JP2010125345A - Waterdrop collection device, and method of installing the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、水滴捕集装置および水滴捕集装置の設置方法に関するものである。 The present invention relates to a water droplet collection device and a method for installing the water droplet collection device.
従来、大気中の水蒸気を捕集するための技術として、特許文献1に記載のような技術が知られている。特許文献1においては、地上の水蒸気吸脱着部と地中の凝縮部とを連通させ、シリカゲルを水蒸気吸脱着部に配置している(特許文献1の図1参照)。
Conventionally, a technique as described in
そして、夜間においては、水蒸気吸脱着部に設けられた換気口から自然に高湿度の外気が流入し、シリカゲルがこの流入した外気中の水蒸気を吸う。そして、昼間になると、水蒸気吸脱着部内に太陽光が射し込み、この太陽光によって水蒸気吸脱着部が熱せられ、温度が上がると共に相対湿度が下がる。すると、シリカゲルから水蒸気が放出され、水蒸気吸脱着部中の空気が水蒸気を豊富に含むようになる。このとき、ファン等の送風機が作動することで、水蒸気吸脱着部の空気が凝縮部に移動して冷却されることで、水蒸気が液滴化する。液滴化した水は、貯水部に集められる。 At night, high-humidity outside air naturally flows from a ventilation port provided in the water vapor adsorption / desorption part, and silica gel absorbs the water vapor in the inflowing outside air. At daytime, sunlight enters the water vapor adsorbing / desorbing part, and the water vapor adsorbing / desorbing part is heated by the sunlight, so that the temperature increases and the relative humidity decreases. Then, water vapor is released from the silica gel, and the air in the water vapor adsorption / desorption part becomes rich in water vapor. At this time, by operating a blower such as a fan, the air in the water vapor adsorbing / desorbing part moves to the condensing part and is cooled, so that the water vapor becomes droplets. The dropletized water is collected in the water reservoir.
このように、特許文献1の技術では、夜間に水を含んだシリカゲルが昼間に太陽光により水蒸気を放出し、放出した水蒸気がファンによって地中に運ばれることで液滴化するようになっている。
しかし、従来の技術では、水蒸気を多量に含んだ空気を冷やすために、空気を能動的に移動させるための送風機が必須となる。 However, in the prior art, in order to cool air containing a large amount of water vapor, a blower for actively moving the air is essential.
そこで、本願発明は、夜間に水を含んだ吸水部材(例えばシリカゲル)が昼間に太陽光により水蒸気を放出し、放出した水蒸気が冷却されて液滴化するという作用を実現する技術において、水蒸気を含んだ空気を移動させるための送風機を必須としない構成を実現することを目的とする。 Therefore, the present invention relates to a technology that realizes an action in which a water-absorbing member (for example, silica gel) containing water at night releases water vapor by sunlight in the daytime, and the discharged water vapor is cooled to form droplets. It aims at realizing the structure which does not require the air blower for moving the contained air.
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、開閉する透光性のケーシング(10)と、ケーシング(10)内に設けられ、周囲の空気の相対湿度が高いほど水蒸気の吸収量が多くなる吸水部材(23)と、ケーシング(10)内に液滴化した水を捕集する貯蔵槽(50)と、を備えた水滴捕集装置であって、ケーシング(10)内において、吸水部材(23)に対して第1の側にある第1の空間(41)と吸水部材(23)に対して第1の側とは反対側の第2の側にある第2の空間(42)とは、連通しており、ケーシング(10)が開いているときに、吸水部材(23)は、大気中の水蒸気を吸収し、ケーシング(10)が閉じて上記第1の側から吸水部材(23)に太陽光が当たっているときに、吸水部材(23)は、吸収していた水をケーシング(10)内の空気に水蒸気として放出し、水蒸気を含んだ空気は、上記第1の空間(41)から日陰側の上記第2の空間(42)に移動して冷やされ、それによって、冷やされた空気中の水蒸気が、第2の空間(42)におけるケーシング(10)の内面において液滴化することを特徴とする。
The invention according to
このように、請求項1に記載の発明においては、吸水部材(23)に対して太陽光の当たる日向側にある第1の空間(41)と、吸水部材(23)に対して太陽光の当たらない日陰側にある第2の空間(42)と、が連通しているので、第1の空間(41)と第2の空間(42)との温度差を利用して、水蒸気を液滴化することができる。
Thus, in invention of
すなわち、吸水部材(23)およびその周囲の空気が太陽光を受けて高温になることで、吸水部材(23)から水蒸気が放出され、その水蒸気を含んだ空気が、第1の空間(41)に上昇し、さらに、第1の空間(41)において温度が低下して、第2の空間(42)に移動できる。そして、日陰となっている第2の空間(42)において空気が冷却され、水蒸気が液滴化して捕集される。 That is, when the water-absorbing member (23) and the surrounding air receive sunlight and become high temperature, water vapor is released from the water-absorbing member (23), and the air containing the water vapor is the first space (41). Further, the temperature is lowered in the first space (41), and the second space (42) can be moved. Then, the air is cooled in the second space (42) in the shade, and the water vapor is collected as droplets.
なお、第1の空間(41)において空気の温度が低下するのは、日向側であっても、ケーシング(10)の端部は外気からの熱伝導により、直射日光を受ける吸水部材(23)の周囲に比べて温度が低くなるからである。 Even if the temperature of the air in the first space (41) is reduced to the sun, the end of the casing (10) receives the direct sunlight by heat conduction from the outside air (23). This is because the temperature is lower than the surrounding area.
このように、第1の空間(41)と第2の空間(42)とが連通しているので、ケーシング(10)の吸水部材(23)付近の温度と端部との温度差、および、第1の空間(41)と第2の空間(42)との温度差により、第1の空間(41)から第2の空間(42)への自然な空気の流れが発生する。したがって、水蒸気を含んだ空気を低温の場所に移動させるための送風機を必須とせず、大気から水を捕集することができる。 Thus, since the first space (41) and the second space (42) communicate with each other, the temperature difference between the temperature near the water absorbing member (23) of the casing (10) and the end, and Due to the temperature difference between the first space (41) and the second space (42), a natural air flow from the first space (41) to the second space (42) occurs. Therefore, a blower for moving air containing water vapor to a low temperature place is not essential, and water can be collected from the atmosphere.
なお、本発明の特徴は、あくまでも、送風機を「必須としない」ような構造を水滴捕集装置が有している点であり、送風機を「排除」することを特徴としているのではない。したがって、本発明においては、上記のような構造を有している水滴捕集装置であれば、送風機を補助的に利用してもよいし、利用しなくてもよい。 Note that the feature of the present invention is that the water droplet collection device has a structure that “does not require an air blower”, and is not characterized by “exclusion” of the air blower. Therefore, in this invention, if it is a water droplet collection apparatus which has the above structures, an air blower may be used auxiliary and may not be used.
また、請求項2に記載のように、ケーシング(10)は、閉じたときに空気を閉じ込める構造となっていてもよい。このようになっていることで、ケーシング(10)内に閉じ込められた空気は、太陽光を受けて温度が上昇し、第2の空間(42)で冷やされて液滴を放出するというサイクルを繰り返す。そして、時間の経過とともにケーシング(10)の周囲の大気温度が低下すると、それに応じてケーシング(10)内に閉じ込められた空気の温度も低下するので、さらに液滴化が進む。
Moreover, as described in
このように、ケーシング10内に空気を閉じ込めることで、ケーシング10内における位置による温度差、時間による温度差を利用して2段階で液滴化することで、吸水部材(23)が捕集した水蒸気のほとんどを効率よく、液滴にすることができる。
In this way, by trapping air in the
また、請求項3に記載のように、ケーシング(10)は、当該ケーシング(10)の外形を構成する骨格(16)と、当該ケーシング(10)の壁を構成する透光性のあるフィルム(14〜16)とを有し、フィルム(14〜16)は、二重以上に重なったフィルムであってもよい。 Moreover, as described in claim 3, the casing (10) includes a skeleton (16) that forms an outer shape of the casing (10), and a translucent film that forms a wall of the casing (10) ( 14 to 16), and the film (14 to 16) may be a double or more overlapping film.
このように、ケーシング(10)の壁となるフィルム(14〜16)が二重フィルムとなっていることで、ケーシング(10)の内部と外部との間の断熱性が高まり、太陽光を受けた際の吸水部材(23)の温度がより上昇し易くなり、吸水部材(23)が吸収した水の水蒸気化が進み、ひいては、水滴の捕集量が増大する。 Thus, the film (14-16) used as the wall of a casing (10) becomes a double film, the heat insulation between the inside of a casing (10) and the exterior improves, and receives sunlight. In this case, the temperature of the water absorbing member (23) is more likely to rise, the water vaporization of the water absorbed by the water absorbing member (23) proceeds, and the amount of water droplets collected increases accordingly.
また、請求項4に記載のように、フィルム(14〜16)のうち少なくとも一部(16)が移動することで、前記ケーシング(10)が開閉し、当該一部(16)には、当該一部(16)の移動方向に延びる骨部材(73)が取り付けられており、骨部材(73)は、所定の形状が当該移動方向に繰り返す螺旋構造になっており、当該所定の形状の大きさは、当該一部(16)の一端から遠ざかるにつれて段階的に大きくなっていき、その後当該一部(16)の他端に近づくにつれて段階的に小さくなっていくようになっていてもよい。
Moreover, as described in
ケーシング(10)の開閉機構がこのようなフィルム(16)と骨部材(73)を備えた提灯構造となっていることで、ケーシング(10)が開いた状態、すなわち、フィルム(16)が畳まれた状態においては、骨部材(73)が多重に重ならないので、フィルム(16)をより小さく縮めることができる。また、開閉機構が提灯構造となっていることで、外力に対する強度が向上する。また、骨部材(73)によってフィルム(16)が補強されているので、風が強い時にも、フィルム(16)が大きく変形してしまうことを防ぐことができる。 Since the opening / closing mechanism of the casing (10) has such a lantern structure including the film (16) and the bone member (73), the casing (10) is opened, that is, the film (16) is folded. In the rare state, since the bone member (73) does not overlap multiplely, the film (16) can be further reduced. Moreover, the strength with respect to external force improves because the opening / closing mechanism has a lantern structure. Further, since the film (16) is reinforced by the bone member (73), it is possible to prevent the film (16) from being greatly deformed even when the wind is strong.
また、請求項5に記載のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の水滴捕集装置を設置する方法であって、ケーシング(10)内の第1の空間(41)から吸水部材(23)に太陽が当たるよう、水滴捕集装置を設置することを特徴とする方法としても、本発明を捉えることができる。
A method for installing the water droplet collection device according to any one of
また、請求項6に記載のように、水滴捕集装置を設置する場所における夏至の南中高度に基づいて、吸水部材(23)の設置角度を決定するようになっていてもよい。このようにすることで、設置する場所の太陽の照射環境に適した角度で吸水部材(23)を設置することができる。 Moreover, as described in claim 6, the installation angle of the water absorbing member (23) may be determined based on the south and middle altitude of the summer solstice at the place where the water droplet collection device is installed. By doing in this way, a water absorption member (23) can be installed with the angle suitable for the irradiation environment of the sun of the place to install.
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。 In addition, the code | symbol in the bracket | parenthesis in the said and the claim shows the correspondence of the term described in the claim, and the concrete thing etc. which illustrate the said term described in embodiment mentioned later. .
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る水滴捕集装置1の概略図を示す。この水滴捕集装置1は、ケーシング10、吸湿部20、支持部材40a、40b、および貯蔵槽50を有している。
(First embodiment)
The first embodiment of the present invention will be described below. In FIG. 1, the schematic of the water
ケーシング10は支持部材40a、40bに支えられることで地上に設置され、吸湿部20を内部に収容する。その際、ケーシング10中において、吸湿部20の上側(第1の側に相当する)の空間(第1の空間に相当する)41と、吸湿部20の下側(第2の側に相当する)の空間(第2の空間に相当する)42とは、連通するようになっている。吸湿部20は、周囲の相対湿度が高い場合には空気中の水蒸気を吸収し、周囲の相対湿度が低い場合には周囲に水蒸気を放出する。また、ケーシング10および吸湿部20は、水平面に対して傾けられた状態で設置されている。
The
また、ケーシング10は、夜間等の大気中の相対湿度が高い場合には開き、日中には閉じるようになっている。したがって、夜間、雨天時、降雪時、霧発生時、霜発生時、等の大気中の相対湿度が高い場合には、吸湿部20がケーシング10内を通過する空気中の水蒸気を吸収し、日中等の相対湿度が低い場合には、吸湿部20がケーシング10内に閉じこめられて太陽光を受けることで、ケーシング10内に水蒸気を放出する。そして、放出された水蒸気は、ケーシング10内で矢印4、5のように自然に循環する空気に運ばれ、ケーシング10の底面、側面等の内壁で液滴化し、その液滴が貯蔵槽50に流れ込む。
The
以下、このような水滴捕集装置1の構成および作動について詳細に説明する。図2に、開いた場合のケーシング10の斜視図を示し、図3に、閉じた場合のケーシング10の斜視図を示す。
Hereinafter, the configuration and operation of such a water
ケーシング10は、扁平な直方体形状を成し、枠部材11、12、複数のワイヤーロープ13、および透光性のあるフレキシブルなフィルム14〜16を備えている。
The
ここで、ケーシング10の直方体の各面について説明する。以下では、面からケーシング10の外側に向かう法線を、その面の向きとして説明する。ケーシング10のうち、最も大きな面のうち1つは、太陽によく当たるように、南方向の上方を向いている。以下、この面を日向面という。また、日向面と反対の方向を向いている面を日陰面という。また、北方向の上方を向いている面を、上面といい、南方向の下方を向いている面を、下面といい、西方向を向いている面を西面といい、東方向を向いている面を東面という。したがって、ケーシング10の外形は、上面および下面を底面とし、日向面、日陰面、西面、東面を側面とする四角柱でもある。
Here, each surface of the rectangular parallelepiped of the
構造部材である枠部材11は、上面の長方形の4辺を成す棒状部材(例えば金属パイプ、樹脂パイプ)であり、支持部材40aに支えられている。また、構造部材である枠部材12は、下面の長方形の4辺を成す棒状部材(例えば金属パイプ、樹脂パイプ)であり、支持部材40bに支えられている。
The
また、枠部材11から枠部材12へ、複数のワイヤーロープが、互いに平行に、張られている。これら枠部材11、枠部材12、およびワイヤーロープ13により、ケーシング10の外形が形成される。
In addition, a plurality of wire ropes are stretched in parallel from the
また、枠部材11によって囲まれる上面の全面には、フィルム14が張られている。また、枠部材12によって囲まれる下面の全面にも、フィルム15が張られている。また、ケーシング10の4つの側面(すなわち、日向面、日陰面、西面、および東面)には、環状のフィルム16が設けられている。フィルム15とフィルム16とは、融着固定、熱圧着等によって密着している。したがって、フィルム15およびフィルム16からなるフィルムの形状は、袋形状となっている。
A
このフィルム16は、図2および図3に示すように、ワイヤーロープ13に平行な方向19に移動可能となっている。そして、ケーシング10を閉じた状態にする場合、図3に示すように、フィルム16の枠部材11側の端部を枠部材11に接触させる。これによって、ケーシング10の内部の吸湿部20(図2、3では記載を省略している)が、ケーシング10内に閉じこめられる。なお、ケーシング10が閉じた状態におけるフィルム16の過度の撓みを防止するために、フィルム16は、図示しないフックまたはリングを介してワイヤーロープ13に吊られていてもよいし、あるいは、フィルム16は、ワイヤーロープ13を囲むように配置されていてもよい。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
また、ケーシング10を開いた状態にする場合、図2に示すように、フィルム16を縮めてフィルム15側にまとめる。このとき、フィルム15は縮んだ状態となる。このようにケーシング10が開くことによって、ケーシング10の内部を、ケーシング10の外部の空気が通過することができるようになる。
When the
このように、ケーシング10においては、枠部材11、12が、ケーシング10の外形を構成する骨格となり、フィルム14〜16が、ケーシング10の壁を形成する。
As described above, in the
図4に、吸湿部20の斜視図を示し、図5に、吸湿部20の裏面図(図4の矢印29の方向から吸湿部20を見た図)を示す。
FIG. 4 shows a perspective view of the
吸湿部20は、骨格部21、シート22、吸水部材23、および導水部材24を備えている。骨格部21は、扁平な直方体の各辺を構成する棒状部材(例えば金属パイプ、樹脂パイプ)を有している。当該直方体は、吸湿部20の外形を成し、ケーシング10内に収まる大きさとなっている。この直方体の面のうち、ケーシング10の上面、下面、日向面、日陰面、西面、東面に平行に対面する面を、それぞれ同様に上面、下面、日向面、日陰面、西面、東面という。骨格部21は、当該直方体の上面、日向面、下面、日陰面を通る平行な棒状部材も有している。
The
不織布等から成るシート22は、骨格部21の構成する外形の内部において、複数枚が等間隔かつ平行に配置されている。また、各シート22は、風雨などで損傷しない様に、骨格部21に固定されている。
A plurality of
また、シート22の表裏両面には、吸水部材(吸着剤ともいう)23が保持(または担持)されている。この吸水部材23は、周囲の水蒸気を吸収することができる材料から成る。シート22による吸水部材23の保持は、ペースト状の吸水部材23をシート22に塗布することで実現してもよいし、糊(例えばメチルセルロース)を用いて粉末状の吸水部材23をシート22に接着することで実現してもよい。塗布の方法としては、ダイコータ、ブレードコータ、転写法等の、公知の塗布の方法を用いることができる。
Further, water absorbing members (also referred to as adsorbents) 23 are held (or carried) on both the front and back surfaces of the
この吸水部材23の特性としては、周囲の空気の相対湿度が高いほど水蒸気の吸収量が多くなる。例えば、周囲の相対湿度が基準湿度(例えば50%〜80%)を超えると周囲の水蒸気を吸収し、基準湿度以下では、周囲に水蒸気を放出するようになっている。
As a characteristic of the
導水部材24は、吸湿部20の外形を成す直方体の日陰面において、骨格部21に沿って配置され、さらに、位置24aから骨格部21を離れて貯蔵槽50の方向(すなわち鉛直下方)に延びている。導水部材24としては、親水性の縄、パイプ、または紐(例えば綿紐、樹脂紐)を用いる。
The
図5に、吸湿部20の外形を成す直方体の日陰面における導水部材24の配置を示す。この図に示すように、導水部材24は、当該日陰面において、位置24aに繋がっている。導水部材24のうち、骨格部21に沿って伸びている部分は、シート22の一端にも接触している。したがって、導水部材24は、吸水部材23の下部に溜まった水を吸収し、吸収した水を位置24aを介して貯蔵槽50まで導くようになっている。
In FIG. 5, arrangement | positioning of the
このように、吸湿部20においては、骨格部21は、吸水部材23を保持しつつ、吸水部材23を通る空気の流れを阻害しない骨構造を有している。
Thus, in the
