JP2010143770A - 加工対象物の分割方法 - Google Patents

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JP2010143770A JP2008319293A JP2008319293A JP2010143770A JP 2010143770 A JP2010143770 A JP 2010143770A JP 2008319293 A JP2008319293 A JP 2008319293A JP 2008319293 A JP2008319293 A JP 2008319293A JP 2010143770 A JP2010143770 A JP 2010143770A
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Abstract

【課題】加工対象物の小片の抗折強度を向上すること。
【解決手段】スクライブ溝9は、基板用基材1の表面よりも基板用基材1の厚さ方向中心
部側に形成するようにした。そのため、スクライブ溝9を起点として基板用基材1が分割
されると、分割して得られる基板3の端面には、基板3の表面よりも基板3の厚さ方向中
心部側に、スクライブ溝9を形成した際にスクライブ溝9の内面に発生したマイクロクラ
ックが位置するようになる。そのため、スクライブ溝9の形成位置を基板用基材1の厚さ
方向中心部に近づけることで、スクライブ溝9に作用する応力を低減できる。それゆえ、
スクライブ溝9の周囲にマイクロクラックが発生しても、応力の作用によるマイクロクラ
ックの進展を防止でき、その結果、基板3の抗折強度を向上できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、加工対象物を分割する加工対象物の分割方法に関する。
従来、この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。この特許文献
1に記載の技術では、基板を分割する際には、基板の表面を切削してスクライブ溝を形成
し、基板に衝撃を与えてスクライブ溝を起点として基板を分割する。
特開2001−215480号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る、基板の表面にスクライブ溝を形成し、スクライ
ブ溝を起点として基板を分割する技術では、分割した基板の小片の端面にマイクロクラッ
クが発生し、基板の小片の抗折強度が低下して、基板の小片が破損する可能性がある。
そこで、本発明は、加工対象物の小片の抗折強度を向上することを課題とする。
上記技術的課題を解決するために、本発明の各態様は、以下のような構成からなる。
本発明の第1の態様は、
加工対象物の分割予定部分に、前記加工対象物のエッチングレートを前記加工対象物の
他の部分より高くする加工を行う第1の工程と、前記加工対象物の表面をエッチングして
、前記加工対象物を薄型化し、前記加工対象物のうちの前記加工を行った部分に第1の溝
部を形成する第2の工程と、前記第1の溝部の底面に、前記第1の溝部に沿うように前記
加工対象物を分割する際の起点となる第2の溝部を形成する第3の工程と、を有すること
を特徴とする。
この手法によれば、第2の溝部は、加工対象物の表面よりも加工対象物の厚さ方向中心
部側に形成される。そのため、第2の溝部を起点として加工対象物が分割されると、分割
して得られる加工対象物の小片の端面には、加工対象物の小片の表面よりも当該小片の厚
さ方向中心部側に、第2の溝部の形成に起因するマイクロクラックが発生する。
ここで、加工対象物の小片に曲げモーメントが作用した場合、加工対象物の小片には凹
状に変形した面側に圧縮応力が発生し、凸状に変形した面側に引張応力が発生する。これ
ら圧縮応力および引張応力は、加工対象物の小片の厚さ方向中心部に近いところほど小さ
くなる。そのため、第2の溝部の形成に起因するマイクロクラックが加工対象物の小片の
表面よりも当該小片の厚さ方向中心部側に形成されることで、加工対象物の小片に曲げモ
ーメントが作用したときに、マイクロクラックに作用する応力を低減できる。それゆえ、
