JP2010144685A - スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲートロータの摩耗および摩耗による性能低下を抑えることができるスクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】スクリュー圧縮機1におけるゲートロータ5、6は、中央に開口21が形成されている。ゲートロータ5、6は、開口21の周囲にスクリューロータ2の溝11に噛み合う複数の歯12が放射状に配置されている。ゲートロータシャフト8、9は、ゲートロータ5,6の開口21に挿入されている。ゲートロータシャフト8、9は、ゲートロータ5、6を回転自在に支持する。ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさは、ゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている。
【選択図】図3
【解決手段】スクリュー圧縮機1におけるゲートロータ5、6は、中央に開口21が形成されている。ゲートロータ5、6は、開口21の周囲にスクリューロータ2の溝11に噛み合う複数の歯12が放射状に配置されている。ゲートロータシャフト8、9は、ゲートロータ5,6の開口21に挿入されている。ゲートロータシャフト8、9は、ゲートロータ5、6を回転自在に支持する。ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさは、ゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、スクリュー圧縮機に関する。
従来より、螺旋状の溝を有するスクリューロータと、その螺旋状の溝に噛み合う複数の歯を有するゲートロータとを備えたスクリュー圧縮機がある。このゲートロータは、合成樹脂で製造される場合が多く、ゲートロータの歯の摩耗の低減が課題になっている。
そこで、特許文献1のスクリュー圧縮機のように、シングルスクリュー圧縮機の樹脂製ゲートロータの歯のエッジ部分の磨耗、および騒音の発生を回避するために、ゲートロータを支持するゲートロータサポート上で回転方向についての自由度を与えるために、ゲートロータの回り止めのピン回りにOリングを取り付けた構造が提案されている。
米国特許第3788784号公報
しかし、上記特許文献1記載のスクリュー圧縮機では、ゲートロータをゲートロータサポートに対して回転自由度を与える構造をとっても、実際の組付け作業では、スクリューロータの溝に対しゲートロータがスクリューロータの軸方向へずれて組み込まれることがある。この場合、ゲートロータのエッジの磨耗が発生してしまい、性能低下が生じるおそれがある。
例えば、スクリュー圧縮機の組立時のずれによって、または運転中の圧力や熱変形によって、ゲートロータシャフトの軸中心がスクリューロータの軸方向へずれたとき、ゲートロータを支持するゲートロータシャフトとの隙間が小さいので、ゲートロータの歯がスクリューロータの溝によって削られることがある。
本発明の課題は、ゲートロータの摩耗および摩耗による性能低下を抑えることができるスクリュー圧縮機を提供することにある。
第1発明のスクリュー圧縮機は、スクリューロータと、ゲートロータと、ゲートロータシャフトとを備えている。スクリューロータは、外周面に複数本の螺旋状の溝を有し、回転自在である。ゲートロータは、その中央に開口が形成されている。開口の周囲には、スクリューロータの溝に噛み合う複数の歯が放射状に配置されている。ゲートロータシャフトは、ゲートロータの開口に挿入されている。ゲートロータシャフトは、ゲートロータを回転自在に支持する。ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの隙間のスクリューロータの軸方向についての大きさは、ゲートロータの歯の側端面とスクリューロータの溝の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている。
ここでは、ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの隙間のスクリューロータの軸方向についての大きさが、ゲートロータの歯の側端面とスクリューロータの溝の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されているので、ゲートロータの自由度を拡大できる。その結果、ゲートロータシャフトがスクリューロータの軸方向へずれても、ゲートロータとスクリューロータとのかみ合いによってゲートロータの回転中心が自動的に正規の位置に戻されるので、ゲートロータのエッジ部分の磨耗およびそれによるによる性能低下が回避できる。
第2発明のスクリュー圧縮機は、第1発明のスクリュー圧縮機であって、ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの隙間に配置された弾性体をさらに備えている。
