JP2010145021A - 地中熱交換器 - Google Patents

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Katsuhiro Kawabata
克宏 川端
Keisuke Tanimoto
啓介 谷本
Hideaki Asai
英明 浅井
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Abstract

【課題】管部材の内方を流れる被熱交換流体が土壌と熱交換するように構成された地中熱交換器において、上記管部材の外周面上で水分が凍結した後、該外周面と土壌との間に隙間が発生するのを防止するような構成を得る。
【解決手段】管部材(11)の外表面上に、土壌内の粒子を保持するような親水性の粒子保持層(21)を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被熱交換流体と地中の土壌との間で熱交換を行う地中熱交換器に関するものである。
従来より、被熱交換流体と地中の土壌との間で熱交換を行う地中熱交換器が知られている。このような地中熱交換器としては、内部を流れる被熱交換流体と土壌との間で直接、熱交換を行う構成や、相変化する熱媒体を介して被熱交換流体と土壌との間で熱交換を行う構成などが知られている。
前者の地中熱交換器は、内部を被熱交換流体が流れる管部材が地中に埋設されたものであり、該被熱交換流体に直接、地熱が伝熱して蒸発するように構成されている。これにより、上記地熱から回収した熱を被熱交換流体の流れる回路で暖房の熱源として利用することができる。
後者の地中熱交換器の例としては、例えば特許文献1に開示されるように、熱媒体が収容された管部材(パイプ)が地中に埋設されているとともに、該地熱によって蒸発する管部材内の熱媒体と熱交換するように被熱交換流体の流れる熱交換器が設けられている。これにより、地中に埋設された上記管部材内で蒸発した熱媒体の熱は、上記熱交換器によって被熱交換流体に伝わり、該被熱交換流体の流れる回路で暖房の熱源として利用することができる。
国際公開第WO2004/111559号パンフレット
ところで、上述のように、地熱を暖房の熱源として用いる場合、地中の土壌は熱を奪われるため、運転条件によっては、地中に埋設される管部材の外表面の温度が急激に低下して、管部材の外表面が凍結する場合もある。
そうすると、地中の土壌は水分を含んでいるため、該水分が上記管部材の周囲の土壌を押し退けながら、蒸気圧の低い上記管部材の外表面に集まって凍結する可能性がある。このように管部材の外表面に水分が集まって凍結した後、運転条件の変化等によって管部材の外表面の温度が上昇すると、凍結していた水分が溶け出して、周りの土壌中に浸透するため、上記管部材の外表面上には、凍結した水分によって形成された空間が残ることになる。このような空間が上記管部材の外表面上に形成されると、該管部材と土壌との間の熱抵抗が大きくなり、熱交換性能を低下させることになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、管部材の内方を流れる被熱交換流体が土壌と熱交換するように構成された地中熱交換器において、上記管部材の外周面上で水分が凍結しにくく、且つ、水分が凍結した場合でも該外周面と土壌との間に隙間が発生するのを防止するような構成を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る地中熱交換器(10)では、被熱交換流体が流れる伝熱管(12)が収容されていて且つ相変化が可能な熱媒体が封止された管部材(11)の外表面上に、土壌内の粒子を保持するための親水性の粒子保持層(21)を設け、上記管部材(11)の外表面上で水分が土壌を押し退けた状態で凍結しないようにした。
具体的には、第1の発明では、地中に埋設されて被熱交換流体が内方を流れる管部材(11)を備え、該被熱交換流体が土壌と熱交換して暖房の熱源を得るように構成された地中熱交換器を対象とする。そして、上記管部材(11)の外表面上には、上記土壌内の粒子を保持するような親水性の粒子保持層(21)が形成されているものとする。
