JP4903677B2 - 信号系列生成回路及び通信システム - Google Patents

信号系列生成回路及び通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP4903677B2
JP4903677B2 JP2007316226A JP2007316226A JP4903677B2 JP 4903677 B2 JP4903677 B2 JP 4903677B2 JP 2007316226 A JP2007316226 A JP 2007316226A JP 2007316226 A JP2007316226 A JP 2007316226A JP 4903677 B2 JP4903677 B2 JP 4903677B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generation circuit
signal sequence
delay
signal
sequences
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007316226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009141693A (ja
Inventor
濶 柏木
裕一 岩方
克己 片倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2007316226A priority Critical patent/JP4903677B2/ja
Publication of JP2009141693A publication Critical patent/JP2009141693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4903677B2 publication Critical patent/JP4903677B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、信号系列生成回路及び通信システムに関し、例えば、物品や個体の識別や認証などのためのユニークな個別データ(ID)の生成に適用し得るものである。
近年、製造工程の自動化システムや物流システムの効率化が必要とされており、物品の効率的な識別システムが必要とされている。効率的な識別システムとは、(1)物品に付加する識別媒体が安価、(2)周辺環境(ノイズや汚れなど)の影響を受け難い、(3)個別データの識別の仕組みが単純でシステム運用に費用がかからない、などの特徴を持つことにより実現可能となる。
M系列は、擬似不規則系列の一つで拡散符号通信などに用いられており、シフトレジスタにより発生される確定的信号でありながら、その統計的性質が真の不規則信号に似ている。このようなM系列を、物品や個体の識別や認証などのための個別データとして利用することも既になされている(例えば、特許文献1参照)。
物品や個体の識別システムとして、バーコードシステムや無線タグ(RFID)を利用したシステムがある。例えば、無線タグを利用したシステムにM系列を適用した場合には、他の無線タグとの干渉が少ない、一度に複数の無線タグをアクセス可能である、などの利点を有する。
特開2004−143806号公報
固体の識別や認証などのための個別データ生成に用いる信号としては、多量の情報をのせられること、および耐雑音性の高いものが要求されている。
例えば、バーコードシステムの場合、バーコードの印字された表面が汚れてしまい、バーコードから読み取った信号に雑音が混入されると、物品や個別の認識が不可能になることも生じる。また、RFIDシステムであっても、電磁ノイズの多い場合はもちろんのこと、周辺環境による反射や吸収により電波信号が乱されて識別不能となることは頻繁に起き得る。
M系列は他の信号系列に比較すると、耐雑音性が高いものであるが、M系列を適用したとしても、雑音が問題となることがあり、M系列単独ではのせられる情報量が十分でない場合もある。
因みに、携帯電話に代表される大規模な通信システムであれば、符号長を長くするなど、比較的雑音に強いシステムを構築可能だが、システムが複雑で運用に多大なコストを必要としてしまう。
そのため、システム構成などを複雑にすることなく、多量の情報をのせることができ、耐雑音性に優れた信号系列を生成可能な信号系列生成回路が望まれており、そのような信号系列の生成回路などを適用した通信システムが望まれている。
第1の本発明の信号系列生成回路は、(1)2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる複数のM系列を生成する複数M系列生成手段と、(2)生成された複数のM系列にそれぞれ、遅延を付与する可変遅延付与手段と、(3)遅延が付与された複数のM系列に、排他的論理和演算を施し、演算後の信号系列を出力する加算手段とを備え、排他的論理和演算を施すM系列の数が、その次数において、2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる最大個数に等しいことを特徴とする。
第2の本発明の通信システムは、第1の本発明の信号系列生成回路と、通信手段を用いて、上記信号系列生成回路で生成した個別データをIDとして利用することを特徴とする。
ここで、通信手段として、バーコード及びRFIDの少なくとも一方を用いることが好ましい。
第3の本発明の通信システムは、無線タグと、第1の本発明の信号系列生成回路と、RFIDを利用した通信手段を用いて、上記信号系列生成回路で用いる遅延データをIDとして利用することを特徴とする。
