JP2010122208A - ゲル充填配列体の製造方法およびバイオチップの製造方法 - Google Patents

ゲル充填配列体の製造方法およびバイオチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体を得る方法として、ゲルに空洞が形成されることを低減できる歩留に優れた製造方法、および歩留に優れたバイオチップの製造方法を目的とする。
【解決手段】複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体の製造方法であって、複数のキャピラリをそれらの長手方向が一致するように集束して固定する工程と、各キャピラリの一端から該キャピラリ中に、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液を充填する工程と、ゲル前駆体溶液を充填した各キャピラリの少なくとも一端を開放した状態で、該ゲル前駆体溶液を重合してゲルを形成する工程とを含むゲル充填配列体の製造方法。また、該ゲル充填配列体を用いたバイオチップの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル充填配列体の製造方法およびバイオチップの製造方法に関する。
バイオチップの製造方法としては、中空繊維等のキャピラリ(毛細管)を束ねてウレタン樹脂で固定し、それら各キャピラリの中空部に、生体関連物質(キャプチャープローブ)を含むゲル状物質(以下、「ゲル」という。)を充填した後、それらをキャピラリの長手方向と交叉する方向に切断することで薄片化してチップを得る方法が知られている。このような方法におけるゲルの充填は、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液をキャピラリ中に充填した後、該ゲル前駆体溶液を重合することにより行われる。
特許文献1には、そのような重合工程として、以下に示す工程が示されている。
一端を密封した中空繊維の開放端側を、減圧雰囲気の系内でゲル前駆体溶液に浸漬し、次いで該系内に気体を封入して該系内を減圧雰囲気から常圧以上の加圧雰囲気とすることにより、前記中空繊維の中空部に前記ゲル前駆体溶液を充填する。その後、充填されたゲル前駆体溶液を加熱することにより中空繊維の中空部内でゲル化させる。
この際、前記中空繊維の開放端側から該中空繊維内に気体が混入して気泡が形成されることを抑制するために、該開放端側をゲル前駆体溶液に浸漬したまま重合が行われている。
また、ゲルに空洞が形成される原因として、中空繊維内のゲル前駆体溶液から、該中空繊維を経て、該中空繊維を固定するウレタン樹脂へと水分が移行して蒸発してしまうことが挙げられる。そこで、特許文献2には、ゲル前駆体溶液の充填前に予め中空繊維内に水を充填して該水で中空繊維配列体を飽和させ、水を排出した後に、ゲル前駆体溶液を充填して重合する方法が示されている。
特開2004−163211号公報 特開2005−37303号公報
特許文献2の方法によれば、得られたゲル内に空洞が形成されることが抑制され、歩留が向上する。しかしながら、この方法を用いても歩留は40〜60%程度であるため、さらなる歩留の向上が望まれている。
そこで本発明は、複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体を得る方法として、前記ゲルに空洞が形成されることを低減できる歩留に優れた製造方法を目的とする。
また、本発明は、歩留に優れたバイオチップの製造方法を提供する。
本発明のゲル充填配列体の製造方法は、複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体の製造方法であって、複数のキャピラリをそれらの長手方向が一致するように集束して固定する工程(1)と、各キャピラリの一端から該キャピラリ中に、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液を充填する工程(2)と、ゲル前駆体溶液を充填した各キャピラリの少なくとも一端を開放した状態で、該ゲル前駆体溶液を重合してゲルを形成する工程(3)とを含むことを特徴とする方法である。
また、本発明のゲル充填配列体の製造方法は、前記工程(2)において、減圧雰囲気下で前記各キャピラリの前記一端を前記ゲル前駆体溶液に浸漬した後、常圧に戻して該ゲル前駆体溶液を前記各キャピラリ中に充填することが好ましい。
本発明の製造方法は、複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体を得る方法であって、重合により得られるゲルに空洞が形成されることを飛躍的に低減できる。そのため、ゲル充填配列体の製造における歩留に優れている。
また、本発明は、歩留に優れたバイオチップの製造方法を提供することができる。