以上の構成により、管部材(11)の内方を流れる被熱交換流体と該管部材(11)の外方の土壌とが熱交換を行う地中熱交換器(10)において、該管部材(11)の外表面上の土壌が水分によって押し退けられて該外表面上に集まった水分のみが凍結するのを防止することができる。すなわち、上記管部材(11)の外表面上に、土壌内の粒子を保持するような親水性の粒子保持層(21)を設けることで、該管部材(11)の外表面の温度が低下して土壌中の水分が該管部材(11)の外表面上に集まった場合でも、上記粒子保持層(21)によって土壌内の粒子を保持できるため、水分によって押し退けられることなく、上記管部材(11)の周囲に土壌を保持することができる。しかも、上記粒子保持層(21)は、親水性なので、上記管部材(11)の外表面上に集まってきた水分を取り込むことができ、これにより、水分によって土壌が押し退けられるのを防止できるとともに、上記親水性の粒子保持層(21)と水との相互作用によって水の凍結温度を低下させて水分を凍結しにくくすることができる。
したがって、上述の構成により、上記管部材(11)の外周面上で水分を凍結しにくくすることができるとともに、水分の凍結に起因して該管部材(11)の外周面と土壌との間に隙間が発生するのを防止することができ、地中熱交換器の熱交換性能の低下を防止することができる。
また、上述の構成によって、上記管部材(11)の外表面上を親水性の粒子保持層(21)及び水によって隙間無く覆われるため、該管部材(11)の周囲で空気により熱抵抗が増大するのを防止できる。しかも、上述のように、上記管部材(11)の外表面上を粒子保持層(21)で覆うことにより、該管部材(11)の外表面が空気と接触しにくくなるため、管部材(11)を金属によって形成した場合に該管部材(11)の腐食も抑制することができる。
上述の構成において、上記粒子保持層(21)は、親水性のゲル状部材からなるものとする(第2の発明)。このように、上記粒子保持層(21)を親水性のゲル層とすることで、上記第1の発明の作用を確実に得ることができる。すなわち、親水性のゲル層であれば、土壌中の粒子を容易に保持できるとともに、管部材(11)の外表面上に集まってきた水分も容易に取り込むことができるため、該管部材(11)の外表面上に水分のみの層ができて凍結するのを確実に防止できる。
また、上記粒子保持層(21)は、その周囲の土壌の平均粒子径以上の厚みを有するのが好ましい(第3の発明)。これにより、粒子保持層(21)で周囲の土壌内の粒子をより確実に保持することができるため、管部材(11)の外表面上で水分によって土壌内の粒子が押し退けられて該水分のみの層が形成されるのをより確実に防止することができる。
また、上記粒子保持層(21)がゲル部材からなる場合、該粒子保持層(21)は、凝固する温度が零度よりも低くなるものとする(第4の発明)。これにより、ゲル状の粒子保持層(21)は、水に比べて凍結しにくくなるため、管部材(11)の外周面上で粒子保持層(21)に取り込まれた水分が凍結するのを極力、防止することができる。これにより、上記管部材(11)の外周面上で水分が凍結しにくくなるため、該管部材(11)の外表面と土壌との間に隙間が発生するのをさらに確実に防止することができる。
特に、上記粒子保持層(21)は、水ガラスからなるのが好ましい(第5の発明)。このように、ゲル状の粒子保持層(21)として耐久性の高い水ガラスを用いることで、上記第1の発明の作用効果を長期間持続することができる。
さらに、上記管部材(11)には、内部を上記被熱交換流体が流れる伝熱管(12)が挿通しているとともに、該内部に熱媒体が封入されていて、上記熱媒体の相変化を利用して上記伝熱管(12)内を流れる被熱交換流体が土壌と熱交換するように構成されているのが好ましい(第6の発明)。
これにより、管部材(11)の内部で、伝熱管(12)内を流れる被熱交換流体と該管部材(11)の外方の土壌とが熱媒体の相変化によって熱交換を行う地中熱交換器(10)においても、上記第1から第5の発明の構成を適用することで、該管部材(11)の外表面上に水分が集まって凍結するのを防止することができる。したがって、上述のような構成を有する地中熱交換器(10)において、上記管部材(11)とその周囲の土壌との間に隙間が発生して伝熱性能が低下するのを防止することができる。