本発明によれば、システム構成などを複雑にすることなく、多量の情報をのせることができ、耐雑音性に優れた信号系列を生成することができる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による信号系列生成回路を、無線タグの個別データ書込装置に適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、無線タグの個別データ書込装置の構成を示すブロック図であり、図2は、実施形態に係る信号系列生成回路の構成を示すブロック図である。図1において、無線タグの個別データ書込装置1は、管理番号/遅延用データ変換部2、実施形態に係る信号系列生成回路3、個別データ書込部4、データ対応付け記憶部5、及び、制御部6を有する。
管理番号/遅延用データ変換部2は、個別データが記憶されていない白紙の無線タグが新たに書込み対象となったときに、制御部6から与えられた管理番号を、後述する遅延用データ群R0〜Rrに変換して信号系列生成回路3に与えるものである。
信号系列生成回路3は、ハードウェア的に構成されていても良く、また、信号系列生成プログラムをCPUが実行することにより機能が実現されるソフトウェア的に構成されたものであっても良く、いずれで実現されたとしても、機能的には図2に示すような詳細構成を有する。なお、詳細構成については後述する。信号系列生成回路3は、後述する詳細構成と、管理番号/遅延用データ変換部2から与えられた遅延用データ群とによって定まる個別データを生成するものである。
個別データ書込部4は、例えば、白紙の無線タグを当初はロット単位分だけ貯蔵している第1貯蔵部や、この第1貯蔵部から1枚の無線タグを繰り出して書込み位置にセットする繰り出し機構部や、書込み位置にセットされた白紙の無線タグに信号系列生成回路3から出力された個別データを書き込む書込み実行部や、個別データが書き込まれた無線タグを貯蔵する第2貯蔵部や、個別データが書き込まれた無線タグを書込み位置から第2貯蔵部へ移動させる移動機構部等を備え、白紙の無線タグに、個別データを書き込むものである。
データ対応付け記憶部5は、遅延用データ群(又は管理番号)と、生成された個別データとを対応付けて記憶するものである。この記憶された対応付けデータは、製造工程の自動化システムや物流システムなどの、無線タグからのデータを処理するデータ処理システムによって、識別用又は認証用として利用されるものである。なお、生成された個別データをIDとして利用するシステムであっても良く、また、遅延用データ群(又は管理番号)をIDとして利用するシステムであっても良い。
制御部6は、当該個別データ書込装置1の全体を制御し、上述したように、白紙の無線タグに個別データを書き込むようにさせるものである。
実施形態の信号系列生成回路3は、図2に示すように、r+1個のM系列生成部10−0〜10−rと、全てのM系列生成部10−0〜10−rからのM系列の排他的論理和(exclusive OR)をとる、加算手段である排他的論理和回路11とを有する。
各M系列生成部10−0〜10−rはそれぞれ、複数M系列生成手段であるM系列生成本体20−0〜20−rと、可変遅延付与手段である可変遅延器21−0〜21−rとでなる。
M系列生成本体20−0〜20−rはそれぞれ、次数nの異なる特性多項式f(x)〜f(x)に従うM系列を発生するものであり、n段のシフトレジスタSR0〜SRrと、特性多項式によって定まる段の出力の排他的論理和をとる1又は複数の排他的論理和回路ExOR01〜ExORr1とでなる周知の構成を有する。
この実施形態の場合、M系列生成本体20−0〜20−rが発生するr+1個のM系列は、その任意の2個ずつが全て、プリファードペア(preferred pair)の関係になっている。ここで、M系列について、同じ次数のM系列で異なる特性多項式をもつM系列との相互相関関数の最大値が最少になるM系列のペアは、プリファードペアと呼ばれている。なお、プリファードペアについては、例えば、文献A「D.V.Sarwate and M.B.Pursley,“Crosscorrelation Properties of Pseudorandom and Related Sequencies”,PROC.IEEE,Vol.68,No.5,pp.593−619,1980.」に記載されている。
可変遅延器21−0〜21−rはそれぞれ、対応するM系列生成本体20−0〜20−rが生成したM系列を指示された分だけ遅延させて、排他的論理和回路11に与えるものである。可変遅延器21−0〜21−rにおける遅延量は必ずしも同一ではなく、これら遅延量の組み合わせが、当該信号系列生成回路3が生成する個別データのユニーク性を規定する1つのパラメータとなっている。
この実施形態の場合、M系列の周期2−1より短い任意の遅延量を簡単な構成で与えることができるように、可変遅延器21−0〜21−rはそれぞれ、対応するM系列生成本体20−0〜20−rにおけるシフトレジスタSR0〜SRrの各段の値にそれぞれ、設定された値を乗算する乗算器群D0〜Drと、対応する乗算器群D0〜Drの出力の排他的論理和をとる排他的論理和回路ExOR02〜ExORr2とでなる。
各乗算器群D0〜Drに設定されるn個のデータは、管理番号/遅延用データ変換部2から与えられた遅延用データR0〜Rrである。例えば、乗算器群D0には、遅延用データR0{r0,0,…,r0,n−1}が設定される。
(A−2)遅れたM系列を得る方法