加工対象物の小片に曲げモーメントが作用しても、応力の作用によるマイクロクラックの
進展を防止でき、その結果、加工対象物の小片の抗折強度を向上できる。
第2の態様は、
前記加工対象物が、透明材質からなり、前記第1の工程では、前記加工として、前記加
工対象物にレーザ光を照射して、前記加工対象物の内部の前記分割予定部分に多光子吸収
による改質領域を形成することを特徴とする。
この手法によれば、改質領域の形成に起因するマイクロクラックが加工対象物の表面よ
りも加工対象物の厚さ方向中心部側に形成されることで、ハンドリングによって加工対象
物に曲げモーメントが作用したときに、マイクロクラックに作用する応力を低減できる。
それゆえ、加工対象物に曲げモーメントが作用しても、応力の作用によるマイクロクラッ
クの進展を防止でき、その結果、加工対象物の破損を防止できる。
第3の態様は、
前記第1の行程では、前記レーザ光として、レーザ光源から出射されるレーザ光を回折
格子で2つ以上の光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレンズで集光したものを、前記
加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴とする。
この手法によれば、2つ以上のレーザ光を加工対象物に一度に照射できる。それゆえ、
複数のレーザ光の各々をレーザ光の入射面からの距離が異なる複数の深さ位置に集光する
ことで、形成される改質領域のレーザ光照射方向の長さをより長くすることができる。そ
のため、第1の溝を形成するために必要な大きさの改質領域を効率よく形成できる。
第4の態様は、
透明材質の加工対象物に第1のレーザ光を照射して、前記加工対象物の分割予定部分に
多光子吸収による改質領域を形成する第1の工程と、前記加工対象物の表面をエッチング
して、前記加工対象物を薄型化し、前記加工対象物のうちの前記改質領域を形成した部分
に溝を形成する第2の工程と、を有し、前記第1の工程では、前記第1のレーザ光を照射
する際に、前記加工対象物に第2のレーザ光を照射して、前記溝の底面が形成される予定
の部分に、前記溝部に沿うように前記加工対象物を分割する際の起点となるクラックを形
成することを特徴とする。
この手法によれば、クラックは、加工対象物の表面よりも加工対象物の厚さ方向中心部
側に形成される。そのため、クラックを起点として加工対象物が分割されると、分割して
得られる加工対象物の小片の端面には、加工対象物の小片の表面よりも当該小片の厚さ方
向中心部側に、クラックの形成に起因するマイクロクラックが発生する。
ここで、加工対象物の小片に曲げモーメントが作用した場合、加工対象物の小片には凸
状に変形した面側に引張応力が発生し、凹状に変形した面側に圧縮応力が発生する。これ
ら引張応力および圧縮応力は、加工対象物の小片の厚さ方向中心部に近いところほど小さ
くなる。そのため、クラックの形成に起因するマイクロクラックが加工対象物の小片の表
面よりも当該小片の厚さ方向中心部側に形成されることで、加工対象物の小片に曲げモー
メントが作用したときに、マイクロクラックに作用する応力を低減できる。それゆえ、加
工対象物の小片に曲げモーメントが作用しても、応力の作用によるマイクロクラックの進
展を防止でき、その結果、加工対象物の小片の抗折強度を向上できる。
第5の態様は、
前記第1の行程では、前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光として、レーザ光
源から出射されるレーザ光を回折格子で2つの光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレ
ンズで集光したものを、前記加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴
とする。
この手法によれば、第1、第2のレーザ光を加工対象物に一度に照射できる。そのため
、第1、第2のレーザ光を照射する作業を容易に行うことができる。
第6の態様は、
前記第1の行程では、前記第1のレーザ光として、レーザ光源から出射されるレーザ光
を回折格子で2つ以上の光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレンズで集光したものを
