JP2010134135A - プラズマディスプレイパネルモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】画面をいくつかの画像領域に分割し、低輝度の画像領域と、高輝度の画像領域とで、異なる波形のサステインパルスを入力することで、消費電力を低減しつつ、高輝度化を図ることを可能とする手段を提供する。
【解決手段】走査線に沿って画面をいくつかの領域に分割する。分割領域毎に独立して複数のY電極駆動回路を配置する。分割領域内で高輝度による表示を必要とするものについては、Y電極駆動回路が高輝度対応の高輝度型波形を用いて駆動する。また、分割領域内で高輝度による表示を必要としないものについては、Y電極駆動回路が低消費電力対応の低消費電力型波形を用いて駆動する。
【選択図】図6
【解決手段】走査線に沿って画面をいくつかの領域に分割する。分割領域毎に独立して複数のY電極駆動回路を配置する。分割領域内で高輝度による表示を必要とするものについては、Y電極駆動回路が高輝度対応の高輝度型波形を用いて駆動する。また、分割領域内で高輝度による表示を必要としないものについては、Y電極駆動回路が低消費電力対応の低消費電力型波形を用いて駆動する。
【選択図】図6
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネルなどの自己発光型ディスプレイのパネルモジュール、特にサステイン電極に付加するサステインパルスの制御に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下PDP)は、自発光型の平面表示装置である。自発光型であるため、PDPの視認性は高く、また奥行きの薄さ、大画面化、高速表示が可能であるため、CRTに変わる表示パネルとして実用化されている。
一方、PDPに対しては輝度等の表示性能を低下させること無く、環境性能としての低消費電力化が社会的に求められている。したがって、画質を大幅に向上させつつ消費電力を大幅に低減することが求められている。
PDPの消費電力は無効電力とガス放電電力に分けられる。このうち、無効電力はパネルの充放電に要する電力であり、パネルの大型化が進むに従い増加する傾向にある。PDPでは電力回収回路と呼ばれるパネルを大きな容量とみなした共振回路を利用することで、投入電力の大部分を回収し低消費電力化を図っている。
電力回収回路の詳細はたとえば、特許第2801893号公報(特許文献1)で開示されている。すなわち、パネル容量を充放電するための経路に共振用のコイル、ダイオード、スイッチとして機能するMOSトランジスタ、回収用のコンデンサで構成される電力回収回路を配置することが示されている。
また、特開2005−300956号公報(特許文献2)では、電力回収回路のコイルとPDPパネルの容量(パネル容量)Cpとで形成される共振作用によりパネル容量Cpに蓄積された電荷を回収コンデンサに回収すること、この回収コンデンサに回収された電荷を再びパネル容量Cpに供給することが開示されている。
特許第2801893号公報
特開2005−300956号公報
しかし、PDP全面を単一のサステイン回路で駆動する場合、輝度向上と消費電力低減はトレードオフの関係にある。上記各特許文献記載の電力回収回路を搭載したとしても、この点について変わりは無い。
本発明の目的は、画面をいくつかの画像領域に分割し、低輝度の画像領域と、高輝度の画像領域とで、異なる波形のサステインパルスを入力することで、消費電力を低減しつつ、高輝度化を図ることを可能とする手段を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
本発明の代表的な実施の形態に関わるプラズマディスプレイパネルモジュールは、プラズマディスプレイパネルと、共通電極を駆動する共通電極駆動回路と、プラズマディスプレイパネルのサステイン電極を駆動する2以上のサステイン電極駆動回路と、を含み、プラズマディスプレイパネルの表示領域はサステイン電極駆動回路それぞれの担当する表示領域に分割され、サステイン電極駆動回路それぞれは担当する表示領域に高輝度表示を行う表示領域が含まれる場合には高輝度型波形のスキャンパルスをサステイン電極に出力することを特徴とする。
このプラズマディスプレイパネルモジュールは、サステイン電極駆動回路それぞれが担当する表示領域に高輝度表示を行う表示領域が含まれない場合には低消費電力型波形のスキャンパルスをサステイン電極に出力することを特徴としても良い。
このプラズマディスプレイパネルモジュールは、更に画像信号処理回路を有し、この画像信号処理回路は入力される画像信号入力によって高輝度表示を行うか否かを判定し、各サステイン電極駆動回路に判定結果を出力することを特徴としても良い。
