JP2010141784A - 表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、補正値処理方法 - Google Patents
表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、補正値処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】少なくとも2以上の画素に対して、各画素から等距離の位置に光センサを設ける。そして一方の画素の発光輝度と他方の画素の発光輝度を、等距離に配置された1つの光センサで検出することで、光センサの検出ばらつきの影響の無い補正値を算出する。さらに他の画素に対しても、既に補正値を更新した画素を一部に用いながら順次連鎖的に補正値を求めていくことで、表示画面を構成する全画素について、光センサの検出ばらつきの影響を排除した補正値を得る。表示実行中はダミー画素を用いて画素劣化を判定し、劣化状況に応じて補正値を修正する。
【選択図】図15
Description
画素の発光輝度のばらつきは、パネル製造時の初期状態でも生じるが、経時変化によっても生じる。
しかしながら、上記特許文献1,2のように、1つの画素について、その画素回路内に1つのセンサを設けて輝度検出を行う方式の場合、光センサ同士の検出ばらつきが生じてしまう。光センサ自体も初期状態或いは経時劣化により検出特性の変動があるため、各光センサ同士での検出ばらつきは排除できない。
すると光センサ同士のばらつきの影響が補正に表れ、適切に画素の発光輝度のばらつきを解消することができないこととなる。
また、上記信号処理部は、上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、上記ダミー画素についても、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて補正した表示データ信号を与えて発光させるようにする。
また、ダミー画素の発光輝度の測定値を格納するダミー測定値格納部をさらに備え、上記信号処理部は、上記補正値更新処理の際に、上記ダミー画素の発光輝度を検出し、検出した発光輝度を、上記ダミー測定値格納部に記憶された前回の補正値更新処理の際に測定した発光輝度と比較して発光輝度の変化値を求めるととともに、上記ダミー測定値格納部の測定値を今回の測定値に更新する処理を行う。
また上記発光画素は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いた画素である。
これを、さらに他の画素に対しても、既に補正値を更新した画素を一部に用いながら順次連鎖的に実行していけば、補正対象とする全画素について、光センサの検出ばらつきの影響を排除した補正値を得ることができる。
このような補正値設定処理は、例えばパワーオン時/パワーオフ時など、通常の表示動作を行わない期間に行うことになる。
一方、通常の表示動作実行中には、ダミー画素を用いて劣化の進行具合を検出し、それに基づいて有効画素(画面有効領域を形成する発光画素)の劣化を予測して、補正値を修正していく。
機器の用い方によっては、通常表示動作が長時間にわたることもある。例えば常時表示を実行している表示装置の場合、上記のパワーオン時等の補正値の設定の機会がなかなか訪れないという事態が生ずる。また通常の表示動作実行中は、有効画素は表示データ信号に基づく発光動作中であるので、有効画素に補正値設定のための基準表示データ信号値を与えることもできない。ところが長時間の表示継続により、画素の劣化が生じ、発光輝度が変化していく。このような場合、補正値が適正な値ではなくなってしまう場合がある。
そこで、通常の表示動作実行中は、ダミー画素を用いて劣化進行具合を判定し、それに基づいて有効画素の劣化を予測し、補正値を修正していく。
このようにすることで、長時間、補正値設定処理ができなくても、適宜、補正値修正更新が行われ、適切な補正値が保持された状態とすることができる。
さらに通常の表示動作実行中にも、逐次補正値を修正する補正値更新処理が行われる。このため、長時間、パワーオン時等の補正値設定処理ができなくても、補正値が修正されることになり、各画素の劣化の進行等による画面上の輝度ムラ等の発生を抑えることができる。これらのことから、高品質な表示画像を得ることができる。
[1.有機EL表示装置の構成]
[2.パワーオン/オフ時の補正係数設定処理]
[3.補正係数設定処理例]
[4.通常の表示動作実行中の処理]
[5.第1の補正係数更新処理例]
[6.第2の補正係数更新処理例]
[7.変形例]
図1に実施の形態の表示装置1の要部の構成を示す。
本例の表示装置1は、有機EL素子を発光素子として用いるディスプレイパネルとして有機ELパネル5を有する。有機ELパネル5は、ゲートドライバ3及びデータドライバ4によって表示駆動される。
メモリ部6においては、記憶領域として、ダミー測定値格納部6a、補正係数格納部6b、画素信号積算値格納部6cが設けられる。
ダミー測定値格納部6aは、有機ELパネル5に形成されている後述するダミー画素についての発光輝度の測定値を格納する。
補正係数格納部6は、有機ELパネル5における各画素に対応した補正値として補正係数を格納する。この補正係数は、画素間の輝度ばらつきを解消するために設定された補正係数である。
画素信号積算値格納部6cは、各画素に与える表示データ信号値の積算値を格納する。各画素毎に例えば毎フレーム、又は所定間隔毎に、信号処理部2が表示データ信号値を積算していく。これは、或る期間において各画素に与える表示データ信号値の平均値を求めるための情報となり、また、その平均値は各画素毎に発光輝度の劣化の進行具合を予測させる情報とされる。
なお、補正係数格納部6bに格納する補正値は乗算係数に限られず、例えば表示データ信号値に対して加減算を行う補正値などでもよい。
或いは補正係数格納部6bに格納する補正値は、表示データ信号の階調値自体を補正するものではなく、例えばデータドライバ4、ゲートドライバ3によって制御される画素回路の発光時間の制御値などであってもよい。その場合、信号処理部2は、補正値に基づいた発光期間制御信号をゲートドライバ3、データドライバ4に与えればよい。
いずれにしても補正係数格納部6bに格納する補正値は、各画素毎に発光輝度を調整するための値であればよい。
仮に全画素を同一の表示データ信号値(階調値)で発光させると、本来は画面上では輝度ムラは生じないはずであるが、実際には各画素の経時劣化の進行具合等により、各画素には発光輝度ムラが生じる。
そのような各画素間の輝度ばらつきを解消する補正係数が設定され、補正係数格納部6に記憶されていれば、信号処理部2がその補正係数を用いて表示データ信号値の補正を行うことで、画面上の輝度ムラが解消されることになる。
