JP2010133658A - 空調システム - Google Patents

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Masaaki Imai
正昭 今井
Yoshinori Inoue
良則 井上
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Abstract

【課題】水冷媒冷凍機が屋上に設置されている場合において、熱媒体流通管に貫通部が生じた場合に、室内への漏水を完全に防止できるようにした空調システムを提供する。
【解決手段】水冷媒冷凍機3が天井放射パネル2よりも高い位置に設置されている。蒸発器10の下部と天井放射パネル2の入口側とを接続する往き配管50には、鉛直配管部50aと水平配管部50bの連結部分から分岐し、この分岐位置K1から鉛直下方に延びる補助配管52が設けられている。補助配管52は、その下端部が外気に開放されている。補助配管52の下端部近傍位置には、第1の緊急開放弁V1が設けられている。分岐位置K1と第1の緊急開放弁V1の設置位置K2との間隔Lは10m以上に設定されている。通常運転時には第1の緊急開放弁V1は閉止状態であり、天井放射パネル2の熱媒体流通管4内の圧力が異常に上昇した時には第1の緊急開放弁V1を開放状態とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、病院、高齢者施設、図書館等の各種建物内の被空調室に冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷(ファンコイル、放射パネル等)を配設し、この冷暖房負荷に冷水または温水を流して冷暖房を行うように構成された空調システムに関し、特に、冷暖房負荷からの水漏れ防止構造を備えた空調システムに関する。
この種の空調システムとして、出願人は既に、放射パネルに貫通部が生じた場合(より詳しくは熱媒体流路を構成する熱媒体流通管の継手の緩みや腐食により貫通部が生じた場合)に、熱媒体流通管の保有水分が全て真空容器(水冷媒冷凍機の蒸発器、凝縮器に相当)に戻されて熱媒体流通管に冷水又は温水等の熱媒体が残存しないようにして、室内に熱媒体が漏洩することを完全に防止できるようにした空調システムを提案している(特許文献1参照)。
特開2007−50283号公報
しかし、上記特許文献1は真空容器(水冷媒冷凍機の蒸発器、凝縮器に相当)を放射パネルより低い高さ位置に設置することにより漏水防止を図っている。従って、水冷媒冷凍機が屋上に設置された場合、放射パネルの設置位置よりも水冷媒冷凍機の設置位置が高くなり、水冷媒冷凍機の真空容器(蒸発器、凝縮器)に熱媒体流通管の保有水分を戻すことができず、漏水防止を図れないという問題が生じる。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、水冷媒冷凍機等の熱源手段が屋上に設置された空調システムにおいて、熱媒体流路を構成する熱媒体流通管の継手の緩みや腐食により貫通部が生じた場合に、熱媒体流通管に冷水又は温水等の熱媒体が残存しないようにして、室内に熱媒体が漏洩することを完全に防止できるようにした空調システムを提供することである。
本発明のうち請求項1記載の発明は、冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷を、被空調室に配設し、被空調室を冷房する際に前記熱媒体流路に冷水を流し、前記被空調室を暖房する際に前記熱媒体流路に温水を流すように構成された空調システムにおいて、冷水又は温水を貯留する真空容器を有し、冷房時には冷暖房負荷の通過により昇温された冷水から熱を回収して所定温度の冷水に調製し、暖房時には冷暖房負荷の通過により降温された温水に熱を付与して所定温度の温水に調製する熱源手段であって、前記冷暖房負荷よりも高い位置に設置された、そのような熱源手段と、前記熱源手段に接続され、空調システムの系全体を負圧に維持する真空ホンプと、前記真空容器の下部と前記冷暖房負荷の入口側とを接続し、所定温度に調製された冷水又は温水を前記冷暖房負荷に供給する往き配管と、前記冷暖房負荷の出口側と前記真空容器の上部とを接続し、該冷暖房負荷の通過により、冷房時には昇温された冷水を、暖房時には降温された温水を前記真空容器に戻す戻り配管と、前記往き配管及び前記戻り配管のうちの、前記冷暖房負荷の高さ位置と同等か若しくは低い配管部分から分岐し、分岐位置から下方に延びるとともに、下端が大気に開放された補助配管と、前記補助配管に設けられた第1の緊急開放弁であって、その設置位置と前記冷暖房負荷の設置位置との高さ方向に関する間隔が10m以上とされる、そのような第1の緊急開放弁と、前記往き配管に設けられ、前記真空容器に貯留される冷水又は温水を前記冷暖房負荷に流送する循環ポンプと、を備え、通常運転時には前記第1の緊急開放弁は閉止状態であり、前記冷暖房負荷の熱媒体流路内の圧力が異常に上昇した時には前記第1の緊急開放弁を開放状態とすることを特徴とする。
ここで、「冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷」とは、放射パネル、ファンコイル、若しくはその他、冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷であればいずれをも含む意味である。また、冷暖房負荷は、被空調室の天井面、壁面、床面のいずれに配設されていてもよい。