図6に、ケーシング10内に収められた状態の吸湿部20を示す。なお、図6においては簡単のために、ケーシング10についてはその外形のみを、吸湿部20については骨格部21のみを記載している。
FIG. 6 shows the
この図に示すように、吸湿部20は、全体がケーシング10内に収められているので、ケーシング10が閉じられた場合には、吸湿部20はケーシング10の外部から遮断され、ケーシング10が開いた場合には、ケーシング10の外部から流れ込んだ空気がシート22の吸水部材23の周りを通り、吸水部材23がその空気中の水蒸気を吸収する。
As shown in this figure, the entire
また、吸湿部20とケーシング10との間には空間(隙間)が設けられている。具体的には、ケーシング10の日向面と吸湿部20の日向面との間には隙間(第1の空間31に相当する)があり、ケーシング10の日陰面と吸湿部20の日陰面との間には隙間(第2の空間に相当する)があり、ケーシング10の上面と吸湿部20の上面との間には隙間があり、ケーシング10の下面と吸湿部20の下面との間には隙間があり、ケーシング10の西面と吸湿部20の西面との間には隙間があり、ケーシング10の東面と吸湿部20の東面との間には隙間がある。
Further, a space (gap) is provided between the
したがって、日向面間の第1の空間(図1の空間41)と、日陰面間の第2の空間(図1の空間42)とは、上面間の空間、下面間の空間、西面間の空間、東面間の空間を介して連通している。したがって、ケーシング10内に閉じ込められた空気がケーシング10と吸湿部20との間を通りやすくなっている。なお、吸湿部20の骨格部21は、図示しない固定部材によって、ケーシング10の枠部材11に固定されている。
Therefore, the first space between the sunny surfaces (
貯蔵槽50は、地中に設けられたタンク51と、タンク51とケーシング10との間をつなぐパイプ52とを有している。したがって、タンク51は、パイプ52を通じてケーシング10の内部と連通している。導水部材24は、このパイプ51内を通ってケーシング10内から貯蔵槽50まで延びている。貯蔵槽50は、この導水部材24を伝って落ちてきた水滴、および、フィルム16およびパイプ51を伝って落ちてきた水滴を貯蔵する。
The
以下、このような構成の水滴捕集装置1の作動について説明する。本実施形態の水滴捕集装置1は、一日の気温の温度差により発生する湿度変化を利用して大気中の水分を吸収すると共に、ケーシング10内部において太陽光の当たる日向と太陽光の当たらない日陰との間の温度差、および、一日の気温の温度差を利用して、水蒸気を凝縮して液滴化するようになっている。
Hereinafter, the operation of the water
まず、夕方または夜間になると、ケーシング10が開いた状態にされる。開くタイミングの決定および実際に開ける作業は、共に人が行うようになっていてもよいし、後述するように共に自動的に行われるようになっていてもよい。
First, in the evening or at night, the
ケーシング10が開放されると、ケーシング10の内部は大気と連通し、ケーシング10の外部と内部の相対湿度は同一になる。そして、外気温の低下に伴い相対湿度が上昇し、相対湿度が基準湿度を超えると、吸水部材23がケーシング10の内部に導入された空気中の水蒸気を吸収する。
When the
その後、朝または昼になると、ケーシング10が閉じた状態にされる。閉じるタイミングの決定および実際に閉じる作業は、共に人が行うようになっていてもよいし、後述するように共に自動的に行われるようになっていてもよい。
Thereafter, in the morning or noon, the
ケーシング10が閉じられた後、ケーシング10および吸湿部20に太陽光が当たると、ケーシング10内部の温度が上昇し、ケーシング10の外部の気温よりも高くなる。このケーシング10内の温度上昇に伴い、吸湿部20の周囲の相対湿度が低下する。すると、吸水部材23に吸着された水分は蒸発して水蒸気になり、ケーシング10の内部に放出される。
After the
蒸発した大量の水蒸気は、ケーシング10内で加熱された空気と共に上昇し、ケーシング10の日向面に到達する。すると、この高温の空気の一部は、図1の矢印4に示すように、ケーシング10の日向面に沿って上昇してケーシング10の上面に到達する、他の一部は、ケーシング10の日向面に沿って水平方向(すなわち、図1の紙面に垂直な方向)に移動してケーシング10の西面および東面に到達する。
A large amount of the evaporated water vapor rises with the air heated in the
ケーシング10の上面、西面、東面の部分においては、直射日光を受けている吸湿部20の周囲に比べて、温度が低くなっている。したがって、ケーシング10の上面、西面、東面に到達した空気は冷やされて過飽和状態となり、空気中の水蒸気が結露し、液滴化する。その結果、ケーシング10の上面、西面、東面のフィルム15、16に水滴が付着する。そして、この水滴はフイルム15、16に沿って流れ落ち、さらにパイプ52を通って最終的にタンク51内に捕集される。
In the upper surface, the west surface, and the east surface of the
ケーシング10の上面、西面、東面に移動して冷やされた空気は、下降し、ケーシング10の日陰面に回り込む。ケーシング10の日陰面では、吸湿部20によって太陽光が遮られる。したがって、ケーシング10内の温度上昇も少なく、かつ、日陰面の直下の外気も日陰となっているので温度が低いので、ケーシング10の日陰面の温度が低く抑えられる。したがって、日陰面の温度は、日向面側に比べて温度が低いばかりではなく、ケーシング10の上面、西面、東面の部分に比べても温度が低い。
The air cooled by moving to the upper surface, the west surface, and the east surface of the
それ故、ケーシング10の側面から日陰面に周り込んだ空気は更に冷やされ、空気中の水蒸気が過飽和状態となって結露し、液滴化する。その結果、ケーシング10の日陰面のフィルム16に水滴が付着する。そして、この水滴はフイルム16に沿って流れ落ち、さらにパイプ52を通って最終的にタンク51内に捕集される。
Therefore, the air that has entered the shaded surface from the side surface of the
なお、日向面側から日陰面側に回り込んで冷えた空気は、日陰面に沿って矢印5のように下降し、対流に押し上げられて再度吸水部材23の周辺に戻り、直射日光を受けている吸湿部20加熱され、吸水部材23から放出された水蒸気を再度含んで上昇する。
In addition, the air cooled from the sun side to the shade side descends as indicated by the
このように、日中の太陽光が当たっている場合においては、吸水部材23から水蒸気が放出され、空気がケーシング10の日向面と日陰面とを循環する。したがって、吸湿部20周辺で発生した水蒸気が、空気によって日向面まで上昇し、ケーシング10の側面を通って日陰面まで運ばれ、上面、西面、東面および日陰面で液滴化するというサイクルが繰り返される。このように、ケーシング10内における、吸湿部20周辺の温度、上面、西面、東面周辺の温度、日陰面周辺の温度の差を利用して、水蒸気を液滴化して捕集することができる。
Thus, in the case of sunlight in the daytime, water vapor is released from the
なお、水蒸気を含んだ空気が日向面から上面、西面、東面を通って日陰面に到達し、さらに吸水部材23に戻ることができるのは、吸湿部20とケーシング10との間に隙間が設けられているからである。
In addition, it is a gap between the
つまり、本実施形態においては、吸水部材23に対して太陽光の当たる日向側にある第1の空間41と、吸水部材23に対して太陽光の当たらない日陰側にある第2の空間42と、が連通しているので、第1の空間41と第2の空間42との温度差を利用して、水蒸気を液滴化することができる。
That is, in the present embodiment, the
すなわち、吸水部材23およびその周囲の空気が太陽光を受けて高温になることで、吸水部材23から水蒸気が放出され、その水蒸気を含んだ空気が、第1の空間41に上昇し、さらに、第1の空間41において温度が低下して、第2の空間42に移動できる。そして、日陰となっている第2の空間42において空気が冷却され、水蒸気が液滴化して捕集される。
That is, when the
なお、第1の空間41において空気の温度が低下するのは、日向側であっても、ケーシング10の端部は外気からの熱伝導により、直射日光を受ける吸水部材23の周囲に比べて温度が低くなるからである。
Note that the temperature of the air in the
このように、第1の空間41と第2の空間42とが連通しているので、ケーシング10の吸水部材23付近の温度と端部との温度差、および、第1の空間41と第2の空間42との温度差により、第1の空間41から第2の空間42への自然な空気の流れが発生する。したがって、水蒸気を含んだ空気を低温の場所に移動させるための送風機を必須とせず、大気から水を捕集することができる。
Thus, since the
また、ケーシング10内の空気は、ケーシング10が開放されるまでは、ケーシング10内に閉じこめられた状態となっている。これは、フィルム16によってケーシング10が閉じられた場合には、ケーシング10に他の通風口が存在しないからである。
Further, the air in the
したがって、夕方になって太陽光が弱くなってくると、ケーシング10の周辺の温度の低下に伴って、ケーシング10内部の空気の温度も低下する。すると、ケーシング10内部の空気が過飽和状態になり、ケーシング10の上面、西面、東面および日陰面において更に液滴化が進む。このように、昼間に蒸発した水蒸気を含む空気をケーシング10内に閉じこめておくことで、昼間と夕方の気温差を利用して、水蒸気を液滴化して捕集することができる。
Therefore, when sunlight becomes weak in the evening, the temperature of the air inside the
このように、ケーシング10内における位置による温度差、時間による温度差を利用して2段階で液滴化することで、夜間に吸水部材23が捕集した水蒸気のほとんどを効率よく、液滴にすることができる。
In this way, by using the temperature difference depending on the position in the
また、本実施形態の水滴捕集装置1は、ほぼ全体がフィルムで覆われているので、構造が簡単であり、また、水滴捕集装置1の占める敷地面積に対する受光面の割合を大きくすることができる。したがって、吸収した水蒸気を効率的に液滴化することができる。例えば、吸収剤の表面積(吸着剤100g/m2付着の不織布)4m2において吸水部材23が吸収した水蒸気量が500gの場合、約350〜400gの水を貯蔵槽50に捕集することができる。
Moreover, since the water
以上のように、本実施形態の水滴生成装置1によれば、大気の相対湿度が高いときにケーシング10を開放することで、吸水部材23に水分を吸収させ、また、太陽光がケーシング10に照射されているときにケーシング10を閉じることで、ケーシング10内の温度を上昇させて吸水部材23に水分を放出させ、また、ケーシング10内部の太陽光の当たる側、太陽光の当たらない側の温度差を利用して、空気を循環させ、効率的にケーシング10内の水蒸気を液滴化させることができる。このため、ケーシング10の開閉だけで自然に発生する温度差を利用して、大気中の水蒸気を回収して水滴を得ることができる。
As described above, according to the
また、雨が降っている場合、露ができる場合、霧がある場合も、ケーシング10を開放するようになっていてもよい。その場合、雨、露、霧は、吸水部材23およびシート22に吸収されるが、吸収し切れない余分な水は、滴り落ちて、吸水部材23の直下に取り付けられた導水部材24に捉えられ、導水部材24を伝って、タンク51に導かれる。また、吸水部材23が夜の間に吸収した多量の水が、太陽光が当たる初期段階で、液滴として雫のように流れ落ちて導水部材24に捉えられ、導水部材24を伝って、タンク51に導かれる場合もある。
Moreover, the
なお、タンク51に貯蔵された水の活用方法としては、以下のようなものがある。まず、飲料水として用いることができる。この水は、原理的には、蒸留水であるので、飲料水として適している。飲料用水として使用する前に、紫外線、オゾン、塩素などで殺菌するようにしてもよい。また、農業用水、工業用水としても利用することができる。
In addition, as a utilization method of the water stored in the
また、タンク51に貯蔵された水から、容易に超純水を作ることができる。タンク51に貯蔵される水は、以下のような経緯を経て貯蔵される。まず、海水または地表から、太陽の熱によって水が蒸発し、蒸発してできた水蒸気が大気中で空気と混合されて、大気の気流に乗って、大気圏を移動する。そして、大気圏を移動した水蒸気は、水滴捕集装置1の吸水部材23に捕集される。さらに、吸水部材23に捕集された水は再度太陽熱によって、放出(蒸発)され、その後に液滴化してタンク51に捕集される。
Moreover, ultrapure water can be easily made from the water stored in the
この吸水部材23から放出された水蒸気には、金属イオン等の水分子以外のものは、ほとんど含まれていない。したがって、タンク51に捕集された水中に溶け込んだイオン(CO2などのイオン)をイオン交換樹脂で除去して、超純水を作成するのは、容易かつ安価である。捕集される水は元々水蒸気であったので、超純水にする工程(イオン除去の工程)が短くて済む。
The water vapor released from the
以下、水滴捕集装置1の各構成部品の構成および作動の具体例について説明する。
(1)フィルム
フィルム14、15、16のそれぞれには、上昇した内部の熱を外部に放出させないために、すなわち、断熱性を高めるために、重なった2枚のフィルム(すなわち二重フィルム)を用いるようになっていてもよい。
Hereinafter, specific examples of the configuration and operation of each component of the water
(1) Film Each of the
なお、フィルムの厚さが約50μm以上の場合は、フィルム内の熱伝導率が小さいので、断熱効果が期待でき、内部の温度を上昇させることができる。また、50μm未満の薄いフィルムでは、フィルム断面の熱移動が起こり、断熱効率がやや弱いので、フィルムを二重構造とした方が(すなわち、二重フィルムを用いた方が)内部の温度上昇を効率に向上させることができる。 In addition, when the thickness of the film is about 50 μm or more, since the thermal conductivity in the film is small, a heat insulating effect can be expected, and the internal temperature can be increased. In addition, in a thin film of less than 50 μm, heat transfer occurs in the film cross section, and the heat insulation efficiency is somewhat weak. Therefore, if the film has a double structure (that is, if a double film is used), the internal temperature rises. The efficiency can be improved.
二重フィルム14、15、16におけるフィルム間の間隔は、良好な絶縁性を実現するために、フィルム間において対流が発生しないような間隔としてもよい。例えば、0.1〜5mm程度の間隔が好ましい。
The distance between the films in the
このように、ケーシング10の壁となるフィルム14〜16が二重フィルムとなっていることで、ケーシング10の内部と外部との間の断熱性が高まり、太陽光を受けた際の吸水部材23の温度がより上昇し易くなり、吸水部材23が吸収した水の水蒸気化が進み、ひいては、水滴の捕集量が増大する。
Thus, since the films 14-16 used as the wall of the
また、フィルム16は、ケーシング10が開放された状態(すなわちフィルム16が縮んだ状態)においてよりコンパクトになるように、蛇腹形状となっていてもよい。
Further, the
フィルム14、15、16の材質としては、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリオレフィン、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等をいう)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの素材を用いることができる。
Examples of the material of the
特に、ケーシング10の日向面および上面、西面、東面に位置するフィルムについては、太陽光線の透過率が高いほど望ましい。例えば、透過率が80%以上の材料が用いられてもよい。その中でも、透過率が90%以上の材料がより好ましい。
In particular, the higher the transmittance of sunlight, the better for the films located on the sun and top, west and east surfaces of the
また、フィルム14〜16には、紫外線をカットする機能が付与されていることが好ましい。その理由は、後述するように吸水部材23の材料としては有機材料が用いられる場合があるので、太陽からの紫外線で吸水部材23が劣化を引き起こす可能性があるからである。したがって、フィル14〜16の材料に周知の紫外線を吸収する機能材料を混合または塗布することで、吸水部材23を劣化から保護することができる。
Moreover, it is preferable that the film 14-16 is provided with the function which cuts an ultraviolet-ray. The reason is that, as will be described later, an organic material may be used as the material of the
また、フィルム14〜16は屋外に設置されるので、砂埃などに晒される。したがって、表面が傷付きにくい表面処理がされていると、好ましい。 Moreover, since the films 14-16 are installed outdoors, they are exposed to dust and the like. Therefore, it is preferable that the surface is treated so that the surface is not easily damaged.
また、フィルム16のうち、ケーシング10の日向面に位置するフィルムについては、ケーシング10の外部に露出している側の表面、および、ケーシング10の内部側の表面(すなわち、吸水部材23側の表面)において、水滴が付着しにくい材料を塗布してもよい。これは、日向面に位置するフィルムに水滴が付着すると、太陽光が散乱および反射されてしまい、吸湿部20に直接当たる太陽光の量が減少してしまうからである。水滴が付着しないような処理を施すことで、太陽光線を効率よく、内部に導くことができる。また、ケーシング10の日向面に位置するフィルムに水滴が付着しにくい材料を練り込んでもよい。
Moreover, about the film located in the sunny surface of the
水滴が付着しにくいフィルムとしては、特開2004−168838号公報、特開2005−278560号公報に記載されている樹脂フィルム(熱可塑性フィルム)のように、表面の第1層に多糖類誘導体またはアクリルアミド系誘導体を含有する水性皮膜を用い、第2層にコロイド状無機微粒子とアクリル系共重合体を成型したフィルムを用いたフィルムを用いてもよい。 As a film to which water droplets are difficult to adhere, a polysaccharide derivative or a surface of the first layer such as a resin film (thermoplastic film) described in JP-A No. 2004-168838 and JP-A No. 2005-278560 is used. A film using an aqueous film containing an acrylamide derivative and a film obtained by molding colloidal inorganic fine particles and an acrylic copolymer in the second layer may be used.
また、日向面のフィルムの中に水滴が付着しにくい材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)を混入するか、あるいは、フィルムにポリテトラフルオロエチレンをコーティングすることで、水を弾きやすいフィルムを実現することができる。 In addition, a film that is easy to repel water can be realized by mixing a material that prevents water droplets from adhering to the sun-facing film (for example, polytetrafluoroethylene) or coating the film with polytetrafluoroethylene. be able to.
例えば、日向面のフィルムとして、フッ素樹脂入りフィルム(例えば、東レ株式会社において販売されているフッ素フィルム、グリーンテック株式会社のAGC)を用いることで、光の透過率がよく、かつ耐光性(紫外線カット性能)もよく、水を弾く能力(水滴の付着を防止する能力)も高いフィルムを実現することができる。 For example, a film containing a fluororesin (for example, a fluorine film sold by Toray Industries, Inc., AGC of Greentech Co., Ltd.) can be used as a film on the sunny surface, so that light transmittance is good and light resistance (ultraviolet light) It is possible to realize a film having a good cutting performance and a high ability to repel water (capability to prevent adhesion of water droplets).
また、日陰面のフィルムについては、日向面のフィルムよりも熱伝導性の高いフィルムを用いるようになっていてもよい。このようになっていることで、ケーシング10の外部において吸湿部20の陰になる部分から日陰面のフィルムに冷気が効率よく伝わり、日陰面のフィルムがよく冷えるようになり、その分、液滴化する水蒸気の量が増える。また、日陰面のフィルムの吸湿部20側の表面には、液滴化を加速する表面処理剤(例えば撥水材料)が塗布されていてもよい。また、日陰面のフィルムの吸湿部20側の表面には液滴化を加速する表面処理剤が練り込まれていてもよい。
Moreover, about the film of a shade surface, you may come to use the film whose heat conductivity is higher than the film of a sunny surface. In this way, cool air is efficiently transmitted from the shaded portion of the
(2)吸水部材
シート22に保持される吸水部材23としては、水分の吸収量が出来るだけ大きく、かつ、相対湿度の変化に対して急峻な吸収・放出特性を有している材料が好ましい。さらに、耐久性が良い材料が好ましい。本実施形態では、吸水部材23としてメソポーラスシリカを用いている。
(2) Water-absorbing member The water-absorbing
図7は、吸水部材23を構成するメソポーラスシリカ(FSM:Folded Sheets Mesoporous Material)の分子構造を示した拡大図である。図7に示すように、メソポーラスシリカ100は、無数の細孔101が形成された蜂の巣状の三次元構造体として構成されている。本実施形態では、各細孔101の直径が1〜7nmのメソポーラスシリカ100を用いている。このような構造のメソポーラスシリカ100は、細孔101によって表面積を稼いでいるため、非常に大きな吸収水分量を得ることができる。
FIG. 7 is an enlarged view showing a molecular structure of mesoporous silica (FSM: Folded Sheets Mesoporous Material) constituting the
このようなメソポーラスシリカ100は、例えば、特開平10−87319号公報に示される手法によって形成される。まず、粘土鉱物に酸を作用させて層状珪酸としたのち、層状珪酸に対してアルカリ金属化合物を作用させることで層状珪酸塩を形成する。次に、層状珪酸塩に対して界面活性剤(テンプレート材料)を作用させることで、無数の細孔101が形成されたハニカム状の珪酸塩三次元構造体からなるメソポーラスシリカ100が生成される。
Such
メソポーラスシリカ100の細孔径は、作用させる界面活性剤の炭素数により変化させることができる。具体的には、界面活性剤の炭素数が多いほど細孔径を大きくでき、界面活性剤の炭素数が少ないほど細孔径を小さくできる。また、界面活性剤の炭素数のバラツキが小さいほど、メソポーラスシリカの細孔径のバラツキを小さくすることができる。
The pore diameter of the
さらに、メソポーラスシリカの細孔壁にアルミニウムイオンを添加することで、メソポーラスシリカの耐久性を向上させることができる。このような構成のメソポーラスシリカは、約1万サイクル使用後に吸収・放出特性を初期の80%以上に維持することができる。 Furthermore, the durability of mesoporous silica can be improved by adding aluminum ions to the pore walls of mesoporous silica. The mesoporous silica having such a configuration can maintain the absorption and emission characteristics at 80% or more of the initial value after using about 10,000 cycles.