信号処理部2は、後述するように、有機ELパネル5内に多数配置されている光センサの検出値を用いて補正係数格納部6に記憶されている補正係数の設定を行う。例えばパワーオンの際などに補正係数設定処理を行う。その際、信号処理部2は検出信号生成部7から、所定の光センサの検出値を取り込むことになる。
また信号処理部2は、逐次所定時点(例えば一定時間毎など)に、補正係数を修正する補正係数更新処理を行う。この場合も、信号処理部2は検出信号生成部7から、所定の光センサ(ダミー画素に対する光センサ)の検出値を取り込むことになる。
図2に有機ELパネル5、ゲートドライバ3、データドライバ4の構成の一例を示す。有機ELパネル5は、有機EL素子を発光素子とし、アクティブマトリクス方式で発光駆動を行う画素回路10を含むものである。
またデータドライバ4により選択され、表示データ信号の信号値(階調値)に応じた電圧を画素回路10に供給する信号線DTL1、DTL2・・・が、画素アレイ上で列方向に配されている。信号線DTL1、DTL2・・・は、画素アレイにおいてマトリクス配置された画素回路10の列数分だけ配される。
書込制御線WSL(WSL1,WSL2・・・)はライトスキャナ12により駆動される。ライトスキャナ12は、設定された所定のタイミングで、行状に配設された各書込制御線WSL1,WSL2・・・に順次、走査パルスWS(WS1,WS2・・・)を供給して、画素回路10を行単位で線順次走査する。
電源制御線DSL(DSL1,DSL2・・・)はドライブスキャナ11により駆動される。ドライブスキャナ11は、ライトスキャナ12による線順次走査に合わせて、行状に配設された各電源制御線DSL1,DSL2・・・に駆動電位(Vcc)、初期電位(Vini)の2値に切り替わる電源電圧としての電源パルスDS(DS1,DS2・・・)を供給する。
データドライバ4は、ライトスキャナ12による線順次走査に合わせて、列方向に配された信号線DTL1、DTL2・・・に対して、画素回路10に対する入力信号としての信号電位(Vsig)と基準電位(Vofs)を供給する。
画素回路10の発光素子は例えばダイオード構造の有機EL素子15とされ、アノードとカソードを備えている。有機EL素子15のアノードは駆動トランジスタTrDのソースsに接続され、カソードは所定の接地配線(カソード電位Vcath)に接続されている。
サンプリングトランジスタTrSは、そのドレインとソースの一端が信号線DTLに接続され、他端が駆動トランジスタTrDのゲートに接続される。またサンプリングトランジスタTrSのゲートは書込制御線WSLに接続されている。
駆動トランジスタTrDのドレインは電源制御線DSLに接続されている。
信号線DTLに信号電位Vsigが印加されたタイミングで、サンプリングトランジスタTrSが書込制御線WSLによってライトスキャナ12から与えられる走査パルスWSによって導通される。これにより信号線DTLからの入力信号Vsigが保持容量Csに書き込まれる。駆動トランジスタTrDは、ドライブスキャナ11によって駆動電位Vccが与えられている電源制御線DSLからの電流供給により、保持容量Csに保持された信号電位に応じた電流IELを有機EL素子15に流し、有機EL素子15を発光させる。
このため、各画素回路10毎に、入力信号電位Vsigに対する発光輝度のばらつきがあったとしても、入力信号電位Vsig自体が補正されていることにより、各画素回路10においては、それぞれ求められる本来の輝度の発光が行われる。これによって画面表示上での輝度ムラが解消されることになる。
ところで、そのように表示データ信号の信号値補正によって画面上での輝度ムラを解消させるためには、補正係数が適切に設定されていることが前提となる。
特に各画素回路10毎の発光輝度のばらつき具合は、経時劣化によっても変化するため、補正係数格納部6bに記憶された補正係数も、適宜更新されていかなければ、常に輝度ムラのない高品質な画面表示を行うことができない。
ユーザの操作、もしくはシステム接続された機器からの指令、或いは表示装置1内部のタイマー機能などにより、図1には示していない表示装置1の制御部が、パワーオン要求の発生を認識すると、図4(a)の処理が行われる。
即ち図示しない制御部は、ステップF101として、電源回路から各部への電源供給を開始させると共に、所要の起動処理を行う。また制御部は、信号処理部2に補正係数設定処理を指示する。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全R画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全R画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
またステップF103でG画素についての補正係数設定処理を行う。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全G画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全G画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
さらにステップF104としてB画素についての補正係数設定処理を行う。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全B画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全B画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
これらの補正係数設定処理により、補正係数格納部6bに格納されている、各画素回路10毎の補正係数がその時点で適切な値に設定されたことになる。具体的な補正係数設定処理例については後述する。
これによって通常の表示状態においては、最新の補正係数によって補正された表示データ信号に基づき、輝度ムラのない表示動作が行われる。
例えば制御部は、ユーザ操作、タイマー機能、システム接続機器からの指示等として、表示装置1の電源オフの要求が発生した場合に、図4(b)の処理を行う。
まずステップF201で、信号処理部2に対して通常の表示動作を終了させる指示を行う。また制御部は、信号処理部2に補正係数設定処理を指示する。
信号処理部2はステップF202として、有機ELパネル5におけるR画素についての補正係数設定処理を行う。またステップF203でG画素についての補正係数設定処理を行い、さらにステップF204としてB画素についての補正係数設定処理を行う。
これらの補正係数設定処理により、補正係数格納部6bに格納されている各画素回路10毎の補正係数がその時点で適切な値に設定される。
その後制御部はステップF205で、所要の終了処理を行い、また電源回路に各部への電源供給を停止させる指示を行って電源オフ状態とする。