本発明におけるキャピラリ配列体の一実施形態例を模式的に示した斜視図である。 本発明のゲル充填配列体を薄片化してバイオチップを得る様子を示した概念図である。 本発明の製造方法に用いることのできる重合装置を用いて、キャピラリ配列体にゲル前駆体溶液を充填する様子を示した模式図である。 図3の重合装置において、キャピラリの一端を開放した状態で重合する様子を示した模式図である。 実施例における薄片体の評価結果を示した図である。(A)実施例1、(B)実施例2。 比較例における薄片体の評価結果を示した図である。(A)比較例1、(B)比較例2。
<ゲル充填配列体の製造方法>
本発明のゲル充填配列体の製造方法は、複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする方法である。
工程(1):複数のキャピラリをそれらの長手方向が一致するように集束して固定する工程。
工程(2):各キャピラリの一端から該キャピラリ中に、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液を充填する工程。
工程(3):ゲル前駆体溶液を充填した各キャピラリの少なくとも一端を開放した状態で、該ゲル前駆体溶液を重合してゲルを形成する工程。
本発明におけるゲル充填配列体は、複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体を有しており、該キャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されている。図1は、キャピラリ配列体の実施形態の一例を示す斜視図である。以下、本発明の製造方法の実施形態の一例として、図1に例示したキャピラリ配列体10を用いる方法について説明する。
(キャピラリ配列体)
キャピラリ配列体10は、図1に示すように、複数のキャピラリ12が、それらの長手方向が一致するように束ねられており、それらのキャピラリ12が樹脂固定部14により固定されている。
キャピラリ12は、中空部を有する管状の形態であれば、ガラス管、ステンレス管、中空繊維、パルプ等いずれの形態であってもよい。加工性、取り扱いの容易さを考慮すると中空繊維を使用することが好ましい。中空繊維としては、特に限定されず、例えば合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。また、中空繊維は、多孔質管状体、非多孔質管状体のいずれでもよいが、ゲル前駆体溶液の中空繊維外への拡散や、ゲル組成物の乾燥を抑制する点から、非多孔質管状体であることが好ましい。
キャピラリ12の材質は特に限定はなく、シリカ、ガラス等の無機材料や、以下に示す有機材料等が挙げられる。
有機材料としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート等のポリエステル系材料、ポリアクリロニトリル等のアクリル系材料、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系材料、ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリレート系材料、ポリビニルアルコール系材料、ポリ塩化ビニリデン系材料、ポリ塩化ビニル系材料、ポリウレタン系材料、フェノール系材料、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系材料、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系材料等が挙げられる。また、キャピラリ12にはカーボンブラック等の黒色顔料が含有されていてもよい。
キャピラリ12の内径は特に限定されず、1mm以下であることが好ましく、10〜800μmであることが好ましい。キャピラリ12の数についても特に限定されず、10〜2000本であることが好ましい。
キャピラリ12を束ねる形態は特に限定されないが、キャピラリ12の軸に直行する断面が正方形または長方形(図1参照)となるように、各キャピラリ12が規則的に配列されていることが好ましい。「規則的に」とは、一定の大きさの中に含まれるキャピラリ12の本数が一定となるよう順序よく配列させることをいう。
樹脂固定部14は、キャピラリ12を固定するものであり、接着剤により形成される。
接着剤としては、例えば、ニッポラン4276、コロネート4403(登録商標、日本ポリウレタン工業(株)製)等のポリウレタン樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤等が挙げられる。
樹脂固定部14は、キャピラリ12の長手方向の全長にわたって形成されていてもよく、所定部分に形成されていてもよい。所定部分に形成する形態としては、例えば、図1に示すように、キャピラリ12の端部から適当な長さの部分を固定しないように、長手方向の中央部分に形成する形態等が挙げられる。
