデータ通信を禁止したことに伴うユーザに対する不利益は発生しないと考える。
さらに、本実施形態における通信切替処理は、データ通信のみに限定されるため、回線交換方式を用いた通信には影響を及ぼすことはない。このため、ポップアップ70が表示されている間であっても、音声着信は受信可能である。
なお、図5の通信切替処理の通信禁止終了ステップS14以降において、携帯電話機1はデータ通信を実行する指示を受け付けると、無線LAN通信が圏外である間は優先的に利用される、無線LAN通信とは異なる移動体通信を用いてデータ通信を行う。
また、携帯電話機1は、移動体通信を用いてデータ通信が行われている間に無線LAN通信が圏内に移行したとしても、移動体通信を用いたデータ通信を継続する。そして、携帯電話機1は、移動体通信を用いたデータ通信が終了すると、優先的にデータ通信に利用される通信方式を再度無線LAN通信に切り替え、圏外判定ステップS2以降の処理を繰り返す。つまり、移動体通信網が圏内で、無線LAN通信網が圏外から圏内に移行した場合には、図5の通信禁止開始ステップS4以降の禁止処理は行なわず、即、圏外判定ステップS2以降の処理を行う。なぜなら、この場合は意図していない高い課金方式の通信が行われるわけではないからである。
以上に述べたように、この携帯電話機1によれば、通信方式の切替が発生した場合であっても、通信方式の切替をユーザが認識するまで(したとみなせるまで)は他の通信方式によるデータ通信を禁止する。このため、携帯電話機1は、ユーザの意図しないデータ通信を発生させることなく、通信方式の切替を好適に制御することができる。
また、ポップアップの表示処理の開始と、圏外に伴う通信方式の切替とをほぼ同時に行った場合(図7の(C))には、ポップアップ70の表示に遅延が生じることもあり、ユーザに切替が通知されないまま移動体通信によるデータ通信が開始されてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態における携帯電話機1は、ポップアップ70などのユーザ通知がユーザに認識されるまで(されたとみなせるまで)は、データ通信を禁止することでこれらの問題点に対処することができる。
さらに、携帯電話機1は、通信方式間で課金体系が異なる場合であっても、ユーザが通信方式が切り替えられたことを認識しないままデータ通信を継続し、意図しないデータ通信料が加算されてしまうことを好適に防ぐことができる。
例えば、優先的に用いられる通信方式が料金が安価な無線LAN通信に設定されていた場合、一時的な通信圏外などの発生に伴い、料金が割高な移動体通信に自動的に切り替えられる場合が起こり得る。このような場合であっても、携帯電話機1は、ポップアップ70などによるユーザ通知を確実に行い、かつユーザ通知が確認されるまでは意図しないデータ通信を禁止することができる。また、ユーザは、ポップアップ70などを確認することにより、料金が割高な移動体通信を用いることを回避するために、データ通信を終了するという判断を行うことができる。
なお、本実施形態においては、例えばCDMAなどの移動体通信方式および無線LAN通信方式の二種類の方式を利用してデータ通信を行うことができる携帯電話機1について説明したが、通信方式は二種類に限らず、それ以上の種類の通信方式を備えている場合でも適用することができる。
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の複数のデータ通信に利用される通信方式を備えた携帯端末にも適用することができる。
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
1 携帯電話機
11 ヒンジ部
12 第一の筐体
13 第二の筐体
14 操作キー
17 確定キー
23 メインディスプレイ
23a 確定キー機能表示部
28 サブディスプレイ
30 主制御部
31 電源回路部
32 入力制御部
33 表示制御部
34 音声制御部
35 スピーカ
36 記憶部
37 通信制御部
38 アンテナ
40 無線LANアンテナ
39 無線LAN通信制御部
41 タイマ部
51 端末状態管理モジュール
52 データ通信アプリ
53 通信アプリ制御部
60 UIタスク
61 UIタスク制御部
62 ネットワーク監視アプリ
63 ユーザ通知アプリ
64 ネットワーク情報管理ライブラリ
70 ポップアップ

Claims (1)

  1. 第一の無線通信方式でデータ通信を行う第一の通信手段と、
    前記第一の通信方式と異なり、基地局を介した第二の無線通信方式でデータ通信を行う第二の通信手段と、
    前記第一の通信手段の通信状態を管理し、前記第一の通信手段による通信が圏内から圏外に移行した場合に、前記第一の通信手段が圏外に移行した旨の通知である圏外通知を行う状態管理手段と、
    前記状態管理手段より前記圏外通知を受け付けた場合、ユーザに対して前記第一の通信手段が切断された旨の通知であるユーザ通知を行う通知手段と、
    前記ユーザ通知に対する所定の処理が完了したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記処理が完了したと判定された場合、前記状態管理手段に対し前記ユーザ通知に対する前記処理が完了した旨の設定を行う設定手段と、
    前記状態管理手段により管理された前記第一の通信手段の通信状態が圏外に移行してから、前記設定手段により前記処理が完了した旨の設定が行われるまでの間、前記第二の通信手段による通信が圏内であったとしても、前記第二の通信手段によるデータ通信を禁止する通信禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする携帯端末。
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