JP2010130176A - 通信装置及び再送制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信装置が、通信相手装置に早期にデータを再送することが可能な技術を提供する。
【解決手段】基地局1の再送方法決定部16は、第1及び第2の再送方法のいずれか一つを、基地局1が通信端末に対してデータを再送する方法として決定する。第1の再送方法では、HARQ方式でデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、MAC−ARQ方式でデータの再送を行う。第2の再送方法では、MAC−ARQ方法のみでデータの再送を行う。再送方法決定部16は、一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、第2の再送方法の使用を決定し、所定のしきい値よりも小さい場合には、第1の再送方法の使用を決定する。
【選択図】図2
【解決手段】基地局1の再送方法決定部16は、第1及び第2の再送方法のいずれか一つを、基地局1が通信端末に対してデータを再送する方法として決定する。第1の再送方法では、HARQ方式でデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、MAC−ARQ方式でデータの再送を行う。第2の再送方法では、MAC−ARQ方法のみでデータの再送を行う。再送方法決定部16は、一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、第2の再送方法の使用を決定し、所定のしきい値よりも小さい場合には、第1の再送方法の使用を決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、TDD(Time Division Duplexing)方式を用いて通信相手装置と通信を行うとともに、当該通信相手装置との間のARQ(Automatic Repeat Request)方式として複数のARQ方式が規定されている通信装置及び当該通信装置での再送制御方法に関する。
従来から無線通信に関して様々な技術が提案されている。例えば、非特許文献1には、次世代PHS(Personal Handyphone System)についての規格が記載されている。また、特許文献1には、無線通信で使用されるARQ(Automatic Repeat Request:自動再送要求)方式の一つであるHARQ(Hybrid ARQ)方式に関する技術が記載されている。
非特許文献1に記載されているように、次世代PHSでは複数のARQ方式が規定されている。具体的には、次世代PHSでは、物理層で行われるHARQ方式と、MAC(Media Access Control)層で行われるARQ方式(以後、「MAC−ARQ方式」と呼ぶ)との2種類が規定されている。HARQ方式では、受信側装置は、受信データに対して誤り検出を行い、受信データの誤りを検出すると、送信側装置にデータの再送を要求する。一方で、MAC−ARQ方式では、受信側装置は、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出し、シーケンス番号の抜けを検出すると、抜けているシーケンス番号のデータの再送を送信側装置に要求する。次世代PHSでは、まずHARQ方式で再送制御が行われ、それでもなお受信側装置がデータを正常に受信できない場合には、MAC−ARQ方式に切り替えられて再送制御が行われる。
ARIB STD-T95 Version 1.1
国際公開第06/051827号パンフレット
上述のような次世代PHSでは、MAC−ARQ方式で再送制御を行った方が早期にデータの再送が行える場合であっても、まず最初にHARQ方式で再送制御が行われるため、データの再送が遅れることがあった。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、通信装置が、通信相手装置に早期にデータを再送することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る通信装置は、TDD(Time Division Duplexing)方式を用いて通信相手装置と通信を行うとともに、当該通信相手装置との間のARQ(Automatic Repeat Request)方式として第1及び第2のARQ方式が規定されている通信装置であって、前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第1のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、(a−1)前記通信相手装置が、受信データに対して誤り検出を行う処理と、(a−2)前記通信相手装置が、前記処理(a−1)において受信データの誤りを検出すると、前記通信装置に対してデータの再送要求を行う処理と、(a−3)前記通信装置が、前記処理(a−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理とが実行され、前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第2のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、(b−1)前記通信相手装置が、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する処理と、(b−2)前記通信相手装置が、前記処理(b−1)において受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、前記通信装置に対して、抜けているシーケンス番号のデータの再送要求を行う処理と、(b−3)前記通信装置が、前記処理(b−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理とが実行され、前記第1及び第2のARQ方式の間では、前記処理(b−1)において前記通信相手装置が受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出してから、前記処理(b−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間は、前記処理(a−1)において前記通信相手装置が受信データの誤りを検出してから、前記処理(a−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間よりも短く設定されており、前記通信装置は、前記通品相手装置に対してデータを送信する送信部と、前記通品相手装置から送信されるデータを受信する受信部と、前記第1のARQ方式で前記通信相手装置に対してデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、前記通信相手装置に対して前記第2のARQ方式でデータの再送を行う第1の再送方法と、前記第2のARQ方式のみを使用して前記通信相手装置に対してデータの再送を行う第2の再送方法とのいずれの再送方法を使用するか決定する決定部とを備え、前記第1及び第2の再送方法のうち前記決定部で使用が決定された再送方法は、前記送信部を通じて前記通品相手装置に通知され、前記決定部は、一のTDDフレームで前記送信部から送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、前記第2の再送方法の使用を決定し、一のTDDフレームで前記送信部から送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、前記第1の再送方法の使用を決定する。
また、本発明に係る通信装置の一態様では、前記第1のARQ方式は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD−T95に規定されている、物理層で行われるHARQ(Hybrid ARQ)方式であって、前記第2のARQ方式は、ARIB STD−T95に規定されている、MAC層で行われるARQ方式である。
