JP2010141784A - 表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、補正値処理方法 - Google Patents

表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、補正値処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各画素の発光輝度を光センサで測定して各画素が所要の輝度で発光するように各画素に与える表示データ信号を補正する。この場合に、各光センサの検出ばらつきの影響を受けないで補正値を得ることができるようにし、さらに表示実行中も補正値を修正する。
【解決手段】少なくとも2以上の画素に対して、各画素から等距離の位置に光センサを設ける。そして一方の画素の発光輝度と他方の画素の発光輝度を、等距離に配置された1つの光センサで検出することで、光センサの検出ばらつきの影響の無い補正値を算出する。さらに他の画素に対しても、既に補正値を更新した画素を一部に用いながら順次連鎖的に補正値を求めていくことで、表示画面を構成する全画素について、光センサの検出ばらつきの影響を排除した補正値を得る。表示実行中はダミー画素を用いて画素劣化を判定し、劣化状況に応じて補正値を修正する。
【選択図】図15

Description

本発明は表示装置と、表示装置における補正値処理方法に関する。また有機エレクトロルミネッセンス表示パネルに関する。
特表2007−501953号公報 特表2008−518263号公報
例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)発光素子を用いた表示装置など、自発光素子を用いた表示装置では、画素間の発光輝度のばらつきを無くして画面上に生じるムラを無くすことが重要である。
画素の発光輝度のばらつきは、パネル製造時の初期状態でも生じるが、経時変化によっても生じる。
上記特許文献1,2では、各画素回路内に光センサを配置して、光センサの検出値をパネル内でフィードバックして発光輝度を補正する方式や、光センサからシステムにフィードバックして補正する方式が開示されている。
各画素の発光輝度を光センサで測定して、発光輝度が所要の輝度となるように画素に与える信号値を補正することで、画素間の輝度ばらつきを解消できる。
しかしながら、上記特許文献1,2のように、1つの画素について、その画素回路内に1つのセンサを設けて輝度検出を行う方式の場合、光センサ同士の検出ばらつきが生じてしまう。光センサ自体も初期状態或いは経時劣化により検出特性の変動があるため、各光センサ同士での検出ばらつきは排除できない。
すると光センサ同士のばらつきの影響が補正に表れ、適切に画素の発光輝度のばらつきを解消することができないこととなる。
本発明では、各画素の発光輝度を光センサで測定して、各画素が所要の輝度で発光するように各画素に与える表示データ信号を補正する方式を採る。この場合に、各光センサの検出ばらつきの影響を受けないようにし、画面上のむらが適切に解消されるような精度の高い補正が実行できるようにする。さらにその上で、通常の表示動作実行中も補正値が適切に更新されるようにすることを目的とする。
本発明の表示装置は、画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、信号処理部とを備える。上記信号処理部は、通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサの検出値として取り込み、取り込んだ各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出して当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定するとともに、通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各発光画素の発光輝度補正が行われるようにし、また所定タイミングで補正値更新処理として、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する。
また、画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値の積算値をそれぞれ格納する積算値格納部をさらに備え、上記信号処理部は、画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値をそれぞれ積算して上記積算値格納部に記憶させていくとともに、上記補正値更新処理の際には、上記ダミー画素の発光輝度の変化値と、画面有効領域の各発光画素について上記積算値格納部に記憶された積算値とに基づいて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する。
また、上記信号処理部は、上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、上記ダミー画素についても、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて補正した表示データ信号を与えて発光させるようにする。
また、ダミー画素の発光輝度の測定値を格納するダミー測定値格納部をさらに備え、上記信号処理部は、上記補正値更新処理の際に、上記ダミー画素の発光輝度を検出し、検出した発光輝度を、上記ダミー測定値格納部に記憶された前回の補正値更新処理の際に測定した発光輝度と比較して発光輝度の変化値を求めるととともに、上記ダミー測定値格納部の測定値を今回の測定値に更新する処理を行う。
また上記信号処理部は、上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、複数の上記ダミー画素のそれぞれについて、それぞれ所定の基準表示データ信号値を与えて発光させるようにし、上記補正値更新処理の際には、それぞれの上記ダミー画素の発光輝度の変化値を、上記積算値格納部に記憶された積算値を用いて画面有効領域の各発光画素に対応させ、各発光画素について対応する変化値を用いて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する。
また上記発光画素は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いた画素である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示パネルは、画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する。
本発明の補正値処理方法は、画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各画素の発光輝度補正が行われるようにする信号処理部とを備えた表示装置の補正値処理方法である。そして、通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサで検出し、当該2以上の発光画素についての各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出し、算出された補正値を、当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定する。また通常表示動作時には、所定タイミングで、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する補正値更新処理を行う。
これらの本発明では、少なくとも2以上の画素に対して、各画素から等距離の位置に光センサを設ける。そして、一方の画素の発光輝度と、他方の画素の発光輝度を、当該等距離に配置された1つの光センサで検出する。すると、共通の光センサで各画素の輝度検出値が得られるため、光センサの検出ばらつきの影響の無い補正値を算出できる。つまり1つの光センサから等距離の2以上の画素において、それらが基準表示データ信号値に対して同輝度の発光が行われるように補正値を得ることができる。
これを、さらに他の画素に対しても、既に補正値を更新した画素を一部に用いながら順次連鎖的に実行していけば、補正対象とする全画素について、光センサの検出ばらつきの影響を排除した補正値を得ることができる。
このような補正値設定処理は、例えばパワーオン時/パワーオフ時など、通常の表示動作を行わない期間に行うことになる。
一方、通常の表示動作実行中には、ダミー画素を用いて劣化の進行具合を検出し、それに基づいて有効画素(画面有効領域を形成する発光画素)の劣化を予測して、補正値を修正していく。
機器の用い方によっては、通常表示動作が長時間にわたることもある。例えば常時表示を実行している表示装置の場合、上記のパワーオン時等の補正値の設定の機会がなかなか訪れないという事態が生ずる。また通常の表示動作実行中は、有効画素は表示データ信号に基づく発光動作中であるので、有効画素に補正値設定のための基準表示データ信号値を与えることもできない。ところが長時間の表示継続により、画素の劣化が生じ、発光輝度が変化していく。このような場合、補正値が適正な値ではなくなってしまう場合がある。
そこで、通常の表示動作実行中は、ダミー画素を用いて劣化進行具合を判定し、それに基づいて有効画素の劣化を予測し、補正値を修正していく。
このようにすることで、長時間、補正値設定処理ができなくても、適宜、補正値修正更新が行われ、適切な補正値が保持された状態とすることができる。
本発明によれば、画面を構成する各発光画素について、光センサの経時劣化等による検出ばらつきの影響を排除した補正値を求めることができ、各画素の発光ばらつきを補正できる。従って、表示画面上に表れる輝度ムラを適切に解消できる。
さらに通常の表示動作実行中にも、逐次補正値を修正する補正値更新処理が行われる。このため、長時間、パワーオン時等の補正値設定処理ができなくても、補正値が修正されることになり、各画素の劣化の進行等による画面上の輝度ムラ等の発生を抑えることができる。これらのことから、高品質な表示画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態としての有機EL表示装置を説明していく。説明は次の順序で行う。
[1.有機EL表示装置の構成]
[2.パワーオン/オフ時の補正係数設定処理]
[3.補正係数設定処理例]
[4.通常の表示動作実行中の処理]
[5.第1の補正係数更新処理例]
[6.第2の補正係数更新処理例]
[7.変形例]
[1.有機EL表示装置の構成]

図1に実施の形態の表示装置1の要部の構成を示す。
本例の表示装置1は、有機EL素子を発光素子として用いるディスプレイパネルとして有機ELパネル5を有する。有機ELパネル5は、ゲートドライバ3及びデータドライバ4によって表示駆動される。
