JP2010140525A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤の過剰供給を抑制することが可能な磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】本発明の磁気ディスク装置は、筐体内に磁気ディスクが収納され、筐体内の空間を、磁気ディスクが配置される第1の空間と、潤滑剤を保有する第2の空間とに隔て、第2の空間から第1の空間への潤滑剤の拡散を抑制する拡散抑制膜21を備える。
【選択図】図2A

Description

本発明は、磁気ディスク装置に関し、特に、磁気ディスクに潤滑剤を供給する技術に関する。
磁気ディスク装置では、磁気ディスクの表面に、磁気ヘッドとの衝突による機械的損傷を抑制するための潤滑剤が塗布される。こうした磁気ディスク上の潤滑剤は経時的に減少していくことから、磁気ディスクに新たな潤滑剤を供給するための仕組みが求められる。
特許文献1には、筐体内の磁気ディスクとは別の箇所に潤滑剤を滴下しておくことで、気相の潤滑剤を磁気ディスクに供給する技術(いわゆる、気相供給方式)が開示されている。
特開2002−83484号公報
ところで、近年、磁気ヘッドの浮上量が非常に低減されていることから、磁気ディスクに塗布される潤滑剤にも薄層化が求められている。しかしながら、上記従来技術では、磁気ディスクに供給される潤滑剤が過剰気味となって、磁気ヘッドに潤滑剤が付着しやすくなる等の問題が生じることが判明した。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、潤滑剤の過剰供給を抑制することが可能な磁気ディスク装置を提供することを主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の磁気ディスク装置は、筐体内に磁気ディスクが収納された磁気ディスク装置であって、前記筐体内の空間を、前記磁気ディスクが配置される第1の空間と、潤滑剤を保有する第2の空間とに隔て、前記第2の空間から前記第1の空間への前記潤滑剤の拡散を抑制する拡散抑制膜を備える、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様では、前記第2の空間には、前記潤滑剤を含浸する担体が配置される。
また、本発明の一態様では、前記拡散抑制膜と前記担体との間に介在するスペーサーを更に備える。
また、本発明の一態様では、前記第2の空間の、前記担体と前記拡散抑制膜との間に配置され、前記担体の側から前記拡散抑制膜の側への前記潤滑剤の拡散を抑制する拡散抑制部材を更に備える。
また、本発明の一態様では、外郭の少なくとも一部が前記拡散抑制膜で構成され、その内側に前記担体が収納された組立体が、前記筐体内に配置される。
また、この態様では、前記外郭には、前記担体に前記潤滑剤を供給するための供給孔が形成される。
また、本発明の一態様では、前記筐体の内壁に凹部が形成され、該凹部内に前記担体が収納されるとともに、該凹部が前記拡散抑制膜で覆われる。
また、本発明の一態様では、前記筐体の内壁に、前記担体を収納する凹部と、該凹部に一方の端部が接続された迂回溝部とが形成され、前記凹部および前記迂回溝部のうち、該迂回溝部の他方の端部が前記拡散抑制膜で覆われ、残部が前記潤滑剤を透過しない非透過部材で覆われる。
また、本発明の一態様では、前記潤滑剤は、前記磁気ディスクに塗布される潤滑剤よりも蒸気圧が高い。
また、本発明の一態様では、前記拡散抑制膜は、微細多孔性ポリマーフィルムである。
また、本発明の一態様では、前記担体は、多孔質体である。
また、本発明の一態様では、前記担体は、繊維状物質の集合体である。
本発明によれば、磁気ディスクが配置される第1の空間と、潤滑剤を保有する第2の空間とを隔てる拡散抑制膜が設けられているので、潤滑剤の過剰供給を抑制することができる。
本発明の磁気ディスク装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。同図では、トップカバーの図示を省略している。磁気ディスク装置1の筐体9には、磁気ディスク2及びヘッドアッセンブリ4が収納されている。磁気ディスク2は、筐体9の底部に設けられたスピンドルモータ3に取り付けられている。ヘッドアッセンブリ4は、磁気ディスク2の隣で旋回可能に支承されている。このヘッドアッセンブリ4の先端側には、磁気ヘッド6を支持するサスペンションアーム5が設けられている。他方、ヘッドアッセンブリ4の後端側には、ボイスコイルモータ7が設けられている。ボイスコイルモータ7は、ヘッドアッセンブリ4を旋回駆動することで、磁気ヘッド6を磁気ディスク2上で略半径方向に移動させる。