また、補助配管は、「冷暖房負荷の高さ位置と同等か若しくは低い配管部分から分岐し、分岐位置から下方に延びる」配管構造であればよく、図1、図5〜図8に示す配管構造であってもよい。また、「下方に延びる」とは、分岐位置から鉛直下方に延びる場合に限らず、分岐位置から斜め下方に延びる場合も含まれる。
上記構成であれば、熱媒体流路を構成する熱媒体流通管の継手の緩みや腐食により貫通部が生じた場合に、第1の緊急開放弁を開放状態とすることにより、空調システムの系で使用される冷水又は温水等の熱媒体全てが補助配管から外部に排出される。この結果、熱媒体流通管に冷水又は温水等の熱媒体が残存しない状態が得られ、室内に熱媒体が漏洩することを完全に防止できる。加えて、熱媒体流通管に熱媒体が全く存在しない状態が得られることにより、熱媒体流通管の取替え等の修理を行う際に、室内への漏水対策を別途考慮することがなく、修理作業を低コストで且つ容易に行うことができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の空調システムであって、前記補助配管における前記分岐位置と前記第1の緊急開放弁との間の配管部分には、前記分岐位置から前記第1の緊急開放弁側に向けて、第2の緊急開放弁と、真空ホンプを備えた真空タンクとがこの順序で設けられており、通常運転時には前記第1の緊急開放弁及び前記第2の緊急開放弁は共に閉止状態であり、前記冷暖房負荷の熱媒体流路内の圧力が異常に上昇した時には前記第2の緊急開放弁を開放状態とし、第2の緊急開放弁の開放時から所定時間経過後に前記第1の緊急開放弁を開放状態とすることを特徴とする。
上記構成により、空調システムの系で使用される冷水又は温水等の熱媒体を排出するに際して、冷水又は温水等の熱媒体を真空タンクに収納し、引き続いて補助配管により外部に排出するという2段階の排出構成としているので、空調システムの系で使用される冷水又は温水等の熱媒体全てを真空タンクに収納する必要はなく、容量の小さい真空タンクを使用することができる。
また、上記のように2段階の排出構成としているので、冷水又は温水等の熱媒体の排出時に生じる急激な圧力変動を吸収緩和できるので、ウォーターハンマー(水撃)の発生を抑制でき、円滑な排出動作を達成できる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の空調システムであって、前記冷暖房負荷は、被空調室の天井面に配設されることを特徴とする。
上記構成により、床面や壁面よりも室内の漏洩に影響が大きいとされる天井面からの漏洩を防止することができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の空調システムであって、前記真空容器は、連通管を介して互いに連通された第1の真空容器と第2の真空容器とで構成され、前記熱源手段は、これら第1の真空容器と第2の真空容器とを含むと共に、第1の真空容器と第2の真空容器とを接続する配管ラインの間に介在される圧縮機を備え、第1の真空容器は冷房時には蒸発器として機能し暖房時には凝縮器として機能し、第2の真空容器は冷房時に凝縮器として機能し暖房時には蒸発器として機能するように構成された蒸気圧縮冷凍機を備えたことを特徴とする。
上記の如く、熱源手段として蒸気圧縮冷凍機を用いることにより、空調システムを容易に実現できる。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の空調システムであって、前記熱源手段は、前記戻り配管に熱交換器を設け、該熱交換器により該戻り配管を流れる冷水又は温水が別の熱源手段から供給される冷却水又は温熱水と熱交換されて、冷房時には冷暖房負荷の通過により昇温された冷水から熱を回収して所定温度の冷水に調製され、暖房時には冷暖房負荷の通過により降温された温水に熱を付与して所定温度の温水に調製されるように構成されていることを特徴とする。
上記構成により、地域冷暖房を利用した空調システムに適用できる。ここで、地域冷暖房を利用した空調システムとは、単一の熱源手段を設けておき、この熱源手段を共用して地域内の複数箇所の冷暖房を行うシステムを意味する。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の空調システムであって、前記冷暖房負荷は、冷水又は温水が流れる熱媒体流路を構成する熱媒体流通管と、熱媒体流通管を流れる冷水又は温水から受熱してその熱を放射する放射板とを備えた放射パネルであることを特徴とする。
上記構成により、放射パネルを用いた放射空調システムにおいて、冷水又は温水等の熱媒体が室内へ漏洩することを完全防止できる。なお、「受熱」は、温熱の受熱のみならず冷熱の受熱をも意味するものとする。即ち、放射板が冷水又は温水等の熱媒体によって温められる場合だけでなく、冷やされる場合も、放射板が「受熱」すると表現することとする。また、「放射する」というのは、温熱のみならず冷熱についてもこのように表現することとする。即ち、厳密にいえば、放射パネルから冷熱が放射されるのではなく、例えば人間などから放射された熱が、温度の低い放射パネルに吸収されて反射されないために納涼感が生ずるのであるが、本明細書においては便宜上、冷熱についても「放射する」と表現することとする。
