実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。また図2は、本実施の形態に係る無線通信システムが備える基地局1の構成を示す図である。本実施の形態に係る無線通信システムは、例えば、IEEE802.16eに規定されているモバイルWiMAXに準拠したシステムであって、基地局1はOFDMA方式で複数の通信端末2と双方向の無線通信を行う。OFDMA方式で通信を行う基地局1は、サブチャネルとOFDMシンボルとで特定される無線リソースを複数の通信端末2のそれぞれに個別に割り当てることによって、当該複数の通信端末2と同時に通信することが可能となっている。また、基地局1はネットワーク3と接続されており、当該ネットワーク3から送られてくるデータを通信端末2に送信したり、通信端末2からのデータをネットワーク3に出力する。
図2に示されるように、基地局1は、無線受信部11及び無線送信部12を有する無線通信部10と、データ処理部14と、ネットワーク通信処理部15と、ウェイト算出部16と、ウェイト算出時間取得部17と、無線リソース割り当て部18とを備えている。無線受信部11及び無線送信部12は、アンテナとして、複数のアンテナ素子13aから成るアレイアンテナ13を共有している。つまり、アレイアンテナ13は、通信端末2に無線信号を送信する送信アンテナ及び通信端末2からの無線信号を受信する受信アンテナとして機能する。基地局1は、アレイアンテナ13を構成する複数のアンテナ素子13aのそれぞれにウェイト付けを行うことによって、アレイアンテナ13による指向性を通信対象の通信末2に向ける。
ネットワーク通信処理部15は、ネットワーク3から送られてくるIP(Internet Protocol)パケットを受信して、それをデータ処理部14に出力する。
無線受信部11は、アレイアンテナ13の複数のアンテナ素子13aで受信された信号のそれぞれに対して増幅処理やダウンコンバートを行って、複数のアンテナ素子13aで受信された信号をそれぞれベースバンド信号に変換して出力する。
ウェイト算出部16は、通信対象の通信端末2ごとに、通信端末2から送信されてくる既知のサウンディング信号に基づいて、当該通信端末2に割り当てる各サブキャリアの伝送路の品質を推定する。そして、ウェイト算出部16は、その推定結果に基づいて、通信対象の通信端末2ごとに、アレイアンテナ13に適用する受信用のウェイトと送信用のウェイトを、通信端末2に割り当てる各サブキャリアについて算出する。ウェイト算出部16では、受信用及び送信用のウェイトは、例えば、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムなどを用いた収束演算で算出される。
例えば、ある通信端末2が基地局1にデータを送信する際に使用するサブキャリアとして100本のサブキャリアが割り当てられている場合には、本実施の形態に係るアレイアンテナ13は3つのアンテナ素子13aで構成されていることから、ウェイト算出部16では、当該通信端末2について、(100×3)個の受信用のウェイトが算出される。また、基地局1がある通信端末2にデータを送信する際に使用するサブキャリアとして150本のサブキャリアが割り当てられている場合には、ウェイト算出部16では、当該通信端末2について、(150×3)個の送信用のウェイトが算出される。
このように、ウェイト算出部16では、受信用及び送信用のそれぞれについて、アレイアンテナ13を構成するアンテナ素子13aの数と、通信端末2に割り当てられたサブキャリアの数とを掛け合わせて得られる数のウェイトが、通信端末2ごとに求められる。
ウェイト算出時間取得部17は、ウェイト算出部16での送信用のウェイトの算出に必要な時間(以後、「ウェイト算出時間」と呼ぶ)を、通信対象の通信端末2ごとに求める。例えば、基地局1がある通信端末2に対して150個のサブキャリアを使用してデータを送信する場合には、ウェイト算出時間取得部17では、ウェイト算出部16において(150×3)個の送信用のウェイトを算出するのに必要な時間が求められる。
データ処理部14は、無線受信部11から出力される複数のベースバンド信号のそれぞれに対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を行って、当該複数のベースバンド信号のそれぞれについて、それに含まれる複数のサブキャリアを分離して取得する。データ処理部14は、複数のベースバンド信号に含まれていた同一のサブキャリアごとに、当該同一のサブキャリアのそれぞれに対して、ウェイト算出部16で算出された、対応する受信用のウェイトを設定して、各サブキャリアの位相及び振幅を制御する。そして、データ処理部14は、複数のベースバンド信号に含まれていた同一のサブキャリアごとに、ウェイト設定後の当該同一のサブキャリアを合成する。これにより、アレイアンテナ13のビームを希望波に向けることができ、妨害波を除去することができる。データ処理部14は、ウェイト設定後の同一のサブキャリアを合成して得られた信号(以後、「合成サブキャリア」と呼ぶ)のそれぞれに対して復調処理等を行って、通信端末2からの各種データを再生する。
また、データ処理部14はシリアル送信データを生成する。データ処理部14は、生成したシリアル送信データをパラレル送信データに変換して、当該パラレル送信データで、送信に使用する複数のサブキャリアを変調する。この変調後の複数のサブキャリアから成るサブキャリア群は、アンテナ素子13aの数だけ準備される。本実施の形態では、同一の3つのサブキャリア群が準備される。データ処理部14は、複数のサブキャリア群に含まれる同一のサブキャリアごとに、当該同一のサブキャリアのそれぞれに対して、ウェイト算出部16で算出された、対応する送信用のウェイトを設定する。そして、データ処理部14は、複数のサブキャリア群のそれぞれについて、当該サブキャリア群に含まれるウェイト設定後の複数のサブキャリアを合成してベースバンド信号を生成する。これにより、アレイアンテナ13のアンテナ素子13aの数だけ、ベースバンド信号が生成される。データ処理部14は、生成された複数のベースバンド信号を無線送信部12に出力する。
