JP2010122356A - 焦点検出装置および撮像装置 - Google Patents

焦点検出装置および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の焦点検出領域において短時間で焦点検出を実行する。
【解決手段】複数のマイクロレンズを二次元状に配列したマイクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイに対して複数の電荷蓄積型光電変換素子を二次元状に配列した受光素子アレイとを有し、光学系を透過した光をマイクロレンズアレイを介して受光素子アレイにより受光して得られる信号を出力する受光手段と、光学系による像面内に設定された複数の焦点検出領域の少なくとも1つに対応する光電変換素子列の出力に基づいて光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と、複数の焦点検出領域の内の第1の焦点検出領域に対して焦点検出を行う場合は、複数種類の異なる電荷蓄積時間で順次、受光素子アレイを蓄積制御する制御手段(S4〜S9)とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は焦点検出装置および撮像装置に関する。
撮影光学系の焦点調節状態を検出するための焦点検出用イメージセンサーの制御において、明るさが大きく異なる複数の焦点検出領域で同時に焦点検出を行う必要がある場合には、焦点検出領域ごとの明るさに適した蓄積時間で複数回の電荷蓄積を1回の焦点検出ごとに行うようにした焦点検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3203742号
しかしながら、焦点検出領域が多くなると、焦点検出演算時間が増大し、焦点検出中の被写体状況の変化が大きくなるという問題がある。
(1) 請求項1の発明は、複数のマイクロレンズを二次元状に配列したマイクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイに対して複数の電荷蓄積型光電変換素子を二次元状に配列した受光素子アレイとを有し、光学系を透過した光をマイクロレンズアレイを介して受光素子アレイにより受光して得られる信号を出力する受光手段と、光学系による像面内に設定された複数の焦点検出領域の少なくとも1つに対応する光電変換素子列の出力に基づいて光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と、複数の焦点検出領域の内の第1の焦点検出領域に対して焦点検出を行う場合は、複数種類の異なる電荷蓄積時間で順次、受光素子アレイを蓄積制御する制御手段とを備える。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、制御手段は、複数の焦点検出領域の内の第1の焦点検出領域よりも数が少ない第2の焦点検出領域で焦点検出を行う場合は、第2の焦点検出領域に対応する光電変換素子列の出力の大きさに応じた電荷蓄積時間で受光素子アレイを蓄積制御し、焦点検出手段により第2の焦点検出領域に対する焦点検出を行う。
(3) 請求項3の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、制御手段は、第1の焦点検出領域に対して焦点検出を行う場合は、第2の焦点検出領域のそれぞれに対する焦点検出結果に基づいて、第1の焦点検出領域の内の少なくとも1つを選択する。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の焦点検出装置において、制御手段は、第2の焦点検出領域に対して焦点検出を行う場合は、第2の焦点検出領域の中から少なくとも1つの焦点検出領域を手動で選択可能とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、光を測光する測光手段を備え、制御手段は、測光手段による測光結果に基づいて複数種類の電荷蓄積時間を決定する。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の焦点検出装置と、光学系による像を撮像する撮像手段とを備える撮像装置である。
(7) 請求項7の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、撮像手段は像を連続的に撮像可能であり、制御手段は、像を連続的に撮像する際に、撮像開始から所定期間は複数種類の電荷蓄積時間によって受光素子アレイを蓄積制御し、複数種類の電荷蓄積時間に基づいてその後の撮像時の受光素子アレイの電荷蓄積制御を行う。
