JP2010127079A - 逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法 - Google Patents

逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプを運転する吐出圧力一定制御、あるいは、推定末端圧力一定制御によって制御されている直送給水システムにおいて、ポンプ停止時に給水装置から水道本管への逆流を防止する逆流防止用逆止弁の損失揚程を、ポンプ運転中に検出する逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法に関するものである。
【解決手段】本発明の逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法は、給水装置に装備されている小流量検出用フロースイッチの動作信号によって、前記給水装置が小流量運転に入ったことを検出し、この時の前記給水装置の吐出揚程、押込み揚程を検出するとともに、ポンプの揚程近似式によってポンプ吐出揚程を計算し、(ポンプの吐出揚程)+(押込み揚程)−(給水システムの揚程)=(逆流防止用逆止弁の固定損失揚程)として演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプを運転する吐出圧力一定制御、あるいは、推定末端圧力一定制御によって制御されている直送給水システムにおいて、ポンプ停止時に給水装置から水道本管への逆流を防止する逆流防止用逆止弁の損失揚程を、ポンプ運転中に検出する逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法に関するものである。
従来、逆流防止用逆止弁の損失揚程は、流量を測定する側と、ポンプ吸込側
(逆流防止用逆止弁の下流側)に圧力センサを置き、工場試験において測定されるのが普通であった。しかし、市場に提供される直送給水装置は、ポンプ吸込み側に圧力センサが装備されていないのが普通であった。したがって、直送給水装置は、現場に設置され、稼動に入った後に、逆流防止用逆止弁の損失揚程を測定することができなかった。前記損失揚程を測定する場合、前記給水装置は、工場に持ち帰った後、測定するのが普通であった。
特に、最近の大流量給水装置は、逆流防止用逆止弁の損失揚程が無視できない程度に大きくなっているため、ポンプ制御装置に搭載された流量の演算推定、あるいは前記推定流量を使った推定末端圧力一定制御の目標曲線に誤差が生じるという問題が生じていた。極端な場合、並列運転、最大流量で規定揚程が発生できないと云う不都合が生じていた。
以上のような課題を解決するために、本発明は、給水装置を工場に持ち帰ることなく、給水運転中に、逆流防止用逆止弁の損失揚程を演算推定する逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法は、給水装置に装備されている小流量検出用フロースイッチの動作信号によって、前記給水装置が小流量運転に入ったことを検出し、この時の前記給水装置の吐出揚程、押込み揚程を検出するとともに、ポンプの揚程近似式によってポンプ吐出揚程を計算し、(ポンプの吐出揚程)+(押込み揚程)−(給水システムの揚程)=(逆流防止用逆止弁の固定損失揚程)として演算する。
本発明の逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置および方法は、前記演算式で求めた逆流防止用逆止弁の固定損失揚程を既知量として、摩擦損失揚程係数ゼロと摩擦損失係数が最大である場合の二組の速度−流量、揚程−流量特性を準備し、運転中に前記特性曲線から二組の基準流量、基準揚程データを演算し、給水装置の吐出揚程によって流量を演算する。次に、逆流防止用逆止弁の損失揚程係数は、前記演算した流量からポンプの揚程近似式、正味押込み揚程、給水装置の吐出揚程から演算推定される。
本発明によれば、直送給水システムの推定末端圧力一定制御で問題とされた逆流防止用逆止弁の損失揚程の設定誤差に起因する大流量運転時の揚程不足問題を解決できる。特に、本発明は、逆流防止用逆止弁損失揚程を固定損失揚程と摩擦損失揚程係数に分離して、給水装置運転中に測定できるから、演算した値を記憶しておき、稼働初期の値と稼働後の値をそれぞれ比較することにより逆流防止用逆止弁の劣化特性を推定することができる。
