JP2010158730A - チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャック装置10のベース13とドローバーのヘッド12aの間にクランプリング14を配置し、その外周にテーパ面14aを設ける。テーパ面14aとヘッド、ベースの間にOリング16を配置する。ヘッド12aにワークWを被せ、ベース13に当てて位置決めし、ドローバー12をスライドさせて、Oリング16をクランプリング14とヘッド12a、ベース13で挟み込む。Oリング16は、ベース13に向けてスライドしながら軸方向に圧縮し、かつテーパ面14aに内周から押し広げられて拡径することで、ワークWはベース13側に引き込まれて着座し保持される。Oリング16は圧縮と拡径とで径方向への変形量が非常に大きくなるため、内径寸法の異なる複数種のワークWを保持可能である。
【選択図】図3
Description
このチャック装置では、円筒形のベースの外周に環状弾性体としてのOリングと、金属製などで剛性の高いスペーサとを交互に外嵌し、このスペーサをベースの軸方向にスライド可能に構成している。
すると、Oリングは扁平に押しつぶされてベースの径方向へと広がるため、ワークの内径面に押し当てられる。
このようにして、Oリングによってワークが内径面から保持されることになる。
したがって、この種のチャック装置で保持可能なワークは、圧縮前のOリングの外周に外嵌した状態でその内径面とOリングの外周との隙間が非常に小さいものに限られる。
このように、従来のOリングを圧縮だけする方式のチャック装置では、同一のチャック装置で内径寸法の異なる複数のワークを保持することが困難であった。
そして、前記ドローバーのアンチャック位置からチャック位置へのスライドにより、前記各環状弾性体がそれぞれドローバーのヘッドとクランプリングまたはクランプリングとベースに挟み込まれて軸方向に圧縮して扁平に変形し、かつ前記各環状弾性体がそれぞれクランプリングのテーパ面に内周から押し広げられて拡径することで、ワークの内径面に押し当てられるようにしたのである。
このとき、ドローバーの引き込みにより、環状弾性体はベースに向けて微少にスライドしながら圧縮、拡径していくため、ワークはベース方向へと引込まれつつチャックされることになり、ワークのベースへの着座がスムーズになされる。
また、環状弾性体の径方向への全体的な変形量が大きいため、ワークの内径面に押し当てられる力も大きくなり、ワークの保持力が向上する。
さらに、弾性環状体の全体的な変形量が大きいので、アンチャック時の弾性環状体とワークの隙間を大きくとることができ、チャック装置へのワークの着脱が容易になる。
また、引き込み作動部によるワークチャック後の引込み動作は、ワークをベースに押付けて確実に着座させる機能をも兼ねる。
この場合において、前記引き込み作動部の後退量を制限する引き込み量制限部をさらに備えるのが好ましい。
図1および図2に示す実施形態の平面研削盤1は、円筒形のワークWを研削するのに使用される。
この平面研削盤1は、チャック装置10に新規な構造を採用したことで、内径の異なる複数種のワークWを保持することが可能となっている。
その他、研削砥石3aなどチャック装置10以外の構造については、従来の平面研削盤1と同様であり、図面に示した構造に限定されない。
すなわちドローバー12の引き込み操作により、Oリング16を軸方向に圧縮および拡径させて径方向に大きく変形させ、これによりOリング16をワークWの内径面に押し当てることで保持をおこなっている。
なお作動装置20は、前後方向に延びる支持ロッド2bを介して前記ハウジング2aに対して回転不能に固定されている。
また、内筒11bの突出部分の外周にはスプラインが形成され、ベルト・プーリー機構Bにより、スピンドル11全体が回転駆動可能に構成されている。
一方、外筒11aの前端はベース13により閉塞されている。
このドローバー12の後部は、内筒11bから外へと突出し、作動装置20に軸受を介して回転可能に支持されている。
さらに、ドローバー12のヘッド12aはスピンドル11の前端から外へと突出し、このヘッド12aには貫通するエア抜き孔12cが形成されている。
