JP2010123061A - 無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システム - Google Patents

無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 リーダ側が、特別な測定のための通信を無線タグと実行することなく、通信状態を把握することができる無線タグ通信システムを提供する。
【解決手段】 各無線タグは、当初の個別データのPビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている。ここで、当初の個別データが、2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる複数のM系列を生成し、生成された複数のM系列にそれぞれ、遅延が付与された後、排他的論理和演算が施されたものであることが好ましい。無線タグ読取装置は、読取動作で受信した信号系列における「1」又は「0」の割合を、通信状態を表す指標として検出する通信状態検出手段を有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システムに関し、例えば、物品や個体の識別情報が、そのビット幅が拡大された後に記憶されている無線タグを処理対象としている場合に適用し得るものである。
近年、製造工程の自動化システムや物流システムの効率化が必要とされており、物品の効率的な識別システムが必要とされている。効率的な識別システムとは、(1)物品に付加する識別媒体が安価、(2)周辺環境(ノイズや汚れなど)の影響を受け難い、(3)個別データの識別の仕組みが単純でシステム運用に費用がかからない、などの特徴を持つことにより実現可能となる。
M系列は、擬似不規則系列の一つで拡散符号通信などに用いられており、シフトレジスタにより発生される確定的信号でありながら、その統計的性質が真の不規則信号に似ている。このようなM系列を、物品や個体の識別や認証などのための個別データとして利用することも既になされている(例えば、特許文献1参照)。
在庫管理や入退室管理などで用いられる、物品や個体の識別システムとして無線タグ(RFID)を利用したシステムがある。例えば、無線タグを利用したシステムにM系列を適用した場合には、他の無線タグとの干渉が少ない、一度に複数の無線タグをアクセス可能である、などの利点を有する。
特開2004−143806号公報
個体の識別や認証などのための個別データ生成に用いる信号として、多量の情報をのせられること、耐雑音性が高いことなどが要求されている。
例えば、RFIDシステムであっても、電磁ノイズの多い場合はもちろんのこと、周辺環境による反射や吸収により電波信号が乱されて識別不能となることは頻繁に起き得る。M系列は他の信号系列に比較すると、耐雑音性が高いものであるが、M系列を適用したとしても、雑音が問題となることがあり、M系列単独ではのせられる情報量が十分でない場合もある。
上述した不都合に鑑み、本願出願人は、プリファードなM系列を組み合わせて、識別用信号を生成することにより、優れた対雑音性と、十分な情報量を達成することを既に提案している(特願2007−316226)。
さらに、複数のRFIDタグの同時読取を実行するシステムを考慮し、本願出願人は、識別用信号のP(Pは自然数)ビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が、一方が他方より十分に大きくなる(このことを偏ると呼ぶ)ようにQ(Qは自然数;Q>P)ビットに変換して無線タグに書き込むことにより、同時読取性を高めることを既に提案している(特願2008−59862)。
しかしながら、実際の運用時においては、想定以上の雑音が発生したり、無線タグリーダの読取可能範囲内に同時読取可能な数より多くの無線タグが同時に存在したりすることもあり得る。無線タグリーダが同時読取に失敗した場合、それは雑音が想定以上であるために生じたのか、無線タグが多く存在したためかを判別することができない。また例えば、仮に、雑音が少ない状況にあっても、各無線タグの識別信号の認識処理を実行する前において、どの程度の無線タグが存在しているかを把握できず、同時読取が失敗に終わる状況でも、無駄に識別信号の認識処理を実行していた。
そのため、リーダ側が、特別な測定のための通信を無線タグと実行することなく、通信状態を把握することができる無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システムが望まれている。
第1の本発明は、当初の個別データのPビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグを読取対象としている無線タグ読取装置において、読取動作で受信した信号系列における「1」又は「0」の割合を、通信状態を表す指標として検出する通信状態検出手段を有することを特徴とする。