(製造方法)
工程(1)では、複数のキャピラリ12を、それらの長手方向が一致するように集束して固定する。これによりキャピラリ配列体10が得られる。
複数のキャピラリ12を集束する方法としては、例えば、複数本のキャピラリ12を1列に束ねて1層のシートとなるように固定し、該シートをさらに複数層に積層して固定することで、所望の本数のキャピラリ12からなるキャピラリ配列体とする方法が挙げられる。前記シートを形成するキャピラリ12の本数、および該シートの積層枚数は特に限定されない。
樹脂固定部14の形成は、集束させたキャピラリ12の樹脂固定部14を形成する部分を外枠治具により囲った後、該外枠治具の中に前記接着剤を注入して硬化させる方法等が挙げられる。
また、キャピラリ配列体は、粘着シート等のシート状物上に、複数本のキャピラリを所定の間隔を開けて平行に配置してシート状とした後、そのシート状物を螺旋状に巻き取る方法(特開平11−108928号公報参照)により得られる配列体であってもよい。
また、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を、それらの孔が一致するように重ねあわせ、それら各孔にキャピラリを通過させた後、2枚の多孔板の間隔を開き、2枚の多孔板間のキャピラリ周辺に硬化性樹脂原料を充満させ硬化させる方法(特開2001−133453号公報参照)により得られる配列体であってもよい。
また、隣接するキャピラリの外表面を相互に融着することによって得られる配列体であってもよい。
キャピラリ配列体10の各キャピラリ12へのゲル前駆体溶液の充填は、キャピラリ12の一端12a(図1)から行う。キャピラリ配列体10は、後述する工程(2)におけるゲル前駆体溶液の充填の作業性の観点から、キャピラリ12の他端12bを封止していることが好ましい。他端12bの封止には、樹脂固定部14の形成に用いる接着剤と同じ接着剤を使用することができる。
また、キャピラリ配列体10は、ゲル前駆体溶液の充填を行う前に、脱酸素剤と共に脱酸素パックに封入した状態で10日以上保管しておくことが好ましい。これにより、後述する工程(3)においてゲル前駆体溶液の重合阻害因子となる酸素を低減することができる。
工程(2)では、各キャピラリ中に、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液を充填する。
ゲル前駆体溶液とは、架橋構造を形成してゲル化をもたらす化学物質を含む溶液をいう。例えば、単量体、多官能性単量体、重合開始剤、および水等を含む溶液である。また、アガロース、アルギン酸ナトリウム等の多糖類、ゼラチン等のタンパク質等を用いることもできる。
単量体としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アクリロイルアミノプロパノール、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸およびアリルデキストリン等が挙げられる。
多官能性単量体としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ゲル前駆体溶液中の単量体成分の濃度は単量体の種類にもよるが、例えばアクリルアミド系単量体の場合、単量体と多官能性単量体の合計を100質量%としたとき、2〜20質量%程度であることが好ましい。
また、ゲル前駆体溶液には生体関連物質(キャプチャープローブ)を含有させてもよい。生体関連物質は、検出または測定の対象となる物質(検体)を捕獲する物質である。
生体関連物質としては、核酸(DNA、RNA等)、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、糖、脂質、抗体、さらには化学結合、物理結合等の相互作用により対象の生体関連物質を検出しうる有機化合物、無機化合物等が挙げられる。これらは、生細胞からの抽出、化学合成等により調製したものであってもよく、市販品であってもよい。
例えば、生細胞からのDNAの抽出は、Blinらの方法(Nucleic Acids Res.,3,2303(1976))等を用いることができる。また、生細胞からのRNAの抽出は、Favaloroらの方法(Methods.Enzymol.,65,718(1980))等を用いることができる。
これらの生体関連物質は、公知の方法によりゲルに固定することができる。例えば、ゲル前駆体溶液に前記単量体および多官能性単量体を用いる場合、生体関連物質に不飽和官能基を導入しておくことで、共重合反応により生体関連物質をゲルに固定することができる。また、ゲル前駆体溶液にアガロースを用いる場合は、アビジン−ビオチンの特異的結合を利用することにより生体関連物質を固定することができる。
