JP2010138830A - 可動タービン翼用のブッシュ及びクロックスプリング組立体 - Google Patents

可動タービン翼用のブッシュ及びクロックスプリング組立体 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスタービンエンジン用の可変入口案内翼に対する着氷防止を可能にする加熱手段を提供する。
【解決手段】翼形部組立体は、タービンエンジンの外側ケーシング28に枢動連結されたタービン翼形部34と、翼形部34のトラニオン54上に配置されたブッシュ組立体58とを含み、ブッシュ組立体58は、トラニオン54を受ける第1のボアを有しかつその外表面によって支持された第1の電気接続部及び該第1の電気接続部から延びる第1の導電体を有するブッシュ60と、その中で回転するようにブッシュ60を受けかつ第2の電気接続部及び該第2の電気接続部から延びて電源に電気接続されるようになった第2の導電体を有するハウジングと、第1の電気接続部及び第2の電気接続部間に電気接続されたクロックスプリングと、さらに、翼形部34の外表面上に配置されかつブッシュ組立体58を介して第2の導電体に電気接続された加熱要素を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、総括的にはガスタービンエンジン用の可変入口案内翼に関し、より具体的には、そのような入口案内翼用のブッシュ及びクロックスプリングに関する。
多くの場合に、ガスタービンエンジンは、吸気流を下流のファン又は圧縮機に導くための翼形状入口案内翼を含む。幾つかの用途では、入口案内翼は、異なる運転条件における必要に応じてエンジンを通る質量流量をスロットル調整するための可変有効角度を有する。
入口案内翼を含むその前端付近におけるエンジンの部分は、幾つかの飛行条件において着氷を受ける。この氷は一般的に、入口案内翼上に又は該入口案内翼を通して加熱バイパス空気を導くことによって除去される。抽気を使用することは、エンジン効率に直接影響を及ぼし、また比較的重量がある高温パイプ及び弁装置を必要とする不利益がある。
例えばスリップリングを使用してヘリコプタロータヘッドからロータブレードに電流を伝達するようにするなどの、結氷防止のために電気加熱を使用することが知られている。しかしながら、可変入口案内翼は、他の用途では存在しないほど大きなガス荷重に対処しなくてはならず、従ってそれらの回転部位において堅固に支持されなくてはならず、電流の送給を一層困難なものにする。さらに、案内翼ブッシュは、狭い物理的空間内に詰め込まれなくてはならない。
先行技術のこれらの及びその他の欠点は、本発明によって解決され、本発明は、入口案内翼の作動を妨げないような該入口案内翼の回転自由度を可能にする入口案内翼ブッシュ及びクロックスプリングを提供し、また加熱要素に電流を供給して入口案内翼に対する着氷防止を可能にする。
本発明の1つの態様によると、トラニオンの周りで枢動可能であるタービン翼形部用のブッシュ組立体は、トラニオンを受けるようになったボア及びそれから延びかつ翼形部上に配置された加熱要素に接続されるようになった第1の導電体を有するブッシュと、該ブッシュ上に配置され、それから延びて電源に接続されるようになった第2の導電体を有しかつそれに対してブッシュが回転可能であるハウジングと、第1の導電体及び第2の導電体間に電気接続されて該第2の導電体から該第1の導電体に電流を伝送することができるようになった可撓性導電体とを含む。
本発明の別の態様によると、ガスタービンエンジン用の翼形部組立体は、タービンエンジンの外側ケーシングに枢動連結されたタービン翼形部と、外側ケーシングによって支持されかつ翼形部のトラニオン上に配置されて、該翼形部から該外側ケーシングにガス荷重を伝達するようになったブッシュ組立体とを含み、ブッシュ組立体は、トラニオンを受ける第1のボア、その外表面によって支持された第1の電気接続部及び該第1の電気接続部から延びる第1の導電体を有するブッシュと、その中で回転するようにブッシュを受けかつ第2の電気接続部及び該第2の電気接続部から延びて電源に電気接続されるようになった第2の導電体を有するハウジングと、第1の電気接続部及び第2の電気接続部に電気接続されて該第2の電気接続部から該第1の電気接続部に電流が伝送されるようになったクロックスプリングとを含み、本翼形部組立体はさらに、翼形部の外表面上に配置されかつブッシュ組立体を介して第2の導電体に電気接続された加熱要素を含む。
