JP2010148548A - シワの予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】将来の顔面におけるシワの形成及び/又はシワのレベルを予測する方法の提供。
【解決手段】顔面の超音波Bモード画像を撮像し、得られた画像から計測領域を抽出し、その領域の輝度分布を調べ、所定の閾値を設定して画像を二値化する。次いで、所定の閾値以上の計測領域における占有率、すなわち面積比(%)を求める。このように、皮下組織の輝度を計測することによって将来の顔面におけるシワの形成及び/又はシワのレベルを予測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、美容的観点からシワを予測する方法に関し、詳細には被験者が年を重ねた時の顔面におけるシワの形態を、超音波Bモード画像を用いて予測する方法に関するものである。
皮膚は主に表皮、真皮、皮下組織の3層に分けられ、それらのうち真皮は皮膚の構造の維持に極めて重要であり、コラーゲン、エラスチンなどの線維により強固かつ柔軟に造られ、真皮結合組織を形成している。ヒト皮膚細胞、特にヒト皮膚線維芽細胞はこれら細胞外マトリックスと相互作用することにより結合組織の状態をコントロールしている。また、皮下組織は真皮層と表情筋層を結ぶ線維性の組織と脂肪から成り、皮膚とその下にある筋層との間のクッション的な役割を果たし、皮膚にハリを与える。
ところが、紫外線の照射、乾燥、加齢などにより細胞外マトリックスの構成成分であるコラーゲン、エラスチンなどが変性・破壊され、真皮の退化や皮下脂肪組織の構造変化が生じ、その結果、皮膚の弾力性が低下してシワやタルミなどの老化症状を呈するようになる。
顔面のシワは加齢に伴って増え、またそのレベルを表すシワの深さや幅、粗さ等の各パラメーター値も高くなることが知られている(非特許文献1−3)。しかし、一方では形成されるシワのレベルには個人差があり、年齢相応かそれ以上に強く形成される人と年齢の割に形成されない人がいる。
将来、強いシワが形成されるかどうか、また現状のシワが進行するかどうかを予測することができれば、スキンケアや生活環境の見直しの機会が得られ、また皮膚老化研究などに役立つと考えられる。これまでにシワの発生要因として、長期紫外線曝露、乾燥、喫煙、栄養不良等が数多く報告されており、このような生活習慣が長期にわたり続くことで将来レベルの強いシワが発生するという可能性は指摘されていた。しかし、皮下組織に着目して将来レベルの強いシワが発生するか否かを予測する方法は知られていなかった。
超音波診断装置は、医療現場などにおいて生体の組織構造や腫瘍などの描出に頻繁に用いられており、そのBモード機能では測定物の二次元の断層像(超音波Bモード画像)を取得することができる。従来、超音波Bモードにより皮膚内部の状態を非侵襲的に観察したものとして特許文献1があり、ここでは超音波Bモード画像から加齢や光による真皮の経時的変化や、この経時的変化を指標とした皮膚外用剤による皮膚状態の改善効果を鑑別することが報告されている。
しかしながら、超音波Bモード画像における皮下組織の状態観察はなされておらず、さらに現時点における皮下組織の輝度と将来形成され得るシワとの間にどのような関係があるかは全く知られていない。
特開平11−290312号公報 Skin Res Technol 1997; 3, 95-100 J Cosmet Sci 2000; 51, 127-139 Br J Dermatol. 2002; 147, 689-695
本発明は、将来の顔面におけるシワの形成及び/又はシワのレベルを予測する方法を提供することに関する。
本発明者らは、21歳〜75歳の男女の顔面の超音波Bモード画像を撮像し、皮下組織の輝度に着目した結果、加齢に伴って皮下組織の輝度が低くなり、年齢と皮下組織の輝度の程度(輝度レベル)との間に相関関係があることを見出した。また、加齢に伴ってシワのレベルも上昇し、当該シワのレベルと輝度レベルとの間にも相関関係があることを見出した。ところが、年齢別に見ると、60歳以上では皮下組織の輝度が低い人程強いシワが形成されており、この傾向は65歳以上の高齢者において顕著であるが、60歳未満ではシワのレベルと輝度レベルとの間に相関関係は見られず、特に50歳以下の若齢者ではシワの形成がなく且つ輝度の高いヒトと、シワの形成はないが輝度が低いヒトがそれぞれ存在することを見出した。さらに、65歳以上の高齢者においては、加齢と輝度レベル及び加齢とシワのレベルいずれの間にも相関関係は見られなかった。