(8) 請求項8の発明は、請求項6または請求項7に記載の撮像装置において、焦点検出装置による焦点検出結果に基づいて光学系の焦点調節を行う焦点調節手段を備える。
本発明によれば、焦点検出を行う焦点検出領域が多数あっても、それらの焦点検出領域で短時間で焦点検出を行うことができる。
図1は一実施の形態の焦点検出装置を備えたカメラ(撮像装置)の横断面図であり、(a)は非撮影時の状態を示し、(b)は撮影露光時の状態を示す。なお、図1において、本願発明の焦点検出装置および撮像装置に直接関係のないカメラの機器、回路および装置の図示と説明を省略する。一実施の形態のカメラではカメラボディ1にレンズ鏡筒2が装着される。レンズ鏡筒2は各種の撮影レンズを有するレンズ鏡筒に交換可能である。
カメラボディ1はメインミラー11、サブミラー12、シャッター13、撮像素子14、焦点検出装置15、制御装置16、ペンタプリズム17、接眼レンズ28、接点19などを備えている。撮像素子14はCCDやCMOSなどから構成され、撮影レンズにより結像された被写体像を電気信号に変換して出力する。シャッター13の被写体側には、光学的ローパスフィルターと赤外線カットフィルターを合わせた光学部材27が設置されている。焦点検出装置15は撮影レンズの焦点調節状態を検出する。この焦点調節装置15については詳細を後述する。制御装置16は不図示のマイクロコンピューター、ROM、RAM、A/Dコンバーターなどから構成され、カメラの各種演算やシーケンス制御などを行う。
レンズ鏡筒2は、撮影レンズ21(21a〜21e)、絞り22、レンズ駆動制御装置23などを備えている。レンズ駆動制御装置23は不図示のマイクロコンピューター、メモリ、レンズ駆動用モーター、絞り駆動用モーターなどから構成され、撮影レンズ21の焦点調節や絞り22の開口調節などを行う。なお、カメラボディ1の制御装置16とレンズ鏡筒2のレンズ駆動制御装置23は交換レンズマウント部(不図示)に設けられた接点19を介して各種情報の授受を行う。
非撮影時には、図1(a)に示すようにメインミラー11とサブミラー12が撮影光路中に置かれ、撮影レンズ21を透過した被写体光の一部はメインミラー11、ペンタプリズム17、接眼レンズ28を介して撮影者の目へ導かれ、撮影者に被写体像が視認される。また、被写体光の残りの一部はメインミラー11、サブミラー12を介して焦点検出装置15へ導かれ、焦点検出装置15により撮影レンズ21の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量が検出される。
撮影露光時には、図1(b)に示すようにメインミラー11とサブミラー12が撮影光路中から退避し、撮影レンズ21を透過した被写体光は撮影素子14へ導かれ、撮像素子14により被写体像の撮像が行われる。撮像素子14から出力された被写体像信号は不図示の信号処理回路で処理された後、メモリカードなどの記録媒体へ記録される。
図2は、一実施の形態の焦点検出装置に組み込まれている焦点検出光学系の構成を示す。撮影レンズ21は、撮像素子14(図1参照)の受光面14aに被写体像を結像する。撮影レンズ21を透過した被写体からの光束(焦点検出用光束)はサブミラー12(図1参照)の反射面12aで反射され、撮像素子受光面14aと共役な予定焦点面15aへ導かれ、予定焦点面15aにおいて被写体像が結像される。なお、この予定焦点面15aにおいて被写体像のピントが合うように、撮影レンズ21の焦点調節が行われる。
像高の高い部分の焦点検出用光束を用いて焦点検出を行う場合には、光路中、具体的には予定焦点面15aの近傍から後述するマイクロレンズアレイ52の間にフィールドレンズ51を挿入し、像高の高い部分の光線を光軸方向から曲げるようにしてもよい。以下では、フィールドレンズ51を無視して説明する。
焦点検出装置15は、マイクロレンズアレイ52と受光素子アレイ53がカバーガラス54で蓋をしたパッケージ55の中に封入されている。図3はマイクロレンズアレイ52と受光素子アレイ53を拡大した斜視図である。なお、実際にはマイクロレンズアレイ52と受光素子アレイ53がほぼ密着しているが、図3では説明を解りやすくするためにそれらを分離して示す。マイクロレンズアレイ52は、カメラの予定焦点面15aの近傍に配置される。
