JP2010141042A - プロセス処理装置の制御システム、プロセス処理装置の制御方法、プロセス処理装置の制御プログラム、および、プログラム記録媒体 - Google Patents

プロセス処理装置の制御システム、プロセス処理装置の制御方法、プロセス処理装置の制御プログラム、および、プログラム記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス処理装置およびチャンバの数より少ない予測モデルを用いて予測する。
【解決手段】プロセスデータ収集部25で収集したプロセスデータに関して、モデル選択部25で主成分分析によって特徴量を算出し、主成分平面において一つ以上に分類したグループの何れかに分類し、上記分類先のグループに対応する予測モデルを選択する。そして、予測部27で上記予測モデルに上記予測用のプロセスデータを入力して、測定データの予測値を得る。上記主成分平面上のグループは、プロセス処理装置の運転状態の違いを表している。したがって、予め運転状態に対応する予測モデルのみを用意しておけば、プロセス処理装置のあらゆる処理状態にも対応することが可能となり、上記プロセス処理装置および上記チャンバの数より少ない数の予測モデルを用いて、上記プロセス処理装置の内部状態あるいは製造品の特性値を予測することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、半導体製造装置等のプロセス処理装置に対して最適なプロセス処理を行わせるプロセス処理装置の制御システム、上記プロセス処理装置の制御方法、上記プロセス処理装置の制御プログラム、および、プログラム記録媒体に関する。
半導体製造分野等では、例えば製造装置の内部状態が観測困難である場合が多々ある。しかしながら、製造品を均一な品質および特性で製造するためには、製造装置の内部状態をよく把握し、適切な制御を行うことが不可欠である。そこで、観測困難な製造装置の内部状態あるいは製造品の特性値を予測し、その予測結果を用いて製造装置の制御を行う手法が提案されている。
しかしながら、上記予測された特性値(予測値)を用いて製造装置の制御を行う手法の場合には、上記予測値に高い精度が要求される。一方において、上記製造装置が半導体装置の製造装置である場合は、その仕様、あるいは、基板の投入位置や投入枚数によって、最適な予測モデルが異なる。そこで、上記基板の投入位置や投入枚数によって、異なる予測モデルを使用するという手法が提案されている。
以下、このような手法の一例として、特許第3497450号公報(特許文献1)に開示された「バッチ式熱処理装置及びその制御方法」について説明する。
上記特許文献1に開示されたバッチ式熱処理装置及びその制御方法においては、図8に示すように、石英で作られた内管1aおよび外管1bからなる二重管構造の反応管1を備えている。内管1aは上端が開口されており、マニホールド2に支持されている。外管1bは有天井に形成され、下端がマニホールド2の上端に気密に接合されている。反応管1内には、多数枚、例えば、150枚の被処理体を成すウエハW(製品ウエハ)が、水平な状態で上下に間隔をおいて棚状に配置されている。
上記反応管1の周囲には、例えば、5段に配置されたヒータ3a〜3eで構成されると共に、抵抗体から成るヒータ3が設けられている。そして、各ヒータ3a〜3eの夫々には、電力コントローラ4a〜4eから互いに独立して電力が供給される。内管1a内には、ガス供給管5,6,7から、流量調整部8,9,10を介してジクロルシラン,アンモニア,窒素等のガスが供給される。マニホールド2には内管1aと外管1bとの隙間から排気可能なように排気管11が接続されており、この排気管11には圧力調整部12が設けられている。
上記内管1aの内面には、垂直方向に一列に5つの熱電対(温度センサ)Sinが配置されている。また、外管1bの外面には、垂直方向に一列に複数の熱電対(温度測定部)Soutが配置されている。そして、反応管1内の処理雰囲気の温度,ガス流量,圧力等の処理パラメータを制御するための制御部13を備えており、この制御部13によって、熱電対Sinと熱電対Soutとからの検出信号を取り込み、ヒータ3の電力コントローラ4a〜4e,圧力調整部12および流量調整部8〜10に制御信号を出力するようになっている。
このようなバッチ式熱処理装置においては、従来、基板を反応管1内に150枚投入した満載状態で運転することを基本としている。そのため、投入基板が上記満載状態でない状態、例えば100枚投入や50枚投入の場合には、ダミー基板(DW)を不足枚数だけ反応管1に投入し、反応管1内を基板満載状態にして装置を運転する必要がある。しかしながら、このようなダミー基板を用いた運用方法では、コストが高くつく上に、製品基板の枚数が少ない場合であってもダミー基板の投入作業のために余計な作業が必要となる等、スループットを上げるための障害になっていた。
しかしながら、上記反応管1内にダミー基板を投入することなく上記バッチ式熱処理装置を運転しようとすると、反応管1内には基板未搭載の領域が存在するために、基板温度やガス濃度に乱れが生ずる等によって、正常な運転ができないという問題がある。
このような問題に対して、上記特許文献1においては、図9(a)〜図9(d)に模式的に示すように、例えば満載150枚(図9(a)),下詰100枚(図9(b)),中間20枚(図9(c))および「下詰100枚+ダミー基板(DW)5枚(図9(d))」のごとく、基板の投入枚数と投入位置の違いとによる異なるチャンバ状態について異なる予測モデルを適用することによって、反応管1内に実際に基板を満載した状態でなくとも正確な予測を行うことを可能にしている。
また、上記特許文献1によれば、上記予測モデルには任意のモデルおよび任意の設計手法を採用することが可能であり、さらに同一仕様の熱処理装置について1つのモデルを作成し、これを装置毎に最適化処理してもよいと記載されている。
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示されたバッチ式熱処理装置及びその制御方法においては、以下のような問題がある。
すなわち、半導体製造工程では、実測困難な数値を装置の運転状態から予測し、その予測値でもって工程管理を行っている。
一方、半導体装置を大量生産する工場においては、スループットを上げるために多数の装置およびチャンバが使用されている。ところが、上記装置と上記チャンバとの間には、例え同一仕様の装置を用いていても、微妙な設定の違いやプロセス条件(レシピ)の違いがあるため、各装置の運転状態が異なっている。したがって、全ての装置およびチャンバに対して同一の予測モデルを使用して特性予測を行うことは困難である。
而して、多数の装置およびチャンバに対して個々に予測モデルを作成する場合には、予測モデルのチューニングや更新等に手間が多く掛り、かえってランニングコストの増加にもなりかねなく、その運用は容易でない。
例えば、上記特許文献1に開示された方法では、上記バッチ式熱処理装置1台につき基板の投入の仕方によって数種類の予測モデルを作成し、最適化する必要がある。このような方法を多数の装置と上記チャンバとを備えたプロセスに適用しようとすると、「装置台数」と「チャンバ数」と「基板の投入の仕方による予測モデル数」とを掛け合わせた数だけ予測モデルが必要となり、この予測モデルの作成,最適化およびプロセスを運転していく上での予測モデルのメンテナンス作業に大変な労力を要するという問題がある。
特許第3497450号公報
そこで、この発明の課題は、プロセス処理装置およびチャンバの数より少ない数の予測モデルを用いて、プロセス処理装置の内部状態あるいは製造品の特性値を予測するプロセス処理装置の制御システム、プロセス処理装置の制御方法、プロセス処理装置の制御プログラム、および、プログラム記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のプロセス処理装置の制御システムは、
被処理体にプロセス処理を行って製造品を製造するプロセス処理装置と、
上記プロセス処理装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集部と、