本発明は、添付図面の図と関連させてなした以下の説明を参照することによって、最もよく理解することができる。
本発明により構成された入口案内翼組立体を含むガスタービンエンジンの断面図。 入口案内翼組立体の部分側面図。 図2に示す入口案内翼組立体のブッシュ組立体の上面断面図。 図3に示すブッシュ組立体の分解図。 入口案内翼のトラニオン上に配置された、図3に示すブッシュ組立体のブッシュを示す図。 図3〜図5に示すブッシュ組立体の断面図。 入口案内翼のトラニオン上に配置されたブッシュの側面図。
様々な図全体を通して同一の参照符号が同じ要素を示している図面を参照すると、図1は、ガスタービンエンジン10を示しており、ガスタービンエンジン10は、それら全てが直列軸流関係で配置された、ファン組立体12、高圧圧縮機14、燃焼器16、高圧タービン18及び低圧タービン20を有する。ファン組立体12と低圧タービン20とは、第1のシャフト22によって結合され、また圧縮機14と高圧タービン18とは、第2のシャフト24によって結合される。
複数の円周方向に間隔を置いて配置された入口案内翼組立体26が、エンジン10の吸気口に配置されかつ外側ケーシング28(図2に示す)と中央ハブ30との間で延びて、エンジン10に流入する空気流を下流方向に圧縮機14に導く。本発明は、入口案内翼組立体に関して記述するが、本発明の原理は、ガスタービンエンジン内の枢動可能なあらゆる翼形部又は該翼形部の一部分に対しても適用することができることを理解されたい。
運転中に、空気は、中央ハブ30と外側ケーシング28とによって形成された空気流路を介して、入口案内翼組立体26及びファン組立体12を通って流れて、加圧された空気が、ファン組立体12から高圧圧縮機14に供給される。高度に加圧された空気は次に、燃焼器16に送給される。燃焼器16からの空気流は、タービン18及び20を回転駆動し、その後ガスタービンエンジン10から流出する。
図2に示すように、各入口案内翼組立体26は、翼形状ストラット32及び翼形状フラップ34の両方を含む。ストラット32は、ハブ30(図1に示す)の円周部の周りに間隔を置いて配置されかつハブ30から間隔を置いた状態でケーシング28を構造的に支持する。ストラット32は、該ストラット32の周りでエンジン吸気口に流入する空気をフラップ34に向かって導くような空気力学的形状になっている。各ストラット32は、根元部(図示せず)、先端部35、並びに前縁40と後縁42とにおいて連結された1対の側壁36及び38を有する。
フラップ34は、各ストラット32の直ぐ下流に配置され、その各々は、前縁48と後縁50とにおいて連結された1対の側壁44及び46を含む。各側壁44及び46は、根元部(図示せず)と先端部52との間で半径方向スパンにわたって延びる。フラップ34は、トラニオン54によって外側ケーシング28に枢動結合され、トラニオン軸線56の周りで回転可能である。
ブッシュ組立体58が、トラニオン54と外側ケーシング28との間で該トラニオン54上に配置されて、フラップ34からのガス荷重に対処する。このことは、エンジン運転の間にフラップ34を選択的に位置決め可能にして、下流方向に導かれる空気流のファン組立体12に対する衝突角度を変化させることを可能にする。ブッシュ組立体58は、トラニオン54に加わる作動荷重に耐えることになるあらゆる材料で構成することができる。適当な材料の1つの実施例は、ポリイミド樹脂の母材内に炭素繊維強化ロッドを含む複合材である。そのような複合材は、アメリカ合衆国デラウエア州ウイルミントン所在のE.I.Dupont De Nemours and CompanyによってVESPEL CPという商品名で販売されている。