、前記加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴とする。
この手法によれば、2つ以上の第1のレーザ光を加工対象物に一度に照射できる。それ
ゆえ、2つ以上の第1のレーザ光をレーザ光の入射面からの距離が異なる複数の深さ位置
に集光することで、改質領域のレーザ光照射方向の長さをより長くすることができる。そ
のため、第1の溝を形成するために必要な大きさの改質領域を効率よく形成できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の分割方法では、基板用基材(広義には「分割対象物」)を分割し、基板用
基材を小片化することで複数の基板を製造する。
(第1実施形態)
(基板用基材の説明)
まず、本実施形態の分割方法で分割する基板用基材1について説明する。
図1は、基板用基材1を説明するための斜視図である。
図1に示すように、基板用基材1は、複数の基板3がマトリクス状に繋がった大型の基
板である。基板用基材1の厚さは、基板3よりも厚いものとする。基板用基材1としては
、石英やホウケイ酸ガラス等の透明材質からなるものを利用できる。また、互いに隣接す
る基板3間の境界を、基板用基材1の分割予定部分2、2、・・とする。
(分割方法の説明)
次に、前述した基板用基材1を分割する分割方法について説明する。
基板用基材1の分割方法は、以下の第1〜第4の工程からなっている。
(第1の工程)
図2は、第1の工程を説明するための斜視図である。
第1の工程では、基板用基材1の分割予定部分2に、基板用基材1のエッチングレート
を基板用基材1の他の部分よりも高くする加工(つまり、速くする加工)を行う。
具体的には、図2に示すように、第1の工程では、まず、分割予定線2、2、・・から
1つの分割予定線2を選択する。次に、第1の主面1S1側から基板用基材1の、選択し
た分割予定部分2にレーザ光5を照射する。第1の主面1S1とは、基板用基材1の表面
および裏面のいずれかの面である。そして、照射したレーザ光5を、選択した分割予定部
分2に集光する。これにより、レーザ光5の集光箇所、つまり、選択した分割予定部分2
に、多光子吸収による改質領域4を形成する。
その際、レーザ光5の集光領域は、改質領域4の第1の主面1S1側端部が基板用基材
1の厚さ方向中央部と第1の主面1S1との間に位置し、第2の主面1S2側端部が当該
中央部に位置するように設定する。第2の主面1S1とは、第1の主面1S1と反対側の
面である。これにより、基板用基材1の外面にかからないように改質領域4を形成する。
そして、選択した分割予定部分2に沿って、基板用基材1の一端側から他端側へ所定の
ピッチずらしながら、選択した分割予定部分2へのレーザ光5の照射を同様に繰り返す。
これにより、選択した分割予定部分2に改質領域4を形成する。
同様に、他の分割予定部分2を順次選択し、上記手順を繰り返す。これにより、全ての
分割予定部分2、2、・・に、多光子吸収による改質領域4を形成する。
このように、本実施形態では、改質領域4を基板用基材1の内部にのみ形成する。それ
ゆえ、改質領域4の形成に起因して基板用基材1の第1の主面1S1にマイクロクラック
が発生することを防止できる。そのため、改質領域4の形成後に、マイクロクラックの進
展を防止でき、ハンドリング作業等で加工対象物が破損することを抑制できる。
なお、本実施形態では、基板用基材1の内部に改質領域4を形成する例を示したが、他
の構成を採用することもできる。例えば、基板用基材1の第1の主面1S1の分割予定部
分2、2、・・に、エッチングレートが速くなるように、ホイールカッタによって溝を形
成する手法を用いることもできる。すなわち、まず、基板用基材1の第1の主面1S1の
分割予定部分2に、ホイールカッタの刃を押し当てる。そして、刃を押し当てたホイール
カッタを、分割予定部分2、2、・・に沿って、基板用基材1の一端側から他端側へ移動
させて基板用基材1の第1の主面1S1を切削する。これにより、ホイールカッタによる
切削箇所、つまり、基板用基材1の分割予定部分2、2、・・に、エッチングレートを速
くするための溝を形成する。
(第2の工程)