本発明によれば、熱媒体流路を構成する熱媒体流通管の継手の緩みや腐食により貫通部が生じた場合に、第1の緊急開放弁を開放状態とすることにより、空調システムの系で使用される冷水又は温水等の熱媒体全てが補助配管から外部に排出される。この結果、熱媒体流通管に冷水又は温水等の熱媒体が残存しない状態が得られ、室内に熱媒体が漏洩することを完全に防止できる。加えて、熱媒体流通管に熱媒体が全く存在しない状態が得られることにより、熱媒体流通管の取替え等の修理を行う際に、室内への漏水対策を別途考慮することがなく、修理作業を低コストで且つ容易に行うことができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る空調システムの系統図、図2は放射パネルの敷設状態を示す斜視図である。以下の説明においては、放射パネルを天井面に配設した放射空調システムを、冷凍機を用いて冷房時に使用する例を示す。図1に示すように、放射空調システム1は、被空調室Rの天井面R1に配設される冷房負荷としての放射パネル(以下、天井放射パネルと称する)2と、天井放射パネル2に熱媒体である冷水を供給する水冷媒冷凍機3(熱源手段に相当)とを含んで構成される。この水冷媒冷凍機3並びに後述する熱交換器14及び冷却塔15は、屋上に設置されている。従って、水冷媒冷凍機3等は天井放射パネル2の設置位置よりも高い位置に設置されている。
天井放射パネル2は、図2に示すように、冷水が流れる熱媒体流路を構成する熱媒体流通管4と、熱媒体流通管4を流れる冷水から受熱してその熱を放射する放射板5とを備えている。放射板5は室内Rの天井に配設され、熱媒体流通管4は放射板5面に沿って蛇行状に設けられている。なお、熱媒体流通管4の入口側端部4aには後述する往き配管50が接続されており、熱媒体流通管4の出口側端部4bには後述する戻り配管51が接続されている。また、入口側端部4aの高さ位置と出口側端部4bの高さ位置は、略同一である。
冷凍機3は、蒸発器10(第1の真空容器に相当)、凝縮器11(第2の真空容器に相当)、及び圧縮機12を含み、蒸発器10、凝縮器11及び圧縮機12が配管により接続されて、作動媒体である水が上記の順に循環する冷凍サイクルとして構成され、20℃の高温冷水を取り出して冷房負荷である天井放射パネル2に供給されるようになっている。なお、蒸発器10と凝縮器11とは、連通管13を介して連通されている。
凝縮器11には熱交換器14が接続され、熱交換器14には冷却水を供給する手段として冷却塔15が接続されている。また、凝縮器11には真空ポンプ16が接続されている。蒸発器10には、冷房負荷である天井放射パネル2が接続されている。冷凍サイクルの全体は、システムの稼動前などの必要な時点で真空ポンプ16を作動させることにより真空に保持される。
圧縮機12は、ルーツポンプよりなり、電動機17により駆動される。ルーツポンプは、楕円形のシリンダ内で2つの断面まゆ形のロータが互いに逆方向に等速度で回転することにより圧縮、排気を行うようにしたポンプであり、2軸で構造が簡単なことから取扱が容易で寿命が長く、オイルフリーでクリーンな圧縮を行うことができる等の特徴を有している。また、ポンプの回転方向を逆転させることにより、配管の切り替え等を行うことなく容易に冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。
また、天井放射パネル2(より詳しくは熱媒体流通管4)と蒸発器10との間の配管構造は以下のようになっている。即ち、熱媒体流通管4の入口側端部4aは往き配管50に接続され、熱媒体流通管4の出口側端部4bは戻り配管51に接続されている。往き配管50は循環ホンプ21を介して蒸発器10の下部に接続され、戻り配管51は蒸発器10の上部に接続されてその先端部のノズルから蒸発器10内に冷水が噴射されるようになっている。往き配管50は、蒸発器10の下部から鉛直下方に延びる鉛直配管部50aと、鉛直配管部50aの下端部から水平方向に延びて熱媒体流通管4の入口側端部4aに接続される水平配管部50bとから成る。戻り配管51は、熱媒体流通管4の出口側端部4bに接続され水平方向に延びる水平配管部51aと、水平配管部51aの端部(図1の右端部)から鉛直上方に延びる鉛直配管部51bと、鉛直配管部51bの上端部から水平方向に延びて蒸発器10の上部に接続される水平配管部51cとから成る。水平配管部50bの高さ位置と水平配管部51aの高さ位置は、略同一である。なお、図1においては、水平配管部51aの方が水平配管部50bよりも上側に位置しているように描いているが、これは、図1においては熱媒体流通管4と蒸発器10との間の配管の接続状態を主眼とした図面作成の便宜上からであり、実際は水平配管部50bの高さ位置と水平配管部51aの高さ位置は、略同一である。
ここで注目すべきは、鉛直配管部50aと水平配管部50bの連結部分から分岐し、この分岐位置K1から鉛直下方に延びる補助配管52が設けられていることである。この補助配管52は、その下端部が外気に開放されている。また、補助配管52の下端部近傍位置には、第1の緊急開放弁V1が設けられている。分岐位置K1と第1の緊急開放弁V1の設置位置K2との間隔Lは10m以上に設定されている。第1の緊急開放弁V1は通常運転時には閉止状態であり、天井放射パネル2での継手の緩み若しくは腐食により貫通部が発生した時には開放状態とされる。そして、通常運転時には、第1の緊急開放弁V1が閉止状態とされることにより、補助配管52における分岐位置K1と設置位置K2との間の配管部分52aには、熱媒体である水が満たされた状態となっている。