このプラズマディスプレイパネルモジュールのサステイン電極駆動回路はコイルを有し、このコイル及びプラズマディスプレイパネルとの間でLC共振を発生させ、LC共振によるプラズマディスプレイパネルへの電荷移動が完了する以前に電位固定をすることで高輝度型波形のスキャンパルスを発生させることを特徴としても良い。
また、このプラズマディスプレイパネルモジュールのサステイン電極駆動回路はコイル及びコンデンサを有し、このコイル及びプラズマディスプレイパネルとの間でLC共振を発生させ、LC共振によるコンデンサへの電荷移動が完了する以前に電位固定をすることで前記高輝度型波形のスキャンパルスを発生させることを特徴としても良い。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
本発明の代表的な実施の形態に関わるPDPを使用するプラズマディスプレイ装置はサステイン回路を複数具備することにより、分割された表示領域をそれぞれが表示する映像に適した制御をすることが可能になる。これにより、従来パネル全面を単一のサステイン回路で駆動していく上では困難であった高輝度・低消費電力の両立を図ることが可能となる。また、複数の駆動回路でPDPを駆動するため、負荷分散がなされ、過負荷時の特定素子への発熱の集中が抑制され放熱対策が軽減される。
以下は本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は一般的なPDPの動作周期を説明する図である。
図1は一般的なPDPの動作周期を説明する図である。
PDPの動作に際しては3つの電極種別が必要となる。すなわちX電極(共通電極)、Y電極(サステイン電極)及びアドレス電極である。この電極の動作を簡単に説明する。
まず、PDPは、各放電空間の電位を揃えるために全ての放電空間のアドレス電極とY電極の間でリセット放電を行う(リセット期間)。次に、X電極を一定の電圧値に固定した状態で、Y電極1ラインを選択する。点灯すべきセルに対応したアドレス電極に対してアドレスパルスを印加すると共に、選択したY電極に負極性のスキャンパルスを印加する。これによりスキャン電極とアドレス電極との間で対向放電が発生し、壁電荷が生じる。これを全てのY電極に対して行う(アドレス期間)。
その後に各Y電極、アドレス電極を基準電位に戻す。以降、各Y電極に正極性のサステインパルスを印加し、Y電極が基準電位に戻った後にX電極にも正極性のパルスを印加する維持放電を繰り返す(サステイン期間)。
このPDPの基本的な動作を踏まえた上で、本発明の説明をする。
図2は本発明に関わるプラズマディスプレイ装置の電気的な構成図である。図3は本発明に関わるPDPの駆動回路を示す構成図である。また、図4は本発明におけるPDPの駆動回路の動作波形を示す図である。
まず、図2を用いて、プラズマディスプレイ装置の概略構成に付いて説明する。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、X電極駆動回路(Xサステイン駆動回路)10X、第1Y電極駆動回路(第1Yサステイン駆動回路)10Y1、第2Y電極駆動回路(第2Yサステイン駆動回路)10Y2、第3Y電極駆動回路(第3Yサステイン駆動回路)10Y3、スキャンドライバ20、PDP40、アドレス駆動回路50、駆動制御回路70、画像信号処理回路80を含んで構成される。
X電極駆動回路10XはX電極(共通電極)X1、X2…、Xnを駆動する駆動回路である。共通電極の名の通り、いずれのサステイン電極(Y電極)を動作させる際にも全てのX電極(共通電極)及びX電極駆動回路10Xは動作する。
第1Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3はY電極(サステイン電極)Y1、Y2…、Ynを駆動する駆動回路である。本発明ではY電極を3つのグループに分け、Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3がそれぞれ1グループを駆動することを特徴とする。なお、Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3の駆動系回路は同じ構成を取る。
スキャンドライバ20はいずれのサステイン電極(Y電極)を駆動するか否かを切り替えるスイッチ21の集合である。
PDP40は駆動対象となるプラズマディスプレイパネルである。内部には図示しない表示セルが形成され、X電極(共通電極)X1、X2…、Xn、Y電極(サステイン電極)Y1、Y2…、Ynの他、アドレス電極A1、A2…、Anが設けられている。X電極とY電極は隣接して交互に配置され、アドレス電極はこれらX電極とY電極と直交する方向に設けられる。
アドレス駆動回路50は、そのアドレス電極A1、A2…、Anを駆動する駆動回路である。
