JP2010156604A - 軽水炉高温運転状態模擬方法および装置 - Google Patents

軽水炉高温運転状態模擬方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できるようにする。
【解決手段】実験条件で固体であって水素密度が実験状態での軽水の水素密度よりも低いたとえばポリスチレンなどの含水素固体減速材にホウ素を添加した材料で形成された固体減速体40を軽水36中に配置する。固体減速体40に形成された燃料棒挿入穴に燃料棒31および水棒33を挿入して、模擬対象燃料集合体を模擬した模擬燃料集合体30を形成する。模擬燃料集合体30の周囲には、固体減速体40中に燃料棒31が挿入されたバッファ領域34を形成してもよい。模擬燃料集合体30あるいはバッファ領域34の周囲には、ドライバー領域35を形成してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転状態の軽水炉中の燃料集合体中の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬する軽水炉高温運転状態模擬方法および装置に関する。
現在、実用化されている原子力発電では、軽水減速型原子炉(軽水炉)が主流である。軽水炉には大きく2種類の炉型があり、一つは加圧水型原子炉(PWR)であり、もう一つが沸騰水型原子炉(BWR)である。いずれも、長年の運転経験を経て、安定した電力基盤の位置付けを有している。今後は、環境負荷低減や経済性向上を主眼に、PWRおよびBWRのいずれも、性能改良が進められる見込みである。
このうち、燃料設計の観点からの改良としては、たとえば核分裂性物質の初期濃度を高くして(たとえばウラン燃料では、235Uの濃縮度を高くする)、高燃焼度化(燃料の長寿命化)を図る方法などがある。このような高濃縮度化を含めた燃料設計の改良は、臨界試験によって検証されることが望ましい。臨界試験による検証は、設計改良の効果を実証することと、燃料設計に用いる計算コードの妥当性を確認することの2点が主要な観点である。臨界試験に対しては、軽水炉燃料の特徴を模擬していることが求められる。
最近のPWRには、原子炉容器に高さ約4mの燃料集合体が約200体装荷される。1体の燃料集合体の横断面は、約20cm×約20cmのほぼ正方形である。原子炉容器の運転圧力は約140kg/cmGで、冷却材である軽水は炉心下部から流入する。冷却材は、核的には減速材としても作用する。冷却材の原子炉容器入口温度は約284℃、出口温度は約321℃(定格出力時)である。軽水の冷却材は、非沸騰状態が保たれ、平均温度は約310℃である。この圧力および温度での軽水密度は、約0.69g/cmである。
PWR運転中の反応度制御は、制御棒操作、冷却材中のホウ素濃度調整(ケミカルシム)および可燃性毒物棒操作を組み合わせて行なう。また、近年は、BWRのように、ガドリニア入り燃料棒も採用されている。特徴的なのはケミカルシムであり、冷却材中に可溶性中性子吸収体であるホウ酸(分子式:HBO)を注入して、運転期間を通じてその濃度を調整する。運転サイクル初期(Beginning Of Cycle:BOC)のホウ素濃度は約1,200ppmであり、濃度を緩やかに低下させて運転サイクル末期(End Of Cycle:EOC)にはほぼ0ppmとする。また、制御棒は、いわゆるクラスター型と呼ばれるもので、銀−インジウム−カドミウムの合金をステンレス鋼で被覆した15〜25本の棒を一体化させ、燃料集合体内に分散して装荷できる構成となっている。
一方、最近のBWRには、原子炉容器に高さ約4mの燃料集合体が約800体装荷される。1体の燃料集合体の断面は約14cm×14cmである。原子炉容器の運転圧力は約70kg/cmGで、冷却材である軽水は、炉心下部から流入する。冷却材は、核的には減速材としても作用する。冷却材温度は約285℃であり、炉心内で沸騰して液相と気相の2相流を形成する。気相はボイドとも呼ばれ、炉心下部のボイド割合はゼロであるが、上部では約70%に達する。この圧力および温度での軽水密度は、液相で約0.74g/cm、気相で約0.037g/cmである。
BWR運転中の反応度制御は、制御棒駆動および流量調整(通常時)の他、緊急停止時にはホウ酸水が注入される。また、開発の比較的初期の段階からガドリニア入り燃料棒が採用されており、燃料集合体設計の重要なパラメータの一つとなっている。制御棒は十字型構造材に中性子吸収材を装荷していることが特徴であり、4体の燃料集合体ごとにその中央に配置される(制御棒ピッチは燃料集合体ピッチの2倍となる)。
燃料設計の改良はPWR、BWRとも段階をおって進められている。核的な観点からは、一般的には未燃焼燃料が使われる臨界試験と、先行使用集合体(Lead Use Assembly:LUA)の照射後試験(Post Irradiation Examination:PIE)とが主要な検証材料である。いずれも改良された燃料集合体の模擬性が重要である。