ここでは、ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの隙間に配置された弾性体をさらに備えているので、弾性体を介してゲートロータの開口とゲートロータシャフトとが嵌合されているので、隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
第3発明のスクリュー圧縮機は、第1発明または第2発明のスクリュー圧縮機であって、ゲートロータは、ゲートロータの回転方向におけるバランスを取る孔又は凹部を有している。
ここでは、ゲートロータは、ゲートロータの回転方向におけるバランスを取る孔又は凹部を有しているので、ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの嵌合部に一定の隙間を有していても、バランス調整用の孔又は凹部によって、加工や材料の不均一性によって生じる遠心力アンバランスに伴う隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
また、調整用の孔又は凹部は、スクリューロータ溝に噛み合うゲートロータ歯の半径方向(すなわち高さ方向)内側に設けるか、半径方向外側のゲートロータサポート側に開口した凹部であることが望ましい。なぜならば、半径方向外側に設けることでより大きな遠心バランス力を得ることが出来るし、歯の厚み方向(すなわち幅方向)の遠心力アンバランスはサポート部によって支えられるので問題も生じないからである。
第4発明のスクリュー圧縮機は、第1発明から第3発明のいずれかのスクリュー圧縮機であって、ゲートロータには、ゲートロータシャフトに対して回転することを防ぐピンが挿入される回転拘束用の孔が形成されている。回転拘束用の孔には、ゲートロータの回転方向におけるバランスを調整するスリーブが設けられている。
ここでは、回転拘束用の孔にゲートロータの回転方向におけるバランスを調整するスリーブが設けられているので、ゲートロータ孔とゲートロータシャフトとの組付け嵌合部に一定の隙間を有していても、スリーブによって、回転拘束用の孔に対するゲートロータの回転バランスを取ることができ、隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生を回避できる。
第5発明のスクリュー圧縮機は、第1発明から第4発明のいずれかのスクリュー圧縮機であって、ゲートロータシャフトの回転中心は、ゲートロータの開口とゲートロータシャフトとの隙間より小さい範囲で、スクリューロータに近づく方向へオフセットされている。
ここでは、ゲートロータシャフトの軸方向の中心がスクリューロータ中心側にオフセットされているので、ゲートロータ歯先の圧力差によるゲートロータ歯先とスクリューロータ溝底の隙間の拡大をキャンセルできる。ここで、オフセットは、スクリューロータ中心側、かつ、吐出ポート側であれば圧力差をよりキャンセルできる。また、一定の隙間を残しているため、樹脂製等のゲートロータの熱膨張による歯先磨耗を回避することができる。
第6発明のスクリュー圧縮機は、第1発明から第5発明のいずれかのスクリュー圧縮機であって、ゲートロータは、合成樹脂で製造されている。
ここでは、ゲートロータが合成樹脂で製造されているが、合成樹脂で製造されたゲートロータでも、組付け誤差による磨耗を回避できるし、ゲートロータの熱膨張による歯先磨耗を回避することができ、それによって信頼性を維持できる。
第7発明のスクリュー圧縮機は、第1発明から第5発明のいずれかのスクリュー圧縮機であって、ゲートロータが金属材料で製造されている。
ここでは、ゲートロータが金属材料で製造されているので、金属製ゲートロータを用いる際の不具合、すなわち、ゲートロータの歯とスクリューロータの溝との間を大きく取らないと焼付きなどの損傷が避けられなかった不具合に対して、組付け誤差をゲートロータ孔とゲートロータシャフトとの嵌合隙間でキャンセルできるので、損傷を回避しつつ金属製ゲートロータを使用することができる。また、これによってゲートロータの歯とスクリューロータの溝との間を大きく取る必要がなくなり、性能の低下を抑えることができる。
第1発明によれば、ゲートロータの自由度を拡大でき、ゲートロータのエッジ部分の磨耗およびそれによる性能低下が回避できる。
第2発明によれば、弾性体を介してゲートロータの開口とゲートロータシャフトとが嵌合されているので、隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
第3発明によれば、バランス調整用の孔又は凹部によって、隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
第4発明によれば、スリーブによって、ゲートロータの回転バランスを取ることができ、隙間の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生を回避できる。