図3〜図6を参照すると、ブッシュ組立体58は、ブッシュ60とハウジング62とを含む。ブッシュ60は、それを貫通してトラニオン54を受けるようになったボア64を有する。ブッシュ60とトラニオン54との間の相対回転を防止するための手段が、設けられる。この図示した実施例では、トラニオン54は、その上に形成された平坦部55を有し、この平坦部55は、ブッシュ60の相補形平坦部65と係合する。それに代えて、スプライン、歯車の歯、キー又はピン、或いはそれらに類したもののようなその他の公知の構造体もまた、この目的のために使用することができる。ハウジング62とケーシング28との間の相対回転を防止するための手段もまた、設けられる。これは、例えばハウジング62とケーシング28との間の緊密嵌合として、ハウジング62上の1つ又はそれ以上の細長い部分又は平坦部として、或いはスプライン、歯車の歯、キー又はピンのような構造体として実装することができる。少なくとも1つの電気接続部66が、ハウジング62の外表面68内に埋め込まれるか又は該外表面68上に取付けられる。接続部66から図7に示すようなフラップ34の外表面上に取付けられた公知のタイプの加熱要素72まで、導電体70が延びる。図5に示すように、導電体70は、開口74を通してフラップ34内に延びかつフラップ34の内部を貫通して加熱要素72に接合する。導電体70のためのその他の経路を設けることができ、例えばフラップ34の表面内にトレンチ(図示せず)を形成することができる。電気接続部66及び導電体70は、電流を伝送するのに適した金属又はその他の導電性材料で製造される。
ハウジング62は、ブッシュ60を受ける中央ボア78を備えた側壁76を含む。ボア78は、トラニオン54の端部84がそれを貫通して延びるのを可能にするようになった端部ボア82を備えた端部壁80によって閉鎖される。少なくとも1つの電気接続部86は、ボア78の表面内に埋め込まれるか又は該ボア78の表面上に取付けられる。図4に示すように、導電体88は、電気接続部86からハウジング62を貫通して経路配置されかつハウジング62から外に出て、外部配線ハーネス(図示せず)を介して電源に接続されるようになる。
図3に示すように、接続部66と接続部86との間には、クロックスプリング90のような可撓性導電体が電気接続される。クロックスプリング90は、導電体70及び88に対して直接接続し、それによって接続部66及び86の必要性を排除することができることを理解されたい。図示するように、ブッシュ60の周りにフェアリーダ92を配置して、クロックスプリング90が屈曲した状態又は捩れた状態になるのを防止することができる。クロックスプリング90は、金属又はその他の導電性材料で製造され、導電体70を介して接続部86から接続部66にまた加熱要素72に電気を伝送する。図6に示すように、クロックスプリング90は、ブッシュ60内に形成された溝96及びハウジング62のボア78の表面内に形成された溝98内に配置される。クロックスプリング90は、ブッシュ60又はボア78内に形成された単一の溝内に配置することもできることを理解されたい。溝96及び98は、フラップ34の移動によるトラニオン54の回転時に、クロックスプリング90がブッシュ60の周りで収縮しまたブッシュ60から離れるように拡張するのを可能にする。例えば、クロックスプリング90は、トラニオン54が時計方向に回転した時に収縮しまたトラニオン54が反時計方向に回転した時に拡張することになる。
図示するように、各ブッシュ組立体58は、単一の抵抗加熱器に給電するようになった単一の電気経路を含む。必要に応じて、予備機能を構成するために又はゾーン型加熱を実施するために、付加的な経路を設けることができる。
ブッシュ組立体58とフラップ34との間のあらゆるギャップは、電気接続を妨げる可能性がある水又は塵埃の進入を防止するためにシールされる。これは、図2に示すように、ハウジング62とフラップ34との間にOリング75を配置することによって行われるが、その他のタイプのシール又はガスケットもまた使用することができる。
以上は、可動タービンベーン用のブッシュ組立体について説明してきた。本発明の特定の実施形態を説明してきたが、本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱することなくそれら実施形態に対して様々な変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明の好ましい実施形態及び本発明を実施するための最良の形態に関する以上の説明は、限定の目的ではなくて専ら例示の目的で示したものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定まる。
10 ガスタービンエンジン
12 ファン組立体
14 高圧圧縮機
16 燃焼器
18 高圧タービン
20 低圧タービン
22 第1のシャフト
24 第2のシャフト
26 入口案内翼組立体