第2の本発明の無線タグ読取プログラムは、当初の個別データのPビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグを読取対象としている無線タグ読取装置に搭載されているコンピュータを、読取動作で受信した信号系列における「1」又は「0」の割合を、通信状態を表す指標として検出する通信状態検出手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明の無線タグ通信システムは、当初の個別データのPビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグと、第1の本発明の無線タグ読取装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、リーダ側が、特別な測定のための通信を無線タグと実行することなく、通信状態を把握することができるようになる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)無線タグの個別データ書込装置
実施形態の無線タグ通信システムは、後述する図5に示すように、無線タグや無線タグリーダを有するものである。実施形態の無線タグ通信システムは、無線タグリーダ側の構成、機能に特徴を有するものであるが、かかる特徴は、無線タグに書き込まれている個別データの構成が前提となっている。そこでまず、無線タグの個別データ書込装置を説明する。
(A−1−1)無線タグの個別データ書込装置の構成
図1は、無線タグの個別データ書込装置の構成を示すブロック図であり、図3は、図1の信号系列生成部の構成を示すブロック図である。
図1において、無線タグの個別データ書込装置1は、管理番号/遅延用データ変換部2、信号系列生成部3、ビット幅拡張部4、個別データ書込部5、データ対応付け記憶部6、及び、制御部7を有する。
管理番号/遅延用データ変換部2は、個別データが記憶されていない白紙の無線タグが新たに書込み対象となったときに、制御部7から与えられた管理番号を、後述する遅延用データ群R0〜Rrに変換して信号系列生成部3に与えるものである。
信号系列生成部3は、ハードウェア的に構成されていても良く、また、信号系列生成プログラムをCPUが実行することにより機能が実現されるソフトウェア的に構成されたものであっても良く、いずれで実現されたとしても、機能的には図3に示すような詳細構成を有する。信号系列生成部3は、後述する詳細構成と、管理番号/遅延用データ変換部2から与えられた遅延用データ群とによって定まる、ビット幅の拡張前の個別データを生成するものである。ここで、信号系列生成部3から出力される個別データは、「1」及び「0」のビットの頻度がほぼ等しいものである。
ビット幅拡張部4は、信号系列生成部3から出力された個別データのビット幅を拡張すると共に、「1」のビットの割合を、「0」のビットの割合より十分に小さくするものである。ビット幅拡張部4によるビット幅の拡張方法として、例えば、パルス位置変調(PPM)方式を適用することができる。
図2は、ビット幅拡張部4によるビット幅の拡張方法の一例(PPM方式)の説明図である。図2の例は、4ビット毎に、16ビット幅に拡張する例を示している。
信号系列生成部3から出力された個別データが、図2(A)に示すように、「0000010100…」であったとする。この個別データを4ビットずつ切り分ける。すなわち、「0000」、「0101」、「00…」に切り分ける。各4ビットを、16進表記0〜9、A(=10)〜F(=15)に置き換え、16ビット中、16進表記における数字が表すビット位置だけ「1」とし、他のビット位置を全て「0」にする。例えば、最初の4ビットは「0000」であるので16進表記で「0」となり、図2(B)に示すように、ビット(bit)0〜ビットFのうち、16進表記「0」をビット順番とするビット0が「1」をとり、他のビット1〜ビットFが「0」をとるデータに変換される。2番目の4ビットは「0101」であるので16進表記で「5」となり、図2(B)に示すように、ビット(bit)0〜ビットFのうち、16進表記「5」をビット順番とするビット5が「1」をとり、他のビット0〜ビット4、ビット6〜ビットFが「0」をとるデータに変換される。すなわち、4ビットの16進表記が「x」であれば、ビットxが「1」をとり、他の全てのビットが「0」をとるデータに変換される。図2の例では、「1」のビットの割合1/16は、「0」のビットの割合15/16より十分に小さくなる。
図2の例は、4ビット毎に16ビット幅に拡張するものを示したが、5ビット毎に32ビット幅に拡張するなど、他の拡張方法を適用しても良いことは勿論である。
個別データ書込部5は、例えば、白紙の無線タグを当初はロット単位分だけ貯蔵している第1貯蔵部や、この第1貯蔵部から1枚の無線タグを繰り出して書込み位置にセットする繰り出し機構部や、書込み位置にセットされた白紙の無線タグにビット幅拡張部4から出力されたビット幅拡張後の個別データを書き込む書込み実行部や、個別データが書き込まれた無線タグを貯蔵する第2貯蔵部や、個別データが書き込まれた無線タグを書込み位置から第2貯蔵部へ移動させる移動機構部等を備え、白紙の無線タグに、個別データを書き込むものである。
データ対応付け記憶部6は、遅延用データ群(又は管理番号)と、ビット幅拡張後の個別データとを対応付けて記憶するものである。なお、ビット幅拡張後の個別データをそのまま格納しても良く、また、後述する相互相関処理の精度を考慮し、ビット幅拡張後の個別データの1ビットをそれぞれ、同一値の3ビットに引き延ばして格納するようにしても良い(すなわち、ビット幅拡張後の個別データのビット「0」を「000」として格納し、ビット幅拡張後の個別データのビット「1」を「111」として格納する)。以下では、ビット幅拡張後の個別データをそのまま格納しているとして説明する。
