JP2010133282A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質燃焼時には良好なタンブル流を形成する筒内噴射式火花点火内燃機関において、成層燃焼をすべきときに、成層燃焼に適した可燃混合気を形成することが可能な筒内噴射式火花点火内燃機関を提供する。
【解決手段】成層燃焼をすべきとき、第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧50が、燃料噴射弁18に対向するシリンダボア部分に衝突後、その一部分が燃焼室5下方において正タンブル流51を形成すると共に残りの部分が燃焼室5上方において逆タンブル流52を形成する。形成された正タンブル流及び逆タンブル流は、ピストン4の上昇に伴って、正タンブル流が燃料噴射弁18側に上昇すると共に逆タンブル流がシリンダボア部分側に下降する。第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧54が、正タンブル流51によって点火プラグ10近傍に導かれ逆タンブル流52と衝突し、点火プラグ10近傍に可燃混合気55を滞留させる。
【選択図】図3
【解決手段】成層燃焼をすべきとき、第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧50が、燃料噴射弁18に対向するシリンダボア部分に衝突後、その一部分が燃焼室5下方において正タンブル流51を形成すると共に残りの部分が燃焼室5上方において逆タンブル流52を形成する。形成された正タンブル流及び逆タンブル流は、ピストン4の上昇に伴って、正タンブル流が燃料噴射弁18側に上昇すると共に逆タンブル流がシリンダボア部分側に下降する。第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧54が、正タンブル流51によって点火プラグ10近傍に導かれ逆タンブル流52と衝突し、点火プラグ10近傍に可燃混合気55を滞留させる。
【選択図】図3
Description
本発明は筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
燃焼室内に均一な混合気を形成する均質燃焼が良好に行われるように強いタンブル流を形成するために、シリンダボアの排気弁側へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、吸気弁の閉弁時期を吸気下死点前とし、燃料噴射弁により吸気弁閉弁後の吸気下死点近傍において燃料を噴射するようにした筒内噴射式火花点火内燃機関が公知である(特許文献1参照)。即ち、この内燃機関によれば、燃料噴射弁が燃焼室上部周囲の吸気弁側に配置され、シリンダボアの排気弁側上部のピストンリングが摺動しない部分に向けて燃料が噴射されるため、タンブル流の進行方向に沿ってタンブル流の略接線方向にタンブル流内へ噴射され、タンブル流を強めることができる。
しかしながらこの内燃機関では、良好な均質燃焼を行うことが可能となるが、例えば、機関始動時に触媒暖機のため通常運転時よりも点火時期を遅角させる場合や低負荷時や低燃費走行時等に、点火時点において点火プラグ近傍だけに着火性の良好な混合気(以下、可燃混合気と称す)を形成し、燃焼室内全体としては希薄な混合気の燃焼を可能にする成層燃焼を行うことは困難である。
そこで本発明は、均質燃焼時には良好なタンブル流を形成する筒内噴射式火花点火内燃機関において、成層燃焼をすべきときに、成層燃焼に適した可燃混合気を形成することが可能な筒内噴射式火花点火内燃機関を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明によれば、燃焼室内に配置されたピストンと、燃焼室上部に配置された点火プラグと、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を調整する燃料噴射圧調整手段とを具備し、燃焼室内に均一な混合気を形成する均質燃焼モードと点火プラグ近傍に可燃混合気を形成する成層燃焼モードとの間で切替運転可能であり、均質燃焼をすべきとき、吸気によって燃焼室内に形成されたタンブル流の流れに沿って燃料を噴射し該タンブル流を強化するように燃料噴射時期を設定した筒内噴射式火花点火内燃機関において、成層燃焼をすべきとき、噴射すべき燃料を第1の燃料噴射と第2の燃料噴射とに分割して燃料噴射を行い、第1の燃料噴射の燃料噴射時期を圧縮行程前半に設定すると共に第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が燃料噴射弁に対向するシリンダボア部分に衝突するように燃料噴射圧を設定し、第2の燃料噴射の燃料噴射時期を圧縮行程後半に設定すると共に第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が燃焼室内に形成されたタンブル流によってその軌道が変化するように第2の燃料噴射の燃料噴射圧を第1の燃料噴射の燃料噴射圧よりも低く設定した筒内噴射式火花点火内燃機関が提供される。