吉岡 他、「修正転換比によるボイド係数の測定」、日本原子力学会2000年秋の大会、G41、2000年 吉岡、原子力eye、「革新的原子力システムの実現へ−成果が出始めた文科省の研究会− 第7回 ミクロ炉物理に基づく反応度係数の高精度測定手法と解析手法の開発」、日刊工業新聞社、Vol.54、No.2、p46、2008年 K. Shibata et al., "Japanese Evaluated Nuclear Data Library Version 3 Revision-3: JENDL-3.3", J. Nucl. Sci. Technol., 39, 1125、2002年 J. F. Briesmeiseter, Ed., "MCNP − A General Monte Crlo N-Particle Transport Code", LA-12625-M, Version 4B Manual, 1997年3月
軽水炉開発のための臨界試験は、一般的に、開放型タンクに燃料棒を格子状に配置し、燃料棒の間隙を軽水(減速材)で満たして行われる。試験条件として軽水温度は常温が基本であり、0〜30℃の範囲の場合、軽水密度は約1.00g/cmである。昇温試験も実現可能であるが、開放型タンクの場合、80℃まで昇温したとして軽水密度はせいぜい0.97g/cm程度である。燃料集合体の核特性には、幾何形状と並んで、ウランなどの重金属に対する水素の比(H/HM)も大きな影響を与える。臨界試験では、前者に対応して寸法を模擬し、後者に対応して体積比を模擬する。検証のためには双方の条件で実施することが望ましい。
非特許文献1には、常温の軽水よりも水素原子密度が小さい状態を、ポリスチレンを用いて模擬する方法が開示されている。非特許文献2には、ポリスチレンに炭化ホウ素を添加して低減速軽水炉の中性子スペクトルを模擬する方法が開示されている。
以上は軽水炉共通の課題であるが、運転中にケミカルシムが実施されるPWRでは、減速材にホウ素を注入した模擬試験が望まれる。これまでに、使用済燃料のプール貯蔵(冷温状態)に係る臨界安全性の検証を目的として、常温の減速材に数100ppmまでのホウ素を注入して行われた試験の実績がある。ただし、試験で臨界を達成するために、ホウ素の濃度には上限がある。
また、試験を実施する上での課題として、ホウ素注入水の取り扱いが挙げられる。すなわち、試験後のホウ素注入水の廃棄などの処理、また、燃料棒表面、タンク内部、配管など装置内のホウ素注入水の洗浄作用が試験設備の負荷となる。これらホウ素注入試験の実施上の課題は、試験装置の水処理系統の改良で解決可能であるが、操作性、コスト、大量の廃棄物などが試験設備維持の負荷となる。
一方、BWRの緊急停止時には、高温運転状態でホウ酸水が炉心に注入される。この場合のホウ素濃度は1,000ppm程度であるが、減速材密度とホウ素濃度を模擬した試験が望まれる。しかし、この条件は、PWR高温運転状態の模擬試験と類似のものであり、実施状況および課題とも同等の状況にある。
そこで、本発明は、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できるようにすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、運転状態の軽水炉中の燃料集合体中の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬する軽水炉高温運転状態模擬方法において、前記実験条件で固体であって水素密度が前記実験状態での軽水の水素密度よりも低い含水素固体減速材にホウ素を添加した材料で形成されて燃料棒挿入穴を持つ模擬減速体を前記実験条件下の軽水中に配置する工程と、前記燃料棒挿入穴に燃料棒を挿入して前記模擬対象の燃料集合体を模擬した模擬燃料集合体を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、運転状態の軽水炉中の燃料集合体中の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬する軽水炉高温運転状態模擬装置において、前記実験条件下で軽水を貯えたタンクと、前記実験条件で固体であって水素密度が前記実験状態での軽水の水素密度よりも低い含水素固体減速材にホウ素を添加した材料で形成されて模擬対象の燃料集合体のそれぞれの燃料棒の位置に対応する燃料棒挿入穴を持ち前記タンクの軽水中に配置された模擬減速体と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できるようにすることができる。
本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図3は、本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態に用いる開放タンク軽水減速型臨界実験装置の上面図である。図4は、本実施の形態に用いる開放タンク軽水減速型臨界実験装置の立断面図である。