この記憶された対応付けデータは、製造工程の自動化システムや物流システムなどの、無線タグからのデータを処理するデータ処理システムによって、識別用又は認証用として利用されるものである。なお、ビット幅拡張後の個別データをIDとして利用するシステムであっても良く、また、遅延用データ群(又は管理番号)をIDとして利用するシステムであっても良い。後述する無線タグ通信システム及び通信方法は、ビット幅拡張後の個別データをIDとして利用するシステムを想定している。
制御部7は、当該個別データ書込装置1の全体を制御し、上述したように、白紙の無線タグにビット幅拡張後の個別データを書き込むようにさせるものである。ここで、制御部7は、白紙の無線タグに対し、ビット幅拡張後の個別データに加え、フラグシーケンスなどの同期確立用のデータ部分も併せて、書き込むようにしても良い。
信号系列生成部3は、図3に示すように、r+1個のM系列生成部10−0〜10−rと、全てのM系列生成部10−0〜10−rからのM系列の排他的論理和(exclusive OR)をとる、加算手段である排他的論理和回路11とを有する。
各M系列生成部10−0〜10−rはそれぞれ、複数M系列生成手段であるM系列生成本体20−0〜20−rと、可変遅延付与手段である可変遅延器21−0〜21−rとでなる。
M系列生成本体20−0〜20−rはそれぞれ、次数nの異なる特性多項式f(x)〜f(x)に従うM系列を発生するものであり、n段のシフトレジスタSR0〜SRrと、特性多項式によって定まる段の出力の排他的論理和をとる1又は複数の排他的論理和回路ExOR01〜ExORr1とでなる周知の構成を有する。
M系列生成本体20−0〜20−rが発生するr+1個のM系列は、その任意の2個ずつが全て、プリファードペア(preferred pair)の関係になっている。ここで、M系列について、同じ次数のM系列で異なる特性多項式をもつM系列との相互相関関数の最大値が最小になるM系列のペアは、プリファードペアと呼ばれている。なお、プリファードペアについては、例えば、文献A「D.V.Sarwate and M.B.Pursley,“Crosscorrelation Properties of Pseudorandom and Related Sequencies”,PROC.IEEE,Vol.68,No.5,pp.593−619,1980.」に記載されている。
可変遅延器21−0〜21−rはそれぞれ、対応するM系列生成本体20−0〜20−rが生成したM系列を指示された分だけ遅延させて、排他的論理和回路11に与えるものである。可変遅延器21−0〜21−rにおける遅延量は必ずしも同一ではなく、これら遅延量の組み合わせが、当該信号系列生成部3が生成する個別データのユニーク性を規定する1つのパラメータとなっている。
M系列の周期2−1より短い任意の遅延量を簡単な構成で与えることができるように、可変遅延器21−0〜21−rはそれぞれ、対応するM系列生成本体20−0〜20−rにおけるシフトレジスタSR0〜SRrの各段の値にそれぞれ、設定された値を乗算する乗算器群D0〜Drと、対応する乗算器群D0〜Drの出力の排他的論理和をとる排他的論理和回路ExOR02〜ExORr2とでなる。
各乗算器群D0〜Drに設定されるn個のデータは、管理番号/遅延用データ変換部2から与えられた遅延用データR0〜Rrである。例えば、乗算器群D0には、遅延用データR0{r0,0,…,r0,n−1}が設定される。
(A−1−2)遅れたM系列を得る方法
次に、可変遅延器21−0〜21−rを、図3に示すような演算構成によって実現できることを、図4に示すM系列生成本体及び可変遅延器のモデルを用いて説明する。
M系列は、n段のシフトレジスタSRのある初期状態が与えられれば、それから後の全ての状態が定まるから、任意の遅延量dだけ遅れたM系列xは、シフトレジスタSRの各段の内容x0、…、xn−1の(1)式で表される線形結合で与えられることが分かる。
=r+r+r+…+rn−1n−1 …(1)
係数r(iは0〜(n−1))は「0」又は「1」をとり、係数rが分かれば、シフトレジスタSRのどの段の出力を加算すれば良いかが分かる。
遅延量dは、M系列の1周期2−1より短い範囲の値をとることができ、シフトレジスタSRの段数nより小さい値をとることも、段数n以上をとることもあり得る。
遅延量dがシフトレジスタSRの段数nより小さいときは、シフトレジスタSRの遅延量dに応じた段jから、遅延したM系列を取り出すことができる。この場合は、その段jの内容xに対する係数rだけを「1」とし、他の段の内容に対する係数を全て「0」とすれば良い。
遅延量dがシフトレジスタSRの段数n以上の場合を検討する。遅延されたM系列xをM系列生成本体に係る特性多項式f(x)で割ったとした場合、次の(2)式が成立する。(2)式において、Q(x)は商、R(x)は剰余の多項式である。
=Q(x)f(x)+R(x) …(2)
(2)式の右辺に着目する。ここで、剰余多項式R(x)の次数はnより小さく、Q(x)f(x)における、剰余多項式R(x)に委ねている次数部分は0である。ここで、(1)式の右辺と同様な次数を考慮すると、(2)式は、(3)式のように書くことができる。
=R(x) …(3)