駆動制御回路70は、画像信号処理回路80から出力される表示データを元に、X電極駆動回路10X、第1Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3、アドレス駆動回路50を制御する制御回路である。
画像信号処理回路80は、入力される画像信号(画像信号入力)からPDP40に表示させる形式に表示データを変換するための回路である。
図3のPDPの駆動回路を示す構成図では、X電極駆動回路10X、第1Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3、スキャンドライバ20の構成を表す。なお、各Y電極駆動回路の駆動系は同じ構成を取るため内部構成は省略する。
この図を用いて、図1の動作周期に当てはめて動作の説明をする。なお、各Y電極駆動回路の動作も同じであるため、第1Y電極駆動回路10Y1について説明する。
リセット期間では、直前のサステイン期間での点灯状態によらず、放電空間内での壁電荷を中和し、各放電空間内の電荷状況を均一にする。
アドレス期間では、スキャンドライバ20からのスキャンパルスに応じて、アドレス駆動回路50から対応した画素データが出力され、点灯させるセルのみにおいてアドレス駆動回路より書き込み電圧Vaの書き込みパルスが供給される。これにより、X電極、Y電極には自己放電しない程度の壁電荷が誘起される(アドレス放電)。
サステイン期間では、X電極駆動回路10X内のスイッチSW4xを導通し、X電極に低電圧Vs1を印加する。また、第1Y電極駆動回路10Y1内のスイッチSW2yを導通し、Y電極に高電圧Vs2を印加する。これにより、PDP40はサステイン放電を行う。
次の周期ではX電極駆動回路10X内のスイッチSW2xを導通し、X電極に電圧Vs2を印加する。また、第1Y電極駆動回路10Y1内のスイッチSW4yを導通し、Y電極に電圧Vs1を印加する。これを繰り返すことにより、X電極とY電極間で放電を維持する。このパネル電極電位をVs1またはVs2(Vs1<Vs2)に固定するに当たり、回収コンデンサCx、Cyとパネル容量との間の電荷の供給、回収方向をスイッチSW1x、SW1y、SW3x、SW3yを用いて制御する。
ここで第1Y電極駆動回路10Y1内のスイッチSW1yとSW3yはパネル容量とコイルの間で構成される共振回路の電流方向を制御し、スイッチSW2y、Sw4yはパネル電極をVs2、Vs1に固定するためのスイッチである。
サステイン期間の電力回収はパネルとコイルLx、LyとのLC共振を利用する。回収効率を高めるためには回収コンデンサCx、Cyに蓄積された電荷をパネル容量へ供給する期間(電力回収期間)を十分長く設定する必要がある。このときサステイン波形は共振によるパネルへの電荷移動が収束した後電位固定されるためリンギングが小さい波形となる。
一方、LC共振によるパネルへの電荷移動が完了する以前に電位固定すると電力回収期間を長く設定した場合に対してリンギングが大きい波形が得られる。これは共振現象を中断することによりコイルの寄生振動が生じるためである。このような波形では放電時の電極電位がリンギングにオーバーシュートしており、リンギングが小さい波形と比較し高い輝度が得られる。一方、電力回収の面では回収コンデンサからパネルへの電荷移動完了以前に電位固定しており回収効率が低くなる。
すなわち、リンギングを抑制した駆動波形は高い回収効率が得られる消費電力の低減を目的とした波形(低消費電力型波形)といえる。
またリンギングの大きい波形は回収効率の低い高輝度に対応した波形(高輝度型波形)といえる。これらの波形の輝度差は表示率が低くサステインパルス数の大きいピーク輝度特性において顕著に現れる。
この高輝度型波形と低消費電力型波形の詳細を以下に述べる。
スキャン電極に対する駆動波形は4つのスイッチSW1y、SW2y、SW3y、SW4yのタイミング調整により形成される。始めに低消費電力型波形より説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態にかかわる低消費電力型波形とそれを形成するためのスイッチSW1y、SW2y、SW3y、SW4yのタイミングを表すタイミングチャートである。
まず、スイッチSW4yを導通し、Vs1電位に固定する。時刻T1でスイッチSW1yが導通し共振回路が構成される。これと共に、回収コンデンサCyより蓄積されていた電荷がダイオードD1y経由でパネル容量に供給される。共振回路による共振現象によってパネル容量を充電しているが、回路抵抗が有限の値を持つ以上、その損失によりVs2に達することができない。共振により電荷移動が完了するまでに要する時間はパネル容量、コイルLy、回路インピーダンスで決定され、その時刻で共振によるパネル電極電位はピークVs2´となる。