本実施の形態では、開放タンク軽水減速型臨界実験装置10を用いる。この開放タンク軽水減速型臨界実験装置10は、炉心タンク11と、上部格子板12と、下部格子板13と、炉心架台14と、を有している。炉心タンク11は、たとえば上部が開放した円筒であって、内部に水を貯えられるようになっている。上部格子板12、下部格子板13および炉心架台14は、炉心タンク11の内部に設けられている。上部格子板12および下部格子板13は、核燃料物質が収められた燃料棒を所定の位置に配置するための穴を配列した燃料棒配置部が形成された板である。上部格子板12および下部格子板13は、鉛直方向に間隔を置いて配置され、炉心架台14でそれぞれ支持されている。
この開放タンク軽水減速型臨界実験装置10は、常温かつ常圧の実験室内の床16の上に設けられる。本実施の形態では、開放タンク軽水減速型臨界実験装置10を用いて、常温常圧の実験条件で、PWRに装荷される17×17燃料集合体中の運転状態での中性子スペクトルを模擬した臨界実験を行う。
図5は、本実施の形態における模擬対象の燃料集合体の横断面図である。
模擬対象燃料集合体20は、PWRに装荷される17×17燃料集合体である。この模擬対象燃料集合体20は、燃料棒21を17行17列の正方格子状に配列し、正方格子の一部には制御棒案内管22および炉内計装案内管24が設けられる。模擬対象燃料集合体20の中心から外周までの距離L1は、約10.7cmである。
燃料棒21、制御棒案内管22および炉内計装案内管24の周囲は、冷却材23に囲まれている。冷却材23の圧力および温度はPWRの通常運転時の状態を想定する。すなわち、冷却材23の圧力は、15.8MPa、温度は310℃とした。また、冷却材23中のホウ素濃度は、運転サイクルの中期を想定して、500ppmとする。また、制御棒は全て引き抜かれた状態を想定する。
図6は、本実施の形態における実験体系の燃料棒の配置を示す模式的上面図である。
図6において、縦横にそれぞれ延びる直線で区切られる部分は、上部格子板12および下部格子板13で等ピッチに形成される格子位置を示している。これらの格子位置のうち、空白部分には燃料棒31が、黒丸の位置にはタイロッド32が、×印の位置には水棒33が配置される。この実験体系の中央部のテスト領域には、複数の燃料棒31および水棒33によって模擬燃料集合体30が形成されている。
模擬燃料集合体30には、模擬対象燃料集合体20と同じく、264本の燃料棒31が含まれる。また模擬燃料集合体30には、模擬対象燃料集合体20の制御棒案内管22および炉心計装案内管25を模擬した25本の水棒33が含まれる。
模擬燃料集合体30の外側には、3列分の燃料棒31およびタイロッド32が配列されたバッファ領域34が形成されている。また、バッファ領域34の外側には、6列分のドライバー領域35が形成されている。
図7は、本実施の形態における実験体系の固体減速体近傍を拡大した側面図である。
本実施の形態の実験体系において、テスト領域およびバッファ領域34には、固体減速体40が配置されている。固体減速体40は、ポリスチレン板41を鉛直方向に積層したものである。ポリスチレン板41には、ホウ素が添加されている。
積層されたポリスチレン板41の上面には、上部押え板42が配置されている。積層されたポリスチレン板41の下面には、下部押え板43が配置されている。上部格子板12および下部格子板13は、たとえばアルミニウム製である。
ポリスチレン板41には、上部格子板12および下部格子板13で形成される格子位置に対応する位置にそれぞれ燃料棒挿入穴47が形成されている。同様に、上部押え板42および下部押え板43にも、上部格子板12および下部格子板13で形成される格子位置に対応する位置にそれぞれ燃料棒挿入穴48が形成されている。
図8は、本実施の形態における実験体系のタイロッド近傍を拡大した立断面図である。
タイロッド32は、上部44、下部45および中央部46に分割されている。タイロッド32の中央部は、上部押え板42および下部押え板43から上下方向のそれぞれに一部が突出している。本実施の形態では、タイロッド32の中央部46の内部には、燃料ペレット77が収納されている。上部押え板42および下部押え板43は、たとえばアルミニウム板、ステンレス鋼板などの金属板である。
タイロッド32の中央部46が上部押え板42および下部押え板43から突出した部分には、ねじ山が形成されていて、それぞれタイロッド32の上部44および下部45とねじ合わされている。このように、ポリスチレン板41は、上部押え板42および下部押え板43を介して、タイロッド32によって締め付けられて、固定されている。
図1は、本実施の形態における実験体系の一部を拡大して示す図2のI−I矢視上面図である。図2は、図1のII−II矢視縦断面図である。
この実験体系には、固体減速体40が配置されている。固体減速体40に形成された17行17列の燃料棒挿入穴47に燃料棒31を挿入して、模擬燃料集合体30が形成される。17行17列の燃料棒挿入穴47の一部には、制御棒案内管22および炉内計装案内管24を模擬して水棒33が挿入される。