第2の工程では、基板用基材1の表面をエッチング液でエッチングする。
図3は、第2の工程を説明するための斜視図である。
具体的には、図3に示すように、第2の工程では、基板用基材1をエッチング液6に浸
漬する。エッチング液6としては、例えば、フッ酸溶液HF5vol%を利用できる。そして
、基板用基材1をエッチング液でエッチングする。これにより、基板用基材1が両主面1
S1、1S2側から徐々にエッチングされ、基板用基材1が全体的に薄くなる。
そして、基板用基材1のエッチングが進行して改質領域4が第1の主面1S1に現れる
と、改質領域4のエッチングが開始される。ここで、改質領域4は基板用基材1のうちの
他の部分よりもエッチングレートが速い。そのため、改質領域4は他の部分よりも深くま
でエッチングされ、基板用基材1のうちの改質領域4が形成された部分に、つまり、分割
予定部分2、2、・・に溝部7が形成される。そして、さらなるエッチングの進行により
、溝部7が深化され且つ溝部7の開口部が拡大される。これにより、改質領域4の形成に
起因して改質領域4周囲の部分に発生するマイクロクラックを除去できる。それゆえ、エ
ッチングを行わない場合よりも基板用基材1の抗折強度を向上できる。
(第3の工程)
第3の工程では、基板用基材1の溝部7の底面に、分割予定部分2、2、・・に沿うよ
うに基板用基材1を分割する際の起点となるスクライブ溝9を形成する。
図4は、第3の工程を説明するための斜視図である。
具体的には、図4に示すように、第3の工程では、まず、分割予定線2、2、・・から
1つの分割予定線2を選択する。次に、基板用基材1の溝部7の底面、つまり、選択した
分割予定部分2に、ホイールカッタ8の刃を押し当てる。そして、刃を押し当てたホイー
ルカッタ8を、選択した分割予定部分2に沿って、基板用基材1の一端側から他端側へ移
動させて基板用基材1の第1の主面1S1を切削する。これにより、ホイールカッタ8に
よる切削箇所、つまり、選択した分割予定部分2にスクライブ溝9を形成する。
同様に、他の分割予定部分2を順次選択し、上記手順を繰り返す。これにより、全ての
分割予定部分2、2、・・に、スクライブ溝9を形成する。
なお、基板用基材1をホイールカッタ8で切削してスクライブ溝9を形成することによ
り、スクライブ溝9の内面にマイクロクラック(不図示)が発生する。
図5は、第3の行程の応用例を説明するための斜視図である。
なお、本実施形態では、ホイールカッタ8によって、基板用基材1の溝部7の底面にス
クライブ溝9を形成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、レー
ザ光によってスクライブ溝9を形成する手法を用いてもよい。すなわち、図5に示すよう
に、まず、第1の主面1S1側から基板用基材1の分割予定部分2、2、・・にレーザ光
を照射する。そして、照射したレーザ光を、基板用基材1の第1の主面1S1に集光する
。これにより、レーザ光の集光箇所、つまり、基板用基材1の第1の主面1S1の分割予
定部分2、2、・・を切削し、スクライブ溝9を形成する。
(第4の工程)
第4の工程では、基板用基材1を分割して基板3を完成させる。
図6は、第4の工程を説明するための斜視図である。
図7は、基板3の分割面を説明するための斜視図である。
図8は、比較例を説明するための斜視図である。
具体的には、図6に示すように、第4の工程では、基板用基材1に外力を加える。そし
て、スクライブ溝9の最深部、つまり、分割予定部分2、2、・・に外力によって応力集
中を発生させる。これにより、スクライブ溝9を起点として基板用基材1を分割する。基
板用基材1に加える外力としては、例えば、曲げ応力や剪断応力、熱応力を利用できる。
なお、基板用基材1を分割して基板3を得ることにより、基板3の端面に、スクライブ
溝9を形成した際にスクライブ溝9の内面に発生したマイクロクラックが現れる。
(本実施形態の効果)
このように、本実施形態では、図7に示すように、スクライブ溝9は、基板用基材1の
表面よりも基板用基材1の厚さ方向中心部側に形成される。そのため、スクライブ溝9を
起点として基板用基材1が分割されると、分割して得られる基板3の端面には、基板3の