これらの結果から、本発明者らは、長期紫外線曝露、乾燥、加齢などによる真皮の変化と共に皮下組織も変化して徐々にシワが形成されるようになるが、そのレベルは、若齢時における皮下組織の状態、すなわち皮下組織の輝度に左右されて、年を重ねた時に年齢相応かそれ以上に強く形成されるヒトと年齢の割に強く形成されないヒト、といった個人差が生まれるとの仮説を立てた。そして、現時点における顔面の超音波Bモード画像から皮下組織の輝度を計測することによって、将来のシワの形成やそのレベルを予測できるとの着想を得るに至った。
すなわち、本発明は、顔面の超音波Bモード画像を撮像し、得られた画像から皮下組織の輝度を計測することによって将来の顔面におけるシワの形成及び/又はシワのレベルを予測することを特徴とするシワの予測方法を提供するものである。
本発明によれば、無侵襲の手段により、被験者が年を重ねた時にシワが形成されるかどうかやそのレベルはどの程度か、また現状のシワが進行するかどうかといった美容上重要な皮膚性状を容易に予測することができる。
本発明において、超音波Bモード画像は超音波診断装置により取得することができる。画像を撮像するための超音波診断装置は、真皮、皮下組織、表情筋のそれぞれの領域の区別がつき、皮下組織の輝度が計測できる深さまで画像を取得できるものであれば特に制限されないが、例えば「アプリオ」(東芝メディカルシステムズ社製)、「UX−02」(リオン社製)などを用いることができる。
撮像は公知の方法に従って行うことができるが、例えば、超音波プローブを超音波診断用ゼリーやジェルを塗布した顔面にあてて超音波を照射し、その反射エコー信号から画像を取得する。
撮像時の周波数は、真皮、皮下組織、表情筋のそれぞれの領域の区別がつき、皮下組織の輝度が計測できる深さまで画像を取得できる範囲であれば特に制限されないが、1MHz〜100MHzが好ましく、特に真皮、皮下組織、表情筋の内部構造を鮮明に観察するには10MHz〜30MHzが好ましい。
撮像対象は、ヒトの顔面である。対象は60歳未満の男女が好ましく、特に50歳以下の男女が好ましく、さらに40歳以下の男女が好ましく、殊更20歳代〜30歳代の男女が好ましい。撮像部位は、例えば、顔面の額、頬、目、口等の周辺にできるシワが形成され易い部位や既にシワが形成された部位が挙げられる。なお、ここでいう「シワ」とは、長期紫外線曝露、乾燥、加齢などにより、皮膚に回復し難い深い溝が形成されたもの、すなわち「深いシワ」を意味するものであり、保湿剤などを用いて改善できるような「小じわ」とは異なるものである。
得られた超音波Bモード画像から皮下組織の輝度を計測する方法は、例えば目視により画像中の皮下組織を観察し、その状態を読み取り、さらにランク分けすることによって判別する方法や、画像の画像解析を行って皮下組織の輝度や分布を計測する方法等が挙げられる。なかでも、精度、再現性の点から超音波Bモード画像の画像解析により計測するのが好ましい。
画像解析は、公知の方法に従ってコンピュータ上で行われる。先ず、画像から計測領域を抽出し、その領域の輝度分布を調べ、所定の閾値を設定して画像を二値化する。次いで、所定の閾値以上の計測領域における占有率、すなわち面積比(%)を求める。ここで、計測領域は、真皮と筋層との間にある皮下組織であるが、シワのある皮膚については画像からシワの一番深い溝が確認できる部位を計測中心に、シワのない皮膚については超音波計測部位の中央を計測中心にしていずれも幅1mm〜50mmの範囲、特に幅2.5mm〜32.5mmの範囲とするのが好ましい。また、閾値の設定は0−255の範囲で任意に設定することができるが、本発明においては50〜150の範囲が望ましく、さらに80〜120の範囲が好ましく、特に閾値を105〜112に設定するのが最も好ましい。
画像解析には、例えばImage-Pro Plus(Media Cybernetics社製)などを用いることができる。