以上より、第1の発明に係る地中熱交換器(10)において、内方を被熱交換流体が流れる管部材(11)の外表面上に、土壌中の粒子を保持可能な親水性の粒子保持層(21)を設けたため、該管部材(11)の外表面上で水分が凍結しにくくすることができるとともに、土壌中の粒子を押し退けて水分が集まり凍結するのを防止することができ、該管部材(11)の外表面と土壌との間に隙間が発生するのを防止できる。したがって、管部材(11)の外表面上で伝熱性能が低下するのを防止することができる。また、上記管部材(11)の周囲の空気分の熱抵抗を低減できるとともに、該管部材(11)の外表面が腐食するのも抑制することができる。
また、第2の発明によれば、上記粒子保持層(21)は、親水性のゲル部材からなるため、上記第1の発明の効果を確実に得ることができる。
また、第3の発明によれば、上記粒子保持層(21)は、周囲の土壌の平均粒子径以上の厚みを有するため、該土壌中の粒子をより確実に保持することができ、管部材(11)の外表面と土壌との間に隙間が形成されるのをより確実に防止できる。
また、第4の発明によれば、ゲル状の上記粒子保持層(21)は、凝固する温度が零度よりも低いため、水に比べて凍結しにくく、管部材(11)の外表面と土壌との間の隙間の形成をさらに確実に防止できる。
また、第5の発明によれば、ゲル状の上記粒子保持層(21)は、水ガラスからなるため、該粒子保持層(21)の耐久性の向上を図れる。
さらに、第6の発明によれば、上記管部材(11)の内部に、被熱交換流体が流れる伝熱管(12)が収容され且つ熱媒体が封止されており、該熱媒体の相変化を利用して被熱交換流体と土壌との間で熱交換が行われる地中熱交換器においても、上記第1から第5の発明の構成にすることで、管部材(11)の外表面と土壌との間に隙間が形成されるのを防止することができ、伝熱性能の低下を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本発明の実施形態に係る地中熱交換器は、例えば、暖房運転が可能なヒートポンプ式の空調システムに用いられ、暖房運転時に蒸発器として機能して地中の土壌から熱を回収するように構成されている。
図1は、本発明の実施形態に係る地中熱交換器(10)を含んだ空調システム(1)の概略構成図である。この空調システム(1)は、冷媒回路(2)を備えている。この冷媒回路(2)は、圧縮機(3)、室内熱交換器(4)、膨張弁(5)、及び地中に埋設される地中熱交換器(10)が冷媒配管によって順に接続されてなる。また、上記冷媒回路(2)には、冷媒(被熱交換流体)が封入されており、該冷媒が冷媒回路(2)内を循環することにより、上記室内熱交換器(4)が凝縮器になるとともに、上記地中熱交換器(10)が蒸発器になって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
上記圧縮機(3)は、例えばスクロール圧縮機からなり、冷媒を吸入ポートから吸入して圧縮し、圧縮した冷媒を吐出ポートから吐出するように構成されている。上記冷媒回路(2)において、上記圧縮機(3)の吐出ポートが上記室内熱交換器(4)に接続され、該圧縮機(3)の吸入ポートが上記地中熱交換器(10)に接続されている。
上記室内熱交換器(4)は、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であり、冷媒を室内空気と熱交換させるための空気熱交換器である。この空調システム(1)において、上記室内熱交換器(4)は、空気調和を行う室内に配置された室内機に組み込まれている。また、上記冷媒回路(2)において、上記室内熱交換器(4)の一端は、膨張弁(5)に接続され、他の一端は、上述のとおり圧縮機(3)の吐出ポートに接続されている。さらに、上記室内熱交換器(4)の近傍には、該室内熱交換器(4)と熱交換した空気を室内へ流すための室内ファン(6)が設けられている。これにより、上記室内熱交換器(4)では、圧縮機(3)から該室内熱交換器(4)内へ流入した高圧冷媒の熱を室内空気に対して効率良く放熱することができる。
上記膨張弁(5)は、開度可変の電子膨張弁によって構成されている。この膨張弁(5)の開度を変更することで、上記室内熱交換器(4)から流入した冷媒を膨張させて、所定の圧力まで減圧させることができる。