なお、往き配管50及び戻り配管51は循環流路である循環流通管を構成している。そして、往き配管50及び戻り配管51の一部分は、天井面R1に敷設されている。従って、天井面R1には、熱媒体流通管4及び循環流通管の一部が存在している。なお、以下の説明においては、この天井面R1に存在する配管(循環流通管の一部及び熱媒体流通管4)を、天井部接続配管部と称することにする。
上記のように、(1)真空ポンプ16により、放射空調システムの系全体が真空状態に維持されていること、(2)天井放射パネル2より10m下まで補助配管52を設け、この補助配管52に冷水を満たし、天井部接続配管部で貫通部が生じた時に緊急開放弁V1を開放状態とすること、により天井部接続配管部での継手の緩み若しくは腐食により貫通部が生じても、その継手の緩み若しくは貫通部を介して天井面R1から冷水が漏洩することを完全に防止することできる。
以下にその理由について説明する。
上記(1)のように構成されていると、継手の緩み若しくは貫通部が生じても、天井部接続配管部が負圧状態となっていることから、室内Rの空気が貫通部等から浸入することなる。従って、当該貫通部等から漏水することが防がれる。
上記(2)のように構成されていると、天井部接続配管部内に存在していた冷水は補助配管52を介して外部に排出できるので、天井面R1からの漏水を完全に防止できる。具体的に説明すると、上記(1)のように放射空調システムの系全体が負圧状態であると、室内Rの空気が貫通部等から浸入することになるので、即座には冷水が漏洩しない。しかしながら、冷凍機3が天井放射パネル2よりも高い位置に配設されているので天井部接続配管部の保有水分が蒸発器10に戻らず、天井部接続配管部内に冷水が残存したままとなってしまう。従って、室内Rの空気が貫通部等から浸入して天井部接続配管部内が大気圧になってしまうと、貫通部等から冷水が漏洩する。そのため、上記(1)のように放射空調システムの系全体が負圧状態だけでは、天井面R1からの漏水防止としては完全ではない。
そこで、上記(1)の構成に加えて、上記(2)のように第1の緊急開放弁V1を開放状態とすることにより、空調システムの系を構成する配管内の冷水を全て補助配管52を介して外部に排出でき、天井部接続配管部に冷水が全く存在しない状態が得られることになる。具体的に説明すると、第1の緊急開放弁V1が閉止状態のときは、補助配管には垂直10mの液柱が確保されているので、天井部接続配管部内が真空に近い負圧状態に維持されていても、補助配管52の下端では少なくとも大気圧以上の圧力状態が得られている。従って、第1の緊急開放弁V1が開放状態とされ、補助配管52の下端開口が外気と連通すると、補助配管52を通って空調システムの系を構成する配管内の冷水が排出されることになる。この結果、天井面R1からの漏水を完全に防止することができる。加えて、天井部接続配管部に冷水が全く存在しない状態が得られることにより、配管の取替え等の修理を行う際に、室内Rへの漏水対策を別途考慮することがなく、修理作業を低コストで且つ容易に行うことができる。
なお、補助配管52の下端部の下方にピット200等を設け、そのピット200等を介して排出するようにしてもよい。また、天井放射パネル2を設置した室内Rが例えば高層ビルの1階や2階等の場合には、補助配管52の下端が地上に接触して所定の長さを確保できない。このような場合は、補助配管52の下端を地面に埋め込んで、所定の長さを確保する。
次いで、上記構成の空調システムの通常運転時の動作の概要を説明する。圧縮機12で加圧された水蒸気は、凝縮器11で外部に熱を放出して凝縮し、液化して、連通管13を通じ圧力差により蒸発器10に送出され、蒸発器10で外部から熱を奪って蒸発し水蒸気となる冷凍サイクルを循環する。このとき、圧縮機12は、蒸発器10で発生した水蒸気を吸い込みながら蒸発器10の真空度を20℃の飽和圧力2.3kPaに維持することで20℃の冷水を天井放射パネル2に連続的に供給する。蒸発器10で発生した水蒸気は圧縮機12で凝縮圧力の5.6kPa(飽和凝縮温度35℃)まで圧縮され、凝縮器11内に流入する。凝縮器11では、冷却塔15からの冷却水と熱交換器14で熱交換することにより30℃とした冷却水が冷却水/熱源水供給管25の先端部のノズルから噴射され、前記圧縮機12から流入してきた水蒸気がこの冷却水と直接接触することにより熱交換し凝縮して液化し、冷却水は凝縮に使われた熱量と圧縮機12の圧縮動力の熱量とにより加熱され、飽和温度の35℃で凝縮器11から冷却水供給ポンプ26により熱交換器14に送出される。
上記空気調和システム1においては、適宜箇所で温度計および圧力計により作動媒体である水の温度および圧力が計測され、システム内を循環する水の温度および圧力が所期の範囲内となるように制御される。例えば、天井放射パネル2の入口側で通過する冷水の温度T1が計測され、この温度信号が圧縮機12に伝送され、この温度信号に基づいて、圧縮機12で回転数制御するか、あるいは例えば圧縮機12が複数の圧縮機を直列に接続して構成される場合には圧縮機の運転台数を制御することにより、上記冷水温度T1が所定の値(20℃)となるように制御されている。また、蒸発器10の内部圧力が圧力計Pにより測定され、この圧力信号に基づいて真空ポンプ16が駆動されて、システム全体を常に所定の真空状態に維持するように制御されている。
上記のような通常運転中において、天井部接続配管部での継手の緩み若しくは腐食により貫通部が生じた場合、即ち、圧力の異常上昇が発生した場合には、以下に述べるシステムの緊急処理がなされるようになっている。以下に、システムの緊急処理について詳述する。