本発明によれば、固定損失揚程は、弁に閉塞圧を与えるスプリングの強さに関係し、摩擦損失揚程係数は、弁部の絞り抵抗に関係する。つまり、本発明は、これらの値を監視しておくことにより、逆流防止用逆止弁の劣化を予測することができ、その結果として、この故障に起因する給水装置の断水事故を少なくすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施例である可変速ポンプ2台の並列運転による推定末端圧力一定制御を行う直送給水システムを説明するためのブロック構成図である。ただし、図1において、本発明と直接関係しない、たとえば、ポンプ交互運転シーケンス制御、あるいはポンプ保圧運転シーケンス制御等は省略されている。図1における推定末端圧力一定制御回路31は、ブロック41、51によって、本発明の逆流防止用逆止弁の損失揚程を演算する。
前記ブロック41、51の詳細は、図2および図3に示されている。まづ、本発明の逆流防止用逆止弁損失揚程の推定演算方法の基となる推定末端圧力一定制御回路の動作を簡単に説明する。圧力設定器31〜4は、推定末端圧力一定制御の最小揚程h0(p.u.)を設定する最小揚程設定器である。前記最小揚程h0(p.u.)は、管路摩擦損失揚程演算器31〜6(HEAD)の出力Δh(p.u.)を加算することにより、推定末端圧力一定制御の目標揚程hS(p.u.)が生成される。
前記目標揚程hSは、圧力検出器11の出力hIと比較され、偏差が、PIDまたはPIコントローラ31〜1によって増幅され、その出力fS*がD/A変換器31〜2、31〜3に与えられる。各D/A変換器31〜2、31〜3は、インバータ21、22に周波数指令f1S、f2S を与え、ポンプ1、ポンプ2の速度を調整する。つまり、前記系は、推定末端圧力一定制御系を構成している。
前記管路摩擦損失揚程演算器31〜6(HEAD)は、推定流量演算器31〜5(FLOW)から推定流量の自乗q*2を受け取り、摩擦損失揚程Δh(p.u.)を、Δh=kq・q*2で演算する。ここに、kqは流量係数で、定格流量で、Δh+h0=1.0になるように設定される。ただし、設定誤差等で、もし、Δh+h0が1.0を超えることが発生した場合に、前記管路摩擦損失揚程演算器31〜6に設けられたコントロールリミッタが動作し、Δh+h0=hS≦1.0になるように、摩擦損失揚程Δhを自動的に制限する。
前記推定流量演算器31〜5(FLOW)は、給水装置の吐出揚程hIから、(押込み圧力hSUN−逆流防止用逆止弁の固定損失揚程hSU0)を減算して得られるポンプ揚程hPとインバータ指令周波数fS*から演算したポンプ速度n*を入力として、揚程−流量近似二次式によって、流量の自乗q*2と、その平方根q*を演算する。また、シーケンス回路31〜7(SEQ)は、給水装置のシーケンス制御を司るシーケンス制御ブロックで、ポンプ停止制御等のシーケンス制御を遂行する機能を有する。前記シーケンス回路31〜7の出力、RUN1、RUN2は、インバータ21、22を運転する信号である。
フロースイッチ10(FLS)の動作信号(ZERO)は、給水流量が小流量になった時、ディジタル信号“1”を前記シーケンス回路31〜7に与える。動作信号(ZERO)は、たとえば、給水流量が20l/min以下になった時“1”になり、前記シーケンス回路31〜7にその信号を与える。ポンプ1、2、は、図示のように、それぞれインバータ21、22によって制御される電動機14、15で駆動されるポンプである。前記ポンプ1、2は、図示のように、その吐出し側に、逆止弁4、6と、締め切り弁5、7を介して、また、吸い込み側に、吸込共通配管によって、それぞれ並列に接続されている。圧力タンク13は、ポンプ停止時に給水圧力を保持するために置かれている。
逆流防止用防止弁8、9は、ポンプ停止時等に給水装置から水道本管へ水の逆流を防止する目的で置かれている。本発明は、大容量のために、逆流防止用逆止弁が2台並列に構成された例が示されている。前記逆流防止用逆止弁8、9は、両側に保守用締切り弁、8〜1、8〜2、9〜1、9〜2がそれぞれ設けられ、これらの締切り弁を閉塞することにより、前記逆流防止用逆止弁8、9の保守ができるようになっている。
水道本管圧力検出器12は、前記逆流防止用逆止弁8、9より上流側に置かれている。また、バイパス配管の逆流防止弁3は、水道本管圧力が、規定圧力以上の場合、ポンプを停止して、水道本管の圧力のみで、給水できるようにするために置かれている。以上の説明によって、図1の構成によれば、ポンプの並列運転方式、推定末端圧力一定制御の直送給水運転が遂行できることは明らかである。