(1)式と(3)式との比較から、剰余多項式R(x)の係数が、遅延量dだけ遅れたM系列xを形成させるための、r〜rn−1になっている。すなわち、遅延量dだけ遅れたM系列xを形成させるためには、xを特性多項式f(x)で割って得られた剰余多項式R(x)の係数を取り出せば良い。
(A−1−3)無線タグの個別データ書込装置の動作
次に、無線タグの個別データ書込装置の動作を説明する。
制御部7は、新たな白紙の無線タグが書込み対象となったときには、信号系列生成部3の全てのシフトレジスタSR0〜SRrに初期値を設定させると共に、書込み対象の無線タグに関する管理番号を管理番号/遅延用データ変換部2に与える。管理番号/遅延用データ変換部2は、管理番号を遅延用データ群R0〜Rrに変換し、信号系列生成部3の乗算器群D0〜Drに設定させる。
このような初期化処理が終了すると、制御部7は、信号系列生成部3に対して、クロックに基づいた動作を起動させる。
M系列生成部10−0のM系列生成本体20−0は、クロック毎に、シフトレジスタSR0の段の内容を書き換える。可変遅延器21−0の乗算器群D0は、シフトレジスタSR0の段の内容に対し、設定された遅延用データ群R0の値を乗算し、乗算結果が、排他的論理和回路ExOR02によって加算(排他的論理和)され、遅延用データ群R0の値に応じた遅延量だけ遅延されたM系列a(j+d)として出力される。
他のM系列生成部10−1〜10−rも同様に動作し、遅延されたM系列a(j+d)〜a(j+d)を出力する。
排他的論理和回路11は、全てのM系列生成部10−0〜10−rからの遅延されたM系列a(j+d)〜a(j+d)を加算(排他的論理和)して個別データC(j)として出力する。
出力された個別データC(j)は、ビット幅拡張部4によって、ビット幅が拡張されると共に、「1」のビットの割合を、「0」のビットの割合より十分に小さくされる。
ビット幅拡張後の個別データは、個別データ書込部5によって、書込み対象の無線タグに書き込まれる。また、データ対応付け記憶部6によって、遅延用データ群(又は管理番号)と、ビット幅拡張後の個別データとが対応付けて記憶される。
(A−1−4)信号生成の考え方
M系列については、同じ次数のM系列で、異なる特性多項式をもつM系列との相互相関関数の最大値が最小になるM系列のペアは、上述のように、プリファードペアと呼ばれている。互いにプリファードペアになるM系列の個数の最大値Hは、表1に示すようになることが分かっている(上記文献A参照)。しかし、具体的にどのペアがプリファードペアになるかということは示されていない。
Figure 2010123061
上述した信号生成方法は、互いにプリファードペアになるM系列を組み合わせて発生させた系列は、互いに相関の小さい系列になることに着目したものである。
表1において、仮に、互いにプリファードペアになる集合の最大のもの(要素数はH)を全て信号発生に用いるとすると、n×Hが大きいほど沢山の情報を送ることができる。
互いにプリファードペアになる集合要素の最大値がHとなる組み合わせがr個あったとすると、送ることのできる情報は、合計r×2n×H個となる。
上述した信号生成方法は、2つのM系列を用いるGold系列や、3つのM系列を用いるKasami系列などとは異なり、互いにプリファードペアになるH個のM系列の全て又はその大半を用いて、そのそれぞれに遅延を与えた後、加算することにより、入れる情報の型を大きくした干渉の少ない信号系列の発生法である。
表1によると、M系列の次数nと、プリファードペアになる個数の最大値Hとの積が大きいほど、載せられる情報は大きくなるので、次数nとして7を例に選んで信号の発生法を説明する。
次数7については、特性多項式の総数が18であることが分かっているから、この中から6個(最大値H)選んで、その中のいずれのペアもプリファードペアになる組み合わせを探索した結果、表2に示される18組のM系列を見出した。
Figure 2010123061
なお、表2における特性多項式を規定する値は8進表示であり、以下のようなことを表している。次数は7ではないが、特性多項式f(x)=1+x+x+x+xの場合を例とする。この場合に、各べき乗の係数を0、1で表し、係数だけを取り出して表現すると、特性多項式f(x)を、f(x)=100011101(2進数)のように表現することができる。このような2進表示を8進表示すると、特性多項式f(x)を、f(x)=435(8進数)のように表現することができる。表2は、このような8進表示を適用している。
表2の18組中の1組を選択し、その1組の6個の特性多項式f(x)〜f(x)に従うように、図3の信号系列生成部3を形成するr+1個(=H個=6個)の7次のM系列生成部10−0〜10−rを形成する。また、遅延用データ群R0〜Rrも、選択した組の6個の特性多項式f(x)〜f(x)を利用して得る。
7次のM系列を用いる場合の信号の生成は、M系列生成部10−0〜10−rの個数が6個であるので、(4)式のようになる。
Figure 2010123061
信号系列生成部3から出力された個別データは、干渉も少ない多量の情報量を載せることができる耐雑音性の良い信号系列となっている。しかしながら、この信号系列は「1」及び「0」が概ね同量混在しているため、無線タグ読取装置が複数の無線タグの同時読取が可能なシステムに、この信号系列を適用した場合、各信号の「1」が重なり、受信信号から各信号を弁別し難くなる。