図3は圧力異常上昇発生時における緊急処理に関連する電気的構成を示すブロック図である。圧力計Pにより測定された圧力値は、コントローラ30に与えられる。このコントローラ30は、マイクロコンピュータによって実現される制御部31と、放射空調システムを運転するためのシステムプログラムや圧力異常上昇時での演算に必要な定数等が予め記憶されているROM32と、圧力計Pにより測定された圧力値等を記憶するRAM33とを備えている。コントローラ30には、真空ポンプ16、循環ポンプ21、冷却水供給ポンプ26、圧縮機12及び第1の緊急開放弁V1等が接続されており、それらの駆動が制御されている。
図4は圧力異常上昇発生時における緊急処理動作を示すフローチャトである。
本実施の形態における放射空調システムにおいては、天井部接続配管部での継手の緩み若しくは腐食により貫通部が生じた場合、循環流路内の圧力が上昇する。そうすると、そのことが圧力計Pで検出される。そして、測定値N1が予め定めた基準圧力値Nに達した時は、貫通部等の形成による圧力上昇か若しくは通常の漏れによる圧力上昇かを判断し、それに応じた処理を行うようになっている。
図4を参照して具体的に説明する。先ず、圧力計により第1回目の圧力測定が行われ、その測定圧力値N1がコントローラ30の制御部31に与えられる(ステップS1)。制御部31は、ROM32に記憶されている基準値Nを読み出して、測定圧力値N1が基準値N以上か否かを判定する(ステップS2)。この基準値Nは圧力上昇と認識しうる程度の値に設定されている。測定圧力値N1が基準値N以上である場合は、配管の継ぎ手等からの通常のもれ込みに起因した自然発生的な圧力上昇か、貫通部等の形成による異常状態に起因した圧力上昇かを判定するために、以下の処理に移る。
即ち、第1回目の測定圧力値N1をRAM33に記憶し(ステップS3)、ステップS4に移り、所定時間t経過したか否かが判断される。この所定時間tは、例えば数秒程度の微小時間である。そして、所定時間t経過後に、圧力計Pにより第2回目の圧力測定が行われ、その測定圧力値N2がコントローラ30に与えられ(ステップS5)、測定圧力値N2がRAM33に記憶される(ステップS6)。次いで、RAM33に記憶されている第1回目の測定圧力値N1と、第2回目の測定圧力値N2を読み出し、この測定圧力値N1,N2と、所定時間tとに基づき圧力の上昇変化率X1を算出する(ステップS7)。次いで、ROM32に予め記憶されている基準上昇変化率Xを読み出し、算出された上昇変化率X1が基準上昇変化率Xより大きいか否かを判定する(ステップS8)。上昇変化率X1が基準上昇変化率Xより小さい場合は、自然発生的な圧力上昇と判断され、通常の運転状態を維持すると共に、真空ポンプ16を稼動する(ステップS9)。これにより、システム内の圧力が小さくなり、所定の真空度に達すると真空ポンプ16の稼動を停止する。この結果、天井放射空調システム全体を所定の真空状態に常に維持することが可能となる。
一方、ステップS8において、上昇変化率X1が基準上昇変化率Xより大きい場合は、貫通部形成による異常状態に起因した圧力上昇と判断され、天井放射空調システムの稼動状態を停止する(ステップS10)。具体的には、圧縮機12、循環ホンプ21、冷却水供給ポンプ26及び真空ポンプ16の駆動を停止させると共に、第1の緊急開放弁V1を開放状態にする。第1の緊急開放弁V1が開放状態になると、天井部接続配管部内の冷水は、X1方向に流れ補助配管52の下端から排出される。なお、天井部接続配管部内の冷水の一部は、X2方向に流れて蒸発器10に流入する。そして、蒸発器10及び凝縮器内の冷水は、最終的には全て鉛直配管部50a、補助配管52を通じて系外に排出されることになる。この結果、天井部接続配管部に冷水が全く存在しない状態が得られることになり、室内Rへの漏水を完全に防止することができる。
上記の例では、圧力変動率を算出して、この圧力変動率の大きさに基づいて異常状態発生か否かを判定したけれども、その他の値を用いて判定するようにしてもよい。
上記放射空調システムは、冷凍機として冷房時に使用する例を示したが、ヒートポンプとして暖房時に使用することもできる。暖房の場合、圧縮機12が回転方向を逆転させて運転され、凝縮器11は蒸発器として、蒸発器10は凝縮器としてそれぞれ機能し、冷却塔15に代えて熱源水を供給する手段(例えば加熱装置)を用いることにより、ヒートポンプサイクルを構成する。なお、このような暖房時の使用においても、上記の冷房時使用におけるのと同様に天井部接続配管部での継ぎ手の緩みや貫通部が生じた場合において、第1の緊急開放弁V1を開放状態とすることにより、熱媒体である温水が補助配管52を介して外部に排出し、温水が室内に漏洩することを完全に防止することができる。
上記の例では、補助配管52は、往き配管50側の鉛直配管部50aと水平配管部50bの連結位置で分岐し、この分岐位置K1から鉛直下方に延在するような配管構造であったけれども、本発明はこれに限定されるものではなく、天井放射パネル2の高さ位置と同等か若しくは低い配管部分から分岐し、分岐位置K1から下方に延びる配管構造であればよい。従って、例えば、往き配管50側の水平配管部50bの途中位置で分岐する配管構造(図5参照)、戻り配管51側の水平配管部51aと鉛直配管部51bの連結位置で分岐する配管構造(図6参照)、戻り配管51側の水平配管部51aの途中位置で分岐する配管構造(図7参照)、往き配管50側の水平配管部50bを傾斜させて補助配管52を接続する配管構造(図8参照)のいずれであってもよい。