次に、可変遅延器21−0〜21−rを、図2に示すような演算構成によって実現できることを、図3に示すM系列生成本体及び可変遅延器のモデルを用いて説明する。
M系列は、n段のシフトレジスタSRのある初期状態が与えられれば、それから後の全ての状態が定まるから、任意の遅延量dだけ遅れたM系列xは、シフトレジスタSRの各段の内容x、…、xn−1の(1)式で表される線形結合で与えられることが分かる。
=r+r+r+…+rn−1n−1 …(1)
係数r(iは0〜(n−1))は「0」又は「1」をとり、係数rが分かれば、シフトレジスタSRのどの段の出力を加算すれば良いかが分かる。
遅延量dは、M系列の1周期2n−1より短い範囲の値をとることができ、シフトレジスタSRの段数nより小さい値をとることも、段数n以上をとることもあり得る。
遅延量dがシフトレジスタSRの段数nより小さいときは、シフトレジスタSRの遅延量dに応じた段jから、遅延したM系列を取り出すことができる。この場合は、その段jの内容xに対する係数rだけを「1」とし、他の段の内容に対する係数を全て「0」とすれば良い。
遅延量dがシフトレジスタSRの段数n以上の場合を検討する。遅延されたM系列xをM系列生成本体に係る特性多項式f(x)で割ったとした場合、次の(2)式が成立する。(2)式において、Q(x)は商、R(x)は剰余の多項式である。
=Q(x)f(x)+R(x) …(2)
(2)式の右辺に着目する。ここで、剰余多項式R(x)の次数はnより小さく、Q(x)f(x)における、剰余多項式R(x)に委ねている次数部分は0である。ここで、(1)式の右辺と同様な次数を考慮すると、(2)式は、(3)式のように書くことができる。
=R(x) …(3)
(1)式と(3)式との比較から、剰余多項式R(x)の係数が、遅延量dだけ遅れたM系列xを形成させるための、r〜rn−1になっている。すなわち、遅延量dだけ遅れたM系列xを形成させるためには、xを特性多項式f(x)で割って得られた剰余多項式R(x)の係数を取り出せば良い。
(A−3)無線タグの個別データ書込装置の動作
次に、無線タグの個別データ書込装置の動作を説明する。
制御部6は、新たな白紙の無線タグが書込み対象となったときには、信号系列生成回路3の全てのシフトレジスタSR0〜SRrに初期値を設定させると共に、書込み対象の無線タグに関する管理番号を管理番号/遅延用データ変換部2に与える。管理番号/遅延用データ変換部2は、管理番号を遅延用データ群R0〜Rrに変換し、信号系列生成回路3の乗算器群D0〜Drに設定させる。
このような初期化処理が終了すると、制御部6は、信号系列生成回路3に対して、クロックに基づいた動作を起動させる。
M系列生成部10−0のM系列生成本体20−0は、クロック毎に、シフトレジスタSR0の段の内容を書き換える。可変遅延器21−0の乗算器群D0は、シフトレジスタSR0の段の内容に対し、設定された遅延用データ群R0の値を乗算し、乗算結果が、排他的論理和回路ExOR02によって加算(排他的論理和)され、遅延用データ群R0の値に応じた遅延量だけ遅延されたM系列a(j+d)として出力される。
他のM系列生成部10−1〜10−rも同様に動作し、遅延されたM系列a(j+d)〜a(j+d)を出力する。
排他的論理和回路11は、全てのM系列生成部10−0〜10−rからの遅延されたM系列a(j+d)〜a(j+d)を加算(排他的論理和)して個別データとして出力する。
出力された個別データは、個別データ書込部4によって、書込み対象の無線タグに書き込まれる。また、データ対応付け記憶部5によって、遅延用データ群(又は管理番号)と、生成された個別データとが対応付けて記憶される。
(A−4)信号生成の考え方
M系列については、同じ次数のM系列で、異なる特性多項式をもつM系列との相互相関関数の最大値が最小になるM系列のペアは、上述のように、プリファードペアと呼ばれている。互いにプリファードペアになるM系列の個数の最大値Hは、図4に示すようになることが分かっている(上記文献A参照)。しかし、具体的にどのペアがプリファードペアになるかということは示されていない。
この実施形態は、互いにプリファードペアになるM系列を組み合わせて発生させた系列は、互いに相関の小さい系列になることに着目したものである。
図4において、仮に、互いにプリファードペアになる集合の最大のもの(要素数はH)を全て信号発生に用いるとすると、n×Hが大きいほど沢山の情報を送ることができる。互いにプリファードペアになる集合要素の最大値がHとなる組み合わせがr個あったとすると、送ることのできる情報は、合計r×2n×H個となる。
この実施形態は、2つのM系列を用いるGold系列や、3つのM系列を用いるKasami系列などとは異なり、互いにプリファードペアになるH個のM系列の全て又はその大半を用いて、そのそれぞれに遅延を与えた後、加算することにより、入れる情報の型を大きくした干渉の少ない信号系列の発生法である。
図4によると、M系列の次数nと、プリファードペアになる個数の最大値Hとの積が大きいほど、載せられる情報は大きくなるので、次数nとして7と11を例に選んで信号の発生法を説明する。
次数7については、特性多項式の総数が18であることが分かっているから、この中から6個(最大値H)選んで、その中のいずれのペアもプリファードペアになる組み合わせを探索した結果、図5に示される18組のM系列を見出した。
なお、図5における特性多項式を規定する値は8進表示であり、以下のようなことを表している。次数は7ではないが、特性多項式f(x)=1+x+x+x+xの場合を例とする。この場合に、各べき乗の係数を0、1で表し、係数だけを取り出して表現すると、特性多項式f(x)を、f(x)=100011101(2進数)のように表現することができる。このような2進表示を8進表示すると、特性多項式f(x)を、f(x)=435(8進数)のように表現することができる。図5は、このような8進表示を適用している。