さらに、データ処理部14は、ネットワーク通信処理部15から送られてくるIPパケットをMAC(Medium Access Control)プロトコルデータユニット(以後、単に「PDU」と呼ぶ)に変換する。図3はその変換の様子を示す図である。なお、図3中の♯1〜♯N(N≧2)までの記号は、複数の通信端末2を区別するために本実施の形態で便宜上定めた通信端末2の識別番号を示している。
図3に示されるように、データ処理部14は、直列的に入力される複数のIPパケット200を変換部140において複数のPDU300に変換し、得られた複数のPDU300を通信端末2ごとに振り分ける。そして、データ処理部14は、バッファ141において、通信端末2ごとに、振り分けられたPDU300を一時的に蓄積する(キューイングする)。データ処理部14は、ある通信端末2に対してデータを送信する際には、バッファ141内から当該通信端末2向けの一つあるいは複数のPDUを取得し、当該PDUを含むシリアル送信データを生成する。
無線リソース割り当て部18は、ウェイト算出時間取得部17で取得されたウェイト算出時間を考慮して、下り方向の通信対象の通信端末2に割り当てる無線リソースを決定する。つまり、無線リソース割り当て部18は、下り方向の通信対象の通信端末2にデータを送信する際に使用する無線リソースを、その送信時に使用されるウェイトの算出に必要な時間を考慮して決定する。また無線リソース割り当て部18は、上り方向の通信対象の通信端末2に割り当てる無線リソースを決定する。つまり、無線リソース割り当て部18は、上り方向の通信対象の通信端末2が基地局1にデータを送信する際に使用する無線リソースを決定する。複数の通信端末2に無線リソースが割り当てられる際には、各OFDMシンボルにおいて、周波数軸上に配置された複数のサブキャリアが重複しないように複数の通信端末2に割り当てられる。
無線送信部12は、データ処理部14から入力された複数のベースバンド信号を、アップコンバート及び増幅処理を行った後、複数のアンテナ素子13aにそれぞれ入力する。これにより、アレイアンテナ13からは、通信対象の通信端末2に向かって無線信号が送信される。
次に、モバイルWiMAXでのフレーム100の構成について説明する。図4はフレーム100の構成例を示す図である。モバイルWiMAXでは、基地局1と通信端末2との間の複信方式には、TDD(Time Division Duplexing、時分割複信)方式が採用されている。図4に示されるように、一つのフレーム100は、基地局1から通信端末2へ信号を送信するための下りサブフレーム101と、通信端末2から基地局1に信号を送信するための上りサブフレーム102とで構成されている。そして、フレーム100内には、基地局1が送信から受信に切り替える際のガード時間であるTGG(Transmit Transition Gap)と、基地局1が受信から送信に切り替える際のガード時間であるRTG(Receive Transition Gap)が設けられている。
図4に示されるように、下りサブフレーム101と上りサブフレーム102のそれぞれは、OFDMシンボルの番号で与えられる時間軸と、サブチャネルの番号で与えられる周波数軸とから成る2次元で表現される。ここで、OFDMA方式では、複数のサブキャリアが複数のサブチャネルにグループ分けされ、通信端末2へのサブキャリアの割り当ては、サブチャネル単位で行われる。OFDMA方式では、各通信端末2に対する無線リソースの割り当てが、周波数軸と時間軸とで表現される2次元で行われる。
下りサブフレーム101には、例えば、プリアンブル領域101a、FCH(Frame Control Header)領域101b、DL−MAP(Downlink Map)メッセージ101c、UL−MAP(Uplink Map)メッセージ101d及び複数の下りバースト領域101eが配置される。下りサブフレーム101における、プリアンブル領域101a等の各領域の範囲は、サブチャネル数とOFDMシンボル数とで決定される。このような下りサブフレーム101は、基地局1のデータ処理部14で生成される。
一方で、上りサブフレーム102には、例えば、レンジング領域102a、CQICH領域102b、ACK領域102c、サウンディングゾーン102d及び複数の上りバースト領域102eが配置される。下りサブフレーム101と同様に、上りサブフレーム102における、レンジング領域102a等の各領域の範囲は、サブチャネル数とOFDMシンボル数とで決定される。
プリアンブル領域101aには、通信端末2が基地局1との同期をとるために必要な信号が含められる。FCH領域101bには、DL−MAPメッセージ101cの長さと、そこで使用されている誤り訂正符号の方式及び繰り返し符号の繰り返し数を示すDLFP(Downlink Frame Prefix)などが含められる。通信端末2はDLFPの内容に従ってDL−MAPメッセージ101cを復調する。
複数の下りバースト領域101eのそれぞれには、互いに異なった通信端末2をDL−MAPメッセージ101cによって割り当てることが可能であって、各下りバースト領域101eには、対応する通信端末2へのデータが含められる。図4の下りサブフレーム101では、5つの下りバースト領域101eに対して、♯1〜♯5までの5つの通信端末2がそれぞれ割り当てられている。したがって、図4の下りサブフレーム101においては5つの通信端末2に対するデータが含められる。