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、前記第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が、前記シリンダボア部分に衝突後、その一部分が燃焼室下方においてピストン頂面を前記シリンダボア部分側から燃料噴射弁側に沿って旋回する正タンブル流を形成すると共に残りの部分が燃焼室上方において前記正タンブル流と逆方向に旋回する逆タンブル流を形成するように、ピストンの中心軸線に対して垂直な平面と噴射された燃料噴霧の噴射中心軸線とがなす角度を決定し燃料噴射弁を配置すると共に第1の燃料噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射圧を設定し、形成された正タンブル流及び逆タンブル流は、ピストンの上昇に伴って、正タンブル流が燃料噴射弁側に上昇すると共に逆タンブル流が前記シリンダボア部分側に下降し、これらタンブル流は点火プラグ近傍で合流した後ピストン頂面に向かう合流流れを形成し、前記第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が、前記正タンブル流によって点火プラグ近傍に導かれ前記逆タンブル流と衝突し、点火プラグ近傍に可燃混合気を滞留させるように第2の燃料噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射圧を設定した筒内噴射式火花点火内燃機関が提供される。
即ち、請求項1又は2に記載の発明では、均質燃焼時には良好なタンブル流を形成する筒内噴射式火花点火内燃機関において、成層燃焼をすべきときに、第1の燃料噴射によって正タンブル流及び逆タンブル流を形成し、第2の燃料噴射によってこれらタンブル流を利用して成層燃焼に適した可燃混合気を形成することができる。これら2つのタンブル流を利用することから、成層燃焼時に通常用いられる、ピストン頂面に形成され、噴射された燃料噴霧を点火プラグ近傍に導くためのピストンキャビティを有する必要がない。このピストンキャビティを備えたピストンを有する内燃機関において、均質燃焼時にタンブル流を形成する場合、フラットな頂面を有するピストン等その他ピストンに比べて、キャビティの形状がタンブル流の気流と干渉し、圧縮行程後半においてタンブル流を減衰させてしまうという問題を有する。しかし、本発明によれば、ピストン頂面にキャビティを形成する必要がなくなることによって、タンブル流の減衰の問題がなくなるため、燃焼状態が改善され、燃費が向上するという効果も奏する。
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、前記燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧の広がり角を調整する燃料噴霧広がり角調整手段を更に具備し、成層燃焼時において、燃料噴霧の広がり角を均質燃焼時よりも小さく調整する筒内噴射式火花点火内燃機関が提供される。
即ち、請求項3に記載の発明では、燃料噴霧の広がり角を均質燃焼時よりも小さく調整することによって、点火栓プラグ近傍により密集した可燃混合気を形成することが可能となり、安定した燃焼を行うことが可能となる。なお、燃料噴霧の広がり角とは、燃焼室内をその頂部から中心軸線方向に見たとき、燃料噴射弁から噴射された燃料が広がる角度のことをいう。詳細は図7を参照しながら後述する。
また、請求項4に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか1つに記載の発明において、前記点火プラグが高電圧を印加して放電により火花を生じさせる2つの電極を有し、点火時において、ピストンの中心軸線に対して垂直な平面内で前記放電が行われるように前記2つの電極を配置した筒内噴射式火花点火内燃機関が提供される。