表面よりも基板3の厚さ方向中心部側に、スクライブ溝9を形成した際にスクライブ溝9
の内面に発生したマイクロクラックが位置するようになる。
ここで、基板3に、第1の主面1S1側を凹状に変形させ第2の主面1S2側を凸状に
変形させる曲げモーメントが作用した場合、基板3には第1の主面1S1側に圧縮応力が
発生し、第2の主面1S2側に引張応力が発生する。これら圧縮応力および引張応力は、
基板3の厚さ方向中心部に近いところほど小さくなる。そのため、スクライブ溝9の形成
に起因するマイクロクラックが基板3の表面よりも基板3の厚さ方向中心部側に形成され
ることで、基板3に曲げモーメントが作用したときに、マイクロクラックに作用する応力
を低減できる。それゆえ、基板3に曲げモーメントが作用しても、応力の作用によるマイ
クロクラックの進展を防止でき、その結果、基板3の抗折強度を向上できる。
ちなみに、例えば、図8に示すように、溝部7を形成せずに、基板用基材1にスクライ
ブ溝9のみを形成する手法では、基板3に曲げモーメントが作用した場合、スクライブ溝
9の形成に起因して発生したマイクロクラックに大きな応力が作用する。それゆえ、マイ
クロクラックを起点として基板3が破損しやすくなる可能性がある。
また、例えば、基板用基材1に溝部7のみを形成する手法では、つまり、溝部7の底面
にスクライブ溝9を形成しない手法では、基板用基材1の分割時に、基板用基材1に外力
を加えた場合、溝部7の底面に外力による応力が等しく作用する。それゆえ、溝部7の底
面においては、いずれの場所も基板用基材1の分割の起点となる可能性がある。そのため
、基板用基材1を分割予定部分2、2、・・で適切に分割することは困難である。
ここで、図1〜図6の基板用基材1が加工対象物を構成する。
なお、本実施形態では、本発明を、基板3の製造に適用する例を示したが、他の分割対
象物の分割に適用することもできる。例えば、有機EL(Electro Luminescence)ディスプ
レイ、データ写し込み装置、ライトバルブ、タッチパネル等を基板用基材1の分割によっ
て製造する際に適用してもよい。また、例えば、インクジェットヘッド、マイクロトータ
ルアナリシスに用いられる流路構造等、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を
基板用基材1の分割によって製造する際に適用してもよい。
(応用例)
なお、本実施形態では、基板用基材1に1つのレーザ光5を照射して、基板用基材1の
内部に改質領域4を形成する例を示したが、他の手法を採用することもできる。例えば、
改質領域4の形成のために、2以上のレーザ光を同時に照射するようにしてもよい。
具体的には、第1の工程において、基板用基材1に3つのレーザ光(つまり、第1のレ
ーザ光、第2のレーザ光および第3のレーザ光)を照射して、基板用基材1の内部の、レ
ーザ光の入射面からの距離が異なる3つの深さ位置に改質領域4を形成する。
(第1の工程)
図9は、応用例の第1の工程を説明するための斜視図である。
まず、第1の工程で利用するレーザ照射機構10について説明する。
図9に示すように、レーザ照射機構10は、回折格子11およびレンズ12を備える。
そして、レーザ光源(不図示)から出射されるレーザ光を回折格子11で3つの光束に分
岐し、分岐した光束の各々をレンズ12で集光したものをそれぞれ第1のレーザ光13、
第2のレーザ光5bおよび第3のレーザ光5cとして、基板用基材1に照射する。これに
より、基板用基材1に第1〜第3のレーザ光を一度に照射できる。
次に、第1の工程の具体的な処理内容について説明する。
第1の工程では、まず、分割予定線2、2、・・から1つの分割予定線2を選択する。
次に、第1の主面1S1側から基板用基材1の、選択した分割予定部分2に、第1〜第3
のレーザ光5a〜5cの各々を照射する。そして、照射した第1〜第3のレーザ光5a〜
5cの各々を、基板用基材1の内部の、第1の主面1S1からの距離が異なる複数の深さ
位置に集光する。具体的には、第1〜第3のレーザ光5a〜5cの集光領域は、第1の主
面1S1側から、第1のレーザ光13の集光領域、第2のレーザ光5bの集光領域、第3
のレーザ光5cの集光領域の順となるように設定する。これにより、基板用基材1の内部