ピーク到達後時刻T3でSW2yが導通し、電極電位をVs2に固定する。SW2yが導通した時点で共振による電荷移動は収束しているためリンギング(Vs2を超える突出量)の少ない駆動波形となるという特徴がある。なお、ピーク電圧到達時間近傍の電圧変化は緩やかなものとなっている。このため、サステイン周期短縮の点では、完全に共振周期と同期して電位を固定するよりわずかに早く電位固定するほうが合理的な場合もあることに留意したい。また、放電開始タイミングが使用する放電ガス(Xe分圧)などにも依存し、パネル仕様により最適な調整が異なる。このため、ピーク電圧到達とスイッチSW2yの導通時刻を正確に一致する制御でなくてもかまわないことは言うまでもない。
放電完了後、SW2yをオフにしSW3yをオンにして再びパネル容量により回収コンデンサに電荷を移動し、電荷移動が収束した後SW4yをオンにして低電位Vs1に固定する。
次に高輝度型波形について図5に基づき説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態にかかわる高輝度型波形とそれを形成するためのスイッチSW1y、SW2y、SW3y、SW4yのタイミングを表すタイミングチャートである。
低消費電力型波形と高輝度型波形の制御上での大きな相違点は、スイッチSW2yのオン時刻がT2(<T3)であることにある。このようなタイミングでスイッチSW2yの導通を行うと、パネル容量とコイルLyの間の共振による電流が流れている状態でスイッチSW2yをオンにすることとなる。これにより、Vs2電位に固定する際の駆動波形にはリンギングによるオーバーシュートが生じる。このオーバーシュート期間の放電は実効的な放電電圧が高く放電強度が増加するため、ピーク輝度の向上を図ることが可能となる。
本発明では、この波形の相違を利用する。
次に、本実施の形態における分割サステイン回路におけるタイミング制御について図6を用いて説明する。
上述の通り、PDPはX電極、Y電極、アドレス電極を内包する。本発明においては、駆動回路はX電極駆動回路10X、第1Y電極駆動回路10Y1、第2Y電極駆動回路10Y2、第3Y電極駆動回路10Y3であり、それぞれに対応した水平方向に分割された表示領域を駆動する。
第1Y電極駆動回路10Y1は上部の第1領域を、第2Y電極駆動回路10Y2は中央部の第2領域を、第3Y電極駆動回路10Y3は下部の第3領域を担当する。画面の中央、第2領域に高輝度領域が存在するような映像パターンの駆動波形は図6のようになる。
すなわち、画像信号処理回路80で映像信号の解析を行い、所定の判定基準に従い、各Y電極駆動回路に適用する駆動波形を選択する。すなわち、高輝度型波形を用いるか、低消費電力型波形を用いるか、を決定する。この際、表示率によってサステインパルス数が決定されるため、この判定基準に表示率による制約を含んでも良い。
サステイン期間では、第1Y電極駆動回路10Y1及び第3Y電極駆動回路10Y3は低消費電力型波形を出力する。一方、同期間に第2Y電極駆動回路10Y2は高輝度型波形を出力する。
なお、リセット期間及びアドレス期間の動作は低消費電力型波形、高輝度型波形のいずれの場合も同様の波形を出力する。
なお、上記では画像信号処理回路80で波形を決定する旨述べたが、各Y電極駆動回路が画像信号処理回路80から送られる表示データに従い自律的に決定しても良い。
また、本発明において表示領域を水平方向に分割駆動するのは、プラズマディスプレイの駆動回路形式上、画面の左右にサステイン回路が設けられていることが大半だからである。したがって、サステイン回路上下に配置されている場合には垂直に分割しても良い。
また、常時動作するX電極と異なり、Y電極は走査に関わるものしか動作しない。したがって従来よりY電極駆動回路は複数有するPDPが多く、大幅な部品点数の増加や原価アップにはつながりにくい。
さらに水平に領域分割を行う理由として、風景等の表示に当たっては水平方向よりも垂直方向の輝度変化が大きい映像が多いことがあげられる。表示の内容によっては、水平ではなく垂直に分割した場合も考えられるので、この点からも垂直への分割は考慮されるものである。
また、高輝度型波形を適用した表示領域と低消費電力型波形を適用した表示領域との境界では、同じ階調であっても輝度にずれが生じる場合がある。このため、高輝度型波形を適用した表示領域において、高輝度領域以外の領域では低消費電力型波形との輝度差の関係を定式化しておき、画像信号処理回路80にて各表示領域に駆動波形を選択すると同時に該関係式を用いて補正したアドレスデータをアドレス駆動回路50に出力するようにしてもよい。
上記で説明した本発明のYサステイン電極の駆動方法で高輝度及び低消費電力の両立を図ることが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、映像信号により選択される波形を高輝度を目的とした波形及び低消費電力を目的とした波形の2種類としていた。これを複数の段階的変化を伴う駆動波形群として設けることで表示映像の品質を向上させることが可能である。