円筒形のワークWは、このスリーブ13aの前端に端部が当てられることで位置決めされる。
ここでリングプレート13bとヘッド12aの対向面には、それぞれL字型に屈曲する復元爪13c、12dが周方向に間隔をおいて複数形成されている。
このクランプリング14は、ドローバー12に軸方向にスライド可能に外嵌している。
図示のように、クランプリング14は、その肉厚が軸方向の両端から中央に向かって漸増している。
つまりクランプリング14は、その外周面が軸方向の前端および後端から軸方向の中央に向かって上り勾配に傾斜しているテーパ面14aをなしている。
また、クランプリング14の前面および後面は外周を残して凹み、リンキング防止凹面14bを構成している。
さらにクランプリング14には、前後のリンキング防止凹面14bの底間を貫通するエア抜き孔14cが形成されている。
同様に、リングプレート13bとクランプリング14の対向するリンキング防止凹面14bとの間にも復帰ばね12bが装填されている。
復帰ばね12bにより、ヘッド12a、クランプリング14、リングプレート13bは互いに離反する向きに付勢されている。
一方チャック装置10のドローバー12の後端は、楔形の軸受ブロック17に軸支され、かつチャックばね15で後退方向に付勢されることで、軸受ブロック17の後面斜面がスライダ21aの前面斜面に衝合している。
シリンダ21bによりスライダ21aを左右にスライドさせると、楔作用で軸受ブロック17が前進後退し、これによりドローバー12が前後にスライドする。
このドローバー12のヘッド12aがベース13から離反する前進位置をアンチャック位置と呼び、ヘッド12aがベース13に接近する後退位置をチャック位置と呼ぶ。
ここからチャック作動部21を作動させて、ドローバー12をチャック位置まで後退させる。
これにより、それぞれのOリング16が、ヘッド12aとクランプリング14、リングプレート13bとクランプリング14の間に挟みこまれる。
したがって、Oリング16は軸方向に圧縮されて扁平に変形する。
同時にOリング16は、内周からクランプリング14のテーパ面14aに楔作用で押し広げられて拡径する。
このようにして、拡径と軸方向への圧縮とでOリング16は径方向に大きく変形して広がってワークWの内径面に押し当てられ、ワークWはチャック装置10に保持される。
このとき、ドローバー12の引き込みにより、Oリング16はベース13に向けて微少にスライドしながら圧縮、拡径していくことになる。
そのため、ワークWはベース13の方向へと引込まれながらチャックされていくことになり、ワークWのベース13への着座がスムーズになされる。
また、リンキング防止凹面14bにより、クランプリング14とヘッド12a、リングプレート13bが密着するのが防止されている。
また、径方向への全体的な変形量が大きいため、ワークWの内径面に押し当てられる力も大きくなり、ワークWの保持力も向上している。
加工が終わると、再びチャック作動部21を作動させてドローバー12をアンチャック位置に前進させる。
すると、Oリング16の挟み込みが解除されて復元弾性で径方向に縮むため、ワークWのチャックが解除される。
またOリング16の変形量が大きいので、アンチャック時のワークWとの隙間を大きくとることができ、チャック装置10へのワークWの着脱が容易になっている。
さらに、エア抜き孔12c、14cにより、アンチャック時にチャック装置内に負圧が発生するのが防止されている。
シリンダ22bによりスライダ22aを前進後退させ、これによりチャック装置10全体を所望の位置まで前進後退させることで、ワークWのチャック装置10へのローディングを容易にすることができる。
なお、引き込み作動部によるワークチャック後の引込み動作は、ワークWをベース13に押付けて確実に着座させる機能をも兼ねている。
この引き込み量制限部23は、ねじ送り等により前後に位置を微調整可能であり、これにより引き込み作動部22、ひいてはチャック装置10全体の後退量を調整可能としている。
2 主軸台
2a ハウジング
2b 支持ロッド
3 砥石台
3a 研削砥石
10 チャック装置
