JP2010138602A - 建物 - Google Patents

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JP2010138602A JP2008315848A JP2008315848A JP2010138602A JP 2010138602 A JP2010138602 A JP 2010138602A JP 2008315848 A JP2008315848 A JP 2008315848A JP 2008315848 A JP2008315848 A JP 2008315848A JP 2010138602 A JP2010138602 A JP 2010138602A
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Abstract

【課題】重量及びコストの増加を抑えつつ、建物躯体を効果的に補強することができる建物を得る。
【解決手段】ユニット建物46の構成単位である建物ユニット10が備える柱は、コンクリート84で補強された補強柱82とされている。具体的には、天井フレーム12側の天井仕口部24内にコンクリート84が充填されてコンクリート充填部86とされている。また、床フレーム14側の床仕口部34内にコンクリート84が充填されてコンクリート充填部86とされている。但し、柱本体40内はコンクリート84は充填されず空洞部78とされている。従って、柱の全部にコンクリートを充填する構造に比し、重量及びコストは削減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物躯体の柱を効果的に補強した建物に関する。
下記特許文献1には、建物ユニットのフレームの補強構造が開示されている。簡単に説明すると、箱型の建物ユニットの四隅に立設された柱の上下端には上部プレート及び下部プレートが溶接されており、このうち上部プレートにコンクリートの注入口が形成されている。また、柱の内部には上下端近傍にダイアフラムが溶接されている。上下のダイアフラムにもコンクリートの注入口が形成されると共に、鉄筋挿通孔が形成されている。そして、上部プレートを溶接する前に、柱の内部に鉄筋を挿入し、上下のダイアフラムの鉄筋挿通孔内へ鉄筋を挿通させる。その後、上部プレートを塞いで、注入口からコンクリートを打設することにより、鉄筋及びコンクリートが充填された柱が形成されるようになっている。
特許2007−279256号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された先行技術による場合、柱の内部全体にコンクリートを充填する構成であるので、建物ユニットの補強はできるものの、かなり重量が増加すると共に材料費も増大する。なお、柱内に鉄筋を配筋する場合には、更に鉄筋の重量及びコストが加わる。従って、上記先行技術は、この点において改良改良の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、重量及びコストの増加を抑えつつ、建物躯体を効果的に補強することができる建物を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る建物は、複数箇所に立設された複数の柱と、相対する柱の上端部同士及び下端部同士を繋ぐ複数の梁と、を含んで構成された建物躯体と、少なくとも一箇所に立設されると共に鋼管製とされ、上端部及び下端部の少なくとも一方にコンクリートを充填することにより形成されたコンクリート充填部と、当該上端部及び下端部間の中間部に形成された空洞部と、を備えた補強柱と、を有している。
請求項2の発明に係る建物は、請求項1記載の発明において、前記コンクリート充填部における前記空洞部側の端部又は端部近傍の外周部には、鋼管壁面との間に隙間を形成するための傾斜面が形成されている、ことを特徴としている。
請求項3の発明に係る建物は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記補強柱における前記コンクリート充填部となる空間に臨む位置には、コンクリート注入口が予め形成されている、ことを特徴としている。
請求項4の発明に係る建物は、請求項3記載の発明において、前記補強柱における前記コンクリート充填部となる空間に臨む位置には、コンクリートを充填した際の空気抜き孔が予め形成されている、ことを特徴としている。