即ち、請求項4に記載の発明では、ピストンの中心軸線に対して垂直な平面内で放電を行うことによって、火炎の伝播が促進され、良好な燃焼を行うことが可能となる。
また、請求項5に記載の発明によれば請求項1から4のいずれか1つに記載の発明において、上記ピストンが頂面に凹部を有することによりタンブル流の抵抗を軽減する筒内噴射式火花点内燃機関が提供される。
即ち、請求項5に記載の発明では、タンブル流がピストン頂面の凹部に沿って旋回するため抵抗を軽減することが可能となり、タンブル流を圧縮行程後半まで維持することによって、燃焼室内の乱れを増加させ、良好な燃焼を行うことが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、均質燃焼時には良好なタンブル流を形成する筒内噴射式火花点火内燃機関において、成層燃焼をすべきときに、成層燃焼に適した可燃混合気を形成することができるという共通の効果を奏する。
図1を参照しながら本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関について説明する。図1において、1は例えば四つの気筒を備えた機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は吸気弁、7は吸気通路、8は排気弁、9は排気通路、10は点火プラグをそれぞれ示す。吸気通路7は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介してエアクリーナ14に連結される。吸気ダクト13内には吸入空気流量を検出するためのエアフローメータ15と、ステップモータ16により駆動されるスロットル弁17とが配置される。また、燃焼室5内には燃焼室5内に燃料を噴射する電気制御式の燃料噴射弁18が配置される。
一方、排気通路9は排気枝管19を介して小容量の三元触媒20に連結され、三元触媒20上流排気通路には空燃比を検出するための空燃比センサ21が取り付けられる。機関本体1には機関冷却水温を検出するための水温センサ22が取り付けられる。
電子制御ユニット(ECU)30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。アクセルペダル39にはアクセルペダル39の踏み込み量を検出するための負荷センサ40が接続される。ここで、アクセルペダル39の踏み込み量は要求負荷を表している。
エアフローメータ15、空燃比センサ21、水温センサ22、及び負荷センサ40の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ41が接続される。CPU34ではクランク角センサ41の出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。
一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火プラグ10、ステップモータ16、及び燃料噴射弁18にそれぞれ接続され、これらは電子制御ユニット30からの出力信号に基づいて制御される。
三元触媒20は、酸素吸蔵能力を有しており、これにより三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときには排気ガス中の酸素を吸蔵すると共に、三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリッチであるときには吸蔵している酸素を放出することにより排気ガス中に含まれるHC、COを酸化・浄化する。
なお、当該内燃機関は、燃焼室5内に均一な混合気を形成する均質燃焼を行う均質燃焼モードと、点火プラグ10近傍に混合気を形成する成層燃焼を行う成層燃焼モードとの間で切替運転が可能である。
まず、本発明による成層燃焼について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2及び図3は、成層燃焼時における、筒内噴射式火花点火内燃機関の概略縦断面図である。本発明による成層燃焼は、噴射すべき燃料を第1の燃料噴射と第2の燃料噴射とに分割して燃料噴射を行う。図2は第1の燃料噴射に関し、図3は第2の燃料噴射に関する。
