JP2010141820A - Af枠自動追尾システム - Google Patents
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Abstract
【課題】AF枠自動追尾を実行していない場合にはAF枠を撮影範囲の中央に固定し、AF枠自動追尾を開始が指示された際にそのAF枠の範囲内の被写体を追尾対象として自動追尾を開始することによって、AF枠自動追尾を開始する際の煩雑な操作が不要となり、ハンディカメラのようなAF枠操作装置の設置がスペース上困難な小型のハンディタイプのカメラにおいても適用することができるAF枠自動追尾システムを提供する。
【解決手段】画像処理ユニット18のCPU50は、AF枠自動追尾の実行時において、テレビカメラ10のカメラ本体14から撮影映像を読み込み、追尾対象の被写体を検出する。そして、その被写体にAF枠が自動追尾するようにレンズ装置12のAFユニット40にAF枠の位置を変更させる。AF枠自動追尾を実行していない場合には、AF枠を撮影範囲の中央に固定する。
【選択図】図1
【解決手段】画像処理ユニット18のCPU50は、AF枠自動追尾の実行時において、テレビカメラ10のカメラ本体14から撮影映像を読み込み、追尾対象の被写体を検出する。そして、その被写体にAF枠が自動追尾するようにレンズ装置12のAFユニット40にAF枠の位置を変更させる。AF枠自動追尾を実行していない場合には、AF枠を撮影範囲の中央に固定する。
【選択図】図1
Description
本発明はAF枠自動追尾システムに係り、特に、オートフォーカス(AF)によりピントを合わせる被写体の範囲を示すAF枠(AFエリア)を所定の被写体に自動追尾させる機能を備えたAF枠自動追尾システムに関する。
従来、カメラのフォーカスを自動的に合わせるオートフォーカス(AF)システムにおいては、どこにフォーカスを合わせるかをカメラに対して指示しなければならない。このとき、一般のカメラなどでは、フォーカスを合わせる位置は撮影範囲のセンターに固定されていて、例えば撮影範囲の中央にいる人物等にフォーカスが合うようになっている。
しかし、動いている被写体を撮影する場合などにおいては、このようにフォーカスを合わせる位置が固定されていては都合が悪い。そこで、例えば、テレビカメラなどで、スポーツのように被写体の動きの激しいシーンを撮影する場合において、被写体にピントを合わせる目的でAFエリア(AF枠)を被写体に自動追尾させるAF枠自動追尾システムが知られている(例えば、特許文献1等参照)。尚、本明細書では、AFエリアの範囲の輪郭を示すAF枠をAFエリアと同様にピントを合わせる被写体の範囲を意味する用語として主に使用するものとする。
また、撮像された画像中から人物の顔を表す画像を検出し、その被写体となった顔に対して自動的にピントを合わせたり、あるいは上記検出された画像中の顔を表す領域が拡大されるように自動的にズーム倍率を変更させるデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2006−267221号公報
特開2004−320286号公報
ところで、上記のように所定の被写体にAF枠を自動追尾させるAF枠自動追尾を開始する場合、操作者は、ピントを合わせる被写体、即ち、追尾対象の被写体を指定する必要がある。そのため、操作者は、撮影範囲内でのAF枠の位置をジョイスティック等の操作装置で移動させ、AF枠の位置を追尾対象としたい被写体の位置に合わせるという操作を行う。そして、追尾開始スイッチのオン操作などによって、現在のAF枠の範囲内の被写体を追尾対象の被写体として設定(確定)すると共に、AF枠自動追尾の開始を指示するための操作を行っている。
