JP2010160262A - 反射防止構造体及びこれを備えたレンズ鏡筒、反射防止構造体の製造方法 - Google Patents

反射防止構造体及びこれを備えたレンズ鏡筒、反射防止構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の形状に形成可能で、安価かつ容易に製造できる反射防止構造体とその製造方法を提供する。
【解決手段】反射防止構造体100は、樹脂材料200と、樹脂材料200の表面から所定の深さより深い部分に分散された無機材料微粒子201とから構成されている。樹脂材料200は、その内部において第1の空隙率を有する部分と、表面側において第1の空隙率より大きな第2の空隙率を有する部分とを有し、空隙率の差によって、樹脂材料200の表面から内部にかけて屈折率勾配が形成されている。空隙率の異なる各部分は、無機材料微粒子201の含有率が異なる2種類の複合材料を積層して所望形状の積層体を成形した後に、溶媒で無機材料微粒子201のみを溶解させることによって形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学機器等において光の反射を防止するために用いられる反射防止構造体及びこれを備えたレンズ鏡筒、反射防止構造体の製造方法に関するものである。
光透過材料の光透過性能を向上させる方法として、特許文献1には、光透過材料の表面に多孔性シリカ膜を形成して低屈折率化を図ることが記載されている。特許文献1では、シリカ膜中の空孔率を高めることで実質的に屈折率を低下させ、この結果、フレネル反射率を低減化することが提案されている。
また、特許文献2には、微細なパターン構造を有するフィルムの形成方法が記載されている。特許文献2では、流延ベルト上に高分子溶液をキャスティングしてキャスト膜を形成した後にキャスト膜を結露させ、高分子溶液中の有機溶媒を先に揮発させることで、結露した水滴が占める領域に対応する複数の孔部を有するフィルムを形成する方法が提案されている。
更に、特許文献3には、基材の表面にスポンジ状の三次元構造を形成することによって屈折率を低下させたフィルムが記載されている。特許文献3では、ポリマー材料にテンプレート剤と開始剤を混ぜたものを基材上に塗布し、ポリマー材料の硬化後にテンプレート剤を有機溶媒で溶解除去して、スポンジ状の三次元構造を形成することで、実質的に屈折率を低下させ、フィルム表面のフレネル反射率を低減化することが提案されている。
更に、特許文献4には、ブロックコポリマーあるいはグラフトコポリマーで構成されるミクロ層分離構造のうち、一部のポリマー鎖を分解または切断した後に、分解または切断したポリマー鎖を洗浄除去することによって、多孔質体等の微細構造を形成する方法が提案されている。
特開2005−15309号公報 特開2006−70254号公報 特開2006−69207号公報 特開2002−60159号公報
しかしながら、上記の各手法には次のような問題がある。
特許文献1に開示される多孔性シリカ膜を形成する際には、シリカ膜の密着性を確保するために、基板を事前に洗浄し、表面処理を施す必要がある。また、シリカ膜の成膜厚み50〜2000nmは、基本的に平板状の基板上に形成した際に得られるものであるので、この手法の適用対象となる材料形状が限られるという問題もある。
特許文献2に開示されるフィルム形成方法もまた、平面状のベルト上に溶液をキャスティングするものであるので、平面状以外の形状に形成できないという問題がある。
また、特許文献3に開示されるフィルムの製造方法では、テンプレート剤の凝集を避けながらポリマー膜の重合を進める必要があるため、それぞれの材料の粘度や重量比などのパラメータに制約があり、利用できる材料が限られるという問題がある。
更に、特許文献4に開示される微細構造の形成方法では、ポリマー鎖を分解または切断するために、オゾン、光、電子線等を用いたり、分解または切断されたポリマー鎖を洗浄除去するために、臨界状態あるいは亜臨界状態となったCO2ガスを用いたりするなど、特殊な装置や材料が必要であるという問題がある。
それ故に、本発明の目的の1つは、所望の形状に形成可能で、安価かつ容易に製造できる反射防止構造体とその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的の他の1つは、反射防止構造体を備えたレンズ鏡筒を提供することである。