図2(A)は、噴射直後の第1の燃料噴射を示す。ピストン4の中心軸線、即ち気筒の中心軸線に対して垂直な平面と、噴射された燃料噴霧50の噴射中心軸線50cとがなす角度αが、従来の内燃機関により成層燃焼を行う場合に噴射される燃料噴霧の噴射中心軸線がなす角度よりも小さく設定される。この角度αは例えば30度である。従来の内燃機関による成層燃焼は、この角度αを大きく設定し、ピストンの頂面に設けられたキャビティに向かって燃料を噴射し、燃料噴霧を点火プラグ10近傍に導くことによって行われていた。それに対して、本発明では、より小さい角度αで燃焼噴射を行い、燃料噴射弁18に対向するシリンダボア部分に向かって燃料噴射を行う。このとき、シリンダボア部分に向かって高速に飛行する燃料噴霧50の周辺には負圧が形成され、この負圧によって燃料噴霧50近傍の燃焼室5内のガスが、図中に矢印で示されるように燃料噴霧50側に引き込まれる。
図2(B)は、第1の燃料噴射による燃料噴霧50が、2つのタンブル流を形成する様子を示す。燃料噴射弁18から噴射され、対向するシリンダボア部分5aに衝突した燃料噴霧は、その衝突時の衝撃によるシリンダボア部分5aからの跳ね返りと、図2(A)に矢印で示した燃焼室5内のガスの引き込みとによって、燃焼室5内には、燃料噴霧を含む2つのタンブル流が形成される。即ち、燃焼室5内においてピストンが配置された側を燃焼室5下方とすると、燃焼室5下方において、燃料噴霧50の一部分がピストン4の頂面を上述のシリンダボア部分5aから燃料噴射弁18側に沿って旋回する正タンブル流51を形成し、燃焼室5上方において、燃料噴霧50の残りの部分が正タンブル流51と逆方向に旋回する逆タンブル流52を形成する。言い換えると、これら2つのタンブル流が形成されるように、上述の角度αを決定し燃料噴射弁18を配置すると共に、第1の燃料噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射圧が設定される。
図2(C)は、形成された2つのタンブル流がピストンの上昇に伴って移動した状態を示す。ピストンの上昇に伴って、図中に大きな矢印で示すような上昇流が燃焼室5内に生じる。従って、図2(B)に示すような配置で最初に形成された2つのタンブル流は、正タンブル流51が燃料噴射弁18側に上昇すると共に逆タンブル流52が上述のシリンダボア部分側に下降する。それによって、図2(C)に示すように、2つのタンブル流がピストン4上で並列に配置された状態となる。即ち、互いに反対方向に旋回する2つのタンブル流は、点火プラグ10近傍で合流した後、ピストン4の頂面に向かう合流流れ53を形成する。
一方、図3(A)は、噴射直後の第2の燃料噴射を示す。第2の燃料噴射による噴射圧は第1の燃料噴射による噴射圧に比べて低く設定され、第1の燃料噴射と同様に、噴射された燃料噴霧54は、最初角度αによって飛行する。しかし、第2の燃料噴射による燃料噴霧54は、噴射圧が低いことから貫徹力が弱く、第1の燃料噴射によって形成された正タンブル流51によって、その軌道が上方へ変化する。その後、燃料噴霧54は、正タンブル流51によって点火プラグ10近傍に導かれ、第1の燃料噴射によって形成された逆タンブル流52と、点火プラグ10近傍で衝突する。
図3(B)は、第2の燃料噴射による燃料噴霧54と逆タンブル流52との衝突後の様子を示す。衝突によって、運動エネルギーを失った燃料噴霧54は、点火プラグ10近傍に滞留し、即ち、点火プラグ10近傍だけに可燃混合気55を形成し、燃焼室内全体としては希薄な混合気を形成する。その後、点火プラグ10によって可燃混合気55に着火して成層燃焼が行われる。
即ち、第2の燃料噴射は、燃料噴霧54が第1の燃料噴射によって形成された正タンブル流51によって点火プラグ10近傍に導かれ、且つ、逆タンブル流52との衝突後に点火プラグ10近傍に滞留するように、その燃料噴射時期及び燃料噴射圧が設定される。
図4は、第1の燃料噴射及び第2の燃料噴射の時期を説明する図である。図4は、圧縮下死点(BDC)から圧縮上死点(TDC)の間を示しており、吸気弁6は圧縮下死点後、閉弁する。第1の燃料噴射は、吸気弁6の閉弁時期近傍の期間Inj1、即ち、圧縮行程の前半に行われるのが好ましく、第2の燃料噴射は、圧縮上死点前30°(30°BTDC)から圧縮上死点前20°(20°BTDC)の間、即ち、圧縮行程の後半に行われるのが好ましい。より詳細には、第1の燃料噴射及び第2の燃料噴射の時期、燃料の噴射圧等の最適な値は、実験又は計算によって予め求め、ROM32に保存される。