図3では図示を省略しているが、マイクロレンズとマイクロレンズとの間、およびレンズ基板の側面には、マイクロレンズ間のクロストークを防ぐための遮光隔壁が設けられている。この遮光隔壁は、機械加工やエッチングによりマイクロレンズに格子状の深い溝を形成し、その溝の中に遮光性樹脂を充填して形成される。
受光素子アレイ53はマイクロレンズアレイ52のごく近傍に配置され、各マイクロレンズごとに複数の光電変換素子(以下、受光素子という)が二次元状に配列される。この一実施の形態では各マイクロレンズごとに横5個×縦5個の受光素子を配列した受光素子アレイ53を用いた例を示すが、マイクロレンズごとの受光素子の個数はこの一実施の形態に限定されず、また、マイクロレンズごとに受光素子を配列せず、単に複数の受光素子を二次元状に配列してもよい。
図4および図5は一実施の形態による焦点検出方法を説明するための図であり、図3に示すマイクロレンズアレイ52と受光素子アレイ53のXZ断面を示す。一つのマイクロレンズとそのマイクロレンズに対応する受光素子列をこの明細書では便宜上、画素と呼ぶことにする。図4および図5に示す例では、マイクロレンズとそのマイクロレンズに対応して配置される5個の受光素子が一つの画素である。この一実施の形態の焦点検出装置では、各画素の受光素子列の各マイクロレンズによる像が、各マイクロレンズの頂点よりも被写体側に結像する構成になっており、この結像面が予定焦点面15aと一致するようにマイクロレンズアレイ(焦点検出光学系)52と受光素子アレイ53を配置する。
この一実施の形態の焦点検出装置は、撮影レンズ21の瞳面の異なる領域を通過した被写体光による対の像の、検出面近傍における位置ずれに基づいてデフォーカス量を得るものであり、位相差検出方式の焦点検出装置である。
まず、第1の焦点検出演算方法では、隣接する画素、または所定間隔の画素の受光素子列で検出した像どうしのずれ量に基づいてデフォーカス量を算出する。例えば図4において、二つの隣接する画素のA列とB列の二つの受光素子列上の像のずれ量、つまり予定焦点面15a上のA’とB’で表す“受光素子列AとBの逆投影像”の位置に撮影レンズ21により結像される被写体像のずれ量によりデフォーカス量を演算する。
第2の焦点検出演算方法では、隣接して配列される複数の画素において、各画素の受光素子列の端からn番目の受光素子出力を連ねて生成する像と、(n+m)番目の受光素子出力を連ねて生成する像とのずれ量に基づいてデフォーカス量を算出する。例えば図4において、各画素の受光素子列の左から2番目の受光素子cの出力を連ねて受光素子列Cとした像と、左から4番目の受光素子dの出力を連ねて受光素子列Dとした像とのずれ量、つまり予定焦点面16上のC’とD’で表す“受光素子列CとDの逆投影像”の位置に撮影レンズ23により結像される被写体像のずれ量により、デフォーカス量を演算する。
なお、第2の焦点検出演算方法の変形例として、図5に示すように、左から1番目と2番目の受光素子出力の加算値を連ねて受光素子列Cとした像と、左から4番目と5番目の受光素子出力の加算値を連ねて受光素子列Dとした像とのずれ量、つまり予定焦点面16上のC’とD’で表す“受光素子列CとDの逆投影像”の位置に撮影レンズ23により結像される被写体像のずれ量により、デフォーカス量を演算してもよい。
図6は、一実施の形態の焦点検出装置15(図1参照)の詳細な構成を示すブロック図である。二次元受光素子アレイ53(図3参照)の出力はA/Dコンバーター54によりデジタル信号に変換され、いったんメモリ55に記憶される。マイクロコンピューター56はソフトウエア形態により合成信号列作成部56a、像ズレ演算部56bおよびフォーカス量算出部56cを備え、メモリ55から受光素子アレイ53の出力データを読み出し、合成信号列作成部56aにより第1信号列{a(i)}=a(1),a(2),a(3),・・・と、第2信号列{b(i)}=b(1),b(2),b(3),・・・を作成する。
ここで、上述した第1の焦点検出方法の場合は、信号列{a(i)}、{b(i)}は図4に示す隣接する画素A、Bの各受光素子アレイの受光素子出力の並びである。また、上述した第2の焦点検出方法の場合は、信号列{a(i)}、{b(i)}は図4に示す受光素子列CとDの出力の並びである。
こうして得られた第1信号列{a(i)}と第2信号列{b(i)}に基づいて、公知の方法により像ズレ演算を行い、デフォーカス量を算出する。2つの信号列{a(i)}、{b(i)}からデフォーカス量を算出する方法はよく知られており、まず第1信号列{a(i)}と第2信号列{b(i)}(i=1,2,3,・・・)から対応する一対の像の相関量C(N)を求める。