そのため、ビット幅拡張部4によって「1」のビットの割合を、「0」のビットの割合より十分に小さくなるようにビット幅を拡張することとした。
(A−2)無線タグ通信システム
(A−2−1)無線タグ通信システムの構成
図5は、上述した個別データ書込装置10によって、拡張された個別データが書き込まれた無線タグとの通信を行う、実施形態の無線タグ通信システムの構成を示すブロック図である。
図5において、無線タグ通信システム30は、無線タグ31と、無線タグリーダ32と、上位装置33とを有する。無線タグリーダ32及び上位装置33が、無線タグ読取装置を構成している。なお、上位装置33は必ずしも必要ではないが、大量のデータを格納する場合などに無線タグリーダ32を小形化することができるので、上位装置33を有している方が好ましい。
無線タグ31は、上述した個別データ書込装置10によって、拡張された個別データが書き込まれたものであり、物品や個体の識別や認証などの管理のために、物品や個体に取り付けられたり、個体が所持したりするものである。無線タグ31は、ループ状の送受信アンテナ40と、拡張された個別データを記録している個別データメモリ41と、当該無線タグ31の動作を制御する制御部42と、無線タグリーダ32からの質問信号を受信して制御部42に与えると共に、制御部42が個別データメモリ41から読み出した拡張された個別データを送信させる送受信部43とを有する。
例えば、ループ状の送受信アンテナ40と、送受信部43若しくは制御部42の一部構成要素とによって、質問信号のキャリア周波数に共振する共振回路(例えばLC共振回路)が構成され、共振によって、当該無線タグ31の動作電源が得られるようになされている。また、個別データメモリ41は不揮発性メモリであることが好ましい。無線タグ31及び無線タグリーダ32間のデジタル変調方式は問われないものであるが、例えば、ASK(振幅シフトキーイング)変調方式、FSK(周波数シフトキーイング)変調方式、PSK(位相シフトキーイング)変調方式を適用可能である。以下では、ASK変調方式が適用されているとして説明する。
無線タグリーダ32は、上位装置33の制御下で、自己の周囲に対し、質問信号を放射し、当該無線タグリーダ32の近傍に存在している無線タグ31の拡張された個別データを取得するものである。
無線タグリーダ32は、無指向性若しくは指向性の送受信アンテナ50と、送信系及び受信系を切り分けるデュプレックス部51と、制御部54から与えられたベースバンドの質問信号をデジタル変調してデュプレックス部51に与える送信部52と、デュプレックス部51からの受信信号をベースバンド信号に変換し、さらに、2値(デジタル値)信号に変換する受信部53と、後述する機能を担当する制御部54と、通信状態を格納する通信状態格納部55と、上述した個別データ書込装置のデータ対応付け記憶部6と同様な遅延用データ群(又は管理番号)とビット幅拡張後の個別データとの対応付け情報を記憶している参照用データベース56と、制御部54の同定処理時に得られたビット幅拡張後の個別データ若しくは遅延用データ群(又は管理番号)の候補をバッファリングする候補格納部57とを有する。
受信部53は、ベースバンド信号を2値(デジタル値)信号に変換する際のサンプリングレートとしては、無線タグ31が出力するビット幅拡張後の個別データのサンプリングレートを適用している。
制御部54は、質問信号を放射させると共に、その後の捕捉信号に基づいて通信状態を判定し、通信状態が良好なときに、当該無線タグリーダ32の近傍に存在している無線タグ31に割り当てられている拡張された個別データの同定を行うものである。
(A−2−2)通信状態の判定方法
以下、制御部54が実行する通信状態の判定方法を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図6に示す処理は、例えば、通信状態の判定プログラムとして制御部54に設けられている。
制御部54は、例えば、質問信号を放射させることを指示したとき、その指示時点から所定時間(最も早く到来する応答信号を考慮して定められている)だけ経過したとき、又は、受信部53が最初の「1」を出力したときなどの一つに定めている開始条件が成立したときに、図6に示す処理を開始する。
まず、制御部54は、受信部53からのデジタル値系列における所定期間内の「1」の割合を算出し(ステップS100)、算出された「1」の割合を通信状態を表す指標として通信状態格納部55に格納させる(ステップS101)。例えば、拡張前の4ビットを1ワードとし、32ワードを識別情報に用いる場合であれば、4ビットを拡張した16ビットの32ワード分である512ビットについて、「1」の割合を算出する。
その後、制御部54は、算出された「1」の割合が閾値より小さいか否かを判別する(ステップS102)。算出された「1」の割合が閾値以上であれば、制御部54は、例えば、読取不可であること、及び、通信状態の値(「1」の割合)を上位装置33に報告する(ステップS103)。一方、算出された「1」の割合が閾値より小さい場合には、制御部54は、拡張された個別データの同定処理に移行する(ステップS104)。ここで、同定処理で得られた個別データの情報が上位装置33に報告される。このように、個別データの情報が上位装置33に報告する場合にも、通信状態の値(「1」の割合)を上位装置33に報告するようにしても良い。