上記プロセスデータから製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測するための予測モデルを、一つ以上記憶した予測モデル記憶部と、
上記収集されたプロセスデータの特徴量に基づいて、上記予測モデル記憶部に記憶された複数個の予測モデルから適切な予測モデルを選択するモデル選択部と、
上記選択された予測モデルを用いて上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測する予測部と、
上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を表すプロセスデータに基づいて、上記プロセス処理装置における運転継続,運転条件の変更,運転時間の変更および運転停止の少なくとも何れか一つの制御を行う制御部と
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、収集されたプロセス処理装置のプロセスデータにおける特徴量に基づいて、予測モデル記憶部から適切な予測モデルを選択するので、予め上記予測モデル記憶部に、上記プロセス処理装置の運転状態に対応する予測モデルのみを登録しておけば、あらゆるプロセス処理の状態にも対応することが可能となる。
したがって、上記特許文献1に開示された「バッチ式熱処理装置及びその制御方法」のごとく、基板の投入枚数と投入位置の違いとによる異なるチャンバ状態について異なる予測モデルを適用する場合のように、様々な基板投入状態を想定して多数の予測モデルを設計しておく必要が無いのである。
ここで、上記運転状態としては、「正常運転状態」,「使用したチャンバの位置」,「チャンバ内に異物が混入する等の周囲の影響を受けた異常状態」,「被処理体に違いがある状態」および「装置に何らかの不具合が発生した状態」等がある。
さらに、上述のように、上記プロセス処理装置の運転状態に対応する予測モデルを構築しておけば、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によって上記予測モデルが変わることはない。したがって、この発明は、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によらずに、適用することができるのである。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御システムでは、
上記プロセス処理装置が複数台設置されており、且つ、上記プロセス処理装置の夫々は一つ以上のチャンバを有しており、
上記予測モデル記憶部に記憶されている予測モデルの個数は、上記チャンバの総数よりも少ない個数であり、
上記予測部は、上記各プロセス処理装置における個々の上記チャンバ毎に、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測するようになっている。
この実施の形態によれば、上記予測モデル記憶部に記憶される上記予測モデルは、上記プロセス処理装置の運転状態に対応付けられていることが望ましい。その場合、この運転状態は、同一仕様のプロセス処理装置およびチャンバが複数運転されている場合に、各プロセス処理装置の各チャンバが総て全く異なるとは考え難い。したがって、プロセス処理装置の運転条件や個々の癖によって分類することができる数種の運転状態毎に、対応する予測モデルを設計することで、上記プロセス処理装置および上記チャンバの総数よりも少ない数の予測モデルで、各プロセス処理装置の各チャンバで処理される製造品の特性値あるいは各上記チャンバ内の状態を予測することができる。したがって、上記予測モデルの数を低減することができ、上記予測モデルのチューニングやメンテナンス等の運用が容易になるのである。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御システムでは、
上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値が、異常であるか否かを判定する予測値評価部と、
上記予測値評価部によって上記予測値が異常であると判定された場合に、上記プロセスデータ収集部によって収集されているプロセスデータを用いて上記予測モデルの再構築あるいは更新を行うモデル変更部と
を備え、
上記制御部は、上記予測値評価部によって上記予測値が異常でないと判定され且つ予測値が正しく算出された場合に、上記プロセス処理を改善するように上記制御を行うようになっている。
この実施の形態によれば、上記予測値評価部によって上記予測値が異常であると判定された場合には、上記予測モデルに異常が生じたとして、モデル変更部によって、上記予測モデルの再構築あるいは更新を行うので、上記予測モデルの正確さを維持し、継続的な利用が可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御システムでは、
上記予測値評価部は、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値と、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの実測値との誤差が、予め設定された閾値を超えたか否かを判定することによって、上記予測値が異常であるか否かを判定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記製造品の特性値あるいは上記プロセスデータの予測値と実測値との誤差が、予め設定された閾値を超えたか否かによって上記予測値が異常であるか否かを判定するので、上記予測モデルが正常に機能していない異常状態を迅速に察知することが可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御システムでは、
上記予測値評価部は、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値と、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの実測値との誤差と、管理図を表す情報とに基づいて、上記予測値が異常であるか否かを判定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記製造品の特性値あるいは上記プロセスデータの予測値と実測値との誤差と、管理図を表す情報とに基づいて、上記予測値が異常であるか否かを判定するようにしている。ここで、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値は、上記プロセス処理装置内部への不要物の付着やチャンバ内の上記製造品の支持具の経年変化等によって、プロセス状態が徐々に変化して予測モデルとにズレが生ずるため、徐々に実測値から外れる(予測モデルの異常)場合がある。そのような場合であっても、上記情報によって表される上記管理図に対して上記予測値をプロットすることによって、例え上記予測値が上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)との間にプロットされても、増加傾向にあるかあるいは減少傾向にあるかを判定することができる。したがって、早期に上記予測モデルの異常を発見することが可能になる。
また、この発明のプロセス処理装置の制御方法は、
この発明のプロセス処理装置の制御システムを用いたプロセス処理装置の制御方法であって、
上記プロセスデータ収集部によって、上記プロセス処理装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集ステップと、
上記モデル選択部によって、上記収集されたプロセスデータから得られた特徴量に基づいて、予測モデル記憶部に記憶された一つ以上の予測モデルから適切な予測モデルを選択する予測モデル選択ステップと、
上記予測部によって、上記選択された予測モデルを用いて製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測する予測ステップと、
上記制御部によって、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を表すプロセスデータに基づいて、上記プロセス処理装置における運転継続,運転条件の変更,運転時間の変更および運転停止の少なくとも何れか一つの制御を行う制御ステップと