図7は本発明の第2の実施の形態の波形タイミングを示す概念図である。
すなわち各Y電極駆動回路のVs2電位に切り替えるタイミングを低消費電力型波形と高輝度型波形の範囲でわずかにずらした波形群を複数設ける。これらの波形群を用いて、たとえば低消費電力型波形で駆動されていた表示領域が映像データの変化により高輝度型波形に変化した場合、駆動波形群を用いて連続的な変化として駆動波形群を移行し、高ピーク輝度を実現する。
図7においても示されるように、高輝度型波形の場合にはスイッチSW2yの切替タイミングを早くする。また、低消費電力型波形の場合にはスイッチSW2yの切替タイミングを遅くする。この中間の切替タイミングを複数用意しておき(図7においては2つ)、適宜使用することで、実現される。
これにより駆動波形の切替をプラズマディスプレイ装置の視聴者に認識されること無く自然な映像を提供することができる。
(第3の実施の形態)
最後に本発明の第3の実施の形態について説明する。
最後に本発明の第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態はスキャン電極の立ち上がり時のリンギングによって高輝度型波形及び低輝度型波形を生成し、これによって高輝度及び低消費電力を併せて実現する方法を提案した。これと同様のことがスキャン電極の立ち上がり時の駆動波形においても実現可能ではないかという視点が第3の実施の形態である。
既述の通り、PDP40のサステイン期間には、X電極及びY電極のパネル電極をVs1とVs2電位に交互に固定することの繰り返しで放電維持を行っている。このとき他方の電極は180度反転した位相で同様の電位変化を繰り返している。
このときの電極電位が遷移するシーケンスとして次の二つが考えられる。
第1のシーケンスはX電極(Y電極)が立ち下がった後、Y電極(X電極)が立ち上がるシーケンスである。また、第2のシーケンスはX電極(Y電極)が立ち上がった後、Y電極(X電極)が立ち下がるシーケンスである。
第1のシーケンスについては、第1の実施の形態で詳細に説明したように、電極電位の立ち上がり時の波形で放電強度及び消費電力を制御した。
本実施の形態では第2のシーケンスについて考慮するものである。第2のシーケンスでは放電は電極電位の立ち下がり時に発生する。この立ち下がり時の駆動波形においても輝度と消費電力の両立を図ることが可能である。
図8は本発明の第3の実施の形態にかかわる低消費電力型波形とそれを形成するためのスイッチSW1y、SW2y、SW3y、SW4yのタイミングを表すタイミングチャートである。また図9は本発明の第3の実施の形態にかかわる高輝度型波形とそれを形成するためのスイッチSW1y、SW2y、SW3y、SW4yのタイミングを表すタイミングチャートである。これらを用いて本実施の形態を説明する。
駆動波形の放電タイミングが立ち下がりとなるため、制御すべき電位の切替のタイミングはVs1電位が固定であるため、SW4yの導通の時間となる。すなわち、スイッチSW3yが導通した後、SW4yが導通するまでの時間を共振により生じるパネル容量からコンデンサCyへの電荷移動が十分収束するまでの時間T5とする。SW4yの導通タイミングをT5以降とすることで、図8のような低消費電力型波形を形成することができる。
またSW4yの導通タイミングをT5より以前とすることで、図9のように立ち下がり波形でもリンギングによるオーバーシュートを発生させ高輝度型波形を設計することができる。
この立ち下がりのタイミング制御による駆動波形設計も第2の実施の形態と併用することに問題が無いことは言うまでもない。また第1の実施の形態および第3の実施の形態は併用可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
本発明はプラズマディスプレイのY電極での適用を想定して説明した。しかし、プラズマディスプレイだけでなく、他のフラットパネルディスプレイにも適用可能である。
Cx、Cy…コンデンサ、CXY…X電極Y電極間パネル容量、
CXA…X電極アドレス電極間パネル容量、CYA…Y電極アドレス電極間パネル容量、
D1x、D2x、D3x、D4x、D1y、D2y、D3y、D4y…ダイオード、
SW1x、SW2x、SW3x、SW4x…スイッチ、
SW1y、SW2y、SW3y、SW4y…スイッチ、Lx、Ly…コイル、
X1、X2、…、Xn…X電極、Y1、Y2、…、Yn…Y電極、
10X…X電極駆動回路、10Y1…第1Y電極駆動回路(第1Yサステイン駆動回路)、
10Y2…第2Y電極駆動回路(第2Yサステイン駆動回路)、
10Y3…第3Y電極駆動回路(第3Yサステイン駆動回路)、
20…スキャンドライバ、21…スイッチ、40…PDP、50…アドレス駆動回路、
70…駆動制御回路、80…画像信号処理回路。