図5を参照しながら、均質燃焼時の燃料噴射について説明する。本実施形態による均質燃焼時の燃料噴射は、吸気行程で燃焼室内に形成されたタンブル流を強化するように行われる。即ち吸気行程では、吸気が吸気通路7から矢印に示されるように燃焼室5内に流入する。それによって、タンブル流61が形成される。次いで、第1の燃料噴射の噴射圧よりは小さく、且つ、第2の燃料噴射の噴射圧よりは大きい噴射圧で以て燃料噴射弁18から燃料が噴射される。こうして噴射された燃料噴霧60は、吸気によって形成されたタンブル流61を大きく乱すことなく、タンブル流61の上方を進行方向に沿って略接線方向に飛行し、タンブル流を強めることができる。
即ち、上述の角度αは、成層燃焼時に2つのタンブル流を形成することが可能であって、且つ、均質燃焼時に吸気のタンブル流を強化することが可能な角度として予め実験又は計算によって求められ、燃料噴射弁18が配置される。
図6は、ピストン4の頂面に凹部を設けた実施形態を示す。即ち、ピストン4の頂面に凹部4aを設けることによって、成層燃焼時及び均質燃焼時のタンブル流のピストン4頂面上おける抵抗を少なくすることができ、タンブル流を圧縮行程後半まで維持することが可能となる。それによって、燃焼に必要な筒内の乱れを強化することが可能となり、安定した燃焼を行うことが可能となる。凹部4aの詳細な形状は、タンブル流のピストン4頂面上における抵抗が可能な限り少なくなるよう、予め実験又は計算によって求められる。
図7は、燃焼室内を図2(A)に示す線I−Iに沿った断面でその頂部から中心軸線方向に見た図を概略的に示している。図7において、燃料噴射弁18から燃焼室5内に噴射された燃料噴霧が広がる角度を燃料噴霧の広がり角βと称す。図7(A)は、図3(A)に示す噴射直後の第2の燃料噴射について示し、図7(B)は、図3(B)に示す第2の燃料噴射による燃料噴霧54と逆タンブル流52との衝突後の様子を示す。
第2の燃料噴射による燃料噴霧54は、図7(A)に示すように、均質燃焼時の燃料噴霧60よりも、燃料噴霧の広がり角βを小さくする方が好ましい。即ち、上述のように第2の燃料噴射による燃料噴霧54は、第1の燃料噴射によって形成された正タンブル流51によって、その軌道が上方へ変化し、その後、点火プラグ10近傍で第1の燃料噴射によって形成された逆タンブル流52と衝突する。このとき、第2の燃料噴射による燃料噴霧60の広がり角が大きいと、それによって形成される可燃混合気55’は、図7(B)に示すように燃料の噴射方向に対して垂直な方向に長く延びてしまう。良好な成層燃焼を行うためには、可燃混合気は、点火プラグ10近傍に密集している方がより安定した燃焼を行うことができる。従って、燃料噴霧の広がり角βを変更する手段を更に具備し、第2の燃料噴射による燃料噴霧54を、均質燃焼時の燃料噴霧60よりも、燃料噴霧の広がり角βを小さくすることによって、より点火プラグ10近傍に密集した可燃混合気55を形成することが可能となる。
なお、燃料噴霧の広がり角βを機関の運転状態に応じて変更する手段としては、例えば、燃料の噴射圧を変更する方法、燃料の噴射と同時に空気を噴孔に噴射して変更する方法、噴孔の形状を変更する方法等がある。
図8は、点火プラグ10の電極の配置を変更した実施形態を示す。点火プラグ10は、電極間に高電圧を印加し、放電によって火花を生じさせて着火するが、本実施形態によれば、2つの電極10a、10bを気筒の中心軸線に対して垂直な平面上で放電70が起こるように配置する。即ち、2つのタンブル流51,52によって図3(B)に示すような可燃混合気55が形成された後でも、図9に示すように、合流流れ53の影響により、可燃混合気55は、ピストン方向に僅かに移動する。可燃混合気55の移動の方向に対して垂直な方向に放電を起こすことによって、火炎核が大きくなり、火炎の伝播が促進され、良好な燃焼を行うことが可能となる。
1 機関本体
4 ピストン
5 燃焼室
6 吸気弁
7 吸気通路
10 点火プラグ
18 燃料噴射弁
51 正タンブル流
52 逆タンブル流
54 燃料噴霧
55 可燃混合気
4 ピストン
5 燃焼室
6 吸気弁
7 吸気通路
10 点火プラグ
18 燃料噴射弁
51 正タンブル流
52 逆タンブル流
54 燃料噴霧
55 可燃混合気
Claims (5)