第5発明によれば、ゲートロータ歯先の圧力差によるゲートロータ歯先とスクリューロータ溝底の隙間の拡大をキャンセルできる。また、一定の隙間を残しているため、樹脂製等のゲートロータの熱膨張による歯先磨耗を回避することができる。
第6発明によれば、合成樹脂で製造されたゲートロータでも、ゲートロータの組付け誤差や熱膨張による歯先磨耗を回避することができ、それによって信頼性を維持できる。
第7発明によれば、組付け誤差をゲートロータ孔とゲートロータシャフトとの嵌合隙間でキャンセルできるので、損傷を回避しつつ金属製ゲートロータを使用することができる。また、これによってゲートロータの歯とスクリューロータの溝との間を大きく取る必要がなくなり、性能の低下を抑えることができる。
つぎに本発明のスクリュー圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔実施形態〕
〔実施形態〕
<シングルスクリュー圧縮機1の構成>
図1〜3に示されるシングルスクリュー圧縮機1は、1本のスクリューロータ2と、スクリューロータ2を収納するケーシング3と、スクリューロータ2の回転軸となるシャフト4と、2個のゲートロータ5、6と、スクリューロータ2の軸方向から支持するスラスト軸受7と、2つのゲートロータ5、6のためのゲートロータシャフト8、9とを備えている。
図1〜3に示されるシングルスクリュー圧縮機1は、1本のスクリューロータ2と、スクリューロータ2を収納するケーシング3と、スクリューロータ2の回転軸となるシャフト4と、2個のゲートロータ5、6と、スクリューロータ2の軸方向から支持するスラスト軸受7と、2つのゲートロータ5、6のためのゲートロータシャフト8、9とを備えている。
スクリューロータ2は、外周面に複数本の螺旋状の溝11を有している円柱状のロータである。スクリューロータ2は、シャフト4と一体になって、ケーシング3の内部で回転することが可能である。スクリューロータ2は、スラスト軸受7によって、軸方向に沿って吐出側から吸入側へ向かう方向(ガスの吸入方向F1の反対方向)から支持されている。シャフト4は、一端がスクリューロータ2と結合され、他端がケーシング3外部の駆動用モータ(図示せず)に連結されている。
ケーシング3は、円筒形状の部材であり、スクリューロータ2およびシャフト4を回転自在に収納する。
2つのゲートロータ、すなわち、第1ゲートロータ5および第2ゲートロータ6は、いずれも、中央に開口21が形成され、開口21の周囲にスクリューロータ2の溝11に噛み合う複数の歯12が放射状に配置された回転体であり、ゲートロータシャフト8、9の回りに回転することが可能である。
ゲートロータシャフト8、9は、2つのゲートロータ5、6のそれぞれの開口21に挿入され、ゲートロータ5、6を回転自在に支持する。具体的には、ゲートロータシャフト8、9は、ゲートロータ5、6を支持するゲートロータサポート27を有している。ゲートロータサポート27は、ゲートロータシャフト8、9に対して同軸上に固定されている。ゲートロータサポート27は、ゲートロータ5、6とほぼ相似形であって少し小さい寸法を有している。ゲートロータ5、6は、ゲートロータサポート27に対して回転できないようにピン24で固定されている。ゲートロータシャフト8、9は、スクリューロータ2のシャフト4に対して直交している。
ゲートロータ5の歯12は、ケーシング3に形成されたスリット14を通して、ケーシング3内部のスクリューロータ2の螺旋状の溝11と噛み合うことが可能である。2枚のゲートロータ5、6は、スクリューロータ2の回転中心に対して左右対称に配置されている。なお、ゲートロータ5、6を上下対称に配置してもよい。
スクリューロータ2が回転すれば、第1ゲートロータ5および第2ゲートロータ6の複数の歯12は、順次複数の溝11に噛み合うことができる。
ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさD(図3参照)は、ゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との組み付け時の隙間G(図7の比較例参照)の最大値である最大隙間よりも大きく設定されている。この隙間22の大きさDを大きくすることにより、ゲートロータシャフト8、9に対するゲートロータ5、6の自由度(いわゆる、遊び)を拡大できる。その結果、ゲートロータシャフト8、9がスクリューロータ2の軸方向へ若干ずれても(想定しているのは、数十ミクロン単位の微小なずれである)、ゲートロータ5、6とスクリューロータ2との噛み合いによってゲートロータ5、6の回転中心が自動的に正規の位置に戻される。このため、ゲートロータ5、6の歯12のエッジ部分の磨耗による性能低下が回避できる。
なお、図3では、図中上方のゲートロータ5についてのみゲートロータシャフト8との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさDが示されているが、図中下方のゲートロータ6についてもゲートロータシャフト9との隙間についてもスクリューロータ2の軸方向についての大きさDを有しているものとする。
ここでいうゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との「組み付け時の最大隙間」は、スクリューロータ2の溝11およびゲートロータ5、6の寸法によって異なるが、数十ミクロン単位の微小な隙間である。例えば、組付け時の最大隙間は、2桁ミクロン以下(いいかえれば、100ミクロン未満)であるのが好ましい。
それに対して、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさDは、上記の「組み付け時の最大隙間」よりも大きい数値範囲である。例えば、ゲートロータシャフトとゲートロータ孔の半径隙間はそれより大きな3桁ミクロン以上(すなわち、100ミクロン以上)であるのが好ましい。その理由として、隙間22の大きさDが100ミクロンよりも小さい場合には、ゲートロータ5、6の自由度が低く、歯12の摩耗を防ぐことができず、一方、100ミクロンよりも大きい場合には、ゲートロータ5、6の円滑な回転が困難になる。
なお、ゲートロータシャフト8、9とゲートロータ5、6の開口21との間に隙間22が形成されているが、隙間22は、せいぜい数十ミクロン程度なので、それぞれの回転に大きな影響は与えない。したがって、ゲートロータシャフト8、9がその軸中心の回りで回転しても、ゲートロータ5、6もゲートロータ5、6自体の回転中心の回りで回転でき、その結果、ゲートロータ5、6とスクリューロータ2とは正しく噛み合うことが可能である。
一方、図7の比較例のように、ゲートロータシャフト8、9とゲートロータ5、6の開口21との間に大きさDの隙間22がない場合には、ゲートロータシャフト8、9がスクリューロータ2の軸方向へずれると、そのずれ量だけゲートロータ5、6もずれるので、ゲートロータ5、6の歯12のエッジ部分Aがスクリューロータ2の溝11の内壁に押しつけられて磨耗することになる。
また、ゲートロータ5は、ゲートロータ5の回転方向におけるバランスを取る孔23が形成されている。したがって、孔23が形成されることによる重量軽減分だけ、ゲートロータ5の重量バランスを変えることが可能である。なお、図中下方のゲートロータ6についても、バランスを取る孔23を形成してもよい。
ゲートロータ5には、ゲートロータシャフト8に対して回転することを防ぐピン24が挿入される回転拘束用の孔25が形成されている。この回転拘束用の孔25の内周面には、ゲートロータ5の回転方向におけるバランスを調整するスリーブ26が嵌め込まれている。
スリーブ26は、ゲートロータ5よりも密度の大きい材料で製造されたリング状の部材である。例えば、ゲートロータ5が合成樹脂等で製造される場合には、スリーブ26は、鋳鉄、スチールその他の金属材料等で製造することが可能である。
これにより、ゲートロータ5の開口21とゲートロータシャフト8との組付け嵌合部に一定の隙間22を有していても、スリーブ26によって、ゲートロータ5、6の回転バランスを取ることができる。その結果、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生を回避できる。なお、図中下方のゲートロータ6についても、スリーブ26を設けてもよい。
実施形態のゲートロータ5、6は、合成樹脂で製造されている。ここで、スクリュー圧縮機1に使用される関係上、耐圧性、耐摩耗性の高い合成樹脂でゲートロータ5、6を製造するのが好ましい。
また、ケーシング3の外周面には、ケーシング3内部で圧縮された冷媒を吐出するための吐出ポート10が、第1ゲートロータ5および第2ゲートロータ6に対応してそれぞれ1個ずつ開口されている。
これらの吐出ポート10は、スクリューロータ2の回転時において、スクリューロータ2外周面における溝11に連通することが可能になるように、ケーシング3の外周面の適宜の位置に開口されている。
<シングルスクリュー圧縮機1の動作説明>
図1〜3に示されるシングルスクリュー圧縮機1は、以下のようにしてガスを圧縮する。
図1〜3に示されるシングルスクリュー圧縮機1は、以下のようにしてガスを圧縮する。
まず、シャフト4がケーシング3外部のモータ(図示せず)から回転駆動力を受けると、スクリューロータ2が矢印R1(図1参照)の方向に回転する。このとき、スクリューロータ2の螺旋状の溝11に噛み合う2枚のゲートロータ5、6は、その歯12が螺旋状の溝11の内壁に押されることによって、矢印R2の方向へ回転する。このとき、図1〜2のスクリューロータ2の紙面手前側では、ケーシング3の内面と、スクリューロータ2の溝11と、ゲートロータ5の歯12とで仕切られて形成された紙面手前側の圧縮室の容積が減少する。それとともに、スクリューロータ2の紙面奥側では、ケーシング3の内面と、スクリューロータ2の溝11と、ゲートロータ6の歯12とで仕切られて形成された紙面奥側の圧縮室の容積が減少する。