DL−MAPメッセージ101cは、それが属する下りサブフレーム101において通信を行う各通信端末2に対する無線リソースの割り当てを示している。DL−MAPメッセージ101cには、下りサブフレーム101において各下りバースト領域101eがどの領域に割り当てられているのか、各下りバースト領域101eに対してどの通信端末2が割り当てられているのかなどの情報が含まれている。したがって、DL−MAPメッセージ101cによって、それが属する下りサブフレーム101で通信を行う通信端末2と、当該通信端末2と通信を行う際に使用されるサブチャネルと、当該通信端末2と通信を行う時間帯とが特定される。各通信端末2は、DL−MAPメッセージ101cの内容を解析することによって、自装置宛のデータが基地局1からどの時間帯(OFDMシンボル)でどのサブチャネルを使用して送信されるかを知ることができる。その結果、各通信端末2では、基地局1からの自装置宛のデータを適切に受信することができる。
UL−MAPメッセージ101dは、それが属する下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102において通信対象となる各通信端末2に対する無線リソースの割り当てを示している。UL−MAPメッセージ101dには、上りサブフレーム102において各上りバースト領域102eがどの領域に割り当てられているのか、上りサブフレーム102中の各上りバースト領域102eに対してどの通信端末2が割り当てられているのかなどの情報が含まれている。したがって、UL−MAPメッセージ101dによって、それが属する下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102において通信を行う通信端末2と、当該通信端末2と通信を行う際に使用されるサブチャネルと、当該通信端末2と通信を行う時間帯とが特定される。各通信端末2は、UL−MAPメッセージ101dの内容を解析することによって、基地局1宛のデータをどの時間帯でどのサブチャネルを使用して送信すべきかを知ることができる。
このようなDL−MAPメッセージ101c及びUL−MAPメッセージ101dは、データ処理部14が、無線リソース割り当て部18での通信端末2に対する無線リソースの割り当て結果に基づいて生成する。
上りサブフレーム102での複数の上りバースト領域102eのそれぞれには、互いに異なった通信端末2がUL−MAPメッセージ101dによって割り当てられており、各上りバースト領域102eには、対応する通信端末2が送信するデータが含められる。図4の上りサブフレーム102では、4つの上りバースト領域102eに対して、♯1〜♯4までの4つの通信端末2がそれぞれ割り当てられている。したがって、図4の上りサブフレーム102においては4つの通信端末2からのデータが含められる。
レンジング領域102aには、帯域要求やレンジングを行うための信号が含められる。CQICH領域102bにはチャネル品質情報が含められる。ACK領域102cには、基地局1からのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgement)あるいはNACK(Negative Acknowledgement)が含められる。
サウンディングゾーン102dには、基地局1のウェイト算出部16がアレイアンテナ13へのウェイトを算出する際に使用する既知のサウンディング信号が含められる。サウンディングゾーン102dには、すべてのサブチャネル、つまりすべてのサブキャリアが割り当てられている。サウンディングゾーン102dに割り当てられている複数のサブチャネルは、当該サウンディングゾーン102dが属する上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う複数の通信端末2に対して重複しないように割り振られている。上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う各通信端末2は、サウンディング信号を、割り当てられているサブチャネルを使用して基地局1に送信する。なお、上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う通信端末2が一つの場合には、当該一つの通信端末2にすべてのサブチャネルが割り当てられ、当該一つの通信端末2は、すべてのサブチャネルを使用してサウンディング信号を送信する。
図5はサウンディングゾーン102dにおける各サブチャネルの通信端末2への割り当て例を示す図である。図5中の♯1〜♯4は、図4の4つの上りバースト領域102eにそれぞれ割り当てられている3つの通信端末2を示している。図5に示される例では、サウンディングゾーン102dに割り当てられている複数のサブチャネルのそれぞれには、♯1〜♯4の4つの通信端末2のいずれか一つが割り当てられている。より具体的には、番号順に並べられた複数のサブチャネルに対して、♯1〜♯4の通信端末2が、最初のサブチャネルから最後のサブチャネルに向かって順番に繰り返して割り当てられている。