- 燃焼室内に配置されたピストンと、燃焼室上部に配置された点火プラグと、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を調整する燃料噴射圧調整手段とを具備し、燃焼室内に均一な混合気を形成する均質燃焼モードと点火プラグ近傍に可燃混合気を形成する成層燃焼モードとの間で切替運転可能であり、均質燃焼をすべきとき、吸気によって燃焼室内に形成されたタンブル流の流れに沿って燃料を噴射し該タンブル流を強化するように燃料噴射時期を設定した筒内噴射式火花点火内燃機関において、
成層燃焼をすべきとき、噴射すべき燃料を第1の燃料噴射と第2の燃料噴射とに分割して燃料噴射を行い、第1の燃料噴射の燃料噴射時期を圧縮行程前半に設定すると共に第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が燃料噴射弁に対向するシリンダボア部分に衝突するように燃料噴射圧を設定し、第2の燃料噴射の燃料噴射時期を圧縮行程後半に設定すると共に第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が燃焼室内に形成されたタンブル流によってその軌道が変化するように第2の燃料噴射の燃料噴射圧を第1の燃料噴射の燃料噴射圧よりも低く設定した筒内噴射式火花点火内燃機関。 - 前記第1の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が、前記シリンダボア部分に衝突後、その一部分が燃焼室下方においてピストン頂面を前記シリンダボア部分側から燃料噴射弁側に沿って旋回する正タンブル流を形成すると共に残りの部分が燃焼室上方において前記正タンブル流と逆方向に旋回する逆タンブル流を形成するように、ピストンの中心軸線に対して垂直な平面と噴射された燃料噴霧の噴射中心軸線とがなす角度を決定し燃料噴射弁を配置すると共に第1の燃料噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射圧を設定し、
形成された正タンブル流及び逆タンブル流は、ピストンの上昇に伴って、正タンブル流が燃料噴射弁側に上昇すると共に逆タンブル流が前記シリンダボア部分側に下降し、これらタンブル流は点火プラグ近傍で合流した後ピストン頂面に向かう合流流れを形成し、
前記第2の燃料噴射によって噴射された燃料の噴霧が、前記正タンブル流によって点火プラグ近傍に導かれ前記逆タンブル流と衝突し、点火プラグ近傍に可燃混合気を滞留させるように第2の燃料噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射圧を設定した請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。 - 前記燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧の広がり角を調整する燃料噴霧広がり角調整手段を更に具備し、成層燃焼時において、燃料噴霧の広がり角を均質燃焼時よりも小さく調整する請求項1又は2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 前記点火プラグが高電圧を印加して放電により火花を生じさせる2つの電極を有し、点火時において、ピストンの中心軸線に対して垂直な平面内で前記放電が行われるように前記2つの電極を配置した請求項1から3のいずれか1つに記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
- 上記ピストンが頂面に凹部を有することによりタンブル流の抵抗を軽減する請求項1から4のいずれか1つに記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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Cited By (1)
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JP2012219628A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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2008
- 2008-12-02 JP JP2008307791A patent/JP2010133282A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120207 |