に、3つの改質領域4を互いに異なる深さ位置に形成する。
その際、第1のレーザ光13で形成された改質領域4が第2のレーザ光5bおよび第3
のレーザ光5cを遮ることがないように、また、第2のレーザ光5bで形成された改質領
域4が第3のレーザ光5cを遮ることがないように、第1〜第3のレーザ光5a〜5cの
集光領域は、レーザ照射機構14の移動方向に互いに所定距離ずらして設定してもよい。
そして、選択した分割予定部分2に沿って、基板用基材1の一端側から他端側へレーザ
照射機構14を所定のピッチずらしながら、選択した分割予定部分2への第1〜第3のレ
ーザ光5a〜5cの照射を同様に繰り返す。これにより、選択した分割予定部分2に、レ
ーザ光の入射面からの距離が異なる3つの深さ位置に改質領域を形成する。
同様に、他の分割予定部分2を順次選択し、上記手順を繰り返す。これにより、全ての
分割予定部分2、2、・・に、多光子吸収による改質領域4を形成する。
このように、本応用例によれば、レーザ光源から出射されるレーザ光を回折格子で2つ
以上の光束に分岐し、分岐した光束(つまり、第1〜第3のレーザ光5a〜5c)それぞ
れをレンズ12で集光したものを、基板用基材1の分割予定部分2、2、・・に照射する
ようにした。それゆえ、基板用基材1に3つのレーザ光(つまり、第1から第3のレーザ
光5a〜5c)を一度に照射できる。そのため、第1〜第3のレーザ光5a〜5cの各々
を第1の主面1S1からの距離が異なる複数の深さ位置に集光することで、形成される改
質領域4のレーザ光照射方向の長さを長くすることができる。その結果、レーザ光照射方
向の長さに長い改質領域4を短時間に形成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。
なお、前記第1実施形態と同様な構成等については、同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基板3の製造工程の基本手順は、前記第1実施形態とほぼ同様である。た
だし、具体的な処理内容については相違点がある。
具体的には、第1の工程において、基板用基材1に2つのレーザ光(つまり、第1のレ
ーザ光および第2のレーザ光)を照射して、基板用基材1の内部に、改質領域4に加えて
、基板用基材1を分割する際の起点となるクラック13を形成する。
(第1の工程)
図10は、第1の工程を説明するための斜視図である。
まず、第1の工程で利用するレーザ照射機構14について説明する。
図10に示すように、レーザ照射機構14は、回折格子15およびレンズ16を備える
。そして、レーザ光源(不図示)から出射されるレーザ光を回折格子15で2つの光束に
分岐し、分岐した光束の各々をレンズ16で集光したものをそれぞれ第1のレーザ光17
および第2のレーザ光18として、基板用基材1に照射する。これにより、第1のレーザ
光と第2のレーザ光とを基板用基材1に一度に照射できる。それゆえ、第1のレーザ光と
第2のレーザ光とを照射する作業を容易に行うことができる。
次に、第1の工程の具体的な処理内容について説明する。
第1の工程では、まず、分割予定線2、2、・・から1つの分割予定線2を選択する。
次に、第1の主面1S1側から基板用基材1の、選択した分割予定部分2に、第1のレー
ザ光17および第2のレーザ光18の各々を照射する。そして、照射した第1のレーザ光
17および第2のレーザ光18の各々を基板用基材1の内部の互いに異なる位置に集光す
る。具体的には、第1のレーザ光17は、第1の主面1S1側端部が基板用基材1の厚さ
方向中央部と第1の主面1S1との間に位置し、第2の主面1S2側端部が当該中央部に
位置するように集光する。また、第2のレーザ光18は、第1の主面1S1側端部が第2
行程の実行後に溝部7の底面が形成される予定の部分に位置し、第2の主面1S2側端部
が当該底面となる部分と第2の主面1S2との間に位置するように集光する。これにより
、基板用基材1の内部のうちの第1の主面1S1側の部分に多光子吸収による改質領域4
を形成し、溝部7の底面が形成される予定の部分にクラック13を形成する。
その際、第1のレーザ光13で形成された改質領域4が第2のレーザ光18を遮ること