また、本発明に係る再送制御方法は、TDD(Time Division Duplexing)方式を用いて通信相手装置と通信を行うとともに、当該通信相手装置との間のARQ(Automatic Repeat Request)方式として第1及び第2のARQ方式が規定されている通信装置での再送制御方法であって、前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第1のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、(a−1)前記通信相手装置が、受信データに対して誤り検出を行う処理と、(a−2)前記通信相手装置が、前記処理(a−1)において受信データの誤りを検出すると、前記通信装置に対してデータの再送要求を行う処理と、(a−3)前記通信装置が、前記処理(a−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理とが実行され、前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第2のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、(b−1)前記通信相手装置が、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する処理と、(b−2)前記通信相手装置が、前記処理(b−1)において受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、前記通信装置に対して、抜けているシーケンス番号のデータの再送要求を行う処理と、(b−3)前記通信装置が、前記処理(b−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理とが実行され、前記第1及び第2のARQ方式の間では、前記処理(b−1)において前記通信相手装置が受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出してから、前記処理(b−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間は、前記処理(a−1)において前記通信相手装置が受信データの誤りを検出してから、前記処理(a−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間よりも短く設定されており、前記再送制御方法は、(c−1)前記第1のARQ方式で前記通信相手装置に対してデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、前記通信相手装置に対して前記第2のARQ方式でデータの再送を行う第1の再送方法と、前記第2のARQ方式のみを使用して前記通信相手装置に対してデータの再送を行う第2の再送方法とのいずれの再送方法を使用するか決定する工程と、(c−2)前記第1及び第2の再送方法のうち前記工程(c−1)で使用が決定された再送方法を前記通品相手装置に通知する工程とを備え、前記工程(c−1)では、一のTDDフレームで前記通信相手装置に送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、前記第2の再送方法の使用が決定され、一のTDDフレームで前記通信相手装置に送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、前記第1の再送方法の使用が決定される。
本発明によれば、一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、第2の再送方法の使用が決定される。一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、一のTDDフレームで送信されるデータに含まれるシーケンス番号の数が多くなるため、短時間でシーケンス番号の抜けを検出することができる。したがって、この場合には、受信エラーの検出からデータ再送までにかかる時間が短い第2のARQ方式だけが使用される第2の再送方法を採用することによって、早期にデータの再送を行うことができる。
一方で、本願発明によれば、一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、第1の再送方法の使用が決定される。一のTDDフレームで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、一のTDDフレームで送信されるデータに含まれるシーケンス番号の数が少なくなるため、長時間、シーケンス番号の抜けが検出できないことがある。したがって、この場合には、シーケンス番号を用いずに受信エラーを検出する第1のARQ方式が使用された後に第2のARQ方式が使用される第1の再送方法を採用することによって、早期にデータの再送を行うことができる。
図1は本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。本実施の形態に係る無線通信システムは、例えば、上述の非特許文献1に規定されている次世代PHSに準拠したシステムであって、基地局1は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で複数の通信端末2と双方向の無線通信を行う。基地局1は、時間軸と周波数軸とからなる2次元で特定される無線リソースを複数の通信端末2のそれぞれに個別に割り当てることによって、当該複数の通信端末2と同時に通信することが可能となっている。また、基地局1は、送信期間と受信期間とが交互に繰り返して現れるTDD(Time Division Duplexing)方式に基づいて通信端末2と通信を行う。さらに、基地局1はネットワーク3と接続されており、当該ネットワーク3から送られてくるデータを通信端末2に送信したり、通信端末2からのデータをネットワーク3に出力する。
図2は基地局1の構成を示す図である。図2に示されるように、基地局1は、受信部11及び送信部12を有する無線通信部10と、受信データ処理部14と、送信データ生成部15と、再送方法決定部16と、ネットワーク接続部17と、データバッファ部18と、無線リソース割り当て部19とを備えている。受信部11及び送信部12は送受信アンテナ13を共有している。
受信部11は、送受信アンテナ13で受信された信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って、送受信アンテナ13で受信された信号をベースバンド信号に変換して出力する。
受信データ処理部14は、受信部11から出力されるベースバンド信号に対して復調処理等を行って、通信対象の各通信端末2からの各種データを再生する。そして、受信データ処理部14は、再生した各種データのうちネットワーク3に出力すべきデータをIPパケットに変換してネットワーク接続部17に出力する。
無線リソース割り当て部19は、受信データ処理部14で取得された受信データに基づいて、基地局1が通信端末2にデータを送信する際に使用する無線リソースや、通信端末2が基地局1にデータを送信する際に使用する無線リソースを、通信対象の通信端末2に割り当てる。
ネットワーク接続部17は、受信データ処理部14から入力されたIPパケットをネットワーク3に出力する。また、ネットワーク接続部17は、ネットワーク3から送られてきたIPパケットをデータバッファ部18に蓄積する。
送信データ生成部15は、データバッファ部18に蓄積されているIPパケットを読み出す。そして、送信データ生成部15は、MAC層において、読み出したIPパケットのデータを含むMACフレームを生成する。その後、送信データ生成部15は、物理層において、少なくとも一つのMACフレームを含む物理層フレームを生成する。送信データ生成部15は、通信対象の通信端末2向けの物理層フレームと、当該通信端末2に対して無線リソース割り当て部19で割り当てられた無線リソースとに基づいて、一のTDDフレームで送信する送信データを生成する。そして、送信データ生成部15は、生成した送信データに基づいて複数のサブキャリアを変調し、変調後の複数のサブキャリアを合成してベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は送信部12に入力される。