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、上述したこの発明のプロセス処理装置の制御システムの場合と同様に、予め上記予測モデル記憶部に、上記プロセス処理装置の運転状態に対応する予測モデルのみを登録しておけば、あらゆるプロセス処理の状態にも対応することが可能になる。したがって、上記特許文献1に開示された「バッチ式熱処理装置及びその制御方法」のごとく、様々な基板投入状態を想定して多数の予測モデルを設計しておく必要が無い。
さらに、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によって上記予測モデルが変わることはなく、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によらずに適用することができる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記予測モデル選択ステップで用いる上記特徴量は、上記収集されたプロセスデータを主成分分析することによって得られる。
この実施の形態によれば、上記収集されたプロセスデータを主成分分析することによって得られた特徴量を用いて、適切な予測モデルを選択するようにしている。このように、上記主成分分析を用いることによって、上記プロセスデータに多数のパラメータが存在する場合でも、より少ない特徴量で最適な予測モデルを的確に決定することができる。さらに、上記主成分分析を用いることによって、上記プロセスデータのパラメータ間に強い相関関係がある場合でも、オーバーフィッティングすることなく最適な特徴量を抽出することが可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記予測モデル選択ステップで選択される上記予測モデルは、部分最小二乗法を用いて構築されている。
この実施の形態によれば、上記予測モデルを、部分最小二乗法を用いて構築している。このように、上記部分最小二乗法を用いることによって、上記プロセスデータのパラメータ間に強い相関がある場合でも、オーバーフィッティングすることなく、上記パラメータと製造品の特性値との間の関係を正確にモデル化することが可能になる。
さらに、ニューラルネットを用いる方法とは異なり、予測モデルを表わす予測式が線形の予測式となるため作業者の理解が容易であり、且つ計算が容易になる。したがって、プロセス処理への反映も容易になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記予測モデル選択ステップで用いる上記特徴量は、上記主成分分析によって得られた第1主成分と第2主成分との2主成分である。
この実施の形態によれば、上記主成分分析によって得られた第1主成分と第2主成分との2主成分を上記特徴量とするので、最もデータのバラツキを良く表わす第1主成分と第2主成分とを上記特徴量として用いることができる。したがって、上記第1主成分と上記第2主成分だけで元のプロセスデータのバラツキの大半を表現することができ、上記プロセスデータの特徴を2つの特徴量だけで表わすことができる。そのため、上記特徴量に基づいて最適な予測モデルを選択する際の処理を簡易にすることができる。
尚、上記予測モデルの選択に、k‐means法等のクラスター分析を使用する場合にも、上述のような低次元の特徴量で分類を行う方が、次元の呪い(curse of dimensionality)の問題が発生することがなく、適切な分類が可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間は一つ以上の領域に分割されており、
上記予測モデル記憶部に記憶された上記予測モデルは、上記特徴空間における何れかの領域に対応付けられて記憶されており、
上記予測モデル選択ステップでは、上記収集されたプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点の上記特徴空間の位置に基づいて上記適切な予測モデルを選択する。
この実施の形態によれば、上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間において、対象となるプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点、例えば重心の上記特徴空間上での位置に基づいて、予測に使用する最適な予測モデルを選択している。この予測モデルの選択は、単に重心が属する上記特徴空間の領域に対応付けられた上記予測モデルを選択しても良いし、k‐means法等のクラスター分析の手法を用いることによって、上記予測モデルを選択しても良い。何れの場合にも、上記収集されたプロセスデータに基づいて、最適な予測モデルを機械的に且つ正確に決定することができる。尚、上記特徴量の上記分布の代表点は、重心以外であってもよい。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間は、当該特徴空間の基準点からの方向によって、一つ以上の領域に分割されており、
上記予測モデル記憶部に記憶された上記予測モデルは、上記特徴空間における何れかの領域に対応付けられて記憶されており、
上記予測モデル選択ステップでは、上記収集されたプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点が属する上記特徴空間の上記領域に対応付けられた上記予測モデルを、上記適切な予測モデルとして選択する。
この実施の形態によれば、上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間において、対象となるプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点、例えば重心が属する上記特徴空間の領域に応じて、予測に使用する最適な予測モデルを選択している。上記特徴空間において、上記基準点、例えば原点から見て同一方向にある上記プロセスデータの分布は、原点からの距離に寄らず、上記特徴量の構成要素比が同じになる。この性質を利用して、上記収集されたプロセスデータが、上記特徴量の構成要素比が同じであれば同一の予測モデルを使用可能なプロセスデータである場合に、この実施の形態を用いることによって、より一層上記予測モデルの数を低減し、上記予測モデルの選択をより簡易にすることができる。尚、上記特徴量の上記分布の代表点は、重心以外であってもよい。また、上記特徴空間の基準点は、原点以外あってもよい。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記プロセスデータ収集ステップでは、上記プロセス処理装置による1回のプロセス処理時に一以上の上記プロセスデータを収集するようになっており、
上記予測モデル選択ステップでは、上記収集された一以上のプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布のうち、上記選択された予測モデルに対応付けられている上記領域に含まれている分布の割合を、上記収集された複数のプロセスデータの上記選択された予測モデルへの適合度として算出する。
この実施の形態によれば、上記収集された一以上のプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布が上記選択された予測モデルに対応付けられた上記特徴空間の領域に含まれる割合を適合度として算出するようにしている。例えば、上記特徴量が上記主成分分析によって得られた第1主成分と第2主成分とであり、上記特徴空間が上記第1主成分を横軸に上記第2主成分を縦軸にした主成分平面である場合に、上記特徴空間(主成分平面)において対象となるプロセスデータの特徴量の分布の重心が第1象限にあって予測モデルAが選択された場合に、上記対象となるプロセスデータの特徴量が第1象限に含まれる割合を上記予測モデルAへの適合度として明示することによって、上記予測結果を利用する際に、この予測結果をどの程度信頼して良いかを判断することが可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