がないように、第2のレーザ光18の集光領域は、第1のレーザ光17の集光領域よりも
レーザ照射機構14の移動方向に互いに所定距離ずらして設定してもよい。
そして、選択した基板用基材1の分割予定部分2に沿って、基板用基材1の一端側から
他端側へレーザ照射機構14を所定のピッチずらしながら、選択した分割予定部分2への
第1のレーザ光17および第2のレーザ光18の照射を同様に繰り返す。これにより、選
択した分割予定部分2に、多光子吸収による改質領域4に加えて、基板用基材1を分割す
る際の起点となるクラック13を形成する。
同様に、他の分割予定部分2を順次選択し、上記手順を繰り返す。これにより、全ての
分割予定部分2、2、・・に、改質領域4およびクラック13を形成する。
なお、基板用基材1に第2のレーザ光18を照射してクラック13を形成することによ
り、クラック13の内面にマイクロクラック(不図示)が発生する。
(第2の工程)
図11は、第2の工程を説明するための斜視図である。
具体的には、図11に示すように、第2の工程では、基板用基材1をエッチング液6へ
浸漬する。そして、基板用基材1をエッチング液6でエッチングする。これにより、基板
用基材1が全体的に薄くなり、また、改質領域4を形成した部分に溝部7が形成される。
そして、エッチングによって基板用基材1の第1の主面1S1に溝部7が形成されると
、溝部7の底面にクラック13が現れる。これにより、基板用基材1の第1の主面1S1
に、基板用基材1を分割する際の起点となるクラック13を形成する。
(本実施形態の効果)
このように、本実施形態では、クラック13は、基板用基材1の表面よりも基板用基材
1の厚さ方向中心部側に形成される。そのため、クラック13を起点として基板用基材1
が分割されると、分割して得られる基板3の端面には、基板3の表面よりも基板3の厚さ
方向中心部側に、クラック13を形成した際にクラック13の内面に発生したマイクロク
ラックが位置するようになる。そのため、クラック13の形成位置を基板用基材1の厚さ
方向中心部に近づけることで、クラック13に作用する応力を低減できる。それゆえ、ク
ラック13の周囲にマイクロクラックが発生しても、応力の作用によるマイクロクラック
の進展を防止でき、その結果、基板3の抗折強度を向上できる。
(応用例)
なお、本実施形態では、基板用基材1に第1のレーザ光17を照射して、基板用基材1
の内部に改質領域4を形成する例を示したが、他の手法を採用することもできる。例えば
、改質領域4の形成のために、2以上のレーザ光を同時に照射するようにしてもよい。
図12は、応用例の第1の工程を説明するための斜視図である。
図12に示すように、具体的には、第1実施形態の応用例と同様に、第1の工程におい
て、第1のレーザ光17として、基板用基材1に3つのレーザ光(第1のレーザ光17a
、第2のレーザ光17bおよび第3のレーザ光17c)を照射して、基板用基材1の内部
の、第1の主面1S1からの距離が異なる3つの深さ位置に改質領域4を形成する。
このように、本応用例によれば、レーザ光源から出射されるレーザ光を回折格子15で
2つ以上の光束に分岐し、分岐した光束(つまり、第1〜第3のレーザ光17a〜17c
)それぞれをレンズ16で集光したものを、基板用基材1の分割予定部分2、2、・・に
照射するようにした。それゆえ、基板用基材1に3つのレーザ光(つまり、第1から第3
のレーザ光17a〜17c)を一度に照射できる。そのため、第1〜第3のレーザ光17
a〜17cの各々を第1の主面1S1からの距離が異なる複数の深さ位置に集光すること
で、形成される改質領域4のレーザ光照射方向の長さを長くすることができる。その結果
、レーザ光照射方向の長さに長い改質領域4を短時間に形成することができる。
基板用基材1を説明するための斜視図である。 第1の工程を説明するための斜視図である。 第2の工程を説明するための斜視図である。 第3の工程を説明するための斜視図である。 第3の工程の応用例を説明するための斜視図である。 第4の工程を説明するための斜視図である。 基板3の分割面を説明するための斜視図である。 基板3の分割面を説明するための斜視図である。 応用例の第1の工程を説明するための斜視図である。 第2実施形態の第1の工程を説明するための斜視図である。 第2の工程を説明するための斜視図である。 応用例の第1の工程を説明するための斜視図である。