しかしながら、上記のようにAF枠の位置を追尾対象の被写体の位置に設定する操作は、手間や時間を要するという問題がある。また、取材などで使用される肩担ぎタイプのテレビカメラ(ハンディカメラ)では、AF枠を操作するための操作装置を操作者(カメラマン)が操作し易い場所に設置することも難しいという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、AF枠自動追尾を開始する際の煩雑な操作を不要にし、ハンディカメラのようなAF枠操作装置の設置がスペース上困難な小型のカメラにおいても適用することができるAF枠自動追尾システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係るAF枠自動追尾システムは、光学系により結像された被写体像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮影画像のうち、所定のAF枠の範囲の被写体にピントが合うように前記光学系のフォーカス調整を行うオートフォーカス手段と、所定の追尾対象の被写体にピントが合うように前記AF枠を前記追尾対象の被写体に自動追尾させるAF枠自動追尾手段を備えたAF枠自動追尾システムにおいて、前記AF枠自動追尾手段による自動追尾の開始と停止を操作者が指示するための指示手段と、前記指示手段により自動追尾の開始が指示された際に、前記AF枠の範囲内の被写体を前記追尾対象の被写体として設定する追尾対象設定手段と、前記自動追尾を実行していない場合には、前記AF枠の範囲を前記撮影画像の中心に対応する位置に固定するAF枠固定手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2に係るAF枠自動追尾システムは、請求項1に記載の発明において、前記AF枠自動追尾手段は、前記追尾対象の被写体が人物の顔であるか否かを顔検出処理により検出し、人物の顔であることを検出した場合には、逐次撮像される撮影画像の中から追尾対象の顔を顔検出処理により検出し、該追尾対象の顔に前記AF枠を自動追尾させることを特徴としている。
請求項3に係るAF枠自動追尾システムは、請求項2に記載の発明において、前記AF枠自動追尾手段は、前記追尾対象の被写体が人物の顔でないことを検出した場合には、追尾対象の被写体の画像を記憶すると共に、逐次撮像される撮影画像の中から追尾対象の被写体の画像をパターンマッチング処理により検出し、該追尾対象の被写体に前記AF枠を自動追尾させることを特徴としている。
請求項4に係るAF枠自動追尾システムは、請求項1、2、又は、3に記載の発明において、前記AF枠自動追尾システムは、ハンディタイプのカメラに搭載されることを特徴としている。
請求項5に係るAF枠自動追尾システムは、請求項4に記載の発明において、前記AF枠の位置を変更するAF枠操作装置を有していないことを特徴としている。
本発明によれば、AF枠自動追尾が実行されていない場合には、AF枠が撮影画像の中央に固定される。操作者(カメラマン)は、所定の被写体を追尾対象としてAF枠自動追尾を実行したい場合には、その被写体がAF枠の範囲に含まれるようにパン/チルト操作等のカメラの撮影画角操作を行い、AF枠自動追尾の開始を指示すれば、その被写体が追尾対象としてAF枠自動追尾が開始されるようになる。従って、AF枠自動追尾を開始する際の煩雑な操作(追尾対象を指定するためのAF枠の操作)が不要となる。
本発明によれば、AF枠自動追尾を開始する際の煩雑な操作が不要となり、ハンディタイプのカメラのようなAF枠操作装置の設置がスペース上困難な小型のカメラにおいても適用することができるようになる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るAF枠自動追尾システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るAF枠自動追尾システムの全体構成を示したブロック図である。同図のAF枠自動追尾システム1には、例えばハンディタイプのテレビカメラ10と、AF枠自動追尾装置を構成する画像処理ユニット18及びAF枠操作部20とから構成されている。
テレビカメラ10は、ハイビジョンテレビ[HD(High Definition)TV]方式に対応したHDカメラからなるカメラ本体14と、カメラ本体14のレンズマウントに装着される撮影レンズ(光学系)を備えたレンズ装置12とから構成される。