送信部12は、入力されたベースバンド信号を、アップコンバート及び増幅処理を行った後、送受信アンテナ13に入力する。これにより、送受信アンテナ13からは、通信対象の通信端末2に向かって無線信号が送信される。
再送方法決定部16は、基地局1が通信端末2に対してデータの再送を行う際に使用する再送方法を決定する。本実施の形態に係る無線通信システムでは、基地局1と通信端末2との間のデータの再送方法として、第1の再送方法と第2の再送方法の2種類が規定されている。また、本実施の形態に係る無線通信システムでは、基地局1と通信端末2との間のARQ方式として、物理層で行われるHARQ方式と、MAC層で行われるARQ方式であるMAC−ARQ方式が規定されている。第1の再送方法では、HARQ方式とMAC−ARQ方式との両方が使用され、第2の再送方法では、MAC−ARQ方式のみが使用される。再送方法決定部16は、第1及び第2の再送方法のうちのいずれか一つを、通信端末2にデータを再送する際に使用する再送方法として決定する。送信データ生成部15及び受信データ処理部14では、再送方法決定部16で決定された再送方法に従って、通信端末2に対するデータ再送に関する処理が行われる。また、送信データ生成部15は、再送方法決定部16で決定された再送方法を示す情報を送信部12を通じて通信端末2に送信する。これにより、通信端末2には、再送方法決定部16で使用が決定された再送方法が通知され、通信端末2は、その再送方法に従って動作する。なお、第1及び第2の再送方法とHARQ方式及びMAC−ARQ方式については、後で詳細に説明する。
図3は各通信端末2の構成を示す図である。図3に示されるように、通信端末2は、受信部21及び送信部22を有する無線通信部20と、受信データ処理部24と、送信データ生成部25と、再送方法決定部26と、アプリケーション実行部27と、操作部28とを備えている。受信部21及び送信部22は送受信アンテナ23を共有している。
受信部21は、送受信アンテナ23で受信された信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って、送受信アンテナ23で受信された信号をベースバンド信号に変換して出力する。
受信データ処理部24は、受信部21から出力されるベースバンド信号に対して復調処理等を行って、基地局1からの各種データを再生する。
操作部28は、例えば複数の操作キーで構成されており、ユーザからの操作に応じて操作情報を出力する。アプリケーション実行部27は、受信データ処理部24で再生された受信データや、操作部28から出力される操作情報に基づいて各種アプリケーションを実行する。アプリケーション実行部27は、例えば、通話機能や電子メール機能などを実行する。
送信データ生成部25は、受信データ処理部24で再生された受信データや、操作部28から出力される操作情報に基づいて、送信用のIPパケットを生成する。送信データ生成部25は、MAC層において、生成したIPパケットのデータを含むMACフレームを生成し、その後、物理層において、少なくとも一つのMACフレームを含む物理層フレームを生成する。そして、送信データ生成部25は、生成した物理層フレームと、受信データ処理部24で再生された受信データに含まれる、基地局1が指定した無線リソースを示す情報とに基づいて、一のTDDフレームで送信する送信データを生成する。送信データ生成部25は、生成した送信データに基づいて複数のサブキャリアを変調し、変調後の複数のサブキャリアを合成してベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は送信部22に入力される。
送信部22は、入力されたベースバンド信号を、アップコンバート及び増幅処理を行った後、送受信アンテナ23に入力する。これにより、送受信アンテナ23からは、基地局1に向かって無線信号が送信される。
再送方法決定部26は、通信端末2が基地局1に対してデータの再送を行う際に使用する再送方法を決定する。具体的には、再送方法決定部26は、上述の第1及び第2の再送方法のうちのいずれか一つを、基地局1にデータを再送する際に使用する再送方法として決定する。送信データ生成部25及び受信データ処理部24では、再送方法決定部26で決定された再送方法に従って、基地局1に対するデータ再送に関する処理が行われる。また、送信データ生成部25は、再送方法決定部26で決定された再送方法を示す情報を送信部22を通じて基地局1に送信する。これにより、基地局1には、再送方法決定部26で使用が決定された再送方法が通知され、基地局1はその再送方法に従って動作する。
次に、次世代PHSでのTDDフレームfの構成について説明する。図4はTDDフレームfの構成を示す図である。図4に示されるように、TDDフレームfは、横軸及び縦軸に時間及びサブチャネルをそれぞれ示す時間−サブチャネル平面上で特定される。つまり、TDDフレームfは、時間及びサブチャネルに両方で特定される。一つのTDDフレームfは、通信端末2から基地局1に信号を送信するための上りフレームfuと、基地局1から通信端末2へ信号を送信するための下りフレームfdとで構成されている。一つのTDDフレームfの時間長は5msであって、上りフレームfu及び下りフレームfのそれぞれの時間長は2.5msである。
ここで、次世代PHSでは、通信端末2に対する無線リソースの割り当てはPRU(Physical Resourse Unit)100単位で行われる。一つのPRU100は、帯域幅が900kHzの一つのサブチャネルと、時間幅が625μsの一つのスロットとで表現される。一つのサブチャネルは複数のサブキャリアで構成されている。上述のように、上りフレームfu及び下りフレームfdのそれぞれの時間長は2.5msであり、TDDフレームfの時間長は5msであるため、図4に示されるように、上りフレームfu及び下りフレームfdのそれぞれには、時間方向に沿って4つのPRU100が並び、TDDフレームf全体では、時間方向に沿って8つのPRU100が並んでいる。一方で、TDDフレームfは、一つあるいは複数のサブチャネルを含んでいるため、TDDフレームfでは、サブチャネル方向に沿って一つあるいは複数個のPRU100が並んでいる。
次に、本無線通信システムでのHARQ方式及びMAC−ARQ方式について説明する。HARQ方式では、基地局1及び通信端末2のうちの受信側装置が、基地局1及び通信端末2のうちの送信側装置から送信されてくるデータに対して誤り検出を行う。受信側装置は、受信したデータの誤りを検出すると、送信側装置にデータの再送を要求する。そして、受信側装置は、送信側装置から再送されてきたデータと、誤りが検出されたデータとを最大比合成し、それによって得られたデータに対して誤り訂正を行う。これにより、受信側装置はデータを確実に受信できる。
一方で、MAC−ARQ方式では、受信側装置が、送信側装置から送信されてくるデータに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。本無線通信システムでは、基地局1及び通信端末2のそれぞれは、生成する送信データに対して、あるまとまったデータ量のデータごとに、具体的にはIPパケットごとに、シーケンス番号が含められる。このシーケンス番号は、MACフレームのヘッダに含められる。そして、基地局1及び通信端末2のそれぞれは、シーケンス番号の順にデータを送信する。したがって、シーケンス番号はデータの送信順序を示している。なお、一つのIPパケットのデータが、複数のMACフレームに分散して含められることがあることから、複数のMACフレームに同じシーケンス番号が含まれる場合がある。
MAC−ARQ方式では、受信側装置は、受信データに含まれるシーケンス番号の連続性を監視し、シーケンス番号の抜けを検出する。受信側装置は、例えば、シーケンス番号が1番、2番、3番のデータを順に受信し、その後、シーケンス番号が5番のデータを受信した場合には、シーケンス番号が4番のデータを受信できなかったと判断する。つまり、受信側装置は、受信データには4番のシーケンス番号が抜けていると判断する。そして、受信側装置は、抜けているシーケンス番号のデータの再送を送信側装置に要求する。その後、受信側装置は、再送されてきたデータを受信する。これにより、受信側装置はデータを確実に受信できる。