細孔壁にアルミニウムイオンが添加されたメソポーラスシリカは、以下の手順で作成できる。まず、メソポーラスシリカを焼成(500〜700℃)した後、塩化アルミニウム水溶液(塩化アルミニウム約0.1モルを添加)に含浸させて、再度焼成(500〜700℃)する。次に、層状珪酸に対してアルカリ金属化合物を作用させて層状珪酸塩を形成するときに、溶液中に塩化アルミニウム、又は硝酸アルミニウムを約0.1モルを添加すると、結晶壁中にアルミニウムが混入する。これを焼成(500〜700℃)すると、耐久性が良いメソポーラスシリカを作成することができる。 Mesoporous silica in which aluminum ions are added to the pore walls can be prepared by the following procedure. First, mesoporous silica is fired (500 to 700 ° C.), then impregnated with an aqueous aluminum chloride solution (added with about 0.1 mol of aluminum chloride), and fired again (500 to 700 ° C.). Next, when an alkali metal compound is allowed to act on layered silicic acid to form a layered silicate, aluminum is mixed into the crystal wall when about 0.1 mol of aluminum chloride or aluminum nitrate is added to the solution. To do. When this is fired (500 to 700 ° C.), mesoporous silica having good durability can be produced.
次に、吸水部材23として用いているメソポーラスシリカの水分吸収・放出特性について説明する。図8は、相対湿度を変化させた場合におけるメソポーラスシリカの水分吸収・放出特性を示している。図8では、細孔径が異なる3種類のメソポーラスシリカと比較のためにシリカゲルの水分吸収・放出特性を示している。図8では、細孔径が1.6nmの第1のメソポーラスシリカ、細孔径が2.45nmの第2のメソポーラスシリカ、細孔径が4nmの第3のメソポーラスシリカについて示している。第1のメソポーラスシリカは炭素数が10の界面活性剤を用いて作成し、第2のメソポーラスシリカは炭素数が16の界面活性剤を用いて作成し、第3のメソポーラスシリカは炭素数が20〜40の界面活性剤を用いて作成している。
Next, the water absorption / release characteristics of mesoporous silica used as the
図8に示すように、メソポーラスシリカはシリカゲルに比較して、水分の吸収量が大きく、かつ、相対湿度の変化に対して急峻な吸収・放出特性を有していることがわかる。つまり、メソポーラスシリカは、相対湿度のわずかな変化で多量の水分を吸収および放出することができる。以下、メソポーラスシリカの水分吸収量が急激に変化する相対湿度範囲を「水分吸収量変化領域」という。 As shown in FIG. 8, it can be seen that mesoporous silica has a larger amount of moisture absorption than silica gel, and has absorption / release characteristics that are steep with respect to changes in relative humidity. That is, mesoporous silica can absorb and release a large amount of moisture with a slight change in relative humidity. Hereinafter, the relative humidity range in which the water absorption amount of mesoporous silica changes rapidly is referred to as a “water absorption amount change region”.
メソポーラスシリカの細孔径は、メソポーラスシリカの水分の吸収・放出特性と相関関係がある。第1のメソポーラスシリカは、図中のA〜B点の範囲内で水分吸収量が急激に変化しており、水分吸収量変化領域は相対湿度50〜60%である。第2のメソポーラスシリカは、図中のC〜D点の範囲内で水分吸収量が急激に変化しており、水分吸収量変化領域は相対湿度22〜33%である。第3のメソポーラスシリカは、図中のE〜F点の範囲内で水分吸収量が急激に変化しており、水分吸収量変化領域は相対湿度70〜85%である。このように、メソポーラスシリカの水分吸収量変化領域は、細孔径が小さいほど相対湿度が低い側にシフトし、細孔径が大きいほど相対湿度が高い側にシフトする。また、メソポーラスシリカは細孔径が大きいほど水分吸収量が大きくなっている。さらにメソポーラスシリカは、細孔径の分布が狭い範囲であるほど、水分吸収量変化領域が狭くなる。 The pore diameter of mesoporous silica correlates with the moisture absorption / release characteristics of mesoporous silica. In the first mesoporous silica, the water absorption amount changes rapidly within the range of points A to B in the figure, and the water absorption amount change region is 50 to 60% relative humidity. In the second mesoporous silica, the amount of moisture absorption changes abruptly within the range of points C to D in the figure, and the moisture absorption amount change region is 22 to 33% relative humidity. In the third mesoporous silica, the water absorption amount changes rapidly within the range of points E to F in the figure, and the water absorption amount change region is 70 to 85% relative humidity. Thus, the moisture absorption amount changing region of mesoporous silica shifts to a lower relative humidity side as the pore diameter is smaller, and shifts to a higher relative humidity side as the pore diameter is larger. In addition, the larger the pore diameter of mesoporous silica, the greater the amount of moisture absorbed. Furthermore, the mesoporous silica has a narrower moisture absorption change region as the pore size distribution is narrower.
メソポーラスシリカの水分吸収・放出特性は、水滴生成装置を用いる環境によって適宜選択することができる。具体的には、一日の湿度変化がメソポーラスシリカの水分吸収量変化領域をまたがるようすればよい。例えば、砂漠では大気中が乾燥し相対湿度が低いので、メソポーラスシリカの水分吸収量変化領域が相対湿度20〜60%の範囲内に収まっていることが好ましく、温度が高く湿度が高い環境ではメソポーラスシリカの水分吸収量変化領域が相対湿度40〜90%の範囲内に収まっていることが好ましく、温帯地方ではメソポーラスシリカの水分吸収量変化領域が相対湿度20〜80%の範囲内に収まっていることが好ましく、寒冷地方では相対湿度が低いので、メソポーラスシリカの水分吸収量変化領域が相対湿度10〜60%の範囲内に収まっていることが好ましい。 The water absorption / release characteristics of mesoporous silica can be appropriately selected depending on the environment in which the water droplet generator is used. Specifically, it is only necessary that the daily humidity change straddles the water absorption change region of mesoporous silica. For example, in the desert, since the atmosphere is dry and the relative humidity is low, it is preferable that the water absorption change region of the mesoporous silica is within the range of 20 to 60% relative humidity, and mesoporous in a high temperature and high humidity environment. It is preferable that the moisture absorption change region of silica is within the range of 40 to 90% relative humidity, and in the temperate region, the moisture absorption change region of mesoporous silica is within the range of 20 to 80% relative humidity. Preferably, since the relative humidity is low in the cold region, it is preferable that the water absorption change region of the mesoporous silica is within the range of 10 to 60% relative humidity.
図9は、温度と相対湿度とメソポーラスシリカの水分吸収・放出特性の関係を示している。図9における第1・第2・第3のメソポーラスシリカおよびA〜F点は、それぞれ図8と対応している。 FIG. 9 shows the relationship among temperature, relative humidity, and moisture absorption / release characteristics of mesoporous silica. The first, second, and third mesoporous silica and points A to F in FIG. 9 correspond to FIG.
図9に示すように、温度が上昇すると相対湿度が低下し、温度が低下すると相対湿度が上昇する。このように温度変化により相対湿度が変化することで、メソポーラスシリカは水分を吸収または放出することができる。 As shown in FIG. 9, when the temperature increases, the relative humidity decreases, and when the temperature decreases, the relative humidity increases. Thus, the mesoporous silica can absorb or release moisture by changing the relative humidity due to the temperature change.
第1のメソポーラスシリカを例えば15℃〜60℃の温度範囲で用いる場合には、図中のA点以上の温度で吸収した水蒸気を放出し、B点以下の温度で水蒸気を吸収する。A点とB点の間の温度は、水分の吸収と放出が切り替わる遷移領域である。第2のメソポーラスシリカを例えば25℃〜60℃の温度範囲で用いる場合には、図中のC点以上の温度で吸収した水蒸気を放出し、D点以下の温度で水蒸気を吸収する。C点とD点の間の温度は、水分の吸収と放出が切り替わる遷移領域である。第3のメソポーラスシリカを例えば32℃〜60℃の温度範囲で用いる場合には、図中のE点以上の温度で吸収した水蒸気を放出し、F点以下の温度で水蒸気を吸収する。E点とF点の間の温度は、水分の吸収と放出が切り替わる遷移領域である。なお、図9において、相対湿度100%に対応する温度が液滴化温度(露点)であり、液滴化温度より低温になると、空気中に含まれている水蒸気が凝縮する。 When the first mesoporous silica is used in a temperature range of, for example, 15 ° C. to 60 ° C., water vapor absorbed at a temperature equal to or higher than the point A in the figure is released, and water vapor is absorbed at a temperature equal to or lower than the B point. The temperature between points A and B is a transition region where moisture absorption and release are switched. When the second mesoporous silica is used in a temperature range of, for example, 25 ° C. to 60 ° C., the water vapor absorbed at a temperature equal to or higher than the C point in the figure is released, and the water vapor is absorbed at a temperature equal to or lower than the D point. The temperature between point C and point D is a transition region where the absorption and release of moisture are switched. When the third mesoporous silica is used in a temperature range of 32 ° C. to 60 ° C., for example, water vapor absorbed at a temperature equal to or higher than the point E in the figure is released, and water vapor is absorbed at a temperature equal to or lower than the F point. The temperature between point E and point F is a transition region where the absorption and release of moisture are switched. In FIG. 9, the temperature corresponding to 100% relative humidity is the droplet formation temperature (dew point). When the temperature becomes lower than the droplet formation temperature, water vapor contained in the air condenses.
次に、メソポーラスシリカの水分吸収量および放出量について説明する。ここでは、第1のメソポーラスシリカと第2のメソポーラスシリカを例に挙げて説明する。 Next, the water absorption amount and release amount of mesoporous silica will be described. Here, the first mesoporous silica and the second mesoporous silica will be described as an example.
上述のように、第1のメソポーラスシリカは、湿度が33%以上になると大気中の水蒸気を吸収し湿度が22%以下になると大気中の水蒸気を放出する。図8に示すように、第1のメソポーラスシリカは、相対湿度33%以上では、相対湿度22%以下に比較して、1g当たり0.3g以上の水蒸気を吸収することができる。第1のメソポーラスシリカは、相対湿度が100%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.48gであり、相対湿度が33%のときの飽和吸水量は約0.41gである。これに対し、相対湿度が23%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.10gであり、更に低湿度の相対湿度10%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.03gである。 As described above, the first mesoporous silica absorbs water vapor in the atmosphere when the humidity is 33% or more, and releases water vapor in the air when the humidity is 22% or less. As shown in FIG. 8, the first mesoporous silica can absorb 0.3 g or more of water vapor per gram at a relative humidity of 33% or more as compared with a relative humidity of 22% or less. The first mesoporous silica has a saturated water absorption of about 0.48 g per gram when the relative humidity is 100%, and a saturated water absorption of about 0.41 g when the relative humidity is 33%. On the other hand, the saturated water absorption when the relative humidity is 23% is about 0.10 g per gram, and the saturated water absorption when the relative humidity is 10% and the relative humidity is about 0.03 g per gram.
このため、相対湿度が100%から10%に変化した場合の水分放出量は、1g当たり0.45g(=0.48g−0.03g)となり、相対湿度が33%から23%に変化した場合の水分放出量は、1g当たり0.31g(=0.41g−0.10g)となる。このように、第1のメソポーラスシリカは、相対湿度22〜33%をまたがる湿度範囲で用いた場合に、優れた水分吸収・放出性能を発揮できる。 Therefore, when the relative humidity is changed from 100% to 10%, the amount of water released is 0.45 g / g (= 0.48 g−0.03 g), and the relative humidity is changed from 33% to 23%. The amount of released water is 0.31 g per 1 g (= 0.41 g-0.10 g). Thus, the first mesoporous silica can exhibit excellent moisture absorption / release performance when used in a humidity range that spans a relative humidity of 22 to 33%.
上述のように、第2のメソポーラスシリカは、湿度が60%以上になると大気中の水蒸気を吸収し湿度が50%以下になると大気中の水蒸気を放出する。図8に示すように、第2のメソポーラスシリカは、相対湿度60%以上では、相対湿度50%以下に比較して、1g当たり0.35g以上の水蒸気を吸収することができる。第2のメソポーラスシリカは、相対湿度が100%のときの飽和吸水量は約0.72gであり、相対湿度が60%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.63gである。これに対し、相対湿度が50%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.27gであり、相対湿度20%のときの飽和吸水量は1g当たり約0.09gである。 As described above, the second mesoporous silica absorbs water vapor in the atmosphere when the humidity is 60% or higher, and releases water vapor in the air when the humidity is 50% or lower. As shown in FIG. 8, the second mesoporous silica can absorb 0.35 g or more of water vapor per gram at a relative humidity of 60% or more, as compared with a relative humidity of 50% or less. The second mesoporous silica has a saturated water absorption of about 0.72 g when the relative humidity is 100%, and a saturated water absorption of about 0.63 g per gram when the relative humidity is 60%. On the other hand, the saturated water absorption when the relative humidity is 50% is about 0.27 g per gram, and the saturated water absorption when the relative humidity is 20% is about 0.09 g per gram.
このため、相対湿度が100%から20%に変化した場合の水分放出量は、1g当たり0.68g(=0.72g−0.09g)となり、相対湿度が60%から50%に変化した場合の水分放出量は、1g当たり0.36g(=0.63g−0.27g)となる。このように、第2のメソポーラスシリカは、相対湿度50〜60%をまたがる湿度範囲で用いた場合に、優れた水分吸収・放出性能を発揮できる。 For this reason, when the relative humidity is changed from 100% to 20%, the amount of water released is 0.68 g / g (= 0.72 g-0.09 g), and the relative humidity is changed from 60% to 50%. The amount of water released becomes 0.36 g per g (= 0.63 g−0.27 g). Thus, the second mesoporous silica can exhibit excellent moisture absorption / release performance when used in a humidity range that spans 50 to 60% relative humidity.
(3)吸湿部の設置角
吸湿部20は、吸湿部20の外形を成す直方体の日向面が日光を受けやすいような角度で設置されることが望ましい。
(3) Installation Angle of Moisture Absorbing Part It is desirable that the
具体的には、図10に示すように、日向面の法線方向60(すなわち、日向面に垂直な方向)は、東西南北の方位としては真南を向き、かつ、鉛直上向き方向61に対して角度θ+αだけ傾いている位置を採用してもよい。ここで、水滴捕集装置1の設置位置における夏至の太陽の南中高度をωとすると、θ=90°−ωという等式が成り立つ。すなわち、角度θの方向は、夏至に南中した太陽の方向に相当する角度である。また角度αは、0°より大きく所定角度(例えば10°)より小さい角度とする。このような向きに吸湿部20の日向面の法線方向を向けることで、吸湿部20の日向面は、夏至よりも少し(角度α分)前後した日に南中した太陽に正対するようになる。このようにすることで、一年を通して太陽光線が吸湿部20に良好に照射される。例えば、角度θ+αは、30°〜75°程度が望ましく、特に日本の場合、角度θ+αは、50°〜70°程度が望ましい。また、65°〜75°程度も好ましい。
Specifically, as shown in FIG. 10, the
あるいは、吸湿部20の日向面の法線方向を、固定ではなく、変動するようにしてもよい。このようにするためには、吸湿部20が固定されているケーシング10の設置角を変化させることのできるような機構を設ければよい。
Or you may make it change the normal line direction of the sunny surface of the
そのような機構として、地球の自転軸に平行な極軸と、極軸に直交した赤緯軸の2軸で構成された架台を用いてもよい。このような架台は、天体望遠鏡に広く用いられている。このような架台を用いれば、極軸の周りにケーシング10を回転させるだけで、一日の太陽の動きに吸湿部20を追尾させ、吸湿部20の日向面の法線方向が常に太陽に正対するようにすることができる。また、この場合、日毎の南中高度の変化に対応して吸湿部20を追尾させるには、赤緯軸の周りにケーシング10を回転させて微調整すればよい。
As such a mechanism, a gantry constituted by two axes of a polar axis parallel to the rotation axis of the earth and a declination axis orthogonal to the polar axis may be used. Such a gantry is widely used in astronomical telescopes. If such a gantry is used, simply by rotating the
なお、これら2軸のそれぞれにケーシング10を回転させるモータを取り付け、さらに、これらモータを制御するマイクロコンピュータ(制御装置)を設けてもよい。その場合、このマイクロコンピュータが、所定のプログラムを実行することで、夜以外は吸湿部20の日向面の法線方向が常に太陽の方向を向くよう、モータを制御するようになっていてもよい。
A motor for rotating the
以上のようにすることで、設置する場所の太陽の照射環境に適した角度で吸水部材23を設置することができる。
By doing as mentioned above, the
(3)シートの材質
シート22としては、不織布を用いてもよいし、あるいは、以下の(a)〜(h)を用いてもよい。
(a)紙、新聞紙、トイレットペーパー等の紙類
(b)ポリエチレンテレフタラートのシート、ポリオレフィンシート、塩化ビニルシート、ナイロンシート、ポリエステルシート、レーヨン、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等をいう)
(c)絹の布、綿の布、セラミックウール等の布
(d)動物の毛をシート状にしたもの、毛布状のシート
(e)アルミニウム、銅、鉄系材料等から成る金属箔
(f)金属の網、樹脂で成型されている網
(g)発泡ウレタンフォーム、セラミックフォームの骨格
すなわち、シート22としては、吸水部材23を保持できるようなシートであれば、どのようなものでもよく、また、水分を含むことができるようになっていてもよい。
(3) Material of Sheet As the
(A) Paper, newspaper, toilet paper, etc. (b) Polyethylene terephthalate sheet, polyolefin sheet, vinyl chloride sheet, nylon sheet, polyester sheet, rayon, Teflon (registered trademark) (tetrafluoroethylene / ethylene copolymer) (Refers to merging (ETFE), etc.)