このように、モバイルWiMAXにおいては、通信端末2がサウンディング信号を送信する際に使用するサブキャリアとして定められている固定数のサブキャリア(OFDMAで規定されているすべてのサブキャリア)が、上りサブフレーム102での通信対象の複数の通信端末2に重複しないように割り当てられている。したがって、上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う通信端末2の数が少なくなると、上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う各通信端末2がサウンディング信号を送信する際に使用するサブキャリアの数が多くなる。このような通信端末2に対するサブキャリアの割り当ては、下りサブフレーム101のUL−MAPメッセージ101dで行われている。UL−MAPメッセージ101dでは、それが属する下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102において基地局1と通信する各通信端末2がサウンディング信号を送信する際にどのサブチャネルを使用するかが記述されている。UL−MAPメッセージ101dを含む下りサブフレーム101の後に続く上りサブフレーム102において基地局1と通信を行う各通信端末2は、当該UL−MAPメッセージ101dにおいて自装置用として指定されているサブチャネル(複数のサブキャリア)を使用してサウンディング信号を基地局1に送信する。具体的には、通信端末2は、指定された複数のサブキャリアをサウンディング信号で変調し、変調後の複数のサブキャリアを重畳して得られる信号を基地局1に送信する。
なお、下りサブフレーム101における、プリアンブル領域101a、FCH領域101b、DL−MAPメッセージ101c及びUL−MAPメッセージ101dのデータは、基地局1の通信エリアに存在するすべての通信端末2に向けたデータであるため、これらのデータが送信される際には、アレイアンテナ13はビームフォーミングされない。一方で、下りバースト領域101eのデータについては、特定の通信端末2に向けたデータであるため、アレイアンテナ13はビームフォーミングされる。つまり、無線送信部12及びデータ処理部14から成る送信部は、下りバースト領域101eのデータを含む信号を、対象の通信端末2に対して、ウェイト算出部16で算出された、当該通信端末2に対応した送信用のウェイトに基づいてアレイアンテナ13から送信する。
また、モバイルWiMAXでは、サブチャネル配置法として、様々な方法が規定されている。そのうちのPUSC(Partial Usage of Subchannels)では、下り方向の通信で適用される下りPUSCと、上り方向の通信で適用される上りPUSCとが存在する。下りPUSCでは、それぞれが複数のサブチャネルを含む複数のメジャーグループが規定されている。図6は、FFTサイズが1024の場合において、下りPUSCで規定されている6つのメジャーグループ0〜5の構成を示す図である。
図6に示されるように、メジャーグループ0,2,4のそれぞれには6つのサブチャネルが含まれており、メジャーグループ1,3,5のそれぞれには4つのサブチャネルが含まれている。基地局1が、下りバースト領域101eでのサブチャネル配置法として下りPUSCを採用した場合には、下りバースト領域101eには、メジャーグループ単位でサブチャネルを割り当てる必要がある。つまり、基地局1は、データバーストを送信する対象の通信端末2に対するサブチャネルの割り当てはメジャーグループ単位で行わなければならない。下りバースト領域101eには、一つのメジャーグループを割り当てても良いし、複数のメジャーグループを割り当てても良い。ただし、複数のメジャーグループを割り当てる際には、番号が連続した複数のメジャーグループしか割り当てることができない。
さらに、モバイルWiMAXでは、下りバースト領域101eについては、図4や図6のように、横軸にOFDMシンボルをとり、縦軸にサブチャネルをとった、OFDMシンボル(時間)−サブチャネル平面上において、その形状が矩形とならなければならない。
なお、図6において太線で示された下りバースト領域101eでは、3つのメジャーグループ0〜2が割り当てられている。以後、下りバースト領域101eのサブチャネル配置法としては、下りPUSCが採用されているものとする。
本実施の形態に係る基地局1では、無線リソース割り当て部18が、ウェイト算出時間取得部17で取得されるウェイト算出時間に基づいて、下りサブフレーム101における、下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を決定する。つまり、無線リソース割り当て部18は、通信端末2に対してデータバーストを送信する時間帯を、当該通信端末2に適用される送信用のウェイトについてのウェイト算出時間に基づいて決定する。これにより、通信端末2に適用されるウェイトの算出が完了した後に当該ウェイトを使用して当該通信端末2にデータを送信することができる。以下に、このことについて詳細に説明する。
なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、一例として、下りバースト領域101eが占めるメジャーグループは、0番及び1番の2つのメジャーグループ、2番及び3番の2つのメジャーグループ及び4番及び5番の2つのメジャーグループのいずれかの2つのメジャーグループであるものとし、下りバースト領域101eが占めるOFDMシンボルの数は常に一定であるとする。つまり、以下の説明では、下りサブフレーム101において、互いに異なる通信端末2に割り当てられる複数の下りバースト領域101eの形状は同一とする。したがって、下りサブフレーム101において、通信端末2にデータバーストを送信する際に使用されるサブキャリアの数と、当該通信端末2にデータバーストを送信している時間とは、常に一定となる。通信端末2にデータバーストを送信する際に使用されるサブキャリアの数をMとして説明する。
図7は通信端末2にデータバーストが送信されるまでの基地局1の動作を示すフローチャートである。図7に示されるように、ステップs1において、基地局1は、ある下りサブフレーム101のUL−MAPメッセージ101dを利用して、次の下りサブフレーム101においてデータバーストを送信すべき各通信端末2に対してサウンディング信号を送信するように指示を行う。ステップs1では、データ処理部14が、サウンディング信号を送信すべき通信端末2と、当該通信端末2がサウンディング信号を送信する際に使用するサブチャネルとを指定するUL−MAPメッセージ101dを生成する。データ処理部14で生成されたUL−MAPメッセージ101dを含む下りサブフレーム101は、無線送信部12を通じて対象の通信端末2に送信される。この下りサブフレーム101に含まれるUL−MAPメッセージ101dを受信した通信端末2は、当該UL−MAPメッセージ101dにおいて自装置用のサブチャネルが指定されている場合には、当該サブチャネルを使用してサウンディング信号を基地局1に送信する。