予測値評価部によって、上記予測ステップで得られた予測結果が異常であるか否かを判定する予測値評価ステップと、
モデル変更部によって、上記予測値評価ステップで上記予測結果が異常であると判定された場合に、上記プロセスデータ収集ステップで収集されているプロセスデータを用いて予測モデルの再構築または更新を行う予測モデル変更ステップと
を備えて、
上記制御ステップでは、上記予測値評価ステップで上記予測結果が異常でないと判定された場合に上記制御を行うようになっている。
この実施の形態によれば、上記予測値評価ステップにおいて上記予測結果が異常であると判定された場合には、上記予測モデルに異常が生じたとして、モデル変更ステップにおいて、上記予測モデルの再構築あるいは更新を行うので、上記予測モデルの正確さを維持し、継続的な利用が可能になる。
また、1実施の形態のプロセス処理装置の制御方法では、
上記予測モデル変更ステップでは、上記予測結果が異常であると判定された予測モデルのモデル係数の値を、指数加重移動平均法によって更新することによって、上記予測モデルの更新を行うようになっている。
この実施の形態によれば、上記予測結果が異常であると判定された予測モデルのモデル係数の値を、指数加重移動平均法によって更新することによって、上記予測モデルの更新を行うようにしている。すなわち、予測に用いたプロセスデータを用いて再度予測モデルの構築あるいは更新するのではなく、予測モデルのモデル係数のみに着目して予測モデルの更新を行う。例えば、更新前の予測モデルのモデル係数と、予測モデルに異常が発生した際のプロセスデータを用いて新たに構築した予測モデルのモデル係数とに基づいて、新たな予測モデルのモデル係数を算出する。そして、この算出されたモデル係数を用いた予測モデルを更新後の予測モデルとするのである。
こうすることによって、上記予測モデルに異常が発見される度に、新たなプロセスデータを用いて予測モデルの更新を行うことによって、次々に予測モデルが変化して当初とは全く別の予測モデルに変化してしまい、上記特徴量の分類結果との対応も取れなくなるという問題に対処することができるのである。
尚、本実施の形態においては、上記モデル係数の更新の際に、新しいプロセスデータを重視し、データへの追従性の高い指数加重移動平均法を用いたが、単に係数の平均を用いるか、あるいは、UWMA(Uniformly Weighted Moving Averages)等の他の方法を用いても差し支えない。
また、この発明のプロセス処理装置の制御プログラムは、
コンピュータを、
この発明のプロセス処理装置の制御システムあるいは各実施の形態のプロセス処理装置の制御システムにおける上記プロセスデータ収集部,予測モデル記憶部,モデル選択部,予測部および制御部
として機能させることを特徴としている。
上記構成によれば、上述したこの発明のプロセス処理装置の制御システムの場合と同様に、予め上記予測モデル記憶部に、上記プロセス処理装置の特徴を表す数種の運転状態に対応する予測モデルのみを登録しておけば、あらゆるプロセス処理の状態にも対応することが可能になる。したがって、上記特許文献1に開示された「バッチ式熱処理装置及びその制御方法」のごとく、様々な基板投入状態を想定して多数の予測モデルを設計しておく必要が無い。
さらに、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によって上記予測モデルが変わることはなく、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によらずに適用することができる。
また、この発明のプロセス処理装置の制御プログラムは、
コンピュータを、
各実施の形態のプロセス処理装置の制御システムにおける上記プロセスデータ収集部,予測モデル記憶部,モデル選択部,予測部,制御部,予測値評価部およびモデル変更部
として機能させることを特徴としている。
上記構成によれば、上記予測値評価部によって上記予測値が異常であると判定された場合には、上記予測モデルに異常が生じたとして、モデル変更部によって、上記予測モデルの再構築あるいは更新を行うので、上記予測モデルの正確さを維持し、継続的な利用が可能になる。
また、この発明のプロセス処理装置の制御プログラムは、
コンピュータに、この発明のプロセス処理装置の制御方法あるいは各実施の形態のプロセス処理装置の制御方法を実行させることを特徴としている。
上記構成によれば、上述したこの発明のプロセス処理装置の制御方法あるいは各実施の形態のプロセス処理装置の制御方法の場合と同様の効果を奏することができる。
また、この発明のプログラム記録媒体は、
この発明のプロセス処理装置の制御プログラムが記録されたことを特徴としている。
上記構成によれば、コンピュータで読み出して実行することによって、上述したこの発明のプロセス処理装置の制御システム,各実施の形態のプロセス処理装置の制御システム,この発明のプロセス処理装置の制御方法あるいは各実施の形態のプロセス処理装置の制御方法の場合と同様の効果を奏することができる。
以上より明らかなように、この発明によれば、収集したプロセス処理装置のプロセスデータの特徴量に基づいて、予測モデル記憶部から適切な予測モデルを選択するので、上記予測モデル記憶部に、予め、上記プロセス処理装置の運転状態に対応する予測モデルのみを登録しておくことによって、あらゆるプロセス処理の状態にも対応することが可能となる。したがって、上記特許文献1に開示された「バッチ式熱処理装置及びその制御方法」の場合のように、様々な基板投入状態を想定して多数の予測モデルを設計しておく必要が無い。
さらに、上述のように、上記プロセス処理装置の運転状態に対応する予測モデルを構築しておけば、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によって上記予測モデルが変わることはない。したがって、この発明は、対象となるプロセス処理装置の台数やチャンバの数によらずに、適用することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のプロセス処理装置の制御システムにおける構成を示す。図2は、図1における制御装置の機能ブロックを示す。
本プロセス処理装置の制御システムは、一例として、投入された被処理体に対して薄膜を形成するプロセス処理装置(以下、単に処理装置と言う)21のプロセス処理動作を、制御装置22によって、データベース23から得られたプロセスデータおよび測定データに基づいて最適に制御するものである。尚、その際に、データベース23に蓄積されている上記測定データは、検査装置24による検査によって得られたものである。
図1においては、上記処理装置21が3台であり、検査装置24が1台であるが、これは説明のための一例であり、処理装置21および検査装置24には台数の制約はない。また、処理装置21は、被処理体を1つずつ処理するものであっても良いし、数個をまとめて1つの処理単位としてバッチ式に処理するものであっても良い。以下、処理装置21の1回当たりの処理のことを「バッチ」と言うことにする。また、ここでは、1台の処理装置21にチャンバ(処理炉)は1つ設けられているとするが、複数のチャンバを設けても一向に差し支えない。
本実施の形態におけるプロセスでは、上記3台の処理装置21の夫々によって製造された製造品から一定数を抜き取り、検査装置24によって、特性値を測定することによって製造品の検査を行っている。ここで、各処理装置21の処理条件および処理中の各種パラメータ(以下、プロセスデータと言う)と検査装置24で測定された測定データとは、データベース23に逐次蓄積される。また、データベース23に蓄積された上記プロセスデータおよび上記測定データは、制御装置22によっても取得できるようになっている。そして、制御装置22は、データベース23から取得した上記プロセスデータおよび上記測定データに基づいて、処理装置21の運転条件を変更することによって、処理装置21の制御を行うことが可能になっている。