模擬燃料集合体30の外側の燃料棒挿入穴47にも燃料棒31が挿入されて、バッファ領域34が形成されている。バッファ領域34は、燃料棒31の3列分の、幅が4cmないし6cmの領域である。
バッファ領域34の外側にも、燃料棒31が配列されて、ドライバー領域35を形成している。ドライバー領域35には固体減速材は存在していない。ドライバー領域35の燃料棒31の周囲には、軽水36が貯えられる。このような実験体系を開放タンク軽水減速型臨界実験装置10中に形成し、炉心タンク11の軽水36の水位を高めていくことによって、臨界状態を達成することができる。
このように本実施の形態では、ポリスチレンを固体減速材として用いている。プラスチック樹脂のうちポリエチレン(PE)やポリスチレン(PS)は化学組成が単純で、検証計算を実施する上で重要な原子個数密度の設定が容易である。ポリスチレンは、スチレン(分子式:C)の重合体であり、密度は約1.0g/cmである。水素原子密度は、常温の軽水(密度:約1.0g/cm)に対して、約0.7倍である。
PWR運転状態の軽水密度は、約0.69g/cmである。この軽水密度に対応する水素原子密度は、ポリスチレンの水素原子密度とほぼ等価である。このため、ポリスチレンを模擬減速材とすることで、PWR運転状態の減速材を良好に模擬できる。
なお、エチレン(分子式:C)を重合させたポリエチレンの密度は、0.9g/cmから1.0g/cmである。水素原子密度は、常温の軽水(密度:約1.0g/cm)に対して、約1.2倍である。このようなポリエチレンには、気泡を含有させるなどして水素原子密度を常温の軽水よりも小さくすることにより、臨界実験に用いることができる。
また、PWR運転中の反応度制御方法としてケミカルシムがある。ケミカルシムは軽水にホウ酸を注入する方法である。ホウ素は、運転サイクル初期の約1,200ppmの濃度から徐々に希釈されて、運転サイクル末期での濃度はほぼ0ppmとなる。本実施の形態では、ポリスチレン板41に添加するホウ素の濃度を変化させることにより、運転サイクル中のそれぞれのホウ素濃度を模擬することができる。
添加するホウ素化合物としては、実機と同じホウ酸を用いることができる。また、非水素化合物でホウ素含有量の多い炭化ホウ素(化学式:BC)は、安価、かつ、ポリスチレンの水素原子密度をほぼ保存できるため、炭化ホウ素をポリスチレン板41に添加してもよい。
炭化ホウ素を添加したポリスチレンは、染料などをポリスチレンに添加する方法である射出成型法で成型可能である。また、このような成型後の加工品の組成は、安定している。
ポリスチレン成型品を用いる場合、その均質性が重要である。そこで、たとえば厚さが0.5cmないし1.0cmの板を製作して、それらの均質性を確認することが好ましい。また、本実施の形態のように、ポリスチレン成型品として板状のものを用いることで、製作コストも低減できる。
なお、炭化ホウ素を添加したポリスチレンは、ホウ素濃度が高くなると硬化する性質がある。このため、射出成型後の高濃度ホウ素添加PSの加工性は悪い。しかし、PWRのケミカルシムを模擬する範囲では、射出成型後のPS製品の加工は可能である。
板状のポリスチレン成型品(ポリスチレン板41)を積み重ねて用いる場合、ポリスチレン板41の間隙に軽水が入り込む可能性がある。しかし、本実施の形態では、ポリスチレン板41の積層体の上下に上部押え板42および下部押え板43を配置し、かつ、積層体を上下から締め付けている。このため、ポリスチレン板41の間隙に軽水が入り込んで、模擬燃料集合体30中の水素原子密度が変化してしまうことを抑制している。
このように本実施の形態の軽水炉高温運転状態模擬方法を用いることにより、運転状態のPWRの炉水の水素原子密度を、PWRよりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。また、本実施の形態の軽水炉高温運転状態模擬方法では、運転状態の炉水中のホウ素濃度を模擬した固体減速材を用いていて、固体減速材以外にはホウ素が実質的に含まれていない。このため、PWRの運転サイクル初期におけるホウ素濃度である約1,200ppmを固体減速体40に含有させたとしても、ドライバー領域35にはホウ素が存在しないため、実験体系を容易に臨界状態にすることができる。つまり、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルを、その軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。
さらに、実験に用いる炉水中にホウ素を含有させないため、ホウ素を含有する大量の水を廃棄処分する必要がない。このため、実験における環境への負荷が小さく、また、実験に要するコストおよび労力が小さくてすむ。
また、模擬すべき冷却材の温度あるいは圧力が変化した場合には、ポリスチレンに気泡あるいは中性子非減速材を含有させて、固体減速材中の水素原子密度を調整してもよい。ここで、中性子非減速材とは、中性子の減速能が水素よりも小さい物質のことで、特に、アルミニウム、ジルコニウムが適している。アルミニウムの酸化物(アルミナ)あるいは、ジルコニウムの酸化物(ジルコニア)を固体減速材中に含有させてもよい。