次にステップs2において、基地局1は、ステップs1で送信された下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102を受信して、ステップs1の下りサブフレーム101で指定した各通信端末2からサウンディング信号を受信する。
次にステップs3において、基地局1は、ウェイト算出部16において、受信したサウンディング信号に基づいて、次の下りサブフレーム101においてデータバーストを送信する対象の各通信端末2についての送信用のウェイトの算出を開始する。ウェイト算出部16では、通信端末2についての送信用のウェイトが1台ずつ順に算出される。つまり、ウェイト算出部16は、ある通信端末2についての送信用のウェイトの算出が完了すると、別の通信端末2についての送信用のウェイトの算出を開始する。
次にステップs4において、基地局1は、ウェイト算出時間取得部17において、次の下りサブフレーム101においてデータバーストを送信する対象の通信端末2ごとに、当該通信端末2に適用される送信用のウェイトについてのウェイト算出時間を求める。
ここで、ウェイト算出部16では、各通信端末2についての送信用のウェイトを、当該通信端末2に割り当てるサブキャリアごとに算出していることから、ある通信端末2にデータバーストを送信する際に割り当てるサブキャリアの数が多くなれば、それに比例して、当該通信端末2についての送信用のウェイトの算出が完了するまでの時間が増加する。したがって、ある通信端末2にデータバーストを送信する際に割り当てるサブキャリアの数を変数mとすると、当該通信端末2についてのウェイト算出時間Tcalは、以下の式(1)で表すことができる。
Tcal=F(m) ・・・(1)
ここで、F(m)はmの値によって単調増加する関数を意味する。
ウェイト算出時間取得部17は、式(1)を用いて、次の下りサブフレーム101でデータバーストを送信する対象の各通信端末2についてウェイト算出時間Tcalを計算し取得する。本例では、基地局1がデータバーストを送信する際に各通信端末2に割り当てるサブキャリア数はMで固定であるため、各通信端末2についてのウェイト算出時間Tcalは、Tcal=F(M)となる。以後、♯1〜♯5の通信端末2についてのウェイト算出時間Tcalを、それぞれウェイト算出時間Tcal1〜Tcal5とする。
なお、本例のように、基地局1がデータバーストを送信する際に通信端末2に割り当てるサブキャリアの数が固定である場合には、式(1)の変数mにMを代入して得られるウェイト算出時間Tcalをメモリに予め記憶しておいて、ウェイト算出時間取得部17は、当該メモリからウェイト算出時間Tcalを取得しても良い。これにより、ウェイト算出時間取得部17は、計算することなくウェイト算出時間Tcalを取得できる。
次にステップs5において、基地局1は、無線リソース割り当て部18において、次の下りサブフレーム101での通信対象の各通信端末2に対して無線リソースを割り当てる。具体的には、無線リソース割り当て部18は、次の下りサブフレーム101での通信対象の各通信端末2について、データバーストを送信する時間帯と当該データバーストを送信する際に使用するサブチャネルを決定する。つまり、無線リソース割り当て部18は、各通信端末2に割り当てる下りバースト領域101eの下りサブフレーム101での位置を決定する。
図8は、下りサブフレーム101において、♯1の通信端末2だけと通信を行う場合において、♯1の通信端末2に割り当てる下りバースト領域101eの位置を決定する方法を説明するための図である。図8に示されるように、上りサブフレーム102に含まれる、♯1の通信端末2からのサウンディング信号に基づいて、基地局1が♯1の通信端末2の送信用のウェイトの算出を開始する時間Teから、当該上りサブフレーム102に続く下りサブフレーム101における、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの開始時間Ts1までの時間間隔Ti1がTcal1よりも大きくなるように、♯1の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向(OFDMシンボル軸方向)の位置を設定する。これにより、基地局1では、♯1の通信端末2に対するデータバーストの送信を開始する時点(開始時間Ts1)においては、♯1の通信端末2に適用される送信用のウェイトの算出は完了するようになり、基地局1は、算出完了後の送信用のウェイトに基づいてデータバーストをアレイアンテナ13から♯1の通信端末2に送信することができる。一方で、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eのサブチャネル軸方向の位置は、例えば、当該下りバースト領域101eがメジャーグループ0,1を占めるように設定する。
なお、下りサブフレーム101では、プリアンブル領域101aやFCH領域101b等の制御データが含まれる領域が時間的に最初に配置されるため、当該領域の時間的に後に下りバースト領域101eを配置する必要がある。また、♯1の通信端末2に対して早期にデータバーストを送信するために、♯1の通信端末2に割り当てるバースト領域101eは、できるだけ時間的に前に配置する方が望ましい。つまり、♯1の通信端末2に割り当てるバースト領域101eは、プリアンブル領域101aやFCH領域101b等の制御データが含まれる領域に隣接して配置する方が望ましい。