後記実施例に示すとおり、加齢に伴ってシワの粗さを代表する最大深さといったシワのレベルを表す各パラメーター値は高くなり、また21歳〜75歳の男女の顔面の超音波Bモード画像を撮像し、皮下組織の輝度を計測したところ、年齢と皮下組織の輝度の程度(輝度レベル)との間、及びシワのレベルと輝度レベルとの間には相関関係があった。このことから、加齢に伴ってシワの形成が多くなり、またその進行が進むのは皮下組織の輝度が低下することが一因と考えられる。一方、年齢別に見ると、60歳以上、特に65歳以上の高齢者においてはシワのレベルと輝度レベルとの間に高い相関関係があるが、60歳未満では加齢に伴って皮下組織の輝度が低くなる傾向があり、またシワのレベルも高くなるものの、シワのレベルと輝度レベルとの間に相関関係は見られず、特に50歳以下の若齢者ではシワの形成がなく且つ輝度の高いヒトと、シワの形成はないが輝度が低いヒトがそれぞれ存在した。さらに、65歳以上の高齢者においては、加齢と輝度レベル及び加齢とシワのレベルいずれの間にも相関関係は見られず、シワのレベルには皮下組織の輝度が依存していた。すなわち、若齢時においては皮下組織の輝度はシワの形成の有無やそのレベルに影響していないものの、年を重ねるにつれてその影響が大きくなり、加齢時のシワの形成度合いやそのレベルに影響を与え、個人差を生じさせるものと考えられる。
従って、皮下組織の輝度が低い場合は将来シワが形成され易く、またそのレベルも高くなり易く、さらに現状のシワは進行してそのレベルはより高くなると判定される。逆に、皮下組織の輝度が高い場合は、将来シワは形成され難く、形成されてもそのレベルは低く、また現状のシワは進行が進んでそのレベルが高くなる可能性は低いと判定される。
具体的には、上記画像解析により任意に設定した閾値以上の面積比が大きい場合、例えば閾値を108に設定した場合の閾値108以上の面積比が23%以上である場合は、将来シワは形成され難く、形成されてもそのレベルは低く、また現状のシワは進行が進んでそのレベルが高くなる可能性は低いと判定される。他方、任意に設定した閾値以上の面積比が小さい場合、例えば閾値を108に設定した場合の閾値108以上の面積比が23%未満である場合は、将来シワが形成され易く、またそのレベルも高くなり易く、さらに現状のシワは進行してそのレベルはより高くなると判定される。なお、判定ラインである「23%」などは、ほぼ誰が見てもシワがあると確認できるレベル、すなわちシワレベルを1から5までの5段階に分類した中のシワスコア4(Tsukahara K, Takema Y, Kazama H, Yorimoto Y, Fujimura T, Moriwaki S, Kitahara T, Kawai M, Imokawa G. A Photographic scale for the assessment of human facial wrinkles. J Cosmet Sci 2000; 51: 127-139.)に相当するシワの最大深さ(Rmax値)以上のシワを有する被験者の皮下組織の輝度の平均値によって設定される。
このように、現時点においての被験者の皮下組織状態を見ることにより、被験者が将来年を重ねた時のシワの形態を予測することができ、被験者はその結果に基づいてスキンケアや生活環境の見直し等の美容上適切な対処方法をとることができる。また、店頭での化粧品カウンセリング等で本発明を用いることにより、化粧方法や化粧料の選択など適切なアドバイスが可能となる。さらに、皮膚老化研究へ応用できる。
実施例1
(1)方法
[対象]
健康な21歳から75歳までの男女173名(男性86名、女性87名)を被験者とした。被験者は、以下のようにグループ分けした。
21−28歳群:男性20名、女性22名、合計42名
35−41歳群:男性22名、女性22名、合計44名
47−59歳群:男性22名、女性22名、合計44名
65−75歳群:男性22名、女性21名、合計43名
[シワの目視による評価]
被験者のシワレベルを目視にて確認するために、Tsukaharaらの方法(Tsukahara K, Takema Y, Kazama H, Yorimoto Y, Fujimura T, Moriwaki S, Kitahara T, Kawai M, Imokawa G. A Photographic scale for the assessment of human facial wrinkles. J Cosmet Sci 2000; 51: 127-139. )に準拠し次の5段階でスコア評価を行った。1:シワがない、2:わずかにシワがある、3:ややシワがある、4:はっきりとシワがある、5:はっきりと強いシワがある
[表面形状レプリカ採取及び三次元解析]