そして有機ELパネル5に対して供給する表示データ信号について処理を行う部位として、信号処理部2が設けられる。信号処理部2は、入力信号として表示データ信号が入力されると、その入力信号に対して例えば信号値補正などの所要の処理を行い、処理後の表示データ信号をデータドライバ4に出力する。また垂直同期信号、水平同期信号をゲートドライバ3及びデータドライバ4に供給する。
メモリ部6は、信号処理部2が補正処理に用いる各種情報を記憶する。例えば不揮発性メモリ等で構成される。
メモリ部6においては、記憶領域として、ダミー測定値格納部6a、補正係数格納部6b、画素信号積算値格納部6cが設けられる。
ダミー測定値格納部6aは、有機ELパネル5に形成されている後述するダミー画素についての発光輝度の測定値を格納する。
補正係数格納部6は、有機ELパネル5における各画素に対応した補正値として補正係数を格納する。この補正係数は、画素間の輝度ばらつきを解消するために設定された補正係数である。
画素信号積算値格納部6cは、各画素に与える表示データ信号値の積算値を格納する。各画素毎に例えば毎フレーム、又は所定間隔毎に、信号処理部2が表示データ信号値を積算していく。これは、或る期間において各画素に与える表示データ信号値の平均値を求めるための情報となり、また、その平均値は各画素毎に発光輝度の劣化の進行具合を予測させる情報とされる。
通常の表示動作時には、信号処理部2は、補正係数格納部6bに格納された補正係数を用いて各画素の発光輝度補正が行われるようにする。例えば信号処理部2は、各画素に与える表示データ信号の信号値を、補正係数格納部6bに記憶された補正係数によって補正した上で、データドライバ4に出力する。表示データ信号値の補正処理としては、例えば、或る画素に対する表示データ信号値(発光輝度としての階調値)について、その画素に対して設定されている補正係数を乗算する処理などを行う。
なお、補正係数格納部6bに格納する補正値は乗算係数に限られず、例えば表示データ信号値に対して加減算を行う補正値などでもよい。
或いは補正係数格納部6bに格納する補正値は、表示データ信号の階調値自体を補正するものではなく、例えばデータドライバ4、ゲートドライバ3によって制御される画素回路の発光時間の制御値などであってもよい。その場合、信号処理部2は、補正値に基づいた発光期間制御信号をゲートドライバ3、データドライバ4に与えればよい。
いずれにしても補正係数格納部6bに格納する補正値は、各画素毎に発光輝度を調整するための値であればよい。
信号処理部2が例えば表示データ信号に補正係数を乗算して補正を行ってデータドライバ4に出力することで、画素間の発光輝度ばらつきが解消され、表示画面上で輝度ムラが生じないようにされる。
仮に全画素を同一の表示データ信号値(階調値)で発光させると、本来は画面上では輝度ムラは生じないはずであるが、実際には各画素の経時劣化の進行具合等により、各画素には発光輝度ムラが生じる。
そのような各画素間の輝度ばらつきを解消する補正係数が設定され、補正係数格納部6に記憶されていれば、信号処理部2がその補正係数を用いて表示データ信号値の補正を行うことで、画面上の輝度ムラが解消されることになる。
検出信号生成部7は、後述するように有機ELパネル5に多数配置されている光センサで得られる検出値を信号処理部2に供給する。例えば各光センサの検出値をデジタルデータとして信号処理部2に供給する。
信号処理部2は、後述するように、有機ELパネル5内に多数配置されている光センサの検出値を用いて補正係数格納部6に記憶されている補正係数の設定を行う。例えばパワーオンの際などに補正係数設定処理を行う。その際、信号処理部2は検出信号生成部7から、所定の光センサの検出値を取り込むことになる。
また信号処理部2は、逐次所定時点(例えば一定時間毎など)に、補正係数を修正する補正係数更新処理を行う。この場合も、信号処理部2は検出信号生成部7から、所定の光センサ(ダミー画素に対する光センサ)の検出値を取り込むことになる。
図2、図3を参照して有機ELパネル5、及び有機ELパネル5の駆動を行うゲートドライバ3、データドライバ4について述べる。
図2に有機ELパネル5、ゲートドライバ3、データドライバ4の構成の一例を示す。有機ELパネル5は、有機EL素子を発光素子とし、アクティブマトリクス方式で発光駆動を行う画素回路10を含むものである。
図2に示すように、有機ELディスプレイパネルモジュール3は、画素回路10が列方向と行方向にマトリクス状に配列された画素アレイとして構成される。なお、画素回路10には「R」「G」「B」を付しているが、これはR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の発光画素であることを示している。
そして各画素回路10を駆動するため、データドライバ4と、ゲートドライバ3が設けられる。ゲートドライバ3はドライブスキャナ11とライトスキャナ12を備える。
またデータドライバ4により選択され、表示データ信号の信号値(階調値)に応じた電圧を画素回路10に供給する信号線DTL1、DTL2・・・が、画素アレイ上で列方向に配されている。信号線DTL1、DTL2・・・は、画素アレイにおいてマトリクス配置された画素回路10の列数分だけ配される。
また画素アレイ上に、行方向に書込制御線WSL1,WSL2・・・、電源制御線DSL1,DSL2・・・が配されている。これらの書込制御線WSL及び電源制御線DSLは、それぞれ、画素アレイにおいてマトリクス配置された画素回路10の行数分だけ配される。
書込制御線WSL(WSL1,WSL2・・・)はライトスキャナ12により駆動される。ライトスキャナ12は、設定された所定のタイミングで、行状に配設された各書込制御線WSL1,WSL2・・・に順次、走査パルスWS(WS1,WS2・・・)を供給して、画素回路10を行単位で線順次走査する。
電源制御線DSL(DSL1,DSL2・・・)はドライブスキャナ11により駆動される。ドライブスキャナ11は、ライトスキャナ12による線順次走査に合わせて、行状に配設された各電源制御線DSL1,DSL2・・・に駆動電位(Vcc)、初期電位(Vini)の2値に切り替わる電源電圧としての電源パルスDS(DS1,DS2・・・)を供給する。
データドライバ4は、ライトスキャナ12による線順次走査に合わせて、列方向に配された信号線DTL1、DTL2・・・に対して、画素回路10に対する入力信号としての信号電位(Vsig)と基準電位(Vofs)を供給する。
図3に画素回路10の構成例を示している。この画素回路10が、図2の構成における画素回路10のようにマトリクス配置される。なお、図3では簡略化のため、信号線DTLと書込制御線WSL及び電源制御線DSLが交差する部分に配される1つの画素回路10のみを示している。
この画素回路10は、発光素子である有機EL素子15と、1個の保持容量Csと、サンプリングトランジスタTrS、駆動トランジスタTrDとしての2個の薄膜トランジスタ(TFT)とで構成されている。サンプリングトランジスタTrS、駆動トランジスタTrDはnチャネルTFTとされている。
保持容量Csは、一方の端子が駆動トランジスタTrDのソースに接続され、他方の端子が同じく駆動トランジスタTrDのゲートに接続されている。
画素回路10の発光素子は例えばダイオード構造の有機EL素子15とされ、アノードとカソードを備えている。有機EL素子15のアノードは駆動トランジスタTrDのソースsに接続され、カソードは所定の接地配線(カソード電位Vcath)に接続されている。
サンプリングトランジスタTrSは、そのドレインとソースの一端が信号線DTLに接続され、他端が駆動トランジスタTrDのゲートに接続される。またサンプリングトランジスタTrSのゲートは書込制御線WSLに接続されている。
駆動トランジスタTrDのドレインは電源制御線DSLに接続されている。
有機EL素子15の発光駆動は、基本的には次のようになる。
信号線DTLに信号電位Vsigが印加されたタイミングで、サンプリングトランジスタTrSが書込制御線WSLによってライトスキャナ12から与えられる走査パルスWSによって導通される。これにより信号線DTLからの入力信号Vsigが保持容量Csに書き込まれる。駆動トランジスタTrDは、ドライブスキャナ11によって駆動電位Vccが与えられている電源制御線DSLからの電流供給により、保持容量Csに保持された信号電位に応じた電流IELを有機EL素子15に流し、有機EL素子15を発光させる。
つまり、各フレーム期間において、画素信号値(階調値)が保持容量Csに書き込まれる動作が行われるが、これにより、階調値によって駆動トランジスタTrDのゲート−ソース間電圧Vgsが決まる。駆動トランジスタTrDは飽和領域で動作することで有機EL素子15に対して定電流源として機能し、ゲート−ソース間電圧Vgsに応じた電流IELを有機EL素子15に流す。これによって有機EL素子15では、階調値に応じた輝度の発光が行われる。
各画素回路10に与えられる信号電位Vsigは、その画素に対する表示データ信号値に応じた電圧である。上述のように信号処理部2は、補正係数格納部6bに記憶された各画素回路10についての補正係数を用いて、各画素に対する表示データ信号値を補正してデータドライバ4に供給する。
このため、各画素回路10毎に、入力信号電位Vsigに対する発光輝度のばらつきがあったとしても、入力信号電位Vsig自体が補正されていることにより、各画素回路10においては、それぞれ求められる本来の輝度の発光が行われる。これによって画面表示上での輝度ムラが解消されることになる。
[2.パワーオン/オフ時の補正係数設定処理]

ところで、そのように表示データ信号の信号値補正によって画面上での輝度ムラを解消させるためには、補正係数が適切に設定されていることが前提となる。
特に各画素回路10毎の発光輝度のばらつき具合は、経時劣化によっても変化するため、補正係数格納部6bに記憶された補正係数も、適宜更新されていかなければ、常に輝度ムラのない高品質な画面表示を行うことができない。
本実施の形態の表示装置1では、例えばパワーオンにより起動される際、又はパワーオフで終了処理を行う際の一方又は両方で、補正係数の設定処理を行い、補正係数格納部6bに記憶されている補正係数を、その時点で適切な値に設定する。
図4(a)(b)にパワーオン時の処理及びパワーオフ時の処理を示している。
ユーザの操作、もしくはシステム接続された機器からの指令、或いは表示装置1内部のタイマー機能などにより、図1には示していない表示装置1の制御部が、パワーオン要求の発生を認識すると、図4(a)の処理が行われる。
即ち図示しない制御部は、ステップF101として、電源回路から各部への電源供給を開始させると共に、所要の起動処理を行う。また制御部は、信号処理部2に補正係数設定処理を指示する。