[第2の実施の形態]
本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、PWRに装荷される17×17の模擬対象燃料集合体20(図5参照)のホウ素が添加された炉水中での中性子スペクトルを模擬した臨界実験を行う。燃料棒21のピッチは、1.26cmである。ウラン濃縮度は、4.8wt%である。UOペレットの外径は、約0.82cmである。被覆管外径は、0.95cmである。UOペレットの温度は、900Kとした。被覆管温度は、600Kとした。また、ホウ素は、冷却材中に500ppmの濃度で含有されるとした。
図9は、本実施の形態における実験体系の燃料棒の配置を示す模式的上面図である。
図9において、縦横にそれぞれ延びる直線で区切られる部分は、上部格子板12および下部格子板13で等ピッチに形成される格子位置を示している。格子位置のピッチは、1.52cmである。本実施の形態において、模擬燃料集合体50は、燃料棒51,52を13行13列に配列したものである。燃料棒51,52には、濃縮度が4.9wt%のウランのペレットが装填された燃料棒51と、濃縮度が3.9wt%のウランのペレットが装填された燃料棒52とがある。燃料棒51,52は、固体減速体40(図7参照)の燃料棒挿入穴47に挿入されている。また、17行17列の格子位置のうち、4箇所には、水棒55が配置されている。模擬燃料集合体50の中心から外周までの距離L2は、約9.9cmである。
模擬燃料集合体50の外側には、6列または7列の燃料棒53が配列されたドライバー領域54が形成されている。ドライバー領域54を形成する燃料棒53には、濃縮度が2.0wt%のウランのペレットが装填されている。また、ドライバー領域54には、固体減速体40は存在していない。つまり、ドライバー領域54は、軽水中に形成される。
このような実験体系において、集合体の中心から外周までの距離は9.9cmであり、模擬対象燃料集合体50の約10.7cmと同等である。また、模擬燃料集合体50の重金属対ウラン(H/U)比は約3.2である。一方、模擬対象燃料集合体20のH/U比は約3.3である。つまり、本実施の形態において、H/U比は、模擬対象燃料集合体とほぼ同じである。この実験体系で臨界実験を行ったところ、臨界水位は122cmであった。
このように、本実施の形態では、H/U比など燃料集合体の核特性を決める主要なパラメータを、模擬対象と同等としている。また、バッファ領域は設けていない。しかし、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルを、その軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。このことを、臨界実験に先立って計算解析で評価することが望ましい。
そこで、汎用核計算コードSRACで最新の核データライブラリJENDL−3.3(非特許文献3参照)を用いた計算に基づいて、燃料棒ごとの修正転換比と無限増倍率を評価した。修正転換比とは、238Uの捕獲反応率/全核分裂反応率である。無限増倍率とは、中性子生成率/中性子吸収率である。
図10は、本実施の形態における模擬対象燃料集合体の計算体系の1/4を示す上面図である。
冷却材は、15.8MPa、310℃、ホウ素濃度500ppmを想定した。制御棒案内管91部分は制御棒引き抜き状態を想定して、冷却材領域とした。また、炉内計装案内管92部分も、冷却材領域とした。可燃性中性子吸収材は、含まないものとした。Xeの効果は無視した。このような体系で、燃料集合体の中心から対角線方向の7本の燃料棒およびその燃料棒を含むセルの核特性を評価した。評価対象の燃料棒には、1から7の番号をふっている。模擬対象燃料集合体の中心から外周までの距離L1は、約10.7cmである。
図11は、本実施の形態における模擬燃料集合体の計算体系の1/4を示す上面図である。
計算では、ホウ素が添加されたポリスチレン領域中に配置された模擬燃料集合体50の周囲に、ドライバー領域として、ウラン濃縮度が2wt%の燃料棒を3列配置し、その外側には、ウラン濃縮度が2wt%の燃料棒に相当する均質モデルを配置している。ドライバー領域は、通常の軽水減速条件である。評価対象の燃料棒には、1から7の番号をふっている。模擬燃料集合体の中心から外周までの距離L2は、約9.9cmであり、模擬対象燃料集合体と同等である。
図12は、本実施の形態における模擬対象燃料集合体と模擬燃料集合体とでの無限増倍率および修正転換比を評価対象の7本の燃料棒で比較したグラフである。
図12に示すように、1から4の燃料棒は、無限増倍率と修正転換比とも模擬対象燃料集合体体系と模擬燃料集合体体系が同等の値となっている。一方、5,6,7の燃料棒は、模擬対象燃料集合体体系で核特性に変化がないものの、模擬燃料集合体系では漸近状態を形成していることがわかる。