次に、本無線通信システムでの第1及び第2の再送方法について詳細に説明する。第1の再送方法においては、まずHARQ方式でデータを再送し、その結果、正常にデータを再送できない場合には、MAC−ARQ方式でデータの再送が行われる。これに対して、第2の再送方法では、HARQ方式は使用されずに、MAC−ARQ方式のみでデータの再送が行われる。基地局1と通信端末2との間において再送制御が行われる場合には、ANCH(Anchor Channel)と呼ばれる制御チャネルと、EXCH(Extra Channel)と呼ばれるデータチャネルが使用される。ANCHでは制御データが伝送され、EXCHでは再送データなどのユーザデータが主として伝送される。一つのTDDフレームfでは、通信対象の各通信端末2に対して、一つのPRU100がANCHとして割り当てられ、少なくとも一つのPRU100がEXCHとして割り当てられる。
本実施の形態に係る無線通信システムでは、第1及び第2の再送方法の切り替えを、ANCHで伝送されるHC(HARQ Cancel)ビットによって行うことができる。HCビットが“0”の場合には第1の再送方法が選択され、“1”の場合には第2の再送方法が選択される。再送方法の決定はデータを送信する側の装置が決定する。例えば、基地局1が通信端末2に対してデータを送信し、そのデータに対する再送要求を通信端末2が行う場合には、データを送信する側の基地局1の再送方法決定部16が再送方法を決定し、基地局1は決定した再送方法を示すHCビットを通信端末2に送信する。一方で、通信端末2が基地局1に対してデータを送信し、そのデータに対する再送要求を基地局1が行う場合には、通信端末2の再送方法決定部26が再送方法を決定し、通信端末2は決定した再送方法を示すHCビットを基地局1に送信する。このようにして、基地局1と通信端末2は、現在選択されている再送方法を共通に認識することができる。なお、再送方法の決定方法については後で詳細に説明する。
図5,6は、基地局1がある通信端末2にユーザデータを送信し、当該通信端末2がそのユーザデータに対して再送要求を行う場合の第1及び第2の再送方法をそれぞれ示す図である。図5,6では、基地局1と通信端末2との間において、ANCHで伝送される制御データのタイミングチャートを上側に、EXCHで伝送されるユーザデータのタイミングチャートを下側に示している。また、ANCHで伝送される制御データのタイミングチャート及びEXCHで伝送されるユーザデータのタイミングチャートのそれぞれでは、中心線を挟んで上側に下り方向(DL)のデータを、中心線を挟んで下側に上り方向(UL)のデータをそれぞれ示している。後述の図7,8でも同様である。
図5に示されるように、基地局1は、あるTDDフレームf1において、新規のユーザデータを通信端末2に送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報をANCHで通信端末2に送信する。MAP情報は無線リソース割り当て部19で生成される。そして、基地局1は、MAP情報を送信したTDDフレームf1よりも2つ後のTDDフレームf3において、通信端末2に対してユーザデータをEXCHで送信する。このとき、基地局1は、TDDフレームf1で送信したMAP情報で特定されるPRU100を使用してユーザデータを送信する。本無線通信システムでは、基地局1が通信端末2に対してEXCHでユーザデータを送信する際には、当該ユーザデータを送信するTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームfにおいて、当該ユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を通信端末2に送信している。また、通信端末2が基地局1に対してEXCHでユーザデータを送信する際には、当該ユーザデータを送信するTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームfにおいて、当該ユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を基地局1は通信端末2に送信している。
通信端末2は、TDDフレームf1においてMAP情報を受信すると、受信データ処理部24において、当該MAP情報の内容を解析し、自装置宛てのユーザデータがどのPRU100を使用して送信されてくるかを認識する。これにより、通信端末2は、自装置宛てのユーザデータを適切に受信することができる。
通信端末2は、TDDフレームf3においてユーザデータを受信すると、現在選択されている第1の再送方法に応じた処理を行う。第1の再送方法では、まずHARQ方式が使用されることから、通信端末2は、受信データ処理部24において、受信したユーザデータに対してCRC(Cyclic Redundancy Check)等で誤り検出を行う。通信端末2は、受信したユーザデータに誤りが検出されなかった場合には、当該ユーザデータを受信したTDDフレームf3よりも2つ後のTDDフレームf5において、ユーザデータの再送が不要であることを示すACK(Acknowledgment)情報をANCHで基地局1に送信する。一方で、通信端末2は、受信したユーザデータの誤りを検出すると、TDDフレームf5において、ユーザデータの再送が必要であることを示すNACK(Negative ACK)情報をANCHで基地局1に送信する。図5では、通信端末2からNACK情報が送信される様子が示されている。
基地局1は、TDDフレームf5において通信端末2からACK情報を受信すると、新たなユーザデータの送信に使用するPRU100を特定するMAP情報をTDDフレームf6において通信端末2に送信し、その後のTDDフレームf8において、当該新たなユーザデータを通信端末2に送信する。
一方で、基地局1は、TDDフレームf5において、通信端末2からNACK情報を受信すると、TDDフレームf3で送信したユーザデータの再送に使用するPRU100を特定するMAP情報をTDDフレームf6において通信端末2に送信し、その後のTDDフレームf8において、当該ユーザデータを通信端末2に再送する。
通信端末2は、受信データ処理部24において、TDDフレームf3で送信されてきたユーザデータと、TDDフレームf8において再送されてきたユーザデータとを最大比合成し、それによって得られたデータに対して誤り訂正を行う。そして、通信端末2は、受信データ処理部24において、誤り訂正を行ったデータに対して誤り検出を行う。通信端末2は、誤り訂正を行ったデータに対して誤りが検出されなかった場合には、再送されてきたユーザデータを受信したTDDフレームf8よりも2つ後のTDDフレームf10においてACK情報をANCHで基地局1に送信する。一方で、通信端末2は、誤り訂正を行ったデータの誤りを検出すると、ARQ方式をHARQ方式からMAC−ARQ方式に切り替える。
MAC−ARQ方式では、通信端末2は、受信データ処理部24において、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。受信データ処理部24は、TDDフレームf8で受信したデータと、それまでに受信したデータとに含まれるシーケンス番号を確認し、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。通信端末2は、受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、検出時のTDDフレームfから2つ後のTDDフレームfに、そのシーケンス番号を示すSREJ(Selective Reject)情報をEXCHで基地局1に送信する。これにより、通信端末2から、基地局1に対して、抜けたシーケンス番号のデータの再送が要求される。図5の例では、TDDフレームf8において、通信端末2は、受信データのシーケンス番号の抜けを検出し、TDDフレームf10においてSREJ情報を送信している。なお、通信端末2がSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、SREJ情報が送信されるTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームf(図5の例では、TDDフレームf8)において基地局1から送信される。基地局1は、通信端末2でシーケンス番号の抜けが検出されるか否かに関わらず、通信端末2がSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を送信している。