図5の18組中の1組を選択し、その1組の6個の特性多項式f(x)〜f(x)に従うように、図2の信号系列生成回路3を形成するr+1個(=H個=6個)の7次のM系列生成部10−0〜10−rを形成する。また、遅延用データ群R0〜Rrも、選択した組の6個の特性多項式f(x)〜f(x)を利用して得る。
7次のM系列を用いる場合の信号の生成は、M系列生成部10−0〜10−rの個数が6個であるので、(4)式のようになる。
Figure 0004903677
11次のM系列については、そのいずれをとってもプリファードペアになる集合要素の最大数Hは4個であることが分かっている。11次の特性多項式の総数は176個あり、その中から4個選んで、どのベアもプリファードペアになる組合わせは、探索の結果、図6〜図13に示すように、合計336組あることを見出した。図6〜図13における特性多項式は8進表示である。
図6〜図13の336組中の1組を選択し、その1組の4個の特性多項式f(x)〜f(x)に従うように、図1の信号系列生成回路3を形成するr+1個(=H個=4個)の11次のM系列生成部10−0〜10−rを形成する。また、遅延用データ群R0〜Rrも、選択した組の4個の特性多項式f(x)〜f(x)を利用して得る。
11次のM系列を用いる場合の信号の生成は、M系列生成部10−0〜10−rの個数が4個であるので、(5)式のようになる。
Figure 0004903677
(A−5)実施形態の効果
上記実施形態は、発生が容易なM系列を用いて、互いにプリファードペアになるH個(例えば、7次の場合、H=6、11次の場合、H=4)のM系列に、それぞれ遅延を加えた後、排他的論理和によって加算し、出力する信号系列(個別データ)を得るようにしたので、互いに相互相関が小さく、干渉も少ない多量の情報量を載せることができる耐雑音性の良い信号系列を生成することができる。
載せられる情報量としては、例えば、7次のM系列(系列長127)を用いる場合、18×242個、11次の場合(系列長2047)、336×244個の情報量になり、極めて多量の情報量を載せることができる。
しかも、この系列は異なる情報を持つほかの系列とは相関が小さく、かつ耐雑音特性も優れているため、上記実施形態のような無線タグ等を利用した物品や個体の識別又は認証システムなどに応用すると極めて大きな効果をもたらすことができる。
以下、上記実施形態の効果を確認した、複数のシミュレーションの結果について説明する。
図14(A)は、7次のM系列の各々に、図14(B)に示すような遅延を与えて発生した信号系列C(j)の自己相関関数φkk(i)を示している。原点i=0における自己相関関数φkk(0)が127と最も大きく、次に大きい自己相関関数φkk(i)がi=2のときの23であった。これにより、無線タグに記憶された個別データと、同じ系列との相関を求めることにより、個別データを認識できることが分かる。
図15(A)は、7次の2つのM系列の各々に、図15(B)に示すような遅延を与えて発生した2つの信号系列Ck1(j)及びCk2(j)の相互相関関数φ12(i)を示している。i=123における相互相関関数φ12(i)が31と最も大きく、この最大値でも、自己相関関数φkk(i)の最大値127より十分に小さくなっている。
すなわち、2つの信号系列Ck1(j)及びCk2(j)は、相互相関処理によって同一のものを取り出すことができ、他の信号系列と干渉していないことが分かる。
図16(A)は、7次のM系列の各々に、図16(B)に示すような遅延を与えて発生した信号系列C(j)と、その信号系列C(j)に70%の雑音を混入したものとの相互相関関数φ12(i)を示している。原点i=0における相互相関関数φ12(0)が41と最も大きく、次に大きい相互相関関数φ12(i)がi=78のときの25であった。これにより、7次では、少なくとも70%までの雑音に耐えられることが分かる。
図17は、8個の異なる信号系列Ck1(j)〜Ck8(j)を加算した信号と、8個中の1個の信号系列Ck1(j)との相互相関関数φ12(i)を示している。原点i=0における相互相関関数φ12(0)が15と最も大きく、次に大きい相互相関関数φ12(i)がi=41のときの11であった。これにより、7次の場合には、8個の無線タグの同時読取がある程度はできることが分かる。因みに、他のシミュレーションによって、7次の場合には、5個の無線タグの同時読取には十分対応できることが分かっている。
図18(A)は、11次のM系列の各々に、図18(B)に示すような遅延を与えて発生した信号系列C(j)の自己相関関数φkk(i)を示している。原点i=0における自己相関関数φkk(0)が2047と最も大きく、次に大きい自己相関関数φkk(i)がi=153のときの145であった。これにより、無線タグに記憶された個別データと、同じ系列との相関を求めることにより、個別データを認識できることが分かる。
図19(A)は、11次の2つのM系列の各々に、図19(B)に示すような遅延を与えて発生した2つの信号系列Ck1(j)及びCk2(j)の相互相関関数φ12(i)を示している。i=1120における相互相関関数φ12(i)が159と最も大きく、この最大値でも、自己相関関数φkk(i)の最大値2047より十分に小さくなっている。
すなわち、11次でも、2つの信号系列Ck1(j)及びCk2(j)は、相互相関処理によって同一のものを取り出すことができ、他の信号系列と干渉していないことが分かる。