不飽和官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリルアミド基、メタクリル基等が挙げられる。不飽和官能基は、生体関連物質の機能を損なわない限り、そのいずれの部位に導入されていてもよい。例えば、生体関連物質が核酸の場合、不飽和官能基は核酸の末端、鎖中のいずれに導入されていてもよい。ただし、生体関連物質と検体とのハイブリダイゼーション効率がより向上する点から、核酸の末端に導入されていることが好ましい。
不飽和官能基は、国際公開第02/062817号パンフレットに記載の方法等により導入することができる。
ゲル前駆体溶液中の生体関連物質の含有量は、目的、用途に応じて調整することができる。例えば、生体関連物質を共重合によりゲルに固定する場合の生体関連物質の共重合率は、単量体、多官能性単量体および生体関連物質の合計(100mol%)に対して、10〜100000μmol%であることが好ましく、100〜100000μmol%であることがより好ましい。
生体関連物質の共重合率が10μmol%以上であれば、得られるゲル充填配列体を用いた検出、測定の効率および精度がより向上する。また、生体関連物質の共重合率が10000μmol%以下であれば、ゲル内での検体の拡散性がより向上する。
キャピラリ配列体10の各キャピラリ12中にゲル前駆体溶液を充填する方法としては、図3に例示した重合装置30を用いる方法が挙げられる。
重合装置30は、図3に示すように、真空容器32と、真空容器32内でキャピラリ配列体10を保持する支持手段34と、キャピラリ配列体10の各キャピラリ12に対応するウエルを有するウエルプレート50を昇降させる昇降台36と、各キャピラリ12の位置をウエルプレート50の各ウエルに対応するように位置決めする位置決め手段38と、真空容器32内を減圧する真空ポンプ40とを有している。また、重合装置30は、真空容器32内を加熱する加熱手段(図示せず)を有している。
真空容器32は、容器内を所望の圧力に調整できるような密閉容器であれば特に限定されず、加熱手段を有する真空乾燥機等を用いることができる。
支持手段34は、キャピラリ配列体10を安定に保持できるものであればよく、例えば、キャピラリ配列体10の樹脂固定部14を保持するもの等が挙げられる。
昇降台36は、その上に載置したウエルプレート50を所望の距離だけ昇降させることができるものであれば特に限定されず、空気圧または油圧により昇降させることができるものが好ましい。
位置決め手段38は、各キャピラリ12の一端12a(ウエルプレート50側の先端)を、ウエルプレート50の各ウエルに対応するように位置決めできるものであればよく、支持手段34に連結され、各キャピラリ12を一定の間隔を開けて固定することができるプレート等が使用できる。
ウエルプレート50は、キャピラリ配列体10のキャピラリ12の本数以上のウエルを有するウエルプレート等を用いることができる。
キャピラリ配列体10は、工程(2)において各キャピラリ12にゲル前駆体溶液を充填する前に、吸水検査を行っておくことが好ましい。吸水検査とは、キャピラリ配列体10の各キャピラリ12中に水を充填することで、キャピラリ12に中空部内の詰まり等の不具合がないかを評価する検査である。
また、各キャピラリ12にゲル前駆体溶液を充填する前には、各キャピラリ12を水で飽和させておくことが好ましい。水で飽和するとは、キャピラリ12の材料が持っている細孔を水で予め埋めておくことである。これにより、キャピラリ12中に充填したゲル前駆体溶液からキャピラリ12を介して樹脂固定部14へと水分が移動して蒸発することを抑制できるため、得られるゲルに空洞が形成されることを低減することが容易になる。
各キャピラリ12を水で飽和させる方法としては、例えば、キャピラリ12の中空部内に水を充填した状態で保存する方法、キャピラリ配列体10を水中に浸漬して保存する方法、水蒸気で満たされた密閉系中にキャピラリ配列体10を保存する方法等が挙げられる。以下、重合装置30により、キャピラリ12の中空部内に水を充填した状態で保存する方法について説明する。尚、吸水検査における水の充填についても下記の方法を用いることができる。
まず、他端12bを封止したキャピラリ配列体10を、ゲル前駆体溶液を充填する一端12aが下方になるように重合装置30の支持手段34で支持し、位置決め手段38により各キャピラリ12の一端12aの位置を位置決めする。また、昇降台36上には、各キャピラリ12に対応するウエルに水が分注されたウエルプレート50を載置する。
次に、真空ポンプ40により真空容器32内を減圧し、減圧雰囲気下で昇降台36を上昇させ、各キャピラリ12の一端12aを、ウエルプレート50の各ウエルに分注された水中に浸漬する。ここで、減圧の前には真空容器32内を窒素置換しておくことが好ましい。窒素置換を行っておくことにより、工程(3)においてゲル前駆体溶液の重合阻害因子となる酸素を低減することができる。