これらの2つの圧縮室の容積の減少を利用することによって、ケーシング3の吸入側開口15から導入される圧縮前の冷媒F1(図1参照)は、溝11と歯12とが噛み合う直前に圧縮室に導かれ、溝11と歯12とが噛み合っている間に圧縮室の容積が減少して冷媒が圧縮され、その後、溝11と歯12との噛み合いが外れた直後に、圧縮された冷媒F2(図2参照)が、ゲートロータ5、6にそれぞれ対応する図2の紙面手前側および紙面奥側に開口する吐出ポート10から吐出される。
<実施形態の特徴>
(1)
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさDが、ゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている。したがって、ゲートロータ5、6の自由度を拡大できる。その結果、ゲートロータシャフトがスクリューロータの軸方向へずれても、ゲートロータ5、6とスクリューロータとの噛み合いによってゲートロータ5、6の回転中心が自動的に正規の位置に戻されるので、ゲートロータ5、6のエッジ部分の磨耗およびそれによる性能低下が回避できる。
(1)
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22のスクリューロータ2の軸方向についての大きさDが、ゲートロータ5、6の歯12の側端面とスクリューロータ2の溝11の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている。したがって、ゲートロータ5、6の自由度を拡大できる。その結果、ゲートロータシャフトがスクリューロータの軸方向へずれても、ゲートロータ5、6とスクリューロータとの噛み合いによってゲートロータ5、6の回転中心が自動的に正規の位置に戻されるので、ゲートロータ5、6のエッジ部分の磨耗およびそれによる性能低下が回避できる。
(2)
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6は、ゲートロータ5、6の回転方向におけるバランスを取る孔23が形成されている。したがって、孔23が形成されることによる重量軽減分だけ、ゲートロータ5、6の重量バランスを変えることが可能である。これにより、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との嵌合部分に一定の隙間22を有していても、バランス調整用の孔23を形成していることによって、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生が回避できる。
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6は、ゲートロータ5、6の回転方向におけるバランスを取る孔23が形成されている。したがって、孔23が形成されることによる重量軽減分だけ、ゲートロータ5、6の重量バランスを変えることが可能である。これにより、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との嵌合部分に一定の隙間22を有していても、バランス調整用の孔23を形成していることによって、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生が回避できる。
(3)
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6には、ゲートロータシャフト8、9に対して回転することを防ぐピン24が挿入される回転拘束用の孔25が形成され、この回転拘束用の孔25の内周面には、ゲートロータ5、6の回転方向におけるバランスを調整するスリーブ26が嵌め込まれている。これにより、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との組付け嵌合部に一定の隙間22を有していても、スリーブ26によって、ゲートロータ5、6の回転バランスを取ることができる。その結果、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生を回避できる。
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6には、ゲートロータシャフト8、9に対して回転することを防ぐピン24が挿入される回転拘束用の孔25が形成され、この回転拘束用の孔25の内周面には、ゲートロータ5、6の回転方向におけるバランスを調整するスリーブ26が嵌め込まれている。これにより、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との組付け嵌合部に一定の隙間22を有していても、スリーブ26によって、ゲートロータ5、6の回転バランスを取ることができる。その結果、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生を回避できる。
(4)