本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体の製造方法に関するものである。本発明に係る反射防止構造体の製造方法は、樹脂材料に、樹脂を溶解しない溶媒に対して溶解性を有し、かつ、平均粒子径が所定の波長以下である無機材料微粒子を第1の体積比率で混合して、第1の複合材料を調整する工程と、樹脂材料に無機材料微粒子を、第1の体積比率より大きい第2の体積比率で混合して、第2の複合材料を調整する工程と、第1及び第2の複合材料を用いて、第1の複合材料と第2の複合材料とが積層された積層体を成形する工程と、第2の複合材料の表面から所定の深さまでの部分に分散された無機材料微粒子を溶媒で溶解させ、積層体内部において第1の空隙率を有する部分と、第2の複合材料の表面において第1の空隙率より大きい第2の空隙率を有する部分とを形成する工程とを備える。
また、本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体に関するものである。本発明に係る反射防止構造体は、所定の形状に成形された樹脂材料と、樹脂材料の表面からの深さが所定の深さより深い部分に分散され、樹脂材料を溶解しない溶媒に対して溶解性を有する無機材料微粒子とを備える。樹脂材料は、樹脂材料内部において第1の空隙率を有する部分と、表面において第1の空隙率より大きい第2の空隙率を有する部分とを含んでいる。
上記の反射防止構造体及びその製造方法において、無機材料微粒子は、無機塩、フッ化物、金属のいずれかであることが好ましい。
また、溶媒は、水または酸であることが好ましい。
更に、樹脂材料は、黒色であることが好ましい。
この場合、樹脂材料は、黒色の染料を含有していても良いし、黒色の顔料を含有していても良い。
無機材料微粒子の平均粒子径は、所定の波長の1/3以下であることが好ましい。この範囲の中でも、平均粒子径が所定の波長の1/10以下であることがより好ましく、平均粒子径が所定の波長の1/30以下であることが更に好ましい。
また、本発明に係るレンズ鏡筒は、上述の反射防止構造体を内部に備えるものである。
本発明によれば、所望の形状を有する反射防止構造体を、種々の材料を用いて安価かつ容易に実現することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明に係る反射防止構造体及びその製造方法について説明する。尚、図1〜7においては、説明の便宜上、第1の空隙率を有する部分(後述する「第1の複合材料」に由来する部分)を右上がりのハッチングで示し、第1の空隙率より大きな第2の空隙率を有する部分(後述する「第2の複合材料」に由来する部分)を右下がりのハッチングで示す。また、図1においては、図示の都合上、両者の境界に相当する位置が線で示されている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る反射防止構造体を模式的に示す図である。また、図2は、図1に示されるX部分の拡大断面図であり、図3は、図1に示されるY部分の拡大断面図である。
反射防止構造体100は、所望の形状に成形された樹脂材料200と、樹脂材料200の内部に分散された無機材料微粒子201とから構成されている。反射防止構造体100は、例えば、レンズ鏡筒や撮像装置等の光学機器において、不要光の反射を抑制するために用いられるものである。
樹脂材料200には、成形性に優れた熱可塑性樹脂を利用できる。本実施の形態においては、樹脂材料200として、ポリカーボネイト樹脂が使用されている。また、樹脂材料200は、染料によって黒色に着色されている。樹脂材料200は、染料に代えて黒色の顔料により着色されていても良い。
無機材料微粒子201は、樹脂材料200を溶解しない溶媒に対して溶解性のある無機塩をナノサイズ(1ミクロン未満)に微粒子化したものであり、表面から所定の深さより深い部分に分散されている。本実施の形態では、無機材料微粒子201として、ポリカーボネイト樹脂を溶解しない溶媒である「水」に対して溶解性のある塩化ナトリウムが用いられている。本実施の形態においては、塩化ナトリウムの平均粒子径は、100nmであり、反射を抑制すべき光の最小波長である400nm(すなわち、可視光の短波長側)の1/3以下に設定されている。