図9は、下りサブフレーム101において、♯1及び♯2の2つの通信端末2と通信を行う場合において、♯1及び♯2の通信端末2のそれぞれに割り当てる下りバースト領域101eの位置を決定する方法を説明するための図である。まず、無線リソース割り当て部18は、上述と同様にして、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定する。
次に、無線リソース割り当て部18は、図9に示されるように、上りサブフレーム102に含まれる、♯1の通信端末2からのサウンディング信号に基づいて、基地局1が♯1の通信端末2の送信用のウェイトの算出を開始する時間Teから、当該上りサブフレーム102に続く下りサブフレーム101における、♯2の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの開始時間Ts2までの時間間隔Ti2が、(Tcal1+Tcal2)よりも大きくなるように、♯2の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定する。ウェイト算出部16では、♯1の通信端末2、♯2の通信端末2の順に、送信用のウェイトが算出されることから、時間間隔Ti2を(Tcal1+Tcal2)よりも大きくすることによって、基地局1では、♯2の通信端末2に対するデータバーストの送信を開始する時点(開始時間Ts2)においては、♯2の通信端末2に適用される送信用のウェイトの算出は完了するようになり、基地局1は、算出完了後の送信用のウェイトに基づいてデータバーストを♯2の通信端末2に送信することができる。
一方で、♯2の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eのサブチャネル軸方向の位置は、例えば、当該下りバースト領域101eがメジャーグループ2,3を占めるように設定する。
なお、♯2の通信端末2に対して早期にデータバーストを送信するために、♯2の通信端末2に割り当てる下りバースト領域101eも、できるだけ時間的に前に配置する方が望ましい。例えば、図10に示されるように、下りサブフレーム101において下りバースト領域101eをできるだけ時間的に前に配置した♯1の通信端末2についての時間間隔Ti1が(Tcal1+Tcal2)よりも大きい場合には、♯2の通信端末2の下りバースト領域101eを、♯1の通信端末2の下りバースト領域101eと同じ時間帯に配置する。つまり、♯1及び♯2の通信端末2についての2つの下りバースト領域101eを、時間−サブチャネル平面上において上下に並べる。なお、本例では、最大で3つの下りバースト領域101eを同一時間帯に配置できる。
図11は、下りサブフレーム101において、♯1〜♯3の3つの通信端末2と通信を行う場合において、♯1〜♯3の通信端末2のそれぞれに割り当てる下りバースト領域101eの位置を決定する方法を説明するための図である。まず、無線リソース割り当て部18は、上述と同様にして、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯2の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定する。
次に、無線リソース割り当て部18は、図11に示されるように、上りサブフレーム102に含まれる、♯1の通信端末2からのサウンディング信号に基づいて、基地局1が♯1の通信端末2の送信用のウェイトの算出を開始する時間Teから、当該上りサブフレーム102に続く下りサブフレーム101における、♯3の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの開始時間Ts3までの時間間隔Ti3が、(Tcal1+Tcal2+Tcal3)よりも大きくなるように、♯3の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定する。ウェイト算出部16では、♯1の通信端末2、♯2の通信端末2、♯3の通信端末2の順に、送信用のウェイトが算出されることから、時間間隔Ti3を(Tcal1+Tcal2+Tcal3)よりも大きくすることによって、基地局1では、♯3の通信端末2に対するデータバーストの送信を開始する時点(開始時間Ts3)においては、♯3の通信端末2に適用される送信用のウェイトの算出は完了するようになる。よって、基地局1は、算出完了後の送信用のウェイトに基づいてデータバーストを♯3の通信端末2に送信することができる。
一方で、♯3の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eのサブチャネル軸方向の位置は、例えば、当該下りバースト領域101eがメジャーグループ4,5を占めるように設定する。
なお、♯3の通信端末2に対して早期にデータバーストを送信するために、♯3の通信端末2に割り当てるバースト領域101eも、できるだけ時間的に前に配置する方が望ましい。例えば、図12に示されるように、下りサブフレーム101において下りバースト領域101eをできるだけ時間的に前に配置した♯1の通信端末2についての時間間隔Ti1が(Tcal1+Tcal2+Tcal3)よりも大きい場合には、♯2及び♯3の通信端末2の下りバースト領域101eを、♯1の通信端末2の下りバースト領域101eと同じ時間帯に配置する。つまり、♯1〜♯3の通信端末2についての3つの下りバースト領域101eを、時間−サブチャネル平面上において上下に1列に並べる。