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6は、合成樹脂で製造されている。これにより、合成樹脂で製造されたゲートロータ5、6でも、ゲートロータ5、6の熱膨張による歯先磨耗を回避することができる。また、それによって信頼性を維持できる。
実施形態のスクリュー圧縮機1では、ゲートロータ5、6は、合成樹脂で製造されている。これにより、合成樹脂で製造されたゲートロータ5、6でも、ゲートロータ5、6の熱膨張による歯先磨耗を回避することができる。また、それによって信頼性を維持できる。
<実施形態の変形例>
(A)
上記実施形態の変形例として、振動吸収のために、図5に示されるように、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22に配置された弾性体28をさらに備えてもよい。この場合、弾性体28を介してゲートロータ5、6の開口とゲートロータシャフトとが嵌合されているので、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
(A)
上記実施形態の変形例として、振動吸収のために、図5に示されるように、ゲートロータ5、6の開口21とゲートロータシャフト8、9との隙間22に配置された弾性体28をさらに備えてもよい。この場合、弾性体28を介してゲートロータ5、6の開口とゲートロータシャフトとが嵌合されているので、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う磨耗の発生が回避できる。
弾性体28は、例えば、隙間22の全体を覆うゴムまたは合成樹脂製の弾性を有するリング状の部材、または隙間22のうちの一部に設けられたコイルバネや板バネ等の部材などが採用され得る。
(B)
また、上記実施形態の他の変形例として、図6に示されるように、ゲートロータシャフト8、9の回転中心を、ゲートロータ5、6の開口とゲートロータシャフト8、9との隙間22より小さい範囲で、スクリューロータ2に近づく方向へオフセットしてもよい。
また、上記実施形態の他の変形例として、図6に示されるように、ゲートロータシャフト8、9の回転中心を、ゲートロータ5、6の開口とゲートロータシャフト8、9との隙間22より小さい範囲で、スクリューロータ2に近づく方向へオフセットしてもよい。
この場合、ゲートロータシャフト8、9の軸中心がスクリューロータ2へ近づく方向へオフセットされているので、ゲートロータ歯12の先端の圧力差によるゲートロータ5、6歯12の先端とスクリューロータ溝11の底部との隙間G(図7参照)の拡大をキャンセルできる。また、一定の隙間22を残しているため、樹脂製等のゲートロータ5、6で生じやすい歯12の熱膨張による歯12の先端の磨耗を回避することができる。
(C)
なお、本実施形態では、ゲートロータ5、6にバランスを取る孔23が形成された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔23を形成する代わりに凹部を形成してもゲートロータ5、6の重量バランスを変えることが可能である。したがって、凹部によって、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生が回避できる。
なお、本実施形態では、ゲートロータ5、6にバランスを取る孔23が形成された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔23を形成する代わりに凹部を形成してもゲートロータ5、6の重量バランスを変えることが可能である。したがって、凹部によって、隙間22の振動による異音の発生や振動に伴う歯12の磨耗の発生が回避できる。
本発明は、スクリューロータおよびゲートロータを備えたスクリュー圧縮機について広く適用することが可能である。
1 スクリュー圧縮機
2 スクリューロータ
3 ケーシング
4 シャフト
5 第1ゲートロータ
6 第2ゲートロータ
8、9 ゲートロータシャフト
11 溝
12 歯
21 開口
22 隙間
23 バランスを取るための孔
24 ピン
25 回転拘束用の孔
26 スリーブ
27 ゲートロータサポート
28 弾性体
2 スクリューロータ
3 ケーシング
4 シャフト
5 第1ゲートロータ
6 第2ゲートロータ
8、9 ゲートロータシャフト
11 溝
12 歯
21 開口
22 隙間
23 バランスを取るための孔
24 ピン
25 回転拘束用の孔
26 スリーブ
27 ゲートロータサポート
28 弾性体
Claims (7)
- 外周面に複数本の螺旋状の溝(11)を有する回転自在のスクリューロータ(2)と、
中央に開口(21)が形成され、前記開口(21)の周囲に前記スクリューロータ(2)の溝(11)に噛み合う複数の歯(12)が放射状に配置されたゲートロータ(5、6)と、
前記ゲートロータ(5、6)の開口(21)に挿入され、前記ゲートロータ(5、6)を回転自在に支持するゲートロータシャフト(8、9)と