なお、図6及び図7に示すように、戻り配管51側に補助配管52を設ける構造では、往き配管50側の鉛直配管部50aに開閉弁V10を設置するのが好ましい。これは、開閉弁V10が設置されていない場合には、蒸発器10内の冷媒が流れてくると、補助配管52に入る前に貫通部の発生した天井部接続配管部を通過するため、冷媒が漏れる可能性があるという理由による。
また、水漏箇所と排水箇所が近い程迅速且つ円滑に排水すること可能であるという観点からすれば、図5に示す配管構造が好ましい。また、配管構造としては、直管を管継手を介して連結させて構成することから、図1、図5、図6、図7の配管構造が一般的であるが、障害物等の存在により水平配管部50bを傾斜させる必要が生じる場合もあり、このような場合であっても図8に示すように補助配管52を天井放射パネル2から10m以上の配管長さを確保すればよい。
また、熱媒体流通管4の入口側端部4aと出口側端部4bの各高さ位置が略同一(従って、水平配管部50bと水平配管部51aの各高さ位置が略同一)とされている場合は、上記したように水平配管部50bと水平配管部51aのいずれに補助配管52を設けてよいが、入口側端部4aと出口側端部4bの高さ位置が異なる場合(従って、水平配管部50bと水平配管部51aの高さ位置が異なる場合)は、低い方の配管部に補助配管52を設ける必要がある。
また、上記の例では、補助配管52は分岐位置から鉛直下方に延在したけれども、分岐位置K1から斜め下方に延在する配管構成であってもよい。
上記の補助配管52に関する配管構造の変形例は、後述する実施の形態2〜4における補助配管に関する配管構造についても適用できる。
(実施の形態2)
図9は実施の形態2に係る空調システムの系統図である。以下の説明においては、上記実施の形態1と同様に、放射パネルを天井面に配設した放射空調システムを冷房時に使用する例を示す。この実施の形態2は、補助配管52Aに冷水を収納できる真空タンク60を接続したことを特徴とするものである。具体的に説明すると、分岐位置K1から鉛直下方に延びる補助配管52Aの下端部に、真空ポンプ61を備えた真空タンク60を接続するとともに、分岐位置K1と真空タンク60との間の配管部分に緊急開放弁Vを設けている。真空タンク60は、少なくとも空調システムの系全体で使用する冷水の全てを収納可能な大きさのものが用いられている。真空タンク60の設置位置は、天井放射パネル2より下側であれば充分であり、実施の形態1のように分岐位置K1から10m以上の配管長さを必要としない。従って、配管部分の長さを10m以上設けることが、立地条件等で困難な場合等において天井放射パネル2からの漏水防止構造として好適に使用できる。
なお、通常運転時には、緊急開放弁Vは閉止状態とし、且つ、真空ポンプ61は駆動しておく。これにより、通常運転時には真空タンク60が真空に近い負圧状態に維持されている。
このような構成により、実施の形態1と同様に、貫通部形成による異常状態に起因した圧力上昇時には、圧縮機12、循環ホンプ21、冷却水供給ポンプ26及び真空ポンプ16の駆動を停止させると共に、緊急開放弁Vを開放状態にする。緊急開放弁Vが開放状態になると、天井部接続配管部内の冷水は、X1方向に流れ真空タンク60に流れ込む。なお、天井部接続配管部内の冷水の一部は、X2方向に流れて蒸発器10に流入する。ここで、真空タンク60の容量は、少なくとも空調システムの系全体で使用する冷水の全てを収納可能な大きさとされていることから、蒸発器10及び凝縮器内の冷水は全て、最終的には鉛直配管部50a、補助配管52Aを通過して真空タンク60に収納される。この結果、天井部接続配管部に冷水が全く存在しない状態が得られることになり、室内Rへの漏水を完全に防止することができる。
上記の例では、真空タンク60は、少なくとも空調システムの系全体で使用する冷水の全てを収納可能な大きさのものが用いられていた。しかし、真空タンク60の大きさはこれに限定されるものではない。例えば、蒸発器10の下方に接続された鉛直配管部50aに開閉弁を設置して、貫通部形成による異常状態に起因した圧力上昇時に該開閉弁を閉めるようにすれば、蒸発器10及び凝縮器11内の冷媒の漏れはなくなるので、真空タンク60は、少なくとも、冷媒の漏れがあってはいけない負荷部分とこれに接続された配管(熱媒体流通管4、往き配管50及び戻り配管51に相当)に存在する冷媒を十分に収納できる大きさであればよいことになる。従って、上記の蒸発器10の下方に接続された鉛直配管部50aに開閉弁を設置する構成であれば、該開閉弁を設置しない構成に比べて、真空タンク60は小さいものを用いることが可能となる。
(実施の形態3)
図10は実施の形態3に係る空調システムの系統図である。以下の説明においては、上記実施の形態1と同様に、放射パネルを天井面に配設した放射空調システムを冷房時に使用する例を示す。この実施の形態3は、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた構造を特徴とするものである。具体的に説明すると、実施の形態1における補助配管52における分岐位置K1と第1の緊急開放弁V1との間の配管部分には、分岐位置K1から第1の緊急開放弁V1側に向けて、第2の緊急開放弁V2と、真空ホンプ70を備えた真空タンク71とがこの順序で設けられている。なお、真空ホンプ70の上部は、補助配管52の上部配管部52bと連通しており、真空ホンプ70の下部は、補助配管52の下部配管部52cと連通している。