C(N)=Σ|a(i)−b(j)| ・・・(1)
(1)式において、シフト数NはN=j−iであり、Σはi=pL〜qLの総和演算を表す。
(1)式により離散的に求められた相関量C(N)から次のようにしてシフト量を求める。ここで、相関量C(N)の中でシフト量N=N0のときに極小値を与える相関量をC0とし、シフト量(N0−1)における相関量をCr、シフト量(N0+1)における相関量をCfとする。相関量Cr、C0、Cfの並びから精密なシフト量Naを求める。
DL=0.5・(Cr−Cf) ・・・(2),
E=MAX{Cf−C0、Cr−C0) ・・・(3),
Na=N0+DL/E ・・・(4)
次に、シフト量Naに、焦点検出面の位置に応じた補正量(定数CONST)を加え、焦点検出面上での像ズレ量Δn=Na+CONSTを算出する。さらに、像ズレ量Δnに検出開角に依存した定数Kfを乗じ、デフォーカス量Dfを算出する。
Df=Kf・Δn ・・・(5)
上述した焦点検出手順によって、撮影画面内の所望の焦点検出領域に対応する画素列から出力される信号列を用い、その焦点検出領域にある被写体像に対する焦点検出を行うことができる。
この一実施の形態では、上述した焦点検出手順の内、各焦点検出領域における電荷蓄積動作を次のようにして行う。すなわち、予め設定した長、中、短の3種類の蓄積時間で順次受光素子アレイ53上のすべての焦点検出領域の電荷蓄積動作を行い、その都度、必要な焦点検出領域で焦点検出演算を行って演算結果をメモリに記憶する。なお、以下ではこの動作を“順次蓄積”動作という。
一実施の形態の焦点検出演算では、従来周知の方法により焦点検出結果の信頼性判定を行う。蓄積時間が被写体光の強さに対して短すぎたり長すぎたりした場合は、演算過程で信号列の相関が良好にとれないので、これにより信頼性なしと判定される。この信頼性判定結果を焦点検出結果の一部としてメモリに記憶する。
それぞれ必要な焦点検出領域において、上述した長、中、短の3種類の電荷蓄積時間で得られた焦点検出結果の中で十分に信頼性があると判定された焦点検出結果を採用することによって、明るさの差が大きい被写体が混在する画面に対しても多数の焦点検出領域それぞれにおいて信頼性のある焦点検出結果を得ることができる。
この一実施の形態のカメラでは、「焦点検出領域自動選択モード」または「焦点検出領域手動選択モード」を撮影者が操作部材を操作して選択することができる。焦点検出領域自動選択モードが設定されると、制御装置16は、上述した3種類の電荷蓄積時間による順次蓄積動作を行う。焦点検出領域自動選択モードは、撮影画面の全体または広域から焦点を合わせるべき対象、すなわち主要被写体をカメラが自動的に推定して焦点を合わせるモードである。主要被写体を推定する際に、各焦点検出領域の焦点検出結果を用いる。例えば最至近の被写体を主要被写体とみなすなど、種々のアルゴリズムが周知である。もちろん測光センサーのデータや撮像画像からの特徴点抽出結果など、焦点検出以外の検出結果も考慮することができる。
図3に示す受光素子アレイ53では、説明の便宜上小数の画素しか図示していないが、実際は多数の画素を配列しており、したがって、一実施の形態の焦点検出装置は従来に比べて桁違いに多くの焦点検出領域を設定することができる。それらの中から、主要被写体が存在すると推定される焦点検出領域おいて焦点検出演算を行う。
予め設定した3種類の電荷蓄積時間は、製造出荷時に不揮発性メモリに記憶させる。もちろん、電荷蓄積時間の種類はこの一実施の形態の3種類に限定されず、2種類あるいは4種類以上あってもよい。例えば、分割測光センサーを設置し、レリーズボタンが半押しされたときに、測光センサーの出力を入力し、分割された測光領域ごとの測光センサーの出力分布がすべて第1の所定値より明るい場合は、長、中、短の3種類の蓄積時間の中から「長」を除外し、「中」と「短」の2種類の蓄積時間、あるいは「中」と「短」の中間の蓄積時間を新たに加えた3種類の電荷蓄積時間により蓄積動作を実行する。また、分割された測光領域ごとの測光センサーの出力分布がすべて第2の所定値より暗い場合は、長、中、短の3種類の蓄積時間の中から「短」を除外し、「長」と「中」の2種類の蓄積時間、あるいは「長」と「中」の中間の蓄積時間を新たに加えた3種類の電荷蓄積時間により蓄積動作を実行する。
なお、何種類かの電荷蓄積時間のセットを複数セット設定して製造時にメモリに記録し、カメラの電源オンから焦点検出動作が起動されるまでの間の焦点検出装置の受光素子アレイ53、測光センサー、撮像素子14などの出力に基づいて、所定のアルゴリズムにしたがっていずれかの蓄積時間セットを選択するようにしてもよい。