図20(A)は、11次のM系列の各々に、図20(B)に示すような遅延を与えて発生した信号系列C(j)と、その信号系列C(j)に90%の雑音を混入したものとの相互相関関数φ12(i)を示している。原点i=0における相互相関関数φ12(0)が285と最も大きく、次に大きい相互相関関数φ12(i)がi=1203のときの157であった。これにより、11次では、少なくとも90%までの雑音に耐えられることが分かる。
図21は、60個の異なる信号系列Ck1(j)〜Ck60(j)を加算した信号と、60個中の1個の信号系列Ck1(j)との相互相関関数φ12(i)を示している。原点i=0における相互相関関数φ12(0)が40と最も大きく、次に大きい相互相関関数φ12(i)がi=1966のときの20であった。これにより、11次の場合には、60個程度の無線タグの同時読取にも対応できることが分かる。
(B)他の実施形態
上記では、本発明の信号系列生成回路を、無線タグの個別データ書込装置に適用したものを示したが、本発明の信号系列生成回路の用途はこれに限定されるものではない。例えば、認証側の装置に、本発明の信号系列生成回路を適用することができる。例えば、遅延データ群でなるパスワード又はIDをキーボードなどから入力させ、その入力された遅延データ群で生成させた信号系列と、無線タグから読み取った信号系列との照合によって、認証や識別を行うようにしても良い。また例えば、バーコードとして記述するための信号系列を、本発明の信号系列生成回路によって生成するようにしても良い。
また、上記実施形態では、生成されたM系列を遅延させる構成が、乗算器群と排他的論理和とでなるものを示したが、他の可変遅延構成を適用するようにしても良い。例えば、遅延量の範囲が狭いものであれば、遅延用のシフトレジスタと、その遅延用のシフトレジスタの任意の段の出力を取り出す構成を、可変遅延構成とするようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、互いにプリファードペアになる最大個数(H)分のM系列を発生させ、遅延を付与して加算するものを示したが、M系列の発生数を、最大個数(H)より少なくするようにしても良く、また、発生数そのものも可変できるようにしても良い。
本発明の信号系列生成回路は、通信システムに適用可能であり、本発明の信号系列生成回路を適用した通信システムは、本発明の通信システムとなる。
本発明の通信システムの第1の実施形態としては、本発明の信号系列生成回路と、信号系列生成回路で生成した個別データをIDとして利用して、通信手段を用いるものがある。通信手段としては、バーコードやRFIDを用いるものであることが好ましく、具体的には、2次元バーコードや3次元バーコード、電波を利用したRFIDリーダライタなどを利用することが挙げられる。
バーコードを用いる場合、信号系列生成回路で生成した個別データC(j)をバーコードとしてラベル等に印字して、その後、必要なときにバーコードリーダを用いてバーコードから個別データを読み取る。予めリーダあるいはリーダから接続されているパーソナルコンピュータ(PC)に、各信号の相互相関係数を演算して識別する識別手段を設けておき、リーダで読み取った個別データを識別手段を用いて識別する。
RFIDを用いる場合、信号生成回路で生成した個別データC(j)をRFIDリーダライタを用いて無線タグに入力して、その後必要なときに、RFIDリーダライタを用いて無線タグから個別データを読み取る。予めリーダあるいはリーダから接続されているパーソナルコンピュータ(PC)に、各信号の相互相関係数を演算して識別する識別手段を設けておき、リーダで読み取った個別データを識別手段を用いて識別する。
本発明の通信システムの第2の実施形態としては、無線タグと、本発明の信号系列生成回路と、信号系列生成回路で用いる遅延データをIDとして利用して、RFIDを利用した通信手段を用いるものがある。予め無線タグ(RFIDタグ)に信号系列生成回路を設けておき、各々の無線タグに別々の遅延データを入力しておく。各無線タグでは、与えられた遅延データから信号系列生成回路を用いて個別データが生成され、その後必要なときに、RFIDリーダライタを用いて無線タグから個別データを読み取る。予めリーダあるいはリーダから接続されているパーソナルコンピュータ(PC)に、各信号の相互相関係数を演算して識別する識別手段を設けておき、リーダで読み取った個別データを識別手段を用いて遅延データに変換して、個々の無線タグを識別する。
本発明で用いるRFIDの電波としては、特に限定されるものではないが、周波数が100KHz〜3MHzのLF帯、3MHz〜30MHzのHF帯、30MHz〜300MHzのVHF帯、300MHz〜3GHzのUHF帯など広く用いることができる。
本発明で用いる無線タグとしては、特に限定されるものではないが、電池を内蔵し自ら電波を発信するものや外部の電波を利用してデータのやり取りをするものなどを用いることができる。さらには、電磁誘導を利用したものや、放射電磁界を利用したものなどを用いることができる。無線タグにおける電気回路(アンテナ回路)としては、コイル状やダイポール型などを挙げることができる。