図13は、下りサブフレーム101において、♯1〜♯4の4つの通信端末2と通信を行う場合において、♯1〜♯4の通信端末2のそれぞれに割り当てる下りバースト領域101eの位置を決定する方法を説明するための図である。まず、無線リソース割り当て部18は、上述と同様にして、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯2の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯3の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定する。これにより、図13に示されるように、♯1〜♯3の通信端末2についての下りバースト領域101eが、例えば図12のように配置される。
次に、無線リソース割り当て部18は、図13に示されるように、上りサブフレーム102に含まれる、♯1の通信端末2からのサウンディング信号に基づいて、基地局1が♯1の通信端末2の送信用のウェイトの算出を開始する時間Teから、当該上りサブフレーム102に続く下りサブフレーム101における、♯4の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの開始時間Ts4までの時間間隔Ti4が、(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4)よりも大きくなるように、♯4の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定する。ウェイト算出部16では、♯1の通信端末2、♯2の通信端末2、♯3の通信端末2、♯4の通信端末2の順に、送信用のウェイトが算出されることから、時間間隔Ti4を(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4)よりも大きくすることによって、基地局1では、♯4の通信端末2に対するデータバーストの送信を開始する時点(開始時間Ts4)においては、♯4の通信端末2に適用される送信用のウェイトの算出は完了するようになる。よって、基地局1は、算出完了後の送信用のウェイトに基づいてデータバーストを♯4の通信端末2に送信することができる。
一方で、♯4の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eのサブチャネル軸方向の位置は、例えば、当該下りバースト領域101eがメジャーグループ0,1を占めるように設定する。
なお、♯4の通信端末2に対して早期にデータバーストを送信するために、♯4の通信端末2に割り当てるバースト領域101eも、できるだけ時間的に前に配置する方が望ましい。
また、図14に示されるように、♯3の通信端末2についての下りバースト領域101eの開始時間Ts3から、♯4の通信端末2についての下りバースト領域101eの開始時間Ts4までの時間間隔Ti34が、(Tcal4)よりも大きくなるように、♯4の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定しても良い。この場合であっても、♯4の通信端末2についての時間間隔Ti4は、結果的には(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4)よりも大きくなる。
図15は、下りサブフレーム101において、♯1〜♯5の5つの通信端末2と通信を行う場合において、♯1〜♯5の通信端末2のそれぞれに割り当てる下りバースト領域101eの位置を決定する方法を説明するための図である。まず、無線リソース割り当て部18は、上述と同様にして、♯1の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯2の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯3の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定し、その後、上述と同様にして、♯4の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの位置を決定する。これにより、図15に示されるように、♯1〜♯4の通信端末2についての下りバースト領域101eが、例えば図13のように配置される。
次に、無線リソース割り当て部18は、図15に示されるように、上りサブフレーム102に含まれる、♯1の通信端末2からのサウンディング信号に基づいて、基地局1が♯1の通信端末2の送信用のウェイトの算出を開始する時間Teから、当該上りサブフレーム102に続く下りサブフレーム101における、♯5の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eの開始時間Ts5までの時間間隔Ti5が、(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4+Tcal5)よりも大きくなるように、♯5の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定する。ウェイト算出部16では、♯1の通信端末2、♯2の通信端末2、♯3の通信端末2、♯4の通信端末2、♯5の通信端末2の順に、送信用のウェイトが算出されることから、時間間隔Ti5を(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4+Tcal5)よりも大きくすることによって、基地局1では、♯5の通信端末2に対するデータバーストの送信を開始する時点(開始時間Ts5)においては、♯5の通信端末2に適用される送信用のウェイトの算出は完了するようになる。その結果、基地局1は、算出完了後の送信用のウェイトに基づいてデータバーストを♯5の通信端末2に送信することができる。