図2は本発明の一実施例である逆流防止用逆止弁の固定損失揚程を推定演算する制御ブロック構成図ある。図2において、逆流防止用逆止弁の固定損失揚程を推定演算する制御ブロック51(HSU0C)は、定数器51〜1 C2は、フロースイッチ10の動作流量が20l/minであれば、20(l/min)/ポンプ定格流量QN'(l/min)=q00(p.u.)を設定する。前記値は、フロースイッチ10のディジタル信号ZEROが“1”になった時、ポンプ揚程演算器51〜5(PHC)に取り込まれる。本実施
例において、給水流量が低流量、たとえば、20l/min以下になれば、ZEROは“1”になり、その結果、掛算器51〜2によってq00が、ポンプ揚程演算器51〜5(PHC)に与えられる。
一次遅れ伝達関数51〜3(LAG)は、インバータ周波数指令fS*(p.u.)をポンプ速度n*(p.u.)に変換するためのもので、たとえば、n*(s)/fS*(s)=Kn/(1+TPs)を演算する。ここに、Knは、fS*(p.u.)をポンプ速度n*(p.u.)に変換するための係数、TPは遅れ時定数、sはラプラス演算子である。前記遅れ時定数TPの値は、ポンプ使用あるいは定格によって、0.3〜0.5secの値に設定する。係数51〜4は、本給水装置に使用されているポンプの揚程hP(p.u.)を近似する二次方程式(1)の係数である。
P≒an2+cnq−bq2 ----(1)
ここに、hP=ポンプ揚程(p.u.)=ポンプ揚程H(m)/ポンプ定格揚程HN(m)
n=ポンプ速度(p.u.)=ポンプ速度N(rpm)/ポンプ定格速度NN(rpm)
q=ポンプ流量(p.u.)=ポンプ流量Q(m3/min)/ポンプ定格流量Q(m3/min)
a、b、c=ポンプ定数
ポンプ定数a、b、cは、ポンプを定格速度で運転した場合の揚程−流量特性から決定する。あるいは、ポンプメーカから提出されたポンプ性能曲線から決定する。決定した定数a、b、cは、予め逆流防止用逆止弁の固定損失揚程を推定演算する制御ブロック51(HSU0C)内に準備されたメモリー(図示されていない。)に設定されている。したがって、フロースイッチの信号ZEROが“1”になった時、ポンプ揚程演算器51〜5(PHC)は、次の(2)式の演算をする。
P2≒an*2+cn*q00−bq002 ----(2)
ここに、hP2は、フロースイッチの信号ZEROが“1”になった時のポンプ揚程の演算値である。
前記ポンプ揚程演算値hP2は、固定損失揚程演算器51〜6(FIXHC)に送られる。前記固定損失揚程演算器51〜6(FIXHC)は、受信した前記ポンプ揚程演算値hP2(p.u.)と、この時の押込み揚程hSU(p.u.)と、給水装置の吐出揚程hI (p.u.) とで、
(3)式によって、逆止弁固定損失揚程hSU0 (p.u.) を計算する。
SU0=hP2+hSU−hI ---(3)
ここに、hSU0=逆止弁固定損失揚程(p.u.)=逆止弁固定損失揚程HSU0(m)/ポンプ定HN (m)
hSU=押込み揚程(p.u.)=押込み揚程HSU(m)/ポンプ定格揚程HN (m)
hI=給水装置吐出揚程(p.u.)=給水装置吐出揚程HI (m) /ポンプ定格揚程HN (m)
固定損失揚程演算器51〜6(FIXHC)で演算された逆止弁固定損失揚程(p.u.)hSU0は、メモリー51〜7(MEMO−3RES)に記憶される。前記メモリー51〜7のデータは、後述の逆止弁の摩擦損失揚程係数演算ブロック41に伝送される。
図3は本発明の逆流防止用逆止弁摩擦損失揚程係数hSULの検出方法について、固定損失揚程推定演算ブロックの動作を説明するためのものである。図3において、直送給水システム吐出揚程hI (p.u.) は、以下の(4)式によって表される。
I=hP+hSU−hSU0−hSUL・q2 ----(4)
ここに、
hSUL=逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数=HSUL(m)/HN(m)
HSUL=ポンプ定格流量QN(m3/min)の時の逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程(m)
したがって、(4)式によって、流量qを推定する場合、逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数に誤差があると、推定流量と真の流量に誤差を生ずる。