シワレベルを確認するためにレプリカを採取した。レプリカ採取には歯科用印象剤(GC Exafine, GC Co. Ltd. Tokyo)を用い、被験者を仰臥位にし、軽く眼を閉じた状態にして額の右半側から採取を行った。レプリカの三次元解析には三次元形状解析装置(PRIMOS、GF Messetechnik GmbH Berlin)を使用し、眉頭から生え際までのラインの中間の範囲についてFujimuraらの方法(Fujimura T, Haketa K, Hotta M, Kitahara T. Global and systematic demonstration for the practical usage of a direct in vivo measurement system to evaluate wrinkles. Int J Cosmet Sci. 2007;29:423-436.)に準拠して、シワの粗さを代表するシワの最大深さ(Rmax値;μm)について線解析を行い算出した。
[超音波Bモード測定方法]
測定機器として超音波診断装置(東芝AplioTM XV、東芝メディカルシステムズ社製)、12MHzのプローブ(PLT-1204AX)を用いた。設定条件として、gainについては82に調整し、フォーカスは皮膚表面から1cmまでの深さに4箇所合わせた。レプリカ採取部位と同じ部位、すなわち眉頭から生え際までのラインの中間の範囲についてシワの形成される方向に対して垂直方向で測定した。
(2)超音波画像からの皮下組織の輝度の計測
額の超音波Bモード画像について表皮、真皮、皮下組織、表情筋の区分を図1Aに示した。
超音波Bモード画像からImage-Pro Plus ver.5(Media Cybernetics 社製, USA)を用いて画像解析を行い、皮下組織の輝度を計測した。画像からシワのある皮膚についてはシワの最深点を計測中心に、シワのない皮膚については採取中央を計測中心として、いずれも幅12.5mmの範囲で皮下組織の領域(真皮と皮下組織の境界と思われる輝度の不連続面から表情筋層と思われる層までの間)を計測領域とした。この皮下組織の領域の輝度分布について、その閾値を108とした時の計測領域における占有率、すなわち面積比(%)を求めた。被験者1名あたり3枚の画像を抽出して解析を行い、平均値を求めて輝度とした。
図1Bに画像解析による閾値108以上の部分を赤色に変換させそのオリジナル画像に重ね合わせた画像としてその皮下組織の輝度の解析例を示す。
なお、以後の分布相関は、線形近似、対数近似、累乗近似、指数近似の中から一番相関係数の高い近似式を選択した。
(3)結果
21−75歳までの額のシワについて5段階で評価した目視スコアと表面形状レプリカの画像解析値でシワの最大深さを示すRmax値との関係を図2に示す。はっきりとしたシワ、すなわち誰が見てもわかるレベルであるスコア4のときのRmaxの閾値は136μmであった。このRmax値136μm以上である被験者の輝度の平均値は約23%であったことから、閾値108以上の面積比「23%」を判定ラインとした。
1−〔1〕:全ての被験者(21-75歳、173名)を対象に年齢と額の皮下組織の輝度との関係を検討すると負の相関があり(r=-0.512, p<0.0001)、加齢に伴い輝度が低下することが明らかになった(図3A)。また全被験者について年齢と表面形状レプリカのRmax値との関係を検討すると、正の相関があり(r=0.607, p<0.0001)、加齢に伴いRmax値が高くなることが示された(図3B)。
一方、全被験者について額における皮下組織の輝度と表面形状レプリカのRmax値との関係を検討すると、負の相関があり(r=-0.565, p<0.0001)、輝度が低いと表面形状レプリカのRmax値が高いことが示された(図3C)。しかし、相関係数を比較すると、輝度と表面形状レプリカのRmax値との関係よりも、年齢と表面形状レプリカのRmax値との相関性の方が強いことが示された。
1−〔2〕:21-28歳群を対象にシワレベルと皮下組織の輝度レベルとの関係を検討すると、輝度、表面形状レプリカのRmax値のいずれも年齢との間に相関関係は認められなかった(図4A及び4B)。さらに、輝度と表面形状レプリカのRmax値の間にも相関関係は認められなかった(図4C)。
1−〔3〕:35-41歳群を対象にシワレベルと皮下組織の輝度レベルとの関係を検討すると、輝度、表面形状レプリカのRmax値のいずれも年齢との間に相関関係は認められなかった(図5A及び5B)。さらに、輝度と表面形状レプリカのRmax値の間にも相関関係は認められなかった(図5C)。