信号処理部2はステップF102として、有機ELパネル5におけるR画素についての補正係数設定処理を行う。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全R画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全R画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
またステップF103でG画素についての補正係数設定処理を行う。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全G画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全G画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
さらにステップF104としてB画素についての補正係数設定処理を行う。
この補正係数設定処理は、例えば少なくとも有効画像領域における全B画素を補正値設定処理の対象として行い、当該全B画素についての補正係数格納部6bに格納される補正係数の設定を行う処理である。
これらの補正係数設定処理により、補正係数格納部6bに格納されている、各画素回路10毎の補正係数がその時点で適切な値に設定されたことになる。具体的な補正係数設定処理例については後述する。
これらの補正係数設定処理が終了したら、ステップF105で通常表示を開始する。即ち信号処理部2は、入力される表示データ信号の信号値について、それぞれ画素単位で補正係数を補正係数格納部6bから読み出し、信号値を補正してデータドライバ4に供給する動作を開始する。
これによって通常の表示状態においては、最新の補正係数によって補正された表示データ信号に基づき、輝度ムラのない表示動作が行われる。
このようなパワーオン時(起動時)ではなく、或いはパワーオン時に加えて、パワーオフ時に補正係数の設定処理を行っても良い。
例えば制御部は、ユーザ操作、タイマー機能、システム接続機器からの指示等として、表示装置1の電源オフの要求が発生した場合に、図4(b)の処理を行う。
まずステップF201で、信号処理部2に対して通常の表示動作を終了させる指示を行う。また制御部は、信号処理部2に補正係数設定処理を指示する。
信号処理部2はステップF202として、有機ELパネル5におけるR画素についての補正係数設定処理を行う。またステップF203でG画素についての補正係数設定処理を行い、さらにステップF204としてB画素についての補正係数設定処理を行う。
これらの補正係数設定処理により、補正係数格納部6bに格納されている各画素回路10毎の補正係数がその時点で適切な値に設定される。
その後制御部はステップF205で、所要の終了処理を行い、また電源回路に各部への電源供給を停止させる指示を行って電源オフ状態とする。
以上の図4(a)又は図4(b)のいずれかの処理が少なくとも行われることで、補正係数格納部6に記憶された補正係数は、適宜更新設定されることになり、通常表示動作時には各画素の経時劣化にも対応した発光輝度補正が実現される。
[3.補正係数設定処理例]

以下、具体的な補正係数設定処理例について説明していく。なお、図4(a)(b)では、R、G、Bの各画素群について順次補正係数設定処理を行うとしたが、補正係数設定処理自体は同様であるため、以下ではR画素群に対する補正係数設定処理についてのみ述べる。即ち図4(a)のステップF102又は図4(b)のステップF202の処理である。ステップF103,F104、又はステップF203,F204の処理は、対象とする画素群及び使用する光センサが異なるのみで、以下説明する補正係数設定処理が同様に行われると理解すればよい。
補正係数設定処理を図5〜図7により説明する。
まず図5、図6で画素及び光センサの配置を説明する。
図5は有機ELパネル5の画素アレイでの画素及び光センサの配置を模式的に示している。方形で示すR画素、G画素、B画素は、それぞれ図2,図3で説明した画素回路10に相当する。
当該画素アレイでは、R画素、G画素、B画素の3つの画素によるユニットが、垂直方向にM個、水平方向にN個配設されているとする。
第1行目で第1列(ユニット単位の先頭列)のR画素、G画素、B画素を、画素R11,G11,B11とする。
第1行目で第N列(ユニット単位の最終列)のR画素、G画素、B画素を、画素R1N,G1N,B1Nとする。
第M行目(最終行)で第1列のR画素、G画素、B画素を、画素RM1,GM1,BM1とする。
第M行目で第N列のR画素、G画素、B画素を、画素RMN,GMN,BMNとする。
但し、ここで破線で示す範囲AAが、有効画素領域であり、この有効画素領域AAに含まれる画素が、実際の表示に用いる有効画素である。
この例の場合、ユニット単位の最終列であるR画素(R1N〜RMN)、G画素(G1N〜GMN)、B画素(B1N〜BMN)は、有効画素領域AA外とされており、これがダミー画素とされる。
本実施の形態では、上記のように例えばパワーオンの際などの補正係数設定処理を行うが、これは補正係数設定処理は、通常表示実行中にはできないためである。
一方、通常の表示動作実行中には、例えば一定時間間隔毎に、後述する補正係数更新処理を行う。これは通常の表示動作が長時間に及んでも、つまり、補正係数設定処理を行う機会がなかなか訪れなくても、適宜補正係数を修正していくことで、補正係数が画素劣化へ的確に対応した値となるようにする処理である。ダミー画素は、この通常の表示動作実行中の補正係数更新処理の際に用いる画素となる。
なお、表示動作実行中に行う補正係数更新処理については、第1,第2の補正係数更新処理として後述するが、第1の補正係数更新処理を採用する場合は、ダミー画素は、R、G、Bそれぞれについて最低1つあれば足りる。例えば画素R1N,G1N,B1Nをダミー画素として使用する。
しかしながら、パネル製造プロセス上の都合により、余分な他のダミー画素を含めて1列分のダミー画素を形成することはかまわない。
また、第1の補正係数更新処理の変形例や、第2の補正係数更新処理として、R、G、Bそれぞれについて複数のダミー画素を用いる例も述べる。
また図5の例では、ダミー画素はR、G、Bそれぞれの最終列の画素としたが、以上のことから、少なくとも1つ(R、G、Bで合計3つ)のダミー画素を形成する場合もあるし、ダミー画素の位置は有効画素領域AA外とする位置ならどこでも良い。例えば先頭列側、或いは先頭行又は最終行の画素としてもよい。
この図5のような画素アレイにおいて、○で示す画素補正センサが、上下の同色画素から等距離の位置に配置され、また、●で示す列補正センサが、第1行目の上側において、異なる列の同色画素から等距離の位置に配置されている。
なお、○で示す「画素補正センサ」と●で示す「列補正センサ」とは、説明の便宜上、区別しているにすぎず、同一の構造の光センサでよい。もちろん異なる構造であってもよい。
図6は、図5の一部として画素R11〜B43の範囲を拡大して示している。
列補正センサS01、S02、S03・・・、及び画素補正センサS11、S12、S13・・・が、図のように配設されている。
この例では、1つの画素補正センサは、2つの画素から等距離の位置に配置される。例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21の中間位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21とR31の中間位置とされる。
即ち列方向に隣接する2つのR画素から等距離の位置に、それぞれ画素補正センサが配置されている。G画素の列、B画素の列についても同様である。
この画素補正センサは、上下に隣接する画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
また1つの列補正センサは、異なる列の2つの同色画素から等距離の位置に配置される。例えば列補正センサS01は、画素R11,R12から等距離の位置とされる。また画素補正センサS04は、画素R12とR13から等距離の位置とされる。
またG画素の列、B画素の列についても同様に列補正センサが設けられる。例えば列補正センサS02は、画素G11とG12から等距離の位置とされ、列補正センサS03は画素B11とB12から等距離の位置とされる。
この列補正センサは、異なる列の同色画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
このような配置においては、画素補正センサから見れば、それぞれが2つの画素に対応することになる。例えば画素補正センサS11は、画素R11とR21の輝度検出用の光センサとなる。また画素補正センサS21は、画素R21とR31の輝度検出用の光センサとなる。
一方、画素側から見れば、第1行及び第M行以外の画素については、各画素に2つの画素補正センサが対応することになる。例えば画素R21から見れば、画素補正センサS11とS21が対応する。
第1行の各画素は、1つの画素補正センサと1つまたは2つの列補正センサが対応する。例えば画素R11から見れば、画素補正センサS11と列補正センサS01が対応する。また画素R12は、画素補正センサS14と列補正センサS01、S04が対応する。
このような対応関係は、特定の一つの基準画素(例えばR画素群については画素R11とする)を起点として、全ての画素(ダミー画素RMNまでの全R画素)が、光センサ(画素補正センサまたは列補正センサ)を介して橋渡しされているような状態を形成する。
G画素群、B画素群も同様である。例えばG画素群は、基準画素G11から、ダミー画素GMNまでの全G画素が、光センサで橋渡しされているような状態である。
ここで橋渡しという表現は単なる説明上のイメージである。具体的には、2つの画素が共通の光センサで輝度検出されていくことが、順次各光センサについて繰り返されることで、同色の全画素の、基準画素からみた相対的な発光輝度差分を、各光センサの検出ばらつきを排除して得られる構成であることを示している。
このように画素及び光センサ(画素補正センサと列補正センサ)を配設することで実現できる補正係数設定処理を説明する。
補正係数設定処理の概略は次の(1)〜(6)のとおりである。
(1)基準画素を基準表示データ信号値で点灯させ、その上または下の光センサで測定を行なう。基準画素はパネル内の任意の画素とする。基準表示データ信号値とは、或る特定の階調値である。全画素に基準表示データ信号値を与えて画素毎の発光輝度の差を検出するためである。また基準画素は、本例ではR画素群については画素R11とする。
例えば最初に、基準画素R11としての画素回路10に、基準表示データ信号値による信号電位Vsigを与えて発光させ、発光輝度を画素補正センサS11で検出する。
(2)当該検出を行った光センサに隣接する反対側の画素を基準表示データ信号で点灯させて測定を行なう。即ち、例えば次に、画素R21としての画素回路10に、基準表示データ信号値による信号電位Vsigを与えて発光させ、発光輝度を同じく画素補正センサS11で検出する。