その後、真空容器32内を常圧に戻す。これにより、ウエルの水により遮られたキャピラリ12の中空部内と真空容器32内との間に圧力差が生じるため、ウエル内の水がキャピラリ12の中空部内に吸い上げられる。
常圧に戻す方法は、真空容器32内に窒素ガス等の気体を流入させる方法であってもよく、真空容器32に設置された扉を開く方法であってもよく、真空容器32に常圧に戻すためのリーク弁を設けておき、該リーク弁を開く方法であってもよい。
水充填時において真空ポンプ40により減圧された真空容器32内の圧力は、2〜20KPaであることが好ましく、4KPa程度であることがより好ましい。前記圧力が2KPa以上であれば、水が蒸発する影響を小さく抑えやすい。また、前記圧力が20KPa以下であれば、常圧に戻した際に水がキャピラリ12中に充分に充填されやすい。
キャピラリ配列体10の水による飽和は、このようにキャピラリ12中に水を充填した状態で保存することにより行うことができる。放置時間はキャピラリ配列体10が充分に水で飽和される時間であればよく、一晩程度の保存が挙げられる。
水による飽和の終了後、再び真空ポンプ40により真空容器32内を減圧することにより、キャピラリ12中に充填されていた水をウエルプレート50の各ウエルへと排出し、昇降台36を降下させてウエルプレート50を取り出す。
次に、キャピラリ12中にゲル前駆体溶液を充填する。
まず、各キャピラリ12に対応するウエルにゲル前駆体溶液が分注されたウエルプレート50を昇降台36上に載置する。そして、真空ポンプ40により真空容器32内を減圧した後、昇降台36を上昇させ、各キャピラリ12の一端12aをウエルプレート50の各ウエル内のゲル前駆体溶液中に浸漬する(図3)。真空ポンプ40により減圧する前には、水充填時と同様に、窒素置換を行っておくことが好ましい。窒素置換を行っておくことにより、工程(3)においてゲル前駆体溶液の重合阻害因子となる酸素を低減することができる。
その後、真空容器32を常圧に戻す。これにより、ウエルのゲル前駆体溶液により遮られたキャピラリ12の中空部内と真空容器32内との間に圧力差が生じるため、ウエル内のゲル前駆体溶液がキャピラリ12の中空部内に吸い上げられる。
真空容器32内を常圧に戻す方法は、水充填時と同様に、真空容器32内に窒素ガス等の気体を流入させる方法であってもよく、真空容器32に設置された扉を開く方法であってもよく、真空容器32に常圧に戻すためのリーク弁を設けておき、該リーク弁を開く方法であってもよい。
ゲル前駆体溶液の充填時において真空ポンプ40により減圧された真空容器32内の圧力は、2〜20KPaであることが好ましく、4KPa程度であることがより好ましい。前記圧力が2KPa以上であれば、ゲル前駆体溶液中の水が蒸発する影響を小さく抑えやすい。また、前記圧力が20KPa以下であれば、常圧に戻した際にゲル前駆体溶液がキャピラリ12中に充分に充填されやすい。
ゲル前駆体溶液の充填では、各キャピラリ12の一端12aをウエルプレート50の各ウエル内のゲル前駆体溶液中に浸漬した後に、常圧以上の加圧雰囲気にしてもよい。
また、ゲル前駆体溶液の充填は、常圧下で各キャピラリ12の一端12aをウエルのゲル前駆体溶液に浸漬した後に、真空容器32内を加圧することにより行ってもよい。
工程(3)では、ゲル前駆体溶液を充填した各キャピラリ12の少なくとも一端を開放した状態で、該ゲル前駆体溶液を重合してゲルを形成する。本発明の製造方法では、工程(3)において各キャピラリ12の少なくとも一端を開放した状態で重合を行うことを特徴としており、これにより、キャピラリ12中のゲルに空洞が形成されることを飛躍的に低減することができる。工程(3)における各キャピラリ12は、片端のみを開放してもよく、両端を開放してもよいが、両端を開放することが好ましい。
具体的には、工程(2)でゲル前駆体溶液をキャピラリ12中に充填した後、昇降台36を降下させ、各キャピラリ12の一端12aをウエルプレート50の各ウエル内のゲル前駆体溶液から離す(図4)。そして、それらキャピラリ12の少なくとも一端12aを開放した状態のまま、真空容器32内を加熱して重合を行う。他端12bを封止しているときにキャピラリ12の両端を開放する場合は、他端12b側の封止した部分を切り離して開放すればよい。
本発明では、工程(2)において、各キャピラリ12の他端12bを封止した状態でゲル前駆体溶液の充填を行い、工程(3)において、各キャピラリ12の他端12b側の封止部分を切り離して両端を開放した状態で重合を行うことが好ましい。