上記地中熱交換器(10)は、縦方向(鉛直方向)に延びるように地中に埋設されて、内部を流れる冷媒と土壌とが熱交換を行うように構成されている。具体的には、上記地中熱交換器(10)は、図2にも示すように、有底筒状の外管(11)(管部材)と、該外管(11)内に収容される伝熱管(12)とを備えている。
上記外管(11)は、金属製の筒状部材の両端が金属製の板部材によって閉塞されたものであり、その内部に空間(S)が形成されている。また、上記外管(11)は、空間(S)内に熱媒体としての所定量の二酸化炭素(CO)を封入できるような密閉構造を有している。さらに、上記外管(11)の空間(S)内には、内部を冷媒が流れる上記伝熱管(12)が収容されている。この伝熱管(12)は、上記外管(11)の一方の端面(地表側の端面)を構成する板部材を貫通して上記冷媒回路(2)に接続されている。ここで、上記外管(11)は、地中に筒軸方向が略鉛直方向になるように縦向きに埋設される。なお、地中に略鉛直方向に外管(11)を埋設するのが理想であるが、ある程度の傾斜は許容される。
上記伝熱管(12)は、上記冷媒回路(2)の流路の一部を構成するように内部を冷媒が流れる管状の部材からなる。この実施形態では、上記伝熱管(12)は、概略U字状に形成されていて、両端部が上記外管(11)の一方の端面を構成する板部材を貫通して外部へ突出するように上記外管(11)内に収容されている。具体的には、上記伝熱管(12)は、上記膨張弁(5)に繋がる導入部(12a)と、略U字状の本体部(12b)と、上記圧縮機(3)の吸入ポートに繋がる導出部(12c)とを備えている。これらの導入部(12a)及び導出部(12c)は、上記外管(11)の一方の端面(地表側の端面)を構成する板部材を貫通するように設けられている一方、上記本体部(12b)は、上記外管(11)の内面に沿うように配設されている。
以上の構成により、上記冷媒回路(2)内の冷媒は、上記伝熱管(12)の導入部(12a)を介して外管(11)内の本体部(12b)を流れ、導出部(12c)を介して外管(11)の外へ流出する。そして、詳しくは後述するように、上記伝熱管(12)内を流れる冷媒と上記外管(11)内に封入された二酸化炭素との間、及び、該二酸化炭素と上記外管(11)の周囲の土壌との間で、それぞれ熱交換して、該土壌内の熱によって上記伝熱管(12)内の冷媒を蒸発させることができる。
ところで、上述のような構成の地中熱交換器(10)において、上記外管(11)内の二酸化炭素が、該外管(11)外の土壌から熱を回収する場合、運転条件(高い暖房能力が要求される場合など)によっては、該外管(11)の外表面の温度が低下し、該外表面上で土壌中の水分が凍結する可能性がある。このような温度まで外管(11)の外表面の温度が低下すると、該外管(11)の周囲の土壌中の水分が該外管(11)の外表面に集まり、該外表面近傍の土壌の粒子を押し退けて、水膜を形成するとともに、その状態で水分が凍結してしまう。そうすると、運転状況の変化等により、上記外管(11)の外表面で凍っていた水分が溶けると、水分が土壌側へ移動して、該外管(11)と土壌との間に隙間を形成することになる。このような隙間が形成されると、上記外管(11)と土壌との間の熱抵抗が大きくなり、両者間で十分な熱交換が行われず、伝熱性能が大きく低下してしまう。
これに対し、本発明では、図2及び図3に示すように、上記外管(11)の外表面上に親水性のゲル層(21)(粒子保持層)を形成して、該ゲル層(21)によって外管(11)の周囲の土壌の粒子を保持するとともに、該外管(11)の外表面に集まってくる水分を該ゲル層(21)によって吸収して、該外管(11)の外表面上に水分のみの層が形成されないようにする。これにより、上記外管(11)の外表面上で水分のみが凍るのを防止でき、該水分が溶けたときに外管(11)の外表面と土壌との間に隙間が形成されるのを防止することができる。したがって、上記外管(11)と土壌との間で伝熱性能が低下するのを防止することができる。なお、上記図2及び図3において、白抜き矢印は、地中の熱及び水分の移動を示している。