また、磁気ディスク装置1の筐体9内には、磁気ディスク2に潤滑剤を気相供給する潤滑剤供給機構としての組立体10が配置されている。以下、潤滑剤供給機構の各例について説明する。
[潤滑剤供給機構の第1例]
図2A及び図2Bは、潤滑剤供給機構の第1例としての組立体10Aの平面図及び断面図である。この組立体10Aでは、外郭を構成する2枚の拡散抑制膜21が縁部の全周に亘って接着材32で接着されており、その内部に、液相の潤滑剤を含浸する担体19が配置されている。担体19に含浸された潤滑剤は、気相となって、組立体10の内部(第2の空間)から拡散抑制膜21を通じて外部(第1の空間)に拡散するが、その拡散量は、拡散抑制膜21が無い場合と比して、抑制される。
拡散抑制膜21は、例えば、微細多孔性ポリマーフィルムで構成される。具体的には、拡散抑制膜21は、ポリテトラプルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルニトリル、ポリイミド、又はポリフッ化ビニリデンからなる。または、これらの2種以上の積層物であってもよい。また、拡散抑制膜21は、例えばフッ素系樹脂などの撥水性の高い材料であることが好ましい。また、拡散抑制膜21は、例えば、平均細孔径が1μm以下の微細孔を有し、且つ、5cc/cm/sec以下の通気性(JIS L 1096A法による)を有することが好ましい。これを満たすとき、拡散抑制膜21は、気相の潤滑剤を通すも、液相の潤滑剤を通し難くなる。
担体19は、液相の潤滑剤を吸収し、保持する。こうした担体19は、潤滑剤の蒸発を抑制することから、組立体10Aの外部への潤滑剤の拡散量を、拡散抑制膜21と共に抑制する。この担体19は、例えば、ヒドロキシ基、カルボシキル基、エーテル基、エステル結合基、アミノ基、スルホ基などの、潤滑剤が吸着しやすい官能基を有する繊維状物質の集合体であることが好ましい。また、担体19は、例えば、カーボン、ゼオライト、炭化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、多孔質ガラス、二酸化珪素、活性炭、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の、無機化合物からなる多孔質体であることが好ましい。
担体19に含浸させる潤滑剤は、例えば、CHOH基を有するパーフロロポリエーテルであることが好ましい。担体19に含浸させる潤滑剤には、担体19から蒸発して磁気ディスク2に供給されることと、その後に磁気ディスク2上で留まることとの両立が求められる。こうした両立を図るには、担体19に含浸させる潤滑剤の蒸気圧は、1×10−1〜1×10−3Paであることが好ましい。他方、磁気ディスク2に塗布される潤滑剤には、磁気ディスク2上で留まることが求められ、蒸発することは求められない。このため、担体19に含浸させる潤滑剤は、磁気ディスク2に塗布される潤滑剤よりも蒸気圧が高いことが好ましい。
[潤滑剤供給機構の第2例]
図3A及び図3Bは、潤滑剤供給機構の第2例としての組立体10Bの平面図及び断面図である。なお、上記の例と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。この組立体10Bでは、担体19を取り囲む円周状の基部材34の各端面上に、中央部に貫通口36aを有する円板状のスペーサー36が接着され、更にこのスペーサー36上に、拡散抑制膜21が接着されている。
このスペーサー36は、例えばポリエチレンテレフタレート等の、潤滑剤を透過しない非透過材料からなり、拡散抑制膜21と担体19との間の一部に介在することで、拡散抑制膜21と担体19との間に隙間を形成し、これらを接触させないようにしている。担体19に含浸された潤滑剤は、気相となって、スペーサー36の貫通口36aを通って拡散抑制膜21に至る。
このように、拡散抑制膜21と担体19との間に隙間を形成することで、拡散抑制膜21の毛細管現象によって担体19に含浸される液相の潤滑剤が組立体10Bの外部に染み出すことを抑制できる。これによれば、拡散抑制膜21の微細孔の大きさの制約が緩和されるので、拡散抑制膜21の材料の選択の幅が広がる。
また、スペーサー36を配置することで、担体19から拡散抑制膜21に至る経路が制限されるので、組立体10Bの外部への潤滑剤の拡散量をさらに抑制することができる。
[潤滑剤供給機構の第3例]