請求項5の発明に係る建物は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記建物躯体は、天井フレームと床フレームとを複数の柱で繋いだ建物ユニットの集合体として構成されており、当該柱は、天井フレームの隅部に配置されて天井フレームの一部を成す天井仕口柱と、床フレームの隅部に配置されて床フレームの一部を成す床仕口柱と、天井仕口柱と床仕口柱とを繋ぐ柱本体と、に三分割されており、前記補強柱は、前記天井仕口柱及び床仕口柱の少なくとも一方にコンクリートを充填して前記コンクリート充填部とすることにより形成されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、補強柱は鋼管製とされ、上端部及び下端部の少なくとも一方にコンクリート充填部が形成される。このため、コンクリート充填部が形成された上端部(即ち、柱頭部)又は下端部(即ち、柱脚部)或いは上端部及び下端部の両方の剛性が高くなり、梁との接合部の剛性、耐力を向上させることができる。そして、上記性質を有する補強柱が、建物躯体の少なくとも一箇所に立設されて、その箇所を補強する。
ここで、本発明では、コンクリートが充填されるコンクリート充填部は補強柱の上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられており、中間部は空洞部とされている。従って、柱の全体に(鉄筋及び)コンクリートを充填する構造に比し、重量及びコストが削減される。
請求項2記載の本発明によれば、コンクリート充填部における空洞部側の端部又は端部近傍の外周部に、鋼管壁面との間に隙間を形成するための傾斜面を形成したので、地震や強風等により柱が撓もうとした際に、鋼管壁面が当該傾斜面に近づくことでその際の変位を吸収することができる。換言すれば、この補強柱には、柱の撓みに対する逃げが予め形成されているので、地震や強風等により柱が撓んだ際に、鋼管壁面にコンクリート充填部の空洞部側の端部又は端部近傍部位が局所的に強く当たることを回避することができる。
請求項3記載の本発明によれば、補強柱には予めコンクリート注入口が形成されているので、建物を改修するときに、補強しようとする柱にコンクリート注入口からコンクリートを充填して、補強柱に変えることができる。このため、大規模な改修工事をしなくて済む。
請求項4記載の本発明によれば、補強柱には予め空気抜き孔が形成されているので、コンクリート注入口からコンクリートを充填した際に内部の空気が空気抜き孔から抜ける。従って、コンクリート注入時に現場で補強柱に空気抜き孔を開ける場合に比べて、作業時間が短くて済む。
請求項5記載の本発明によれば、建物躯体は、天井フレームと床フレームとを複数の柱で繋いだ建物ユニットの集合体として構成されているので、本当にコンクリート充填部が必要なところにのみ本発明を適用することができる。すなわち、建物躯体が建物ユニットの集合体として構成されているユニット工法の場合、建物ユニットはそれぞれに構造的に閉じている。このため、コンクリート充填部による補強が必要なところの柱のみを補強柱とすることにより、必要箇所のみを補強することができる。従って、建物ユニットの集合体として建物躯体が構成された建物(ユニット建物)の剛性バランスを精度良く整えることが可能になる。
また、本発明における建物ユニットでは、柱が、天井フレームの隅部に配置されて天井フレームの一部を成す天井仕口柱と、床フレームの隅部に配置されて床フレームの一部を成す床仕口柱と、天井仕口柱と床仕口柱とを繋ぐ柱本体と、に三分割された構造になっている。このため、天井フレームの任意の天井仕口柱にコンクリートを充填してコンクリート充填部を形成する作業、或いは床フレームの任意の床仕口柱にコンクリートを充填してコンクリート充填部を形成する作業を、極めて容易に実施できる。つまり、柱が分割されていない場合には、柱を立てて、その一方の端部にコンクリートを充填して硬化させ、続いて柱を反転させて他方の端部にコンクリートを充填して硬化させるといった作業手順になるが、その場合には作業時間も倍かかる。これに対し、柱が予め分割されている本発明の場合、同時進行で天井仕口柱と床仕口柱のコンクリートの充填作業を行うことができる。
特に、上記の手法を採ることにより、通常、建物ユニットは工場生産されて輸送車両で工場から建築地まで輸送されるため、コンクリート充填部の製作を工場生産段階で実施することができる。このため、コンクリートの配合や養生、打設(充填)等が建築地での現場作業でなされる場合に比べて、製品の品質管理を高い精度で行うことができる。その結果、コンクリート充填部による柱の補強特性にバラツキが生じ難い。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る建物は、重量及びコストの増加を抑えつつ、建物躯体を効果的に補強することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る建物は、地震や強風等により柱が撓んだ際に、鋼管壁面にコンクリート充填部の空洞部側の端部又は端部近傍部位が局所的に強く当たることによる応力集中が、鋼管壁面に生じることを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る建物は、建築後に需要者のニーズに合わせて低コストで建物を耐震補強することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る建物は、コンクリートの充填作業を迅速かつ円滑に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る建物は、現場作業を増やすことなく、建物ユニットの柱の補強を精度良く行うことができ、ひいては建物の剛性バランスを精度良く整えることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る建物の一実施形態について説明する。
<建物ユニットの構造>
図2には、ユニット建物の構成単位となる建物ユニットの分解斜視図が示されている。この図に示されるように、建物ユニット10は箱型とされており、各々平面視で矩形状に形成された天井フレーム12及び床フレーム14と、これらの天井フレーム12の四隅と床フレーム14の四隅とを連結する4本の柱16と、による躯体フレーム18を備えている。
天井フレーム12は、スパン長が長い一対の桁側天井大梁20と、スパン長が短い一対の妻側天井大梁22と、四隅に立設された鋼管製の天井仕口部24と、を備えている。桁側天井大梁20及び妻側天井大梁22はいずれも溝型鋼によって構成されており、その長手方向の端部は天井仕口部24の側面に溶接されている。また、対向して配置された一対の桁側天井大梁20間には、桁方向に所定の間隔で複数の天井小梁26が架け渡されている。さらに、これらの天井小梁26の下面側に天井面材28が取り付けられている。なお、天井仕口部24が本発明における「天井仕口柱」に相当する。
同様に、床フレーム14は、スパン長が長い一対の桁側床大梁30と、スパン長が短い一対の妻側床大梁32と、四隅に立設された鋼管製の床仕口部34と、を備えている。桁側床大梁30及び妻側床大梁32はいずれも溝型鋼によって構成されており、その長手方向の端部は床仕口部34の側面に溶接されている。また、対向して配置された一対の桁側床大梁30間には、桁方向に所定の間隔で複数の床小梁(図示省略)が架け渡されている。さらに、これらの床小梁の上面側に床面材38が取り付けられている。なお、床仕口部34が本発明における「床仕口柱」に相当する。
上述した天井フレーム12の天井仕口部24と床フレーム14の床仕口部34とは、鋼管柱である柱本体40によって相互に連結されている。換言すれば、本実施形態で説明する柱16は、各々短柱状に形成された天井仕口部24及び床仕口部34と、これらの天井仕口部24と床仕口部34とを上下に繋ぐ柱本体40とに三分割された構造になっている。
上記構成の天井フレーム12と床フレーム14とが柱本体40によって相互に連結されることにより建物ユニット10の躯体フレーム18が構成され、更にこの躯体フレーム18に図示しない外壁パネルや内壁パネル、付帯設備等が予め工場付けされることにより、建物ユニット10が構成されている。そして、図1及び図2に示されるように、この箱型の建物ユニット10が基礎42、44上に複数個据付けられることにより、ユニット建物46の一階部分48(図1にはユニット建物46の一階部分48の一部を図示)が構築されている。なお、一階部分48の上には必要個数の建物ユニット10が据付けられて二階部分が構成され、更に二階部分の上に屋根部分が据付けられてユニット建物46が構成される。三階建ての場合には、二階部分の上に同様にして建物ユニット10が据付けられることにより三階部分が構成されるようになっている。
<柱の詳細構造>
次に、上述した柱16の詳細構造について説明する。
図3には、柱16の斜視図が示されている。この図に示されるように、柱16は、断面形状が方形の鋼管柱によって構成されており、天井仕口部24、床仕口部34及び柱本体40といった三つの要素に分割されている。以下、この順に説明する。
天井仕口部24は、鋼管製の天井仕口コラム50を備えている。天井仕口コラム50の上端部には方形状の天井ベースプレート52が溶接されており、これにより天井仕口コラム50の上端部が閉止されている。天井ベースプレート52の中心部には板厚方向に貫通する所定径寸法の第1貫通孔54が形成されており、この第1貫通孔54が後述するコンクリート84(図1参照)の注入口として利用されている。また、天井ベースプレート52の第1貫通孔54の周囲には、板厚方向に貫通する複数の第2貫通孔56が形成されており、この第2貫通孔56がコンクリート注入時の空気抜き孔として利用されている。
なお、これらの第1貫通孔54は建物ユニット10を工場生産する際の基準孔として用いられ、又第2貫通孔56は、下階側の建物ユニット10の柱16と上階側の建物ユニット10の柱16とを、図示しないドッキングプレートを用いて相互に連結する際の位置決め等に利用されるものである。
また、天井ベースプレート52の内側二辺には、天井ベースプレート52に対して同一平面上に延出する天井スペーサプレート58が溶接されている。さらに、天井仕口コラム50の内側二側面には、側面視でL字状に形成された天井仕口補強金具(梁裏当て金)60が溶接されている。これらの天井スペーサプレート58及び天井仕口補強金具60を用いて、桁側天井大梁20及び妻側天井大梁22の長手方向の各端部が、天井仕口コラム50の側面に位置決めされた状態で溶接されている。
さらに、天井仕口コラム50の下端部には、平面視で略方形枠状に配置された4片の天井裏当て金62が溶接されている。各天井裏当て金62の上部62Aは天井仕口コラム50の内側面に溶接されており、又下部62Bは天井仕口コラム50の中心側へ所定角度傾斜されている。これにより、天井仕口コラム50と柱本体40との連結時に、天井仕口コラム50の下端部を柱本体40の上端部に挿し込み易くしている。
また、天井仕口コラム50の中間部付近には、方形平板状の天井ダイアフラム64が溶接されている。天井ダイアフラム64は、天井仕口補強金具60の下フランジ60Aと略同一の高さに設定されている。
床仕口部34も、天井仕口部24と同様に構成されている。天井仕口部24の説明に倣って概説すると、床仕口部34は鋼管製の床仕口コラム66を備えており、その下端部には方形状の床ベースプレート68が溶接されている。また、床ベースプレート68の内側二辺には、床ベースプレート68に対して同一平面上に延出する床スペーサプレート70が溶接されている。さらに、床仕口コラム66の内側二側面には、側面視でL字状に形成された床仕口補強金具(梁裏当て金)72が溶接されている。これらの床スペーサプレート70及び床仕口補強金具72を用いて、桁側床大梁30及び妻側床大梁32の長手方向の各端部が、床仕口コラム66の側面に位置決めされた状態で溶接されている。
さらに、床仕口コラム66の上端部には、平面視で略方形枠状に配置された4片の床裏当て金74が溶接されている。各床裏当て金74の下部74Bは床仕口コラム66の内側面に溶接されており、又上部74Aは床仕口コラム66の中心側へ所定角度傾斜されている。これにより、床仕口コラム66と柱本体40との連結時に、床仕口コラム66の下端部を柱本体40の上端部に挿し込み易くしている。また、床仕口コラム66の中間部付近には、方形平板状の床ダイアフラム76が溶接されている。床ダイアフラム76は、床仕口補強金具72の上フランジ72Aと略同一の高さに設定されている。
柱本体40は、断面形状が方形とされた鋼管によって構成されている。従って、柱本体40の内部は空洞部78とされている。柱本体40の下端部は床仕口部34の床裏当て金74の外側に挿し込まれると共に、上端部には天井仕口部24の天井裏当て金62が差し込まれるようになっている。
このようにして柱16が構成された状態では、天井仕口部24の天井裏当て金62の下部62Bと柱本体40の内壁面との間、並びに床仕口部34の床裏当て金74の上部74Bと柱本体40の内壁面との間に、断面形状が略V字状とされた溝状の隙間80がそれぞれ形成されている。
<補強柱>
ここで、図1には、補強柱82を備えた建物ユニット10を基礎42、43に据付けた状態の概略断面図が示されている。なお、図1では、図3に図示したような柱16のディテールは省略している。この図に示されるように、補強柱82の天井仕口部24及び床仕口部34には、コンクリート84が充填されてコンクリート充填部86が設けられている。コンクリート84の充填は、天井ベースプレート52の第1貫通孔54、床ベースプレート68の第1貫通孔54から行われている。なお、コンクリート充填部86は、天井仕口部24だけに設けてもよいし、床仕口部34だけに設けてもよい。
天井仕口部24にコンクリート充填部86を設けるには、天井ベースプレート52の第1貫通孔54からコンクリート84を注入する。天井仕口部24の内部には天井ダイアフラム64が溶接されているため、この天井ダイアフラム64がコンクリート充填部86の底部となる。また、コンクリート注入時には、天井ベースプレート52の第1貫通孔54の周囲に形成された第2貫通孔56から内部の空気が抜けていく。コンクリート84の充填後、養生して硬化させると、天井仕口部24にコンクリート充填部86が形成される。なお、床仕口部34にも同様にしてコンクリート充填部86が形成される。但し、床仕口部34にコンクリート充填部86を形成する際には、床仕口部34が天地を逆にした上でコンクリート84が注入される。また、コンクリート84の注入は、品質管理を徹底して製品制度を高める観点からは、工場内で、天井仕口部24、床仕口部34が単体のときに行うのが好ましいが、天井仕口部24、床仕口部34が天井フレーム12、床フレーム14に組み付けられてから行うようにしてもよい。さらに、コンクリート84の注入は、トレミー管やフレキシブルホース等を用いて行うようにしてもよいし、ポンプを使ってコンクリート84を圧入するようにしてもよい。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
まず、補強効果についてであるが、上端部(即ち、柱頭部であり、具体的には天井仕口部24)及び下端部(即ち、柱脚部であり、具体的には床仕口部34)にコンクリート充填部86が設けられた本実施形態の補強柱82を用いた場合、柱頭部(天井仕口部24)及び柱脚部(床仕口部34)の剛性が高くなる。このため、桁側天井大梁20及び妻側天井大梁22が接合される部分の剛性及び耐力が向上され、負担できる荷重を増加させることができる。従って、建物ユニット10の任意の柱16に補強柱82を適用することにより、建物ユニット10の地震荷重及び風荷重に対する耐力を向上させることができる。
ちなみに、試算した結果、柱頭部及び柱脚部のコンクリート充填部86は、コンクリート84が充填されていない鋼管柱(125×125×3.2,4.5,6.0)と比べて、軸剛性が1.5〜2.0倍高く、曲げ剛性が1.2〜1.5倍高くなった。なお、試算は、鋼管柱の板厚が3.2mmのもの、4.5mmのもの、及び6.0mmのものの合計三種類について行った。
上記に加え、本実施形態の補強柱82では、天井仕口部24及び床仕口部34のみにコンクリート充填部86を設け、柱本体40の内部にはコンクリート84を充填せずに空洞部78としたので、柱の全体にコンクリートを充填する場合に比し、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
以上を総括すると、本実施形態に係るユニット建物46は、重量及びコストの増加を抑えつつ、建物躯体を効果的に補強することができる。
なお、補強柱82の柱頭部及び柱脚部にコンクリート充填部86を形成したので、火災時に少なくとも鋼管柱である天井仕口コラム50及び床仕口コラム66の温度上昇は、コンクリートの熱容量によって抑制される。従って、耐火性能も向上される。
また、本実施形態では、コンクリート充填部86における空洞部78側の端部近傍の外周部に、傾斜面(天井裏当て金62の下部62B及び床裏当て金74の上部74A)を形成したので、地震や強風等により補強柱82が撓もうとした際に、鋼管壁面が当該傾斜面に近づくことでその際の変位を吸収することができる。換言すれば、この補強柱82には、補強柱82の撓みに対する逃げが予め形成されているので、地震や強風等により補強柱82が撓んだ際に、鋼管壁面にコンクリート充填部86の空洞部78側の端部近傍部位が局所的に強く当たることを回避することができる。その結果、本実施形態によれば、鋼管壁面にコンクリート充填部86の空洞部78側の端部近傍部位が局所的に強く当たることによる応力集中が、鋼管壁面に生じることを抑制又は防止することができる。
さらに、本実施形態では、補強柱82の天井仕口部24及び床仕口部34に予めコンクリート84を注入するための第1貫通孔54が形成されているので、ユニット建物46を改修するときに、補強しようとする柱16に第1貫通孔54からコンクリート84を注入して、補強柱82に変えることができる。このため、大規模な改修工事をしなくて済む。その結果、本実施形態によれば、建築後に需要者のニーズに合わせて低コストでユニット建物46を耐震補強することができる。
また、本実施形態では、補強柱82の天井仕口部24及び床仕口部34に予め空気抜きのための第2貫通孔56が形成されているので、第1貫通孔54からコンクリート84を充填した際に内部の空気が第2貫通孔56から抜ける。従って、現場でコンクリート注入時に空気抜き孔を開ける場合に比べて、作業時間が短くて済む。その結果、本実施形態によれば、コンクリート84の充填作業を迅速かつ円滑に行うことができる。
さらに、本実施形態では、ユニット工法との関係で観た場合に、以下の作用効果が得られる。すなわち、ユニット建物46の建物躯体は、天井フレーム12と床フレーム14とを複数の柱16で繋いだ箱型の建物ユニット10の集合体として構成されているので、本当にコンクリート充填部86が必要なところにのみ適用することができる。すなわち、建物躯体が建物ユニット10の集合体として構成されているユニット工法の場合、各建物ユニット10ごとに構造的に閉じている。このため、コンクリート充填部86による補強が必要なところの柱16のみを補強柱82とすることにより、必要箇所のみを補強することができる。従って、建物ユニット10の集合体として建物躯体が構成されたユニット建物46の剛性バランスを精度良く整えることが可能になる。
また、本実施形態の建物ユニット10では、柱16が、天井フレーム12の隅部に配置されて天井フレーム12の一部を成す天井仕口部24と、床フレーム14の隅部に配置されて床フレーム14の一部を成す床仕口部34と、天井仕口部24と床仕口部34とを繋ぐ柱本体40と、に三分割された構造になっているため、天井フレーム12の任意の天井仕口部24にコンクリート84を充填してコンクリート充填部86とすること、或いは床フレーム14の任意の床仕口部34にコンクリート84を充填してコンクリート充填部86とすることを極めて容易に実施できる。つまり、柱が分割されていない場合には、柱を立てて、その一方の端部にコンクリートを充填して硬化させ、続いて柱を反転させて他方の端部にコンクリートを充填して硬化させるといった作業手順になるが、その場合には作業時間も倍かかる。これに対し、柱16が予め三分割されている本実施形態の場合、同時進行で天井仕口柱24と床仕口柱34のコンクリート84の充填作業を行うことができる。
特に、通常、建物ユニット10は工場生産されて輸送車両で工場から建築地まで輸送されるため、コンクリート充填部86の製作を工場生産段階で実施することができる。このため、コンクリート84の配合や養生、打設(充填)等が建築地での現場作業でなされる場合に比べて、製品の品質管理を高い精度で行うことができる。このため、コンクリート充填部86による補強柱82の補強特性にバラツキが生じ難い。
総じていうと、本実施形態によれば、現場作業を増やすことなく、建物ユニット10の柱16の補強を精度良く行うことができ、ひいてはユニット建物46の剛性バランスを精度良く整えることができる。
<適用例>
以下、剛性バランスの改善という観点で図4に示される適用例について説明する。
図4(A)及び図4(B)には、インナガレージ100を備えたユニット建物102の概略正面図が示されている。図4(A)は本実施形態の補強柱82が使われていない場合の地震時の揺れの状態を二点鎖線で示しており、図4(B)は本実施形態の補強柱82が使われた場合の地震時揺れの状態を二点鎖線で示したものである。
まず、ユニット建物102の構造的な特徴について説明すると、このユニット建物102では、一階部分にインナガレージ100を設けるべく、門型ラーメンの建物ユニット104が2個積み上げられている。上側の門型の建物ユニット104の上面には、通常の箱型の建物ユニット106が3個積み上げられている。補強柱82は、図4(A)のユニット建物102には使われていないが、図4(B)のユニット建物102には上下2個の門型の建物ユニット104にそれぞれ適用されている。
図4(A)に示されるユニット建物102の場合、インナガレージ100を造るプランであるため、本来であれば最も剛性及び耐力を必要とする一階部分に門型ラーメン構造の建物ユニット104を多用することになる。このため、図4(A)に示されるユニット建物102の場合、重心Gに対して剛心P1がかなり上方(距離L1)に位置し、ユニット建物102の捩れによる変形が大きくなる。このため、インナガレージ100の床面積を制限する等の対策が必要となる。
これに対し、本実施形態に係る補強柱82が適用された図4(B)に示されるユニット建物102の場合、門型ラーメンの建物ユニット104にコンクリート充填部86が付加されたことにより建物ユニット104の剛性が高くなり、剛心P2が重心Gに近づいてくる。その結果、ユニット建物102の剛性バランスを精度良く整えられ、捩れ変形が小さくなる。よって、インナガレージ100の床面積を制限する必要がなくなり、プランニングの自由度が高くなる。
なお、門型ラーメン以外にも柱レスラーメンユニットに対しても同様のことが当てはまる。ちなみに、柱レスラーメンユニットというのは、箱型の建物ユニットの1本の柱を取り外し可能にボルト締結で仮固定しておき、仮柱が集まるように4個の建物ユニットを据付けた後に、ボルトを外して仮柱を除去すると共に該柱省略部を補強梁で補強して大空間を形成するために使用される建物ユニットのことである。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した本実施形態では、図3において、天井仕口部24内における天井ベースプレート52から天井ダイアフラム64までの範囲並びに床仕口部34内における床ベースプレート70から床ダイアフラム76までの範囲にコンクリート84を充填したが、これに限らず、図5に示される補強柱110のように、天井ダイアフラム64を省略した天井仕口部24の全体並びに床仕口部34の床ダイアフラム76を省略した床仕口部34の全体にコンクリート84を充填してもよい。
この場合、天井ベースプレート52及び床ベースプレート70には第1貫通孔54及び第2貫通孔56が形成されていないものを使えばよく、コンクリート84の注入は天井裏当て金62側から又床裏当て金74側から行えばよい。
上記構成によっても、本実施形態と同様の作用効果が得られる。また、この場合においても、天井裏当て金62と柱本体40の内壁面との間並びに床裏当て金74と柱本体40の内壁面との間には隙間80がそれぞれ形成されるので、この点についての作用効果も同様に得られる。
また、上述した本実施形態では、ユニット建物46に対して本発明を適用したが、これに限らず、ユニット建物以外の鉄骨造等の建物であっても鋼管柱を使用するものであれば、適用可能である。
さらに、上述した実施形態では、天井仕口部24の天井ベースプレート52及び床仕口部34の床ベースプレート68にコンクリート注入用の第1貫通孔54及び空気抜き用の第2貫通孔56が予め形成されていたが、必ずしもその必要はなく、閉止された状態のベースプレートを用いてもよい。この場合、建築地で必要に応じて穿孔するようにすればよい。
補強柱を備えた建物ユニットを基礎に据付けた状態の概略断面図である。 ユニット建物の構成単位となる建物ユニットの分解斜視図である。 図2に示される柱の内部構造を示す斜視図である。 本実施形態の適用例に係り、インナーガレージを備えたユニット建物の概略正面図であり、(A)は本実施形態の補強柱が使われていない場合の地震時の揺れの状態を示した概略正面図であり、(B)は本実施形態の補強柱が使われた場合の地震時揺れの状態を示した概略正面図である。 補強柱の変形例を示す縦断面図である。
符号の説明
10 建物ユニット
12 天井フレーム
14 床フレーム
16 柱
24 天井仕口部(天井仕口柱)
34 床仕口部(床仕口柱)
40 柱本体
46 ユニット建物
54 第1貫通孔(コンクリート注入口)
56 第2貫通孔(空気抜き孔)
62B 天井裏当て金の下部(傾斜面)
74A 床裏当て金の上部(傾斜面)
78 空洞部
80 隙間
82 補強柱
84 コンクリート
86 コンクリート充填部
102 ユニット建物
104 建物ユニット
106 建物ユニット
110 補強柱

Claims (5)

  1. 複数箇所に立設された複数の柱と、相対する柱の上端部同士及び下端部同士を繋ぐ複数の梁と、を含んで構成された建物躯体と、
    少なくとも一箇所に立設されると共に鋼管製とされ、上端部及び下端部の少なくとも一方にコンクリートを充填することにより形成されたコンクリート充填部と、当該上端部及び下端部間の中間部に形成された空洞部と、を備えた補強柱と、
    を有する建物。
  2. 前記コンクリート充填部における前記空洞部側の端部又は端部近傍の外周部には、鋼管壁面との間に隙間を形成するための傾斜面が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の建物。
  3. 前記補強柱における前記コンクリート充填部となる空間に臨む位置には、コンクリート注入口が予め形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建物。
  4. 前記補強柱における前記コンクリート充填部となる空間に臨む位置には、コンクリートを充填した際の空気抜き孔が予め形成されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の建物。
  5. 前記建物躯体は、天井フレームと床フレームとを複数の柱で繋いだ建物ユニットの集合体として構成されており、
    当該柱は、天井フレームの隅部に配置されて天井フレームの一部を成す天井仕口柱と、床フレームの隅部に配置されて床フレームの一部を成す床仕口柱と、天井仕口柱と床仕口柱とを繋ぐ柱本体と、に三分割されており、
    前記補強柱は、前記天井仕口柱及び床仕口柱の少なくとも一方にコンクリートを充填して前記コンクリート充填部とすることにより形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の建物。
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