通常、推定末端圧力一定制御の目標曲線を構成する可変揚程、つまり、配管損失揚程は、前記推定流量の自乗×係数で演算する。したがって、推定末端圧力一定制御の目標曲線に誤差を生ずることになる。この結果、極端な場合、定格流量に到達する前に定格揚程になる場合、あるいは、定格流量で定格揚程に到達できない場合が生じる。すなわち、正確な推定末端圧力一定制御が不可能になる。本発明は、このような問題を解決するために、給水装置稼働中に、逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数を、図3の構成によって、演算、推定できるようにしたものである。
図3の周波数設定器41〜1は、基準流量、揚程演算を演算する関数発生器41〜4、41〜5(RFLC1、RFLC2)を起動するための周波数fSTを設定する。推定末端圧力一定制御回路31から受信した周波数指令fS*の値は、たとえば、0.7p.u.以上に達した時に、コンパレータ41〜2によって、ディジタル信号“1”を41〜4のFLC1、41〜5のFLC2の基準流量、基準揚程演算器に与え、このブロックを起動する。前記関数発生器41〜4(RFLC1)は、逆止弁の摩擦損失揚程係数hSUL=0の場合の正味押込み揚程hSUN1=hSU−hSU0をパラメータとした、速度−流量、揚程−流量特性の関数発生器で、本給水装置について、予め測定、または、計算によって設定されている。同ように、前記関数発生器41〜5(RFLC2)は、逆止弁の摩擦損失揚程係数hSUL=0.3の場合の関数発生器である。
前記関数発生器41〜4、41〜5は、テーブルでも良いし、また、たとえば、図4、図5のようなグラフとその数値データ、あるいは、グラフを近似する二次方程式、または、指数方程式によって表す形式でも良い。前記関数発生器41〜4、41〜5のパラメータである正味押込み揚程hSUN1は、メモリー51〜7(3RES)からhSU0を受信し、検出した押込み揚程hSUによって、演算器41〜8(SUCHC)で、図示のように、押込み揚程(hSU)(p.u.)−逆止弁固定損失揚程(hSU0 )(p.u.)の引き算を行い、その結果を正味押込み揚程hSUN1(p.u.)として出力する。前記関数発生器41〜4、41〜5は、本実施例において、図4、図5のグラフとその数値データによる関数発生器を適用した。
図4は本発明の実施例を説明するためのもので、流量、速度、および揚程の関係を説明するためのものである。以下、その動作を例によって詳細に説明する。一次遅れ伝達関数41〜3から与えられるポンプ速度n*(p.u.)は、コンパレータ41〜2が“1”になった時、n1*(p.u.)であったとする。図4において、パラメータである正味押込み揚程hSUN1によって、流量A1、B1、C1、D1が検出できる。今、給水装置が、hSUN1=0.1(p.u.)で運転されていたとすると、この時の流量は、図4に示すように、B1に決定される。B1の値は、その数値データの挿入比例計算によって、流量0.838(p.u.)が得られた。この値は、逆止弁の摩擦損失揚程係数hSUL=0の場合の基準流量として、q0*で表す。前記q0*の時の揚程を基準揚程h0*とする。本実施例は、q0*=0.838(p.u.) h0*=0.911(p.u.)となる。
図5は本発明の他の実施例を説明するためのもので、流量、速度、および揚程の関係を説明するためのものである。図5において、流量がA2、B2、C2、D2が検出できる。同じように、hSUN1=0.1(p.u.)で運転されていたとすると、この時の流量は図示のように、B2に決定できる。同じように、数値データの比例計算によって、0.730(p.u.)が得られた。この値を摩擦損失揚程係数hSUL=0.3の場合の基準流量として、q3*で表す。前記q3*の時の揚程を基準揚程h3*とする。本実施例では、q3*=0.730(p.u.) h3*=0.860(p.u.)となった。ここで、この時点で検出された給水装置吐出揚程がhI (p.u.) であるとすると、給水装置の流量は、q0*、h0*とq3*、h3*を結ぶ直線上のhI (p.u.)に対応する流量が推定流量q*(p.u.)であると推定できる。
前記場合の演算は、(5)式で行う。
q*=〔(q0*−q3*)/(h0*−h3*)〕・(hI−h3*)+q3*----(5)
実際の吐出揚程がhI=0.890(p.u.)であったとする。そうすと、推定流量q*(p.u.)は、
q*=〔(0.838−0.730)/(0.911−0.860)〕・(0.890−0.860)+0.730=0.794(p.u.)