基地局1は、通信端末2からSREJ情報を受信すると、その受信時のTDDフレームfから1つ後のTDDフレームf(図5の例では、TDDフレームf11)において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータを再送する。基地局1がユーザデータの再送に使用するPRU100を特定するMAP情報について、ユーザデータの再送が行われるTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームf(図5の例では、TDDフレームf9)において、基地局1から送信されている。
以上のように、第1の再送方法では、まずHARQ方式でデータが再送され、その結果、正常にデータを再送できない場合には、MAC−ARQ方式でデータの再送が行われる。
次に第2の再送方法について説明する。図6に示されるように、基地局1は、あるTDDフレームf1において、新規のユーザデータを通信端末2に送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を通信端末2に送信する。そして、基地局1は、MAP情報を送信したTDDフレームf1よりも2つ後のTDDフレームf3において、通信端末2に対してユーザデータをEXCHで送信する。
通信端末2は、TDDフレームf3においてユーザデータを受信すると、当該ユーザデータと、それまでに受信したユーザデータとに含まれるシーケンス番号を確認し、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。通信端末2は、受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、TDDフレームf3から2つ後のTDDフレームf5に、そのシーケンス番号を示すSREJ情報をEXCHで基地局1に送信する。これにより、通信端末2から、基地局1に対して、抜けたシーケンス番号のデータの再送が要求される。通信端末2がSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、SREJ情報が送信されるTDDフレームf5よりも2つ前のTDDフレームf3において基地局1から送信されている。
基地局1は、TDDフレームf5において、通信端末2からSREJ情報を受信すると、TDDフレームf5から1つ後のTDDフレームf6において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータを再送する。基地局1がユーザデータの再送に使用するPRU100を特定するMAP情報について、ユーザデータの再送が行われるTDDフレームf6よりも2つ前のTDDフレームf4において基地局1から送信されている。
通信端末2は、TDDフレームf6において再送されてきたユーザデータを受信すると、当該ユーザデータに対して誤り検出を行う。通信端末2は、再送されてきたユーザデータに誤りが検出されなかった場合には、基地局1に対してユーザデータが正常に受信された旨を通知する。一方で、通信端末2は、再送されてきたユーザデータの誤りを検出すると、当該ユーザデータを受信したTDDフレームf6から2つ後のTDDフレームf8において、再度、抜けたシーケンス番号を示すSREJ情報をEXCHで基地局1に送信する。通信端末2がこのSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、TDDフレームf6において基地局1から送信されている。
基地局1は、TDDフレームf8において、通信端末2からSREJ情報を受信すると、TDDフレームf8から1つ後のTDDフレームf9において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータの2回目の再送を行う。基地局1がユーザデータの2回目の再送に使用するPRU100を特定するMAP情報については、TDDフレームf7において基地局1から送信されている。
以上のように、通信端末2が基地局1からのデータに対して再送要求を行う際のHARQ方式では、通信端末2が受信データの誤りを検出したTDDフレームfから(図5のTDDフレームf3)、5つ後のTDDフレームf(図5のTDDフレームf8)において基地局1がデータの再送を行っている。
これに対して、通信端末2が基地局1からのデータに対して再送要求を行う際のMAC−ARQ方式では、通信端末2が受信データのシーケンス番号の抜けを検出したTDDフレームf(図6のTDDフレームf3)から、3つ後のTDDフレームf(図6のTDDフレームf6)において基地局1がデータの再送を行っている。
このように、HARQ方式とMAC−ARQ方式の間では、受信側装置が受信エラーを検出してから送信側装置がデータの再送を行うまでにかかる時間が、MAC−ARQ方式の方がHARQ方式よりも短く設定されている。
次に、ある通信端末2が基地局1にユーザデータを送信し、基地局1が当該ユーザデータに対して再送要求を行う場合の第1及び第2の再送方法について説明する。図7,8は、当該第1及び第2の再送方法をそれぞれ示す図である。
図7に示されるように、基地局1は、あるTDDフレームf1において、通信端末2が新規のユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報をANCHで通信端末2に送信する。通信端末2は、TDDフレームf1においてMAP情報を受信すると、当該MAP情報の内容を解析し、ユーザデータを送信する際に使用するPRU100を認識する。そして、通信端末2は、MAP情報を受信したTDDフレームf1から2つ後のTDDフレームf3において、基地局1にEXCHでユーザデータを送信する。
基地局1は、TDDフレームf3において、通信端末2から新規のユーザデータを受信すると、現在選択されている第1の再送方法に応じた処理を行う。第1の再送方法では、まずHARQ方式が使用されることから、基地局1は、受信データ処理部14において、受信したユーザデータに対して誤り検出を行う。基地局1は、受信したユーザデータに誤りが検出されなかった場合には、当該ユーザデータを受信したTDDフレームf3よりも2つ後のTDDフレームf5において、ACK情報を通信端末2に送信するとともに、通信端末2が新規のユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を基地局1に送信する。一方で、基地局1は、受信したユーザデータの誤りを検出すると、TDDフレームf5において、NACK情報を通信端末2に送信するとともに、通信端末2がユーザデータを再送する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を通信端末2に送信する。図7では、TDDフレームf5において基地局1からNACK情報及びMAP情報が送信される様子が示されている。
通信端末2は、TDDフレームf5において基地局1からACK情報及びMAP情報を受信すると、受信したMAP情報から、新たなユーザデータの送信に使用するPRU100を特定し、TDDフレームf5から2つ後のTDDフレームf7において、特定したPRU100を使用して新たなユーザデータを送信する。
一方で、通信端末2は、TDDフレームf5において、基地局1からNACK情報及びMAP情報を受信すると、当該MAP情報から、ユーザデータの再送に使用するPRU100を特定し、TDDフレームf5から2つの後のTDDフレームf7において、特定したPRU100を使用してユーザデータを再送する。
基地局1は、受信データ処理部14において、TDDフレームf3で送信されてきたユーザデータと、TDDフレームf7において再送されてきたユーザデータとを最大比合成し、それによって得られたデータに対して誤り訂正を行う。そして、基地局1は、受信データ処理部14において、誤り訂正を行ったデータに対して誤り検出を行う。基地局1は、誤り訂正を行ったデータに対して誤りが検出されなかった場合には、再送されてきたユーザデータを受信したTDDフレームf7よりも2つ後のTDDフレームf9において、ACK情報とともに、通信端末2が新規のユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を通信端末2に送信する。一方で、基地局1は、誤り訂正を行ったデータの誤りを検出すると、ARQ方式をHARQ方式からMAC−ARQ方式に切り替える。