以下、具体的な補正係数設定処理例について説明していく。なお、図4(a)(b)では、R、G、Bの各画素群について順次補正係数設定処理を行うとしたが、補正係数設定処理自体は同様であるため、以下ではR画素群に対する補正係数設定処理についてのみ述べる。即ち図4(a)のステップF102又は図4(b)のステップF202の処理である。ステップF103,F104、又はステップF203,F204の処理は、対象とする画素群及び使用する光センサが異なるのみで、以下説明する補正係数設定処理が同様に行われると理解すればよい。
まず図5、図6で画素及び光センサの配置を説明する。
図5は有機ELパネル5の画素アレイでの画素及び光センサの配置を模式的に示している。方形で示すR画素、G画素、B画素は、それぞれ図2,図3で説明した画素回路10に相当する。
当該画素アレイでは、R画素、G画素、B画素の3つの画素によるユニットが、垂直方向にM個、水平方向にN個配設されているとする。
第1行目で第1列(ユニット単位の先頭列)のR画素、G画素、B画素を、画素R11,G11,B11とする。
第1行目で第N列(ユニット単位の最終列)のR画素、G画素、B画素を、画素R1N,G1N,B1Nとする。
第M行目(最終行)で第1列のR画素、G画素、B画素を、画素RM1,GM1,BM1とする。
第M行目で第N列のR画素、G画素、B画素を、画素RMN,GMN,BMNとする。
この例の場合、ユニット単位の最終列であるR画素(R1N〜RMN)、G画素(G1N〜GMN)、B画素(B1N〜BMN)は、有効画素領域AA外とされており、これがダミー画素とされる。
一方、通常の表示動作実行中には、例えば一定時間間隔毎に、後述する補正係数更新処理を行う。これは通常の表示動作が長時間に及んでも、つまり、補正係数設定処理を行う機会がなかなか訪れなくても、適宜補正係数を修正していくことで、補正係数が画素劣化へ的確に対応した値となるようにする処理である。ダミー画素は、この通常の表示動作実行中の補正係数更新処理の際に用いる画素となる。
しかしながら、パネル製造プロセス上の都合により、余分な他のダミー画素を含めて1列分のダミー画素を形成することはかまわない。
また、第1の補正係数更新処理の変形例や、第2の補正係数更新処理として、R、G、Bそれぞれについて複数のダミー画素を用いる例も述べる。
また図5の例では、ダミー画素はR、G、Bそれぞれの最終列の画素としたが、以上のことから、少なくとも1つ(R、G、Bで合計3つ)のダミー画素を形成する場合もあるし、ダミー画素の位置は有効画素領域AA外とする位置ならどこでも良い。例えば先頭列側、或いは先頭行又は最終行の画素としてもよい。
なお、○で示す「画素補正センサ」と●で示す「列補正センサ」とは、説明の便宜上、区別しているにすぎず、同一の構造の光センサでよい。もちろん異なる構造であってもよい。
列補正センサS01、S02、S03・・・、及び画素補正センサS11、S12、S13・・・が、図のように配設されている。
この例では、1つの画素補正センサは、2つの画素から等距離の位置に配置される。例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21の中間位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21とR31の中間位置とされる。
即ち列方向に隣接する2つのR画素から等距離の位置に、それぞれ画素補正センサが配置されている。G画素の列、B画素の列についても同様である。
この画素補正センサは、上下に隣接する画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
またG画素の列、B画素の列についても同様に列補正センサが設けられる。例えば列補正センサS02は、画素G11とG12から等距離の位置とされ、列補正センサS03は画素B11とB12から等距離の位置とされる。
この列補正センサは、異なる列の同色画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
一方、画素側から見れば、第1行及び第M行以外の画素については、各画素に2つの画素補正センサが対応することになる。例えば画素R21から見れば、画素補正センサS11とS21が対応する。
第1行の各画素は、1つの画素補正センサと1つまたは2つの列補正センサが対応する。例えば画素R11から見れば、画素補正センサS11と列補正センサS01が対応する。また画素R12は、画素補正センサS14と列補正センサS01、S04が対応する。
G画素群、B画素群も同様である。例えばG画素群は、基準画素G11から、ダミー画素GMNまでの全G画素が、光センサで橋渡しされているような状態である。
ここで橋渡しという表現は単なる説明上のイメージである。具体的には、2つの画素が共通の光センサで輝度検出されていくことが、順次各光センサについて繰り返されることで、同色の全画素の、基準画素からみた相対的な発光輝度差分を、各光センサの検出ばらつきを排除して得られる構成であることを示している。
(1)基準画素を基準表示データ信号値で点灯させ、その上または下の光センサで測定を行なう。基準画素はパネル内の任意の画素とする。基準表示データ信号値とは、或る特定の階調値である。全画素に基準表示データ信号値を与えて画素毎の発光輝度の差を検出するためである。また基準画素は、本例ではR画素群については画素R11とする。
例えば最初に、基準画素R11としての画素回路10に、基準表示データ信号値による信号電位Vsigを与えて発光させ、発光輝度を画素補正センサS11で検出する。
まず画素R21を基準表示データ信号値で発光させ、画素補正センサS21で発光輝度を検出する。但し、この場合は、画素R21に対しては、先に設定した補正係数による補正を行った基準表示データ信号値を与えることとなる。
次に、画素R31を基準表示データ信号値で発光させ、画素補正センサS21で発光輝度を検出する。
そして画素間の輝度差分から補正係数設定を行う。即ち画素R21,R31の輝度が、共通の画素補正センサS21で得られたことになるため、画素R21に対する画素R31の検出値の差分(比)から、補正係数を算出する。即ち、画素R21と同一の輝度で画素R31を発光させるようにするための補正値である。そして算出された補正係数を、画素R31についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。ここで、画素R21については、先に設定した補正係数を反映させた基準表示データ信号値で発光させているため、今回求められた画素R31の補正係数は、基準画素R11と同一の輝度で画素R31を発光させるための補正値となる。
画素R12の補正係数が設定できたら、次に画素R12とR22の間で、上記(4)の処理を行う。これにより、画素R22についても、基準画素R11と同一の輝度で画素R22を発光させるための補正係数を得ることができる。
以下、R32〜RM2についても同様の処理を繰りかえす。
