JP2010133083A - ガラス入り防火戸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 防火戸5の窓枠6に形成されたガラス溝10の両側壁10a内側に夫々耐熱性充填材11を固着し、これらによって間に嵌入された防火ガラス板7の周縁部を挟持し、ガラス溝10の両側壁10a内側と防火ガラス板7の周縁部と耐熱性充填材11下面とを耐熱性封止材12で封着し、耐熱性充填材11を加熱膨張性材料とする一方、ガラス溝10の両側壁10a外側を、ガラス溝拘束部材13の凹状部13aに嵌入し、ガラス溝拘束部材13によって外側に広がらないように拘束した。
【選択図】 図3
Description
上記防火戸は、特定防火設備として建築基準法施行令第112条の規定による認定が必要で、ISOに準ずる認定試験に合格する必要がある。この試験方法は、試験体を過熱炉に入れ、炉内温度を耐火標準加熱温度曲線に沿って加熱開始から60分間で945゜Cに加熱上昇して行なわれ、この間の遮炎性・遮煙性・非損傷性などの防火性能が検証される。
この試験中、ガラス板はその軟化点を越える温度に長時間さらされ、破断・破損を免れたとしても軟化することにより自重によって垂れ下がる。この時、窓枠材加熱に伴う変形によりガラス溝が開いてしまうので、耐熱性充填材によるガラス板の保持力が失われてガラス板が枠材から脱落し、上枠や縦枠との間に隙間を生じてしまうこととなる。この結果、その隙間からの火炎の噴出が発生し、所定の遮炎性を満足することができず、上記認定試験に不合格となるという問題があった。この問題を解決するために、特許文献1〜3に示すガラス板の脱落を防止する手段が講じられている。
特許文献2に記載されている防火ガラスの支持構造は、枠体に形成したガラス板取付凹部(ガラス溝)に把持金具を付設し、その把持金具で防火ガラス板の周縁部を把持し、両把持片とガラス板取付け凹所の両縦辺間に耐熱性充填材として加熱膨張性材料を介在させたものである。この方法は、加熱膨張性材料によりある程度の保持力が得られるが、特許文献1と同様に、熱でガラス板取付凹部自体が広がってしまえばその効果は失われる。また、防火戸を構成する部品点数が多くコスト高であり、質量の大きい防火ガラス板の保持や衝撃に対して、保持力が不足する問題がある。
特許文献3に記載されている防火戸のガラス窓枠構造は、溝部材(ガラス溝)と、その溝部材に接合される側枠部材が、溝部材の側部の内側に重合する側面部を有し、側部と側面部とを所要間隔でスポット溶接し、溝部材にガラス板が挿入され、窓枠が加熱されることで外面側にある側枠部材がより加熱され、溝部材より大きな熱変形を生じ、この為側面部先端が溝中心側に迫出し、ガラス板を保持してその変形を拘束するものであるが、熱変形によって鋼板を波打たせるには、スポット溶接のピッチを枠体の大きさに合わせてその都度変更、試験をするする必要があり経済的ではなく、質量の大きい防火ガラス板の保持に対して不確実である。また、窓枠をスポット溶接して製作するので、曲げ加工に比べてコスト高である。
また特許文献3に記載されている防火戸のガラス窓枠構造は、図6,7に示すように、窓枠の両端と溝部材に、窓枠を胴縁に連結するアンカーを溶接するためのアンカー取付部材を溶接して接合しているが、接合部とガラス板の保持部(溝部材の側部)との距離が離れているので、溝部材の広がりを防止する効果は無く、熱により溝部材が広がってガラス板が脱落するおそれがある。
本発明は、従来技術における上記問題点を解決するもので、安価な構成で、加熱時における窓枠のガラス板保持力の低下を防止し、窓枠から防火ガラス板が脱落しないガラス入り防火戸を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記の構成において、前記耐熱性充填材を加熱膨張性材料としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の構成において、前記窓枠の外周に前記ガラス溝拘束部材を複数設け、ガラス溝拘束部材にアンカーの一端を固着し、他端を前記開口部の胴縁に固着して窓枠を前記防火壁に固定したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、加熱時における耐熱性充填材の膨張によって防火ガラス板の保持力が増加し、防火ガラス板の脱落防止に対してより効果的である。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、ガラス溝拘束部材にアンカーの一端を固着したので、アンカー取付部材を別途設ける必要が無く安価である。
図1は、防火区画や防火壁の開口部を塞ぐガラス入り防火戸の一例を示した図である。防火壁1は、防火戸5の窓枠4周囲に配設された胴縁3内側の開口部4を塞ぐ防火性能を有する防火戸5と、難燃性の壁材2で構成されている。
一方、ガラス溝10の両側壁10a外側は、ガラス溝拘束部材13の凹状部13aに嵌入され、ガラス溝拘束部材13で拘束されて両側壁10aが外側に広がらないようにしている。
本発明の実施の形態では、窓枠6の外周にガラス溝拘束部材13が複数設けられ、ガラス溝拘束部材13の両面に鉄筋棒からなる4本のアンカー9の一端が溶接され、他端が開口部4の胴縁3に溶接されて窓枠6が防火壁1に固定されている。すなわち、ガラス溝拘束部材13とアンカー取付部材8は同一部材である。
さらに、防火ガラス板7の周縁部を挟持する耐熱性充填材11を加熱膨張性材料としたので、耐熱性充填材11が加熱時の熱により膨張することで防火ガラス板7の保持力が増加し、防火ガラス板7の脱落防止に対してより効果的である。
また、ガラス溝拘束部材13にアンカー9の一端を溶接し、アンカー取付部材8とガラス溝拘束部材13と同一部材として兼用したので、窓枠6にアンカー取付部材8を別途設ける必要が無く経済的である。
また、ガラス溝拘束部材13,14に固着されるアンカー9は、必ずしも複数用いる必要はなく、材料も鉄筋棒に限らず平鋼やH形鋼などでもよい。そして、固着方法も溶接に限らず、例えばボルトやナットで固定してもよい。
3 胴縁
4 開口部
5 防火戸
6 窓枠
7 防火ガラス(ガラス板)
8 アンカー取付部材
9 アンカー
10 ガラス溝
10a 両側壁
11 耐熱性充填材
12 耐熱性封止材
13,14 ガラス溝拘束部材
Claims (3)
- 防火区画や防火壁の開口部を塞ぐ防火戸であって、窓枠に形成したガラス溝にガラス板を嵌入保持して構成したガラス入り防火戸において、ガラス溝内側に設けた耐熱性充填材でガラス板の周縁部を挟持し、ガラス溝とガラス板と耐熱性充填材とを耐熱性封止材で封着し、ガラス溝の両側壁外側をガラス溝拘束部材で拘束して両側壁が外側に広がらないようにしたことを特徴とするガラス入り防火戸。
- 前記耐熱性充填材を加熱膨張性材料としたことを特徴とする請求項1記載のガラス入り防火戸。
- 前記窓枠の外周に前記ガラス溝拘束部材を複数設け、ガラス溝拘束部材にアンカーの一端を固着し、他端を前記開口部の胴縁に固着して窓枠を前記防火壁に固定したことを特徴とする請求項1または2記載のガラス入り防火戸。
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