を備えており、
前記ゲートロータ(5、6)の開口(21)と前記ゲートロータシャフト(8、9)との隙間(22)の前記スクリューロータ(2)の軸方向についての大きさは、前記ゲートロータ(5、6)の歯(12)の側端面と前記スクリューロータ(2)の溝(11)の内側面との組み付け時の最大隙間よりも大きく設定されている
ことを特徴とするスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータ(5、6)の開口(21)と前記ゲートロータシャフト(8、9)との隙間(22)に配置された弾性体(28)をさらに備えている、
請求項1に記載のスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータ(5、6)は、前記ゲートロータ(5、6)の回転方向におけるバランスを取る孔又は凹部(23)を有している、
請求項1または2に記載のスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータ(5、6)には、前記ゲートロータシャフト(8、9)に対して回転することを防ぐピン(24)が挿入される回転拘束用の孔(25)が形成され、
前記回転拘束用の孔(25)には、前記ゲートロータ(5、6)の回転方向におけるバランスを調整するスリーブ(26)が設けられている、
請求項1から3のいずれかに記載のスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータシャフト(8、9)の回転中心は、前記ゲートロータ(5、6)の開口(21)と前記ゲートロータシャフト(8、9)との隙間(22)より小さい範囲で、前記スクリューロータ(2)に近づく方向へオフセットされている、
請求項1から請求項4のいずれかに記載のスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータ(5、6)は、合成樹脂で製造されている、
請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクリュー圧縮機(1)。 - 前記ゲートロータ(5、6)が金属材料で製造されている、
請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクリュー圧縮機(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008325375A JP2010144685A (ja) | 2008-12-22 | 2008-12-22 | スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008325375A JP2010144685A (ja) | 2008-12-22 | 2008-12-22 | スクリュー圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010144685A true JP2010144685A (ja) | 2010-07-01 |
Family
ID=42565361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008325375A Pending JP2010144685A (ja) | 2008-12-22 | 2008-12-22 | スクリュー圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010144685A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102338091A (zh) * | 2011-10-17 | 2012-02-01 | 西安交通大学 | 一种单螺杆压缩机啮合副的包络齿型面 |
CN104405830A (zh) * | 2014-09-17 | 2015-03-11 | 西安交通大学 | 一种星轮齿的两侧面圆柱包络型线的协同构成 |
US9057373B2 (en) | 2011-11-22 | 2015-06-16 | Vilter Manufacturing Llc | Single screw compressor with high output |
-
2008
- 2008-12-22 JP JP2008325375A patent/JP2010144685A/ja active Pending
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US9057373B2 (en) | 2011-11-22 | 2015-06-16 | Vilter Manufacturing Llc | Single screw compressor with high output |
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