(C) Silk cloth, cotton cloth, cloth made of ceramic wool, etc. (d) Animal hair made into a sheet, blanket sheet (e) Metal foil made of aluminum, copper, iron-based material, etc. (f ) Metal mesh, resin-molded mesh (g) foamed urethane foam, ceramic foam skeleton That is, the
また、各シート22は、図11の断面図に示すように、複数の層から成る積層構造であってもよい。また、水分の吸収性を高めるために、各シート22の表面に図12の断面図に示すように植毛処理を施してもよい。植毛には、例えば動物の毛を用いてもよい。また、シート22の光の吸収性を高めるために、シート22にカーボン粉末材料を混入させてもよい。また、シート22内における熱伝導性を高めるために、シート22に金属粉末または金属繊維を混入させるようになっていてもよい。
Each
あるいは、シート22の熱伝導性および強度を高めるために、図13の断面図に示すように、多層のシート22内に金属製(例えばアルミ製、銅製、鉄製)の板(または箔)64を芯材として挿入するようになっていてもよい。
Alternatively, in order to increase the thermal conductivity and strength of the
また、各シート22としては、図14の断面図に示すように、面対称なヒダ付きのシート22を用いてもよい。このようなシート22は、図15(a)の断面図に示すように、3つの層22a〜22cを平行に配置し、続いて図15(b)の断面図に示すように、両端の層22a、22cを九十九折りにし、両端の層22a、22cの谷の部分(中間の層22bに近い側の折り目)を中間の層22bに接着し、続いて図15(c)の断面図に示すように、両端の層22a、22cの山の部分(中間の層22bから遠い側の折り目)を切り取ることで、作成することができる。
Moreover, as each sheet |
また、各シート22としては、図16の断面図に示すように、非面対称なヒダ付きのシート22を用いてもよい。このようなシート22は、図17(a)の断面図に示すように、シート22を交互に異なる方向に突起を形成するように折り、続いて図17(b)の断面図に示すように突起の根本の部分を接着し、続いて図17(c)の断面図に示すように突起の頂点の部分を切り取ることで、作成することができる。
Moreover, as each sheet |
また、各シート22としては、図18の断面図に示すように、ヒダ付きの層を複数個重ねた構造を有するものを用いてもよい。また、ヒダ付きのシート22に更に植毛処理が施されていてもよい。
Moreover, as each sheet |
このように、シート22を毛羽立たせることで、シート22(およびシート22に保持された吸水部材23)と空気との接触を多くすることができ、空気中の水蒸気をより多く吸収することができる。
In this way, by making the
また、図11、13〜18に示すように、シート22の両端部22d、22eは、両端部以外の部分と一体かつ同じ材質で、かつ、リング状に成型されていてもよい。このリング部分22d、22eを用いてシート22を骨格部21に固定することで、シート22の固定が確実かつ容易になる。
Moreover, as shown in FIGS. 11 and 13 to 18, both
具体的には、図19の断面図に示すように、各シート22のリング部分22d、22eに、ワイヤ(例えば金属製のワイヤ)63a、63bを通し、そのワイヤ63a、63bを骨格部21に結び付けて固定することで、各シート22を骨格部21に固定してもよい。
Specifically, as shown in the cross-sectional view of FIG. 19, wires (for example, metal wires) 63 a and 63 b are passed through the
ワイヤ63a、63bを骨格部21に固定する部材としては、ワイヤ63a、63bの張力を調整可能な張力調整器を有する公知の固定金具を用いてもよい。
As a member for fixing the
また、金属板(または箔)64がシート22内に芯材として埋め込まれている場合には、金属板(または箔)64とワイヤ63a、63bとの接合強度を向上させるために、図20の断面図に示すように、金属板(または箔)64の端部をリング部22d、22eと同心のリング状にし、そのリング内にワイヤ63a、63bを通すようになっていてもよい。
When the metal plate (or foil) 64 is embedded in the
(4)シートの配置
複数のシート22の並び方向と、吸湿部20の傾き方向との関係としては、図21に示すような関係および図22に示すような関係の2つが考えられる。吸湿部20は、既述の通り、吸湿部20の日向面が南の方角を向くように傾けるので、南側が低く、北側が高くなる。したがって、複数のシート22の並び方向としては、図21に示すように南北方向に並ぶ場合と、図22に示すように東西方向に並ぶ場合とがある。
(4) Sheet Arrangement There are two possible relations between the arrangement direction of the plurality of
海岸沿い等、強い風(例えば、風速2m/秒以上の風)が吹く場合が多い地域(例えば、海岸沿い)においては、図21の場合と図22の場合のどちらを採用してもよい。しかし、強い風があまり吹かない地域においては、図21の場合と図22の場合のうち、空気がシート22の間を通り易い方を採用すると好ましい。
In areas where strong winds (for example, winds with a wind speed of 2 m / second or more) often blow, such as along the coast, for example, either the case of FIG. 21 or the case of FIG. 22 may be adopted. However, in an area where strong winds do not blow much, it is preferable to adopt the direction in which air easily passes between the
具体的には、風が南北方向よりも東西方向に吹く傾向が強い地域では、図21の並び方向を採用し、風が東西方向よりも南北方向に吹く傾向が強い地域では、図22の並び方向を採用すればよい。 Specifically, the arrangement direction of FIG. 21 is adopted in an area where the wind tends to blow in the east-west direction rather than the north-south direction, and the arrangement of FIG. 22 is adopted in an area where the wind tends to blow in the north-south direction rather than the east-west direction. The direction should be adopted.
また、隣り合うシート22の間の間隔は、空気が十分に通過する間隔で、大気中の水蒸気が十分吸収できる間隔が好ましい。すなわち、この間隔が狭いほど、単位敷地面積あたりに設置できるシート22の個数が多くなり、その分、多量に水蒸気を吸収することができるが、その一方で、この間隔は狭いほど、シート22間の空気の通りが悪くなり、その分、吸収できる水蒸気量が減少してしまう。
Moreover, the space | interval between
例えば、1枚のシート22が幅1m×長さ2mであり、隣り合うシート22間の間隔を200mmとしてもよい。一般的には、屋外の比較的空気流が少ない場所(例えば、風速1m/秒未満となる場所)では、間隔を10〜300mmとすることが望ましい。300mmを越えると、装置が大きくなる分ほどは水蒸気の吸収量が増大しない。また、空気量が多い場所(例えば、風速約1m/秒以上の風が強い場所)だと、シート22間の間隔は、100mm、50mm、30mm、10mmであっても、十分な水蒸気を得ることができる。
For example, one
また例えば、1枚のシート22が、幅1m×長さ10mであった場合、隣り合うシート22間の間隔は、10mm〜500mmであることが好ましい。これが10mm以下となると、大気中の気流の流れが約2m/秒以上にならないと、幅1mで10mm以下の間隔の間に空気が流れなくなり、大気中の水蒸気を吸収することが少なくなる。一方、間隔が500mm以上になると、大気は吸着剤の間を流れるが、単位敷地面積あたりに設置できるシート22の個数が少なくなる。
For example, when one
また、図10に示すように、吸湿部20の日向面の法線方向60に対して、各シート22は傾いて設置される。法線方向60に対する各シート22の傾きβは、太陽光が法線方向60に平行に吸湿部20に照射されたとき、シート22の日向面側のすべての面が均等に太陽光を受けることができるような角度とする。
Further, as shown in FIG. 10, each
(5)開閉制御
ケーシング10の開閉は、自動的に行うようになっていてもよい。そのために、水滴捕集装置1は、開閉制御用のマイクロコンピュータ、開閉用のモータ、および当該モータによって作動するフィルム16の開閉機構を有していてもよい。
(5) Opening and closing control The opening and closing of the
開閉機構としては、フィルム16の枠部材11側端部の複数箇所に取り付けられ、開閉制御用モータの回転に応じて当該枠部材11側端部を上下に移動させるアームを用いてもよい。
As an opening / closing mechanism, an arm that is attached to a plurality of locations on the
また、開閉制御用マイクロコンピュータは、ケーシング10の開閉のタイミングを、大気中の湿度に基づいて決定してもよい。この場合、水滴捕集装置1は、ケーシング10の外側(または内側)に湿度センサを備え、当該湿度センサが検出する相対湿度の信号がケーシング10に入力されるようにする。そして、開閉制御用マイクロコンピュータは、検出された相対湿度が所定の基準湿度(例えば80%)以上となったとき、ケーシング10を開き、検出された相対湿度が所定の基準湿度未満となったとき、ケーシング10を閉じるようモータを制御してもよい。
The open / close control microcomputer may determine the opening / closing timing of the
また、大気中の湿度に基づいて開閉タイミングを決定すると、結果的に、気象の状態に応じて、開閉が制御される。例えば、雨、霧、霜、雪の場合、大気中の相対湿度が高いので、ケーシング10が開放されることになり、吸水部材23が水分を捕集できる。また、曇りの場合には、雨が降りそうになると高湿度になるので、ケーシング10が開放されることになる。またこの際、水滴捕集装置1は、湿度センサと共に雨滴センサを有し、開閉制御用マイクロコンピュータは、湿度センサの検出した相対湿度に関わらず、雨滴センサが雨滴を検出したことに基づいて、ケーシング10を開くようになっていてもよい。
Further, when the opening / closing timing is determined based on the humidity in the atmosphere, as a result, the opening / closing is controlled according to the weather condition. For example, in the case of rain, fog, frost, and snow, since the relative humidity in the atmosphere is high, the
また、水滴捕集装置1は、湿度センサと共に気温センサを有していてもよい。この気温センサは、ケーシング10の外側(または内側)に設けられ、大気の温度を検出し、検出した温度の信号を開閉制御用マイクロコンピュータに出力する。この場合、開閉制御用マイクロコンピュータは、湿度センサと気温センサの出力信号に基づいて、ケーシング10の開閉タイミングを決定してもよい。例えば、検出された温度が基準温度以下である場合、上述の通り基準湿度と検出した湿度との関係に基づいて開閉を制御するが、検出された温度が基準温度以上である場合は、検出した湿度に関わらず、ケーシング10を開放せず閉じるようにするようになっていてもよい。
Moreover, the water
このようにすることで、梅雨等の曇天が続く時期においても、効率よく水蒸気を捕集できる。なぜなら、曇天が続く場合は、大気の湿度が高い状態が日中も続く。したがって、湿度のみに基づいて開閉制御を行うと、常にケーシング10が開いた状態となってしまう。しかし、上記のように、大気温度が上昇した場合に湿度によらずにケーシング10を閉じることで、密閉された空間に大気熱が蓄えられ、その結果、吸収された水蒸気は放出され、適切に水分を捕集することができる。
By doing in this way, water vapor | steam can be collected efficiently also in the time when cloudy weather, such as a rainy season, continues. This is because, when cloudy weather continues, the atmospheric humidity remains high during the day. Therefore, when the opening / closing control is performed based only on the humidity, the
なお、湿度センサおよび温度センサは、ケーシング10の内部の吸水部材23の近くに設けられていてもよい。
The humidity sensor and the temperature sensor may be provided near the
また、太陽が出る時間は暦(日時)によって決まっているので、開閉制御用マイクロコンピュータは、ケーシング10の開閉のタイミングを、現在日時に基づいて決定してもよい。この場合、開閉制御用マイクロコンピュータは、日時を計測する時計機能を有し、また、日付毎の閉鎖時刻および開放時刻のデータを有しており、このデータに基づいて、現在の日付における閉鎖時刻においてケーシング10を閉じ、現在の日付における開放時刻においてケーシング10を開くようモータを制御してもよい。
Further, since the time when the sun goes out is determined by the calendar (date and time), the open / close control microcomputer may determine the opening / closing timing of the
なお、開放時刻は、例えば、その日付の日没時刻から、約1.5時間〜3時間であってもよい。太陽が沈んでも、ある程度の時間(夏であれば3時間程度)は、ケーシング10内に熱気がこもり、吸着剤の水蒸気を放出することができるからである。また、閉鎖時刻は、例えば、その日付の日の出時刻から約15〜60分以内であってもよい。日の出から60分を超えると、吸収した水蒸気が太陽の光によって、加熱され、放出され始めるからである。
The opening time may be, for example, about 1.5 hours to 3 hours from the sunset time of the date. This is because even if the sun goes down, hot air stays in the
また、水滴捕集装置1は、ケーシング10内(例えば吸水部材23付近)の空気の温度および相対湿度を検出する第1センサと、フィルム16表面(好ましくはフィルム16のうち日陰面の表面温度)の温度を検出する第2センサとを有していてもよい。これら第1、第2センサは、検出した物理量を示す信号を開閉制御用マイクロコンピュータに出力する。この場合、開閉制御用マイクロコンピュータは、ケーシング10を閉じているときに、これら第1および第2湿度センサと気温センサの出力信号に基づいて、ケーシング10を開くタイミングを決定してもよい。
The water
例えば、開閉制御用マイクロコンピュータは、第1センサから取得した温度および相対湿度から、現在のケーシング10内の露点温度を算出し、算出した露点温度と第2センサから取得したフィルム16の表面温度とを比較し、前者が後者を下回ったことに基づいて、ケーシング10を開くようモータを制御してもよい。これは、ケーシング10内の露点の方が高い場合に、水蒸気が液滴化するからである。
For example, the open / close control microcomputer calculates the current dew point temperature in the
なお、フィルム16の表面温度は、ケーシング10の外部の気温と比べて、ほとんど同じ温度か、または、やや高い温度となる。より詳しくは、熱伝導率が低い材質でフィルム16ができていれば、フィルム16の表面温度はケーシング10の外部の気温よりもやや高くなり、熱伝導率が高い材質でフィルム16ができていれば、フィルム16の表面温度はケーシング10の外部の気温とほぼ同じになる。
Note that the surface temperature of the
なお、開閉制御のための開閉制御用マイクロコンピュータ、モータ等の駆動エネルギー源としては、太陽電池、風力発電器を用いてもよいし、波力、水力、原子力、石炭燃焼、ガス燃焼、石油燃焼、地熱等で発電したエネルギーを用いてもよい。すなわち、駆動エネルギーとしては、どのような電力を用いてもよい。 In addition, as a driving energy source such as a microcomputer for opening / closing control for opening / closing control and a motor, a solar cell, a wind power generator may be used, wave power, hydropower, nuclear power, coal combustion, gas combustion, oil combustion Alternatively, energy generated by geothermal heat or the like may be used. That is, any power may be used as the driving energy.
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、シート22の構成およびシート22の吸湿部20への固定方法である。図23および図24に、本実施形態におけるシート22を示す。
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the first embodiment. The present embodiment is different from the first embodiment in the configuration of the
本実施形態のシート22は、吸湿部20内に1枚だけ配置され、その一枚が九十九折りされて骨格部21内全体に均等に配置される。また、シート22の折れ曲り部分のそれぞれの内側には、ワイヤ65が配置されており、このワイヤ65が骨格部21に結び付けられて固定されることで、シート22の骨格部21への固定が実現される。
Only one
なお、図24に示すように、本実施形態においても、吸湿部20の日向面の法線方向に対する各シート22の傾きは、太陽光(図24における矢印)が法線方向に平行に吸湿部20に照射されたとき、シート22の日向面側のすべての面が均等に太陽光を受けることができるような角度とする。
In addition, as shown in FIG. 24, also in this embodiment, the inclination of each
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第2実施形態と異なるのは、シート22の吸湿部20への固定方法である。図25に本実施形態におけるシート22を示す。
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the second embodiment. The present embodiment is different from the second embodiment in a method of fixing the
本実施形態のシート22が、吸湿部20内に1枚だけ配置され、その一枚が九十九折りされて骨格部21内全体に均等に配置されている点については、第2実施形態と同じである。
Only one
しかし、本実施形態においては、シート22の折れ曲り部分のそれぞれの内側には、ワイヤ65ではなく棒(または板)66が配置されており、これらの棒66がワイヤ67に固定されている。そして、このワイヤ67が骨格部21に結び付けられて固定されることで、シート22の骨格部21への固定が実現される。
However, in this embodiment, rods (or plates) 66 are arranged instead of the
このようなシート22の取付構造においては、棒(または板)67は必要になるが、固定冶具を少なくすることができる。
In such a mounting structure of the
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、導水部材24とシート22との接続構造、および、シート22のばたつきを抑える構造である。
(Fourth embodiment)
Next, the fourth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the first embodiment. This embodiment is different from the first embodiment in the connection structure between the
図26に、本実施形態における吸湿部20の一部拡大断面図を示す。なお矢印69は、吸湿部20の日向面の法線方向を示している。
In FIG. 26, the partial expanded sectional view of the
本実施形態においては、各シート22の表面の4点において、当該シート22に沿って、ばたつき防止ワイヤ68が配置されている。そしてこのばたつき防止ワイヤ68は、骨格部21に固定されている。このようになっていることで、シート22が強風を受けても、ばたつき防止ワイヤ68によって補強されているので、大きく変形してしまうことがない。
In the present embodiment, the
また、本実施形態の導水部材24は、その一部がリング形状となるように形成されており、このリング形状の部分に、シート22を固定するためのワイヤ63bが通されている。このようになっていることで、導水部材24が確実に骨格部21に固定されると共に、シート22の一端が導水部材24に接触する。なお、導水部材24の太さおよび配置は、吸湿部20を通る空気の流れを制限しないように設定されている。
Moreover, the
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、二重フィルム16の開閉機構である。図27に、本実施形態に係るフィルム16の開閉機構70が閉じた状態の斜視図を示し、図28に、開閉機構70が閉じた状態の断面図を示し、図29に、開閉機構70が開いた状態の断面図を示す。
(Fifth embodiment)
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the first embodiment. This embodiment is different from the first embodiment in the opening / closing mechanism of the
この開閉機構70においては、フィルム16の枠部材11側の端部および枠部材12側の端部には、それぞれ矩形の4辺を構成する口金72a、72bが接着等によって固定されている。これら口金72a、72bの寸法は、それぞれ枠部材11、枠部材12と同じである。口金72bは、接着等によって枠部材12と密着して固定されている。
In the opening /
また、二重フィルム16の内側のフィルムと外側のフィルムとの間に、口金72aから口金72bまで(すなわち、二重フィルム16の移動方向に)、一本の骨部材73が延びている。この骨部材は、矩形が上記移動方向に複数段繰り返される螺旋構造となっている。この骨部材73の材質は、例えば、ピアノ線のように、弾性力が優れている材料であってもよいし、また例えば、釣竿に用いる材料(グラスファイバー等)のように、軽く丈夫な材料を用いてもよい。
Further, a
骨部材73が形作る矩形の大きさは、口金72aから遠ざかるにつれて段階的に大きくなっていき、口金72aと口金72bとの中間地点において最大となり、さらに口金72bに近づくにつれて段階的に小さくなっている。すなわち、開閉機構70は、角型の提灯構造となっている。
The size of the rectangle formed by the
開閉機構70がこのような提灯構造となっていることで、口金72aが口金72aに近づいて開閉機構70が開いた状態、すなわち、フィルム16が畳まれた状態においては、図29に示すように、骨部材73が多重に重ならないので、フィルム16をより小さく縮めることができる。また、開閉機構70が提灯構造となっていることで、単なる直方体形状に比べても、外力に対する強度が向上する。また、骨部材73によってフィルム16が補強されているので、風が強い時にも、フィルム16が大きく変形してしまうことを防ぐことができる。また、開閉機構70の開閉に要する駆動エネルギーを少なくすることができる。
Since the opening /
また、骨格部材73は、ケーシング10の枠部材11およびワイヤーロープ13といった水滴捕集装置1の骨格材料によって部分的に補強された状態になる。つまり、風が強い時、骨格部材73がケーシング10の枠部材11およびワイヤーロープ13に接触することで、枠部材11およびワイヤーロープ13に支えられ、その結果、風の風圧に耐えることができる。
Further, the
また、骨格部材73が存在していることで、開閉機構70が閉じた状態、すなわち、フィルム16が延ばされた状態において、二重フィルム16の内側のフィルムと外側のフィルムとの間で、断熱性を保つための適適度な間隔が保たれる。