一方、焦点検出領域手動選択モードが設定されたときは、制御装置16は、手動で選択された焦点検出領域に対応するイメージセンサー上の画素列出力に応じて、その部分の輝度分布が良好に検出できるように蓄積時間を制御する。
図7および図8は、一実施の形態の焦点検出動作を示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。シャッターボタン(不図示)が半押しされると、制御装置16は図7および図8に示す焦点検出動作を開始する。ステップ1において焦点検出領域選択モードの設定状態をチェックする。ステップ2で焦点検出領域自動選択モードが設定されているか否かを判別し、自動選択モードが設定されているときはステップ3へ進み、手動選択モードが設定されているときはステップ21へ進む。
焦点検出領域自動選択モードが設定されているときは、ステップ3において、上述したように予めメモリ(不図示)に記憶されている電荷蓄積時間のセットの中から測光センサーの出力に応じていずれかのセットを選択し、設定する。なお、この一実施の形態では長、中、短の3種類の電荷蓄積時間が複数セット記憶されているとする。ステップ4で蓄積時間セットの中の1番目の蓄積時間で受光素子アレイ53の電荷蓄積を行い、続くステップ5では受光素子アレイ53上のすべての焦点検出領域に対応する画素列出力に基づいて上述した焦点検出演算と信頼性判定を行い、焦点検出結果と信頼性判定結果をバッファーメモリに記憶する。
次に、ステップ6で蓄積時間セットの中の2番目の蓄積時間で受光素子アレイ53の電荷蓄積を行い、続くステップ7では受光素子アレイ53上のすべての焦点検出領域に対応する画素列出力に基づいて上述した焦点検出演算と信頼性判定を行い、焦点検出結果と信頼性判定結果をバッファーメモリに記憶する。さらに、ステップ8で蓄積時間セットの中の3番目の蓄積時間で受光素子アレイ53の電荷蓄積を行い、続くステップ9では受光素子アレイ53上のすべての焦点検出領域に対応する画素列出力に基づいて上述した焦点検出演算と信頼性判定を行い、焦点検出結果と信頼性判定結果をバッファーメモリに記憶する。
図8のステップ10において、バッファーメモリからすべての焦点検出領域の焦点検出結果を読み出し、それらに基づいて上述したように主要被写体が存在すると推定される焦点検出領域を選択する。ステップ11では、選択領域において撮影レンズ21が合焦状態にあるか否かを判別し、合焦していれば焦点検出動作を終了する。選択した焦点検出領域において撮影レンズ21が合焦状態にない場合にはステップ12へ進み、選択領域の焦点検出結果に基づいて撮影レンズ21を駆動し、焦点調節を行う。
ステップ13でレンズ駆動量が所定値以下か否かを判別する。レンズ駆動量が所定値より大きい場合は、レンズ駆動前は焦点調節状態が“大ボケ”の状態にあったとみなし、ステップ4へ戻って焦点検出領域の自動選択処理からやり直す。一方、レンズ駆動量が所定値以下の場合はステップ14へ進み、選択した焦点検出領域の中で信頼性が最も高い検出結果をもたらした電荷蓄積時間で蓄積動作をやり直す。ステップ15で選択焦点検出領域に対応する画素列出力に基づいて焦点検出演算を行い、続くステップ16で選択領域において合焦しているか否かを判別する。合焦している場合はこの焦点検出動作を終了し、合焦していない場合はステップ12へ戻って上述した処理を繰り返す。
一方、焦点検出領域手動選択モードが設定されているときは、ステップ21で、電荷蓄積時間に初期値を設定する。続くステップ22で、決定された蓄積時間により電荷蓄積制御を行う。ステップ23で手動選択領域において焦点検出を行い、続くステップ24で合焦しているか否かを判別する。合焦している場合はこの焦点検出動作を終了する。合焦していない場合はステップ25へ進み、手動選択領域の焦点検出結果に基づいて撮影レンズ21のレンズ駆動を行う。ステップ26では手動選択領域の被写体像信号出力の大きさに応じて電荷蓄積時間を決定し、ステップ22へ戻って上述した処理を繰り返す。
《発明の他の実施の形態》
図9は、他の実施の形態の焦点検出装置を備えた動画兼用カメラ(撮像装置)の構成を示す横断面図である。この実施の形態のカメラではカメラボディ211にレンズ鏡筒212が装着される。レンズ鏡筒212は各種の撮影レンズ213を有するレンズ鏡筒に交換可能である。