符号の説明
1は基板用基材、2は分割予定線、3は基板、4は改質領域、5はレーザ光、6はフッ酸
溶液、7は溝、8はホイールカッタ、9はスクライブ溝、10はクラック13はレーザ照
射機構、11は回折格子、12はレンズ、13は第1のレーザ光、14は第2のレーザ光
、15は第3のレーザ光、16はレーザ照射機構、17は回折格子、18はレンズ、19
は第1のレーザ光、20は第2のレーザ光

Claims (6)

  1. 加工対象物の分割予定部分に、前記加工対象物のエッチングレートを前記加工対象物の
    他の部分より高くする加工を行う第1の工程と、
    前記加工対象物の表面をエッチングして、前記加工対象物を薄型化し、前記加工対象物
    のうちの前記加工を行った部分に第1の溝部を形成する第2の工程と、
    前記第1の溝部の底面に、前記第1の溝部に沿うように前記加工対象物を分割する際の
    起点となる第2の溝部を形成する第3の工程と、
    を有することを特徴とする加工対象物の分割方法。
  2. 前記加工対象物が、透明材質からなり、
    前記第1の工程では、前記加工として、前記加工対象物にレーザ光を照射して、前記加
    工対象物の内部の前記分割予定部分に多光子吸収による改質領域を形成することを特徴と
    する請求項1に記載の加工対象物の分割方法。
  3. 前記第1の行程では、前記レーザ光として、レーザ光源から出射されるレーザ光を回折
    格子で2つ以上の光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレンズで集光したものを、前記
    加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴とする請求項1または2に記
    載の加工対象物の分割方法。
  4. 透明材質の加工対象物に第1のレーザ光を照射して、前記加工対象物の分割予定部分に
    多光子吸収による改質領域を形成する第1の工程と、
    前記加工対象物の表面をエッチングして、前記加工対象物を薄型化し、前記加工対象物
    のうちの前記改質領域を形成した部分に溝を形成する第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程では、前記第1のレーザ光を照射する際に、前記加工対象物に第2のレ
    ーザ光を照射して、前記溝の底面が形成される予定の部分に、前記溝部に沿うように前記
    加工対象物を分割する際の起点となるクラックを形成すること
    を特徴とする加工対象物の分割方法。
  5. 前記第1の行程では、前記第1のレーザ光および前記第2のレーザ光として、レーザ光
    源から出射されるレーザ光を回折格子で2つの光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレ
    ンズで集光したものを、前記加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴
    とする請求項4に記載の加工対象物の分割方法。
  6. 前記第1の行程では、前記第1のレーザ光として、レーザ光源から出射されるレーザ光
    を回折格子で2つ以上の光束に分岐し、分岐した光束それぞれをレンズで集光したものを
    、前記加工対象物の内部の前記分割予定部分に照射することを特徴とする請求項4に記載
    の加工対象物の分割方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012096274A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Disco Corp レーザー加工装置
JP2012129430A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Disco Abrasive Syst Ltd 基板の分割方法

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