カメラ本体14には、撮像素子(例えばCCD)や所要の信号処理回路等が搭載されており、レンズ装置12の撮影レンズにより結像された像は、撮像素子により光電変換された後、信号処理回路によって所要の信号処理が施されてHDTV方式の映像信号(HDTV信号)として、カメラ本体14の映像信号出力端子等から外部に出力される。
また、カメラ本体14には、ビューファインダ16が設置されており、そのビューファインダ16にテレビカメラ10の撮影映像が表示されるようになっている。また、ビューファインダ16には、撮影映像以外の各種情報が表示されるようになっており、例えば、現在の設定されているAF枠の範囲(位置、大きさ、形状)を示す画像(枠画像)が撮影映像に重畳されて表示されるようになっている。AF枠はオートフォーカス(AF)によりピントを合わせる被写体の範囲(輪郭)を示す。
レンズ装置12は、カメラ本体14のレンズマウントに装着される撮影レンズ(ズームレンズ)を備えており、その撮影レンズにより、被写体30がカメラ本体14の撮像素子の撮像面に結像されるようになっている。撮影レンズには、図示を省略するが、その構成要素としてフォーカスレンズ群、ズームレンズ群、絞りなどの撮影条件を調整するための可動部が設けられており、それらの可動部は、モータ(サーボ機構)によって電動駆動されるようになっている。例えば、フォーカスレンズ群やズームレンズ群は光軸方向に移動し、フォーカスレンズ群が移動することによってフォーカス(被写体距離)調整が行われ、またズームレンズ群が移動することによって焦点距離(ズーム倍率)調整が行われる。
尚、AFに関するシステムにおいては、少なくともフォーカスレンズ群が電動で駆動できればよく、その他の可動部は手動でのみ駆動可能であってもよい。
また、レンズ装置12には、AFユニット40及び図示しないレンズCPU等が搭載されている。レンズCPUはレンズ装置12全体を統括制御するものである。また、AFユニット40は、AFによるフォーカス制御(自動ピント調整)を行うために必要な情報を取得するための処理部であり、図示を省略するが、AF処理部、AF用撮像回路等から構成されている。
AF用撮像回路はAF処理用の映像信号を取得するためにレンズ装置12に配置されており、CCD等の撮像素子(AF用撮像素子という)やAF用撮像素子の出力信号を所定形式の映像信号として出力する処理回路等を備えている。尚、AF用撮像回路から出力される映像信号は輝度信号である。
AF用撮像素子の撮像面には、撮影レンズの光路上に配置されたハーフミラー等によってカメラ本体14の撮像素子に入射する被写体光から分岐された被写体光が結像するようになっている。AF用撮像素子の撮像エリアに対する撮影範囲及び被写体距離(ピントが合う被写体の距離)は、カメラ本体14の撮像素子の撮像エリアに対する撮影範囲及び被写体距離に一致するように構成されており、AF用撮像素子により取り込まれる被写体画像は、カメラ本体14の撮像素子により取り込まれる被写体画像と一致している。なお、両者の撮影範囲に関しては完全に一致している必要はなく、例えば、AF用撮像素子の撮影範囲の方がカメラ本体14の撮像素子の撮影範囲を包含する大きな範囲であってもよい。
AF処理部は、AF用撮像回路から映像信号を取得し、その映像信号に基づいてAFの対象範囲とするAFエリア(AF枠)の範囲内における被写体画像のコントラストの高低を示す焦点評価値を算出する。例えば、AF用撮像素子から得られた映像信号から高域周波数成分の信号をハイパスフィルタによって抽出した後、その高域周波数成分の信号のうち後述のようにして設定されるAFエリアに対応する範囲の信号を1画面(1フレーム)分ずつ積算する。このようにして1画面分ごとに得られる積算値はAFエリア内の被写体画像のコントラストの高低を示し、その積算値が焦点評価値としてレンズCPUに与えられる。
レンズCPUは、AFエリアの範囲(輪郭)を示すAF枠の情報(AF枠情報)を、後述するように画像処理ユニット18から取得し、そのAF枠情報により指定されたAF枠内の範囲をAFエリアとしてAF処理部に指定する。そして、そのAFエリア内の画像(映像信号)により求められる焦点評価値をAF処理部から取得する。