上記ゲル層(21)は、例えば、水ガラスや、シリカゲル、吸水性ポリマーなどのゲル状部材が好ましく(特に、耐久性の観点からは耐久性の高い水ガラスが好ましい)、土壌中の粒子をゲル層(21)でより確実に保持できるように、該ゲル層(21)の厚みは、外管(11)の周囲の土壌における粒子の平均粒子径(土壌中の所定の範囲内に存在する粒子の平均直径)以上であるのが好ましい。また、上記ゲル層(21)は、凍結する温度(凝固温度)が零度よりも低くなっていて、水よりも凍りにくくなっている。
また、上記ゲル層(21)は、上記外管(11)上に塗布することにより形成してもよいし、上記外管(11)を地中に埋設する際に該外管(11)の周囲(外管(11)と土壌の穴との間)にゲル状部材を流し込んで形成してもよい。
−運転動作−
次に、空調システム(1)における暖房運転の動作について説明する。
暖房運転が開始されて、圧縮機(3)が運転状態になると、圧縮された高圧の冷媒(ガス冷媒)が圧縮機(3)の吐出ポートから吐出される。該圧縮機(3)から吐出された高圧冷媒は、室内熱交換器(4)内を流れて、室内空気へ放熱し凝縮する。この凝縮熱によって室内空気は暖められ、室内の暖房が行われる。上記室内熱交換器(4)で凝縮して流出した冷媒は、膨張弁(5)で減圧され、地中熱交換器(10)へ導入される。なお、上記膨張弁(5)では、地中の土壌の温度よりも飽和温度が低くなるように、冷媒を減圧する。
上記地中熱交換器(10)へ流入した低圧冷媒は、外管(11)内の二酸化炭素を介して地中の熱を吸収し、蒸発する。蒸発した冷媒は地中熱交換器(10)を流出して、上記圧縮機(3)に再度吸入され、所定圧力まで圧縮されて吐出される。
このように、冷媒回路(2)内を冷媒が循環して、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことで、室内の暖房が行われる。
次に、蒸気地中熱交換器(10)内での冷媒及び二酸化炭素の状態変化について説明する。
上述のように、地中の土壌の温度よりも飽和温度が低い低圧の冷媒が、地中熱交換器(10)内の伝熱管(12)の本体部(12b)内に流入すると、該地中熱交換器(10)の外管(11)内に封入され且つ上記冷媒よりも飽和温度の高い二酸化炭素が、凝縮する。この二酸化炭素の凝縮熱によって、上記伝熱管(12)内の冷媒が蒸発し、上記地中熱交換器(10)から流出した後、上記圧縮機(3)に吸入される。
一方、上記地中熱交換器(10)の外管(11)内では、凝縮した二酸化炭素が該外管(11)の内周面に付着して、該外管(11)の周囲の土壌の熱によって蒸発する。このときに、外管(11)の周囲の土壌は該外管(11)を介して熱を奪われるため、該外管(11)の外表面の温度は低下する。
しかしながら、上記外管(11)の外表面には、親水性のゲル層(21)が形成されているため、該外管(11)の外表面の温度低下によって水分が集まっても上記ゲル層(21)で吸収することができ、周囲の土壌中の粒子が水分によって押し退けられるのを防止することができる。また、上記ゲル層(21)によって、上記外管(11)の外表面が凍結しにくくなる。
−実施形態の効果−
以上より、この実施形態によれば、内部を冷媒が流れる伝熱管(12)が収納され、且つ、二酸化炭素が封入された外管(11)の外表面上に、親水性のゲル層(21)を設けたため、暖房運転時に上記伝熱管(12)内の冷媒が蒸発する際に、上記外管(11)の外表面の温度が低下しても、該外管(11)の外表面に集まる土壌中の水分を上記ゲル層(21)によって吸収することができ、該外管(11)の外表面上に水分の層が形成されるのを防止できる。したがって、上記外管(11)の外表面上で水分のみが凍結して溶けたときに該外管(11)と土壌との間に隙間が形成されるのを防止することができ、該外管(11)の外表面での伝熱性能の低下を防止することができる。
しかも、上記ゲル層(21)を設けることで、その粘度によって、周囲の土壌中の粒子を保持することができ、上記外管(11)の外表面から土壌中の粒子が離れるのを防止することができる。したがって、上記外管(11)と土壌との間に隙間が形成されるのをより確実に防止することができ、該外管(11)の外表面での伝熱性能の低下をより確実に防止することができる。特に、上記ゲル層(21)の厚みを周囲の土壌中の粒子の平均粒子径以上にすることで、該ゲル層(21)によって土壌中の粒子を確実に保持することができ、上記外管(11)の外表面での伝熱性能の低下を確実に防止することができる。