また、樹脂材料200の表面には、複数の微小凹部202が形成され、樹脂材料200の内部には、複数の空孔203が形成されている。これらの微小凹部202及び空孔203は、反射防止構造体100の製造時に、樹脂材料200表面に分散された無機材料微粒子201(本実施の形態では塩化ナトリウム)を水で溶解させることによって形成されたものである。したがって、微小凹部202及び空孔203の平均内径は、無機材料微粒子201の平均粒子径とほぼ等しく、反射を抑制すべき光の最小波長以下となる。
また、微小凹部202及び空孔203の形成比率は、樹脂材料200の表面側と内部とで異なるように設定されている。具体的には、樹脂材料200には、その内部において第1の空隙率(微小凹部202及び空孔203の体積比率)を有する部分と、表面側において第1の空隙率より大きな第2の空隙率を有する部分とが形成されている。本実施の形態では、第1の空隙率は30%であり、第2の空隙率は60%である。
このように、本実施の形態に係る反射防止構造体100には、表面側から内部へと順に、空隙率が比較的大きい部分と、空隙率が比較的小さい部分と、無機材料微粒子201が溶解せずに残ったことで、有効屈折率の低下が小さく抑えられた部分とが設けられている。これにより、反射防止構造体100の表面から深部方向に向かって屈折率勾配が生じるため、表面に入射した所定以上の波長の光の反射を効果的に抑制することができる。
尚、本実施の形態においては、無機材料微粒子201として塩化ナトリウムが用いられているが、塩化カリウム、臭化カリウム等の他の無機塩を用いても同様の効果を奏する反射防止構造体を形成することができる。
ここで、本実施の形態に係る反射防止構造体100の製造方法を説明する。
まず、樹脂材料200にナノサイズ(粒径が1μm未満)の無機材料微粒子201を混合して、樹脂材料200中に無機材料微粒子201が分散された第1の複合材料を調整する。このとき、樹脂材料200と無機材料微粒子201との混合比は、無機材料微粒子201が第1の体積比率(例えば、30%)で樹脂材料200に含まれるように設定される。
樹脂材料200及び無機材料微粒子201は、本実施の形態で例示したポリカーボネイト樹脂と塩化ナトリウムの組み合わせや、後述する各実施の形態で例示する材料の組み合わせのように、ある溶媒に対して溶解性のない樹脂と、同じ溶媒に対して溶解性のある無機材料とを組み合わせれば良い。
樹脂材料200と無機材料微粒子201との混合方法は特に限定されず、例えば、加熱により軟化させた樹脂材料200に、所定の平均粒子径に調整された無機材料微粒子201を混錬する等、樹脂材料200中に無機材料微粒子201を適宜に分散させることができる方法であれば良い。また、所定の平均粒子径を有する無機材料微粒子201は、例えば、無機塩水溶液をスプレードライヤーで噴霧乾燥させる等の手法によって調整できる。
次に、上記の第1の複合材料とは別に、樹脂材料200中に無機材料微粒子201が分散された第2の複合材料を調整する。第2の複合材料の調整方法は、第1の複合材料に係るものと同様であるが、樹脂材料200と無機材料微粒子201との混合比は、無機材料微粒子201が、第1の体積比率より大きな第2の体積比率(例えば、60%)で樹脂材料200に含まれるように設定される。
次に、調整した第1及び第2の複合材料を用いて、第1の複合材料と第2の複合材料とが積層された積層体を成形する。この際、第1及び第2の複合材料の使用部位は、積層された第2の複合材料の表面が反射を抑制すべき光の入射側となるように決定される。尚、本発明で用いられる複合材料は、樹脂を中心として構成されているので、2色成形等の既知の成形方法を用いて、容易に様々な形状に成形することが可能である。また、第1の複合材料の成形工程と第2の複合材料の成形工程のどちらが先に行われても良い。
そして、所望の形状に成形した積層体を溶媒に浸して、第2の複合材料の表面から所定の深さまでの部分に分散された無機材料微粒子201を溶解させる。この工程で用いられる溶媒は、樹脂材料200を溶解させないが、無機材料微粒子201を溶解させる性質を有するものであり、本実施の形態では水である。