図2は、上記制御装置22における後に詳述する運用処理動作時の機能ブロック図である。図2において、プロセスデータ収集部25は、運用処理動作時に各処理装置21から予測用のプロセスデータXを収集する。モデル選択部26は、上記収集されたプロセスデータXの特徴量を算出して分類し、その分類結果に基づいて予測モデルを選択する。予測部27は、上記選択された予測モデルを用いて製造品の特性値を予測する。予測値評価部28は、検査装置24で測定されてデータベース23に蓄積されている当該バッチでの上記測定データを取得し、予測値の評価を行う。モデル変更部30は、上記予測値が異常である場合に予測モデルの更新を行う。制御部29は、上記予測値が目標値に達するように処理装置21の制御を行う。
上記構成を有する「プロセス処理装置の制御システム」の上記制御装置22による処理装置21の制御処理動作は、(1)モデリング段階と、(2)運用段階と、の2つの段階から構成されている。上記モデリング段階の処理動作のフローチャートを図3に示し、上記運用段階の処理動作のフローチャートを図4に示す。以下、図1〜図4に従って、本プロセス処理装置の制御システムの動作について説明する。但し、以下においては、被処理体をバッチ式に処理する処理装置21を例に挙げて説明する。
(1)モデリング段階
先ず、図3に示すモデリング処理動作のフローチャートに従って、上記モデリング段階について説明する。尚、このモデリング処理動作は、上記制御装置22によって予め行うようにしてもよいし、他のモデリング装置によって行ってもよい。
ステップS1で、上記各処理装置21からプロセスデータXが収集される。この場合に収集されるプロセスデータXとしては、各バッチ毎に、例えば100ミリ秒間隔で、プロセスの条件を表わすパラメータ(チャンバ内の温度,圧力,流入ガス流量,印加電力等)が収集される。収集されたプロセスデータXは、収集されたデータ数Jを行とする一方、パラメータ数Kを列とする行列で表わすことができる。このプロセスデータXをモデリング用にバッチ数分収集する。
次に、ステップS2で、上記収集されたバッチ数分のプロセスデータXに関して、夫々の特徴量が算出される。本実施の形態においては、主成分分析を行い、その代表2主成分として第1主成分と第2主成分とを特徴量とする。尚、主成分分析は、次式(1)によって行われる。
X=TVT+E …(1)
ここで、Tは主成分行列、Vは係数行列、Eはが残差を表わす。式(1)から分かるように、主成分は収集されたデータ数Jだけ算出される。但し、本実施の形態においては、第1主成分と第2主成分のみを使用するので、第2主成分までを算出すればよい。
次に、ステップS3で、上記算出された特徴量が分類される。この特徴量の分類は、次のようにして行われる。すなわち、上記第1主成分を横軸とする一方、上記第2主成分を縦軸とする主成分平面に、各バッチ毎に特徴量をプロットする。主成分は、データ数Jだけ存在するので、1バッチにつきJ個のプロットがなされる。こうして、各バッチの特徴量をプロットし、その分布重心が上記主成分平面の何れに位置するかによって、分類分けを行う。
具体的には、図5に示すように、上記第1主成分の横軸と上記第2主成分の縦軸との交点近傍の第1グループGr1、上記第1主成分が正で上記第2主成分が正の場合の第2グループGr2、上記第1主成分が負で上記第2主成分が正の場合の第3グループGr3、上記第1主成分が負で上記第2主成分が負の場合の第4グループGr4、上記第1主成分が正で上記第2主成分が負の場合の第5グループGr5の5つのグループに分類される。
尚、ここでは、上記特徴量を5つのグループに分類しているが、この発明における分類数は5つのグループに限定されるものではなく、さらに細かく8つや12のグループに分類にしても構わない。分類分け数は、プロセスデータXの分析結果や予測モデルの更新状態によって適宜定めればよいのである。
ここで、上記特徴量を他の方法によって分類を行っても差し支えない。例えば、上記主成分平面における例えば原点等の基準点から見た各バッチ毎のプロットの分布重心の方向で分類分けを行ってもよい。
尚、本実施の形態においては、上記プロセスデータXの特徴量を上記主成分分析によって算出する場合を例に上記特徴量の分類法を説明しているが、この発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、次のステップで予測モデルの構築を行う際に用いられるPLS(Partial Least Squares:部分最小二乗法)を用いて、収集データとの相関関係をも考慮して算出された潜在変数を特徴量とし、この特徴量の分類を行ってもよい。要は、上記主成分分析あるいは上記PLS法のような所謂「特異値分解」によって得られる特徴量であればよいのである。
次に、ステップS4で、図5に示す5つのグループGr1〜Gr5の夫々に対して、予測モデルの構築が行われる。本実施の形態においては、上記PLS(部分最小二乗法)を使用する。尚、予測モデルの構築には、上記PLSが好ましい方法と考えられるが、モデリングの方法には特別な制約がないので、他の手法によって予測モデルの構築を行っても差し支えない。
ここで、上記PLSを用いた解析ソフトウェアとして、「Simca-P+11」がある。このソフトウェアの使用方法については、「Simca-P+11」のユーザーマニュアル「User Guide and Tutorial」(UMETRICS社)を、PLSの原理的な説明については、一般の書籍である「Multi- and Megavariate Data Analysis Part I」(UMETRICS社)および「Multi- and Megavariate Data Analysis Part II」(UMETRICS社)を参考にされたい。
上記PLSを用いた予測には、各グループGr1〜Gr5毎に、上記ステップS1において収集された数回のバッチ分のプロセスデータXを、予測モデルの学習データとして使用する。すなわち、1バッチについて所定の時間間隔でサンプリングされたバッチ数分のパラメータ(プロセスデータ)P1,P2,P3,…を、図6に示すように、各パラメータP1,P2,P3,…毎に、1バッチ内のサンプル数、つまり処理時間Timeを列とする一方、バッチ数を行として配列された行列を、「バー(−)」を冠したX(以下、「Xバー」と表記する)とする。あるいは、図7に示すように、図6に示すパラメータP1,P2,P3,…を主成分分析によって集約した主成分t1,t2,t3,…を、各主成分t1,t2,t3,…毎に、処理時間Timeを列とする一方、バッチ数を行として配列された行列を「Xバー」としてもよい。本実施の形態においては、図7に示す方法を採用する。
また、上記検査装置24によって測定されてデータベース23に蓄積されている本バッチにおいて製造された製造品の上記測定データが取得される。そして、この取得された製造品の特性値である測定データYについても、図7に示すように、プロセスデータXと同数のバッチ数分の測定データを使用し、この測定データYを、処理時間Timeを列とする一方、バッチ数を行として配列された行列を「Yバー」とする。但し、パラメータ(プロセスデータ)Xは、各パラメータ毎に単位やスケールが異なっていることが考えられるので、各パラメータの影響度を公平に扱うため、必要に応じて標準化(平均値を0、標準偏差を1にする規格化)処理を行うものとする。
一般に多変量解析を使用することで、行列「Xバー」と行列「Yバー」との関係は、以下のように求められる。
Figure 2010141042
上記PLSによる解析では、行列「Xバー」と行列「Yバー」との相関関係を最大化するように意図された関係が求められ、行列「Xバー」と行列「Yバー」とは、夫々式(2)〜式(4)のように表わされる。
Figure 2010141042
但し、TはプロセスデータXを要約する潜在変数であり、Pは行列「Xバー」のための係数行列であり、UはプロセスデータYを要約する潜在変数であり、CはYとTの相関関係を表わす係数行列であり、E,F,Hは残差行列である。また、これと同時に、潜在変数UとプロセスデータXとを関連付ける重み行列Wが求められる。対象とするデータに対してこれらの係数行列P,C,Wの最適値を求めることで、予測モデルを構築する。こうして構築された各グループGr1〜Gr5毎の予測モデルは、データベース23に格納される。そうした後、本モデリング処理動作を終了する。
以上で、モデリング段階の説明を終える。
(2)運用段階
次に、図4に示す運用処理動作のフローチャートに従って、上記運用段階について説明する。