実施形態に係る信号系列生成回路を適用した、無線タグの個別データ書込装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る信号系列生成回路の構成を示すブロック図である。 実施形態における遅れたM系列を得る方法を説明するためのM系列生成本体及び可変遅延器のモデルを示すブロック図である。 M系列の次数と、互いにプリファードペアになるM系列の最大個数との関係を示す説明図である。 次数7のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(1)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(2)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(3)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(4)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(5)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(6)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(7)である。 次数11のM系列で、互いにプリファードペアになる最大個数のM系列の特性多項式を示す説明図(8)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(1)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(2)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(3)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(4)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(5)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(6)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(7)である。 実施形態に係る信号系列生成回路の効果の説明図(8)である。
符号の説明
3…信号系列生成回路、10−0〜10−r…M系列生成部、11…排他的論理和回路、20−0〜20−r…M系列生成本体、21−0〜21−r…可変遅延器。

Claims (3)

  1. 2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる複数のM系列を生成する複数M系列生成手段と、
    生成された複数のM系列にそれぞれ、遅延を付与する可変遅延付与手段と、
    遅延が付与された複数のM系列に、排他的論理和演算を施し、演算後の信号系列を出力する加算手段とを備え
    上記排他的論理和演算を施すM系列の数が、その次数において、2個ずつを取り出して見た場合に互いにプリファードペアになる最大個数に等しいことを特徴とする信号系列生成回路。
  2. 請求項1に記載の信号系列生成回路と、通信手段を用いて、
    上記信号系列生成回路で生成した個別データをIDとして利用することを特徴とする通信システム。
  3. 無線タグと、請求項1に記載の信号系列生成回路と、RFIDを利用した通信手段を用いて、上記信号系列生成回路で用いる遅延データをIDとして利用することを特徴とする通信システム。
JP2007316226A 2007-12-06 2007-12-06 信号系列生成回路及び通信システム Expired - Fee Related JP4903677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007316226A JP4903677B2 (ja) 2007-12-06 2007-12-06 信号系列生成回路及び通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007316226A JP4903677B2 (ja) 2007-12-06 2007-12-06 信号系列生成回路及び通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009141693A JP2009141693A (ja) 2009-06-25
JP4903677B2 true JP4903677B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=40871860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007316226A Expired - Fee Related JP4903677B2 (ja) 2007-12-06 2007-12-06 信号系列生成回路及び通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4903677B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5144312B2 (ja) * 2008-03-10 2013-02-13 リンテック株式会社 信号系列生成回路、信号系列生成方法、信号系列生成プログラム及び通信システム
JP5121676B2 (ja) * 2008-11-21 2013-01-16 リンテック株式会社 無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システム
KR101685173B1 (ko) 2009-07-13 2016-12-12 주식회사 팬택 무선통신 시스템에서의 시퀀스 생성 방법 및 그 장치