(3)画素間の輝度差分から補正係数設定を行う。例えば上記(1)(2)により、画素R11,R21の輝度が、共通の画素補正センサS11で得られたことになる。そこで、その検出値から、基準画素R11に対する画素R21の検出値の差分(比)から、補正係数が算出できる。即ち、基準画素R11と同一の輝度で画素R21を発光させるようにするための補正値である。そして算出された補正係数を、画素R21についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
(4)次に、補正係数を更新した画素を基準にして、次の画素の補正係数を設定する。例えば先に補正係数を設定した画素R21を基準にして、画素R31の補正係数を設定する。このため、画素R21とR31の間で、上記(1)(2)(3)の処理を行う。
まず画素R21を基準表示データ信号値で発光させ、画素補正センサS21で発光輝度を検出する。但し、この場合は、画素R21に対しては、先に設定した補正係数による補正を行った基準表示データ信号値を与えることとなる。
次に、画素R31を基準表示データ信号値で発光させ、画素補正センサS21で発光輝度を検出する。
そして画素間の輝度差分から補正係数設定を行う。即ち画素R21,R31の輝度が、共通の画素補正センサS21で得られたことになるため、画素R21に対する画素R31の検出値の差分(比)から、補正係数を算出する。即ち、画素R21と同一の輝度で画素R31を発光させるようにするための補正値である。そして算出された補正係数を、画素R31についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。ここで、画素R21については、先に設定した補正係数を反映させた基準表示データ信号値で発光させているため、今回求められた画素R31の補正係数は、基準画素R11と同一の輝度で画素R31を発光させるための補正値となる。
(5)以下、列方向に順次同様の処理を行い、列方向の各画素(R41〜RM1)について、それぞれ補正係数を求め、補正係数格納部6bに記憶する。
(6)次に、他の列の画素について補正係数設定を行う。例えば基準画素R11と画素R12の間で、列補正センサS01を用いて、上記(1)(2)(3)と同様の処理を行う。すると、画素R12について、基準画素R11と同一の輝度で画素R12を発光させるための補正係数を得ることができる。
画素R12の補正係数が設定できたら、次に画素R12とR22の間で、上記(4)の処理を行う。これにより、画素R22についても、基準画素R11と同一の輝度で画素R22を発光させるための補正係数を得ることができる。
以下、R32〜RM2についても同様の処理を繰りかえす。
以上のような処理を、ダミー画素RMNの補正係数設定まで行うことで、全R画素について、同一の表示データ信号が与えられたときに、基準画素R11と同一の輝度で発光させるための補正係数が得られたことになる。
図4(a)のステップF102、または図4(b)のステップF202として、このようなR画素群についての補正係数設定処理を実現する信号処理部2の処理例を図7に示す。
まず信号処理部2は、ステップF300で補正係数格納部6bにおける全R画素についての補正係数をクリアする。次にステップF301で、処理対象の画素を指定する変数m,nについてm=1、n=1とする。
ステップF302では、信号処理部2は、画素Rmnについて、特定の階調値Xに相当する基準表示データ信号(以下「基準信号X」)を与えて発光させる。なお、このステップF302では、当該画素Rmnについて、補正係数格納部6bに記憶されている補正係数による補正を与える。但し、最初はm=1、n=1であり、画素Rmn=基準画素R11となり、また補正係数はクリアされている。従って、基準画素R11に対して、基準信号Xをそのまま与えることになる。具体的には、データドライバ4に基準信号Xを供給するとともに、ゲートドライバ3及びデータドライバ4に、画素R11の発光を指示する。
ステップF303では、信号処理部2は、発光させた画素Rmnの下側の画素補正センサの検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。この場合、基準画素R11の下側の画素補正センサS11の検出値を取り込むことになる。
次に信号処理部2はステップF304で、変数mをインクリメントし、ステップF305で、画素Rmnについて、基準信号Xを与えて発光させる。なお、このステップF305は、データドライバ4に供給する基準信号Xについて補正は行わない。この場合、m=2とされているため、画素R21を基準信号Xで発光させることになる。
ステップF306では、信号処理部2は、発光させた画素Rmnの上側の画素補正センサの検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。この場合、画素R21の上側の画素補正センサS11の検出値を取り込むことになる。つまり上記ステップF303と同一の画素補正センサS11の検出値である。
信号処理部2は、ステップF307で、上記ステップF303及びF306で取り込んだ両検出値を用いて補正係数を算出する。即ちこの場合、両検出値とは、画素R11、R21について画素補正センサS11で検出した発光輝度の値である。
この両検出値の差分または比から、画素R21を、基準画素R11と同一の輝度で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF308では、算出された補正係数を、画素R21についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
ここまでの処理で、基準画素R11を基準とした画素R21の補正係数が設定できたことになる。
信号処理部2は、ステップF309で変数m=Mであるか否かを確認する。上述のように「M」は最終行の値である。つまりステップF309は、現在の列の最終行の画素まで、補正係数の設定が終えたか否かを確認する処理である。
上記のように画素R21の補正係数設定を行った時点では、まだ補正係数未設定の下方の画素が存在するため、ステップF302に戻る。
この場合、ステップF302で信号処理部2は、画素Rmn(つまり画素R21)について、基準信号Xを与えて発光させる。このときは、当該画素Rmn(=R21)について、先に補正係数格納部6bに記憶させた補正係数による補正を与える。従って、この時点で画素R21は、基準画素R11と同じ発光輝度で発光していることになる。
そしてステップF303で信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=R21)の下側の画素補正センサ、つまり今度は画素補正センサS21の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。
次に信号処理部2はステップF304で、変数mをインクリメントし、ステップF305で、画素Rmnについて、基準信号X(無補正)を与えて発光させる。この場合、m=3とされているため、画素R31を基準信号Xで発光させることになる。
ステップF306では、信号処理部2は、発光させた画素Rmnの上側の画素補正センサの検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。この場合、基準画素R31の上側の画素補正センサS21の検出値を取り込むことになる。つまり直前のステップF303と同一の画素補正センサS21の検出値である。
信号処理部2は、ステップF307で、上記ステップF303及びF306で取り込んだ両検出値を用いて補正係数を算出する。即ちこの場合、両検出値とは、画素R21、R31について画素補正センサS21で検出した発光輝度の値である。
この両検出値の差分または比から、画素R31を、画素R21と同一の輝度(つまり基準画素R11と同一輝度)で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF308では、算出された補正係数を、画素R31についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
以上のステップF302〜F308の処理を、当該列の最終行の画素RM1の補正係数が設定されるまで繰り返していく。
そして画素RM1の補正係数が設定された直後のステップF309では、変数m=Mとなり、この場合、ステップF310に進んで、現在が最終列(第N列)の処理を終了したのか否かを確認する。即ち変数n=Nであるか否かを確認する。
上記のように第1列のR画素(R11〜RM1)までの補正係数設定を終えた時点では、第2列以降のR画素が残っている。この時点で変数n=1であって、NではないためステップF311に進む。
信号処理部2は、まず変数mの値をm=1とする。そしてステップF312で画素Rmn(つまりこの場合、基準画素R11)について、基準信号Xを与えて発光させる。ステップF312にでは、先に画素Rmnについて補正係数格納部6bに記憶させた補正係数による補正を与えるが、基準画素R11の場合に限っては、実質的に補正はない。例えば補正値を乗算係数とした場合は、基準画素R11についての補正係数=1(加減算値とした場合は補正値=0)であるためである。
そしてステップF313で信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=基準画素R11)に対応する列補正センサ、この場合、列補正センサS01の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。
次に信号処理部2はステップF314で、変数nをインクリメントし、ステップF315で、画素Rmn(この場合画素R12)について、基準信号X(無補正)を与えて発光させる。
ステップF316では信号処理部2は、発光させた画素Rmn(=R12)に対応する列補正センサ、この場合、列補正センサS01の検出値を、検出信号生成部7から取り込んで信号処理部2の内部で記憶する。つまり直前のステップF313と同一の列補正センサの検出値である。
信号処理部2は、ステップF317で、上記ステップF313及びF316で取り込んだ両検出値を用いて補正係数を算出する。即ちこの場合、両検出値とは、基準画素R11、R12について列補正センサS01で検出した発光輝度の値である。
この両検出値の差分または比から、画素R12を、基準画素R11と同一の輝度で発光させるための補正係数を得ることができる。
そしてステップF318では、算出された補正係数を、画素R12についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する。
そしてステップF302に進む。R画素群としての2列目の先頭の画素R12について補正係数が設定されたため、以降、ステップF302〜F308を、当該2列目の各画素について実行することになる。