まず信号処理部2は、ステップF300で補正係数格納部6bにおける全R画素についての補正係数をクリアする。次にステップF301で、処理対象の画素を指定する変数m,nについてm=1、n=1とする。
ステップF306では、信号処理部2は、発光させた画素Rmnの上側の画素補正センサの検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。この場合、画素R21の上側の画素補正センサS11の検出値を取り込むことになる。つまり上記ステップF303と同一の画素補正センサS11の検出値である。
この両検出値の差分または比から、画素R21を、基準画素R11と同一の輝度で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF308では、算出された補正係数を、画素R21についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
ここまでの処理で、基準画素R11を基準とした画素R21の補正係数が設定できたことになる。
上記のように画素R21の補正係数設定を行った時点では、まだ補正係数未設定の下方の画素が存在するため、ステップF302に戻る。
そしてステップF303で信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=R21)の下側の画素補正センサ、つまり今度は画素補正センサS21の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。
ステップF306では、信号処理部2は、発光させた画素Rmnの上側の画素補正センサの検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。この場合、基準画素R31の上側の画素補正センサS21の検出値を取り込むことになる。つまり直前のステップF303と同一の画素補正センサS21の検出値である。
この両検出値の差分または比から、画素R31を、画素R21と同一の輝度(つまり基準画素R11と同一輝度)で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF308では、算出された補正係数を、画素R31についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
そして画素RM1の補正係数が設定された直後のステップF309では、変数m=Mとなり、この場合、ステップF310に進んで、現在が最終列(第N列)の処理を終了したのか否かを確認する。即ち変数n=Nであるか否かを確認する。
信号処理部2は、まず変数mの値をm=1とする。そしてステップF312で画素Rmn(つまりこの場合、基準画素R11)について、基準信号Xを与えて発光させる。ステップF312にでは、先に画素Rmnについて補正係数格納部6bに記憶させた補正係数による補正を与えるが、基準画素R11の場合に限っては、実質的に補正はない。例えば補正値を乗算係数とした場合は、基準画素R11についての補正係数=1(加減算値とした場合は補正値=0)であるためである。
そしてステップF313で信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=基準画素R11)に対応する列補正センサ、この場合、列補正センサS01の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。
ステップF316では信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=R12)に対応する列補正センサ、この場合、列補正センサS01の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。つまり直前のステップF313と同一の列補正センサの検出値である。
この両検出値の差分または比から、画素R12を、基準画素R11と同一の輝度で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF318では、算出された補正係数を、画素R12についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
即ちまず画素R12を、補正係数で補正した基準信号Xで発光させて画素補正センサS14で輝度検出を行う(F302,F303)。次に画素R22を無補正の基準信号Xで発光させて画素補正センサS14で輝度検出を行う(F304,F305,F306)。そして、両検出値から、画素R22を、画素R21と同一の輝度(つまり基準画素R11と同一輝度)で発光させるための補正係数を得、算出された補正係数を、画素R22についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する(F307,F308)。
すると今度は、画素R12とR13の関係で列補正センサS04を用いてステップF311〜F318の処理を行い、その後、ステップF302〜F308で、R画素群としての第3列目の画素(画素R13〜RM3)までの補正係数設定を行う。
このような処理を繰り返し、最終行、最終列のダミー画素RMNの設定が終わった時点で、ステップF310で変数n=Nとなり、R画素群の全画素に対する補正係数設定が終了する。
信号処理部2はステップF319では、或るダミー画素(例えばダミー画素R1N)を基準信号Xで発光させる。この場合、基準信号Xはダミー画素R1Nについて設定した補正係数で補正してからデータドライバ4に与える。
ステップF320では、特定の光センサでダミー画素R1Nの発光輝度の検出値を取り込む。特定の光センサとは、後述する補正係数更新処理で同じくダミー画素R1Nの発光輝度を検出する光センサである。例えば図5の場合、ダミー画素R1Nの直下の画素補正センサとすればよい。どの光センサをここでいう特定の光センサとして決めておくかは任意であり、例えばとなりのダミー画素G1Nの直下の画素補正センサや、或いはダミー画素G1Nの右上の列補正センサを、特定の光センサと決めても良い。
なお、補正係数更新処理でダミー画素R1Nの発光輝度を検出するときは、有効画素領域AAは通常に表示を行っているため、有効画素の発光の影響を受けないようにすることが適切である。そのためには、特定の光センサは、なるべく有効画素領域AAから離れていることが望ましい。その意味では、ダミー画素R1Nの直下の画素補正センサより、ダミー画素G1N或いはB1Nの直下の画素補正センサが適しているとも言える。
信号処理部2はステップF321で、特定の光センサの検出値を、ダミー画素R1Nの測定値としてダミー測定値格納部6aに格納する。
特にパワーオン時、またはパワーオフ時に補正係数更新が行われることで、経時劣化にも対応して適切な補正係数が補正係数格納部6に格納されるように適宜更新されることになる。