例えば、無線タグリーダ32の読取可能範囲内に多くの無線タグ31が存在するような場合には、質問信号に対する多数の応答信号が重なり合い、受信部53からのデジタル値系列における「1」の割合が高くなる。このような読取可能範囲内に存在する無線タグ31が多いような場合には、各無線タグ31からの個別データを正しく特定できず、従って、通信状態が悪いということができる。
また例えば、無線タグリーダ32の読取可能範囲が、雑音が多い環境であると、雑音のために、受信部53からのデジタル値系列における「1」の割合が高くなり、各無線タグ31からの個別データを正しく切り分けられないことも生じる。雑音が多い環境は、当然に、通信状態が悪い。
「1」の割合が高い場合において、その原因が、無線タグリーダ32の読取可能範囲内に多くの無線タグ31が存在し過ぎるためか雑音が多いためかを弁別する意味は少なく、いずれの場合でも通信状態が悪いということができるので、この実施形態では、算出された「1」の割合が閾値以上であれば、読取不可とし、各無線タグ31についての個別データの同定を実行しないこととした。
以下では、通信状態の良否を切り分ける閾値の決定方法を説明する。閾値は、シミュレーションによって決定される。
表3は、シミュレーションの結果を示している。表3は、M系列の次数nが7である、4ビット×32ワードでなる個別データを、表2の互いにプリファードになる組み合わせのうち1行目の(211,217,235,277,357,247)の組み合わせを用いて生成した後、その個別データの4ビットずつを16ビットにビット幅拡張し、拡張後の512ビットの個別データを無線タグ31に記憶する場合でのシミュレーション結果を示している。また、表3は、背景雑音が存在しないとした場合のシミュレーション結果を示している。
Figure 2010123061
表3における「加算個数」は、その個数分の無線タグのビット幅拡張後の個別データを重畳することを意味している。例えば、無線タグに載せられる符号(ビット幅拡張後の個別データ)の総数(種類数)は生成方法によって定まるが、その中の加算個数分の組み合わせは非常に多くなる。乱数などを用いて得た加算個数分のビット幅拡張後の個別データの組み合わせを、所定組(1000万組)だけ対象とし(全ての組み合わせを対象とするようにしても良い)、各組み合わせのそれぞれについて、その組み合わせにおける加算個数分のビット幅拡張後の個別データを重畳し、512ビットの重畳後のデジタル値系列を得る。各組み合わせでの重畳後のデジタル値系列における「1」の割合を平均した値が、表3における「1の割合(%)」である。表3における「検出数」は、重畳後のデジタル値系列として同じものが生じた数を表している。
1個のビット幅拡張後の個別データにおける「1」の割合は1/16であるが、2個のビット幅拡張後の個別データの重畳した後での「1」の割合は必ずしも2/16にはならない。重畳する2個のビット幅拡張後の個別データにおいて、同じビット位置に「1」があることもあり得るからである。しかし、「加算個数」が増えれば増えるだけ、重畳後のデジタル値系列における「1」の割合(平均値)は大きくなっていく。加算個数分のビット幅拡張後の個別データの組み合わせが異なっていても、加算個数が大きくなれば、重畳後のデジタル値系列が同じものになることも生じる。このように加算個数が大きい場合には、重畳後のデジタル値系列における「1」の割合(平均値)も大きい。
例えば、表3における加算個数が「10」では、重畳後のデジタル値系列における「1」の割合の平均値は47.6(%)(512×0.476≒244個)であり、10個のビット幅拡張後の個別データを要素とする組み合わせの中に、重畳後のデジタル値系列が同じになるものがない(「検出数」が0)。加算個数が「15」では、重畳後のデジタル値系列における「1」の割合の平均値は62.5(%)(512×0.625=320個)であり、15個のビット幅拡張後の個別データを要素とする組み合わせの中に、重畳後のデジタル値系列が同じになるものが1組(2つ)ある(「検出数」が1)。
そのため、複数の無線タグ31が無線タグリーダ32の読取可能範囲内にあっても、各無線タグ31のビット幅拡張後の個別データを認識できるようにするためには、ステップS102での閾値を62.5(%)より小さくすることを要する。また、上述した62.5(%)はシミュレーションでの平均値であり、閾値を62.5(%)より余裕を持たせて小さくする必要がある。さらに、表3のシミュレーション結果は背景雑音がないと仮定して得たものであるので、実際の背景雑音がある環境では誤ったビットも含まれ、そのため、62.5(%)より持たせる余裕を、背景雑音を考慮して定めなければならない。例えば、表3のシミュレーション結果であれば、閾値を53(%)程度に選定する。このように選定した場合には、無線タグリーダ32の読取可能範囲内に11個の無線タグ31があっても、多くの場合、各無線タグ31から正しく個別データを読み取ることができ、また、無線タグリーダ32の読取可能範囲内に12個の無線タグ31がある場合でも、各無線タグ31から正しく個別データを読み取ることができるときもある。