28 外側ケーシング
30 中央ハブ
32 翼形状ストラット
34 翼形状フラップ
35 翼形状ストラットの先端部
36、38 翼形状ストラットの側壁
40 翼形状ストラットの前縁
42 翼形状ストラットの後縁
44、46 翼形状フラップの側壁
48 翼形状フラップの前縁
50 翼形状フラップの後縁
52 翼形状フラップの先端部
54 トラニオン
55 トラニオン上の平坦部
56 トラニオン軸線
58 ブッシュ組立体
60 ブッシュ
62 ハウジング
64 ブッシュのボア
65 ブッシュの平坦部
66 電気接続部
68 ハウジングの外表面
70 導電体
72 加熱要素
74 翼形状フラップの開口
75 Oリング
76 ハウジングの側壁
78 側壁内の中央ボア
80 端部壁
82 端部壁内の端部ボア
84 トラニオンの端部
86 電気接続部
88 導電体
90 クロックスプリング
92 フェアリーダ
96 ブッシュ内の溝
98 中央ボアの表面内の溝

Claims (10)

  1. ガスタービンエンジン用の翼形部組立体であって、
    (a)前記タービンエンジンの外側ケーシング(28)に枢動連結されたタービン翼形部(34)と、
    (b)前記外側ケーシング(28)によって支持されかつ前記翼形部(34)のトラニオン(54)上に配置されて、該翼形部(34)から該外側ケーシング(28)にガス荷重を伝達するようになったブッシュ組立体(58)と、
    を含み、前記ブッシュ組立体が、
    (i)前記トラニオン(54)を受ける第1のボアを有しかつその外表面によって支持された第1の電気接続部及び前記第1の電気接続部から延びる第1の導電体を有するブッシュ(60)と、
    (ii)その中で回転するように前記ブッシュ(60)を受けかつ第2の電気接続部及び前記第2の電気接続部から延びて電源に電気接続されるようになった第2の導電体を有するハウジング(62)と、
    (iii)前記第1の電気接続部及び第2の電気接続部間に電気接続されたクロックスプリング(90)と、
    を含み、該翼形部組立体が、
    (c)前記翼形部(34)の外表面上に配置されかつ前記ブッシュ組立体(58)を介して前記第2の導電体に電気接続された加熱要素(72)を、さらに含む、
    翼形部組立体。
  2. 前記加熱要素(72)が、前記第1の導電体によって前記第1の電気接続部に電気接続される、請求項1記載の翼形部組立体。
  3. 前記第1の導電体が、前記翼形部(34)の内部を貫通して延びて前記加熱要素(72)に接続させるようになっている、請求項2記載の翼形部組立体。
  4. 前記ブッシュ組立体(58)が、前記トラニオン(54)が前記外側ケーシング(28)に対して回転するのを可能にしながら、前記電源から前記加熱要素(72)への電流の伝送を可能にする、請求項1記載の翼形部組立体。
  5. 前記第1の電気接続部が、前記ブッシュ(60)の外表面内に埋め込まれる、請求項1記載の翼形部組立体。
  6. 前記ブッシュ(60)の外表面内に形成されかつ該ブッシュ(60)の外表面の周りで円周方向に延びる第1の溝をさらに含む、請求項1記載の翼形部組立体。
  7. 前記ハウジング(62)の内表面内に形成されかつ前記第1の溝と組合さるように配置された第2の溝をさらに含み、
    前記翼形部(34)が枢動した時に、前記クロックスプリング(90)が、前記第1及び第2の溝内で拡張又は収縮することができるようになる、
    請求項6記載の翼形部組立体。
  8. 前記クロックスプリング(90)が、前記第1の電気接続部及び第2の電気接続部間で前記ブッシュ(60)の周りを包む、請求項1記載の翼形部組立体。
  9. 前記ブッシュ(60)の外表面内に形成された溝内に配置されたフェアリーダをさらに含み、
    前記クロックスプリング(90)が、捩れることなく前記フェアリーダ及びブッシュ(60)の周りを包むようになる、
    請求項1記載の翼形部組立体。
  10. 前記ハウジング(62)が、前記ブッシュ(60)を囲む側壁及び前記側壁の端部に配置された端部壁を含み、
    前記端部壁が、それを貫通して前記トラニオン(54)の遠位端を受けるようになった第2のボアを含む、
    請求項1記載の翼形部組立体。
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