その上で、本例の場合、各画素の補正係数は基準画素R11から順次、共通の光センサでの輝度検出値に基づいて算出される。これは、補正係数算出の際に、各光センサの検出ばらつきの影響を受けないことを意味する。
従って補正係数は、各光センサの検出ばらつきの影響を排除した適切な値となる。
これらによって本例の表示装置1は、輝度ムラのない高品質な画面表示を行うことができる。
例えば列補正センサは、第1行目の上側ではなく、第m行目の下側において、異なる列の同色画素から等距離の位置に配置されていてもよいし、配置が可能であれば、途中の行の間に配置されていても良い。あくまでも、或る列の1つの画素と、異なる列の1つの同色画素とから等距離の位置に設けられて、異なる列の画素同士で共通に発光輝度を検出できるようにすればよい。
このような補正係数設定を行うためには、光センサの配置が、全画素について上述の橋渡し状態を形成していればよい。
図8に示すように、画素アレイ内において、○で示す画素補正センサが配置される。最外周の画素の周囲には、先に述べた列補正センサは無く、この例では、○で示す画素補正センサが列補正センサとしての機能も果たす。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21,R12,R22からそれぞれ等距離の位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21,R31,R22,R32からそれぞれ等距離の位置とされる。G画素群、B画素群についても同様である。
この画素補正センサは、対応する4つの画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
このような光センサの配置も、特定の一つの基準画素(例えばR画素群については画素R11)を起点として、全ての画素(画素RMNまでの全R画素)が、光センサ(画素補正センサ)を介して橋渡しされているような状態を形成する。
この場合、上記図7と同様の処理でもよいし、1つの光センサに対応する4つの画素を1つのブロックとしてブロックごとに順次補正係数設定を行っていくこともできる。
そしてこのセンサ配置例の場合、1つの画素補正センサで4つの画素の相関で補正係数を算出するため、より精度の高い補正係数が得られる。
図10に示すように、画素アレイ内において、○で示す画素補正センサ及び●で示す列補正センサが配置される。
図11に拡大して示すが、各画素補正センサは、4つの同色画素から等距離の位置に配置されている。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21,R12,R22からそれぞれ等距離の位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21,R31,R22,R32からそれぞれ等距離の位置とされる。
列補正センサは、隣接する同色の最上段のブロックにおける画素同士から等距離の位置に配置される。
例えば列補正センサS01は、画素R11,R21,R12,R22のブロックと、このブロックに隣接する画素R13,R23,R14,R24のブロックとを橋渡しするものとして、画素R12と画素R13から等距離の位置に配置される。
G画素群、B画素群についても同様である。
従って、上記図7のような処理や、1つの画素補正センサに対応する4つの画素を1つのブロックとしてブロックごとに順次補正係数設定を行っていく処理を行うことで、全画素について各光センサの検出ばらつきを排除した補正係数設定を行うことができる。
またこの例では、光センサの数を大幅に削減できるという利点が得られる。
つまりこの場合、各画素補正センサは、或る色の2つの同色発光画素に対して等距離であり、かつ、他の色の2つの同色発光画素に対しても等距離である位置に配置されている。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21から等距離で、かつ画素G11、G21から等距離で、かつ画素B11,B21から等距離の位置となる。
また画素補正センサS21は、画素R21,R31から等距離で、かつ画素G21、G31から等距離で、かつ画素B21,B31から等距離の位置となる。
列補正センサについては共用していない。即ち画素R11,R12に対して列補正センサS01が等距離に配置され、画素G11,G12に対して列補正センサS02が等距離に配置され、画素B11,B12に対して列補正センサS03が等距離に配置される。
このように画素補正センサを各色で共用できるように配置することでも、図7のような処理は可能であり、その上で、光センサの数を大幅に削減できる。
以上の補正係数設定処理を例えばパワーオンの際などに行うことで、経時劣化にも対応して適切な補正係数を設定し、画面上の輝度ムラを低減できる。
ところが表示装置1が、長時間、表示を継続するような使用をされる場合、補正係数設定処理を行う機会がなかなか訪れないこととなる。そして長時間表示動作が継続することで、その間に画素毎に劣化の進行が異なり、画面上の輝度ムラが生じてくることもある。発光輝度の劣化の進行は表示輝度によって異なり、表示実行中は各画素が映像内容によって異なる輝度で発光しているためである。このことは、画素毎の補正係数が、長時間の表示継続によって、適切でなくなっていくことを意味する。
ここではまず、一定時間毎の補正係数更新処理に至るまでの、通常の表示動作実行中の処理について説明する。
ダミー測定値格納部6aには、R、G、Bの各ダミー画素(例えばR1N,G1N,B1N)について、上記図7のステップF319〜F321で記憶した発光輝度の測定値R−DM、G−DM、B−DMが格納される。
補正係数格納部6bには、上記図7のステップF300〜F310で設定した、各画素毎の補正係数が記憶される。即ちR画素群について補正係数CR11〜CRMN、G画素群について補正係数CG11〜CGMN、B画素群について補正係数CB11〜CBMNが記憶される。
信号処理部2には、毎フレームで各画素の表示データ信号が入力されるが、ステップF601では、各画素の表示データ信号値を、その時点で画素信号積算値格納部6cに記憶されている値に加算して更新する。
例えば画素R11について入力された表示データ信号値を「DR11」とすると、画素R11についての積算値QR11を、
QR11=QR11+DR11
として更新する。他の全有効画素についても同様に積算して画素信号積算値格納部6cの記憶値を更新する。
なお、このとき、ダミー画素については表示データ信号値は入力されないが、信号処理部2はダミー画素(R1N〜RMN、G1N〜GMN、B1N〜BMN)に対する表示データ信号を生成し、補正係数格納部6bに格納されているこれらの画素の補正係数を用いて補正してデータドライバ4に供給する。即ちダミー画素も発光駆動する。但し、後述する図15の処理で使用するダミー画素R1N(及びG1N、B1N)以外は、全く発光させなくてもよい。