In addition, since the
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、第5実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第5実施形態と異なるのは、ケーシング10の形状および二重フィルム16の開閉機構である。
(Sixth embodiment)
Next, the sixth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the fifth embodiment. This embodiment is different from the fifth embodiment in the shape of the
図30に、本実施形態に係るケーシング10の斜視図を示す。ただし、図30においては、フィルム16およびフィルム16の開閉機構については図示を省略している。図30において図1、図2と同じ符号が付された構成部品の特徴は、以下に記載された事項以外については、図1、図2の対応する構成部品の特徴と同じである。
FIG. 30 is a perspective view of the
第1〜第5実施形態においては、図1、図2に示したように、ケーシング10の外形は、枠部材11が囲む上面の四角形および枠部材12が囲む下面の四角形を底面とする四角柱であった。
In the first to fifth embodiments, as shown in FIGS. 1 and 2, the outer shape of the
これに対し、本実施形態においては、枠部材11、12のそれぞれが、五角形の辺を構成し、ケーシング10の外形は、その2つの五角形を底面とする五角柱となっている。
On the other hand, in this embodiment, each of the
また、2つの底面の五角形の角頂点間に、ワイヤーロープ13が張られている。そして、ワイヤーロープ13のうち1つ13aが、ケーシング10のうち最も鉛直下部に位置するようになっている。したがって、ケーシング10が閉じられた状態においては、ケーシング10に張られたフィルム16が、このワイヤーロープ13aの位置(すなわち吸湿部20の陰となる位置)において溝形状となる。このため、フィルム14、16に付着した液滴は、この溝形状の部分(五角形の先端部分)に沿って効率よく貯蔵槽50まで流れ込むようになる。
A
図31、図32に、このケーシング10における二重フィルム16の開閉機構80を示す。図31は、開閉機構80が閉じた場合の斜視図であり、図32は、開閉機構80が開いた場合の斜視図である。なお、図31においては、図面手前側の2つの面(日向面および西面)においてのみパイプ84を図示しているが、実際には、図面奥側の3つの面(2つの日陰面および東面)においても、パイプ84は配置されている。また、図32においては、簡単のために、鎖82、83の図示を省略している。
31 and 32 show an opening /
この開閉機構80においては、フィルム16の枠部材11側の端部および枠部材12側の端部には、それぞれ五角形の辺を構成するパイプ81a、81bが接着等によって固定されている。これらパイプ81a、81bの寸法は、それぞれ枠部材11、枠部材12と同じである。パイプ81bは、接着等によって枠部材12と密着して固定されている。
In the opening /
また、パイプ81aの五角形のうち、最も低い部分以外の4つの頂点のそれぞれから、パイプ81bの対応する4つの頂点のそれぞれまで、金属製、樹脂製等の4本の鎖82が直線状に延びている。さらに、パイプ81aの各部から、パイプ81bの対応する部分まで、金属製、樹脂製等の複数本の鎖83が、直線状に延びている。この鎖83は、鎖82よりも細い。これら鎖82、83は、一端においてパイプ81aに固定され、他端においてパイプ81bに固定され、かつ、二重フィルム16の外側のフィルムと内側のフィルムの間に配置されている。
In addition, four
また、二重フィルム16の外側のフィルムと内側のフィルムの間において、パイプ81aからパイプ81bまでほぼ等間隔に、パイプ81a、81bとほぼ合同の五角形の辺を成すプラスチック製のパイプ84が配置されている。これらパイプ84のそれぞれは、鎖82、83に固定されることで、ケーシング10が閉じた状態で下に落ちることなく、互いの間隔を保つことができる。
Further, between the outer film and the inner film of the
そして、ケーシング10を開放する場合、鎖82、83が畳まれ、その結果、パイプ84の間隔が縮まり、図32に示すように、フィルム16が枠部材12側に集まる。
When the
図33に、ケーシング10の外形を成す五角柱の側面(日向面、日陰面、西面、東面)のみを示す。フィルム16のうち、吸湿部20の陰にならず、太陽の照射を最も強く受ける日向面85およびそれに隣り合う東面86、西面87に位置する部分には、光の透過率が高いフィルムを採用する。また、フィルム16のうち、吸湿部20によって太陽光が遮られる日陰面88、89に位置する部分には、熱伝導性が高いフィルムを採用する。
FIG. 33 shows only the side surfaces of the pentagonal prism (the sun, the shade, the west, and the east) that form the outer shape of the
なお、パイプ81a、81b、84のそれぞれの、日陰面88、89に位置する部分には、作動流体が充填されたヒートパイプを採用してもよい。このようにすることで、日陰部分の熱伝導性を高めることができる。このように、日陰になる部分にヒートパイプを設置すると、ケーシング10の外部の日陰の部分の低温がケーシング10内に伝わりやすくなり、水蒸気を含有した空気がその低温部分に接触することができるので、効率よく、水蒸気を液滴化することができる。
In addition, you may employ | adopt the heat pipe with which the working fluid was filled in the part located in the shade surfaces 88 and 89 of each of the
また、それらヒートパイプには、ケーシング10の外側に延びる放熱フィンが取り付けられていてもよい。このようにすることで、日陰部分の熱伝導性を更に高めることができる。
In addition, heat radiating fins extending outside the
なお、本実施形態においては、パイプ84の大きさは一定であるが、これらパイプ84も提灯構造となっていてもよい。すなわち、これらパイプ84の大きさは、パイプ81aから遠ざかるにつれて段階的に大きくなっていき、パイプ81aとパイプ81bとの中間地点において最大となり、さらにパイプ81bに近づくにつれて段階的に小さくなっていてもよい。
In addition, in this embodiment, although the magnitude | size of the
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について、第6実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第6実施形態と異なるのは、ケーシング10の構造である。具体的には、本実施形態のケーシング10は、枠部材11の外側(すなわち、枠部材12側と反対の側)および枠部材12の外側(すなわち、枠部材11側と反対の側)にも、構造を有している。
(Seventh embodiment)
Next, a seventh embodiment of the present invention will be described focusing on differences from the sixth embodiment. The present embodiment differs from the sixth embodiment in the structure of the
図34に、本実施形態のケーシング10における枠部材11の外側の構造の斜視図を示し、図35に、本実施形態のケーシング10における枠部材12の外側の構造の斜視図を示し、図36に、ケーシング10の外形の側面図(図1と同じ方向から見た図)を示す。
FIG. 34 shows a perspective view of the outer structure of the
図34および図36に示すように、5角形の辺を成す枠部材11(太線で記載)の外側には、8本の棒状部材(構造部材)18a〜18hが、枠部材11に取り付けられている。これら棒状部材18a〜18hと枠部材11とが、7面体の辺を形成する構造となっている。棒状部材18a〜18hとしては、例えば、金属パイプ、樹脂パイプ等を用いてもよい。
As shown in FIGS. 34 and 36, eight rod-like members (structural members) 18 a to 18 h are attached to the
また、本実施形態において枠部材11の形成する五角形の部分には、フィルムは張られていない。また、上記の7面体のうち、枠部材11の形成する五角形の面以外の6面の全体に、二重フィルムが張られている。このフィルムの構造および材質は、第6実施形態のフィルム14と同じである。
In the present embodiment, no film is stretched on the pentagonal portion formed by the
また、図35および図36に示すように、5角形の辺を成す枠部材12(太線で記載)の外側には、8本の棒状部材(構造部材)28a〜28hが、枠部材12に取り付けられている。これら棒状部材28a〜28hと枠部材12とが、7面体の辺を形成する構造となっている。棒状部材28a〜28hとしては、例えば、金属パイプ、樹脂パイプ等を用いてもよい。
Further, as shown in FIGS. 35 and 36, eight rod members (structural members) 28a to 28h are attached to the
また、本実施形態において枠部材12の形成する五角形の部分には、フィルムは張られていない。また、上記の7面体のうち、枠部材12の形成する五角形の面以外の6面の全体に、二重フィルムが張られている。このフィルムの構造および材質は、第6実施形態のフィルム15と同じである。
In the present embodiment, no film is stretched on the pentagonal portion formed by the
本実施形態のケーシング10は、このような構造となっていることで、以下のような作用を得ることができる。ケーシング10が閉じられたとき、吸湿部20から放出された水蒸気を含む空気が、図36の矢印6に示すように上昇したとき、棒状部材18a、18b、18cおよび枠部材11に囲まれる面が、空気の流れ6に対して直角ではなく斜めになっているので、矢印7のように、空気の流れが澱むことなく、空気がスムースに日陰面に回り込むようになる。すなわち、ケーシング10の上側端部の日向面寄りの面(棒状部材18a、18b、18cおよび枠部材11に囲まれる面)が、ケーシング10の長手方向に対して斜めになっていることで、空気がスムースに流れる。
Since the
また、枠部材12の外側(すなわち、枠部材11側と反対の側)にも、枠部材11の外側と同じ構造を設けるようになっていることで、日陰面で水蒸気を液滴化した空気が吸水部材23の下側に確実に運ばれるようになる。
Further, the same structure as that of the outer side of the
なお、ケーシング10は、枠部材11の外側の上記構造と、枠部材12の外側の上記構造のうち、枠部材11の外側の上記構造のみを有していてもよい。その場合、枠部材12の形成する五角形には、フィルム15が張られている。
The
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について、第7実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第7実施形態と異なるのは、ケーシング10の構造である。具体的には、本実施形態のケーシング10の内部のうち、枠部材11から枠部材12までの空間は、フィルムによって、蒸発部、液滴化部の2つに仕切られている。
(Eighth embodiment)
Next, an eighth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the seventh embodiment. The present embodiment is different from the seventh embodiment in the structure of the
図37に、本実施形態の二重フィルム16の開閉機構80を、図31と同じ形式で示す。なお、図31と図37で同じ符号が付されているものは、以下に別途説明しない限り、それぞれ同じ構成および機能を有する。
In FIG. 37, the opening /
本実施形態の開閉機構80においては、パイプ81aのうち日陰面の端部に当たる2つの頂点を結ぶパイプ91が、パイプ81aに固定され、また、パイプ81bのうち日陰面の端部に当たる2つの頂点を結ぶパイプ92が、パイプ81bに固定されている。
In the opening /
図38に、パイプ91とパイプ92の間にあると共にかつパイプ91とパイプ92とを含む面におけるケーシング10の構成を示す。また、ケーシング10が閉じている状態において図38のA−A断面でケーシング10および吸湿部20を切ったときの断面図を、図39に示し、ケーシング10が開いている状態において図38のA−A断面でケーシング10および吸湿部20を切ったときの断面図を、図40に示す。ただし、簡単のため、図39および図40においては、吸湿部20の内部構造の記載は省略している。
FIG. 38 shows the configuration of the
この図38〜40に示す通り、パイプ91とパイプ92の間の全面に、フィルム95が張られている。このフィルム95によって、ケーシング10の日向面と二重フィルム95との間の空間(すなわち、蒸発部)と、二重フィルム95とケーシング10の日陰面との間の空間(すなわち、液滴化部)とが仕切られて分離することになる。
As shown in FIGS. 38 to 40, a
このフィルム95は、フィルム16と同じ材料から成っており、また、フィルム16と同様、2枚のフィルムが0.1〜5mm程度の間隔を開けて重なった二重フィルムである。なお、二重フィルム95のうち、ケーシング10の日陰面に近い方のフィルムの日陰面側の面には、液滴化を加速する表面処理剤(例えば撥水材料)の膜が形成されていてもよいし、液滴化を加速する表面処理剤が練り込まれていてもよい。なお、二重フィルム95は、透光性を有していなくてもよい。
The
また、パイプ91の複数の部分から、パイプ92のそれぞれ対応する部分まで、金属製、樹脂製等の複数本の鎖93が、直線状に延びている。この鎖93は、鎖82よりも細い。この鎖93は、一端においてパイプ91に固定され、他端においてパイプ92に固定され、かつ、二重フィルム95の外側のフィルムと内側のフィルムの間に配置されている。
Further, a plurality of
また、二重フィルム95の外側のフィルムと内側のフィルムの間において、パイプ91からパイプ92までほぼ等間隔に、パイプ91、92に平行に、プラスチック製のパイプ94が複数配置されている。
In addition, a plurality of
これらパイプ84のそれぞれは、鎖82、93に固定されることで、図39に示すようなケーシング10が閉じた状態で下に落ちることなく、互いの間隔を保つことができる。そして、ケーシング10を開放する場合、図40に示すように、鎖82、93が畳まれ、その結果、パイプ94の間隔が縮まり、フィルム16が枠部材12側に集まる。
Each of the
また、吸湿部20は、フィルム95と日向面側のフィルムとの間の位置に、図示しない固定部材によって、ケーシング10に対して固定されている。
Moreover, the
したがって、図39に示すようにケーシング10が閉じた状態においては、蒸発部は、吸湿部20が直接太陽光を受けることで高温となり、他方、液滴化部は、太陽光を直接受けないことと、二重フィルム95が断熱材の役割を果たすことの相乗効果により、蒸発部に比べて温度が非常に低くなる。
Therefore, in a state where the
その結果、液滴化部においては、吸湿部20から図39の矢印96のように回り込んだ空気が過飽和状態になり、二重フィルム16、95の表面に液滴が付着する。そして、二重フィルム16、95の表面には液滴化を加速する表面処理が施されているので、液滴化が促進され、効率よく貯蔵槽50に水滴が流れ落ちる。そして、含んでいる水蒸気が液滴化した後の空気は、矢印97に示すように蒸発部の吸湿部20に戻る。
As a result, in the droplet forming portion, the air that has entered from the
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1実施形態においては、ケーシング10が閉じられたとき、実質的にケーシング10内の空気が閉じこめられた状態にあればよいのであって、必ずしもケーシング10を完全に密閉する必要はなく、空気の実質的な閉じこめを阻害しない程度の微少な隙間がフィルム16の枠部材11側端部にあってもよかった。
(Ninth embodiment)
Next, a ninth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the first embodiment. This embodiment is different from the first embodiment in the first embodiment, when the
しかし、フィルム16の枠部材11側端部における隙間が小さいほど、実質的な閉じこめ効果が高いことは確かである。そこで、本実施形態の水滴捕集装置1は、ケーシング10が閉じられたとき、ケーシング10内の密閉度を向上するための構成を備えている。
However, it is certain that the smaller the gap at the end of the
図41および図42に、ケーシング10と吸湿部20の南北方向と鉛直方向を含む面による断面およびケーシング10の開閉のための構成を示す。ただし、簡単のために、吸湿部20の内部構造の記載は省略している。図41は、フィルム16を枠部材11の方向に移動している途中の状態を示し、図42は、フィルム16によるケーシング10の閉鎖が完了した状態を示している。
41 and 42 show a cross section of the
本実施形態の水滴捕集装置1は、既述の通り、張力調整された状態のワイヤーロープ13にフィルム16をリング55で吊るすことで、フィルム16が移動可能な状態で保持される。そして、水滴捕集装置1は、フィルム16の枠部材11側端部に結びつけられた4つのロープ98a、98b、99a、99b、および、これらロープを巻き取るための4つのモータ100a、100b、101a、101bを有している。
As described above, the water
ロープ98a、98bは、フィルム16の日向面の端部に結びつけられ、ロープ98aはモータ100aによって巻き取られるようになっており、ロープ98bはモータ100bによって巻き取られるようになっている。また、ロープ99a、99bは、フィルム16の日陰面の端部に結びつけられ、ロープ99aはモータ101aによって巻き取られるようになっており、ロープ99bはモータ101bによって巻き取られるようになっている。
The
また、水滴捕集装置1は、これらモータを制御するマイクロコンピュータ(図示せず)を有している。このマイクロコンピュータによるケーシング10の開閉のタイミングの決定方法は、第1実施形態に記載した通りである。
Moreover, the water
以下、図41および図42を参照して、ケーシング10を閉じる場合のマイクロコンピュータの制御内容について説明する。マイクロコンピュータは、ケーシング10を閉じるタイミングであると判定すると、モータ100a、101aを制御して、ロープ98a、99aを巻き取らせる。すると、図41に示すように、モータ100a、101aは、ロープ98a、99aを、枠部材12から枠部材11の方向に巻き取り、フィルム16も、ロープ98a、99aに引っ張られて、端部が枠部材11側に移動する。その結果、ケーシング10が徐々に閉じられていく。
Hereinafter, with reference to FIG. 41 and FIG. 42, the control contents of the microcomputer when the
そして、マイクロコンピュータは、フィルム16の枠部材11側端部が枠部材11の位置を越える量としてあらかじめ定められたモータ100a、101aの回転量だけ、モータ100a、101aを回転させると、モータ100a、101aを停止させる。これによって、フィルム16の枠部材11側端部の移動が停止する。
Then, when the microcomputer rotates the
続いてマイクロコンピュータは、モータ100b、101bを制御して、ロープ98b、99bを巻き取らせる。すると、図42に示すように、モータ100b、101bは、ロープ98b、99bを、枠部材12から枠部材11の方向に対してほぼ直角に巻き取り、フィルム16は、ロープ98a、99aに引っ張られて、枠部材11に巻き付く方向に移動する。
Subsequently, the microcomputer controls the
このようにすることで、フィルム16が枠部材11に密着し、その結果、ケーシング10が密閉される(より正確には、ケーシング10の密閉度が向上する)。その後、マイクロコンピュータは、モータ100a、101aを逆回転させ、ロープ98a、99aを放出してもよい。これによって、フィルム16の枠部材11側端部は、ロープ98b、99bによって引っ張られた状態で停止したまま、ロープ98a、99aが撓む。
By doing in this way, the
なお、本実施形態においては、ケーシング10を開放するためにフィルム16の枠部材11側端部を枠部材12側に移動させるための構成(例えば、フィルム16の枠部材11側端部に繋がれたロープ、および、当該ロープを枠部材12の方向に引っ張るモータ)は、別途有しているものとする。また、本実施形態のような密閉のための方法は、第2〜第8実施形態にも適用可能である。
In addition, in this embodiment, in order to open the
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について、第9実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第9実施形態と異なるのは、ケーシング10が閉じられたときのケーシング10内の密閉度を向上するための構成である。
(10th Embodiment)
Next, a tenth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the ninth embodiment. This embodiment is different from the ninth embodiment in the configuration for improving the degree of sealing in the
図43に、ケーシング10と吸湿部20の南北方向と鉛直方向を含む面による断面およびケーシング10の開閉のための構成を、図41、図42と同じ形式で示す。この図43は、フィルム16によるケーシング10の密閉が完了した状態を示している。なお、図43と図42において同じ符号が付された構成物は、互いに同じ機能を有している。
FIG. 43 shows a cross section of the
本実施形態の水滴捕集装置1は、第9実施形態に示したロープ、モータのうち、フィルム16の枠部材11側端部を枠部材12から枠部材11の方向に移動させるためのロープ98a、99aおよびモータ100a、101aを有している。さらに本実施形態の水滴捕集装置1は、枠部材11の矩形の全周に接着等で固定された磁石(フレキシブル磁石または固形磁石)56a、56bを有している。
The water
また、フィルム16の枠部材11側端部の全周にも、磁石(フレキシブル磁石または固形磁石)58が接着等で固定されている。
A magnet (flexible magnet or solid magnet) 58 is also fixed by adhesion or the like on the entire periphery of the end portion of the
以下、図43を参照して、ケーシング10を閉じる場合のマイクロコンピュータの制御内容について説明する。マイクロコンピュータは、ケーシング10を閉じるタイミングであると判定すると、モータ100a、101aを制御して、ロープ98a、99aを巻き取らせる。すると、モータ100a、101aは、ロープ98a、99aを、枠部材12から枠部材11の方向に巻き取り、フィルム16も、ロープ98a、99aに引っ張られて、端部が枠部材11側に移動する。その結果、ケーシング10が徐々に閉じられていく。
Hereinafter, with reference to FIG. 43, the control contents of the microcomputer when the
そして、マイクロコンピュータは、フィルム16の枠部材11側端部が枠部材11の位置を越える量としてあらかじめ定められたモータ100a、101aの回転量だけ、モータ100a、101aを回転させると、モータ100a、101aを停止させる。これによって、フィルム16の枠部材11側端部の移動が停止する。
Then, when the microcomputer rotates the
すると、枠部材11に取り付けられた磁石56と、フィルム16の端部に取り付けられた磁石58とが互いに引き合う。この引き合う力によって、フィルム16が枠部材11に密着し、その結果、ケーシング10が密閉される(より正確には、ケーシング10の密閉度が向上する)。
Then, the
その後、マイクロコンピュータは、モータ100a、101aを逆回転させ、ロープ98a、99aを放出してもよい。これによって、フィルム16の枠部材11側端部は、磁石56よって引っ張られた状態で停止したまま、ロープ98a、99aが撓む。
Thereafter, the microcomputer may reversely rotate the
なお、本実施形態のような密閉のための方法は、第2〜第8実施形態にも適用可能である。 In addition, the method for sealing like this embodiment is applicable also to 2nd-8th embodiment.