撮影レンズ213を透過した被写体からの光は半透過性ペリクルミラー214により分岐される。半透過性ペリクルミラー214による反射光は光学的ローパスフィルターおよび赤外線カットフィルター216を介して撮像素子217へ導かれ、その受光面に被写体像が結像される。このカメラにはファインダーが設けられず、撮像素子217により撮像した画像をカメラ背面のLCDモニター218に表示する。一方、半透過性ペリクルミラー214を透過した被写体からの光は焦点検出装置215へ導かれ、焦点検出装置215により撮影レンズ213の焦点検出が行われる。
シャッターボタンのレリーズ操作が行われると、撮像素子217により静止画または動画を撮影しながら、焦点検出装置215により焦点検出が行われる。焦点検出装置215は、上述した一実施の形態の焦点検出装置15と同様な構成であるが、マイクロレンズアレイ52のレンズ数を増やして画面を広げ、撮影画面のほぼ全域をカバーしている。この焦点検出装置215では、上述した一実施の形態と同様に、複数の電荷蓄積時間を有し、それぞれの蓄積時間で電荷蓄積を行ってはその都度、焦点検出演算と信頼性判定を行う(順次蓄積動作)。そして、焦点検出結果と信頼性判定結果に基づいて主要被写体が存在する焦点検出領域を推定する。
複数の電荷蓄積時間は、製造時に設定し不揮発性メモリに記憶させている。複数種類の電荷蓄積時間のセットを複数設定し、カメラの電源オンからレリーズされるまでの間の焦点検出装置215の受光素子アレイ、測光センサー、撮像素子217などの出力に基づいて、所定のプログラムによりいずれかの電荷蓄積時間セットを選択するようにしてもよい。
《発明の実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態のカメラにおいて、予め記憶させておいた複数種類の電荷蓄積時間の複数のセットの中からいずれかを選択する際に、静止画連写と動画撮影時に最初の所定駒撮影の間に取得した撮像素子や焦点検出装置の受光素子アレイの出力に基づいていずれかの蓄積時間セットを選択し、以後の駒の撮影に適用するようにしてもよい。
また、上述した一実施の形態のカメラでは、焦点検出領域自動選択モード設定時に、多数の焦点検出領域の焦点検出結果を主要被写体に撮影レンズの焦点を合わせるために用いたが、他の用途に用いてもよい。例えば、一眼レフカメラにおいて公知のスーパーインポーズ技術によりファインダー内に選択領域を表示するようにしてもよい。さらに、焦点調節の結果、合焦した焦点検出領域の表示色もしくは表示形態を他の領域と異なるように表示してもよい。例えば、焦点検出領域として選択されたときは領域を表す枠線を一瞬だけ表示し、合焦したときはそれより長い時間、枠線を表示する。
静止画連写と動画撮影の場合に、撮影後、「ピントが合っている」などの特定の条件に当てはまる部分、または駒を抽出利用するために、付属情報を連写記録および動画記録に付加して記録することが知られている。この応用として、その駒ごとにあるいは所定の時間ごとに、どこの焦点検出領域が選択されたか、およびまたは、どこの焦点検出領域に焦点があっているかを、付加情報として記録し、後の抽出処理に利用してもよい。
上述した一実施の形態とその変形例では、焦点検出領域自動選択モード設定時に、受光素子アレイを複数の電荷蓄積時間で順次蓄積動作する例を示した。これに対し、焦点検出領域の表示に関するモード設定の違いに応じて上述した順次蓄積動作を行うか、被写体輝度に合わせて蓄積時間を調整する動作を行うかを切り換えるようにしてもよい。一眼レフカメラにおいて、スーパーインポーズ技術を用いてファインダー内に焦点検出領域を表示する際に、主要被写体が存在するとして選択された焦点検出領域に対してのみ焦点が合ったことを表示する第1表示モードと、焦点調節を行った結果、焦点が合った焦点検出領域をすべて表示する第2表示モードとを、操作部材により撮影者が予め選択可能とする。制御装置は、第2表示モードが選択された場合は、すべての焦点検出領域において焦点検出を行う必要があるため、上述した一実施の形態とその変形例で行った複数の電荷蓄積時間による蓄積動作、すなわち順次蓄積動作を行う。一方、第1表示モードが選択された場合は、選択された焦点検出領域に対応するイメージセンサー上の画素列出力に応じて、その領域の輝度分布が良好に検出できるように電荷蓄積時間を制御する。
なお、上述した実施の形態とそれらの変形例において、実施の形態どうし、または実施の形態と変形例とのあらゆる組み合わせが可能である。
上述した実施の形態とその変形例によれば、焦点検出を行う焦点検出領域が多数あっても、それらの焦点検出領域で短時間で焦点検出を行うことができる。