11 スピンドル
11a 外筒
11b 内筒
12 ドローバー
12a ヘッド
12b 復帰ばね
12c エア抜き孔
12d 復元爪
13 ベース
13a スリーブ
13b リングプレート
13c 復元爪
14 クランプリング
14a テーパ面
14b リンキング防止凹面
14c エア抜き孔
15 チャックばね
16 Oリング
17 軸受ブロック
20 作動装置
21 チャック作動部
21a スライダ
21b シリンダ
22 引き込み作動部
22a スライダ
22b シリンダ
22c ガイドロッド
23 引き込み量制限部
W ワーク
B ベルト・プーリー機構
Claims (9)
- 円筒形のワークWを内径面から保持するチャック装置10であって、
前記ワークWの端面を当てて位置決めするベース13と、
前記ベース13を挿通し、先端部のヘッド12aにワークWが被せられ、このヘッド12aがベース13に接近するチャック位置と、ヘッド12aがベース13から離反するアンチャック位置との間で、軸方向にスライド可能なドローバー12と、
前記ベース13とドローバーのヘッド12aの対向面間にあって、軸方向にスライド可能にドローバー12に外嵌し、その外周に軸方向両端から軸方向中央に向けてそれぞれ上り勾配に傾斜するテーパ面14aを有するクランプリング14と、
前記クランプリングのテーパ面14aとドローバーのヘッド12aとの間、および前記クランプリングのテーパ面14aとベース13との間にそれぞれ配置された並列する環状弾性体16と、を備え、
前記ドローバー12のアンチャック位置からチャック位置へのスライドにより、前記各環状弾性体16がそれぞれドローバーのヘッド12aとクランプリング14またはクランプリング14とベース13に挟み込まれて軸方向に圧縮して扁平に変形し、かつ前記各環状弾性体がそれぞれクランプリングのテーパ面14aに内周から押し広げられて拡径することで、ワークWの内径面に押し当てられるチャック装置。 - 前記ドローバーのヘッド12aとクランプリング14の間、および前記ベース13とクランプリング14との間にそれぞれ装填され、前記ドローバーのヘッド12aとクランプリング14とが離反する向き、前記ベース13とクランプリング14とが離反する向きにそれぞれ付勢する復帰ばね12bをさらに備える請求項1に記載のチャック装置。
- 前記ドローバーのヘッド12aおよび前記ベース13が、それぞれのクランプリング14との対向面に、前記ドローバー12のチャック位置からアンチャック位置へのスライドにより、前記環状弾性体16に係合する復元爪12d、13cを有する請求項1または2に記載のチャック装置。
- 前記クランプリング14が、ドローバーのヘッド12aとの対向面および前記ベース13との対向面に、ドローバー12のアンチャック位置からチャック位置へのスライド時に、ドローバーのヘッド12aとクランプリング14の対向面同士およびクランプリング14とベース13の対向面同士が密着するのを防止するリンキング防止凹面14bを有する請求項1から3のいずれかに記載のチャック装置。
- 前記ドローバーのヘッド12aおよびクランプリング14が、軸方向に貫通するエア抜き孔12c、14cを有する請求項1から4のいずれかに記載のチャック装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載のチャック装置10を含む主軸台2と、前記ワークWを研削可能な研削砥石3aを含む砥石台3と、を備える平面研削盤。
- 前記主軸台2が、前記チャック装置10を前進動および後退動させる引き込み作動部22をさらに備える請求項6に記載の平面研削盤。
- 前記主軸台2が、前記引き込み作動部22の後退量を制限する引き込み量制限部23をさらに備える請求項7に記載のチャック装置。
- 円筒形のワークWに環状弾性体16を挿入する工程と、
この環状弾性体16を軸方向に圧縮して扁平に変形させ、かつこの環状弾性体16を内周から押し広げて環を拡径させることで、ワークWの内径面に押し当てる工程と、を含むチャック方法。
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