重合の温度は、ゲル前駆体溶液や重合開始剤の種類に応じて設定すればよく、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド等のアゾ系の重合開始剤を用いる場合には45℃以上であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましい。
また、ゲル前駆体溶液の重合は、真空容器32内に窒素ガスを流入させながら行うことが好ましい。真空容器32内に酸素が残っていると、ゲル前駆体溶液の重合が妨げられる場合がある。流入させる気体は、重合の妨げにならないものであれば窒素ガスに限定されない。流入させる気体としては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましく、窒素ガスがより好ましい。
本発明のゲル充填配列体の製造方法では、前述したように、工程(2)において、減圧雰囲気下で各キャピラリ12の一端12aをゲル前駆体溶液に浸漬した後、常圧に戻して該ゲル前駆体溶液を各キャピラリ12中に充填し、工程(3)における重合を常圧下で行うことが好ましい。
以上説明した工程(1)〜(3)により、キャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体を製造することができる。
本発明の製造方法により得られるゲル充填配列体は、糖鎖の分離解析、光学分割、遺伝子配列解析等に用いるキャピラリーゲル電気泳動等の用途に適用することができる。また、後述するように、ゲル充填配列体を薄片化することで、DNAマイクロアレイ等のバイオチップとして使用することもできる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、キャピラリ中のゲルに空洞が形成されることを飛躍的に低減することができる。具体的には、キャピラリの一端をゲル前駆体溶液に浸漬したまま重合する方法では歩留が40〜60%程度であるのに対し、80〜100%程度まで歩留が向上する。
この理由については定かではないが、ゲルに空洞が形成される原因としては、以下のことが考えられる。ゲル前駆体溶液の重合は、熱が伝わりやすいキャピラリ12の先端側(一端12a側)から起こる。一方、ゲル前駆体溶液の重合が進行すると体積収縮が起こる。そのため、一端12aがウエルのゲル前駆体溶液に浸漬されたままであると、重合による体積収縮によりキャピラリ12内が負圧となったとき、ウエル内(一端12a側)でのゲル化が速いためにキャピラリ12内でゲルやゲル前駆体溶液が該負圧に応じて移動することが困難である。そのため、まだ重合が進んでいないゲル前駆体溶液に溶解していた気体が気化して気泡となることで該負圧を相殺し、キャピラリ中のゲルに空洞が形成されると考えられる。
これに対し、本発明の製造方法では、一端12aを開放した状態で重合することで、キャピラリ12内が負圧となったとき、ゲルおよびまだ重合していないゲル前駆体溶液が、キャピラリ12内の負圧に応じてキャピラリ12の奥へと移動して該負圧を相殺するため、気泡の発生による空洞の形成が抑えられていると考えられる。
また、従来は、キャピラリ12の一端12aを開放した状態で重合を行うと、一端12a側からゲル前駆体溶液に気体が混入して気泡が発生することが懸念されていた。しかし、キャピラリ12の一端12aを開放した状態であっても、一端12a側からの気体の混入で気泡が発生し、ゲルに空洞が形成されることはほとんどないことが見出された。
尚、本発明のゲル充填配列体の製造方法は、前述の方法には限定されない。
例えば、重合装置30を用いずにゲル前駆体溶液を各キャピラリ12中に充填してもよい。具体的には、微細な針を有するシリンジにゲル前駆体溶液を吸引し、各キャピラリ12の中空部に該針を差し込んでゲル前駆体溶液を充填してもよい。また、キャピラリ12の他端12bを封止せず、デシケーター内でキャピラリ12の一端12aを該ゲル前駆体溶液に浸漬し、デシケーター内を減圧することによりゲル前駆体溶液を充填する方法であってもよい。
また、そのような充填方法を用いる場合には、複数のキャピラリを集束してキャピラリ配列体とした(工程(1))後に、各キャピラリ中にゲル前駆体溶液を充填(工程(2))してもよく、各キャピラリにゲル前駆体溶液を充填(工程(2))した後に、それらのキャピラリを集束して固定(工程(1))してもよい。
また、図3および図4に例示した重合装置30は、昇降台36を昇降させることで、キャピラリ12の一端12aをウエルプレート50のゲル前駆体溶液に浸漬したり、該ゲル前駆体溶液から離したりする装置であるが、昇降できる支持手段を用いてキャピラリ配列体10を昇降させる装置であってもよい。
<バイオチップの製造方法>
本発明のバイオチップの製造方法は、前述の製造方法により得られたゲル充填配列体を、キャピラリの長手方向と交叉する方向に切断する工程(以下、「工程(4)」という。)を含む方法である。