図4A及び図4Bは、潤滑剤供給機構の第3例としての組立体10Cの平面図及び断面図である。なお、上記の例と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。この組立体10Cでは、外郭を構成する非透過材料の椀状部材38の開口が拡散抑制膜21により閉塞されており、その内部に、担体19と拡散抑制部材39とが収容されている。
この拡散抑制部材39は、担体19に対応する形状の凹部39dを有しており、椀状部材38の底部に配置された担体19を覆っている。この拡散抑制部材39には、多孔質体などの、担体19と同様の材料を適用できる。担体19に含浸された潤滑剤は、気相となって、拡散抑制部材39を通過した後、拡散抑制膜21に至る。
このように、拡散抑制部材39が担体19と拡散抑制膜21との間に介在することによって、担体19の側から拡散抑制膜21の側への潤滑剤の拡散が抑制されるので、組立体10Cの外部への潤滑剤の拡散量をさらに抑制することができる。
椀状部材38は、例えばアルミ等の金属や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PTFE等のプラスチックなどの、潤滑剤を透過しない非透過材料からなる。この椀状部材38の底部には、担体19に潤滑剤を供給するための供給孔38aが形成されている。この供給孔38aは、金属シール等の閉塞部材41で閉塞される。
[潤滑剤供給機構の第4例]
図5は、潤滑剤供給機構の第4例の断面図である。なお、上記の例と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。本例では、上記の例と異なり、筐体9の内壁に形成された凹部9dに担体19が収容されると共に、この凹部9dの開口が拡散抑制膜21により閉塞されている。担体19に含浸された潤滑剤は、気相となって、凹部9dの内部(第2の空間)から拡散抑制膜21を通じて外部(第1の空間)に拡散する。これによれば、部品点数を少なくしつつ、外部への潤滑剤の拡散量を抑制することができる。また、同図に示されるように、拡散抑制膜21と担体19との間に隙間を形成することが好ましい。
[潤滑剤供給機構の第5例]
図6A及び図6Bは、潤滑剤供給機構の第5例の平面図及び断面図である。なお、上記の例と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。本例では、筐体9の内壁に、担体19を収容する凹部9dと、この凹部9dに一方の端部が接続された迂回溝部9eが形成されている。この迂回溝部9eは、凹部9dの周囲を半周以上に亘って迂回するように形成されている。これら凹部9d及び迂回溝部9eのうち、迂回溝部9eの他方の端部は拡散抑制膜21で覆われ、残部は、金属カバー等の、潤滑剤を透過しない非透過部材で覆われている。
担体19に含浸された潤滑剤は、気相となって、迂回溝部9eの一方の端部から他方の端部までを通って、拡散抑制膜21に至る。このように、凹部9dと拡散抑制膜21との間に迂回溝部9eが介在することで、担体19から拡散抑制膜21まで潤滑剤が到達するのに時間が掛かることから、外部への潤滑剤の拡散量をさらに抑制することができる。
以下、本発明の実施例の効果を確認するために行った試験について説明する。
[実施例1]
上記図2A及び図2Bに示される第1例の組立体10Aを、次のように構成した。組立体10の大きさは、10mm×15mm×3mmとした。担体19としては、平均細孔径が約2nmのフェルト状の活性炭繊維を用いた。拡散抑制膜21としては、平均細孔径が0.2μmで、通気性が0.7cc/cm/secの延伸性のポリテトラフルオロエチレン(延伸PTFE)を用いた。接着材32としては、ウレタン系の接着材を用いた。担体19に含浸させる潤滑剤としては、官能基にCHOH基を有し、蒸気圧が1×10−3Paのパーフロロポリエーテルを用いた。他方、磁気ディスク2に塗布する潤滑剤としては、蒸気圧が1×10−6Paのパーフロロポリエーテルを用いた。
(1)拡散抑制膜の通気性評価
JIS L 1096に規定されるフラジール型法に基づく測定を行った。通気性は、圧力12.7mmHO条件下で拡散抑制膜の試験片を透過する空気量を単位(cc/cm/sec)で表した値である。
(2)磁気ディスクの潤滑膜厚変化評価
所定の温度条件で磁気ディスク装置を稼動させ、半径43mm〜19mmの面においてランダムシーク動作を行った。回転数は7200rpmとした。所定時間の経過後の磁気ディスクの潤滑膜厚の測定を行った。潤滑膜厚の測定は、フーリエ変換赤外分光光度計を用いた。初期膜厚に対する増加量をパーセントの値で表示し、経過時間との関係を評価し、1000時間まで実施した。潤滑膜増加量の最大値をMax値とし、1000時間経過後の潤滑膜増加量をEnd値とする。