一方で、♯5の通信端末2に割り当てられる下りバースト領域101eのサブチャネル軸方向の位置は、例えば、当該下りバースト領域101eがメジャーグループ2,3を占めるように設定する。
なお、♯5の通信端末2に対して早期にデータバーストを送信するために、♯5の通信端末2に割り当てるバースト領域101eも、できるだけ時間的に前に配置する方が望ましい。
また、図16に示されるように、上述の条件を満たす限り、♯4の通信端末2の下りバースト領域101eと、♯5の通信端末2の下りバースト領域101eとを同じ時間帯に配置しても良い。
また、図17に示されるように、♯4の通信端末2についての下りバースト領域101eの開始時間Ts4から、♯5の通信端末2についての下りバースト領域101eの開始時間Ts5までの時間間隔Ti45が、(Tcal5)よりも大きくなるように、♯5の通信端末2についての下りバースト領域101eの時間軸方向の位置を設定しても良い。この場合であっても、♯5の通信端末2についての時間間隔Ti5は、結果的には(Tcal1+Tcal2+Tcal3+Tcal4+Tcal5)よりも大きくなる。
次にステップs6において、基地局1は、次の下りサブフレーム101において通信対象となる各通信端末2について、ステップs5で割り当てられた無線リソースで送信するデータバーストのデータ量をデータ処理部14で決定する。つまり、データ処理部14は、通信端末2に対する送信データ量を決定する送信データ量決定部として機能する。
ここで、モバイルWiMAXにおいては、通信端末2に対する無線リソースの割り当ては「スロット」と呼ばれる単位で行われる。サブチャネル配置法として下りPUSCを採用した場合には、1つサブチャネルと2つのOFDMシンボルで1つのスロットが構成される。なお、上りPUSCでは1つサブチャネルと3つのOFDMシンボルで1つのスロットが構成され、FUSC(Full Usage of Subchannels)では1つサブチャネルと1つのOFDMシンボルで1つのスロットが構成される。
本実施の形態では、通信端末2に対してデータバーストを送信する際において、必要なスロットの数が、当該通信端末2に割り当てられる少なくとも一つのメジャーグループ(本例では2つのメジャーグループ)を構成するサブチャネルの総数L(本例ではL=10)の倍数となるように、当該通信端末2に対するデータバーストの送信データ量を決定する。これにより、各通信端末2に割り当てられた下りバースト領域101eが占める全スロット400を使用して、言い換えれば、各通信端末2に割り当てられた無線リソースを構成する全スロット400を使用してバーストデータを送信することができる。図18はその様子を示す図である。図18に示される斜線の四角形はデータバーストの送信で使用されるスロット400を示している。図18の例では、通信端末2にデータバーストを送信する際に必要なスロット400の数が、当該通信端末2に割り当てられた2つのメジャーグループを構成するサブチャネルの総数である“10”の6倍となるように、データバーストの送信データ量が決定されている。
これに対して、通信端末2に対してデータバーストを送信する際において、総数Lを考慮せずに、当該通信端末2に対するデータバーストの送信データ量を決定した場合には、図19に示されるように、当該通信端末2に割り当てられた無線リソース中に使用されないスロット400(図19での斜線の無い四角形)が存在する可能性がある。その結果、基地局1での通信端末2に対するデータの送信効率が低下することがある。
本実施の形態では、通信端末2に割り当てられた無線リソースを構成する全スロット400を使用してバーストデータを送信することができるため、基地局1での通信端末2に対するデータの送信効率が向上する。
なお、通信端末2に割り当てられた下りバースト領域101eが、6個のサブチャネルで構成された1つのメジャーグループを占める場合には、図20に示されるように、通信端末2にデータバーストを送信する際に必要なスロット400の数が、6の倍数となるように、データバーストの送信データ量が決定される。また、下りバースト領域101eが、それぞれが6個のサブチャネルで構成された2つのメジャーグループと、4個のサブチャネルで構成された1つのメジャーグループとを占める場合には、図21に示されるように、通信端末2にデータバーストを送信する際に必要なスロット400の数が、16の倍数となるように、データバーストの送信データ量が決定される。
ステップs6において、次の下りサブフレーム101での通信対象の各通信端末2に対する送信データ量が決定されると、ステップs7において、データ処理部14は、各通信端末2について、ステップs6で決定された送信データ量のPDU300をデータバーストしてバッファ141から読み出す。そして、データ処理部14は、各通信端末2に対して、読み出したデータバーストを、割り当てられている無線リソースを使用して無線送信部12を通じて送信する。
以上のように、本実施の形態に係る基地局1では、通信端末2に対して当該通信端末2に対応するウェイトに基づいて信号を送信する時間帯が、当該ウェイトの算出に必要な時間であるウェイト算出時間に基づいて決定されるため、算出完了後のウェイトに基づいて通信端末2に信号を送信することができる。その結果、アレイアンテナ13の指向性を適切に通信端末2に向けることができ、基地局1と通信端末2との通信品質を向上することができる。
なお、上述の例では、データバーストを送信する対象の複数の通信端末2に対して無線リソースを割り当てる際には、同じ数のサブチャネルと同じ数のOFDMシンボルを割り当てていたが、異なる数のサブチャネルを割り当てても良いし、異なる数のOFDMシンボルを割り当てても良い。通信端末2に割り当てるサブチャネルの数やOFDMシンボルの数はQoS(Quality of Service)等によって決定すればよい。