このようにしてAF用撮像回路から1画面分の映像信号が取得されるごとに(AF処理部で焦点評価値が求められるごとに)AF処理部から焦点評価値を取得すると共に、取得した焦点評価値が最大(極大)、即ち、AF枠内の被写体画像のコントラストが最大となるようにフォーカスレンズ群を制御する。例えば、焦点評価値に基づくフォーカスレンズ群の制御方式として山登り方式が一般的に知られており、フォーカスレンズ群を焦点評価値が増加する方向に移動させて行き、焦点評価値が減少し始める点を検出すると、その位置にフォーカスレンズ群を設定する。これにより、AF枠内の被写体に自動でピントが合わせられる。
尚、上述のAF処理部は、焦点評価値を算出するために、レンズ装置12に搭載されたAF用撮像素子から映像信号を取得しているが、カメラ本体14の撮像素子より撮影された映像の映像信号をカメラ本体14から取得するような構成としてもよい。また、AF枠内の被写体に自動でピントを合わせるためのAF手段はどのようなものであってもよい。
ここで、AFエリア200は、図2に示すようにカメラ本体14における撮像素子の撮像エリア202(又は撮影範囲)に対して四角形状の領域として設定され、その輪郭を示す枠204がAF枠を示し、撮像素子のAFエリア200(AF枠204内)の範囲で撮影される被写体がAFによりピントを合わせる対象となる。
尚、本明細書では、撮像エリア202に対するAF枠204(AFエリア200)の範囲は、AF枠204の位置、大きさ、及び、形状(縦横比)の3つの要素によって決まるものとし、AF枠の位置、大きさ、及び、形状の3つの要素のうち、少なくとも1つの要素が変更された場合にはAF枠の範囲が変更されたものとする。
また、レンズ装置12は、ケーブルを介して、又は、直接的にカメラ本体14と接続され、レンズ装置12とカメラ本体14の各々に設けられたシリアル通信インターフェース(SCI)12a、14aを通じて各種情報のやり取りが行えるようになっている。これによりAFユニット40において現在設定されているAF枠の情報もカメラ本体14に送信され、カメラ本体14内での処理によってビューファインダ16に表示される撮影映像に現在設定されているAF枠の位置、大きさ、形状に対応したAF枠の画像が重畳表示されるようになっている。
画像処理ユニット18は、AF枠制御装置の構成要素であり、例えば、筐体内に納められて、レンズ装置12の撮影レンズの鏡胴側部やカメラ本体14の筐体外壁面等に設置される。尚、画像処理ユニット18をレンズ装置12やカメラ本体14に設置する位置はこれに限らず他の任意の位置に設置するようにしてもよく、また、レンズ装置12やカメラ本体14以外の部分に配置するようにしてもよい。
画像処理ユニット18は、SCI54を備えており、そのSCI54は、レンズ装置12に接続され、SCI12aを通じてレンズCPUとの間で各種信号のやり取りが行えるようになっている。これにより、AF枠の範囲を指定するAF枠情報が画像処理ユニット18からレンズ装置12のレンズCPUに与えられ、そのAF枠情報に基づいてAFユニット40におけるAF枠の範囲が設定される。
また、画像処理ユニット18には映像信号を取り込むための映像入力コネクタが設けられており、その映像入力コネクタにカメラ本体14の映像出力コネクタがダウンコンバータ42を介してケーブルで接続される。これによって、カメラ本体14の映像出力コネクタから出力されたHDTV信号が、ダウンコンバータ42によって、標準テレビ[NTSC(National Television System Committee)]方式の映像信号(SDTV信号)に変換(ダウンコンバート)されて、画像処理ユニット18に入力されるようになっている。
詳細は後述するが画像処理ユニット18は、AF枠自動追尾処理を実行する際に、カメラ本体14から入力された映像信号から1コマ分の撮撮画像を順次取り込み、撮影画像の中から所定の追尾対象の被写体を検出する処理を行う。そして、AFによりその被写体にピントが合わせられるようにAF枠の範囲を決定し、決定したAF枠の範囲をレンズ装置12のレンズCPUに送信する。尚、画像処理ユニット18の構成及び処理内容については後述する。