この結果、第2の複合材料の表面に、反射を抑制すべき光の最小波長以下の内径を有する複数の微小凹部202が形成される。また、凝集していた無機材料微粒子が溶解することで形成された通路や、樹脂材料200と無機材料微粒子201との境界部分に生じた隙間から樹脂材料200の内部にまで水が浸透することによって、樹脂材料200の内部に分散された無機材料微粒子も溶解され、空孔203が形成される。
ただし、上述のように、第1の体積比率は第2の体積比率より小さいため、第1の複合材料よりなる層に分散された無機材料微粒子201の溶解は、第2の複合材料よりなる層に分散された無機材料微粒子201の溶解より遅く進行する。したがって、積層体を溶媒で処理する時間を調整することによって、第2の複合材料の表面から所定の深さより深い部分に存在する無機材料微粒子201を残存させて(図3)、樹脂材料200の内部に有効屈折率の低下が小さい部分を形成することができる。
上記の各工程を経て、所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体100が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る反射防止構造体100の製造方法によれば、無機材料微粒子201の平均粒子径を調節することによって、反射防止構造体100の少なくとも表面に、反射を抑制すべき光の最小波長以下(上記の例では、最小波長の1/3以下)の内径を有する複数の微小凹部202が形成される。微小凹部202によって、樹脂材料200表面の実質的な屈折率が低下するので、反射防止構造体100に照射された光のうち、所定の波長以上の光の反射を抑制することが可能となる。
これに加えて、本実施の形態に係る製造方法では、第1の体積比率で無機材料微粒子201が分散された第1の複合材料の上に、第1の体積比率より大きな第2の体積比率で無機材料微粒子201が分散された第2の複合材料を積層した後に、溶媒を用いて第2の複合材料の表面から第1の複合材料の内部までの部分に含まれる無機材料微粒子201を溶解させる。この結果、有効屈折率が大きく低下する第2の複合材料の表面側から、無機材料微粒子201が残存する樹脂材料200の内部にかけて、小から大へと変化する屈折率勾配が形成されるので、表面反射を一層抑制できる反射防止構造体100を実現することができる。
また、本実施の形態に係る反射防止構造体の製造方法では、特殊な装置や材料が不要であり、使用される材料も安価である。したがって、本実施の形態に係る製造方法によれば、反射防止効果に優れた反射防止構造体を安価かつ容易に製造することができる。
また、本実施の形態においては、黒色の樹脂材料200が用いられているために、反射防止構造体100の表面から内部に進入した光が、樹脂材料200によって吸収減衰される。したがって、反射防止構造体100内部に進入した光が、その表面から再度出射されてしまうことを効果的に防止できる。
尚、上記の例では無機材料微粒子201の平均粒子径が反射を抑制すべき光の1/3以下である例を説明したが、無機材料微粒子201の平均粒子径は、反射を抑制すべき光の最小波長の1/10以下であることがより好ましい。この場合、無機材料微粒子201の平均粒径に対応して、微小凹部202の平均内径もまた反射を抑制すべき光の最小波長の1/10以下となり、反射防止構造体100に対して斜め方向から入射する光の反射をより効果的に抑制することが可能となる。
更には、無機材料微粒子201の平均粒子径は、反射を抑制すべき光の最小波長の1/30以下であることが一層好ましい。この場合、反射防止構造体100に対して斜め方向から入射する光の反射を一層抑制することができると共に、無機材料微粒子201や微小凹部202、樹脂材料200の内部に形成された空孔203による光の散乱を抑制することも可能となる。
ただし、使用する無機材料微粒子201の平均内径が反射を抑制すべき光の最小波長以下であれば、形成された反射防止構造体100は、反射防止効果を発揮することが可能である。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る反射防止構造体の表面側の一部を示す拡大断面図であり、実施の形態1の図2に対応する部分(X部分)を示した図である。また、図5は、本発明の実施の形態2に係る反射防止構造体の内部の一部を示す拡大断面図であり、実施の形態1の図3に対応する部分(Y部分)を示した図である。