即ちまず画素R12を、補正係数で補正した基準信号Xで発光させて画素補正センサS14で輝度検出を行う(F302,F303)。次に画素R22を無補正の基準信号Xで発光させて画素補正センサS14で輝度検出を行う(F304,F305,F306)。そして、両検出値から、画素R22を、画素R21と同一の輝度(つまり基準画素R11と同一輝度)で発光させるための補正係数を得、算出された補正係数を、画素R22についての補正係数として補正係数格納部6bに記憶する(F307,F308)。
以降、順次、画素R22,R32、画素R32とR34・・・とステップF302〜F308の処理を行い、最終行の画素RM2まで補正係数を設定する。
すると今度は、画素R12とR13の関係で列補正センサS04を用いてステップF311〜F318の処理を行い、その後、ステップF302〜F308で、R画素群としての第3列目の画素(画素R13〜RM3)までの補正係数設定を行う。
このような処理を繰り返し、最終行、最終列のダミー画素RMNの設定が終わった時点で、ステップF310で変数n=Nとなり、R画素群の全画素に対する補正係数設定が終了する。
補正係数設定処理は、以上で完了するわけであるが、ステップF319〜F321では、後述する通常の表示動作実行中の補正係数更新処理のために必要な処理を行う。
信号処理部2はステップF319では、或るダミー画素(例えばダミー画素R1N)を基準信号Xで発光させる。この場合、基準信号Xはダミー画素R1Nについて設定した補正係数で補正してからデータドライバ4に与える。
ステップF320では、特定の光センサでダミー画素R1Nの発光輝度の検出値を取り込む。特定の光センサとは、後述する補正係数更新処理で同じくダミー画素R1Nの発光輝度を検出する光センサである。例えば図5の場合、ダミー画素R1Nの直下の画素補正センサとすればよい。どの光センサをここでいう特定の光センサとして決めておくかは任意であり、例えばとなりのダミー画素G1Nの直下の画素補正センサや、或いはダミー画素G1Nの右上の列補正センサを、特定の光センサと決めても良い。
なお、補正係数更新処理でダミー画素R1Nの発光輝度を検出するときは、有効画素領域AAは通常に表示を行っているため、有効画素の発光の影響を受けないようにすることが適切である。そのためには、特定の光センサは、なるべく有効画素領域AAから離れていることが望ましい。その意味では、ダミー画素R1Nの直下の画素補正センサより、ダミー画素G1N或いはB1Nの直下の画素補正センサが適しているとも言える。
信号処理部2はステップF321で、特定の光センサの検出値を、ダミー画素R1Nの測定値としてダミー測定値格納部6aに格納する。
G画素群については図4のステップF103またはF203で、B画素群については図4のステップF104またはF204で、図7と同様の処理が行われる。即ち図7における画素R11〜RMNを、G画素群については画素G11〜GMN、B画素群については画素B11〜BMNとして考え、またそれぞれ対応する光センサを用いればよい。
このような処理を行うことにより、補正係数更新対象とする全画素(少なくとも有効表示領域の全画素)について、補正係数が設定されることになる。
特にパワーオン時、またはパワーオフ時に補正係数更新が行われることで、経時劣化にも対応して適切な補正係数が補正係数格納部6に格納されるように適宜更新されることになる。
その上で、本例の場合、各画素の補正係数は基準画素R11から順次、共通の光センサでの輝度検出値に基づいて算出される。これは、補正係数算出の際に、各光センサの検出ばらつきの影響を受けないことを意味する。
従って補正係数は、各光センサの検出ばらつきの影響を排除した適切な値となる。
これらによって本例の表示装置1は、輝度ムラのない高品質な画面表示を行うことができる。
またダミー画素も含めて、適切な補正係数設定が行われることになるが、これは後述する表示動作実行中にダミー画素を用いて行う補正係数更新処理を精度良く実行するという点で好適となる。
なお、以上の図7のような補正係数設定処理を実現するための光センサ配置例は、他にも考えられる。
例えば列補正センサは、第1行目の上側ではなく、第m行目の下側において、異なる列の同色画素から等距離の位置に配置されていてもよいし、配置が可能であれば、途中の行の間に配置されていても良い。あくまでも、或る列の1つの画素と、異なる列の1つの同色画素とから等距離の位置に設けられて、異なる列の画素同士で共通に発光輝度を検出できるようにすればよい。
また、図7の処理では列方向の画素について補正係数設定を行った後、列補正センサを介して次の列の補正に進むようにしたが、先に第1行目の全R画素について補正を行い、その後、各列で、画素補正センサを介して、順次列方向に並ぶR画素の補正係数設定を行うようにすることもできる。もちろん他の順序も考えられ、どのような順序で各画素の補正係数設定を行うかは、全く任意である。
また、補正係数設定処理の例は図7に限られず、光センサの配置も多様な例が考えられる。いずれにしても、2以上の画素が共通の光センサによって輝度検出され、基準とする画素に対して相対的に同一輝度の発光を行うための補正係数を設定することを、順次連鎖的に全ての画素に行われるようにすればよい。すると、個々の光センサの検出ばらつきを排除して、画面上の1の基準画素と同様の発光輝度を全画素で得られるようになる。
このような補正係数設定を行うためには、光センサの配置が、全画素について上述の橋渡し状態を形成していればよい。
例えば図8,図9に示すような光センサの配置例も考えられる。画素の配置は上述した図5,図6と同様である。
図8に示すように、画素アレイ内において、○で示す画素補正センサが配置される。最外周の画素の周囲には、先に述べた列補正センサは無く、この例では、○で示す画素補正センサが列補正センサとしての機能も果たす。
図9に拡大して示すが、各画素補正センサは、4つの同色画素から等距離の位置に配置されている。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21,R12,R22からそれぞれ等距離の位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21,R31,R22,R32からそれぞれ等距離の位置とされる。G画素群、B画素群についても同様である。
この画素補正センサは、対応する4つの画素同士の間で相対的な発光輝度の差分を検出するものとされる。
このような光センサの配置も、特定の一つの基準画素(例えばR画素群については画素R11)を起点として、全ての画素(画素RMNまでの全R画素)が、光センサ(画素補正センサ)を介して橋渡しされているような状態を形成する。
この場合、上記図7と同様の処理でもよいし、1つの光センサに対応する4つの画素を1つのブロックとしてブロックごとに順次補正係数設定を行っていくこともできる。
そしてこのセンサ配置例の場合、1つの画素補正センサで4つの画素の相関で補正係数を算出するため、より精度の高い補正係数が得られる。
また、図10、図11のような光センサ配置例も考えられる。
図10に示すように、画素アレイ内において、○で示す画素補正センサ及び●で示す列補正センサが配置される。
図11に拡大して示すが、各画素補正センサは、4つの同色画素から等距離の位置に配置されている。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21,R12,R22からそれぞれ等距離の位置とされる。また画素補正センサS21は、画素R21,R31,R22,R32からそれぞれ等距離の位置とされる。
列補正センサは、隣接する同色の最上段のブロックにおける画素同士から等距離の位置に配置される。
例えば列補正センサS01は、画素R11,R21,R12,R22のブロックと、このブロックに隣接する画素R13,R23,R14,R24のブロックとを橋渡しするものとして、画素R12と画素R13から等距離の位置に配置される。
G画素群、B画素群についても同様である。
このような光センサの配置も、特定の一つの基準画素(例えばR画素群については画素R11)を起点として、全ての画素(画素RMNまでの全R画素)が、光センサ(画素補正センサまたは列補正センサ)を介して橋渡しされているような状態を形成する。
従って、上記図7のような処理や、1つの画素補正センサに対応する4つの画素を1つのブロックとしてブロックごとに順次補正係数設定を行っていく処理を行うことで、全画素について各光センサの検出ばらつきを排除した補正係数設定を行うことができる。
またこの例では、光センサの数を大幅に削減できるという利点が得られる。
また光センサの削減という観点からは、図12のように、画素補正センサを、R、G、B各色の画素で共用することも考えられる。
つまりこの場合、各画素補正センサは、或る色の2つの同色発光画素に対して等距離であり、かつ、他の色の2つの同色発光画素に対しても等距離である位置に配置されている。
例えば画素補正センサS11は、画素R11,R21から等距離で、かつ画素G11、G21から等距離で、かつ画素B11,B21から等距離の位置となる。
また画素補正センサS21は、画素R21,R31から等距離で、かつ画素G21、G31から等距離で、かつ画素B21,B31から等距離の位置となる。
列補正センサについては共用していない。即ち画素R11,R12に対して列補正センサS01が等距離に配置され、画素G11,G12に対して列補正センサS02が等距離に配置され、画素B11,B12に対して列補正センサS03が等距離に配置される。
このように画素補正センサを各色で共用できるように配置することでも、図7のような処理は可能であり、その上で、光センサの数を大幅に削減できる。
[4.通常の表示動作実行中の処理]

以上の補正係数設定処理を例えばパワーオンの際などに行うことで、経時劣化にも対応して適切な補正係数を設定し、画面上の輝度ムラを低減できる。
ところが表示装置1が、長時間、表示を継続するような使用をされる場合、補正係数設定処理を行う機会がなかなか訪れないこととなる。そして長時間表示動作が継続することで、その間に画素毎に劣化の進行が異なり、画面上の輝度ムラが生じてくることもある。発光輝度の劣化の進行は表示輝度によって異なり、表示実行中は各画素が映像内容によって異なる輝度で発光しているためである。このことは、画素毎の補正係数が、長時間の表示継続によって、適切でなくなっていくことを意味する。
そこで本実施の形態では、表示実行中でも、例えば一定時間毎に、各画素の補正係数を修正する補正係数更新処理を行うようにしている。
ここではまず、一定時間毎の補正係数更新処理に至るまでの、通常の表示動作実行中の処理について説明する。
まず図13で、メモリ部6の記憶内容を示しておく。
ダミー測定値格納部6aには、R、G、Bの各ダミー画素(例えばR1N,G1N,B1N)について、上記図7のステップF319〜F321で記憶した発光輝度の測定値R−DM、G−DM、B−DMが格納される。