CXA…X電極アドレス電極間パネル容量、CYA…Y電極アドレス電極間パネル容量、
D1x、D2x、D3x、D4x、D1y、D2y、D3y、D4y…ダイオード、
SW1x、SW2x、SW3x、SW4x…スイッチ、
SW1y、SW2y、SW3y、SW4y…スイッチ、Lx、Ly…コイル、
X1、X2、…、Xn…X電極、Y1、Y2、…、Yn…Y電極、
10X…X電極駆動回路、10Y1…第1Y電極駆動回路(第1Yサステイン駆動回路)、
10Y2…第2Y電極駆動回路(第2Yサステイン駆動回路)、
10Y3…第3Y電極駆動回路(第3Yサステイン駆動回路)、
20…スキャンドライバ、21…スイッチ、40…PDP、50…アドレス駆動回路、
70…駆動制御回路、80…画像信号処理回路。
Claims (5)
- プラズマディスプレイパネルと、共通電極を駆動する共通電極駆動回路と、前記プラズマディスプレイパネルのサステイン電極を駆動する2以上のサステイン電極駆動回路と、を含むプラズマディスプレイパネルモジュールであって、
前記プラズマディスプレイパネルの表示領域は前記サステイン電極駆動回路それぞれの担当する表示領域に分割され、
前記サステイン電極駆動回路それぞれは担当する表示領域に高輝度表示を行う表示領域が含まれる場合には高輝度型波形のスキャンパルスを前記サステイン電極に出力することを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。 - 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、前記サステイン電極駆動回路それぞれが担当する表示領域に高輝度表示を行う表示領域を含まない場合には低消費電力型波形のスキャンパルスを前記サステイン電極に出力することを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
- 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、更に画像信号処理回路を有し、前記画像信号処理回路は入力される画像信号入力によって高輝度表示を行うか否かを判定し、前記各サステイン電極駆動回路に判定結果を出力することを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
- 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、前記サステイン電極駆動回路はコイルを有し、
前記コイル及び前記プラズマディスプレイパネルとの間でLC共振を発生させ、
前記LC共振による前記プラズマディスプレイパネルへの電荷移動が完了する以前に電位固定をすることで前記高輝度型波形のスキャンパルスを発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。 - 請求項1記載のプラズマディスプレイパネルモジュールにおいて、前記サステイン電極駆動回路はコイル及びコンデンサを有し、
前記コイル及び前記プラズマディスプレイパネルとの間でLC共振を発生させ、
前記LC共振による前記コンデンサへの電荷移動が完了する以前に電位固定をすることで前記高輝度型波形のスキャンパルスを発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルモジュール。
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JP2008309318A Pending JP2010134135A (ja) | 2008-12-04 | 2008-12-04 | プラズマディスプレイパネルモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010134135A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024007666A1 (zh) * | 2022-07-04 | 2024-01-11 | 荣耀终端有限公司 | 驱动信号输出电路、屏幕驱动电路、显示屏及电子设备 |
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2008
- 2008-12-04 JP JP2008309318A patent/JP2010134135A/ja active Pending
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WO2024007666A1 (zh) * | 2022-07-04 | 2024-01-11 | 荣耀终端有限公司 | 驱动信号输出电路、屏幕驱动电路、显示屏及电子设备 |
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