1−〔4〕:47-59歳群を対象にシワレベルと皮下組織の輝度レベルとの関係を検討すると、輝度、表面形状レプリカのRmax値のいずれも年齢との間に相関関係は認められなかった(図6A及び6B)。さらに、輝度と表面形状レプリカのRmax値の間にも相関関係は認められなかった(図6C)。
1−〔5〕:65-75歳群を対象にシワレベルと皮下組織の輝度レベルとの関係を検討すると、輝度、表面形状レプリカのRmax値のいずれも年齢との間に相関関係は認められなかった(図7A及び7B)。
一方、65-75歳群を対象に額における輝度と表面形状レプリカのRmax値との関係を検討すると負の相関があり(r=-0.613, p<0.001)、輝度が低いと表面形状レプリカのRmax値が高いことが示された(図7C)。
1−〔6〕:21-59歳群を対象にシワレベルと皮下組織の輝度レベルとの関係を検討すると、加齢に伴い輝度が低下する傾向は見られたが、輝度と年齢との間に相関関係は認められなかった(図8A)。一方、表面形状レプリカのRmax値と年齢との間には正の相関(r=0.501, p<0.001)が認められた(図8B)。しかし、輝度と表面形状レプリカのRmax値の間には相関関係は認められなかった(図8C)。
1−〔7〕:上記のとおり、シワレベルと皮下組織中の輝度レベルとの関係は高齢者で強く示されたが(1−〔5〕)、若齢者ではこの関係性は低く(1−〔6〕)、図9に示すように、額に強いシワが形成されていなくても輝度レベルが低い皮膚が見られた。図9において、26歳男性の額の皮下組織における閾値108以上の輝度の面積比は8.28%であり、26歳女性の額の皮下組織における閾値108以上の面積比は18.63%であった。
なお、前述したように、両者共に画像解析による閾値108以上の面積比が23%未満であるので、この被験者は、将来シワが形成されやすく、またそのレベルも高くなりやすく、さらに現状のシワは進行してそのレベルはより高くなると判定される。
これらの結果から、若齢時には皮下組織の輝度レベルがシワの形態に直接影響していないが、加齢等でその他のシワ形成要因(皮膚弾力性の低下など)との条件が重なることで、皮下組織中の輝度レベルの状態がシワの強弱に影響を及ぼすようになる可能性があると考えられる。
よって、超音波Bモード画像から皮下組織の輝度を計測することによって将来のシワの形態を予測できる。
(A)超音波Bモード画像における表皮、真皮、皮下組織、表情筋の区分を示す図である。(B)画像解析による皮下組織の輝度の解析例を示す図である。閾値108以上のものが赤で抽出され、緑の枠で囲まれた皮下組織領域の中の輝度占有率を計測した。 21歳から75歳までの額のシワについて、5段階で評価した目視スコアとレプリカの画像解析値で最大深さを示すRmax値との関係を示す図である。 全被験者を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 21−28歳群を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 35−41歳群を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 47−59歳群を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 65−75歳群を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 21−59歳群を対象とした(A)年齢と輝度レベルとの関係、(B)年齢とシワの最大深さRmax値との関係、(C)輝度レベルとシワのレベル(シワの最大深さRmax値)との関係を示す図である。 26歳の男女それぞれの超音波Bモード画像と、シワ最大深さRmax値及び輝度を示す図である。

Claims (4)

  1. 顔面の超音波Bモード画像を撮像し、得られた画像から皮下組織の輝度を計測することによって将来の顔面におけるシワの形成及び/又はシワのレベルを予測することを特徴とするシワの予測方法。
  2. 皮下組織の輝度を超音波Bモード画像の画像解析により計測する請求項1記載のシワの予測方法。
  3. 顔面が20歳代又は30歳代の男女の顔面である請求項1又は2記載のシワの予測方法。
  4. 超音波Bモードの周波数が1MHz〜100MHzである請求項1〜3のいずれか1項記載のシワの予測方法。
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