補正係数格納部6bには、上記図7のステップF300〜F310で設定した、各画素毎の補正係数が記憶される。即ちR画素群について補正係数CR11〜CRMN、G画素群について補正係数CG11〜CGMN、B画素群について補正係数CB11〜CBMNが記憶される。
画素信号積算値格納部6cには、以下に述べる表示動作実行中の処理で、各有効画素の表示データ信号値を積算した積算値が記憶されていくことになる。即ちR画素群について積算値QR11〜QRM(N-1)、G画素群について積算値QG11〜QGM(N-1)、B画素群について積算値QB11〜QBM(N-1)である。
図14(a)で通常の表示動作実行中の信号処理部2の処理を示す。
信号処理部2には、毎フレームで各画素の表示データ信号が入力されるが、ステップF601では、各画素の表示データ信号値を、その時点で画素信号積算値格納部6cに記憶されている値に加算して更新する。
例えば画素R11について入力された表示データ信号値を「DR11」とすると、画素R11についての積算値QR11を、
R11=QR11+DR11
として更新する。他の全有効画素についても同様に積算して画素信号積算値格納部6cの記憶値を更新する。
そしてステップF602では、各画素についての表示データ信号値を、補正係数格納部6bに記憶されている補正係数を用いて補正し、データドライバ4に供給する。
なお、このとき、ダミー画素については表示データ信号値は入力されないが、信号処理部2はダミー画素(R1N〜RMN、G1N〜GMN、B1N〜BMN)に対する表示データ信号を生成し、補正係数格納部6bに格納されているこれらの画素の補正係数を用いて補正してデータドライバ4に供給する。即ちダミー画素も発光駆動する。但し、後述する図15の処理で使用するダミー画素R1N(及びG1N、B1N)以外は、全く発光させなくてもよい。
ダミー画素に与える表示データ信号値は、有効画素領域AA内の画素に対する表示データ信号値をそのまま用いればよい。例えば隣接する列の画素(R1(N-1)〜RM(N-1)、G1(N-1)〜GM(N-1)、B1(N-1)〜BM(N-1))の表示データ信号値を、ダミー画素(R1N〜RMN、G1N〜GMN、B1N〜BMN)の表示データ信号値として用い、補正してデータドライバ4に供給する。もちろん他の画素(例えば画面中央付近の画素)の表示データ信号値をダミー画素用として流用してもよい。
以上のステップF601,F602の処理を、通常表示動作の終了と判断されるまで(F603)、フレーム毎に繰り返す。
従って、フレーム単位の表示データ信号が入力されるたびに、信号処理部2は画素信号積算値格納部6cの値を積算更新していき、またダミー画素を含めて全画素について、補正係数を用いて補正した状態で表示駆動させるようにする。
ステップF601で更新する画素信号積算値格納部6cの積算値は、後述する補正係数更新処理の際に各画素の劣化の進行度合いを推定する情報となる。劣化の進行度合いは、表示輝度によって異なるが、各表示データ信号値(発光させる階調値)を積算していけば、その平均値として、補正係数更新処理を実行するまでの期間の平均的な輝度階調を求めることができるためである。
またステップF602で、ダミー画素についても発光させるのは、ダミー画素にも表示内容に応じた劣化を発生させるためである。
なお、画素信号積算値格納部6cの積算値は、毎フレーム更新していくことが望ましいが、すると、積算値の値が大きくなり、画素信号積算値格納部6cとしての記憶容量が多大となる。そこで、記憶容量が制限される場合などは、適度な間隔で積算値更新を行うようにしても良い。例えば1分に1回、5分に1回などである。
図14(b)に、その場合の処理例を示す。
信号処理部2はステップF650で、例えば5分に1回などの積算タイミングに至ったか否かを判定する。積算タイミングでなければステップF652に進み、現在のフレームの表示データ信号については、補正処理を行って補正後の表示データ信号(ダミー画素も含む)をデータドライバ4に供給する。
一方、積算タイミングとなった場合は、そのフレームの表示データ信号については、ステップF651で、画素信号積算値格納部6cの積算値の更新を行い、ステップF652で補正処理を行って補正後の表示データ信号(ダミー画素も含む)をデータドライバ4に供給する。これをステップF653で表示終了とされるまで繰り返す。
[5.第1の補正係数更新処理例]

通常の表示動作実行中は、以上の図14(a)又は(b)の処理を行いながら、所定期間毎に補正係数を修正する補正係数更新処理を行う。例えば30分間隔、1時間間隔、5時間間隔、10時間間隔などの所定期間間隔で補正係数更新処理を行う。
補正係数更新処理のタイミングとなったときに信号処理部2が実行する補正係数更新処理の例を図15に示す。なお図15は1つの色(例えばR画素群)についての処理を示している。G画素群、B画素群についても同様の処理を行うことになる。
補正係数更新処理のタイミングとなったら、信号処理部2は図15のステップF701からF702に進み、補正係数更新処理を開始する。
なお、通常の表示動作は実行してるため、図14の処理と並行して図15の処理を行うことになる。但し、図15の補正係数更新処理を実行する間は、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素に対する処理は行わない。図15の処理で例えばダミー画素R1Nを使用し、また他の使用しないダミー画素はダミー画素R1Nの輝度測定に影響を与えないようにするため、発光させないようにする必要があるためである。
図15のステップF702では、ダミー画素(例えばR1N)を、基準信号Xで発光させる。図14の処理により、毎フレームでダミー画素を含めて表示データ信号値による発光をさせているが、この補正係数更新処理を行うときは、ダミー画素についてはダミー画素R1Nのみを、固定の階調値である基準信号Xを与えるようにする(他のダミー画素は発光させない)。
そしてステップF703で、信号処理部2は、検出信号生成部7からダミー画素R1Nに対応する特定の光センサの検出値を取り込む。特定の光センサとは、図7のステップF320で用いた特定の光センサと同一の光センサである。
ステップF704では、前回の検出値と、今回の検出値(直前のステップF703で得た検出値)から、ダミー画素R1Nについての発光輝度の変化量(即ち通常は劣化量)を判定する。
前回の検出値とは、その時点でダミー測定値格納部6aに記憶されている測定値R−DM(図13参照)である。このステップF704では、前回と今回の発光輝度の検出値(測定値)を比較して、その差分を劣化量とする。
そしてステップF704で信号処理部2は、劣化量から補正係数修正値を算出する。この補正係数修正値は、補正係数格納部6bの現在のダミー画素R1Nについての補正係数CR1Nを修正する値である。
劣化が生じている場合は、その劣化分に相当するだけ補正係数を修正すれば、前回と同一の輝度で発光させることができる。そこで基準信号Xに対する前回と今回の発光輝度の差分(=劣化量)又はその比に相当する補正係数修正値を求める。
この補正係数修正値は、補正係数について発光輝度劣化を補償する値となる。
しかしながら、ここで求めた補正係数修正値は、あくまでダミー画素R1Nについての値である。
有効画素領域AAの各画素は、それぞれ毎フレーム毎に多様な階調で発光しており、全ての画素がダミー画素R1Nと同様に劣化が進行しているわけではない。
そこで、各有効画素の劣化を推定して、補正係数修正値を調整する処理を行う。
ステップF706で信号処理部2は、各画素の平均信号値を算出する。即ちその時点で画素信号積算値格納部6cに記憶されている各R画素の積算値(QR11〜QRM(N-1))から、各R画素の平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を求める。
なお、このとき、画素信号積算値格納部6cの各値(QR11〜QRM(N-1))として、平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))の値に書き換える。今回の図15の処理が終了した後の図14の処理での最初の積算値とするためである。
そしてステップF707では、各R画素について平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を元に、所定の関数を用いて補正係数修正値を調整する。
ステップF704で求めた補正係数修正値は基準信号Xについて測定した値に基づく。
或るR画素の平均信号値が基準信号Xとほぼ同じであれば、その画素については補正係数修正値はそのまま用いればよい。
一方、或るR画素の平均信号値が基準信号Xより大きければ、それだけ画素劣化の進行度合いが大きいと推定できる。
また、或るR画素の平均信号値が基準信号Xより小さければ、それだけ画素劣化の進行度合いが小さいと推定できる。
平均信号値と基準信号Xとの差に応じて、所定の関数演算(一次関数又は二次関数)を用いて補正係数修正値を調整することで、このような劣化度合いに応じた画素毎の補正係数修正値を得ることができる。
即ち発光輝度劣化に応じた補正係数の修正とは、表示データ信号値を高く補正する方向に補正係数を修正するものであるが、例えば劣化進行度合いが大きい画素については、補正係数を修正するための補正係数修正値の値が高くなり、劣化進行度合いが小さい画素については、補正係数を修正するための補正係数修正値の値が低くなるようにする。
このように画素に応じて補正係数修正値を調整したうえで、その調整後の補正係数修正値を用いて補正係数格納部6bにおける各R画素の補正係数を修正更新する。
例えばステップF705でダミー画素R1Nの検出値から求めた補正係数修正値を「rC」とし、各R画素毎に平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))に応じて調整した各画素の補正係数修正値を「rCR11」〜「rCRM(N-1)」とすると、
例えば補正係数格納部6bの補正係数CR11〜CRM(N-1)について、
R11=CR11+rCR11 (又はCR11=CR11×rCR11
R21=CR21+rCR21 (又はCR21=CR21×rCR21
RM(N-1)=CRM(N-1)+rCRM(N-1) (又はCRM(N-1)=CRM(N-1)×rCRM(N-1)
といように補正係数CR11〜CRM(N-1)を修正更新していく。なお上記括弧内は、補正係数修正値を比の値で求めた場合である。
なお、ダミー画素R1Nの補正係数CR1Nについては、
R1N=CR1N+rC (又はCR1N=CR1N×rC)
とすればよい。
ステップF707で以上のように補正係数の修正を行ったら、ステップF708で、ダミー測定値格納部6aの測定値R−DMを、今回ステップF703で取り込んだ検出値に更新する。次回の図15の補正係数更新処理で、前回の検出値として用いるためである。