MAC−ARQ方式では、基地局1は、受信データ処理部14において、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。受信データ処理部14は、TDDフレームf7で受信したユーザデータと、それまでに受信したユーザデータとに含まれるシーケンス番号を確認し、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを判定する。基地局1は、受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、その検出時のTDDフレームfから1つ後のTDDフレームfに、そのシーケンス番号を示すSREJ情報をEXCHで通信端末2に送信する。これにより、基地局1から、通信端末2に対して、抜けたシーケンス番号のデータの再送が要求される。図7の例では、TDDフレームf7において、基地局1は、受信データのシーケンス番号の抜けを検出し、TDDフレームf8においてSREJ情報を送信している。なお、基地局1がSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、SREJ情報が送信されるTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームf(図7の例では、TDDフレームf6)において、基地局1から送信されている。基地局1は、自装置でシーケンス番号の抜けが検出されるかいなかに関わらず、SREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を送信している。
通信端末2は、基地局1からSREJ情報を受信すると、その受信時のTDDフレームfから2つ後のTDDフレームf(図7の例では、TDDフレームf10)において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータを再送する。通信端末2がユーザデータの再送に使用するPRU100を特定するMAP情報について、ユーザデータの再送が行われるTDDフレームfよりも2つ前のTDDフレームf(図7の例では、TDDフレームf8)において、基地局1から送信されている。
次に、ある通信端末2が基地局1にユーザデータを送信し、基地局1が当該ユーザデータに対して再送要求を行う場合の第2の再送方法について説明する。図8に示されるように、基地局1は、あるTDDフレームf1において、通信端末2が新規のユーザデータを送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報を送信する。通信端末2は、TDDフレームf1においてMAP情報を受信すると、当該MAP情報の内容を解析し、ユーザデータを送信する際に使用するPRU100を認識する。そして、通信端末2は、MAP情報を受信したTDDフレームf1から2つ後のTDDフレームf3において、基地局1にEXCHでユーザデータを送信する。
基地局1は、TDDフレームf3において、通信端末2から新規のユーザデータを受信すると、当該ユーザデータと、それまでに受信したユーザデータとに含まれるシーケンス番号を確認し、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する。基地局1は、受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、TDDフレームf3から1つ後のTDDフレームf4に、そのシーケンス番号を示すSREJ情報をEXCHで基地局1に送信する。これにより、基地局1から、通信端末2に対して、抜けたシーケンス番号のデータの再送が要求される。基地局1がSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、SREJ情報が送信されるTDDフレームf4よりも2つ前のTDDフレームf2において基地局1から送信されている。
通信端末2は、TDDフレームf4においてSREJ情報を受信すると、TDDフレームf4から2つ後のTDDフレームf6において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータを再送する。通信端末2がユーザデータの再送に使用するPRU100を特定するMAP情報について、ユーザデータの再送が行われるTDDフレームf6よりも2つ前のTDDフレームf4において基地局1から送信されている。
基地局1は、TDDフレームf6において、再送されてきたユーザデータを受信すると、受信データ処理部14において、当該ユーザデータに対して誤り検出を行う。基地局1は、再送されてきたユーザデータに誤りが検出されなかった場合には、通信端末2に対してユーザデータが正常に受信された旨を通知する。一方で、基地局1は、再送されてきたユーザデータの誤りが検出されると、当該ユーザデータを受信したTDDフレームf6から1つ後のTDDフレームf7において、再度、抜けたシーケンス番号を示すSREJ情報を通信端末2に送信する。基地局1がこのSREJ情報を送信する際に使用するPRU100を特定するMAP情報については、TDDフレームf5において基地局1から送信されている。
通信端末2は、TDDフレームf7においてSREJ情報を受信すると、TDDフレームf7から2つ後のTDDフレームf9において、SREJ情報が示すシーケンス番号のユーザデータの2回目の再送を行う。通信端末2がユーザデータの2回目の再送に使用するPRU100を特定するMAP情報については、TDDフレームf7において基地局1から送信されている。
以上のように、基地局1が通信端末2からのデータに対して再送要求を行う際のHARQ方式では、基地局1が受信データの誤りを検出したTDDフレームf(図7のTDDフレームf3)から、4つ後のTDDフレームf(図7のTDDフレームf7)において通信端末2がデータの再送を行っている。
これに対して、基地局1が通信端末2からのデータに対して再送要求を行う際のMAC−ARQ方式では、基地局1が受信データのシーケンス番号の抜けを検出したTDDフレームf(図8のTDDフレームf3)から、3つ後のTDDフレームf(図8のTDDフレームf6)において通信端末2がデータの再送を行っている。
このように、基地局1が通信端末2からのデータに対して再送要求を行う場合であっても、HARQ方式とMAC−ARQ方式の間では、受信側装置が受信エラーを検出してから送信側装置がデータの再送を行うまでにかかる時間が、MAC−ARQ方式の方がHARQ方式よりも短く設定されている。
次に再送方法の決定方法について説明する。上述のように、シーケンス番号は、あるまとまったデータ量のデータ(IPパケット)ごとに付与されることから、送信側装置が一つのTDDフレームで送信するデータのデータ量が多い場合には、当該データに含まれるシーケンス番号の数が多くなる。その結果、最短で一つのTDDフレームでシーケンス番号の抜けを検出できる。したがって、この場合には、受信エラーの検出からデータの再送までにかかる時間が短いMAC−ARQ方式だけを使用した第2の再送方法を採用した方が早期にデータの再送を行える。
これに対して、送信側装置が一つのTDDフレームで送信するデータのデータ量が少ない場合には、当該データに含まれるシーケンス番号が少なくなる。その結果、多くのTDDフレームfにわたって、つまり、長時間、シーケンス番号の抜けを検出できないことがある。したがって、この場合には、シーケンス番号を使用しないHARQ方式が使用された後にMAC−ARQ方式が使用される第1の再送方法を採用した方が早期にデータの再送を行える。
そこで、本実施の形態では、送信側装置が一つのTDDフレームで送信するデータのデータ量が所定のしきい値以上の場合には第2の再送方法の使用を決定し、所定のしきい値よりも小さい場合には第1の再送方法の使用を決定する。これにより、早期のデータ再送を行うことができる。以下に、このことについて詳細に説明する。