ダミー画素に与える表示データ信号値は、有効画素領域AA内の画素に対する表示データ信号値をそのまま用いればよい。例えば隣接する列の画素(R1(N-1)〜RM(N-1)、G1(N-1)〜GM(N-1)、B1(N-1)〜BM(N-1))の表示データ信号値を、ダミー画素(R1N〜RMN、G1N〜GMN、B1N〜BMN)の表示データ信号値として用い、補正してデータドライバ4に供給する。もちろん他の画素(例えば画面中央付近の画素)の表示データ信号値をダミー画素用として流用してもよい。
従って、フレーム単位の表示データ信号が入力されるたびに、信号処理部2は画素信号積算値格納部6cの値を積算更新していき、またダミー画素を含めて全画素について、補正係数を用いて補正した状態で表示駆動させるようにする。
またステップF602で、ダミー画素についても発光させるのは、ダミー画素にも表示内容に応じた劣化を発生させるためである。
図14(b)に、その場合の処理例を示す。
信号処理部2はステップF650で、例えば5分に1回などの積算タイミングに至ったか否かを判定する。積算タイミングでなければステップF652に進み、現在のフレームの表示データ信号については、補正処理を行って補正後の表示データ信号(ダミー画素も含む)をデータドライバ4に供給する。
一方、積算タイミングとなった場合は、そのフレームの表示データ信号については、ステップF651で、画素信号積算値格納部6cの積算値の更新を行い、ステップF652で補正処理を行って補正後の表示データ信号(ダミー画素も含む)をデータドライバ4に供給する。これをステップF653で表示終了とされるまで繰り返す。
通常の表示動作実行中は、以上の図14(a)又は(b)の処理を行いながら、所定期間毎に補正係数を修正する補正係数更新処理を行う。例えば30分間隔、1時間間隔、5時間間隔、10時間間隔などの所定期間間隔で補正係数更新処理を行う。
補正係数更新処理のタイミングとなったときに信号処理部2が実行する補正係数更新処理の例を図15に示す。なお図15は1つの色(例えばR画素群)についての処理を示している。G画素群、B画素群についても同様の処理を行うことになる。
なお、通常の表示動作は実行してるため、図14の処理と並行して図15の処理を行うことになる。但し、図15の補正係数更新処理を実行する間は、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素に対する処理は行わない。図15の処理で例えばダミー画素R1Nを使用し、また他の使用しないダミー画素はダミー画素R1Nの輝度測定に影響を与えないようにするため、発光させないようにする必要があるためである。
そしてステップF703で、信号処理部2は、検出信号生成部7からダミー画素R1Nに対応する特定の光センサの検出値を取り込む。特定の光センサとは、図7のステップF320で用いた特定の光センサと同一の光センサである。
前回の検出値とは、その時点でダミー測定値格納部6aに記憶されている測定値R−DM(図13参照)である。このステップF704では、前回と今回の発光輝度の検出値(測定値)を比較して、その差分を劣化量とする。
そしてステップF704で信号処理部2は、劣化量から補正係数修正値を算出する。この補正係数修正値は、補正係数格納部6bの現在のダミー画素R1Nについての補正係数CR1Nを修正する値である。
劣化が生じている場合は、その劣化分に相当するだけ補正係数を修正すれば、前回と同一の輝度で発光させることができる。そこで基準信号Xに対する前回と今回の発光輝度の差分(=劣化量)又はその比に相当する補正係数修正値を求める。
この補正係数修正値は、補正係数について発光輝度劣化を補償する値となる。
有効画素領域AAの各画素は、それぞれ毎フレーム毎に多様な階調で発光しており、全ての画素がダミー画素R1Nと同様に劣化が進行しているわけではない。
そこで、各有効画素の劣化を推定して、補正係数修正値を調整する処理を行う。
なお、このとき、画素信号積算値格納部6cの各値(QR11〜QRM(N-1))として、平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))の値に書き換える。今回の図15の処理が終了した後の図14の処理での最初の積算値とするためである。
そしてステップF707では、各R画素について平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を元に、所定の関数を用いて補正係数修正値を調整する。
或るR画素の平均信号値が基準信号Xとほぼ同じであれば、その画素については補正係数修正値はそのまま用いればよい。
一方、或るR画素の平均信号値が基準信号Xより大きければ、それだけ画素劣化の進行度合いが大きいと推定できる。
また、或るR画素の平均信号値が基準信号Xより小さければ、それだけ画素劣化の進行度合いが小さいと推定できる。
平均信号値と基準信号Xとの差に応じて、所定の関数演算(一次関数又は二次関数)を用いて補正係数修正値を調整することで、このような劣化度合いに応じた画素毎の補正係数修正値を得ることができる。
例えばステップF705でダミー画素R1Nの検出値から求めた補正係数修正値を「rC」とし、各R画素毎に平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))に応じて調整した各画素の補正係数修正値を「rCR11」〜「rCRM(N-1)」とすると、
例えば補正係数格納部6bの補正係数CR11〜CRM(N-1)について、
CR11=CR11+rCR11 (又はCR11=CR11×rCR11)
CR21=CR21+rCR21 (又はCR21=CR21×rCR21)
CRM(N-1)=CRM(N-1)+rCRM(N-1) (又はCRM(N-1)=CRM(N-1)×rCRM(N-1))
といように補正係数CR11〜CRM(N-1)を修正更新していく。なお上記括弧内は、補正係数修正値を比の値で求めた場合である。
CR1N=CR1N+rC (又はCR1N=CR1N×rC)
とすればよい。
そして図15の処理を終える。
このような図15の処理を、G画素群、B画素群についても同様に行う。
またパワーオンの際等の補正係数設定処理では、ダミー画素も含めて光センサの検出ばらつきを排除した精度の高い補正係数設定が行われているため、表示動作実行中のダミー画素を用いた補正係数更新処理の精度も高いものとなる。
ここで、各画素について補正係数修正値を調整するための関数は、予め設定した固定の関数、即ち補正係数修正値と、劣化推定量の関係をリニアもしくはノンリニアに規定する関数であればよい。
しかし、必ずしも常に固定の関数が適切とは限らない。そこで、より精密に補正係数の修正を行うためには、複数の基準信号(例えば3つの異なる階調値の基準信号X、Y、Zを用いる手法も考えられる。
なおこのため、ダミー測定値格納部6aには、図16(a)のように、ダミー画素R1Nについて、各基準信号X、Y、Zによる前回の測定値R−DM(X)、R−DM(Y)、R−DM(Z)を格納するようにして、今回の各検出値と比較する。ダミー画素G1N、B1Nついても同様である。