ステップS11で、上記プロセスデータ収集部25によって、各処理装置21から予測用の1バッチ分のプロセスデータXが収集される。
ステップS12で、次に、上記モデル選択部26によって、上記収集されたプロセスデータXに関して、主成分分析によって特徴量が算出される(ここでは、上記モデリング段階で使用したのと同じ特徴量算出方法を使用する)。そして、ステップS13で、モデル選択部26によって、上記モデリング処理動作のフローチャートにおける上記ステップS3で設定された分類のルールに従って、上記収集されたプロセスデータXが何れかのグループに分類される。つまり、図5に示すように、上記第1主成分を横軸とする一方、上記第2主成分を縦軸とする主成分平面における第1グループGr1〜第5グループGr5のうちの何れかのグループに分類される。そして、上記分類先のグループに対応する予測モデルが選択される。
尚、この場合における上記分類は、単に、上記収集されたプロセスデータXの特徴量の分布重心が上記主成分平面上の何れのグループに属するかによって行っても良いし、k‐means法等のクラスター分析の手法を用いて上記主成分平面上の何れのグループに分類しても良い。
また、上記収集された複数のプロセスデータXの特徴量が、上記選択された予測モデルに対応付けられた上記主成分平面のグループに含まれる割合を適合度として算出する。そして、この算出された適合度を表示画面等に表示するようにしてもよい。こうすれば、上記選択された予測モデルを用いた予測結果を利用する際に、この予測結果をどの程度信頼して良いかを判断することが可能になる。
続いて、ステップS14で、上記予測部27によって、上記選択された予測モデルを用いて、製造品の特性値、例えば処理装置21によって形成された薄膜の膜厚が予測される。本ステップでは、図3に示す上記モデリング処理のフローチャートにおける上記ステップS4で上記PLSによって構築された予測モデルに、上記ステップS11において収集されたプロセスデータの行列「Xバー」(ここでは、1バッチ分のプロセスデータXを使用している)を入力して、上記測定データの行列「Yバー」(ここでは、1バッチ分の測定データY)の予測値が得られる。以下、この予測値を、「チルダ(〜)」を冠したY(以下、「Y〜」と表記する)で表す。
ステップS15で、上記予測値評価部28によって、上記検査装置24で測定されてデータベース23に蓄積されている当該バッチで製造された製造品の上記測定データが取得される。そして、上記測定データYが得られたか否かが判別される。その結果、得られていればステップS17に進み、得られていなければステップS16に進む。そして、ステップS16で、制御部29によって、処理装置21の制御が行われた後に、運用処理動作を終了する。
尚、本ステップにおける上記「処理装置21の制御」は、以下のように行われる。すなわち、上記測定データYが得られない場合には、予測値「Y〜」は正しいものと考えて、上記ステップS11において取得された測定データYおよびそのときの処理条件での処理装置21の動作を継続するように、処理装置21の制御を行う。そして、例えば、上記膜厚の予測値「Y〜」が目標値に達した場合に運用処理動作(薄膜形成処理動作)を終了するのである。また、その他の制御としては、上記膜厚の予測値「Y〜」が目標値に達していない場合には、「運用処理時間の延長を図る」あるいは「次のバッチ処理の処理時間の設定値を今までよりも長く変更する」等の処理装置21の制御を行う。また、上記膜厚の予測値「Y〜」が目標値に達しておらず、その原因がガスの流量不足や電力不足やチャンバ内の圧力不足等であると判断される場合には、次のバッチ処理で膜厚が目標値に達するように、処理装置21の処理条件および各種パラメータを変更する処理装置21の制御を行うのである。
一方、上記ステップS15において測定データYが得られたと判別された場合には、ステップS17で、予測値評価部28によって、予測値「Y〜」の評価が行われる。
尚、本ステップにおける上記予測値「Y〜」の評価は、以下のように行われる。すなわち、先ず、測定データYの真値とその予測値「Y〜」との誤差を、次式(5)によって算出する。
Ye=Y−Yp …(5)
ここで、Yは上記真値であり、Ypは上記予測値であり、Yeは誤差である。
次に、こうして算出された誤差Yeを管理図にプロットする。プロットされた管理図において、プロットの中心線(CL)を挟んで上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)とを設定する。ここで、上記UCLおよびLCLの設定は、通常の管理図の場合と同様に、「平均値±3×標準偏差」によればよい。
製造品の特性値あるいは処理装置21の内部状態の予測において、処理装置21内部への不要物の付着やチャンバ内における製造品の支持具の経年変化等によってプロセス状態が徐々に変化し、予測値「Y〜」が徐々に実測値から外れてくることが考えられる。そのために、上記プロットした管理図を用いて、上記プロットが上記UCLと上記LCLとの内側であっても、その範囲内で傾向的な増加あるいは減少が生じていないか等の早期異常発見に活用する。尚、上記管理図は、JISにも記載される一般的な品質管理手段であるため、詳細説明は省略する。
ステップS18で、上記予測値評価部28によって、上記ステップS17における上記予測値「Y〜」の評価の結果、上記予測値「Y〜」が異常であるか否かが判別される。その結果、上記管理図において、予測値「Y〜」に異常が見付かった場合にはステップS19に進む。一方、そうでなければ上記ステップS16に進み、処理装置21の制御が行われた後、運用処理動作を終了する。
ステップS19で、上記モデル変更部30によって、予測モデルの変更が行われる。尚、本ステップにおいて行われる予測モデルの変更は、以下のようにして行われる。
例えば、上記ステップS17での上記管理図を用いた予測値「Y〜」の評価において、連続して3バッチの予測値「Y〜」が実測値より高くなっており、今後もその傾向が続くものと推測された場合には、予測モデルに異常が発生したと判定される。その場合には、予測値「Y〜」に異常が見られたバッチ、すなわち連続して実測値より高い予測値「Y〜」を呈した3バッチ分のプロセスデータXを用いて、図3に示すモデリング処理動作のフローチャートにおける上記ステップS4を行って、再度予測モデルの構築を行うのである。
ところで、このように、予測モデルに異常が発見される度に、新たなプロセスデータXを用いて予測モデルの構築や更新を行った場合には、次々に予測モデルが変化して当初とは全く別の予測モデルに変化してしまい、図5に示す上記特徴量の分類結果との対応も取れなくなる場合がある。その場合には、本プロセス処理装置の制御システムの運用に支障をきたす可能性もある。
そこで、他の予測モデルの変更方法として、次のような予測モデルの更新方法がある。すなわち、更新前の予測モデルのモデル係数と、上述のごとく予測モデルに異常が発見された際に新たなプロセスデータXを用いて構築された予測モデルのモデル係数とから、EWMA(Exponentially Weighted Moving Average:指数加重移動平均)法を用いて、構築された予測モデルのモデル係数に更新前の予測モデルのモデル係数を指数的に加算していくのである。こうすることで、予測モデルを処理装置21の状態変化に応じて変化させることが可能になる。以下に、具体的に説明する。
上記EWMA法は、ある時点tにおける値をYtとし、算出されたEWMAをStとすると、上記Stは式(6)
t=α×Yt-1+(1−α)×St-1 …(6)
に示すように、時点(t−1)におけるYt-1とSt-1とから順次算出することができる。但し、αは平滑化係数と呼ばれる重み付けのための係数であって、0と1との間をとる定数である。通常、S1は未定義であり、S2をY1として、その後の値を計算する方法が使用されている。
本実施の形態においては、式(6)に示す更新式において、更新前の予測モデルのモデル係数をSt-1、予測モデルの異常が確認されたときのプロセスデータXを用いてPLSモデリングすることによって得られた予測モデルのモデル係数をYt-1、更新後の新たな予測モデルのモデル係数をStとする。ここで、上記平滑化係数αの値は、予測モデルの異常が確認されたときのプロセスデータXの情報を重視する場合には大きめに設定し、重視しない場合には小さめに設定する。予測モデルの更新は、測定データがどの程度の頻度によって収集されるかによっても更新の頻度が変わるので、一概に上記平滑化係数αの値を決めることはできないが、通常は0.1程度に設定を行うとよい。