JP5364541B2 (ja) * 2009-11-26 2013-12-11 リンテック株式会社 信号系列生成回路、信号系列生成方法、信号系列生成プログラム及び通信システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7218641B2 (en) * 2003-03-11 2007-05-15 Motorola, Inc. Method and apparatus for adaptive processing gain for multiple source devices in a communications system
JP3932366B2 (ja) * 2004-11-02 2007-06-20 防衛省技術研究本部長 多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009141693A (ja) 2009-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. A novel anti-collision algorithm in RFID systems for identifying passive tags
JP4903677B2 (ja) 信号系列生成回路及び通信システム
KR100805286B1 (ko) 정보처리장치 정보처리방법 및 카드부재
JP5144312B2 (ja) 信号系列生成回路、信号系列生成方法、信号系列生成プログラム及び通信システム
Martín et al. An estimator for the ASIC footprint area of lightweight cryptographic algorithms
Loiseau et al. Template Attacks against ECC: practical implementation against Curve25519
Vijaykumar et al. Hardware implementation of tag-reader mutual authentication protocol for RFID systems
JP5364541B2 (ja) 信号系列生成回路、信号系列生成方法、信号系列生成プログラム及び通信システム
JPH05509426A (ja) 行列構造にアドレスするための整数論的割り当て発生回路
JP5121676B2 (ja) 無線タグ読取装置、無線タグ読取プログラム及び無線タグ通信システム
CN110515591A (zh) 基于区块链的随机数生成方法及装置
CN104901792A (zh) 密码处理椭圆曲线数据的方法、电子设备及计算机程序
Anusha et al. RFIDcover–A Coverage Planning Tool for RFID Networks with Mobile Readers
Druml et al. Secured miniaturized system-in-package contactless and passive authentication devices featuring NFC
Nurdiyanto et al. Authentication Security in Radio Frequency Identification with IDEA Algorithm
US20170373837A1 (en) Protection method and device against a side-channel analysis
CN105549951A (zh) 一种账单处理方法和终端
Lee et al. Laplace transformation method for the Black-Scholes equation
Logendran et al. Minimizing the mean flow time in a two-machine group-scheduling problem with carryover sequence dependency
Blanco et al. Analysis and improvements of the pseudorandom number generation in passive UHF-RFID tags
Dan et al. High-performance hardware architecture of elliptic curve cryptography processor over GF (2163)
Zhang et al. Physical-layer identification of HF RFID cards based on RF fingerprinting
Huang et al. Mutual authentication protocol for RFID system
Venkatesh et al. Incorporating tool identification system in normal machining centre using radio frequency identification
Ting et al. Design of low-cost elliptic curve cryptographic engines for ubiquitous security

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees