JP2010138163A - ハイドロキシアパタイト微粒子の組成物及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚を介する活性作用物質の投与(すなわち経皮的ドラッグデリバリー)をより効率的に行い、かつ、治療効果を高めること。
【解決手段】
ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、前記乾燥チャンバ内でハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を形成するステップと;
ハイドロキシアパタイト微粒子を含む前記飛沫を乾燥して、10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子を生成させるステップと;を備えた、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚を介して活性作用物質を局所送達するための局所組成物に、上記活性作用物質とともにハイドロキシアパタイトを用い、このハイドロキシアパタイトにより上記活性作用物質の輸送をより促進させる局所組成物及びその製造方法に関する。
皮膚を介する活性作用物質の投与(すなわち経皮的ドラッグデリバリー)は、皮膚が天然の障壁として作用することで複雑になる。構造上、皮膚は2つの主要な部分、比較的薄い最外層(すなわち表皮)とより厚い内部の領域(すなわち真皮)、からなる。表皮の最外層は、角質層と呼ばれ、ケラチンが詰まった平らな死細胞からなっている(すなわち角化した皮膚の表面)。角質層の平らな死細胞の間にある領域には脂質が詰まっており、これが皮膚の天然の障壁としての性質をもたらしている。皮膚の表面に局所塗布した活性作用物質を経皮的に有効に送達させるには、活性作用物質がまず角質層及び表皮を拡散通過し、次いで皮膚の循環系に拡散しなければならない。
皮膚の層を通って運ばれることに伴う経皮送達のいくつかの問題を解決するため、活性作用物質に1つ以上の吸収促進物質を配合することができる。セラミックのハイドロキシアパタイトが、皮膚の障壁を越えて活性作用物質の輸送を促進するため使用されている(例えば米国特許第6,096,324号、第6,099,849号、第6,120,782号、及び第6,579,516号、米国公開公報第2001/0006680号、第2003/0077235号、及び第2006/0193879号参照)。
米国特許第6,096,324号 米国特許第6,099,849号 米国特許第6,120,782号 米国特許第6,579,516号 米国公開公報第2001/0006680号 米国公開公報第2003/0077235号 米国公開公報第2006/0193879号
本発明に係る局所組成物及びその製造方法は、上述の皮膚の層を通って運ばれることに伴う経皮送達の諸問題を解決するためなされたものであり、皮膚を介する活性作用物質の投与(すなわち経皮的ドラッグデリバリー)をより効率的に行い、かつ、治療効果を高めることを目的とする。
本発明に係るハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法によれば、ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、前記乾燥チャンバ内でハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を形成するステップと;ハイドロキシアパタイト微粒子を含む前記飛沫を乾燥して、10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子を生成させるステップと;を備えたことを特徴とする。
前記ハイドロキシアパタイト微粒子が4μm以下の平均粒子径を有すると好ましい。
前記ハイドロキシアパタイト微粒子の50体積%以上が、4μm以下の平均粒子径を有すると好ましい。
前記懸濁液を調製するステップをさらに備えると好ましい。
前記調製するステップが、ハイドロキシアパタイト沈殿形成条件下でリン酸塩前駆体とカルシウム前駆体とを混合してハイドロキシアパタイトの沈殿物を生成させるステップと;前記ハイドロキシアパタイトの沈殿物を液体に懸濁して前記ハイドロキシアパタイトの懸濁液を調製するステップを備えると好ましい。
前記リン酸塩前駆体がH3PO4であり、前記カルシウム前駆体がCa(OH)2であると好ましい。
前記ハイドロキシアパタイト微粒子が球形であると好ましい。
前記微粒子が生物分解性であると好ましい。
前記組成物が活性作用物質をさらに含み、前記ハイドロキシアパタイト微粒子を前記活性作用物質に接触させるステップをさらに備えると好ましい。
本発明に係るハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法によれば、皮膚を介する活性作用物質の投与(経皮的ドラッグデリバリー)をより効率的に行い、かつ、治療効果を高めることができる。
微粒子として噴射される液体を示すスプレーノズルの断面図である。
本方法及び本組成物を説明するにあたり、特に断らないかぎり、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書において、用語「懸濁液」は、液体中に不溶物が存在してもよい任意の液体の混合物を意味する。
本明細書において、用語「噴霧乾燥」は、溶液又は懸濁液をスプレーノズルより分散させるとともにその液体を乾燥するプロセスを意味する。市販の噴霧乾燥機が当業者に知られており、例えば、藤崎電機株式会社(日本、徳島県、阿南市)製のマイクロミストドライヤMDL−050Cがある。
本明細書において、用語「並流」は、スプレーノズルからの飛沫とほぼ同じ方向のガスの流れを意味する。本明細書において、用語「向流」は、スプレーノズルからの飛沫とほぼ反対の方向のガスの流れを意味する。
本明細書において、用語「カルシウム前駆体」は、それからリン酸カルシウム製品、例えばハイドロキシアパタイトを作ることができる任意のカルシウム含有化合物を意味する。無機カルシウム化合物の具体例には、硝酸カルシウム(Ca(NO32)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)などがあるが、これらに限定されない。有機カルシウム前駆体の具体例には、カルシウムジエトキシド((CH3CH2O)2Ca)、酢酸カルシウム((CH3COO)2Ca)などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「リン酸塩前駆体」は、それからリン酸カルシウム化合物、例えばハイドロキシアパタイトを作ることができる任意のリン含有化合物を含む。リン酸塩前駆体の具体例には、リン酸(H3PO4)、リン酸水素二アンモニウム((NH42HPO4)、リン酸トリエチル((CH3CH2O)3PO)、ジクロロ亜リン酸フェニル(C65OPCl2)、ホスホノ酢酸((HO)2P(O)CH2COOH)、亜リン酸トリエチル((CH3CH2O)3P)などがあるが、これらに限定されない。
本発明の態様には、リン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む組成物の製造方法が含まれる。ある実施形態において、方法は、まずリン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、乾燥チャンバ内でリン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む飛沫を生成させることを含む。次いで、得られるリン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む飛沫を乾燥して、リン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を生成させる。ここでリン酸カルシウムの微粒子は10μm以下の平均粒子径を有する。さらに、本方法により製造されたリン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む組成物が提供される。
以下に本発明をより詳細に説明するが、本発明は説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、すなわち種々のものとすることができることを理解すべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に基づいてのみ限定されるため、本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、限定を意図するものでないことを理解すべきである。
ある範囲の値を規定する場合、その範囲の上限及び下限とその記載された範囲にある任意の別の記載された又は間にある値との間において、その文脈が明らかに別のことを示していない限り、下限の単位の10分の1でそれぞれ間にある値が本発明に包含されると理解されたい。記載された範囲内においてある特定の値が排除された場合、それによって小さくなった範囲の上限と下限は、それぞれ別々にその小さな範囲に包含させることができ、本発明に包含される。記載された範囲がその境界値の一方又は両方を含む場合、含められる境界値のいずれか又は両方を排除した範囲も本発明に含まれる。
異なる規定をしない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明の属する当業者が通常に理解するものと同じ意味を有する。典型的で例示的な方法及び材料を以下に記載するが、本明細書において記載されたものと類似の又は等価な任意の方法及び材料を用いても本発明を実施しあるいは試験することが可能である。
本明細書及び特許請求の範囲で使用する単数形(「a(ある)」、「an(1つの)」、及び「the(その)」)は、文脈が明らかに別のことを示していない限り、対象とするものが複数であることも包含することに留意されたい。また、特許請求の範囲は、ある任意の要素を排除するよう規定する場合もあることに留意されたい。したがって、これにより、特許請求の範囲の構成要素の記載に関して「solely(単独で)」、「only(のみ)」などのような限定的な表現を使用する可能性、あるいは、「negative(除く)」規定を使用する可能性を予め示しておくこととする。
本開示から当業者に明らかなとおり、本明細書に記載し例示する実施形態のそれぞれは、別々の構成要素及び態様を有するが、それらは、本発明の範囲又は精神を逸脱することなく、別のいくつかの実施形態のいずれの態様からも容易に分離することができ、あるいは、別のいくつかの実施形態のいずれの態様とも容易に組み合わせることができる。記載されるいずれの方法も、記載事項の順に実施することができ、あるいは、論理的に可能な任意の別の順序で実施することもできる。
本明細書で引用されるすべての刊行物及び特許は、各それぞれの刊行物及び特許が参照により組み込まれ具体的及び個々に示されるように、参照により本明細書に組み込まれ、引用された刊行物に関する方法及び/又は材料を開示かつ記載するため、参照により本明細書に組み込まれる。いずれの刊行物の引用も出願日より前の開示を対象とするものであるが、先行する発明ということをもって本発明がそのような刊行物よりも先行する権利を有しないことを認めるものと解釈すべきではない。また、刊行物の日付が実際の刊行日と異なる可能性もあり、そのことは別に確認する必要がある可能性がある。
本発明をさらに説明するにあたり、本発明の方法の実施形態をまずより詳細に説明し、本発明の方法の実施形態によって製造することができる種々の組成物について言及するとともに、本組成物及び本方法が使用される種々の典型的な用途について説明する。
リン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む組成物の製造方法が提供される。この方法によれば、リン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、乾燥チャンバ内でリン酸カルシウム、例えばハイドロキシアパタイトの微粒子を含む飛沫を生成させることができる。さらに、上記方法によれば、微粒子を含む飛沫を乾燥して、リン酸カルシウムの微粒子を生成させることができる。なお、この方法において、微粒子は約10μm以下の平均粒子径を有するものとする。
リン酸カルシウム(例えばハイドロキシアパタイト結晶)の懸濁液は、種々の方法によって調製することができ、そのような方法には、例えば化学沈殿、生体模倣沈着、化学沈着、ゾル−ゲル法及び電着法など、があるがこれらに限定されない。上述したとおり、本発明の実施形態は、リン酸カルシウム微粒子を製造する方法に関するものである。対象となるリン酸カルシウムにはハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、(例えばα−リン酸三カルシウム及びβ−リン酸三カルシウム)、フロロアパタイト、カルボベータアパタイト、金属(Zn、Cu、Ti、Mg、Niなど)で置換したアパタイトなどがあるが、これらに限定されない。なお、説明を容易にするため、ハイドロキシアパタイト微粒子が対象となる実施形態に基づいて本発明をさらに説明していくこととする。しかし、本発明は、以下に述べる微粒子のハイドロキシアパタイトによる実施形態に限定されるものではなく、他のリン酸カルシウムを包含するものである。
ハイドロキシアパタイトの沈殿を生成させるハイドロキシアパタイト形成条件下においてカルシウム前駆体とリン酸塩前駆体を混合することにより、ハイドロキシアパタイトのナノ結晶の懸濁液を調製する実施形態がある。この実施形態では、ハイドロキシアパタイトの沈殿物を液体に懸濁してハイドロキシアパタイトの懸濁液を調製することができる。
カルシウム前駆体は水酸化カルシウムであり、リン酸塩前駆体はリン酸である。この実施形態において、水酸化カルシウムとリン酸を混合することにより、以下の式(I)にしたがってハイドロキシアパタイトナノ結晶沈殿物の懸濁液を作ることができる他の実施形態がある。
10Ca(OH)2+6H3PO4→Ca10(PO46(OH)2+18H2O(I)
適当な反応条件は、ハイドロキシアパタイトの所望の性質によって変わってくる。反応混合物のpHは、13〜5.5の範囲内、例えば12.4〜6.8の範囲内、さらには10.8〜7.2の範囲内にある。ある場合、反応混合物の温度は、10℃〜80℃の範囲内、例えば20℃〜60℃の範囲内、さらには25℃〜50℃の範囲内にある。ハイドロキシアパタイト結晶の懸濁液は、所定の期間、例えば24時間以上、例えば72時間以上、さらには144時間以上、ねかされる場合がある。この「ねかされる」とは、反応混合物の撹拌やかきまぜを行ってあるいは行わずに、ある期間、結晶成長を起こさせることを意味する。ある実施形態において上記反応により生成されるハイドロキシアパタイトは、針状結晶である。
ハイドロキシアパタイト結晶が、ハイドロキシアパタイトの懸濁液を作るため再懸濁される場合がある。ハイドロキシアパタイトの再懸濁は、種々の方法によって達成することができ、そのような方法には、混合、撹拌、振とう、振動、その他の撹拌法などがあるが、これらに限定されない。そして、ハイドロキシアパタイト懸濁液における液体:固体の比は、1000:1(v/v)〜1000:300(v/v)、例えば100:1(v/v)〜100:20(v/v)、さらには100:2(v/v)〜100:10(v/v)の範囲内である。本発明の実施形態によれば、ハイドロキシアパタイト懸濁液の粘度は、0.1cP〜300cP、例えば1cP〜200cP、さらには5cP〜100cPの範囲内であり、この粘度は、回転粘度計(試料中に浸漬された円筒回転子の回転トルクを測定することで粘度を測定する)を用いて、JIS K 7117(液中樹脂の回転粘度計による粘度測定法)又はASTM D 2196−86(回転(ブルックフィールド)粘度計による非ニュートン材料のレオロジー特性測定法)に記載される温度25℃での粘度測定法にしたがって測定される。
得られたハイドロキシアパタイト懸濁液が、ハイドロキシアパタイト微粒子が得られるよう噴霧乾燥される実施形態がある。この噴霧乾燥では、液体を乾燥チャンバに噴霧し、そして、噴霧された液体を乾燥させる。また、液体を所定の装置によって噴霧することもできる。そのような装置には、多流路ガス噴霧式スプレーノズル、回転式アトマイザー、一流体スプレーノズル、多流体スプレーノズル、超音波アトマイザーなどがあるが、これらに限定されない。上述のハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法では、多流路ガス噴霧式スプレーノズルからハイドロキシアパタイト懸濁液を噴霧することもできる。この実施形態では、ハイドロキシアパタイト懸濁液をスプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧することにより、乾燥チャンバにおいて、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を形成する。
スプレーノズルは、10μm以下、例えば6μm以下、さらには4μm以下の平均粒子径を有する粒子の飛沫を生成させる態様である。本噴霧乾燥法により形成されるハイドロキシアパタイト微粒子は、10μm以下、例えば6μm以下、さらには4μm以下の平均粒子径を有する。ある場合、本噴霧乾燥法により形成されるハイドロキシアパタイト微粒子は、4μm以下の平均粒子径を有する。ある場合、4μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子の割合は、50体積%以上、例えば70体積%以上、さらには90体積%以上である。
また、本発明に係る方法は、所定の特性を有するハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物を生成させる。例えば、この方法は、球形のハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物を生成させることができ、又は、生物分解性のハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物を生成させることができる。そして、この方法は、以下により詳しく説明するとおり、例えば多孔率、表面積、粒子強度(すなわち粒子柔軟性)、及び密度などの性質のハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物を生成することができる。
上述のように、スプレーノズルを多流路ガス噴霧式スプレーノズルとすることができるが、この型のスプレーノズルは、米国特許第5,845,846号に記載され、開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。この多流路ガス噴霧式スプレーノズルは、2つ以上の流路、例えば4つ以上の流路、さらには8つ以上の流路を有する。このような実施形態においては、1つ以上の流路は、1つ以上のガス噴射口から加圧ガスを噴射するように設計される。ガスは、任意の望ましいガスとすることができ、例えば空気、窒素、アルゴン、又はガスの組み合わせ等とすることができるが、これらに限定されない。さらに、1つ以上の流路は、スプレーノズルから液体を放出するよう設計される。本明細書において、用語「液体」は、固体成分を含む流体であり、例えば懸濁液、スラリーなどである。ある実施形態において、多流路ガス噴霧式スプレーノズルは4つの流路を有する。そのような実施形態において、スプレーノズルは2つの液体用流路と2つのガス用流路を有する。
懸濁液は、10mL/分〜2000mL/分、例えば83mL/分〜833mL/分、さらには166mL/分〜500mL/分の範囲内にある流量でスプレーノズルに圧送される。例えば、スプレーノズルの1つ以上の液体用流路は、各液体用流路が同じ液体を運ぶように構成され、又は、異なる液体用流路が、それぞれ異なる液体を運べるよう構成される。この形態において、1種の液体、又は2、3、4、もしくは5種以上の異なる液体を、スプレーノズルに供給し、スプレーノズルから同時に噴射することができる。また、スプレーノズルは、2種以上の液体を混合しながら微粒子としてそれをスプレーノズルから噴射するよう、設計される。
加圧ガスを高速でスプレーノズルから噴射し、スプレーノズルからの微粒子による飛沫の放出を促進させている。このスプレーノズルのガス噴射口に供給される加圧ガスは、0.1MPa〜1.0MPa、例えば0.3MPa〜0.8MPa、さらには0.6MPa〜0.75MPaの範囲内にある圧力を有し、また40℃〜250℃、例えば60℃〜200℃、さらには80℃〜150℃の範囲内の温度を有することができる。また、加圧ガスは、6L/分〜8000L/分、例えば400L/分〜4000L/分、さらには1000L/分〜2000L/分の範囲内の流量でスプレーノズルを通過させてもよい。多流路ガス噴霧式スプレーノズルにおけるガス:液体の比は、100:1(v/v)〜100,000:1(v/v)、例えば1000:1(v/v)〜25,000:1(v/v)、さらには1000:1(v/v)〜10,000:1(v/v)の範囲内である。
スプレーノズルからの高速流のガスは、液体及び/又は固体の粒子がスプレーノズル表面に蓄積しないよう、かつ、スプレーノズルからのガス及び/又は液体の流れを妨げないよう、スプレーノズルの自己浄化作用を促進させてもよい。これにより、スプレーノズルの掃除が不要になるので、50kg/日以上、例えば100kg/日以上、さらには150kg/以上の製品を生産できるスプレーノズルの設計が可能となり、さらには、スプレーノズルの掃除を行わずに、100kg/日以上の製品を2週間以上、例えば4週間以上、さらには6週間以上生産できるスプレーノズルの設計が可能となる。
スプレーノズルは、特定の噴霧パターン、例えば限定されることなく、完全な円錐形、中空の円錐形、水平に径方向に外に向けられた噴霧パターンなどを有するよう設計される。例えば、ハイドロキシアパタイト懸濁液は、中空円錐の噴霧パターンでスプレーノズルから噴霧され、それにより、続いて行われるハイドロキシアパタイト微粒子の乾燥を促進することができる。
実施形態によっては、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法は、ハイドロキシアパタイト微粒子の飛沫を乾燥してハイドロキシアパタイト微粒子を生成させることを含むものがある。そして、スプレーノズルは、乾燥を促進するため、ハイドロキシアパタイト微粒子を乾燥チャンバに噴霧する。一方、乾燥チャンバも、ハイドロキシアパタイト微粒子の乾燥を促進するため、加熱することができる。実施形態によって、乾燥チャンバの温度は、約50℃〜約250℃、例えば約100℃〜約200℃、さらには約125℃〜約175℃の範囲内に設定している。
乾燥チャンバは縦型として、その高さは、その幅又は直径よりも大きくしてもよい。このような実施形態においては、1つ以上のスプレーノズルを、乾燥チャンバに乾燥すべき液体を噴霧するため、乾燥チャンバの頂部に配置することができる。さらに、1つ以上のガス導入口を、乾燥チャンバの頂部、底部、及び/又は側部に配置して、乾燥チャンバに乾燥用ガスを流入させることができる。乾燥チャンバの形態及び寸法は、値、例えば、乾燥チャンバの温度、飛沫の流速、粒子径、粒子の乾燥時間、及び乾燥用ガスの流量に依存し得る。これらの値は、当業者によって容易に測定することができる。
また、他の実施形態として、乾燥チャンバに乾燥用ガスを供給し、さらに、この乾燥用ガスを加熱した状態で供給してもよい。このような場合、乾燥用ガスの温度は、40℃〜250℃、例えば100℃〜200℃、さらには125℃〜175℃の範囲内に設定すると好ましい。乾燥用ガスは、任意の望ましいガスとすることができ、例えば限定されることなく、空気、窒素、アルゴン、又はガスの組み合わせ等とすることができる。また、乾燥用ガスを乾燥チャンバを通過して流れるように供給することもできるが、この場合、この乾燥用ガスの流量は、約500L/分〜約40000L/分、例えば4000L/分〜20000L/分、さらには8000L/分〜12000L/分の範囲内に設定することができる。さらに、乾燥用ガスは、並流で供給される(すなわち、乾燥チャンバを通過して流れる乾燥用ガスは、スプレーノズルからの飛沫とほぼ同じ方向である)。この場合、並流の乾燥用ガスは、乾燥チャンバを通る粒子の運動を促進し、その結果、乾燥チャンバ内における粒子の滞留時間は短くなる。一方、乾燥用ガスは、向流で、すなわち、乾燥チャンバを通過して流れる乾燥用ガスをスプレーノズルからの飛沫とほぼ反対の方向に、供給してもよい。この場合、向流の乾燥用ガスは、乾燥チャンバ内における粒子の滞留時間を長くすることができる。
得られた噴霧乾燥されたハイドロキシアパタイト粒子は、流れているガス流から分離することができ、集めて、噴霧乾燥された微粒として使用することができる。したがって、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法は、ハイドロキシアパタイト微粒子を捕集することをさらに含む実施形態がある。なお、ハイドロキシアパタイト微粒子は、サイクロン分離器、フィルター、粒子捕集器などを用いて捕集することができる。
本発明に係る方法によって製造される組成物は、1つ以上の活性作用物質をさらに含んでもよい。したがって、本方法は、ハイドロキシアパタイト微粒子を少なくとも1種の活性作用物質と接触させる工程をさらに含むことができる。なお、ハイドロキシアパタイト微粒子と活性作用物質と接触は、経時的に限定されるものではなく、例えば、全工程の後半以降にこの工程を置いてもよい。また他の実施形態としては、この接触において、ハイドロキシアパタイト微粒子を乾燥チャンバに噴霧するとほぼ同時に活性作用物質を乾燥チャンバに噴霧することもできる。この場合、活性作用物質は、1つ以上の第2のスプレーノズルを介して乾燥チャンバに噴霧することができる。あるいは、接触は、ハイドロキシアパタイト微粒子の乾燥チャンバへの噴霧に使用されるのと同じ多流路ガス噴霧式スプレーノズルから活性作用物質を乾燥チャンバに噴霧することを備える。このような実施形態においては、スプレーノズルの1つ以上の液体用流路は、活性作用物質を乾燥チャンバに噴霧するのに使用することができ、またスプレーノズルの1つ以上の液体用流路は、ハイドロキシアパタイトを乾燥チャンバに噴霧するのに使用することができる。活性作用物質とハイドロキシアパタイトが乾燥チャンバに噴霧されると、粒子が乾燥チャンバを通過する間、活性作用物質はハイドロキシアパタイト微粒子と接触し、ハイドロキシアパタイトに付着するようになり、その結果、活性作用物質とハイドロキシアパタイト微粒子との複合体が形成される。
実施形態によっては、活性作用物質をハイドロキシアパタイト粒子に付着させるため、予め混合する工程あるいは予め付着させる工程を必要としないものもある。このような実施形態では、活性作用物質とハイドロキシアパタイトをほぼ同時に乾燥チャンバに噴霧することにより、活性作用物質をハイドロキシアパタイト粒子に接触させることができ、乾燥工程を通じて、活性作用物質をハイドロキシアパタイト粒子に付着させることができる。本発明に係る実施形態によれば、不溶性の活性作用物質あるいはハイドロキシアパタイトに対して結合能がない活性作用物質などの活性作用物質をハイドロキシアパタイト粒子に付着させることができる。一方、さらなる結合手段、限定されることなく例えば、化学結合、イオン結合、水素結合、化学親和性、免疫親和性、あるいは、細孔への封入などの他の結合相互作用を利用して、ハイドロキシアパタイト粒子への活性作用物質の付着を促進することができる。
上記方法によって製造されるハイドロキシアパタイト組成物がさらに提供される。本方法によって製造される組成物は、ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧することを備える方法によって製造されたハイドロキシアパタイト微粒子を含むことができる。方法は、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を乾燥して、10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子を生成させることをさらに備える。
ハイドロキシアパタイト微粒子は、セラミックのハイドロキシアパタイトとすることができる。セラミックのハイドロキシアパタイト(Ca10(PO46(OH)2)は、化学的に純粋なリン酸カルシウムであり、実施形態によっては、このハイドロキシアパタイトは、所定の直径を有する球体として生成される。このように、ハイドロキシアパタイト微粒子は球形とすることもできる。さらに、本噴霧法により形成されるハイドロキシアパタイト微粒子は、10μm以下、例えば6μm以下、さらには4μm以下の平均粒子径を有する。そして、4μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子の割合は、50体積%以上、例えば70体積%以上、さらには90体積%以上である。
さらに、本方法により製造されるハイドロキシアパタイト微粒子は多孔質である。より具体的には、ハイドロキシアパタイト微粒子をマクロ多孔質とすることができ、このことは、ハイドロキシアパタイト微粒子が30%以上の多孔率、例えば40%以上の多孔率、さらには50%以上の多孔率を有することを意味し、ここで、多孔率は、30%〜85%、例えば40%〜60%、さらには45%〜55%の範囲内とすることができる。なお、多孔率はASTM D 4284−88(水銀圧入ポロシメトリーによって触媒の細孔径分布を測定するための標準的試験法)に記載された水銀圧入ポロシメーターによる多孔率測定法を用いて測定することができる。また、多孔率は「細孔容積(ml/g)」によっても表わされ、0.1ml/g〜0.8ml/gの範囲内である。ある場合、ハイドロキシアパタイト粒子は、その内部表面積が10m2/g〜150m2/g、例えば20m2/g〜100m2/g、さらには30m2/g〜80m2/gの範囲内となるような多孔率を有する。ここで内部表面積は、ASTM D3663−03(触媒及び触媒担体の表面積の標準試験法)に記載されたBETガス吸着表面積測定法を用いて測定される。さらに、ハイドロキシアパタイト微粒子は、0.2g/cm3〜0.5g/cm3、例えば0.25g/cm3〜0.45g/cm3、さらには0.3g/cm3〜0.4g/cm3の範囲内のタップ密度を有することができる。タップ密度は、規格ASTM WK13023(定容量測定法による金属粉末のタップ密度の新たな測定)によって測定することができる。
ハイドロキシアパタイト粒子が多孔質でありかつ表面積の特性を有することで、ハイドロキシアパタイト粒子は、所定の成分、例えば限定されないが活性作用物質を吸収し、輸送し、さらにその後放出することができる。また、ハイドロキシアパタイト微粒子は、液相材料に対して効率のよい吸収拡散剤として作用することができる。保持及び吸収を高めるセラミックハイドロキシアパタイトの特性は、その多孔性及びその種々の物質に対する親和性によって高めることができる。例えば、セラミックハイドロキシアパタイトは、水、荷電分子、脂質、蛋白質、核酸などと結合する能力を有する。多孔質のハイドロキシアパタイト微粒子は、比較的多量の液相材料と結合し、液相の結合した材料をゆっくり放出することを可能にする。
平均4.2μmのハイドロキシアパタイト微粒子は、10MPa〜200MPa、例えば20MPa〜180MPa、さらには40MPa〜100MPaの範囲内の粒子強度を有する。ここで粒子強度は、島津MCT−W500を使用して測定され、また欧州特許EP1840661号に記載されるような島津MCT−500微小圧縮試験機による温度400℃での粒子強度測定法を使用して測定される。ハイドロキシアパタイト微粒子を含む本組成物は、生物分解性である。これは、生理条件下において経時的に粒子があるように分解する(例えば溶解する)ことを意味する。
本方法により製造された組成物は、1種以上の活性作用物質をさらに含むことができる。したがって、組成物は、ハイドロキシアパタイト微粒子を少なくとも1種の活性作用物質と接触させることにより製造することができる。上述したように、接触させることは、ハイドロキシアパタイト微粒子を乾燥チャンバに噴霧するとほぼ同時に活性作用物質を乾燥チャンバに噴霧することと、活性作用物質がハイドロキシアパタイト粒子に付着するように活性作用物質とハイドロキシアパタイトの飛沫を乾燥して、活性作用物質とハイドロキシアパタイト微粒子の複合体を形成することとを含む。組成物中の活性作用物質の量は、存在する量が活性作用物質の所望の量を送達するのに十分なものである限り、種々の量とすることができる。ある実施形態では、ハイドロキシアパタイト粒子が多孔質でありかつ表面積の特性を有することにより、ハイドロキシアパタイト粒子は高い結合能を有することができ、それは、より多くの活性作用物質の経皮送達を容易にする。例えば、ハイドロキシアパタイト組成物中に存在する活性作用物質の量は、ハイドロキシアパタイト組成物の0.0001重量%〜50重量%、例えば0.1重量%〜10重量%、さらには1重量%〜5重量%の範囲内である。
本組成物の活性作用物質は、種々の活性作用物質の任意のものとすることができる。重要な活性作用物質には荷電分子、例えば、荷電した有機小分子、脂質、蛋白質、及び核酸がある。しかし、目的とする分子は、その極性や溶解性によって限定されるものではない。特定の溶媒又は乳化剤の組み合わせによる吸収及び封入もハイドロキシアパタイトに対して可能であるからであるため、疎水性である小さな分子及び大きな分子を含む非極性分子や非荷電分子も重要である。
本組成物は、種々の用途に用いることができ、その中で、ある用途において本組成物は、皮膚を介して活性作用物質を局所送達するための局所組成物に使用することができる。ある実施形態では、ハイドロキシアパタイト微粒子を、皮膚の外表面に塗布する局所用組成物に使用することができる。したがって、局所用組成物は、(i)活性作用物質、及び(ii)ハイドロキシアパタイト微粒子、例えば上述したものを含むことができ、ここで、これらの成分は、対象の局所領域又は局所表面、例えば上述したような角化した皮膚の表面に塗布するため調製された賦形剤中に存在する。局所領域は、ある実施形態において、角化した皮膚の領域である。角化した皮膚の領域は、種々の場所、例えば四肢、腕、脚、胴、胸、背、腹部、頭部、首などに存在し得る。局所用組成物が塗布される局所領域の面積は様々であり得、ある実施形態では、0.01cm2〜1000cm2、例えば1cm2〜100cm2、さらには5cm2〜50cm2の範囲内である。
塗布の後、局所用組成物は、治療上有効な量の活性作用物質が対象に送達されるのに十分な期間、塗布部位に保持される。期間は様々であり得るが、ある実施形態においては、10分〜21日間、例えば1時間〜7日間、さらには1日〜3日間の範囲内である。
活性作用物質及びハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物は、局所塗布に都合のよいように局所用製剤に調製することができる。したがって、本組成物は、上記成分の安定な溶液又は懸濁剤として調製することができる。一方、当該技術分野において知られるとおり、成分を1つ以上の担体材料と混合して、溶液、懸濁剤、ゲル剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾールスプレーなどを調製することができる。
本局所用製剤は、様々な異なる種の動物に使用することができ、ここで、動物は典型的に「哺乳動物」又は「哺乳類」である。これらの用語は、哺乳綱(肉食動物(例えばイヌ及びネコ)、げっ歯目(例えばマウス、モルモット及びラット)、ウサギ目(例えばウサギ)、及び霊長類(例えばヒト、チンパンジー、及びサル)の種類を含む)に属する生物を広く指すため使用される。ある実施形態において、対象はヒトである。
本局所用製剤は、対象に活性作用物質を送達することを目的とする用途に使用することができる。ある実施形態において、本局所用製剤は、病気の症状、例えば活性作用物質の投与に感受性がある病気の症状を治療するのに用いられる。「治療」は、対象がかかっている病気に伴う症状の少なくとも改善が得られることを意味し、ここで改善という用語は、治療している病気に伴うある要素、例えば症状の程度が少なくとも低下すること指すよう広い意味で用いられる。したがって、治療は、病的状態又は少なくともそれに伴う症状が、完全に阻害される場合、例えば、病的状態が起こるのを防止するか又は病的状態を停止、例えば終結させて、その病気又は少なくともそれを特徴付ける症状を対象がもはや患わなくなる場合も包含する。ある実施形態では、病的状態の存在について対象を診断することができ、病的状態を患うことが分かった対象に局所用製剤が与えられる。
本方法の実施に使用する装置がさらに提供される。本装置の一態様において、本装置は、少なくとも多流路ガス噴霧式スプレーノズル及び乾燥チャンバを有する。本装置の実施形態の一態様において、ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液が多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧され、それにより乾燥チャンバにおいてハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫が形成される。さらに、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫は、乾燥チャンバ内で乾燥され、約10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子が生成される。
本装置の典型的な一実施形態を図1に示す。図1は、本装置のスプレーノズルの実施形態を示す断面図であり、ガス流路60ならびに液体流路70及び80の断面は円筒形である。
より具体的には、図1はスプレーノズルから微粒子として噴霧されている液体を示している。ガス流路60からスプレーノズルにガスが供給される。液体流路70及び80からスプレーノズルに液体が供給される。なお、液体流路70及び80には、同じ液体を供給してもよいし、異なる液体を供給してもよい。例えば、液体流路70には液体Aを供給し、液体流路80には液体B供給すること、又は、液体Aと液体Bとに同じ液体を供給してもよい。
液体は、複数のスリットから液流表面40に流れる。液体は、薄膜形成領域10における液流表面40上で薄く薄膜に広げられる。液流表面40を通過する液体の流れは、ガス流路60からのガスの流れによって促進される。液体の薄膜は、液流表面40を流れて通過し、先端50から離れる液滴形成領域において液滴となり、微粒子形成領域30においてさらに微粒子に分割される。液滴形成領域は、液体収束点20であり、また微粒子形成領域は、ガス収束点30である。
液体Aと液体Bが液流表面40を流れて通過するとき、薄膜形成領域10において液体Aと液体Bの混合が生じてもよい。さらに、液体Aと液体Bがスプレーノズルから噴射され液体収束点20及び微粒子形成領域30に達するとき、液体Aと液体Bの混合が生じてもよい。そして、液流表面40を通過する液体薄膜の流れは、上述したように、液体及び/又は固体の粒子がスプレーノズルの表面に蓄積しないよう、かつ、スプレーノズルからのガス及び/又は液体の流れを妨害しないよう、スプレーノズルの自己浄化作用効果を助長する。
上述した本組成物及び本方法の実施に使用することができるキットがさらに提供される。例えば、キットは、1つ以上の医薬製剤、例えば局所用製剤を含み、医薬製剤は、本方法により製造されたハイドロキシアパタイト微粒子及び活性作用物質を含む組成物を含むものである。
上記成分に加えて、本キットは、局所用製剤を使用するための説明書をさらに含むことができる。この説明書は、本キットにおいて種々の形態で存在することができ、その1つ以上をキット中に存在させることができる。そのような説明書の一形態は、適当な媒体又は基材上に情報を印刷したもの、例えば情報を印刷した1つ又は複数の紙片として、キットの包装、包装挿入物などに存在させることができる。もう1つの手段は、情報が記録又は保存された、コンピュータが読み取り可能な媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD、コンピュータが読み取り可能なメモリーなどである。存在し得るさらにもう1つの手段は、離れた場所の情報をインターネットにより入手するため利用できるウェブサイトアドレスである。任意の便利な手段をキットに存在させることができる。
以上明確な理解のために例証及び例示として本発明を詳細に説明してきたが、本発明の教示から当業者に明らかなとおり、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲を逸脱することなく、それらに変更や修飾を行うことが可能である。
したがって、以上は本発明の原理を単に例証したものである。当業者は、本明細書にはっきり記載又は示していないとしても、本発明の原理を具現しその精神及び範囲に含まれる様々な形態を創出することが可能であることが理解される。また、本明細書に記載されるすべての具体例や暫定的な言い回しは、もっぱら本発明の原理及び当該技術分野の進歩に寄与する本発明者らの技術思想が読者によって理解されるのを助けるためのものであり、そのように具体的に記載した例及び条件に限定されるものではないと解釈すべきである。また、本明細書において、本発明の原理、態様、及び実施形態を記載するすべての表現、ならびにその具体例は、その構成及び機能の両方の均等物を包含することを意図している。さらに、そのような均等物が、現在知られている均等物と、将来創出される均等物、すなわち構成のいかんにかかわらず同じ機能をもたらすよう創出された任意の均等物の両方を包含することを意図している。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され記載される具体的な実施形態に限定されるものではなく、むしろ、本発明の範囲及び精神は、添付の特許請求の範囲に基づいて具体化されるものである。
10 薄膜形成領域
20 液体収束点
30 ガス収束点
40 液流表面
50 先端
60 ガス流路
70、80 流体流路

Claims (20)

  1. ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、前記乾燥チャンバ内でハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を形成するステップと;
    ハイドロキシアパタイト微粒子を含む前記飛沫を乾燥して、10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子を生成させるステップと;を備えたことを特徴とする、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物の製造方法。
  2. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子が4μm以下の平均粒子径を有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子の50体積%以上が、4μm以下の平均粒子径を有する、請求項2記載の方法。
  4. 前記懸濁液を調製することをさらに備える、請求項1記載の方法。
  5. 前記調製することが、
    ハイドロキシアパタイト沈殿形成条件下でリン酸塩前駆体とカルシウム前駆体とを混合してハイドロキシアパタイトの沈殿物を生成させることと、
    前記ハイドロキシアパタイトの沈殿物を液体に懸濁して前記ハイドロキシアパタイトの懸濁液を調製することとを備える、請求項4記載の方法。
  6. 前記リン酸塩前駆体がH3PO4であり、前記カルシウム前駆体がCa(OH)2である、請求項5に記載方法。
  7. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子が球形である、請求項1記載の方法。
  8. 前記微粒子が生物分解性である、請求項1記載の方法。
  9. 前記組成物が活性作用物質をさらに含む、請求項1記載の方法。
  10. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子を前記活性作用物質に接触させることをさらに備える、請求項9記載の方法。
  11. ハイドロキシアパタイトを含む懸濁液を多流路ガス噴霧式スプレーノズルから乾燥チャンバに噴霧して、前記乾燥チャンバ内でハイドロキシアパタイト微粒子を含む飛沫を形成するステップと;ハイドロキシアパタイト微粒子を含む前記飛沫を乾燥して、10μm以下の平均粒子径を有するハイドロキシアパタイト微粒子を生成させるステップとを備える方法により製造された、ハイドロキシアパタイト微粒子を含む組成物。
  12. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子が4μm以下の平均粒子径を有する、請求項11記載の組成物。
  13. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子の50体積%以上が、4μm以下の平均粒子径を有する、請求項12記載の組成物。
  14. 方法が前記懸濁液を調製することをさらに備える、請求項11の組成物。
  15. 前記調製することが、
    ハイドロキシアパタイト沈殿形成条件下でリン酸塩前駆体とカルシウム前駆体とを混合してハイドロキシアパタイトの沈殿物を形成することと、
    前記ハイドロキシアパタイトの沈殿物を液体に懸濁して前記ハイドロキシアパタイトの懸濁液を調製することとを備える、請求項14記載の組成物。
  16. 前記リン酸塩前駆体がH3PO4であり、前記カルシウム前駆体がCa(OH)2である、請求項15記載の組成物。
  17. 前記ハイドロキシアパタイト微粒子が球形である、請求項11記載の組成物。
  18. 前記粒子が生物分解性である、請求項11記載の組成物。
  19. 活性作用物質をさらに含む、請求項11記載の組成物。
  20. 前記方法が前記ハイドロキシアパタイト微粒子を前記活性作用物質に接触させることをさらに備える、請求項19記載の組成物。
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