表4は、上述した実施形態の場合とは異なるが、M系列の次数nが7である、5ビット×26ワードでなる個別データを生成した後、その個別データの5ビットずつを32ビットにビット幅拡張し、拡張後の832ビットの個別データを無線タグ31に記憶する場合でのシミュレーション結果を示している。表4の場合であれば、閾値として52(%)程度を選定すれば良い。
Figure 2010123061
表5は、上述した実施形態の場合とは異なるが、M系列の次数nが7である、6ビット×22ワードでなる個別データを生成した後、その個別データの6ビットずつを64ビットにビット幅拡張し、拡張後の1408ビットの個別データを無線タグ31に記憶する場合でのシミュレーション結果を示している。表5の場合であれば、閾値として41(%)程度を選定すれば良い。
Figure 2010123061
(A−2−3)拡張された個別データの同定方法
次に、制御部54が実行する拡張された個別データの同定方法を説明する。すなわち、制御部54は、以下のようにして、近傍に存在している無線タグ31に割り当てられている拡張された個別データを同定する。制御部54は、受信部53から与えられたサンプリングデータを内部にバッファリングする。ここで、バッファリングは、例えば、「1」が到来した以降に行う。
そしてまず、バッファリングした先頭の「1」が、拡張された個別データにおけるビット0の位置(図2参照)での値であると仮定して、参照用データベース56に格納されている拡張後の個別データのうち、ビット0の位置の値が「1」であるものとの相関値を求め、相関値が閾値以上のものを候補格納部57に格納する。
また、全期間の相関値を求めた場合、無線タグリーダ32の周囲に多くの無線タグ31が存在する場合には、該当する無線タグ31の個別データとの相関値であっても小さくなってしまう。そこで、参照用データベース56に格納されている個別データを基準とし、この参照側の個別データで「1」をとる期間だけに限定して(マスキングをして)相関値を求めるようにしても良い。
次に、バッファリングした先頭の「1」が、拡張された個別データにおけるビット1の位置(図2参照)での値であると仮定して、参照用データベース56に格納されている拡張後の個別データのうち、ビット1の位置の値が「1」であるものとの相関値を求め、相関値が閾値以上のものを候補格納部57に格納する。
これ以降、同様に、バッファリングした先頭の「1」が、拡張された個別データにおけるビットx(x=2〜9、A〜Fのいずれか)での値であると仮定して、参照用データベース56に格納されている拡張後の個別データのうち、ビットxの位置の値が「1」であるものとの相関値を求め、相関値が閾値以上のものを候補格納部57に格納する。
制御部54は、ビットFでの候補探索を終了したときに、候補格納部57に格納されている候補のデータを上位装置33に送出する。なお、質問信号の送信と候補探索とを複数回実行し、複数回の探索で所定回数(例えば過半数)以上で候補となったものを上位装置33に送出するようにしても良い。
以上では、受信して得たベースバンド信号から、個別データを同定する処理を無線タグリーダ32が実行するものを示したが、上位装置33が個別データを同定する処理を実行するようにしても良い。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態においては、発生が容易なM系列を用いて、互いにプリファードペアになるH個(例えば、7次の場合、H=6、11次の場合、H=4)のM系列に、それぞれ遅延を加えた後、排他的論理和によって加算して信号系列(拡張前の個別データ)を得、その後、ビット幅が拡張された個別データがそれぞれ記憶されている無線タグを読取対象としている無線タグリーダが、受信して得たベースバンド信号における「1」の割合に応じて通信状態を表すものと捉えるようにしたので、特別な測定のための通信を無線タグと実行することなく、通信状態を把握することができる。
その結果、無駄な個別データの同定処理を止めるようなことができ、また、同定した個別データと共に通信状態を表すパラメータを出力し、得られた個別データの信憑性の高低を利用者が認識させるようなこともできる。
上述したビット幅拡張後の個別データに対応するビット拡張前の個別データは、発生が容易なM系列を用いて、互いにプリファードペアになるH個のM系列に、それぞれ遅延を加えた後、排他的論理和によって加算して得たものであるので、互いに相互相関が小さく、干渉も少ない多量の情報量を載せることができる耐雑音性の良い信号系列である。その結果、無線タグリーダが、受信して得たベースバンド信号における「1」の割合は、近傍に存在する無線タグの個数をかなり良く反映させたものとなっており、また、個数が同じであれば雑音の多さをかなり良く反映させたものとなっており、通信状態を良好に表す指標となっている。
(B)他の実施形態