(3)組立体の重量変化評価
上記(2)の評価において、磁気ディスク装置の筐体内に配置される組立体の重量を計測した。これによって、供給される潤滑剤の量を評価できる。潤滑剤を滴下した直後の組立体の初期重量を予め計測しておく。所定時間毎に組立体の重量を計測し、初期重量との比をパーセントの値で表示する。初期重量が半分になる(50%になる)経過時間をT50とする。得られたデータから最小2乗法により内挿して算出した。
(4)磁気ヘッドスライダABSの光学顕微鏡観察結果
1000時間経過後の磁気ヘッドスライダのABSを光学顕微鏡で観察し、潤滑剤の付着の有無を判定した。
(5)記録/再生エラー試験
ランダムシーク試験と同じ条件で、磁気ディスクに対して記録・再生動作を繰り返し行い、再生出力信号のエラーの有無を評価した。エラーが有ると、磁気ヘッドスライダの浮上量に変動が生じたと推測される。
図7は、磁気ディスクの潤滑膜厚変化の計測の結果の一例である。図8は、組立体の重量変化の測定結果の一例である。
ここで、比較例1は、潤滑剤の供給手段を用いない場合である。比較例2は、筐体内の部品に潤滑剤を直接滴下した場合を模擬している。すなわち、取り外し可能なステンレス製でできたカップ容器を用意し、その中に実施例1と同量の潤滑剤を滴下して筐体内の同じ位置に配置した。潤滑剤を含んだカップ容器の重量を計測することで、供給潤滑剤重量変化がわかる。
図7から、比較例1では、磁気ディスク上の潤滑剤の減少が発生しているのに対して、実施例1及び比較例2では、時間とともに潤滑膜の増加が確認され、数十時間の時間経過後にピーク値が存在する。実施例1のMax値は21%、End値は11%であり、比較例2の場合のMax値は33%、End値は14%である。
図8から、供給潤滑剤重量が50%になる時間(T50)は、実施例1で31時間であり、比較例2の場合は11.8時間であることがわかる。
[実施例2]
ゼオライトからなる無機多孔質体の担体19に潤滑剤を含浸させた。拡散抑制膜21としては、平均細孔径が0.5μmで、通気性が1cc/cm/secのe−PTFEからなる微細多孔性ポリマーフィルムを用いた。
[実施例3]
ポリエステル繊維とTiO2繊維の複合不織布からなる担体19に潤滑剤を含浸させた。拡散抑制膜21としては、平均細孔径が0.1μmで、通気性が0.4cc/cm/secのポリカーボネートからなる微細多孔性ポリマーフィルムを用いた。
[比較例3]
活性炭から出来た無機多孔質体の担体に潤滑剤を含浸させた。拡散抑制膜は用いずに、筐体内に配置した。
図9は、実施例および比較例の評価結果を表すテーブルである。
比較例1では、潤滑膜厚が初期膜厚に比べ、30%も減少をおこしており、その結果、記録再生エラーの発生が起きている。
比較例2及び3では、記録再生エラーが発生していることがわかった。また、比較例2及び3では、回転飛散による磁気ディスクの潤滑膜の減少は見られないものの、潤滑膜厚のMax値が比較的高く、重量変化の結果のT50値は小さいことがわかる。このことは、潤滑剤滴下後から短時間で磁気ディスクへ過剰に供給されて、供給速度が高いものと推察される。
これに対し、実施例1ないし3では、磁気ディスクへの潤滑膜厚増加のMax値が21A以下と小さく、過剰供給になっていない。また、T50値が高く、供給速度が小さい。また、記録再生エラーの発生も無かった。さらに、1000時間経過後の潤滑膜厚も初期値に比べ減少しておらず、回転による飛散や接触による潤滑膜の減少を防止していることがわかる。その結果、長時間の供給が可能であり、長期にわたって信頼性が高いものと推察される。
また、光学顕微鏡のABS観察から、比較例2では、ドロップレットの潤滑剤が存在し、比較例3ではドロップレットの潤滑剤と供給担体である活性炭の微小異物が観察された。
これに対し、実施例1ないし3では、ドロップレットの潤滑剤や異物は観察されなかった。このことにより、拡散抑制膜は、磁気ディスクへの潤滑剤供給量を制御するばかりでなく、多孔質体から発生する塵埃を抑制する働きがあることがわかった。一般に無機多孔質体は脆性材料からできており、振動、衝撃、気圧変動、温度変化、風速等の外乱を受けると、塵埃が発生し、磁気ディスク装置に適用するには制限があった。しかしながら、拡散抑制膜によって塵埃の発生が抑えられるため、担体として適用する材料の選択の幅が広がった。