AF枠操作部20は、AF枠制御装置の構成要素であり、画像処理ユニット18と一体の装置として設けられる。尚、AF枠操作部20の一部又は全てが、画像処理ユニット18とは別体の装置として構成され、画像処理ユニット18とケーブル等で接続される態様であってもよい。本実施の形態では、AF枠の大きさを手動操作により変更するためのサイズ操作部材60(例えば、ツマミ)、AF枠の形状を手動操作により変更するための形状操作部材62(例えば、ツマミ)、AF枠自動追尾の開始を指示する追尾開始スイッチ64、AF枠自動追尾の停止を指示する追尾停止スイッチ66が設けられており、これらの操作部材60、62、64、66の設定状態が、画像処理ユニット18(CPU50)により読み取られるようになっている。
尚、本実施の形態では、AF枠操作部20の操作部材として、AF枠の位置をユーザの手動操作により上下左右に移動させるための位置操作部材(例えば、ジョイスティックやトラックボール)は設けられていない。これはスペースが確保できない場合に対応したもので、もし、位置操作部材を設けるスペースがあれば位置操作部材を設けて、AF枠の位置もマニュアルで変更できるようにしてもよい。ただし、本願発明では、必ずしも必要ではない。
次に画像処理ユニット18の構成及び処理内容について説明する。
画像処理ユニット18は、画像処理ユニット18における処理を統括的に行うCPU50、デコーダ(A/D変換器)52、SCI54等を備えている。
SCI54は、上述のようにレンズ装置12のSCI12aとの間でシリアル通信を行うためのインターフェース回路であり、上記AF枠情報等をレンズ装置12に送信する。
デコーダ52は、上記ダウンコンバータ42から画像処理ユニット18に入力されるテレビカメラ10の撮影映像の映像信号(SDTV信号)を、画像処理ユニット18においてデジタル処理可能なデータに変換するための回路であり、アナログのSDTV信号をデジタルデータの映像信号に変換するA/D変換処理等を行っている。
尚、画像処理ユニット18は、CPU50により書込み・読出し可能なメモリ等も備えており、処理データの記憶などに適宜使用される。
続いて、上記のごとく構成された画像処理ユニット18によるAF枠自動追尾の処理について説明する。図3は、画像処理ユニットのCPUにおけるAF枠自動追尾の処理手順を示したフローチャートである。CPU50は、AF枠自動追尾を実行していない状態では、まず、AF枠の範囲を設定するAF枠設定処理を行う(ステップS8)。このAF枠設定処理では、AF枠の位置(中心位置)を撮影範囲(撮像エリア)の中心位置となるように設定すると共に、AF枠の大きさと形状を、AF枠操作部のサイズ操作部材60と、AF枠の形状を手動操作により変更するための形状操作部材62の設定状態に従って設定する。そして、このようにして設定したAF枠の範囲(位置、大きさ、形状)を示すAF枠情報をSCI54を通じてレンズ装置12のレンズCPUに送信する。これによって、レンズ装置12のAFユニット40において設定されるAF枠の範囲がAF枠情報により指定した範囲となる。
続いてCPU50は、デコーダ52から1コマ分の撮影画像の画像データを取り込む(ステップS10)。そして、その撮影画像の中に含まれる任意の人物の顔(顔画像)を検出する周知の顔検出処理を行う(ステップS12)。尚、AF枠の範囲を含むAF枠の周辺部分に限定して顔検出処理を行うようにしてもよい。
次にCPU50はAF自動追尾の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS14)。AF枠自動追尾の開始の指示は、図1におけるAF枠操作部の追尾開始スイッチ64をオン(押下操作)することによって操作者が行う操作である。このステップS14の判定処理においてNOと判定した場合には、ステップS8の処理に戻り、ステップS8の処理から繰り返し実行する。