と計算できる。流量推定演算器41〜6(QEST)は、前記(5)式の演算を行うものである。つまり、hSUL=0(最小値)とhSUL=0.3(p.u.)(最大値)で計算された図4と図5によって、検出された基準流量と基準揚程によって定まる直線上に、その時点の給水装置の実際流量存在すると判断し、その時の吐出揚程に対応する流量を、実際の推定流量として比例計算によって求めるものである。かくして、運転中の給水装置の流量が推定できたので、逆止弁の摩擦損失揚程係数を未知数として、給水装置の吐出揚程近似式に代入することによって、逆止弁の摩擦損失揚程係数を求めることができる。
前記計算式を(6)式で示す。
hSUL=(hSU−hSU0−hI ) /q*2=(hP+hSUN1−hI ) /q*2=〔(a'n*2+hSUN1−hI ) /q*2〕−b' -----(6)
ここに、a'、b'は、ポンプ揚程hP(p.u.)を、近似式(7)で表す場合の係数である。
P≒a'n2−b'q2 -----(7)
尚、図3において、前記係数は41〜10として示されている。実施例において、前記係数は、a'=1.973、b'=0.642であった。q*=0.794(p.u.)、hSUN1=0.1(p.u.)、'n*=0.8(p.u.)、hI=0.890(p.u.)を(6)式に代入すると、hSUL=0.108が得られた。つまり、本給水装置の逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数は、0.108と云うことになる。
演算器41〜7(FRHC)は、(6)式の演算を行うブロックである。かくして、検出された、逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数hSULは、メモリー41〜9(MEMO)に送られ、IRESに記憶される。同時に、メモリー51〜7(3RES)から送られて来たデータhSU0は、メモリー41〜9(2RES)に記憶される。メモリー41〜9(1RES、2RES)の値は、圧力制御器31に転送され、図示していないが、オペレータの“データ書き換え許可”の操作で、 hSU0 、hSULの設定値が、転送されて来たデータに書き換えられるように構成されている。
以上に説明したように、逆止弁の固定損失揚程は、給水流量が小水量、たとえば、20l/min以下になった場合に動作するフロースイッチの信号によって、その時のポンプ速度からポンプの吐出揚程を演算し、その結果と給水装置の吐出揚程、押込み揚程によって固定損失揚程を演算するものである。この時の小流量は、ポンプの定格流量の10%以下であることが多い。よって、この時の小流量による圧力降下は、0.12=0.01(p.u.)と小さい。つまり、小流量検出値がばらついても、固定損失揚程の演算に与える影響は小さいと云う特徴がある。
しかしながら、逆止弁の摩擦損失揚程係数の演算は、流量を定格流量付近で行うために、流量演算推定の誤差の影響を受ける。よって、本発明では、ブロック41の演算ブロックを複数回繰り返して動作せしめ、その平均値を採用することにしている。これ等の処理は、公知の手法であるために、詳細な説明は省略している。ただし、概略の制御フローを図6に示している。逆止弁固定損失揚程データの獲得が完了し、摩擦損失揚程係数hSUL演算準備が完了した後、hSUL検出を設定した試験回数N回実行し、その平均値を求めている。
図6は逆流防止用逆止弁摩擦損失揚程係数の推定演算を複数回実行し、その平均値によって、演算誤差を少なくする場合の制御フローを示してる。図6において、前記制御フローで表したプログラムは、通常の圧力制御処理、運転状態表示、故障発生時の処理等全ての1スキャン処理が終了した後に、自動的に起動する。勿論、保全データの獲得処理であるため、このプログラムが実施中であっても、故障発生等の割り込み処理が発生すると、図示されていないが、データ転送処理、記憶処理を実行し、このプログラム処理が中断され、故障発生の割り込み処理が実行される。