尚、上述のような上記予測モデルの更新を行った場合には、以上の処理を終えてから、次のバッチ処理へと進む。
以上のようにして、運用処理動作を終了すると、再度図4に示す運用処理動作のフローチャートに従って、運用処理動作を実行する。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記モデリング処理動作によって、上記各処理装置21から収集されたバッチ数分のプロセスデータX(学習用データ)に関して主成分分析を行い、第1主成分と第2主成分とを夫々の特徴量として算出する。そして、各特徴量を、上記第1主成分を横軸とし上記第2主成分を縦軸とする主成分平面上において、上記両軸の交点近傍の第1グループGr1、第1象限の第2グループGr2、第2象限の第3グループGr3、第3象限の第4グループGr4、第4象限の第5グループGr5の5つのグループに分類する。さらに、上記5つのグループGr1〜Gr5の夫々に関して、上記プロセスデータXを主成分分析によって集約した主成分を、各主成分毎に、処理時間Timeを列としバッチ数を行として配列した行列を得る。また、上記プロセスデータX収集時の測定データYを、処理時間Timeを列としバッチ数を行として配列した行列を得る。そして、両行列にPLSを適用して、各グループGr1〜Gr5毎に、プロセスデータから測定データを予測する予測モデルを構築する。
そして、運用処理動作においては、収集した予測用のプロセスデータXに関して、上記モデリング処理動作の場合と同様に主成分分析によって特徴量を算出し、上記モデリング処理動作で得られた上記主成分平面における第1グループGr1〜第5グループGr5のうちの何れかのグループに分類する。続いて、上記分類先のグループに対応する予測モデルに上記収集された予測用のプロセスデータXを入力して、測定データの予測値「Y〜」を得るようにしている。
ところで、上記プロセスデータXに対して主成分分析を行って得られた第1主成分と第2主成分とで成る特徴量に基づいて分類された上記主成分平面上の5つのグループは、処理装置21の特徴を表す数種の運転状態を表していると言える。ここで、上記運転状態としては、「正常運転状態」,「使用したチャンバの位置」,「チャンバ内に異物が混入する等の周囲の影響を受けた異常状態」,「処理対象物に微妙な違いがある状態」および「装置に何らかの不具合が発生した状態」等がある。したがって、本実施の形態によれば、予め特徴を表す数種の運転状態に対応する予測モデルのみを用意しておけば、処理装置21におけるあらゆる基板投入状態にも対応することが可能となる。すなわち、予め様々な基板投入状態を想定して予測モデルを構築しておく必要がなく、処理装置21および上記チャンバの数より少ない数の予測モデルを用いて、処理装置21の内部状態あるいは製造品の特性値を予測することができるのである。
尚、上記実施の形態においては、被処理体をバッチ式に処理する処理装置21を例に説明したが、被処理体を1つずつ処理するプロセス処理に適用することも可能である。その場合には、上記モデリング処理動作時においては、複数回処理分のプロセスデータXを予測モデルの学習データとすればよい。
本発明は、多数のプロセス処理装置を製造品の特性値またはプロセス処理装置の状態を予測し、その結果を踏まえてプロセス処理装置の運転条件にフィードバックすることで、プロセス処理装置の安定稼動と製造品の品質の安定化に寄与するものである。本発明は、この特徴から、多数のプロセス処理装置を備える大規模なプロセスを制御し、安定稼動させる際に特に有益である。例えば、半導体などの基板上に薄膜形成などの処理を行う装置を多数備える大規模な薄膜形成プロセスなどに使用することで、多数の装置により形成される薄膜の厚さを均一なものにすることができる。半導体基板の表面に形成された薄膜の厚さは、その半導体の特性、品質を決定付ける重要な要素であるため、このようなプロセスでは大いに活用されるものと考えられる。また、半導体以外のプロセスであっても、同様の目的、性質を持つプロセスであれば、特に分野を特定することなく、本発明を同じように適用することが可能である。
この発明のプロセス処理装置の制御システムにおける構成を示す図である。 図1における制御装置の機能ブロックを示す図である。 図1における制御装置によるモデリング処理動作のフローチャートである。 図1における制御装置による運用処理動作のフローチャートである。 主成分分析で得られた特徴量の分類例を示す図である。 プロセスデータ行列の説明図である。 図6とは異なるプロセスデータ行列および測定データ行列の説明図である。 従来のバッチ式熱処理装置の構造を示す図である。 図8に示す熱処理装置におけるウェハボートへのウェハの配置例を示す図である。
符号の説明
21…プロセス処理装置、
22…制御装置、
23…データベース、
24…検査装置、
25…プロセスデータ収集部、
26…モデル選択部、
27…予測部、
28…予測値評価部、
29…制御部、
30…モデル変更部。

Claims (18)

  1. 被処理体にプロセス処理を行って製造品を製造するプロセス処理装置と、
    上記プロセス処理装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集部と、
    上記プロセスデータから製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測するための予測モデルを、一つ以上記憶した予測モデル記憶部と、
    上記収集されたプロセスデータの特徴量に基づいて、上記予測モデル記憶部に記憶された複数個の予測モデルから適切な予測モデルを選択するモデル選択部と、
    上記選択された予測モデルを用いて上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測する予測部と、
    上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を表すプロセスデータに基づいて、上記プロセス処理装置における運転継続,運転条件の変更,運転時間の変更および運転停止の少なくとも何れか一つの制御を行う制御部と
    を備えたことを特徴とするプロセス処理装置の制御システム。
  2. 請求項1に記載のプロセス処理装置の制御システムにおいて、
    上記プロセス処理装置が複数台設置されており、且つ、上記プロセス処理装置の夫々は一つ以上のチャンバを有しており、
    上記予測モデル記憶部に記憶されている予測モデルの個数は、上記チャンバの総数よりも少ない個数であり、
    上記予測部は、上記各プロセス処理装置における個々の上記チャンバ毎に、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測するようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御システム。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載のプロセス処理装置の制御システムにおいて、
    上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値が、異常であるか否かを判定する予測値評価部と、
    上記予測値評価部によって上記予測値が異常であると判定された場合に、上記プロセスデータ収集部によって収集されているプロセスデータを用いて上記予測モデルの再構築あるいは更新を行うモデル変更部と
    を備え、
    上記制御部は、上記予測値評価部によって上記予測値が異常でないと判定され且つ予測値が正しく算出された場合に、上記プロセス処理を改善するように上記制御を行うようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御システム。
  4. 請求項3に記載のプロセス処理装置の制御システムにおいて、