そして図15の処理を終える。
このような図15の処理を、G画素群、B画素群についても同様に行う。
以上のように通常の表示動作実行中にも、例えば定期的に補正係数更新処理が行われることで、長時間継続表示を行っていても、適宜、補正係数が適切な値に修正されていくことになる。このため、例えパワーオンの際などの補正係数設定処理が長時間行われない場合でも、所定時間毎に図15の処理が行われて補正係数が最適化され、画面上の輝度ムラの発生を低減又は解消できる。
またパワーオンの際等の補正係数設定処理では、ダミー画素も含めて光センサの検出ばらつきを排除した精度の高い補正係数設定が行われているため、表示動作実行中のダミー画素を用いた補正係数更新処理の精度も高いものとなる。
なお、以上の図15の処理では、ダミー画素R1Nについて、基準信号Xのみで発光輝度変化(劣化量)を測定し、補正係数修正値を得た。そして、各画素の平均信号値で補正係数修正値を関数演算により調整し、その後、各画素について調整した補正係数修正値を用いて補正係数の修正を行った。
ここで、各画素について補正係数修正値を調整するための関数は、予め設定した固定の関数、即ち補正係数修正値と、劣化推定量の関係をリニアもしくはノンリニアに規定する関数であればよい。
しかし、必ずしも常に固定の関数が適切とは限らない。そこで、より精密に補正係数の修正を行うためには、複数の基準信号(例えば3つの異なる階調値の基準信号X、Y、Zを用いる手法も考えられる。
例えばダミー画素R1Nについて、基準信号X,Y,Zでそれぞれ発光輝度を測定する。そして基準信号X,Y,Zでそれぞれ前回の測定値と比較して、各階調X,Y,Zでの発光輝度の変化量(劣化量)を判定する。
なおこのため、ダミー測定値格納部6aには、図16(a)のように、ダミー画素R1Nについて、各基準信号X、Y、Zによる前回の測定値R−DM(X)、R−DM(Y)、R−DM(Z)を格納するようにして、今回の各検出値と比較する。ダミー画素G1N、B1Nついても同様である。
例えば3点(3つの階調値)で劣化量を検出することで、階調値に対する劣化量の関数カーブを求めることができる。
すると、その関数を用い、各画素の平均信号値に応じて補正係数修正値を調整すれば、より各画素についての補正係数修正を的確に算出でき、ひいては、各画素の補正係数を的確に修正できることになる。
もちろん2つの階調値の基準信号X、Yで実行したり、或いは4以上の階調値の各基準信号で実行してもよい。
[6.第2の補正係数更新処理例]

第2の補正係数更新処理を説明する。この処理は、多数のダミー画素を用いる。そして、上記のように処理過程で、各画素の平均信号値で補正係数修正値を調整するわけであるが、そのときに関数演算を用いず、適切に各画素に対応した補正係数修正値を得ることができるようにするものである。
図5に示したように、R画素群についてはダミー画素R1N〜RMNのM個のダミー画素が存在する。このため、最大M個のダミー画素を利用することができる。
本例ではダミー画素R1N〜RMNを全て利用する例を挙げる。
ダミー測定値格納部6aについては図16(b)に示すように、ダミー画素R1N〜RMNに対応して測定値R1N−DM〜RMN−DMを記憶するようにする。G画素群のダミー画素G1N〜GMN、B画素群のダミー画素B1N〜BMNについても同様である。即ち測定値G1N−DM〜GMN−DM、測定値B1N−DM〜BMN−DMを記憶する。
また、パワーオンの際のR画素群に対する補正係数設定処理は図17のようにする。図17は、ステップF300〜F310までは上記図7と同様であるが、ステップF330〜F335として、図16(b)のダミー測定値格納部6aにダミー画素R1N〜RMNに対応する測定値R1N−DM〜RMN−DMを記憶する処理を行う。
即ちステップF310までの処理が終了したら、ステップF320で変数m=1とし、ダミー画素R1Nを指定する状態とする。
信号処理部2はステップF321では、ダミー画素R1Nを基準信号Xで発光させる。この場合、基準信号Xはダミー画素R1Nについて設定した補正係数で補正してからデータドライバ4に与える。
ステップF332では、特定の光センサでダミー画素R1Nの発光輝度の検出値を取り込む。そしてステップF333で、特定の光センサの検出値を、ダミー画素R1Nの測定値R1N−DMとしてダミー測定値格納部6aに格納する。
この処理を、ステップF334で変数m=Mと判断されるまで、ステップF335で変数mをインクリメントしながら繰り返す。
これによってダミー画素R1N〜RMNに対応する測定値R1N−DM〜RMN−DMがダミー測定値格納部6aに記憶される。
G画素群、B画素群についても、この図17と同様に補正係数設定処理を行う。
通常の表示動作実行中には、信号処理部2は図14(a)又は(b)の処理を行う。
但し、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素R1N〜RMNに対する発光駆動は、それぞれ特定の階調値で毎フレーム発光させる処理となる。
例えば階調数とダミー画素数Mに応じて、各ダミー画素R1N〜RMNに与える表示データ信号値(階調値)を設定しておく。
例えばダミー画素R1Nには最小階調値、ダミー画素RMNには最大階調値とし、ダミー画素R2N〜R(M-1)Nまでは、最小階調値から最大階調値の間を例えば等間隔に振り分けた各階調値の表示データ信号を与えるようにする。もちろん必ずしも等間隔でなくても良い。これにより、ダミー画素R1Nは最小階調値で常時発光し、ダミー画素R2Nは次の階調値で常時発光し、・・・ダミー画素RMNは最大階調値で常時発光するという状態となる。
補正値更新タイミングとなったら、補正係数更新処理として図18の処理を行う。
即ち信号処理部2は、補正係数更新処理のタイミングとなったら図18のステップF750からF751に進み、補正係数更新処理を開始する。
なお、通常の表示動作は実行してるため、図14の処理と並行して図18の処理を行うことになる。但し、図18の補正係数更新処理を実行する間は、図14(a)のステップF602(又は図14(b)のステップF652)では、ダミー画素R1N〜RMNに対する上記のようなそれぞれ固定の階調値での発光駆動は中止する。
信号処理部2はステップF751では変数m=1とし、ステップF752で、ダミー画素Rmn(つまりR1N)を、基準信号Xで発光させる。
そしてステップF753で信号処理部2は、検出信号生成部7からダミー画素R1Nに対応する特定の光センサの検出値を取り込む。特定の光センサとは、図17のステップF332でダミー画素R1Nについて用いた特定の光センサと同一の光センサである。
そしてステップF754で変数m=Mとなるまで、ステップF755で変数mをインクリメントしながら、ステップF752,F753の処理を繰り返す。
従って、各ダミー画素R1N〜RMNについて、それぞれ基準信号Xで発光させた輝度の検出値が、それぞれ図17のステップF322で用いたのと同一の光センサによって取り込まれることになる。
各ダミー画素R1N〜RMNについて今回の検出値を得たら、信号処理部2はステップF756に進み、前回の検出値と、今回の検出値から、ダミー画素R1N〜RMNのそれぞれについての発光輝度の変化量(即ち通常は劣化量)を判定する。
前回の検出値とは、その時点でダミー測定値格納部6aに記憶されている測定値R1N−DM〜RMN−DM(図16(b)参照)である。このステップF756では、各ダミー画素R1N〜RMNについて前回と今回の発光輝度の検出値(測定値)を比較して、その差分を劣化量とする。
つまり各ダミー画素R1N〜RMNについてそれぞれ劣化量を求める。
そしてステップF757で信号処理部2は、各ダミー画素R1N〜RMNの劣化量から各ダミー画素R1N〜RMNの補正係数修正値を算出する。
続いてステップF758,F759では、補正係数修正値を各画素の劣化推定に応じて補正係数修正値を調整した上で、各画素の補正係数を修正する。
まずステップF758で信号処理部2は、各画素の平均信号値を算出する。即ちその時点で画素信号積算値格納部6cに記憶されている各R画素の積算値(QR11〜QRM(N-1))から、各R画素の平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を求める。
なお、このとき、画素信号積算値格納部6cの各値(QR11〜QRM(N-1))として、平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))の値に書き換える。今回の図18の処理が終了した後の図14の処理での最初の積算値とするためである。
そしてステップF759では、各R画素について平均信号値(AVQR11〜AVQRM(N-1))を元に、補正係数修正値を調整したうえ、補正係数修正値を用いて各画素の補正係数を修正する。
ここで、各ダミー画素R1N〜RMNは、通常の表示動作実行中に、それぞれ異なる固定の階調値で発光させている。
従って、ステップF757で求めた各ダミー画素R1N〜RMNの補正係数修正値は、各階調値での劣化度合いに応じた値となっている。
例えばダミー画素R1Nについての補正係数修正値は、最小階調値で常時発光させた場合の劣化に応じた値となっている。またダミー画素RMNについての補正係数修正値は最大階調値で常時発光させた場合の劣化に応じた値となっている。
つまり、各ダミー画素R1N〜RMNについての各補正係数修正値として、各種の平均信号値に対応する補正係数修正値が得られていることになる。
従って、各画素の補正係数修正値は、その平均信号値と一致又は近い階調値で発光させていたダミー画素の補正係数修正値を用いればよい。例えば平均信号値が最大階調値に近い画素は、ダミー画素R1Nとほぼ同様の劣化進行具合であると推定でき、また平均信号値が階調値L1に近い画素は、階調値L1もしくはそれに近い階調値で発光させていたダミー画素とほぼ同様の劣化進行具合であると推定できるためである。
そこで、各画素の補正係数修正値の調整として、関数演算で行うのではなく、画素の平均信号値に近い階調値で発光させていたダミー画素を選択し、そのダミー画素についての補正係数修正値を、その画素の補正係数修正値とする。このような対応付けを全画素について行い、各画素の補正係数修正値とする。
このように各有効画素に応じて補正係数修正値を調整(この場合、選択)したうえで、その補正係数修正値を用いて補正係数格納部6bにおける各R画素の補正係数を修正更新する。
ダミー画素R1N〜RMNについては、それぞれ自身の画素について求めた補正係数修正値を用いて補正係数を修正すればよい。
ステップF759で以上のように補正係数の修正を行ったら、ステップF760で、ダミー測定値格納部6aの測定値R1N−DM〜RMN−DMを、今回ステップF753で取り込んだ各ダミー画素R1N〜RMNの検出値に更新する。次回の図18の補正係数更新処理で、前回の検出値として用いるためである。
そして図18の処理を終える。