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について、第10実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第10実施形態と異なるのは、ケーシング10が閉じられたときのケーシング10内の密閉度を向上するための構成である。
(Eleventh embodiment)
Next, an eleventh embodiment of the present invention will be described focusing on portions different from the tenth embodiment. The present embodiment is different from the tenth embodiment in the configuration for improving the degree of sealing in the
図44に、ケーシング10と吸湿部20の南北方向と鉛直方向を含む面による断面およびケーシング10の開閉のための構成を、図43と同じ形式で示す。この図44は、フィルム16によるケーシング10の密閉が完了した状態を示している。なお、図44と図43において同じ符号が付された構成物は、互いに同じ機能を有している。
FIG. 44 shows a cross section of the
本実施形態の水滴捕集装置1は、第10実施形態で示した磁石は有していない。そして、フィルム16の水滴捕集装置1側端部の全周には、収縮性ゴム57が固定されている。
The water
以下、図44を参照して、ケーシング10を閉じる場合のマイクロコンピュータの制御内容について説明する。マイクロコンピュータは、ケーシング10を閉じるタイミングであると判定すると、モータ100a、101aを制御して、ロープ98a、99aを巻き取らせる。すると、モータ100a、101aは、ロープ98a、99aを、枠部材12から枠部材11の方向に巻き取り、フィルム16も、ロープ98a、99aに引っ張られて、端部が枠部材11側に移動する。その結果、ケーシング10が徐々に閉じられていく。
Hereinafter, with reference to FIG. 44, the control contents of the microcomputer when the
そして、マイクロコンピュータは、フィルム16の枠部材11側端部が枠部材11の位置を越える量としてあらかじめ定められたモータ100a、101aの回転量だけ、モータ100a、101aを回転させると、モータ100a、101aを停止させる。これによって、フィルム16の枠部材11側端部の移動が停止する。
Then, when the microcomputer rotates the
すると、フィルム16の端部に取り付けられた収縮性ゴム56が縮み、その結果、フィルム16の端部が枠部材11に引っかかる。この引っかかりによって、フィルム16が枠部材11に密着し、その結果、ケーシング10が密閉される(より正確には、ケーシング10の密閉度が向上する)。
Then, the
その後、マイクロコンピュータは、モータ100a、101aを逆回転させ、ロープ98a、99aを放出してもよい。これによって、フィルム16の枠部材11側端部は、磁石56によって引っ張られた状態で停止したまま、ロープ98a、99aが撓む。
Thereafter, the microcomputer may reversely rotate the
なお、本実施形態のような密閉のための方法は、第2〜第8実施形態にも適用可能である。 In addition, the method for sealing like this embodiment is applicable also to 2nd-8th embodiment.
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、ケーシング10を開閉するときのフィルム16の移動方法である。
(Twelfth embodiment)
Next, a twelfth embodiment of the present invention will be described focusing on the differences from the first embodiment. This embodiment is different from the first embodiment in the method of moving the
図45に、本実施形態に係るケーシング10の構成を斜視図で示す。なお、図45では、ケーシング10は開いた状態にある。本実施形態の枠部材11および枠部材12の配置は、第1実施形態と同様である。また、枠部材11が4辺を成す矩形内には、第1実施形態と同様のフィルム14が張られており、枠部材12が4辺を成す矩形内には、第1実施形態と同様のフィルム15が張られている。
In FIG. 45, the structure of the
ただし、本実施形態のケーシング10は、図2に示したワイヤーロープ13が配置されていない。また、枠部材11および枠部材12の全周には、矩形の外側を向いたレール溝が形成されている。
However, the
また、図45に示すように、本実施形態のフィルム16は、ケーシング10が開いている場合は、枠部材11の端部から枠部材12の端部の方向に延びる棒状の軸30の周りに巻き取られるようになっている。この軸30は、図示しないモータ(以下軸制御モータという)を動力源として回転可能となっている。また、この軸制御モータは、図示しないマイクロコンピュータによって制御される。このマイクロコンピュータによるケーシング10の開閉のタイミングの決定方法は、第1実施形態に記載した通りである。
As shown in FIG. 45, the
本実施形態のフィルム16の構造および材質は、第1実施形態と同じである。ただし、フィルム16の表面のうち、ケーシング10が閉じたときにケーシング10の内部に面する側には、2本のレール31、32が接着等で固定されている。このレール31、32は、それぞれフィルム16の枠部材11に近い側の端部および枠部材12に違い側の端部に、互いに平行に配置されている。そしてこれらレール31、32は、フィルム16の曲げに従って変形するようなフレキシブルな素材(例えば樹脂)から成っている。
The structure and material of the
このレール31、32は、それぞれ枠部材11および枠部材12のレール溝に摺動自在に嵌っている。図46に、レール31、32がレール溝に嵌っている部分を、レール31、レール32に垂直な面で切った断面図を示す。なお、この断面図においては、フィルム14、15、16の構造は簡略化して記載している。
The
また、フィルム16の表面のうち、レール31、32が取り付けられている面には、2本のロープ34、35が取り付けられている。ロープ34は、レール31よりもフィルム16の端側に、レール31に平行に取り付けられ、ロープ35は、レール32よりもフィルム16の端側に、レール32に平行に取り付けられている。
Two
ロープ34、35のフィルム16への取り付けは、具体的には、図46に示すように、フィルム16の端をまるめて穴を形成し、その穴にロープ34、ロープ35を通すことで実現する。そして、このロープ34、35の一端は、フィルム16の角部からフィルム16の外部に露出しており、この露出した側の端部において、図示しないモータ(以下、ロープ用モータという)に巻き付いている。このロープ用モータは、上記のマイクロコンピュータによって制御され、ロープ34、35を巻き取ることができるようになっている。
Specifically, as shown in FIG. 46, the attachment of the
以下、このようなケーシング10の開閉の作動について、図47〜49を参照して説明する。図47〜49は、レール31、32がレール溝に沿って進むことで、フィルム16が枠部材11、枠部材12にシャッターのように巻き付いていく過程を示す斜視図である。
Hereinafter, the opening / closing operation of the
まず、マイクロコンピュータが、ケーシング10を閉じるタイミングであると判定すると、軸制御モータを制御して、フィルム16を軸30から送り出す方向に軸30を回転させ始める。この際、ロープ34、35は、ロープ用モータによって巻き取られていない。
First, when the microcomputer determines that it is time to close the
すると、図47に示すように、レール31、32が軸30の送り出し向きの回転によってフィルム16と共に押し出され、それぞれ枠部材11、12のレール溝を進行する。これに伴って、フィルム16がケーシング10の日陰面を覆っていく。
Then, as shown in FIG. 47, the
軸30の送り出し方向の回転は更に持続し、図48に示すように、フィルム16は、東面側の枠部材11、12を通って日向面にまで進み、日向面も覆う。
As shown in FIG. 48, the rotation of the
さらに軸30の送り出し方向の回転は持続し、フィルム16がケーシング10の外周を一周し、ケーシング10が閉じられる程度にフィルム16が移動するための回転数としてあらかじめ定められた回転数だけ、軸制御モータが回転した時点で、マイクロコンピュータは、軸制御モータの回転を停止させる。この状態においては、図40に示すように、ケーシング10がフィルム16によって閉じられた状態となる。
Further, the rotation of the
続いてマイクロコンピュータは、ロープ用モータを制御して、ロープ34、35を巻き取らせる。すると、ロープ34、35は、ロープ用モータの方向に引っ張られ、それによって、フィルム16の枠部材11側の端部および枠部材12側の端部が、それぞれロープ34、35によって絞られて引き締められる。これによって、フィルム16の端部が収縮し、その結果、フィルム16と枠部材11、12との間の隙間がなくなり、ケーシング10の密閉度が高くなる。
Subsequently, the microcomputer controls the rope motor to wind the
このように、軸30、枠部材11、12のレール溝、レール31、32を有するシャッター機構により、フィルム16を移動させてケーシング10を開閉することができる。なお、軸30に巻き取られたフィルム16を収納する箱部材を、軸30の周りに設置してもよい。
As described above, the
また、本実施形態の場合、フィルム16として、透明なガラス(または透明な樹脂)の板材を用いてもよい。その場合、レール溝に沿って進行する際にフィルム16が変形可能なように、透明なガラス(または透明な樹脂)の板材は、ある間隔で折り曲がる構造を有するようにする。
In this embodiment, a transparent glass (or transparent resin) plate material may be used as the
なお、本実施形態においても、第10実施形態で示した磁石の磁力で密閉度を高める技術をさらに適用してもよいし、第11実施形態で示した収縮性のゴムの力で密閉度を高める技術をさらに適用してもよい。 Also in this embodiment, the technology for increasing the sealing degree by the magnetic force of the magnet shown in the tenth embodiment may be further applied, and the sealing degree may be increased by the force of the shrinkable rubber shown in the eleventh embodiment. Further enhancement techniques may be applied.
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。図50に、本実施形態に係る水滴捕集装置1の構成を模式的に示す。本実施形態の水滴捕集装置1が第1実施形態の水滴捕集装置1と異なるのは、本実施形態の水滴捕集装置1が、壁111、断熱材112、ヒートパイプ115、フィン116、フィン117、およびパイプ53を備えていることである。
(13th Embodiment)
Next, a thirteenth embodiment of the present invention will be described with a focus on differences from the first embodiment. In FIG. 50, the structure of the water
本実施形態の吸湿部20は、第1実施形態の吸湿部20と同じものである。また、本実施形態のケーシング10も、第1実施形態の水滴捕集装置1と同じものである。ただし、枠部材11(図2参照)にはフィルム14が張られておらず、また、枠部材12に張られたフィルム14の一部には、通気口が設けられている。
The
壁111は、ケーシング10の枠部材11側端部(すなわち上側端部)に延設され、ケーシング10内の空間と常時連通する冷却部113を囲むようになっている。また、壁111は、ケーシング10と反対側の方向の上方および下方に、開口部を有している。上方の開口部は、外部の地上空間と連通しており、下方の開口部は、パイプ53と連通している。貯蔵槽50の一部であるパイプ53は、タンク51と連通している。
The
また、枠部材11の上方には、太陽の光を遮るための断熱材112が設けられており、この断熱材112と壁111との間に空間(以下、放熱部114という)ができる。断熱材112が太陽光を遮ることで、冷却部113および放熱部114は、太陽に当たらない日陰となる。
In addition, a
このように、断熱材112は、太陽熱のエネルギーを断熱し、陰になった部分の温度を低下させるように作用する。この断熱材112としては、公知の材質を用いることができる。ただし、この断熱材112は屋外で大気に晒され、かつ、雨、風、雪、霜にも晒されるので、耐久性があるものが好ましい。例えば、水酸化カルシウム、アルミナ繊維、カーボンファイバーのフェルト材料、ウレタンフォーム、発泡スチロール、スタイロホーム、発泡ウレタン、発泡樹脂材料、木材、コルク材、レンガ、タイルなどが適する。
In this way, the
また、複数本のヒートパイプ115は、壁111を貫いて、冷却部113と放熱部114とに跨って設置されている。そして、これらヒートパイプ115には、冷却部113側において、フィン116が取り付けられ、放熱部114側においても、フィン117が取り付けられている。
In addition, the plurality of
以下、このような構成の水滴捕集装置1の作動について説明する。本実施形態の水滴捕集装置1も、第1実施形態の水滴捕集装置1と同様、一日の気温の温度差により発生する湿度変化を利用して大気中の水分を吸収すると共に、ケーシング10内部において太陽光の当たる日向と太陽光の当たらない日陰との間の温度差、および、一日の気温の温度差を利用して、水蒸気を凝縮して液滴化するようになっている。
Hereinafter, the operation of the water
まず、夕方または夜間になると、第1実施形態と同様にケーシング10が開いた状態にされる。開くタイミングの決定および実際に開ける作動は、第1実施形態と同じである。
First, in the evening or at night, the
ケーシング10が開放されると、ケーシング10の内部は大気と連通し、ケーシング10の外部と内部の相対湿度は同一になる。そして、外気温の低下に伴い相対湿度が上昇し、相対湿度が基準湿度を超えると、吸水部材23がケーシング10の内部に導入された空気中の水蒸気を吸収する。
When the
その後、朝または昼になると、ケーシング10が閉じた状態にされる。閉じるタイミングの決定および実際に閉じる作動は、第1実施形態と同じである。
Thereafter, in the morning or noon, the
ケーシング10が閉じられた後、ケーシング10および吸湿部20に太陽光が当たると、ケーシング10内部の温度が上昇し、ケーシング10の外部の気温よりも高くなる。このケーシング10内の温度上昇に伴い、吸湿部20の周囲の相対湿度が低下する。すると、吸水部材23に吸着された水分は蒸発して水蒸気になり、ケーシング10の内部に放出される。
After the
蒸発した大量の水蒸気は、ケーシング10内で加熱された空気と共に上昇し、ケーシング10の日向面に到達する。すると、この高温の空気の一部は、図1の矢印4に示すように、ケーシング10の日向面に沿って上昇してケーシング10の上面に移動する、他の一部は、ケーシング10の日向面に沿って水平方向(すなわち、図1の紙面に垂直な方向)に移動して、矢印123に例示するように、ケーシング10の西面および東面に到達する。
A large amount of the evaporated water vapor rises with the air heated in the
そして、上昇した空気の一部を補うように、ケーシング10の下面に空けられた通気口を通って、矢印121に示すように、ケーシング10の外部から空気が流入する。
Then, as shown by an
ケーシング10の西面および東面においては、直射日光を受けている吸湿部20の周囲に比べて、温度が低くなっている。したがって、ケーシング10の西面および東面に到達した空気は冷やされて過飽和状態となり、空気中の水蒸気が結露し、液滴化する。その結果、ケーシング10の西面および東面のフィルム16に水滴が付着する。そして、この水滴はフイルム16に沿って流れ落ち、さらにパイプ52を通って最終的にタンク51内に捕集される。
On the west surface and the east surface of the
一方、ケーシング10の上面(フィルムが張られていない)に移動した空気の一部は、矢印122に示すように、日陰の冷却部113に流入する。そして、ヒートパイプ115およびフィン116、117の作用により、冷却部113の熱は、放熱部114に放出され、その結果、冷却部113に流入した空気の温度が低下し、その結果空気が過飽和状態になる。それにより、冷却部113内で水蒸気が液滴化し、壁111、フィン116に水滴が付着する。そして、それら水滴は滴り落ち、パイプ53を通ってタンク51に捕集される。冷却部113に入って液滴を放出した空気は、上方の開口部から外部に抜け出る。
On the other hand, a part of the air that has moved to the upper surface (the film is not stretched) of the
一方、ケーシング10の西面および東面に移動して冷やされた空気は、矢印124に示すように下降し、ケーシング10の日陰面に回り込む。ケーシング10の日陰面では、吸湿部20によって太陽光が遮られる。したがって、ケーシング10内の温度上昇も少なく、かつ、日陰面の直下の外気も日陰となっているので温度が低いので、ケーシング10の日陰面の温度が低く抑えられる。したがって、日陰面の温度は、日向面側に比べて温度が低いばかりではなく、ケーシング10の西面および東面の部分に比べても温度が低い。
On the other hand, the air cooled to the west surface and the east surface of the
それ故、ケーシング10の西面および東面から日陰面に周り込んだ空気は更に冷やされ、空気中の水蒸気が過飽和状態となって結露し、液滴化する。その結果、ケーシング10の日陰面のフィルム16に水滴が付着する。そして、この水滴はフイルム16に沿って流れ落ち、さらにパイプ52を通って最終的にタンク51内に捕集される。
Therefore, the air that has entered the shaded surface from the west surface and the east surface of the
なお、日向面側から日陰面側に回り込んで冷えた空気は、日陰面に沿って矢印5のように下降し、対流に押し上げられて再度吸水部材23の周辺に戻り、直射日光を受けている吸湿部20加熱され、吸水部材23から放出された水蒸気をさらに含んで上昇する。
In addition, the air cooled from the sun side to the shade side descends as indicated by the
このように、日中の太陽光が当たっている場合においては、吸水部材23から水蒸気が放出され、水蒸気を含んだ空気が上昇することで、ケーシング10の下部から外気が流入し、流入した空気が熱せられて水蒸気を含んで上昇し、冷却部113に入って冷やされて液滴を放出し、冷却部113から外部に抜け出るという現象が継続する。
Thus, in the case of sunlight in the daytime, water vapor is released from the
また、日中の太陽光が当たっている場合においては、空気の一部はケーシング10の日向面と日陰面とを循環する。したがって、吸湿部20周辺で発生した水蒸気が、空気によって日向面まで上昇し、ケーシング10の西面および東面を通って日陰面まで運ばれ、西面および東面および日陰面で液滴化するというサイクルが繰り返される。これにより、ケーシング10内における、吸湿部20周辺の温度、西面および東面周辺の温度、日陰面周辺の温度の差を利用して、水蒸気を液滴化して捕集することができる。
Further, in the case of sunlight during the day, a part of the air circulates between the sun face and the shade face of the
なお、水蒸気を含んだ空気が日向面から西面および東面を通って日陰面に到達し、さらに吸水部材23に戻ることができるのは、吸湿部20とケーシング10との間に隙間が設けられているからである。
Note that air containing water vapor reaches the shaded surface from the sunny surface through the west surface and the east surface, and can return to the
このように、ケーシング10内における位置による温度差を利用して液滴化することで、夜間に吸水部材23が捕集した水蒸気を液滴にすることができる。
In this way, by making the liquid droplets using the temperature difference depending on the position in the
以上のように、本実施形態の水滴生成装置によれば、大気の相対湿度が高いときにケーシング10を開放することで、吸水部材23に水分を吸収させ、また、太陽光がケーシング10に照射されているときにケーシング10を閉じることで、ケーシング10内の温度を上昇させて吸水部材23に水分を放出させ、また、ケーシング10内部の太陽光の当たる側、太陽光の当たらない側の温度差を利用して、効率的にケーシング10内の水蒸気を液滴化させることができる。このため、ケーシング10の開閉だけで自然に発生する温度差を利用して、大気中の水蒸気を回収して水滴を得ることができる。
As described above, according to the water droplet generator of the present embodiment, the
また、雨が降っている場合、露ができる場合、霧がある場合も、ケーシング10を開放するようになっていてもよい。その場合、雨、露、霧は、吸水部材23およびシート22に吸収されるが、吸収し切れない余分な水は、滴り落ちて、吸水部材23の直下に取り付けられた導水部材24に捉えられ、導水部材24を伝って、タンク51に導かれる。また、吸水部材23が夜の間に吸収した多量の水が、太陽光が当たる初期段階で、液滴として雫のように流れ落ちて導水部材24に捉えられ、導水部材24を伝って、タンク51に導かれる場合もある。
Moreover, the
ここで、本実施形態のような水滴捕集装置1を用いて捕集できる水量(すなわち液滴化量)の一具体例を示す。この具体例においては、日本のある夏の日を例に取っている。そして、その日の明け方(午前5時)において、ケーシング10の日向面のすぐ外側(以下、単に日向外気という)の気温が24℃、相対湿度が約80〜95%であり、ケーシング10の日陰面のすぐ外側(以下、単に日陰外気という)の気温が24℃、相対湿度約80〜95%であったとする。また、その日の日中の最高気温時(午後2時)においては、日向外気の気温が35℃、相対湿度が約30%であり、日陰外気の気温が28〜29℃、相対湿度が約40%であったとする。また、その日の夕方(午後7時30分)においては、日向外気の気温が28℃、相対湿度が約50%、であり、日陰外気の気温が26℃、相対湿度が約50%であったとする。そして、シート22および吸水部材23は、一日で放出できる量を超える十分な量の水蒸気を前日に吸収しているものとする。また、この例においては、冷却効率が100%であるとして計算を行っている。
Here, a specific example of the amount of water (that is, the amount of droplets) that can be collected using the water
この日、太陽が昇って太陽光が吸湿部20に照射されると、熱せられたシート22および吸水部材23から水蒸気が放出される。実際の計測によれば、ケーシング10の外側の日向側の気温が35℃のとき、ケーシング10内の温度は、日陰面側が約28℃から29℃であるが、吸湿部20の太陽が当たる部分は、約60℃にまで上り、相対湿度は40〜50%となる。
On this day, when the sun rises and sunlight is applied to the
この場合、ケーシング10の下端部から、温度29℃、相対湿度約40%の空気が流入する。そして、その空気が、吸湿部20において、太陽熱により、温度約60℃、相対湿度50%まで加熱される。この場合、空気中に含有できる水蒸気量は、空気1Kg当たりおよそ0.05〜0.06Kgである。
In this case, air having a temperature of 29 ° C. and a relative humidity of about 40% flows from the lower end of the
その後、空気はケーシング10内を上昇して冷却部113に入り、約40〜45℃程度まで冷却され、相対湿度100%になる。さらに冷却部113で空気は冷却され、温度29℃、湿度100%となる。この場合、空気中に含有できる水蒸気量は、空気1Kg当たり約0.026Kgとなるので、過飽和状態となり、液滴が生成される。すなわち、0.05〜0.06Kgから約0.026Kgを差し引いた液滴化量:0.024〜0.034Kgの液滴が、1Kgの空気から放出される。
Thereafter, the air rises in the
液滴化されずに空気中に残った水蒸気量(空気1Kg当たり約0.026Kg)は、冷却部113の上側の開口部から大気中に放出される。
The amount of water vapor remaining in the air without being formed into droplets (about 0.026 kg per 1 kg of air) is released into the atmosphere from the upper opening of the
具体的な実験例では、4m2のシート22に目付け量200g/m2の吸水部材23を付着させた場合、夜間にその吸水部材23は約500gの水蒸気を吸収し、昼間は太陽熱によって約350gの水蒸気を放出した、そして、放出した約350gの水蒸気のうち、約200gが液滴化し、残りは大気に放出された。
In a specific experimental example, when a
ここで、本実施形態による水の捕集効果と、第1実施形態における水の捕集効果とを比較する。第1実施形態においては、ケーシング10が閉じられた状態において、空気がケーシング10内に閉じ込められるので、密閉された空気は、太陽が当たる間、ケーシング10内を循環するので、より多くの水蒸気を得ることができる。
Here, the water collection effect by this embodiment is compared with the water collection effect in 1st Embodiment. In the first embodiment, when the
第1実施形態の場合、日向外気の温度が最高気温約35℃、相対湿度約30%の時、閉じ込められたケーシング10内の吸水部材23付近の空気の温度は、約70℃、相対湿度40〜50%になる。この空気は、空気1Kg当たり0.07〜0.08Kgの水蒸気を含有する。
In the case of the first embodiment, when the temperature of the outside sun is about 35 ° C. and the relative humidity is about 30%, the temperature of the air near the
この70℃という温度は、第13実施形態のように空気が閉じ込められない場合(具体的には、温度29℃、相対湿度100%の空気が大気中に放出される場合)よりも、約10℃高い。これは、第1実施形態においてはケーシング10内で空気が循環しているので、第13実施形態のように外部から空気を取り入れる場合よりも高温になり易いからである。
This temperature of 70 ° C. is about 10 times that in the case where air is not confined as in the thirteenth embodiment (specifically, when air having a temperature of 29 ° C. and a relative humidity of 100% is released into the atmosphere). ℃ high. This is because, in the first embodiment, air circulates in the
この場合、循環する空気は、吸湿部20において、太陽熱により、温度約70℃、相対湿度40%〜50%まで加熱される。この場合、空気中に含有できる水蒸気量は、空気1Kg当たり約0.07〜0.08Kgである。
In this case, the circulating air is heated to a temperature of about 70 ° C. and a relative humidity of 40% to 50% by solar heat in the
その後、空気はケーシング10内を移動して日陰面で冷却され、約50℃で相対湿度約100%となる。さらに空気は温度29℃、湿度100%まで冷却されると空気中に含有できる水蒸気量は、空気1Kg当たり約0.026Kgとなるので、過飽和状態となり、液滴が生成される。
After that, the air moves in the
さらに夕方になって、ケーシング10内の空気の温度が26℃まで下がると、空気中に含有できる水蒸気量が、空気1Kg当たり0.022Kgとなり、更に液滴化が進む。その結果、空気1Kg当たり0.038〜0.048Kgの液滴を作ることができる。
In the evening, when the temperature of the air in the
具体的な実験例では、4m2のシート22に目付け量200g/m2の吸水部材23を付着させた場合、夜間にその吸水部材23は約500gの水蒸気を吸収し、昼間は太陽熱によって約450gの水蒸気を放出した、そして、放出した約450gの水蒸気のうち、約330gが液滴化し、残りは大気に放出された。
In a specific experimental example, when a
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
(Other embodiments)
As mentioned above, although embodiment of this invention was described, the scope of the present invention is not limited only to the said embodiment, The various form which can implement | achieve the function of each invention specific matter of this invention is included. It is.