一方、ステップS14の判定処理においてYESと判定した場合には、AF枠自動追尾を実行するための処理を開始する。まず、ステップS12における顔検出処理によりAF枠内に顔が検出されたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、検出された顔の一部がAF枠の範囲内となっている場合には、その顔がAF枠内に検出されたものとする。
このステップS16においてNOと判定した場合には、ステップS20〜ステップS30のパターンマッチング処理によるAF自動追尾の処理に移行し、YESと判定した場合には、ステップS40〜ステップS50の顔検出処理によるAF枠自動追尾の処理に移行する。
ここで、上記のようにAF自動追尾の実行に移行するまでの操作者(カメラマン)の操作について説明すると、AF自動追尾が実行されていない状態ではステップS8のAF枠設定処理によりAF枠が撮影画像(撮影画角)の中央に固定された状態となっている。操作者は、まず、そのAF枠の範囲内に追尾対象としたい被写体が含まれるようにテレビカメラの撮影画角をパン/チルト操作などによって設定する。そして、AF枠の範囲内にその追尾対象としたい被写体が含まれる状態となった場合には、自動開始スイッチを押す。これによって、AF枠の範囲内に設定したその被写体が追尾対象の被写体としてAF枠自動追尾が開始するようになっている。
また、操作者は、追尾対象としたい被写体が、顔であるか否かを意識することなく、追尾対象としたい被写体をAF枠の範囲内となるように撮影画角を操作すれば、その被写体が顔であるか否かが自動的に判断され、顔であれば顔検出処理によるAF枠自動追尾が自動的に選択されて実行され、顔以外であればパターンマッチング処理によるAF枠自動追尾が自動的に選択されて実行されるようになっている。
図3のフローチャートのステップS16においてNOと判定した場合、即ち、AF枠の範囲内に設定された追尾対象の被写体が顔以外の物体と判定した場合には、ステップS20〜ステップS30のパターンマッチング処理によるAF自動追尾の処理を開始する。この場合、CPU50は、まず、ステップS10により取り込んだ撮影画像のうちAF枠の範囲内の画像を基準パターンの画像として登録(記憶)する(ステップS20)。そして、以下のステップS22〜S30の処理を繰り返し実行する。
基準パターンの画像を登録すると、CPU50は、デコーダ52から1コマ分の撮影画像の画像データを取り込む(ステップS22)。そして、パターンマッチング処理を行って、撮影画像の中から基準パターンの画像に一致する画像範囲を検出する(ステップS24)。
続いて、CPU50は、基準パターンの画像が移動したか否か、即ち、基準パターンを検出した画像範囲が、現在設定されているAF枠の範囲と相違しているか否かを判定する(ステップS26)。尚、撮影画像内での基準パターンの画像の大きさが変化した場合もこの判定処理でYESと判定される。
ステップS26においてYESと判定した場合には、ステップS24において検出した画像範囲を新たなAF枠の範囲として設定(更新)し、そのAF枠の範囲を示すAF枠情報をレンズ装置12のレンズCPUに送信する(ステップS28)。
また、ステップS24において検出した画像範囲の画像を新たな基準パターンの画像として更新する(ステップS30)。
ステップS26においてNOと判定した場合には、ステップS28におけるAF枠の更新は行わず、ステップS30における基準パターンの更新のみを行う。
ステップS30の処理が終了すると、ステップS22の処理に戻る。
尚、操作者によりAF枠自動追尾の停止を指示する操作、即ち、追尾停止スイッチがオンされると、AF枠自動追尾の処理を停止し、ステップS10に戻る。即ち、AF枠が撮像範囲の中央に戻されて固定され、AF枠自動追尾が実行されなくなる。
一方、ステップS16においてYESと判定した場合、即ち、AF枠の範囲内に設定された追尾対象の被写体が顔であると判定した場合には、ステップS40〜ステップS50の顔検出処理によるAF枠自動追尾の処理を開始する。この場合、CPU50は、まず、AF枠の範囲内に検出された顔に適合する位置、大きさ、形状の範囲となるようにAF枠の範囲を変更(更新)する(ステップS40)。例えば、その顔をステップS12の顔検出処理により検出した際の顔と認識した範囲をAF枠の範囲に変更する。そして、ステップS42〜ステップS50の処理を繰り返す。