    上記予測値評価部は、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値と、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの実測値との誤差が、予め設定された閾値を超えたか否かを判定することによって、上記予測値が異常であるか否かを判定するようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御システム。
  5. 請求項3に記載のプロセス処理装置の制御システムにおいて、
    上記予測値評価部は、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの予測値と、上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の上記プロセスデータの実測値との誤差と、管理図を表す情報とに基づいて、上記予測値が異常であるか否かを判定するようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御システム。
  6. 請求項1に記載のプロセス処理装置の制御システムを用いたプロセス処理装置の制御方法であって、
    上記プロセスデータ収集部によって、上記プロセス処理装置のプロセスデータを収集するプロセスデータ収集ステップと、
    上記モデル選択部によって、上記収集されたプロセスデータから得られた特徴量に基づいて、予測モデル記憶部に記憶された一つ以上の予測モデルから適切な予測モデルを選択する予測モデル選択ステップと、
    上記予測部によって、上記選択された予測モデルを用いて製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を予測する予測ステップと、
    上記制御部によって、上記予測部によって予測された上記製造品の特性値あるいは上記プロセス処理装置の状態を表すプロセスデータに基づいて、上記プロセス処理装置における運転継続,運転条件の変更,運転時間の変更および運転停止の少なくとも何れか一つの制御を行う制御ステップと
    を備えたことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  7. 請求項6に記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記予測モデル選択ステップで用いる上記特徴量は、上記収集されたプロセスデータを主成分分析することによって得られる
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  8. 請求項7に記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記予測モデル選択ステップで選択される上記予測モデルは、部分最小二乗法を用いて構築されている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  9. 請求項8に記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記予測モデル選択ステップで用いる上記特徴量は、上記主成分分析によって得られた第1主成分と第2主成分との2主成分である
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  10. 請求項6から請求項9の何れか一つに記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間は一つ以上の領域に分割されており、
    上記予測モデル記憶部に記憶された上記予測モデルは、上記特徴空間における何れかの領域に対応付けられて記憶されており、
    上記予測モデル選択ステップでは、上記収集されたプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点の上記特徴空間の位置に基づいて上記適切な予測モデルを選択する
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  11. 請求項6から請求項9の何れか一つに記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記プロセスデータの特徴量が成す特徴空間は、当該特徴空間の基準点からの方向によって、一つ以上の領域に分割されており、
    上記予測モデル記憶部に記憶された上記予測モデルは、上記特徴空間における何れかの領域に対応付けられて記憶されており、
    上記予測モデル選択ステップでは、上記収集されたプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布の代表点が属する上記特徴空間の上記領域に対応付けられた上記予測モデルを、上記適切な予測モデルとして選択する
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  12. 請求項10あるいは請求項11に記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記プロセスデータ収集ステップでは、上記プロセス処理装置による1回のプロセス処理時に一以上の上記プロセスデータを収集するようになっており、
    上記予測モデル選択ステップでは、上記収集された一以上のプロセスデータの特徴量の上記特徴空間上における分布のうち、上記選択された予測モデルに対応付けられている上記領域に含まれている分布の割合を、上記収集された複数のプロセスデータの上記選択された予測モデルへの適合度として算出する
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  13. 請求項6から請求項12までの何れか一つに記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    予測値評価部によって、上記予測ステップで得られた予測結果が異常であるか否かを判定する予測値評価ステップと、
    モデル変更部によって、上記予測値評価ステップで上記予測結果が異常であると判定された場合に、上記プロセスデータ収集ステップで収集されているプロセスデータを用いて予測モデルの再構築または更新を行う予測モデル変更ステップと
    を備えて、
    上記制御ステップでは、上記予測値評価ステップで上記予測結果が異常でないと判定された場合に上記制御を行うようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  14. 請求項13に記載のプロセス処理装置の制御方法において、
    上記予測モデル変更ステップでは、上記予測結果が異常であると判定された予測モデルのモデル係数の値を、指数加重移動平均法によって更新することによって、上記予測モデルの更新を行うようになっている
    ことを特徴とするプロセス処理装置の制御方法。
  15. コンピュータを、
    請求項1あるいは請求項2に記載のプロセス処理装置の制御システムにおける上記プロセスデータ収集部,予測モデル記憶部,モデル選択部,予測部および制御部
    として機能させることを特徴とするプロセス処理装置の制御プログラム。
  16. コンピュータを、
    請求項3から請求項5までの何れか一つに記載のプロセス処理装置の制御システムにおける上記プロセスデータ収集部,予測モデル記憶部,モデル選択部,予測部,制御部,予測値評価部およびモデル変更部
    として機能させることを特徴とするプロセス処理装置の制御プログラム。
  17. コンピュータに、請求項6から請求項14までの何れか一つに記載のプロセス処理装置の制御方法を実行させることを特徴とするプロセス処理装置の制御プログラム。
  18. 請求項15から請求項17までの何れか一つに記載の情報提供プログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ読出し可能なプログラム記録媒体。
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