図9は、基地局1が通信端末2にデータを送信し、そのデータに対して通信端末2が再送要求を行う場合の基地局1での再送方法の決定方法を示すフローチャートである。図9に示されるように、ステップs1において、基地局1の送信データ生成部15は、データバッファ部18から、通信対象の通信端末2のIPパケットを取得する。そして、送信データ生成部15は、取得したIPパケットから、送信するユーザデータを生成する。
次にステップs2において、送信データ生成部15は、無線リソース割り当て部19において、通信対象の通信端末2に割り当てられた無線リソース(PRU100)を確認する。
次にステップs3において、送信データ生成部15は、通信端末2に割り当てられている無線リソースと、データ送信時の変調方式に基づいて、一のTDDフレームfで送信するユーザデータのデータ量を計算する。再送方法決定部16は、送信データ生成部15が求めたデータ量が、所定のしきい値以上であるか否かを判定する。本実施の形態では、IPパケットのデータ最大長の2倍の値をしきい値として、再送方法決定部16は、一のTDDフレームfで送信するユーザデータのデータ量がこの値以上であるかどうかを判定する。上述のように、シーケンス番号はIPパケットごとに付与されるため、一のTDDフレームfで送信するユーザデータのデータ量が、IPパケットのデータ最大長の2倍以上の場合には、当該ユーザデータには少なくとも2つ以上のシーケンス番号を含めることができる。例えば、通信端末2に割り当てられているPRU100の数が24個で、データ送信時の変調方式が64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式の場合には、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量は約3Kバイトとなる。そして、IPパケットのデータ最大長は1500バイトである。したがって、この場合には、一のTDDフレームfでの送信されるユーザデータのデータ量が、IPパケットのデータ最大長の2倍となり、当該ユーザデータには、少なくとも2つのシーケンス番号が含まれるようになる。よって、最短で、一のTDDフレームfでシーケンス番号の抜けを検出できる。
なお、ステップs3で使用されるしきい値として他の値を採用しても良い。例えば、データバッファ部18から取得された、通信対象の通信端末2に送信すべき複数のIPパケットのデータ長の平均値の2倍の値としても良い。一のTDDフレームfで送信するユーザデータのデータ量が、送信すべき複数のIPパケットのデータ長の平均値の2倍以上であれば、当該ユーザデータには、当該複数のIPパケットのうちの少なくとも2以上のIPパケットのデータを含めることができる。したがって、一のTDDフレームfで送信するユーザデータに少なくとも2つのシーケンス番号を含めることができる。例えば、割り当てられているPRU100の数が6個で、データ送信時の変調方式が64QAM方式の場合には、一のTDDフレームfでのユーザデータのデータ量は約750バイトとなる。一方で、通信対象の通信端末2に送信すべき複数のIPパケットのデータ長が、100バイト、200バイト、450バイトであるとする。この場合には、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量が、通信対象の通信端末2に送信すべき複数のIPパケットのデータ長の平均値の2倍以上となるため、当該ユーザデータには、2以上のIPパケットのデータを含めることができる。よって、最短で、一のTDDフレームfでシーケンス番号の抜けを検出できる。
ステップs3において、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量が所定のしきい値以上であると判定されると、ステップs4において、再送方法決定部16は、第2の再送方法の使用を決定する。一方で、テップs3において、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量が所定のしきい値よりも小さいと判定されると、ステップs5において、再送方法決定部16は、第1の再送方法の使用を決定する。そしてステップs6において、送信データ生成部15は、送信部12を通じて、再送方法決定部16が使用すると決定した再送方法を示すHCビットをANCHで送信するとともに、ユーザデータをEXCHで送信する。
図10は、通信端末2が基地局1にデータを送信し、そのデータに対して基地局1が再送要求を行う場合の通信端末2での再送方法の決定方法を示すフローチャートである。図10に示されるように、ステップs21において、通信端末2の送信データ生成部25は、送信用のIPパケットを生成し、そのIPパケットから、送信するユーザデータを生成する。
次にステップs22において、送信データ生成部25は、受信データ処理部24で取得された受信データに含まれるMAP情報を参照して、自装置に割り当てられた無線リソース(PRU100)を確認する。
次にステップs23において、送信データ生成部25は、自装置に割り当てられている無線リソースと、データ送信時の変調方式に基づいて、一のTDDフレームfで送信するユーザデータのデータ量を計算する。そして、再送方法決定部26は、送信データ生成部25が求めたデータ量が、所定のしきい値以上であるか否かを判定する。このしきい値は、上述のステップs3でのしきい値と同様に設定される。
ステップs23において、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量が所定のしきい値以上であると判定されると、ステップs24において、再送方法決定部26は、第2の再送方法の使用を決定する。一方で、テップs23において、一のTDDフレームfで送信されるユーザデータのデータ量が所定のしきい値よりも小さいと判定されると、ステップs25において、再送方法決定部26は、第1の再送方法の使用を決定する。そしてステップs26において、送信データ生成部25は、送信部22を通じて、再送方法決定部26が使用すると決定した再送方法を示すHCビットをANCHで送信するとともに、ユーザデータをEXCHで送信する。
以上のように、本実施の形態では、一のTDDフレームfで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、第2の再送方法の使用が決定される。上述のように、一のTDDフレームfで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、一のTDDフレームfで送信されるデータに含まれるシーケンス番号の数が多くなるため、短時間でシーケンス番号の抜けを検出することができる。したがって、この場合には、受信エラーの検出からデータ再送までにかかる時間が短いMC−ARQ方式だけが使用される第2の再送方法を採用することによって、早期にデータの再送を行うことができる。
一方で、本実施の形態では、一のTDDフレームfで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、第1の再送方法の使用が決定される。一のTDDフレームfで送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、一のTDDフレームfで送信されるデータに含まれるシーケンス番号の数が少なくなため、長時間、シーケンス番号の抜けが検出できないことがある。したがって、この場合には、シーケンス番号を用いずに受信エラーを検出するHARQ方式が使用された後にMAC−ARQ方式が使用される第1の再送方法を採用することによって、早期にデータの再送を行うことができる。
なお、本実施の形態に係る第1の再送方法では、HARQ方式で1回だけデータを再送し、再送エラーが生じた場合にはすぐにMAC−ARQ方式に切り替えていたが、再送データが受信側装置で適切に受信されない場合には、HARQ方式で連続して2回以上データを再送しても良い。
1 基地局
2 通信端末
11,21 受信部
12,22 送信部
16,26 再送方法決定部
2 通信端末
11,21 受信部
12,22 送信部
16,26 再送方法決定部
Claims (3)