CPU50は、AF枠の範囲を更新すると、デコーダ52から1コマ分の撮影画像の画像データを取り込む(ステップS42)。そして、ステップS12と同様に、その撮影画像の中に含まれる任意の人物の顔を検出する顔検出処理を行う(ステップS44)。
続いて、CPU50は、検出された顔画像の範囲のうち、現在設定されているAF枠の範囲に最も近接したものを追尾対象の顔画像の範囲として検出する(ステップS46)。尚、ステップS40において、顔を検出する範囲を撮影画像全体の範囲ではなく、現在設定されているAF枠の位置の周辺部分に制限してもよい。
そして、CPU50は、追尾対象の顔が移動したか否か、即ち、検出した顔画像の範囲が、現在設定されているAF枠の範囲と相違しているか否かを判定する(ステップS48)。尚、顔画像の大きさが変化した場合もこの判定処理でYESと判定される。
ステップS48においてYESと判定した場合には、ステップS46において検出した顔画像の範囲を新たなAF枠の範囲として設定(更新)、そのAF枠の範囲を示すAF枠情報をレンズ装置12のレンズCPUに送信する(ステップS50)。そして、ステップS42の処理に戻る。ステップS48においてNOと判定した場合には、ステップS50におけるAF枠の更新は行わず、ステップS42の処理に戻る。
尚、操作者によりAF枠自動追尾の停止を指示する操作、即ち、追尾停止スイッチがオンされると、AF枠自動追尾の処理を停止し、ステップS10に戻る。即ち、AF枠が撮像範囲の中央に戻されて固定され、AF枠自動追尾が実行されなくなる。
1…AF枠自動追尾システム、10…テレビカメラ、12…レンズ装置、14…カメラ本体、16…ビューファインダ、18…画像処理ユニット、20…AF枠操作部、40…AFユニット、50…CPU、52…デコーダ、60…サイズ操作部材、62…形状操作部材、64…追尾開始スイッチ、66…追尾停止スイッチ
Claims (5)
- 光学系により結像された被写体像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮影画像のうち、所定のAF枠の範囲の被写体にピントが合うように前記光学系のフォーカス調整を行うオートフォーカス手段と、所定の追尾対象の被写体にピントが合うように前記AF枠を前記追尾対象の被写体に自動追尾させるAF枠自動追尾手段を備えたAF枠自動追尾システムにおいて、
前記AF枠自動追尾手段による自動追尾の開始と停止を操作者が指示するための指示手段と、
前記指示手段により自動追尾の開始が指示された際に、前記AF枠の範囲内の被写体を前記追尾対象の被写体として設定する追尾対象設定手段と、
前記自動追尾を実行していない場合には、前記AF枠の範囲を前記撮影画像の中心に対応する位置に固定するAF枠固定手段と、
を備えたことを特徴とするAF枠自動追尾システム。 - 前記AF枠自動追尾手段は、前記追尾対象の被写体が人物の顔であるか否かを顔検出処理により検出し、人物の顔であることを検出した場合には、逐次撮像される撮影画像の中から追尾対象の顔を顔検出処理により検出し、該追尾対象の顔に前記AF枠を自動追尾させることを特徴とする請求項1のAF枠自動追尾システム。
- 前記AF枠自動追尾手段は、前記追尾対象の被写体が人物の顔でないことを検出した場合には、追尾対象の被写体の画像を記憶すると共に、逐次撮像される撮影画像の中から追尾対象の被写体の画像をパターンマッチング処理により検出し、該追尾対象の被写体に前記AF枠を自動追尾させることを特徴とする請求項2のAF枠自動追尾システム。
- 前記AF枠自動追尾システムは、ハンディタイプのカメラに搭載されることを特徴とする請求項1、2、又は、3のAF枠自動追尾システム。
- 前記AF枠の位置を変更するAF枠操作装置を有していないことを特徴とする請求項4のAF枠自動追尾システム。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20100618 |