今、このような処理が発生していないとする。制御処理1スキャン終了後に、図6に示す制御フローのプログラムが自動起動する(ステップ61)。図2の処理によって、固定損失揚程hSU0のデータが獲得されているかどうかを調べる(ステップ62)。もし、データが獲得されていないと判断された場合、図2の処理の完了を待ち、固定損失揚程hSU0のデータが獲得されていると判断された場合、ステップ63に進む。前記ステップ63において、摩擦損失揚程係数hSULデータの獲得の準備を行う。つまり、推定末端圧力一定制御の目標曲線を指定値に設定し、図3の周波数設定器41〜1 で指定周波数fST(p.u.)を設定する。
図示されていないが、データ獲得回数Nに試験回数、たとえば、3または5を設定する。これ等の設定処理が終了したか否かをステップ64でチェックする。完了していないと判断した場合、ステップ63に戻り待機する。データ獲得の準備が完了していると判断した場合、ステップ65に進む。ステップ65において、ポンプ用モータの周波数がfs* (p.u.)が指定周波数fsに等しいか否かを調べる。ポンプがインバータによって加速され、fs* (p.u.)=fST(p.u.)となると、摩擦損失揚程係数hSULデータ演算処理のステップ66に進む。
つまり、図3の関数発生器41〜4、41〜5、流量推定演算器41〜6、演算器41〜7(FRHC)、演算器41〜8(SUCHC)、メモリー41〜9(1RES、2RES)の処理が遂行される。この結果、1回目の摩擦損失揚程係数hSULデータが記憶装置に記憶される。ただし、図6に示す制御フローにおいて、N回の試験によるデータ獲得の場合を表しているので、メモリー41〜9(1RES、2RES)の記載の1RESに代わって、X 1 、X 2 ・・・X N RES に記憶される。
すなわち、1回目の摩擦損失揚程係数hSULデータは、X 1 RES に記憶される。次に、ステップ67に進み、試験回数N回が完了していない判断を経由して、ステップ65に戻り、2回目の摩擦損失揚程係数hSULデータ獲得処理を行う。その結果、X 2 RES に記憶される。この処理を設定した回数N回繰り返す。その結果、 X 1、X 2 ・・・X N RES にデータが記憶される。N回演算完了であれ
ば、ステップ68に進む。ステップ68は、X 1 、X 2 ・・・X N RES を合計し、回数Nで除算することにより、摩擦損失揚程係数hSULの平均値を演算する。また、その結果、図3のメモリー41〜9の1RESに転送する。これが完了すると、ステップ69に移り、このプログラムを終了する。プログラムがステップ69に移ると、圧力制御処理プログラムに復帰する。
つまり、逆止弁固定損失揚程データの獲得が完了し、摩擦損失揚程係数hSUL演算準備が完了した後、前記摩擦損失揚程係数hSULの検出を設定した回数N回実行し、その平均値を求めている。なお、図4、図5の揚程特性hは、推定末端圧力一定制御の目標揚程曲線を指定の値について示しているので、逆止弁摩擦損失揚程係数hSULをブロック41によって演算する場合には、目標揚程曲線を指定の設定値に設定して試験しなければならない。これが、不便であれば、他の設定値の条件で、図4、図5のデータを準備すれば良い。また、以上の説明では、ポンプ1台の運転について、説明したが、ポンプ2台の並列運転を行い、より、大流量運転状態で、逆止弁摩擦損失揚程係数hSULを演算することも可能である。むろん、この場合には、図4、図5のデータは、並列運転の場合のデータに変更しなければならない。
本発明の逆流防止用逆止弁の損失揚程を推定演算する方法を適用した、ポンプ2台並列、推定末端圧力一定制御の直送給水システムの全体構成図である。(実施例1) 本発明の逆流防止用逆止弁の固定損失揚程を推定演算する制御ブロックの詳細図である。 本発明の逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数を推定演算する制御ブロックの詳細図を示したものである。 給水装置の流量を演算するために準備した、摩擦損失揚程係数の異なる、正味押込み揚程をパラメータとする速度−流量特性、揚程−流量特性で、逆流防止用逆止弁摩擦損失揚程係数をゼロとした場合である。 給水装置の流量を演算するために準備した、摩擦損失揚程係数の異なる、正味押込み揚程をパラメータとする速度−流量特性、揚程−流量特性で、逆流防止用逆止弁摩擦損失揚程係数を0.3(p.u.)とに設定した場合である。 逆流防止用逆止弁摩擦損失揚程の推定演算を複数回実行し、その平均値によって演算誤差を少なくする場合の制御フローを示している。