本実施の形態に係る反射防止構造体300は、実施の形態1に係るものと同様に、樹脂材料400と、樹脂材料400の表面から所定の深さより深い部分に分散された無機材料微粒子401とから構成されている。
樹脂材料400は、アクリル樹脂であり、顔料であるカーボンブラックによって黒色に着色されている。
無機材料微粒子401は、アクリル樹脂を溶解しない硝酸に対して溶解性を有するフッ化マグネシウムである。本実施の形態においては、無機材料微粒子401の平均粒径は、40nmであり、反射を抑制すべき光の最小波長である400nm(可視光の短波長側)の1/10以下に微粒子化されている。したがって、樹脂材料400に形成される微小凹部402及び空孔403の平均内径もまた、反射を抑制すべき光の最小波長の1/10以下となる。
また、本実施の形態においても、樹脂材料400には、その内部において第1の空隙率(微小凹部402及び空孔403の体積比率)を有する部分と、表面側において第1の空隙率より大きな第2の空隙率を有する部分とが形成されている。本実施の形態では、第1の空隙率は35%であり、第2の空隙率は65%である。
このように構成された反射防止構造体300は、実施の形態1に係るものと同様に、反射防止効果を発揮することができる。また、本実施の形態でも、樹脂材料400が黒色に着色されているので、反射防止構造体300の内部に一旦進入した光は、樹脂材料によって吸収され、反射防止構造体300の表面から再度出射されることを防止できる。
尚、本実施の形態に係る反射防止構造体300の製造方法は、使用材料及び無機材料微粒子の混合比率を除いて、実施の形態1で説明したものと同様である。本実施の形態では、第1の複合材料に含有される無機材料微粒子401の体積比率は35%であり、第2の複合材料に含有される無機材料微粒子の体積比率は65%である。
また、本実施の形態においては、無機材料微粒子401としてフッ化マグネシウムを用いた例を説明したが、フッ化マグネシウムに代えてフッ化カルシウムを使用しても、同じ効果を奏する反射防止構造体を形成できる。フッ化カルシウムを用いる場合は、溶媒として、硝酸の代わりに水を用いても良い。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る反射防止構造体の表面側の一部を示す拡大断面図であり、実施の形態1の図2に対応する部分(X部分)を示した図である。また、図7は、本発明の実施の形態3に係る反射防止構造体の内部の一部を示す拡大断面図であり、実施の形態1の図3に対応する部分(Y部分)を示した図である。
本実施の形態に係る反射防止構造体500は、実施の形態1に係るものと同様に、樹脂材料600と、樹脂材料600の表面から所定の深さより深い部分に分散された無機材料微粒子601とから構成されている。
樹脂材料600は、ポリスチレン樹脂であり、顔料であるカーボンブラックによって黒色に着色されている。
無機材料微粒子601は、ポリスチレン樹脂を溶解しない塩酸水溶液に対して溶解性を有するアルミニウムである。本実施の形態においては、無機材料微粒子601の平均粒径は、10nmであり、反射を抑制すべき光の最小波長である400nm(可視光の短波長側)の1/30以下に微粒子化されている。したがって、樹脂材料600に形成される微小凹部602及び空孔603の平均内径もまた、反射を抑制すべき光の最小波長の1/10以下となる。
また、本実施の形態においても、樹脂材料600には、その内部において第1の空隙率(微小凹部602及び空孔603の体積比率)を有する部分と、表面側において第1の空隙率より大きな第2の空隙率を有する部分とが形成されている。本実施の形態では、第1の空隙率は25%であり、第2の空隙率は55%である。
このように構成された反射防止構造体500は、実施の形態1に係るものと同様に、反射防止効果を発揮することができる。また、本実施の形態でも、樹脂材料600が黒色に着色されているので、反射防止構造体500の内部に一旦進入した光は、樹脂材料によって吸収され、反射防止構造体500の表面から再度出射されることを防止できる。
尚、本実施の形態に係る反射防止構造体500の製造方法は、使用材料及び無機材料微粒子の混合比率を除いて、実施の形態1で説明したものと同様である。本実施の形態では、第1の複合材料に含有される無機材料微粒子601の体積比率は55%であり、第2の複合材料に含有される無機材料微粒子の体積比率は65%である。