また、実験測定から、臨界試験装置で照射した燃料棒のガンマ線エネルギースペクトル分析から、修正転換比を評価した。具体的には、ガンマ線スペクトルから238Uの捕獲反応由来のガンマ線と核分裂反応由来のガンマ線を弁別処理した。この結果、修正転換比は、図12に示した値と同等であった。
図13は、本実施の形態における模擬対象燃料集合体と模擬燃料集合体とでの中性子スペクトルを2本の燃料棒で比較したグラフである。
図13に示すように、模擬燃料集合体体系では、模擬対象燃料集合体体系の中性子スペクトルを比較的良好に再現できていることがわかる。
以上より、ホウ素添加ポリスチレン領域は、PWR燃料の核特性を良好に模擬していることが、計算解析および実験測定の両面から検証できた。
さらに、漸近領域の大きさが4cmないし6cmとなっていることも計算解析および実験測定の両面から確認できる。この漸近領域の大きさは、バッファ領域を設定する場合の目安となる。
図14は、本実施の形態における出力分布の実験値と計算値とを比較したものである。相対出力は、テスト領域全体で規格化した。周辺の漸近領域を除外した中央7×7領域で計算値を実験値に対して比較した。
出力分布は、PWR燃料設計で重要な検証項目となる。実験値は、本実施の形態の臨界試験で得られたものである。計算値は、連続エネルギー・モンテカルロコード(MCNP、非特許文献4参照)で最新の核データライブラリJENDL−3.3を用いて得られたものである。
テスト領域は、13×13配列である。テスト領域の左下の7行7列を4.9wt%燃料棒とし、残りを2wt%燃料棒とした。相対出力は2wt%燃料棒で0.8程度、4.9wt%燃料棒で1.2から1.5程度である。計算値は、実験値をよく再現しているといえる。
このように本実施の形態の軽水炉高温運転状態模擬方法によれば、PWRのケミカルシム状態を模擬した臨界試験が実施可能であることがわかる。
[第3の実施の形態]
図15は、本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第3の実施の形態における臨界実験体系の一部を拡大して示す図16のXV−XV矢視上面図である。図16は、図15のXVI−XVI矢視縦断面図である。図17は、本実施の形態に用いる減速材模擬棒の縦断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、PWRに装荷される17×17の模擬対象燃料集合体20(図5参照)のホウ素が添加された炉水中での中性子スペクトルを模擬した臨界実験を行う。
本実施の形態における固体減速体60には、17行17列に形成された燃料棒挿入穴47(図7参照)の他、主実験孔62および補助実験孔63が形成されている。模擬燃料集合体61は、燃料棒挿入穴47に挿入された燃料棒31および水棒33によって形成される。模擬燃料集合体61の外周から固体減速体60の外周までは、4〜6cm程度のバッファ領域64となっている。バッファ領域64には、燃料棒31は配置されない。
主実験孔62および補助実験孔63は、さまざまな測定にも対応できるように、それぞれ複数も受けられる。このような固体減速体60を用いる場合、不要な主実験孔62および補助実験孔63に軽水が入り込むと、十分なバッファ領域64を形成できない。そこで、本実施の形態では、測定に用いない主実験孔62あるいは補助実験孔63には、水素含有棒である模擬減速棒65を挿入する。
減速材模擬棒65は、燃料棒31の被覆管と同じアルミニウム管を二重管構造としたもので、二重管部分にはたとえばホウ酸などのホウ素化合物66を注入した水棒である。減速材模擬棒65の有効高さは、固体減速体60と同じとしている。二重管の上下は、ポリエチレン棒67を配置する。なおポリエチレン棒67の部分は、固体減速体60の上下の軽水領域を模擬するためのもので、本質的なものではない。ただし、下部のポリエチレン棒67は、二重管高さを設定するための機能も有している。
このように本実施の形態によれば、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルを、その軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。また、固体減速体を複数の測定に対応させるために複数の実験孔を形成している場合であっても、不要な実験孔の影響を小さくすることができる。あるいは、固体減速体に、複数の種類の模擬対象燃料集合体に対応できるように燃料棒挿入穴を設けていた場合であっても、不要な燃料棒挿入穴の影響を小さくすることができる。
[第4の実施の形態]
図18は、本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第4の実施の形態における燃料棒の配置を示す模式的上面図である。
本実施の形態では、BWR炉心でのホウ酸水注入による緊急停止条件を模擬した臨界実験を行う。図18において、縦横にそれぞれ延びる直線で区切られる部分は、上部格子板12(図4参照)および下部格子板13(図4参照)で形成される格子位置を示している。これらの格子位置のうち、空白部分には燃料棒76が、×印の位置には水棒73が配置される。