このような図18の処理を、G画素群、B画素群についても同様に行う。
以上の処理によっても、通常の表示動作実行中に例えば定期的に補正係数更新処理が行われることになるため、長時間継続表示を行っていても、適宜、補正係数が適切な値に修正されていく。このため、例えパワーオンの際などの補正係数設定処理が長時間行われない場合でも、所定時間毎に図18の処理が行われて補正係数が最適化され、画面上の輝度ムラの発生を低減又は解消できる。
[7.変形例]

以下、各種の変形例を述べる。
図15,図18のような補正係数更新処理は一定時間間隔でなくてもよい。例えば何らかの手法で全体的な劣化の進行具合を認識して、或る程度の発光輝度劣化が生じていることが推定される場合を補正係数更新処理のタイミングとしても良い。
例えば上記図18の第2の補正係数更新処理のように、通常表示動作時に、ダミー画素にそれぞれ固定の階調値を与える場合、その間に光センサで輝度を適時に測定していくことで、劣化の進行の程度が推定可能である。従って、劣化の進行が或る程度あることを検出した時点で、補正係数更新処理を行うということも考えられる。
また、ユーザの操作等によって補正係数更新処理を開始するようにしてもよい。
また図7のような補正係数設定処理についても、システムの起動時、終了時以外にも、ユーザの操作に応じて、一旦通常の表示動作を停止して実行するようにしてもよい。
また上記図15の第1の補正係数更新処理では、R画素群については1つのダミー画素R1Nのみというように、1つのダミー画素を用いているが、ダミー画素R1N〜RMNのM個のダミー画素を利用することも考えられる。
例えばその場合、図17,図18で述べたように各ダミー画素について発光輝度の測定を行い、その各ダミー画素についての測定値の平均値を、前回の平均測定値と比較して補正係数修正値を求めるというように、図15の処理を変形してもよい。
また、パワーオンの際等に行う図7のような補正係数設定処理については、画面全体の画素について順次、補正係数設定を行っていくため、比較的時間を要する。
この処理時間を短縮するには、例えば画面上を複数の領域に分け、領域毎に並行して図7の処理を行うことが考えられる。但し、各領域での基準画素については、先に相関をとって、補正係数を設定しておくことが必要である。例えば第1行目の画素のみ先に補正係数を設定し、その後、2つの領域で、第1行目の或る画素を基準画素として用いて並行処理を行うようにすればよい。
また、図7の補正係数設定処理では、各画素についての発光輝度の測定と補正係数設定を順次行うようにしているが、先に全画素について発光輝度の測定のみを行ってしまっても良い。画素間の相関をとるため、各画素の発光輝度は、それぞれ対応する2つの光センサで発光輝度を測定する。そして全画素を測定した後、測定された検出値を用いた演算で、各画素の補正係数を算出する。このようにすると、演算処理負担は増えるが、全体の処理の時短化に適している。
また、光センサを等間隔に配置する事が困難な場合には、光センサからの距離と感度の関係式をあらかじめ求めておく事で、不等間隔の測定差を補正することも考えられる。
また、図7の補正係数設定処理についても、測定する際の基準信号は或る階調の1つの基準信号Xだけでなく、例えば高輝度階調信号の基準信号Xと低輝度階調の基準信号Yの2つ、もしくはそれ以上の信号を入力して測定することで補正係数の精度を高めることも出来る。
また、一つの光センサで隣接する複数の画素を測定する時に、基準信号Xの値を変化させて輝度データを比較する事で、滅点や半滅点の検出も出来る。
また、各画素を複数の光センサで測定を行うので、輝度データを比較する事で光センサの故障を検出することも出来る。
なお、光センサの配置例は各種説明したが、RGB各画素配列によって、センサ位置は異なり、また多様に考えられることは言うまでもない。
また実施の形態では有機ELパネルを用いた表示装置について説明したが、有機ELパネル以外でも自発光画素による表示パネルを用いた表示装置でも本発明は適用できる。
本発明の実施の形態の表示装置の要部のブロック図である。 実施の形態の有機ELパネルの説明図である。 実施の形態の有機ELパネルの画素回路の説明図である。 実施の形態のパワーオン/オフ時の処理のフローチャートである。 実施の形態の補正係数設定処理に係る光センサ配置の説明図である。 実施の形態の補正係数設定処理に係る光センサ配置の拡大説明図である。 実施の形態の補正係数設定処理のフローチャートである。 実施の形態の他の光センサ配置例の説明図である。 実施の形態の他の光センサ配置例の拡大説明図である。 実施の形態のさらに他の光センサ配置例の説明図である。 実施の形態のさらに他の光センサ配置例の拡大説明図である。 実施の形態の各色共用した光センサ配置の説明図である。 実施の形態のメモリ部の記憶情報の説明図である。 実施の形態の通常の表示動作実行中の処理のフローチャートである。 実施の形態の第1の補正値更新処理のフローチャートである。 実施の形態のダミー測定値格納部の他の記憶情報例の説明図である。 実施の形態の他の補正係数設定処理のフローチャートである。 実施の形態の第2の補正値更新処理のフローチャートである。
符号の説明
1 表示装置、2 信号処理部、3 ゲートドライバ、4 データドライバ、5 有機ELパネル、6 メモリ部、6a ダミー測定値格納部、6b 補正係数格納部、6c 画素信号積算値格納部、7 検出信号生成部、10 画素回路、11 ドライブスキャナ、12 ライトスキャナ

Claims (8)

  1. 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、
    上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、
    上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、
    通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサの検出値として取り込み、取り込んだ各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出して当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定するとともに、通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各発光画素の発光輝度補正が行われるようにし、また所定タイミングで補正値更新処理として、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する信号処理部と、
    を備えた表示装置。
  2. 画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値の積算値をそれぞれ格納する積算値格納部をさらに備え、
    上記信号処理部は、画面有効領域を形成する各発光画素に与える表示データ信号値をそれぞれ積算して上記積算値格納部に記憶させていくとともに、
    上記補正値更新処理の際には、上記ダミー画素の発光輝度の変化値と、画面有効領域の各発光画素について上記積算値格納部に記憶された積算値とに基づいて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する請求項1に記載の表示装置。
  3. 上記信号処理部は、上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、上記ダミー画素についても、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて補正した表示データ信号を与えて発光させるようにする請求項2に記載の表示装置。
  4. ダミー画素の発光輝度の測定値を格納するダミー測定値格納部をさらに備え、
    上記信号処理部は、上記補正値更新処理の際に、上記ダミー画素の発光輝度を検出し、検出した発光輝度を、上記ダミー測定値格納部に記憶された前回の補正値更新処理の際に測定した発光輝度と比較して発光輝度の変化値を求めるととともに、上記ダミー測定値格納部の測定値を今回の測定値に更新する処理を行う請求項2に記載の表示装置。
  5. 上記信号処理部は、
    上記通常表示動作時において上記補正値更新処理を行わない期間には、複数の上記ダミー画素のそれぞれについて、それぞれ所定の基準表示データ信号値を与えて発光させるようにし、
    上記補正値更新処理の際には、それぞれの上記ダミー画素の発光輝度の変化値を、上記積算値格納部に記憶された積算値を用いて画面有効領域の各発光画素に対応させ、各発光画素について対応する変化値を用いて補正値の修正値を求め、該修正値を用いて上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する請求項2に記載の表示装置。
  6. 上記発光画素は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いた画素である請求項1に記載の表示装置。
  7. 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する有機エレクトロルミネッセンス表示パネル。
  8. 画面有効領域を形成する画素と画面有効領域外のダミー画素とを含む複数の発光画素を有し、またそれぞれが少なくとも2以上の発光画素から等距離の位置となるように配置された複数の光センサを有する表示パネル部と、
    上記表示パネル部の各画素を、入力された表示データ信号に基づいて発光駆動する表示駆動部と、
    上記各発光画素のそれぞれについての補正値を記憶する補正値格納部と、
    通常表示動作時には、上記補正値格納部に格納された補正値を用いて各画素の発光輝度補正が行われるようにする信号処理部と、
    を備えた表示装置の補正値処理方法として、
    通常表示動作を行わない際に、2以上の発光画素について基準表示データ信号値でのそれぞれの発光輝度を、当該2以上の発光画素から等距離に配置された光センサで検出し、当該2以上の発光画素についての各検出値に基づいて、当該2以上の発光画素のうちの一の発光画素に対する他の発光画素の補正値を算出し、算出された補正値を、当該他の発光画素についての補正値として上記補正値格納部に格納させる補正値設定処理を、各光センサに対応する2以上の発光画素について順次行うことで、補正値設定対象とした全発光画素の補正値を設定し、
    通常表示動作時には、所定タイミングで、上記ダミー画素の発光輝度の変化値を検出し、検出した発光輝度の変化値に基づいて、上記補正値格納部に格納された各発光画素の補正値を修正して更新する補正値更新処理を行う補正値処理方法。
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