- TDD(Time Division Duplexing)方式を用いて通信相手装置と通信を行うとともに、当該通信相手装置との間のARQ(Automatic Repeat Request)方式として第1及び第2のARQ方式が規定されている通信装置であって、
前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第1のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、
(a−1)前記通信相手装置が、受信データに対して誤り検出を行う処理と、
(a−2)前記通信相手装置が、前記処理(a−1)において受信データの誤りを検出すると、前記通信装置に対してデータの再送要求を行う処理と、
(a−3)前記通信装置が、前記処理(a−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理と
が実行され、
前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第2のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、
(b−1)前記通信相手装置が、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する処理と、
(b−2)前記通信相手装置が、前記処理(b−1)において受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、前記通信装置に対して、抜けているシーケンス番号のデータの再送要求を行う処理と、
(b−3)前記通信装置が、前記処理(b−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理と
が実行され、
前記第1及び第2のARQ方式の間では、前記処理(b−1)において前記通信相手装置が受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出してから、前記処理(b−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間は、前記処理(a−1)において前記通信相手装置が受信データの誤りを検出してから、前記処理(a−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間よりも短く設定されており、
前記通信装置は、
前記通品相手装置に対してデータを送信する送信部と、
前記通品相手装置から送信されるデータを受信する受信部と、
前記第1のARQ方式で前記通信相手装置に対してデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、前記通信相手装置に対して前記第2のARQ方式でデータの再送を行う第1の再送方法と、前記第2のARQ方式のみを使用して前記通信相手装置に対してデータの再送を行う第2の再送方法とのいずれの再送方法を使用するか決定する決定部と
を備え、
前記第1及び第2の再送方法のうち前記決定部で使用が決定された再送方法は、前記送信部を通じて前記通品相手装置に通知され、
前記決定部は、
一のTDDフレームで前記送信部から送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、前記第2の再送方法の使用を決定し、
一のTDDフレームで前記送信部から送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、前記第1の再送方法の使用を決定する、通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置であって、
前記第1のARQ方式は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD−T95に規定されている、物理層で行われるHARQ(Hybrid ARQ)方式であって、
前記第2のARQ方式は、ARIB STD−T95に規定されている、MAC層で行われるARQ方式である、通信装置。 - TDD(Time Division Duplexing)方式を用いて通信相手装置と通信を行うとともに、当該通信相手装置との間のARQ(Automatic Repeat Request)方式として第1及び第2のARQ方式が規定されている通信装置での再送制御方法であって、
前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第1のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、
(a−1)前記通信相手装置が、受信データに対して誤り検出を行う処理と、
(a−2)前記通信相手装置が、前記処理(a−1)において受信データの誤りを検出すると、前記通信装置に対してデータの再送要求を行う処理と、
(a−3)前記通信装置が、前記処理(a−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理と
が実行され、
前記通信装置が前記通信相手装置に対してデータを再送する方式として前記第2のARQ方式が使用される場合には、前記通信装置と前記通信相手装置との間には、
(b−1)前記通信相手装置が、受信データに含まれるシーケンス番号に抜けがないか否かを検出する処理と、
(b−2)前記通信相手装置が、前記処理(b−1)において受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出すると、前記通信装置に対して、抜けているシーケンス番号のデータの再送要求を行う処理と、
(b−3)前記通信装置が、前記処理(b−2)で要求されたデータを前記通信相手装置に対して再送する処理と
が実行され、
前記第1及び第2のARQ方式の間では、前記処理(b−1)において前記通信相手装置が受信データに含まれるシーケンス番号の抜けを検出してから、前記処理(b−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間は、前記処理(a−1)において前記通信相手装置が受信データの誤りを検出してから、前記処理(a−3)において前記通信装置がデータの再送を行うまでにかかる時間よりも短く設定されており、
前記再送制御方法は、
(c−1)前記第1のARQ方式で前記通信相手装置に対してデータを再送した結果、正常にデータを再送できない場合には、前記通信相手装置に対して前記第2のARQ方式でデータの再送を行う第1の再送方法と、前記第2のARQ方式のみを使用して前記通信相手装置に対してデータの再送を行う第2の再送方法とのいずれの再送方法を使用するか決定する工程と、
(c−2)前記第1及び第2の再送方法のうち前記工程(c−1)で使用が決定された再送方法を前記通品相手装置に通知する工程と
を備え、
前記工程(c−1)では、
一のTDDフレームで前記通信相手装置に送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも大きい場合には、前記第2の再送方法の使用が決定され、
一のTDDフレームで前記通信相手装置に送信されるデータのデータ量が、所定のしきい値よりも小さい場合には、前記第1の再送方法の使用が決定される、再送制御方法。
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JP2008300979A JP2010130176A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 通信装置及び再送制御方法 |
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JP2008300979A JP2010130176A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 通信装置及び再送制御方法 |
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2008
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