テスト領域71には、9×9燃料を模擬した4体の模擬燃料集合体が形成されている。模擬燃料集合体の中央部付近には、ウォーターロッドを模擬した水棒73が7本ずつ配置される。バッファ領域72としては、2列分の燃料棒を配置している。テスト領域71およびバッファ領域72には、燃料棒挿入穴が形成された固体減速体74が配置されている。固体減速体74の外側は、軽水中に燃料棒76が配置されたドライバー領域75である。
BWR運転状態にホウ酸水を注入して緊急停止する条件では、BWRの高温待機状態が初期状態となる。この場合、軽水密度は約0.74g/cmであり、ポリスチレンを固体減速材とすることで良好に模擬できる。ホウ素濃度は約1,000ppmであり、PWR運転状態の運転サイクル初期と類似の条件である。
このように本実施の形態の軽水炉高温運転状態模擬方法を用いることにより、ホウ酸水注入による緊急停止条件の炉水の水素原子密度を、BWRよりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。また、本実施の形態の軽水炉高温運転状態模擬方法では、運転状態の炉水中のホウ素濃度を模擬した固体減速材を用いていて、固体減速材以外にはホウ素が実質的に含まれていない。このため、ホウ酸水注入による緊急停止条件におけるホウ素濃度である約1,000ppmを固体減速体74に含有させたとしても、ドライバー領域75にはホウ素が存在しないため、実験体系を容易に臨界状態にすることができる。つまり、運転状態の軽水炉のホウ素が添加された炉水中での燃料集合体内の中性子スペクトルを、その軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬できる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施してもよい。
本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態における実験体系の一部を拡大して示す図2のI−I矢視上面図である。 図1のII−II矢視縦断面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態に用いる開放タンク軽水減速型臨界実験装置の上面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態に用いる開放タンク軽水減速型臨界実験装置の立断面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態における模擬対象の燃料集合体の横断面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態における実験体系での燃料棒の配置を示す模式的上面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態における実験体系の固体減速体近傍を拡大した側面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第1の実施の形態における実験体系のタイロッド近傍を拡大した立断面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における実験体系の一部を拡大して示す上面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における模擬対象燃料集合体の計算体系の1/4を示す上面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における模擬燃料集合体の計算体系の1/4を示す上面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における模擬対象燃料集合体と模擬燃料集合体とでの無限増倍率および修正転換比を評価対象の7本の燃料棒で比較したグラフである。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における模擬対象燃料集合体と模擬燃料集合体とでの中性子スペクトルを2本の燃料棒で比較したグラフである。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第2の実施の形態における出力分布の実験値と計算値とを比較したものである。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第3の実施の形態における臨界実験体系の一部を拡大して示す図16のXV−XV矢視上面図である。 図15のXVI−XVI矢視縦断面図である。 本実施の形態に用いる減速材模擬棒の縦断面図である。 本発明に係る軽水炉高温運転状態模擬方法の第4の実施の形態における燃料棒の配置を示す模式的上面図である。
符号の説明