以上の結果から明らかなように、回転による飛散、接触による潤滑膜厚の減少を防止し、過剰供給の制限、供給速度の低減を兼ね備えるのは、実施例1〜3の組立体を有する磁気ディスク装置であった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が当業者にとって可能であるのはもちろんである。例えば、上記第1例ないし第5例では、潤滑剤を含浸させた担体19を用いていたが、これに限られず、拡散抑制膜21により隔てられる第2の空間内に潤滑剤を滴下するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。 潤滑剤供給機構の第1例の平面図である。 潤滑剤供給機構の第1例の断面図である。 潤滑剤供給機構の第2例の平面図である。 潤滑剤供給機構の第2例の断面図である。 潤滑剤供給機構の第3例の平面図である。 潤滑剤供給機構の第3例の断面図である。 潤滑剤供給機構の第4例の断面図である。 潤滑剤供給機構の第5例の平面図である。 潤滑剤供給機構の第5例の断面図である。 実施例の説明図である。 実施例の説明図である。 実施例の説明図である。
符号の説明
1 磁気ディスク装置、2 磁気ディスク、3 スピンドルモータ、4 ヘッドアッセンブリ、5 サスペンションアーム、6 磁気ヘッド、7 ボイスコイルモータ、9 筐体、9d 凹部、9e 迂回溝部、10(10A〜10C) 組立体、19 担体、21 拡散抑制膜、32 接着材、34 基部材、36 スペーサー、36a 貫通口、38 椀状部材、38a 供給孔、39 拡散抑制部材、39d 凹部、41 閉塞部材、43 非透過部材。

Claims (12)

  1. 筐体内に磁気ディスクが収納された磁気ディスク装置であって、
    前記筐体内の空間を、前記磁気ディスクが配置される第1の空間と、潤滑剤を保有する第2の空間とに隔て、前記第2の空間から前記第1の空間への前記潤滑剤の拡散を抑制する拡散抑制膜を備える、
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 前記第2の空間には、前記潤滑剤を含浸する担体が配置される、
    請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記拡散抑制膜と前記担体との間に介在するスペーサーを更に備える、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記第2の空間の、前記担体と前記拡散抑制膜との間に配置され、前記担体の側から前記拡散抑制膜の側への前記潤滑剤の拡散を抑制する拡散抑制部材を更に備える、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  5. 外郭の少なくとも一部が前記拡散抑制膜で構成され、その内側に前記担体が収納された組立体が、前記筐体内に配置される、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記外郭には、前記担体に前記潤滑剤を供給するための供給孔が形成される、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  7. 前記筐体の内壁に凹部が形成され、該凹部内に前記担体が収納されるとともに、該凹部が前記拡散抑制膜で覆われる、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  8. 前記筐体の内壁に、前記担体を収納する凹部と、該凹部に一方の端部が接続された迂回溝部とが形成され、
    前記凹部および前記迂回溝部のうち、該迂回溝部の他方の端部が前記拡散抑制膜で覆われ、残部が前記潤滑剤を透過しない非透過部材で覆われる、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記潤滑剤は、前記磁気ディスクに塗布される潤滑剤よりも蒸気圧が高い、
    請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記拡散抑制膜は、微細多孔性ポリマーフィルムである、
    請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  11. 前記担体は、多孔質体である、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  12. 前記担体は、繊維状物質の集合体である、
    請求項2に記載の磁気ディスク装置。
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