例えば、自動でフィルム16を移動させてケーシング10を開閉するための動力源としては、ワックス(酸化ワックスエステル材料)の体積変化を利用してもよい。すなわち、ワックスを容器に入れ、容器に上方から蓋をする。そして、この容器を太陽の当たる場所に設置する。このようにすることで、昼間はワックスが暖められて融点を超えて液化し、その結果、ワックスの体積が増大し、蓋が押し上げられる。また、夜間はワックスが冷やされて融点を下回り固化し、その結果、ワックスの体積が減少し、蓋が下降する。
For example, a volume change of wax (oxidized wax ester material) may be used as a power source for automatically moving the
そしてこの蓋には、蓋が上昇するとフィルム16を押し上げてケーシング10を閉じ、蓋が下降するとフィルム16を押し下げてケーシング10を閉じるような機構を接続する。このようにすることで、ケーシング10は、自動的に昼間は開き、夜間は閉じることになる。
The lid is connected to a mechanism that pushes up the
また例えば、自動でフィルム16を移動させてケーシング10を開閉するための動力源としては、閾値温度以上と以下とで形状を変える形状記憶合金を利用してもよい。すなわち、この形状記憶合金を太陽の当たる場所に設置し、また、この形状記憶合金が閾値温度以上の温度時の形状となったときにフィルム16を押し上げてケーシング10を閉じ、形状記憶合金が閾値温度未満の温度時の形状となったときにフィルム16を押し下げてケーシング10を閉じるような機構を、この形状記憶合金に接続する。このようにすることで、ケーシング10は、自動的に昼間は開き、夜間は閉じることになる。
Further, for example, as a power source for automatically moving the
また例えば、フィルム16のうち、日向面にあるフィルムの外側(ケーシング10の外側)の表面には、太陽光を通す周知のフレキシブル太陽電池を取り付け、この太陽電池の発電する電力を利用して、ケーシング10の開閉を行うようになっていてもよい。
Further, for example, a known flexible solar cell that allows sunlight to pass through is attached to the outer surface of the film 16 (outside of the casing 10) on the sunny surface of the
また、第13実施形態においては、断熱材112の太陽側の表面に太陽電池を取り付け、この太陽電池の発電する電力を利用して、ケーシング10の開閉を行うようになっていてもよい。断熱材112に取り付ける太陽電池としては、単結晶Si・多結晶Si、微結晶Si、アモルファスSi、GaAs、光増感太陽電池等を用いてもよい。
In the thirteenth embodiment, a solar cell may be attached to the sun-side surface of the
また、例えば、第1〜第13実施形態において、捕集する水の重力を利用して、ケーシング10の開閉を行うようになっていてもよい。具体的には、第13実施形態(図50参照)において、パイプ53に代えて、冷却部113の下側の開口部に、一時水捕集用タンクを設置するようになっていてもよい。この一時水捕集用タンクは、冷却部113の下側の開口部とタンク51との間を上下に移動可能となっている。
Further, for example, in the first to thirteenth embodiments, the
より具体的には、一時水捕集用タンクは、自らの内部に水が入っていない場合には、冷却部113の下側開口部のすぐ下に位置し、自らの内部に水が基準量以上入っている場合には、タンク51に接触するようになっている。このような動きを実現するための機構としては、例えば、滑車と、滑車に掛かると共に滑車に対して滑らないワイヤと、ワイヤの一端に固定された重りを用意し、そのワイヤの他端に一時水捕集用タンクを固定する方法を採用してもよい。
More specifically, the temporary water collection tank is located immediately below the lower opening of the
ただし、一時水捕集用タンクは、ロック機構がロック状態になっている場合には、上下への移動が禁止され、ロック機構がアンロック状態になっている場合には、上下への移動が許可されるようになっている。このようなロック機構としては、例えば、滑車の回転のロック、アンロックを行う周知の機構を用いてもよい。なお、このロック機構は、ケーシング10を解放するタイミングおよびケーシング10を閉じるタイミングを判定するマイクロコンピュータによって制御される。
However, the temporary water collection tank is prohibited from moving up and down when the locking mechanism is locked, and is not allowed to move up and down when the locking mechanism is unlocked. Allowed. As such a locking mechanism, for example, a well-known mechanism for locking and unlocking the rotation of the pulley may be used. The lock mechanism is controlled by a microcomputer that determines the timing for releasing the
また、一時水捕集用タンクは、タンク51に接触したときに、自己の内部にある水をタンク51に移すような周知の機構を有している。
Further, the temporary water collection tank has a known mechanism for transferring water inside itself to the
また、一時水捕集用タンクは、フィルム16と連動するように、ロープ等でフィルム16と繋がっている。これによって、一時水捕集用タンクが上方に移動するときにはフィルム16が上昇してケーシング10を閉じ、一時水捕集用タンクが下方に移動するときにはフィルム16が下降してケーシング10を解放するようになっている。
The temporary water collection tank is connected to the
このような構成において、まず、夜の間は一時水捕集用タンクは空の状態でタンク51に接触しており、ロック機構はロック状態にあるとする。朝になって、マイクロコンピュータは、ケーシング10を閉じるタイミングであると判定すると、ロック機構をアンロック状態にする。すると、空の一時水捕集用タンクが上昇し、それに伴ってフィルム16も上昇し、ケーシング10が閉じられる。その時点でマイクロコンピュータは、ロック機構をロック状態にする。
In such a configuration, first, during the night, it is assumed that the temporary water collection tank is in contact with the
昼の間、冷却部113において液滴が生成され、その液滴が一時水捕集用タンクに入り、ケーシング10を解放するタイミングまでに、入った水の量が基準量以上となる。そして、ケーシング10を解放するタイミングになると、マイクロコンピュータは、ロック機構をアンロック状態にする。すると、水が基準量以上入った一時水捕集用タンクが下に下がり、タンク51に接触する。それに伴い、フィルム16が引き下げられ、ケーシング10が解放される。その時点でマイクロコンピュータは、ロック機構をロック状態にする。一時水捕集用タンクがタンク51に接触すると、一時水捕集用タンクの水がタンク51に流れ込み、再度一時水捕集用タンクが空になる。
During the daytime, droplets are generated in the
このようなサイクルを繰り返すことで、フィルム16の上げ下げに電力を消費することがなくなる。
By repeating such a cycle, power is not consumed for raising and lowering the
また例えば、導水部材24から落ちる雨水を貯蔵するタンクと、フィルム14、16から流れ落ちる水(すなわち、ケーシング10内で蒸発して液滴化した水)を貯蔵するタンクとを、分離してもよい。
Further, for example, a tank that stores rainwater that falls from the
また、上記の実施形態においては、ケーシング10の外形としては、四角柱または五角柱が例示されているが、六角柱、七角柱、八角柱等であってもよい。
In the above embodiment, the outer shape of the
また例えば、1つのケーシング10の内部に、図23に示したようなシート22を複数段に重ねて設置してもよい。
Further, for example,
また例えば、水滴捕集装置1のケーシング10を複数個南北方向に並べて設置してもよい。ただしこのとき、できる限り1つのケーシング10が他のケーシング10に当たるべき太陽光を遮ることのないように配置することが好ましい。例えば、図51に示すように、冬至の南中高度をεとし、ケーシング10の高さをhとすると、ケーシング10の南北方向の設置間隔xは、h/tanεの2倍より大きいことが好ましい
また、第13実施形態においては、フィルム16によるケーシング10の開閉機構として、シャッター機構を用いているが、シャッター機構に代えて、カーテン機構を用いてもよい。カーテン機構においては、フィルム16は、ケーシング10の解放時に軸30の回りに巻かれて収納されるのではなく、ケーシング10の解放時にアコーディオンのように折り畳まれるようになる。
Further, for example, a plurality of
また、上記各実施形態では、フィルム14〜16、95は、二重フィルムであったが、これらは一重のフィルムであってもよい。し、三重以上のフィルムであってもよい。三重以上のフィルムである場合も、断熱効果を有する。また、一重のフィルムを用いる場合は、フィルムの厚さが50〜200μm以上あると好ましい。 Moreover, in each said embodiment, although the films 14-16 and 95 were double films, these may be a single film. However, it may be a triple or more film. Even in the case of a triple or more film, it has a heat insulating effect. Moreover, when using a single film, it is preferable that the thickness of a film is 50-200 micrometers or more.
また、上記各実施形態では、吸水部材23としてメソポーラスシリカを用いたが、これに限らず、吸水部材23として以下の(1)〜(15)に示す材料を用いることができる。
Moreover, in each said embodiment, although mesoporous silica was used as the
(1)セピオライト
吸水部材23として、セピオライトを用いることができる。セピオライトの化学式は、Mg8Si12O30(OH2)4(OH)4・6〜8H2Oであり、含水マグネシウム珪酸塩を主成分とする粘土鉱物である。セピオライトの一般的な組成は、珪酸(SiO2)52.5%、酸化マグネシウム(MgO)22.8%、酸化アルミニウム(Al2O3)1.7%、酸化鉄(Fe2O3)0.8%、酸化カルシウム(CaO)0.8%、酸化カリウム(K2O)0.4%、酸化ナトリウム(Na2O)0.3%、H2O-(110℃以下で飛散)11.0%、H2O+(110℃以上で飛散)10.5%で示される。
(1) Sepiolite Sepiolite can be used as the
セピオライト110の構造を図52に示す。図52に示すように、セピオライト110は結晶格子の内部に多数の細孔111を有する繊維状に形成され、繊維軸方向に延びる細孔111内で水分を吸収することができる。また、セピオライトは、各繊維間の空隙に形成される細孔においても水分を吸収することができる。結晶格子内部の細孔111の径は10Å程度であり、主に水蒸気を吸収することができ、各繊維間の空隙に形成される細孔の開口径は200Å程度であり、主に水滴を吸収することができる。
The structure of
図53は、セピオライトの水分の吸収特性を示しており、比較のために上記第1実施形態で説明したメソポーラスシリカとシリカゲルを記載している。図53に示すように、セピオライトは、相対湿度が60%以上で水蒸気を多く吸収する点で上記第1実施形態のメソーポーラスシリカと異なっており、特に相対湿度が80%以上になると水分吸収量が急激に増加する特性を有している。このため、高湿度環境下で好適に用いることができる。セピオライトの結晶構造中に吸収された水蒸気(ガス状)は、結晶構造中に水滴として凝集捕集され、相対湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。この場合の水分の捕集は、水蒸気ではなく水滴の形状で、粒子間の空隙や繊維間の空隙にて捕集することができる。 FIG. 53 shows the water absorption characteristics of sepiolite, and describes the mesoporous silica and silica gel described in the first embodiment for comparison. As shown in FIG. 53, sepiolite is different from the mesoporous silica of the first embodiment in that it absorbs a large amount of water vapor when the relative humidity is 60% or higher, and particularly when the relative humidity is 80% or higher. It has the property that the amount increases rapidly. For this reason, it can be suitably used in a high humidity environment. The water vapor (gaseous) absorbed in the crystal structure of sepiolite is aggregated and collected as water droplets in the crystal structure and exhibits a large water absorption even at a relative humidity of 100%. In this case, water is collected in the form of water droplets instead of water vapor, and can be collected in the voids between the particles and the voids between the fibers.
セピオライトの水蒸気の吸収特性は、産地によって若干異なるが、比較的大きな吸収特性を示す。セピオライトの産地は、スペイン、トルコ、アメリカ、中国などであり、日本でも少量が埋蔵されている。 Sepiolite's water vapor absorption characteristics vary slightly depending on the production area, but show relatively large absorption characteristics. Sepiolite is produced in Spain, Turkey, the United States, China, etc., and a small amount is also buried in Japan.
トルコ産のセピオライトは、珪酸(SiO2)57.0%、酸化マグネシウム(MgO)23.0%、酸化アルミニウム(Al2O3)1.0%、酸化鉄(Fe2O3)0.5%、酸化カルシウム(CaO)3.0%、酸化カリウム(K2O)0.3%、酸化ナトリウム(Na2O)0.2%、焼成残分14.5%の合計99.5%で、その他に水15.5%(外割合)を含有している。嵩比重は、0.35g/cc、比表面積は320m2/g(BET法による計測)、細孔分布は0.5nm〜数μmであり、数nmの細孔径が多数を占める。トルコ産セピオライトでは、1gあたり0.3〜約1gの水蒸気(ガス状)を吸収でき、約0.5〜5gの水滴を吸収することができる。 Sepiolite Turkish production is silica (SiO 2) 57.0%, magnesium oxide (MgO) 23.0%, aluminum oxide (Al 2 O 3) 1.0% , iron oxide (Fe 2 O 3) 0.5 %, Calcium oxide (CaO) 3.0%, potassium oxide (K 2 O) 0.3%, sodium oxide (Na 2 O) 0.2%, firing residue 14.5% in total 99.5% In addition, 15.5% (outside ratio) of water is contained. The bulk specific gravity is 0.35 g / cc, the specific surface area is 320 m 2 / g (measured by the BET method), the pore distribution is 0.5 nm to several μm, and the pore diameter of several nm occupies many. Turkish sepiolite can absorb 0.3 to about 1 g of water vapor (gaseous) per gram, and can absorb about 0.5 to 5 g of water droplets.
アメリカ産のセピオライトは、珪酸(SiO2)50.8%、酸化マグネシウム(MgO)16.8%、酸化アルミニウム(Al2O3)1.8%、酸化鉄(Fe2O3)1.8%、酸化カルシウム(CaO)10.0%、酸化カリウム(K2O)0.4%、酸化ナトリウム(Na2O)0.4%、焼成残分17.5%、以上の合計99.5%で、その他に水分9.4%(外割合)を含有している。また、嵩比重0.75g/cc、比表面積180m2/g(BET法による計測)、細孔分布0.5nm〜数μmであり、数nmの細孔径が多数を占める。アメリカ産セピオライトでは、1gあたり0.2〜約0.8gの水蒸気を吸収でき、約0.4〜3gの水滴を吸収できる。 Sepiolite produced in the United States is composed of 50.8% silicic acid (SiO 2 ), 16.8% magnesium oxide (MgO), 1.8% aluminum oxide (Al 2 O 3 ), and 1.8% iron oxide (Fe 2 O 3 ). %, Calcium oxide (CaO) 10.0%, potassium oxide (K 2 O) 0.4%, sodium oxide (Na 2 O) 0.4%, firing residue 17.5%, a total of 99.5 or more In addition, it contains 9.4% moisture (outside ratio). Further, the bulk specific gravity is 0.75 g / cc, the specific surface area is 180 m 2 / g (measured by the BET method), the pore distribution is 0.5 nm to several μm, and the pore diameter of several nm occupies the majority. American sepiolite can absorb 0.2 to about 0.8 g of water vapor per gram, and can absorb about 0.4 to 3 g of water droplets.