一実施の形態の焦点検出装置を備えたカメラ(撮像装置)の横断面図 一実施の形態の焦点検出光学系の構成を示す図 マイクロレンズアレイと受光素子アレイの拡大図 一実施の形態の焦点検出方法を説明するための図 一実施の形態の他の焦点検出方法を説明するための図 一実施の形態の焦点検出装置の詳細な構成を示すブロック図 一実施の形態の焦点検出動作を示すフローチャート 図7に続く、一実施の形態の焦点検出動作を示すフローチャート 他の実施の形態の焦点検出装置を備えた動画兼用カメラ(撮像装置)の構成を示す横断面
符号の説明
1、211;カメラボディ、2、212;レンズ鏡筒、14、217;撮像素子、15、215;焦点検出装置、16;制御装置、21、213;撮影レンズ、52;マイクロレンズアレイ、53;受光素子アレイ、55;メモリ、56;マイクロコンピューター、56a;合成信号列作成部、56b;像ずれ演算部、56c;デフォーカス量算出部

Claims (8)

  1. 複数のマイクロレンズを二次元状に配列したマイクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイに対して複数の電荷蓄積型光電変換素子を二次元状に配列した受光素子アレイとを有し、光学系を透過した光を前記マイクロレンズアレイを介して前記受光素子アレイにより受光して得られる信号を出力する受光手段と、
    前記光学系による像面内に設定された複数の焦点検出領域の少なくとも1つに対応する前記光電変換素子列の出力に基づいて前記光学系の焦点検出を行う焦点検出手段と、
    前記複数の焦点検出領域の内の第1の焦点検出領域に対して前記焦点検出を行う場合は、複数種類の異なる電荷蓄積時間で順次、前記受光素子アレイを蓄積制御する制御手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
  2. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記制御手段は、前記複数の焦点検出領域の内の前記第1の焦点検出領域よりも数が少ない第2の焦点検出領域で焦点検出を行う場合は、前記第2の焦点検出領域に対応する前記光電変換素子列の出力の大きさに応じた電荷蓄積時間で前記受光素子アレイを蓄積制御し、前記焦点検出手段により前記第2の焦点検出領域に対する焦点検出を行うことを特徴とする焦点検出装置。
  3. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記制御手段は、前記第1の焦点検出領域に対して前記焦点検出を行う場合は、前記第2の焦点検出領域のそれぞれに対する焦点検出結果に基づいて、前記第1の焦点検出領域の内の少なくとも1つを選択することを特徴とする焦点検出装置。
  4. 請求項3に記載の焦点検出装置において、
    前記制御手段は、前記第2の焦点検出領域に対して前記焦点検出を行う場合は、前記第2の焦点検出領域の中から少なくとも1つの焦点検出領域を手動で選択可能とすることを特徴とする焦点検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の焦点検出装置において、
    前記光を測光する測光手段を備え、
    前記制御手段は、前記測光手段による測光結果に基づいて前記複数種類の電荷蓄積時間を決定することを特徴とする焦点検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の焦点検出装置と、
    前記光学系による像を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項6に記載の撮像装置において、
    前記撮像手段は前記像を連続的に撮像可能であり、
    前記制御手段は、前記像を連続的に撮像する際に、撮像開始から所定期間は前記複数種類の電荷蓄積時間によって前記受光素子アレイを蓄積制御し、前記複数種類の電荷蓄積時間に基づいてその後の撮像時の前記受光素子アレイの電荷蓄積制御を行うことを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の撮像装置において、
    前記焦点検出装置による焦点検出結果に基づいて前記光学系の焦点調節を行う焦点調節手段を備えることを特徴とする撮像装置。
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