また、本実施の形態においては、無機材料微粒子601としてアルミニウムを用いた例を説明したが、アルミニウムに代えて、鉄、銅、亜鉛等の金属微粒子を使用しても、同じ効果を奏する反射防止構造体を形成できる。アルミニウム以外の金属微粒子を用いる場合は、使用する金属を溶解する種々の酸の中から、樹脂材料500を溶解しないものを選択すれば良い。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係るレンズ鏡筒の一部を模式的に示す縦断面図である。
レンズ鏡筒800は、レンズ一体型カメラ、レンズ交換式カメラ、ビデオカメラ等に用いられるものであり、図示しないレンズ素子や駆動機構等を保持する筒状の保持筒802と、上記の実施の形態1〜3で説明した反射防止構造体801とを備える。反射防止構造体801は、保持筒802の内周面を覆うように筒状に形成されている。
より詳細には、保持筒802の内面から順に、第1の空隙率を有する部分(右上がりのハッチングを付した部分)と、第1の空隙率より大きい第2の空隙率を有する部分(太い右下がりのハッチングを付した部分)とが形成されている。このように構成することで、光軸(図8の一点鎖線)と直交する方向において、レンズ鏡筒800の内方から外方へと向かって屈折率勾配が形成されるので、レンズ鏡筒800内面における反射防止効果が向上する。
一例として、保持筒802及び反射防止構造体801は、射出成形の多色成型法により成形することができる。より具体的には、まず、所定の樹脂材料を用いて、保持筒802を成形する。次に、保持筒802の内面に、第1の体積比率で無機材料微粒子を含有する第1の複合材料と、第2の体積比率(ただし、第2の体積比率>第1の体積比率)で無機材料微粒子を含有する第2の複合材料とを順に積層して、積層体を成形する。そして、無機材料微粒子のみを溶解させる適当な溶媒を用いて、第2の複合材料の表面から内部の第1の複合材料までの部分に存在する無機材料微粒子を溶解除去する。これらの工程を経て、保持筒802と一体的に形成された反射防止構造体801が得られる。
本実施の形態に係るレンズ鏡筒800は、内部に反射防止構造体801を備えているので、レンズ鏡筒800の内部における光の反射を抑制し、撮像フィルムや撮像素子上におけるフレアの発生を防止できる。したがって、レンズ鏡筒800を用いてコントラストの高い画像が得られる撮像光学系を実現することができる。
尚、上記の各実施の形態において、第1の複合材料と第2の複合材料との境界は必ずしも明確である必要はない。第1の複合材料と第2の複合材料との境界近傍において、両者が相互に混ざり合った状態となっていれば、第1の複合材料と第2の複合材料との境界部分における反射が抑制されるのでより好ましい。
また、上記の各実施の形態では、無機材料微粒子の混合比率が異なる2種類の複合材料を用いて反射防止構造体を形成しているが、無機材料微粒子の混合比率が異なる3種類以上の複合材料を用いて反射防止構造体を形成しても良い。この場合でも、樹脂表面から内部に向かって空隙率が小さくなるように各複合材料を積層すれば、上記の各実施の形態に係るものと同様の効果を奏する反射防止構造体を形成できる。
更に、上記の実施の形態1〜3では、同一の樹脂材料及び無機材料微粒子を用いて第1及び第2の複合材料を調整しているが、第1及び第2の複合材料に異なる樹脂材料を用いたり、第1及び第2の複合材料に異なる無機材料微粒子を用いたりしても良い。
更に、上記の実施の形態4においては、反射防止構造体を保持筒の内面に形成しているが、反射防止構造体は、反射の発生を抑制したい任意の位置や部材に設けることが可能である。例えば、レンズ素子やプリズム等の光学素子を保持する保持枠の表面などに、反射防止構造体を形成しても良い。
本発明は、例えば、スチルカメラやビデオカメラのレンズ鏡筒内部において光の反射を抑制する反射防止構造体として利用できる。