10…開放タンク軽水減速型臨界実験装置、11…炉心タンク、12…上部格子板、13…下部格子板、14…炉心架台、20…模擬対象燃料集合体、21…燃料棒、22…制御棒案内管、23…冷却材、24…炉内計装案内管、30…模擬燃料集合体、31…燃料棒、32…タイロッド、33…水棒、34…バッファ領域、35…ドライバー領域、36…軽水、40…固体減速体、41…ポリスチレン板、42…上部押え板、43…下部押え板、44…上部、45…下部、46…中央部、47…燃料棒挿入穴、48…燃料棒挿入穴、50…模擬燃料集合体、51…燃料棒、52…燃料棒、53…燃料棒、54…ドライバー領域、55…水棒、60…固体減速体、61…模擬燃料集合体、62…主実験孔、63…補助実験孔、64…バッファ領域、65…減速材模擬棒、71…テスト領域、73…水棒、74…固体減速体、75…ドライバー領域、76…燃料棒、77…燃料ペレット

Claims (13)

  1. 運転状態の軽水炉中の燃料集合体中の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬する軽水炉高温運転状態模擬方法において、
    前記実験条件で固体であって水素密度が前記実験状態での軽水の水素密度よりも低い含水素固体減速材にホウ素を添加した材料で形成されて燃料棒挿入穴を持つ模擬減速体を前記実験条件下の軽水中に配置する工程と、
    前記燃料棒挿入穴に燃料棒を挿入して前記模擬対象の燃料集合体を模擬した模擬燃料集合体を形成する工程と、
    を有することを特徴とする軽水炉高温運転状態模擬方法。
  2. 前記含水素固体減速材は、ポリスチレンを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  3. 前記模擬減速材は、中性子の減速能が水素よりも小さい中性子非減速材および気泡のいずれかを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  4. 前記中性子非減速材は、アルミニウム、ジルコニウム、アルミナ、ジルコニアおよび炭素から選択される1以上の物質であることを特徴とする請求項3に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  5. 前記軽水炉は加圧水型原子炉であって、
    前記固体減速材のホウ素濃度は、前記軽水炉の運転サイクル初期での減速材中のホウ素濃度と実質的に同じであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  6. 前記軽水炉は沸騰水型原子炉であって、
    前記固体減速材のホウ素濃度は、前記軽水炉の事故時に原子炉にホウ素が注入されたときの減速材中のホウ素濃度と実質的に同じであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  7. 前記模擬減速体の周囲に複数の燃料棒を配置したドライバー領域を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  8. 前記模擬減速体の周囲に前記模擬燃料集合体の燃料棒ピッチよりも広い幅で軽水を排除したバッファ領域を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の軽水炉高温運転状態模擬方法。
  9. 前記模擬減速体は、複数の板を積層して形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の軽水炉高温状態模擬方法。
  10. 前記模擬減速体には前記燃料棒挿入穴の他に実験穴が形成されていて、水素含有棒を前記実験穴に挿入する工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の軽水炉高温状態模擬方法。
  11. 前記模擬減速体には前記燃料棒挿入穴の他に実験穴が形成されていて、中空管を前記実験穴に挿入する工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の軽水炉高温状態模擬方法。
  12. 前記模擬燃料集合体の燃料棒の修正転換比および共鳴中性子放射化率の熱中性子放射化率に対する比のいずれか一方の空間分布を計算値と比較する検証工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の軽水炉高温状態模擬方法。
  13. 運転状態の軽水炉中の燃料集合体中の中性子スペクトルをその軽水炉よりも低い温度かつ低い圧力の実験条件で模擬する軽水炉高温運転状態模擬装置において、
    前記実験条件下で軽水を貯えたタンクと、
    前記実験条件で固体であって水素密度が前記実験状態での軽水の水素密度よりも低い含水素固体減速材にホウ素を添加した材料で形成されて模擬対象の燃料集合体のそれぞれの燃料棒の位置に対応する燃料棒挿入穴を持ち前記タンクの軽水中に配置された模擬減速体と、
    を有することを特徴とする軽水炉高温運転状態模擬装置。
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