符号の説明
1、2・・・ポンプ
4、6・・・逆止弁
5、7・・・締切弁
8・・・逆流防止用逆止弁
10・・・フロースイッチ
11・・・吐出圧力検出器
12・・・吸込圧力検出器
14、15・・・電動機
21、22・・・インバータ
31・・・推定末端圧力一定制御回路
41・・・摩擦損失揚程係数演算ブロック
51・・・固定損失揚程を推定演算する制御ブロック

Claims (3)

  1. 可変電圧・可変周波数電源によって制御される電動機を用いて駆動する可変速ポンプが運転され、前記可変速ポンプの圧力を吐出圧力一定制御または推定末端圧力一定制御方式によって制御するポンプ直送給水システムにおける逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置において、
    ポンプ揚程特性の二次近似式の定数を設定する手段と、
    インバータ周波数を検出する手段と、
    前記インバータ周波数からポンプ回転速度を推定する手段と、
    設定した揚程特性の二次近似式の定数を使用してポンプ吐出揚程を演算する手段と、
    小流量検出用フロースイッチの動作流量を設定する手段と、
    前記小流量検出用フロースイッチが動作したことを検出する手段と、
    給水装置の吐出揚程、押込み側揚程を検出する手段と、
    を少なくとも備え、
    前記フロースイッチが動作した時点に前記揚程特性の二次近似式によってポンプ吐出揚程の演算を実行し、同時に、給水装置の吐出揚程、押込揚程の検出を実行することにより、
    (ポンプの吐出揚程)+(押込み揚程)−(給水装置の揚程)=(逆流防止用逆止弁の固定損失揚程)
    として演算することを特徴とする逆流防止用逆止弁の損失揚程推定装置。
  2. 可変電圧・可変周波数電源によって制御される電動機を用いて駆動する可変速ポンプが運転され、前記可変速ポンプの圧力を吐出圧力一定制御または推定末端圧力一定制御方式によって制御するポンプ直送給水システムにおける逆流防止用逆止弁の損失揚程推定方法において、
    推定末端圧力一定制御を選択し、推定末端圧力一定制御の目標曲線の固定揚程、流量係数を指定値に設定するとともに、逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数の演算を実行するインバータ周波数を設定し、
    前記インバータ周波数が前記設定値に等しくなった時、インバータ周波数から演算したポンプ速度と、検出した押込み揚程から
    (ポンプの吐出揚程)+(押込み揚程)−(給水装置の揚程)=(逆流防止用逆止弁の固定損失揚程)
    により演算した逆流防止用逆止弁の固定損失を引き算することによって求めた正味押込み揚程を、予め準備した逆流防止用逆止弁損失揚程係数をゼロとした場合と想定される逆止弁損失揚程係数を最大値とした場合の正味押込み揚程をパラメータにした二組の速度−流量、揚程−流量特性を示すグラフまたは数値表に入力し、
    二組の基準流量、基準揚程データを求め、求めた基準流量、基準揚程と給水装置の吐出揚程から前記給水装置の流量を推定演算し、
    前記推定した流量とポンプの揚程近似式、正味押込み揚程、給水装置の吐出揚程から、逆流防止用逆止弁の摩擦損失揚程係数を演算することを特徴とする逆流防止用逆止弁の損失揚程推定方法。
  3. 請求項2に記載された方法を複数回繰り返して動作せしめ、その演算結果の平均値を採用することによって、設定誤差、検出誤差の影響を小さくすることを特徴とする逆流防止用逆止弁の損失揚程推定方法。
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