本発明の実施の形態1に係る反射防止構造体を模式的に示す図 図1に示されるX部分の拡大断面図 図1に示されるY部分の拡大断面図 本発明の実施の形態2に係る反射防止構造体の表面側の一部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態2に係る反射防止構造体の内部の一部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態3に係る反射防止構造体の表面側の一部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態3に係る反射防止構造体の内部の一部を示す拡大断面図 本発明の実施の形態4に係るレンズ鏡筒の一部を模式的に示す縦断面図
100、300、500 反射防止構造体
200、400、600 樹脂材料
201、401、602 無機材料微粒子
202、402、602 微小凹部
203、403、603 空孔
800 レンズ鏡筒
801 反射防止構造体

Claims (14)

  1. 所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体の製造方法であって、
    樹脂材料に、前記樹脂を溶解しない溶媒に対して溶解性を有し、かつ、平均粒子径が前記所定の波長以下である無機材料微粒子を第1の体積比率で混合して、第1の複合材料を調整する工程と、
    前記樹脂材料に前記無機材料微粒子を、前記第1の体積比率より大きい第2の体積比率で混合して、第2の複合材料を調整する工程と、
    前記第1及び第2の複合材料を用いて、前記第1の複合材料と前記第2の複合材料とが積層された積層体を成形する工程と、
    前記第2の複合材料の表面から所定の深さまでの部分に分散された前記無機材料微粒子を前記溶媒で溶解させ、前記積層体内部において第1の空隙率を有する部分と、前記第2の複合材料の表面において前記第1の空隙率より大きい第2の空隙率を有する部分とを形成する工程とを備える、反射防止構造体の製造方法。
  2. 前記無機材料微粒子が、無機塩、フッ化物、金属のいずれかであることを特徴とする、請求項1記載の反射防止構造体の製造方法。
  3. 前記溶媒が水または酸であることを特徴とする、請求項1記載の反射防止構造体の製造方法。
  4. 前記樹脂材料が黒色であることを特徴とする、請求項1記載の反射防止構造体の製造方法。
  5. 前記樹脂材料が黒色の染料または顔料を含有することを特徴とする、請求項4記載の反射防止構造体の製造方法。
  6. 所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体であって、
    所定の形状に成形された樹脂材料と、
    前記樹脂材料の表面からの深さが所定の深さより深い部分に分散され、前記樹脂材料を溶解しない溶媒に対して溶解性を有する無機材料微粒子とを備え、
    前記樹脂材料は、前記樹脂材料内部において第1の空隙率を有する部分と、前記表面において前記第1の空隙率より大きい第2の空隙率を有する部分とを含む、反射防止構造体。
  7. 前記無機材料微粒子が、無機塩、フッ化物、金属のいずれかであることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  8. 前記溶媒が水または酸であることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  9. 前記樹脂材料が黒色であることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  10. 前記樹脂材料が黒色の染料または顔料を含有することを特徴とする、請求項9記載の反射防止構造体。
  11. 前記無機材料微粒子の平均粒子径が前記所定の波長の1/3以下であることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  12. 前記無機材料微粒子の平均粒子径が前記所定の波長の1/10以下であることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  13. 前記無機材料微粒子の平均粒子径が前記所定の波長の1/30以下であることを特徴とする、請求項6記載の反射防止構造体。
  14. 請求項6記載の反射防止構造体を内部に備えた、レンズ鏡筒。
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