上記実施形態では、通信状態を良好に表す指標(「1」の割合)を、個別データの同定を行うか否かの判断に用いたり、同定を実行しない場合の原因情報として上位装置に報告したりするものを示したが、指標を用いて他の処理を実行するようにしても良い。例えば、表示出力して利用者に通知するようにしても良い。また、その指標に応じて、次の読取動作までの間隔を設定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、通信状態の良否を切り分ける閾値が固定のものを示したが、この閾値を可変可能としても良い。例えば、通信状態が悪いという判断が所定回数連続した場合には、通信を成立させるために閾値を一段階大きい値に変更するようにし、通信状態が良いという判断が所定回数連続した場合には、通信品質を上げるために閾値を一段階小さい値に変更するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、ビット拡張前の個別データが、発生が容易なM系列を用いて、互いにプリファードペアになるH個のM系列に、それぞれ遅延を加えた後、排他的論理和によって加算して得たものであったが、他の方法によって生成されたものであっても良い。この場合でも、シミュレーションによって、「1」の割合と、同時読取りに係る無線タグの個数との関係などを把握し、通信状態の良否を切り分ける閾値などを得るようにしておけば良い。
なお、上記実施形態では、通信状態を表す指標として「1」の割合を適用した場合を示したが、逆に、通信状態を表す指標として「0」の割合を適用するようにしても良い。この場合には、指標が小さい値ほど通信状態が悪いことを表している。
本発明で用いる無線タグとしては、特に限定されるものではないが、電池を内蔵し自ら電波を発信するものや外部の電波を利用してデータのやり取りをするものなどを用いることができる。さらには、電磁誘導を利用したものや、放射電磁界を利用したものなどを用いることができる。無線タグにおける電気回路(アンテナ回路)としては、コイル状やダイポール型などを挙げることができる。
実施形態に係る無線タグ通信システムが前提とする無線タグの個別データ書込装置の構成を示すブロック図である。 図1のビット幅拡張部におけるビット幅の拡張方法の説明図である。 図1の信号系列生成部の構成を示すブロック図である。 遅れたM系列を得る方法を説明するためのM系列生成本体及び可変遅延器のモデルを示すブロック図である。 実施形態に係る無線タグ通信システムの構成を示すブロック図である。 実施形態における通信状態の判定方法を示すフローチャートである。
符号の説明
3…信号系列生成部、4…ビット幅拡張部、6…データ対応付け記憶部、10−0〜10−r…M系列生成部、11…排他的論理和回路、20−0〜20−r…M系列生成本体、21−0〜21−r…可変遅延器、30…無線タグ通信システム、31…無線タグ、32…無線タグリーダ、33…上位装置、41…個別データメモリ、54…無線タグリーダの制御部、55…通信状態格納部、56…参照用データベース、57…候補格納部。

Claims (7)

  1. 当初の個別データのP(Pは自然数)ビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Qは自然数;Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグを読取対象としている無線タグ読取装置において、
    読取動作で受信した信号系列における「1」又は「0」の割合を、通信状態を表す指標として検出する通信状態検出手段を有することを特徴とする無線タグ読取装置。
  2. 上記の当初の個別データが、2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる複数のM系列を生成し、生成された複数のM系列にそれぞれ、遅延が付与された後、排他的論理和演算が施されたものであることを特徴とする請求項1に記載の無線タグ読取装置。
  3. 検出された通信状態を表す指標と閾値とを比較し、通信状態が悪い場合に、読取動作で受信した信号系列に含まれている、ビット幅拡張後の個別データを同定することを禁止させる同定禁止手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグ読取装置。
  4. 検出された通信状態を表す指標を表示する通信状態表示手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線タグ読取装置。
  5. 検出された通信状態を表す指標を、読取動作で受信した信号系列に含まれている、ビット幅拡張後の個別データを同定した結果、若しくは、同定動作を実行しないことを表す情報と共に出力する通信状態出力付加手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線タグ読取装置。
  6. 当初の個別データのP(Pは自然数)ビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Qは自然数;Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグを読取対象としている無線タグ読取装置に搭載されているコンピュータを、
    読取動作で受信した信号系列における「1」又は「0」の割合を、通信状態を表す指標として検出する通信状態検出手段として機能させる
    ことを特徴とする無線タグ読取プログラム。
  7. 当初の個別データのP(Pは自然数)ビット毎に、変換後において、「1」及び「0」の割合が偏るようにQ(Qは自然数;Q>P)ビットに変換されたビット幅拡張後の個別データを固有な個別データとしている無線タグと、
    請求項1〜5のいずれかに記載の無線タグ読取装置と
    を有することを特徴とする無線タグ通信システム。
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