すると、その関数を用い、各画素の平均信号値に応じて補正係数修正値を調整すれば、より各画素についての補正係数修正を的確に算出でき、ひいては、各画素の補正係数を的確に修正できることになる。
もちろん2つの階調値の基準信号X、Yで実行したり、或いは4以上の階調値の各基準信号で実行してもよい。
第2の補正係数更新処理を説明する。この処理は、多数のダミー画素を用いる。そして、上記のように処理過程で、各画素の平均信号値で補正係数修正値を調整するわけであるが、そのときに関数演算を用いず、適切に各画素に対応した補正係数修正値を得ることができるようにするものである。
本例ではダミー画素R1N〜RMNを全て利用する例を挙げる。
ダミー測定値格納部6aについては図16(b)に示すように、ダミー画素R1N〜RMNに対応して測定値R1N−DM〜RMN−DMを記憶するようにする。G画素群のダミー画素G1N〜GMN、B画素群のダミー画素B1N〜BMNについても同様である。即ち測定値G1N−DM〜GMN−DM、測定値B1N−DM〜BMN−DMを記憶する。
信号処理部2はステップF321では、ダミー画素R1Nを基準信号Xで発光させる。この場合、基準信号Xはダミー画素R1Nについて設定した補正係数で補正してからデータドライバ4に与える。
ステップF332では、特定の光センサでダミー画素R1Nの発光輝度の検出値を取り込む。そしてステップF333で、特定の光センサの検出値を、ダミー画素R1Nの測定値R1N−DMとしてダミー測定値格納部6aに格納する。
この処理を、ステップF334で変数m=Mと判断されるまで、ステップF335で変数mをインクリメントしながら繰り返す。
これによってダミー画素R1N〜RMNに対応する測定値R1N−DM〜RMN−DMがダミー測定値格納部6aに記憶される。
G画素群、B画素群についても、この図17と同様に補正係数設定処理を行う。
但し、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素R1N〜RMNに対する発光駆動は、それぞれ特定の階調値で毎フレーム発光させる処理となる。
例えば階調数とダミー画素数Mに応じて、各ダミー画素R1N〜RMNに与える表示データ信号値(階調値)を設定しておく。
例えばダミー画素R1Nには最小階調値、ダミー画素RMNには最大階調値とし、ダミー画素R2N〜R(M-1)Nまでは、最小階調値から最大階調値の間を例えば等間隔に振り分けた各階調値の表示データ信号を与えるようにする。もちろん必ずしも等間隔でなくても良い。これにより、ダミー画素R1Nは最小階調値で常時発光し、ダミー画素R2Nは次の階調値で常時発光し、・・・ダミー画素RMNは最大階調値で常時発光するという状態となる。
即ち信号処理部2は、補正係数更新処理のタイミングとなったら図18のステップF750からF751に進み、補正係数更新処理を開始する。
なお、通常の表示動作は実行してるため、図14の処理と並行して図18の処理を行うことになる。但し、図18の補正係数更新処理を実行する間は、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素R1N〜RMNに対する上記のようなそれぞれ固定の階調値での発光駆動は中止する。
そしてステップF753で信号処理部2は、検出信号生成部7からダミー画素R1Nに対応する特定の光センサの検出値を取り込む。特定の光センサとは、図17のステップF332でダミー画素R1Nについて用いた特定の光センサと同一の光センサである。
従って、各ダミー画素R1N〜RMNについて、それぞれ基準信号Xで発光させた輝度の検出値が、それぞれ図17のステップF322で用いたのと同一の光センサによって取り込まれることになる。
前回の検出値とは、その時点でダミー測定値格納部6aに記憶されている測定値R1N−DM〜RMN−DM(図16(b)参照)である。このステップF756では、各ダミー画素R1N〜RMNについて前回と今回の発光輝度の検出値(測定値)を比較して、その差分を劣化量とする。
つまり各ダミー画素R1N〜RMNについてそれぞれ劣化量を求める。
そしてステップF757で信号処理部2は、各ダミー画素R1N〜RMNの劣化量から各ダミー画素R1N〜RMNの補正係数修正値を算出する。
まずステップF758で信号処理部2は、各画素の平均信号値を算出する。即ちその時点で画素信号積算値格納部6cに記憶されている各R画素の積算値(QR11〜QRM(N-1))から、各R画素の平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を求める。
なお、このとき、画素信号積算値格納部6cの各値(QR11〜QRM(N-1))として、平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))の値に書き換える。今回の図18の処理が終了した後の図14の処理での最初の積算値とするためである。
そしてステップF759では、各R画素について平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を元に、補正係数修正値を調整したうえ、補正係数修正値を用いて各画素の補正係数を修正する。
従って、ステップF757で求めた各ダミー画素R1N〜RMNの補正係数修正値は、各階調値での劣化度合いに応じた値となっている。
例えばダミー画素R1Nについての補正係数修正値は、最小階調値で常時発光させた場合の劣化に応じた値となっている。またダミー画素RMNについての補正係数修正値は最大階調値で常時発光させた場合の劣化に応じた値となっている。
つまり、各ダミー画素R1N〜RMNについての各補正係数修正値として、各種の平均信号値に対応する補正係数修正値が得られていることになる。
従って、各画素の補正係数修正値は、その平均信号値と一致又は近い階調値で発光させていたダミー画素の補正係数修正値を用いればよい。例えば平均信号値が最大階調値に近い画素は、ダミー画素R1Nとほぼ同様の劣化進行具合であると推定でき、また平均信号値が階調値L1に近い画素は、階調値L1もしくはそれに近い階調値で発光させていたダミー画素とほぼ同様の劣化進行具合であると推定できるためである。
このように各有効画素に応じて補正係数修正値を調整(この場合、選択)したうえで、その補正係数修正値を用いて補正係数格納部6bにおける各R画素の補正係数を修正更新する。
ダミー画素R1N〜RMNについては、それぞれ自身の画素について求めた補正係数修正値を用いて補正係数を修正すればよい。
そして図18の処理を終える。
このような図18の処理を、G画素群、B画素群についても同様に行う。
以下、各種の変形例を述べる。
図15,図18のような補正係数更新処理は一定時間間隔でなくてもよい。例えば何らかの手法で全体的な劣化の進行具合を認識して、或る程度の発光輝度劣化が生じていることが推定される場合を補正係数更新処理のタイミングとしても良い。