中国産のセピオライトは、珪酸(SiO2)49.0%、酸化マグネシウム(MgO)16.7%、酸化アルミニウム(Al2O3)0.7%、酸化鉄(Fe2O3)1.0%、酸化カルシウム(CaO)13.2%、酸化カリウム(K2O)0.1%、酸化ナトリウム(Na2O)0.0%、焼成残分19.0%の合計99.7%で、その他に水分5.5%(外割合)を含有している。また、嵩比重0.20g/cc、比表面積100m2/g(BET法による計測)、細孔分布0.5nm〜数μmであり、数nmの細孔径が多数を占める。中国産セピオライトでは、1gあたり0.15〜約0.6gの水蒸気を吸収でき、約0.3〜2g水滴を吸収できる。
Sepiolite Chinese are silicate (SiO 2) 49.0%, magnesium oxide (MgO) 16.7%, aluminum oxide (Al 2 O 3) 0.7% , iron oxide (Fe 2 O 3) 1.0 %, Calcium oxide (CaO) 13.2%, potassium oxide (K 2 O) 0.1%, sodium oxide (Na 2 O) 0.0%, firing residue 19.0%, total 99.7% In addition, it contains 5.5% moisture (outside ratio). Further, the bulk specific gravity is 0.20 g / cc, the specific surface area is 100
ここで、セピオライトで吸収した水分の放出について説明する。セピオライトに吸収された水蒸気は、主に結晶格子内の表面で凝集された水滴として保持されているのが一般的である。セピオライトに吸収された水蒸気(水滴)を放出するためには、水滴を気化させるエネルギーが必要であり、水分1gあたり約530calの熱量を与えると水蒸気として放出される。また、セピオライトに吸収された水滴は、主に繊維間や粒子間で保持されており、水分1gあたり約530calより低い熱量(水1gあたり数〜50cal程度)で水滴を放出することができる。なお、吸水部材23の周囲の湿度低下によっても水分が放出される。
Here, the release of moisture absorbed by sepiolite will be described. The water vapor absorbed by sepiolite is generally held as water droplets aggregated mainly on the surface in the crystal lattice. In order to release water vapor (water droplets) absorbed by sepiolite, energy for vaporizing the water droplets is required, and when a calorific value of about 530 cal per 1 g of water is given, it is released as water vapor. Moreover, the water droplets absorbed by the sepiolite are mainly held between the fibers and the particles, and can be discharged with a heat quantity lower than about 530 cal per 1 g of water (about several to 50 cal per 1 g of water). Note that moisture is also released by a decrease in humidity around the
セピオライトに吸収された水蒸気(水滴)を放出するためのエネルギーは、太陽エネルギーから得ることができる。セピオライトに吸収された水分は、太陽エネルギー(熱エネルギー)に比例して放出されるので、太陽エネルギーが多い場合には、多量の水蒸気(水滴)を放出することができる。例えば赤道付近で太陽光が強い場合は、多量の水蒸気を放出でき、多量の水滴を作ることができる。 Energy for releasing water vapor (water droplets) absorbed by sepiolite can be obtained from solar energy. Moisture absorbed by sepiolite is released in proportion to solar energy (thermal energy). Therefore, when the solar energy is high, a large amount of water vapor (water droplets) can be released. For example, when sunlight is strong near the equator, a large amount of water vapor can be released and a large amount of water droplets can be produced.
(2)アタパルジャイト
吸水部材23として、アタパルジャイト(別名:パリゴスカイト)を用いることができる。アタパルジャイトの化学式は、Mg8Al2Si8O20(OH2)・8H2Oで示される。アタパルジャイトの一般的な組成は、珪酸(SiO2)53.64%、酸化チタン(TiO2)0.60%、酸化マグネシウム(MgO)9.05%、酸化アルミニウム(Al2O3)8.76%、酸化鉄(Fe2O3)3.36%、酸化カルシウム(CaO)2.02%、酸化カリウム(K2O)0.75%、酸化ナトリウム(Na2O)0.83%、酸化鉄(FeO)0.23%、燐酸(P2O5)0.79%、H2O-(110℃以下で飛散)9.12%、H2O+(110℃以上で飛散)10.89%で示される。
(2) Attapulgite As the
アタパルジャイトは、上述のセピオライトと同様、高湿度環境下における水分吸収性に優れている。アタパルジャイトの水分吸収領域は、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増大し、約80%以上で更に大きな水分吸収量を示す。湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。アタパルジャイトでは、1gあたり0.25〜約1gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.5〜5gの水滴をできる。 Attapulgite, like the above-mentioned sepiolite, is excellent in water absorption under a high humidity environment. In the water absorption region of attapulgite, the water absorption increases when the relative humidity is about 60% or higher, and shows a larger water absorption when the relative humidity is about 80% or higher. Even at a humidity of 100%, a large amount of moisture is absorbed. Attapulgite can absorb about 0.25 to about 1 g of water vapor per gram, and about 0.5 to 5 g of water droplets per gram.
(3)イモゴライト
吸水部材23として、イモゴライトを用いることができる。イモゴライトの化学式は、SiO2・Al2O3・2H2Oであり、ナノチューブ状アルミニウムケイ酸塩として構成されている。イモゴライトは鉱物ではなく、以下のように合成により得られる。オルト珪酸ナトリウム(Na4SiO4)と塩化アルミニウム6水和物を混合し、NaOH水溶液を添加し、pH調整した後、塩酸を添加して、約100℃で約2日間加熱することで、イモゴライトを合成することができる。
(3) Imogolite As the
イモゴライトは、上述のセピオライトと同様、高湿度環境下における水分吸収性に優れている。イモゴライトは、相対湿度約90%以上で水蒸気を吸収し、相対湿度約90%以下で水蒸気を放出する能力を有し、水蒸気の吸収・放出を安定して行うことができる。イモゴライトは、多量の水蒸気を吸収でき、重量あたり2〜2.5倍の吸水量が得られる。合成後常温乾燥した結晶性のイモゴライトは、相対湿度約40%以上で吸湿性能を示し、1gあたり最大約0.8gの吸湿性能を示す。合成後凍結乾燥した結晶性のイモゴライトは、相対湿度約80%以上で大きな吸湿性能を示し、1gあたり最大約1gの吸湿性能を示す。 Like the above-mentioned sepiolite, imogolite is excellent in moisture absorption under a high humidity environment. Imogolite has the ability to absorb water vapor at a relative humidity of about 90% or higher and release water vapor at a relative humidity of about 90% or lower, and can stably absorb and release water vapor. Imogolite can absorb a large amount of water vapor, and a water absorption of 2 to 2.5 times per weight is obtained. Crystalline imogolite dried at room temperature after synthesis exhibits hygroscopic performance at a relative humidity of about 40% or more, and exhibits hygroscopic performance of up to about 0.8 g per gram. Crystalline imogolite freeze-dried after synthesis exhibits a large hygroscopic performance at a relative humidity of about 80% or more, and exhibits a hygroscopic performance of up to about 1 g per gram.
(4)鹿沼土
吸水部材23として、鹿沼土を用いることができる。鹿沼土は、農業や園芸に使われる栃木県鹿沼市産出の軽石の総称である。鹿沼土の水分吸収・放出特性は、上述のセピオライトと同様である。鹿沼土は、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増大し、約80%以上で更に大きな水分吸収量を示し、相対湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。鹿沼土は、1gあたり約0.1〜0.2gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.3〜0.6gの水滴を吸収できる。
(4) Kanuma soil Kanuma soil can be used as the
(5)モンモリロナイト
吸水部材23として、モンモリロナイトを用いることができる。ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは、層状ケイ酸塩鉱物の1種であるスメクタイトに分類される粘土鉱物である。結晶構造はケイ酸四面体層とアルミナ八面体層とケイ酸四面体層の3層が積み重なって構成されている。モンモリロナイトの水分吸収・放出特性は、上述のセピオライトと同様である。モンモリロナイトは、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増大し、相対湿度約80%以上で更に大きな水分吸収量を示し、相対湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。モンモリロナイトは、1gあたり約0.1〜0.2gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.3〜0.5gの水滴を吸収できる。
(5) Montmorillonite Montmorillonite can be used as the
(6)バーミキュライト
吸水部材23として、バーミキュライトを用いることができる。バーミキュライトの化学式は、(Mg,Fe,Al)3(Al,Si)4O10(OH)2・4H2Oであり、原石を粉砕し、加熱炉で急速に加熱して膨張させることで得られる。バーミキュライトは、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増大し、約80%以上で更に大きな水分吸収量を示し、湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。バーミキュライトは、1gあたり0.05〜約0.1gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.1〜0.3gの水滴を吸収できる。
(6) Vermiculite Vermiculite can be used as the
(7)十和田湖軽石
吸水部材23として、十和田湖軽石を用いることができる。十和田湖軽石は、十和田湖で産出する軽石であり、組成は、珪酸(SiO2)70%、酸化アルミニウム(Al2O2)15.1%、酸化カルシウム(CaO)3.7%、酸化ナトリウム(Na2O)3.0%、酸化カリウム(K2O)2.1%である。十和田湖軽石の水分吸収・放出特性は、上述のセピオライトと同様である。十和田湖軽石は、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増大し、相対湿度約80%以上で更に大きな水分吸収量を示し、相対湿度100%でも大きな水分吸収量を示す。十和田湖軽石は、1gあたり約0.2〜0.7gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.5〜1gの水滴を吸収できる。
(7) Towada Lake Pumice As the
(8)ゼオライト
吸水部材23として、ゼオライトを用いることができる。ゼオライトは、結晶中に微細孔を持つアルミノ珪酸塩の総称である。ゼオライトの水分吸収・放出特性は、上述のセピオライトと同様である。ゼオライトは、相対湿度約5〜10%以上で水分吸収量が増大し、相対湿度約80%以上で更に大きな水分吸収量を示し、相対湿度100%でも大きな吸収量を示す。ゼオライトは、1gあたり約0.3〜0.5gの水蒸気を吸収でき、1gあたり約0.4〜1gの水滴を吸収できる。
(8) Zeolite Zeolite can be used as the
(9)アロフェン
吸水部材23として、アロフェンを用いることができる。アロフェンは、中空球状のアルミニウム珪酸塩として構成されており、SiO2/Al2O3が1〜2であり、Si/Alが0.5〜1である。アロフェンの水分吸収・放出特性は、上述のセピオライトと同様である。アロフェンは、相対湿度約60%以上で水分吸収量が増加し、やや大きな吸収量を示す。アロフェンは、1gあたり約0.2〜0.3gの水蒸気を吸収することができる。
(9) Allophane Allophane can be used as the
(10)有機系吸湿材料
吸水部材23として、特開2001−219063号公報で開示された有機系吸湿材料を用いることができる。この有機系吸湿剤は、ポリオール中で重合形成された吸水樹脂や吸水ゲルが分散された吸水樹脂分散体から構成される。有機系吸湿剤は、セラミックモノリスや不織布の繊維に付着させて用いることができ、あるいは他のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、ポリウレタン樹脂からなる形状にして用いることもできる。この有機系吸湿材料は、相対湿度が約40〜100%の領域において、1gあたり約1gの水蒸気を吸収することができる。
(10) Organic Hygroscopic Material As the
また、吸水部材23として、特開平9−59872で開示された吸湿性架橋アクリル系繊維構造体を用いることができる。この有機系吸湿材料は相対湿度が約40〜100%の領域において、1gあたり約1〜2gの水蒸気を吸収・放出することができる。
As the
また、吸水部材23として、特開平7−224119号公報で開示されているN―イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウムおよびダイアセトンアクリル酸アミドを重合させたものを用いることができる。この材料は吸水能力が大きく、約100倍の水を吸収して体積膨張する。
Further, as the
また、吸水部材23として、特開平9−59872号公報で開示された吸湿性架橋アクリル系繊維構造体の材料を使用することができる。この有機系吸湿材料は、相対湿度が約40〜100%の領域において、1gあたり約1〜2gの水蒸気を吸収・放出することができる。
Further, as the
図54は、N―イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウムおよびダイアセトンアクリル酸アミドを重合させたものの水分の吸収特性、および、上記吸湿性架橋アクリル系繊維構造体の材料の水分の吸収特性を示しており、比較のために上記第1実施形態で説明したメソポーラスシリカとシリカゲルを記載している。 FIG. 54 shows the water absorption characteristics of polymerized N-isopropylacrylamide, sodium acrylate and diacetone acrylic acid amide, and the water absorption characteristics of the material of the hygroscopic crosslinked acrylic fiber structure. For comparison, the mesoporous silica and silica gel described in the first embodiment are described.
さらに、吸水部材23として、特開平10−191777号公報で開示されているノニオン性の水溶性エチレン性不飽和単量体とアニオン性の水溶性エチレン性不飽和単量体とを架橋したものを用いることができる。
Further, as the
(11)多孔質粉体
吸水部材23として、特開2006−272295号公報に開示された多孔質粉体を用いることができる。この多孔質粉体は、汚泥焼却灰と酸水溶液とを反応させた後、中和処理することで得られる。この材料では、1gあたり約0.5gの水蒸気を吸収することができる。
(11) Porous powder As the
(12)炭酸固化体
吸水部材23として、炭酸固化体を用いることができる。炭酸固化体として、特開2006−27999号公報に開示された、消石灰10〜50重量%、無機系廃棄物粉末30〜70重量%と、天然に産する高比表面積を有する無機粉末(鹿沼土、天然ゼオライト、珪藻土の焼成品、珪藻土の乾燥品など)、あるいは水酸化アルミニウムを主成分とする廃棄物を100〜500℃で仮焼した高比表面積を有する無機粉末10〜30重量%との、混合粉末からなる含水生形体を炭酸固化した材料を用いることができる。この炭酸固化体では、1gあたり約0.1g〜0.4gの水蒸気を吸収することができる。
(12) Carbonated solidified body As the
また、炭酸固化体として、特開2006−27998号公報に開示された、消石灰10〜50重量%と、粘土瓦やレンガなどの安価な原料である無機系廃棄物粉末30〜70重量%とを混合粉末とした含水生形体を炭酸固化した材料も用いることでもできる。この炭酸固化体では、1gあたり約0.1g〜0.3gの水蒸気を吸収することができる。 Moreover, as a carbonic acid solidified body, 10-50 weight% of slaked lime disclosed by Unexamined-Japanese-Patent No. 2006-27998, and inorganic waste powder 30-70 weight% which are cheap raw materials, such as clay roof tiles and bricks. It is also possible to use a material obtained by solidifying a hydrated green body as a mixed powder into carbonic acid. In this carbonate solidified body, about 0.1 to 0.3 g of water vapor can be absorbed per 1 g.
(13)水酸化アルミニウム系材料
吸水部材23として、水酸化アルミニウム系材料を用いることができる。水酸化アルミニウム系材料は、特開平11−11939号公報に開示された水酸化アルミニウムの粉末を減圧化(0.9気圧以下)で300〜800℃で熱処理する方法で得ることができる。この方法で得られた水酸化アルミニウム系材料では、1gあたり約0.1g〜0.3gの水蒸気を吸収することができる。
(13) Aluminum hydroxide-based material An aluminum hydroxide-based material can be used as the
また、特開2004−261702号公報に記載された水酸化アルミニウムの熱処理によって多孔質化した水酸化アルミニウム系材料も用いることができる。この多孔質化した水酸化アルミニウム系材料は、相対湿度が30〜40%の領域で用いることができ、1gあたり約0.1g〜0.2gの水蒸気を吸収することができる。 In addition, an aluminum hydroxide-based material that has been made porous by heat treatment of aluminum hydroxide described in JP-A No. 2004-261702 can also be used. This porous aluminum hydroxide-based material can be used in a region where the relative humidity is 30 to 40%, and can absorb about 0.1 to 0.2 g of water vapor per 1 g.
(14)アロフェンまたはイモゴライト含有組成物を利用した調湿材料
吸水部材23として、特開2004−115278号公報に開示されたアロフェンまたはイモゴライト含有組成物を利用した調湿材料を用いることができる。この調湿材料は、アロフェンまたはイモゴライト含有組成物と水酸化カルシウム系の硬化剤を加えて成形した後、ニ酸化炭素含有ガスで炭化処理することで得ることできる。この調湿材料は、1gあたり約0.1〜0.4gの水蒸気を吸収することができる。
(14) Humidity control material using allophane or imogolite-containing composition As the
(15)多孔質材料の組成物からなる調湿材料
吸水部材23として、特開平9−294931号公報に開示された多孔質材料の組成物からなる調湿材料(例えばヘキサデシルトリメチルアンモニウム系材料)を用いることができる。この調湿材料は、界面活性剤あるいは長鎖アルキル基を有する有機物の周囲を二酸化珪素あるいは繊維金属酸化物で包囲した後に重合させた後、焼成または抽出して有機物を除去することにより得られる。この調湿材料は、細孔直径の平均値が2〜6nmで40〜70%の相対湿度の範囲で水蒸気を吸収・放出する機能を有し、1gあたり約0.1〜0.4gの水蒸気を吸収することができる。
(15) Humidity control material comprising porous material composition Humidity control material comprising a porous material composition disclosed in JP-A-9-294931 as the water absorbing member 23 (for example, hexadecyltrimethylammonium-based material) Can be used. This humidity conditioning material can be obtained by surrounding the organic substance having a surfactant or a long-chain alkyl group with silicon dioxide or fiber metal oxide and then polymerizing it, followed by baking or extraction to remove the organic substance. This humidity conditioning material has a function of absorbing and releasing water vapor in the range of 40 to 70% relative humidity with an average pore diameter of 2 to 6 nm, and about 0.1 to 0.4 g of water vapor per gram. Can be absorbed.
1 水滴捕集装置
10 ケーシング
14、15、16、95 二重フィルム
20 吸湿部
22 シート
23 吸水部材
24 導水部材
31、32 レール
34、35、98a、98b、99a、99b ロープ
50 貯蔵槽
56、58 磁石
57 収縮性ゴム
70、80 開閉機構
81a、81b、84 パイプ
82、83 鎖
113 冷却部
114 放熱部
115 ヒートパイプ
116、117 フィン
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記ケーシング(10)内に設けられ、周囲の空気の相対湿度が高いほど水蒸気の吸収量が多くなる吸水部材(23)と、
前記ケーシング(10)内に液滴化した水を捕集する貯蔵槽(50)と、を備えた水滴捕集装置であって、
前記ケーシング(10)内において、前記吸水部材(23)に対して第1の側にある第1の空間(41)と前記吸水部材(23)に対して前記第1の側とは反対側の第2の側にある第2の空間(42)とは、連通しており、
前記ケーシング(10)が開いているときに、前記吸水部材(23)は、大気中の水蒸気を吸収し、
前記ケーシング(10)が閉じて前記第1の側から前記吸水部材(23)に太陽光が当たっているときに、前記吸水部材(23)は、吸収していた水を前記ケーシング(10)内の空気に水蒸気として放出し、前記水蒸気を含んだ空気は、前記第1の空間(41)から日陰側の前記第2の空間(42)に移動して冷やされ、それによって、冷やされた空気中の前記水蒸気が、前記第2の空間(42)における前記ケーシング(10)の内面において液滴化することを特徴とする水滴捕集装置。 A translucent casing (10) that opens and closes;
A water absorbing member (23) provided in the casing (10), wherein the amount of water vapor absorbed increases as the relative humidity of the surrounding air increases;
A storage tank (50) for collecting water droplets in the casing (10),
In the casing (10), the first space (41) on the first side with respect to the water absorbing member (23) and the side opposite to the first side with respect to the water absorbing member (23). It is in communication with the second space (42) on the second side,
When the casing (10) is open, the water absorbing member (23) absorbs water vapor in the atmosphere,
When the casing (10) is closed and sunlight hits the water absorbing member (23) from the first side, the water absorbing member (23) absorbs the absorbed water in the casing (10). The air containing the water vapor is discharged from the first space (41) to the second space (42) on the shade side and cooled, thereby cooling the air. The water droplet collecting device, wherein the water vapor therein is formed into droplets on the inner surface of the casing (10) in the second space (42).
前記フィルム(14〜16)は、二重以上に重なったフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の水滴捕集装置。 The casing (10) has a skeleton (16) constituting the outer shape of the casing (10) and a translucent film (14 to 16) constituting a wall of the casing (10).
The said film (14-16) is a film which overlapped more than double, The water droplet collection apparatus of Claim 1 or 2 characterized by the above-mentioned.
前記一部(16)には、前記一部(16)の移動方向に延びる骨部材(73)が取り付けられており、
前記骨部材(73)は、所定の形状が前記移動方向に繰り返す螺旋構造になっており、前記所定の形状の大きさは、前記一部(16)の一端から遠ざかるにつれて段階的に大きくなっていき、その後前記一部(16)の他端に近づくにつれて段階的に小さくなっていくことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の水滴捕集装置。 The casing (10) is opened and closed by moving at least a part (16) of the films (14 to 16),
A bone member (73) extending in the moving direction of the part (16) is attached to the part (16),
The bone member (73) has a spiral structure in which a predetermined shape repeats in the moving direction, and the size of the predetermined shape increases stepwise as it moves away from one end of the part (16). The water droplet collecting device according to claim 1, wherein the water droplet collecting device is gradually reduced as it approaches the other end of the part (16).
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