また、上記外管(11)の外表面上に、水よりも凍結する温度が低いゲル層(21)を設けることで、該外管(11)の外表面上で水分が凍結しにくくなり、該外管(11)と土壌との間の隙間の形成をさらに確実に防止できる。
さらに、金属製の上記外管(11)の外表面をゲル層(21)によって覆うことで、該外管(11)の外表面が空気と接触するのを防止することができる。これにより、該外管(11)の外表面上での空気分の熱抵抗を低減できるとともに、該外管(11)の腐食も防止することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、空調システム(1)が室内の暖房運転のみを行うように構成されているが、この限りではなく、冷房運転も行うような構成であってもよい。その場合には、圧縮機(3)の吐出側に四路切換弁を設けて、冷媒の流れを反転させればよい。
また、上記実施形態では、伝熱管(12)の本体部(12b)を略U字状に形成しているが、この限りではなく、該伝熱管(12)内の冷媒と外管(11)内の二酸化炭素とを効率良く熱交換できる構成であれば、どのような形状であってもよい。
また、上記実施形態では、外管(11)内に、冷媒の流れる伝熱管(12)を収容するとともに、二酸化炭素を封入し、該二酸化炭素の相変化によって上記伝熱管(12)内の冷媒と土壌との間で熱交換を行うように構成されているが、この限りではなく、外管内に伝熱管のみを収容した構成や、伝熱管を直接、地中に埋設した構成であってもよい。このように、伝熱管を直接、地中に埋設する構成の場合には、該伝熱管の外表面上にゲル層を形成すればよい。
また、上記実施形態では、外管(11)内の熱媒体として二酸化炭素を用いているが、この限りではなく、相変化する媒体であれば、どのようなものであってもよい。
また、上記実施形態では、外管(11)の外周面上にゲル層(21)を設けているが、この限りではなく、該外管(11)の周囲の土壌中の粒子を保持することができ且つ親水性であれば、どのような層を設けてもよい。
本発明は、冷媒と地中の土壌との間で熱交換を行う地中熱交換器に特に有用である。
図1は、本発明の実施形態に係る地中熱交換器を含んだ空調システムの概略構成図である。 図2は、地中熱交換器の概略構成を示す縦断面図である。 図3は、図2のIII-III線断面図である。
符号の説明
1 空調システム
2 冷媒回路
3 圧縮機
4 室内熱交換器
5 膨張弁
10 地中熱交換器
11 外管(管部材)
12 伝熱管
12a 導入部
12b 本体部
12c 導出部
21 ゲル層(粒子保持層)
S 空間

Claims (6)

  1. 地中に埋設されて被熱交換流体が内方を流れる管部材(11)を備え、該被熱交換流体が土壌と熱交換して暖房の熱源を得るように構成された地中熱交換器であって、
    上記管部材(11)の外表面上には、上記土壌内の粒子を保持するような親水性の粒子保持層(21)が形成されていることを特徴とする地中熱交換器。
  2. 請求項1に記載の地中熱交換器において、
    上記粒子保持層(21)は、親水性のゲル状部材からなることを特徴とする地中熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の地中熱交換器において、
    上記粒子保持層(21)は、その周囲の土壌の平均粒子径以上の厚みを有することを特徴とする地中熱交換器。
  4. 請求項2に記載の地中熱交換器において、
    上記粒子保持層(21)は、凝固する温度が零度よりも低いことを特徴とする地中熱交換器。
  5. 請求項2または4に記載の地中熱交換器において、
    上記粒子保持層(21)は、水ガラスからなることを特徴とする地中熱交換器。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の地中熱交換器において、
    上記管部材(11)には、内部を上記被熱交換流体が流れる伝熱管(12)が挿通しているとともに、該内部に熱媒体が封入されていて、
    上記熱媒体の相変化を利用して上記伝熱管(12)内を流れる被熱交換流体が土壌と熱交換するように構成されていることを特徴とする地中熱交換器。
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