真空ポンプ70は通常運転時より駆動され、且つ、第1の緊急開放弁V1及び第2の緊急開放弁V2は通常運転時には閉止状態である。従って、通常運転時においては、第1の緊急開放弁V1と第2の緊急開放弁V2間の配管部分52d(真空タンク70を含む)は真空に近い負圧状態に維持されている。
上記構成の空調システムにおいて、実施の形態1と同様に、貫通部形成による異常状態に起因した圧力上昇時には、圧縮機12、循環ホンプ21、冷却水供給ポンプ26及び真空ポンプ16の駆動を停止させると共に、第2の緊急開放弁V2を開放状態にする。第2の緊急開放弁V2が開放状態になると、天井部接続配管部内の冷水は、X1方向に流れ真空タンク70に流れ込む。次いで、所定時間経過後に第1の緊急開放弁V1を開放状態とする。ここで、所定時間は真空タンク70が冷水で満たされるまでの時間であることが好ましい。真空タンク70が冷水で満たされている場合は、第1の緊急開放弁V1の閉止状態において補助配管に垂直10mの液柱が確保されている実施の形態1と同様な状態が得られることになる。従って、第1の緊急開放弁V1を開放状態にすると、補助配管52から冷水が外部に排出され、空調システムの系で使用される全ての冷水が系外に排出されることになる。従って、実施の形態3においても、実施の形態1,2と同様に、天井部接続配管部に冷水が全く存在しない状態が得られることになり、天井面R1からの漏水を完全に防止することができる。
本実施の形態3では、真空タンク70への収納と、補助配管52による外部排出という2段階の排出構成としているので、空調システムの系で使用される冷水の全てを真空タンク70に収納する必要はなく、実施の形態2に比べて容量の小さいものを使用することができる。
さらに、本実施の形態3では、冷水の排出時に生じる急激な圧力変動を2段階の処理により分散できるので、急激な圧力変動に起因したウォーターハンマー(水撃)の発生を抑制でき、円滑な排出動作を達成できる。
なお、上記の例では、補助配管52の下端部に第1の緊急開放弁V1を設けたが、第1の緊急開放弁V1に代えて逆止弁を設けるようにしてもよい。このような構成であれば、弁の開閉制御としては第2の緊急開放弁V2の制御のみとなり、制御処理が容易となる。
(実施の形態4)
図11は実施の形態4に係る空調システムの系統図である。上記実施の形態1〜3では、主として1つの部屋のみに着目した空調システムについて説明した。本実施の形態4では、多層ビルディングの各階を空調する全体的な空調システムの例を示す。多層ビルディングの各階を空調する場合は、各階に対応した冷凍機がそれぞれ屋上に設置されている。1階用の冷凍機をA1、2階用の冷凍機をA2、3階用の冷凍機をA3で示す。冷却塔15及び熱交換器14は各階毎に設ける構成であってもよく、また、共用する構成であってもよい。2階及び3階の天井放射パネル2には、実施の形態1と同様の水漏れ防止構造が備えられており、1階の天井放射パネル2には、実施の形態2と同様の水漏れ防止構造が備えられている。なお、図11中において、V10は水漏れ防止処理後に真空タンク60内の冷水を排出するために使用される開閉弁である。
上記の構成により、多層ビルディングの各階を空調する空調システムにおいて、各階毎に個別に水漏れの防止を図ることができる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態1〜3では熱源手段として水冷媒冷凍機を使用した例を示したが、地域冷暖房を利用した空調システムにおいても、本発明は適用することができる。具体的には、水冷媒冷凍機3及び冷却塔15に代えて、図12に示すように、真空ポンプ90を備えた真空容器91と、熱交換器92とを設ける構成とする。そして、熱交換器92において、地域冷暖房システムで使用される熱源装置(図示せず)からの冷却水(又は温熱水)と、放射パネル2からの冷水(又は温水)とを熱交換することで、冷房時には放射パネル2の通過により昇温された冷水から熱を回収して所定温度の冷水に調製し、暖房時には放射パネル2の通過により降温された温水に熱を付与して所定温度の温水に調製することが可能となる。
(2)上記実施の形態では、放射パネルを用いた放射空調システムについて説明したが、本発明はこれに限定されず、ファンコイルを用いた強制対流空調システム等についても適用することができる。換言すれば、本発明は、冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷を、被空調室に配設し、被空調室を冷房する際に前記熱媒体流路に冷水を流し、前記被空調室を暖房する際に前記熱媒体流路に温水を流すように構成された空調システムに広く適用することができる。
(3)上記の実施の形態では、放射パネル(冷暖房負荷)は天井面に配設したが、壁面、床面のいずれであってもよい。
(4)上記実施の形態では、天井面には、熱媒体流通管に加えて循環流通管の一部(天井部接続配管部)が存在している例について説明したが、天井面には熱媒体流通管のみ存在する場合、換言すれば、放射パネルが、天井の一部ではなく、全面に配設されている場合にも本発明は適用できる。
(5)上記実施の形態では、冷凍機として、水冷媒冷凍機を用いたけれども、これに限定されず、フロンやその他の冷媒を用いる冷凍機であってもよい。
(6)上記実施の形態においては、空気調和システム内を循環する作動媒体として水が使用されているが、この作動媒体としては、適宜な溶質を含有する水溶液であってもよい。
本発明は、病院、高齢者施設、図書館等の各種建物内における空間内の調温および調湿を行うための空気調和システムに広汎に適用することが可能である。