例えば上記図18の第2の補正係数更新処理のように、通常表示動作時に、ダミー画素にそれぞれ固定の階調値を与える場合、その間に光センサで輝度を適時に測定していくことで、劣化の進行の程度が推定可能である。従って、劣化の進行が或る程度あることを検出した時点で、補正係数更新処理を行うということも考えられる。
また、ユーザの操作等によって補正係数更新処理を開始するようにしてもよい。
例えばその場合、図17,図18で述べたように各ダミー画素について発光輝度の測定を行い、その各ダミー画素についての測定値の平均値を、前回の平均測定値と比較して補正係数修正値を求めるというように、図15の処理を変形してもよい。
この処理時間を短縮するには、例えば画面上を複数の領域に分け、領域毎に並行して図7の処理を行うことが考えられる。但し、各領域での基準画素については、先に相関をとって、補正係数を設定しておくことが必要である。例えば第1行目の画素のみ先に補正係数を設定し、その後、2つの領域で、第1行目の或る画素を基準画素として用いて並行処理を行うようにすればよい。
また、図7の補正係数設定処理についても、測定する際の基準信号は或る階調の1つの基準信号Xだけでなく、例えば高輝度階調信号の基準信号Xと低輝度階調の基準信号Yの2つ、もしくはそれ以上の信号を入力して測定することで補正係数の精度を高めることも出来る。
また、各画素を複数の光センサで測定を行うので、輝度データを比較する事で光センサの故障を検出することも出来る。
また実施の形態では有機ELパネルを用いた表示装置について説明したが、有機ELパネル以外でも自発光画素による表示パネルを用いた表示装置でも本発明は適用できる。
Claims (8)
- 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、
上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、
上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、
通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサの検出値として取り込み、取り込んだ各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出して当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定するとともに、通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各発光画素の発光輝度補正が行われるようにし、また所定タイミングで補正値更新処理として、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する信号処理部と、
を備えた表示装置。 - 画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値の積算値をそれぞれ格納する積算値格納部をさらに備え、
上記信号処理部は、画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値をそれぞれ積算して上記積算値格納部に記憶させていくとともに、
上記補正値更新処理の際には、上記ダミー画素の発光輝度の変化値と、画面有効領域の各発光画素について上記積算値格納部に記憶された積算値とに基づいて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する請求項1に記載の表示装置。 - 上記信号処理部は、上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、上記ダミー画素についても、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて補正した表示データ信号を与えて発光させるようにする請求項2に記載の表示装置。
- ダミー画素の発光輝度の測定値を格納するダミー測定値格納部をさらに備え、
上記信号処理部は、上記補正値更新処理の際に、上記ダミー画素の発光輝度を検出し、検出した発光輝度を、上記ダミー測定値格納部に記憶された前回の補正値更新処理の際に測定した発光輝度と比較して発光輝度の変化値を求めるととともに、上記ダミー測定値格納部の測定値を今回の測定値に更新する処理を行う請求項2に記載の表示装置。 - 上記信号処理部は、
上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、複数の上記ダミー画素のそれぞれについて、それぞれ所定の基準表示データ信号値を与えて発光させるようにし、
上記補正値更新処理の際には、それぞれの上記ダミー画素の発光輝度の変化値を、上記積算値格納部に記憶された積算値を用いて画面有効領域の各発光画素に対応させ、各発光画素について対応する変化値を用いて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する請求項2に記載の表示装置。 - 上記発光画素は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いた画素である請求項1に記載の表示装置。
- 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する有機エレクトロルミネッセンス表示パネル。
- 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、
上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、
上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、
通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各画素の発光輝度補正が行われるようにする信号処理部と、
を備えた表示装置の補正値処理方法として、
通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサで検出し、当該2以上の発光画素についての各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出し、算出された補正値を、当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定し、
通常表示動作時には、所定タイミングで、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する補正値更新処理を行う補正値処理方法。
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