実施の形態1に係る放射空調システムの系統図。 放射パネルの敷設状態を示す斜視図。 圧力異常上昇発生時における緊急処理に関連する電気的構成を示すブロック図。 圧力異常上昇発生時における緊急処理動作を示すフローチャト。 補助配管の配管接続の変形例。 補助配管の配管接続の他の変形例。 補助配管の配管接続のさらに他の変形例。 補助配管の配管接続のさらに他の変形例。 実施の形態2に係る天井放射空調システムの系統図。 実施の形態3に係る天井放射空調システムの系統図。 実施の形態4に係る空調システムの系統図。 熱源手段の変形例を示す図。
符号の説明
1:放射空調システム 2:放射パネル
3:水冷媒冷凍機 4:熱媒体流通管
5:放射板 10:蒸発器(第1の真空容器に相当)
11:凝縮器(第2の真空容器に相当) 12:圧縮機
13:連通管 16,61,71,90:真空ポンプ
21:循環ポンプ 26:冷却水供給ポンプ
30:コントローラ 31:制御部
32:ROM 33:RAM
50:往き配管 51:戻り配管
50a,51b:鉛直配管部 50b,51a:水平配管部
52,52A:補助配管 60,70:真空タンク
P:圧力計 R:室内
R1:天井面 V1:第1の緊急開放弁
V2:第2の緊急開放弁 V:緊急開放弁
K1:分岐位置

Claims (6)

  1. 冷水又は温水が流れる熱媒体流路を有する冷暖房負荷を、被空調室に配設し、被空調室を冷房する際に前記熱媒体流路に冷水を流し、前記被空調室を暖房する際に前記熱媒体流路に温水を流すように構成された空調システムにおいて、
    冷水又は温水を貯留する真空容器を有し、冷房時には冷暖房負荷の通過により昇温された冷水から熱を回収して所定温度の冷水に調製し、暖房時には冷暖房負荷の通過により降温された温水に熱を付与して所定温度の温水に調製する熱源手段であって、前記冷暖房負荷よりも高い位置に設置された、そのような熱源手段と、
    前記熱源手段に接続され、空調システムの系全体を負圧に維持する真空ホンプと、
    前記真空容器の下部と前記冷暖房負荷の入口側とを接続し、所定温度に調製された冷水又は温水を前記冷暖房負荷に供給する往き配管と、
    前記冷暖房負荷の出口側と前記真空容器の上部とを接続し、該冷暖房負荷の通過により、冷房時には昇温された冷水を、暖房時には降温された温水を前記真空容器に戻す戻り配管と、
    前記往き配管及び前記戻り配管のうちの、前記冷暖房負荷の高さ位置と同等か若しくは低い配管部分から分岐し、分岐位置から下方に延びるとともに、下端が大気に開放された補助配管と、
    前記補助配管に設けられた第1の緊急開放弁であって、その設置位置と前記冷暖房負荷の設置位置との高さ方向に関する間隔が10m以上とされる、そのような第1の緊急開放弁と、
    前記往き配管に設けられ、前記真空容器に貯留される冷水又は温水を前記冷暖房負荷に流送する循環ポンプと、
    を備え、
    通常運転時には前記第1の緊急開放弁は閉止状態であり、前記冷暖房負荷の熱媒体流路内の圧力が異常に上昇した時には前記第1の緊急開放弁を開放状態とすることを特徴とする空調システム。
  2. 前記補助配管における前記分岐位置と前記第1の緊急開放弁との間の配管部分には、前記分岐位置から前記第1の緊急開放弁側に向けて、第2の緊急開放弁と、真空ホンプを備えた真空タンクとがこの順序で設けられており、
    通常運転時には前記第1の緊急開放弁及び前記第2の緊急開放弁は共に閉止状態であり、前記冷暖房負荷の熱媒体流路内の圧力が異常に上昇した時には前記第2の緊急開放弁を開放状態とし、第2の緊急開放弁の開放時から所定時間経過後に前記第1の緊急開放弁を開放状態とすることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  3. 前記冷暖房負荷は、被空調室の天井面に配設されることを特徴とする請求項1又は2記載の空調システム。
  4. 前記真空容器は、連通管を介して互いに連通された第1の真空容器と第2の真空容器とで構成され、
    前記熱源手段は、これら第1の真空容器と第2の真空容器とを含むと共に、第1の真空容器と第2の真空容器とを接続する配管ラインの間に介在される圧縮機を備え、第1の真空容器は冷房時には蒸発器として機能し暖房時には凝縮器として機能し、第2の真空容器は冷房時に凝縮器として機能し暖房時には蒸発器として機能するように構成された蒸気圧縮冷凍機を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空調システム。
  5. 前記熱源手段は、
    前記戻り配管に熱交換器を設け、該熱交換器により該戻り配管を流れる冷水又は温水が別の熱源手段から供給される冷却水又は温熱水と熱交換されて、冷房時には冷暖房負荷の通過により昇温された冷水から熱を回収して所定温度の冷水に調製され、暖房時には冷暖房負荷の通過により降温された温水に熱を付与して所定温度の温水に調製されるように構成されている請求項1〜3の何れかに記載の空調システム。
  6. 前記冷暖房負荷は、冷水又は温水が流れる熱媒体流路を構成する熱媒体流通管と、熱媒体流通管を流れる冷水又は温水から受熱してその熱を放射する放射板とを備えた放射パネルであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の空調システム。
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