図2に、ゲル充填配列体の一例として、樹脂固定部14で固定されていないキャピラリ12部分を取り除いたゲル充填配列体20を示す。以下、本発明のバイオチップの製造方法の実施形態の一例として、ゲル充填配列体20を用いる方法について説明する。
工程(4)では、ゲル充填配列体20を、キャピラリ12の長手方向と交叉する方向、好ましくは直行する方向に切断して薄片化する。これにより、バイオチップ22(薄片体)を得ることができる。
ゲル充填配列体20の切断は、ミクロトーム、レーザー等により行うことができる。
バイオチップ22の厚みは、5mm以下であることが好ましく、50μm〜1mmであることがより好ましい。
バイオチップ22は、各キャピラリ12により区画化され、それぞれの区画にゲルが保持されている。バイオチップ22は、例えば、ゲルに固定する生体関連物質(キャプチャープローブ)としてDNAプローブを用いたDNAマイクロアレイ等、目的に応じて様々な生体関連物質が固定されたバイオチップとして使用できる。
バイオチップ22は、例えば、切り出された後に顕微鏡等により検品を行い、その後、ホルダーに収納し、保存液(6×SSC:20×SSC(Ambion製)を希釈して使用)に浸した状態でパッキングすることで、より安定に保存することができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。尚、本実施例では特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
(製造例1)ゲル前駆体溶液の製造
N,N−ジメチルアクリルアミド(3.42部)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(0.38部)、グリセリン(47.5部)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(0.1部)を、水(48.6部)に溶解してゲル前駆体溶液Iを調製した。
(実施例1)
三菱エンジニアリングプラスチック(株)製のポリカーボネートを溶融紡糸して得た長さ60cmの非多孔質中空繊維(内径180μm、外径280μm、キャピラリ12)228本を、12×19に配列させ、外枠治具で囲い、該外枠治具に2液室温硬化型ウレタン樹脂(ニッポラン4276、コロネート4403(登録商標、日本ポリウレタン工業(株)製))を注入して硬化させることで、長手方向の中央部分を2液室温硬化型ウレタン樹脂で固めて中空繊維配列体(キャピラリ配列体10)を作製した。該中空繊維配列体の228本の各中空繊維の一端(一端12a)を開放したままに維持し、他端(他端12b)を2液室温硬化型ウレタン樹脂で封止した。
さらに、中空繊維配列体の各中空繊維を、長さ35cmとなるように切り揃え、図1に示すような形状の中空繊維配列体とした。
次に、該中空繊維配列体を、真空ポンプ40に接続された真空乾燥機(真空容器32、DP43 ヤマト科学(株)製)内で中空繊維の一端(一端12a)側が下方に向かって延びるように支持手段34で支持する一方、支持手段34の下方に昇降台36を配置した。
中空繊維配列体の各中空繊維の一端(一端12a)側部分は、それら一端が、昇降台36上に載置された384ウエルプレート(384個のウエルを有するプレート、ウエルプレート50)の各ウエル(228個のウエル)に一対一で差し込まれるように配置されている。
次に、昇降台36上に、中空繊維配列体の各中空繊維に対応する228個の各ウエルに36μLのゲル前駆体溶液Iが分注されている384ウエルプレートを載置し、その状態で真空ポンプ40を作動させて真空容器32内を4KPaに減圧した。次いで、昇降台36を上昇させて、各中空繊維の一端(一端12a、開放端)を前記228個の各ウエルに分注されたゲル前駆体溶液Iに浸漬させ、この状態で真空ポンプ40を停止し、更に、真空容器32の扉を開くことにより真空容器32内を常圧に戻し、各中空繊維の中空部にウエル内のゲル前駆体溶液Iを吸引により充填させた。その後、昇降台36を降下させ、各中空繊維の一端(一端12a)をウエル内のゲル前駆体溶液Iから離して開放した状態とした。
次に、真空容器32の扉を閉め、窒素ガスを3L/minで真空容器32に流入させながら、真空容器32のヒーター電源を入れ、設定値55℃で加熱を開始し、そのまま3時間保持して重合させ、ゲル充填中空繊維配列体A(ゲル充填配列体)を得た。
重合後、真空容器32からゲル充填中空繊維配列体Aを取り出し、氷水で冷却した。その後、ミクロトーム装置により、該ゲル充填中空繊維配列体Aから厚み250μmの薄片体300枚を切り出した。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様の実験を繰り返し、再現性を見たものである。結果を図5に示す。
実施例1と同じ方法でゲル充填中空繊維配列体Bを得て、ミクロトーム装置により、該ゲル充填中空配列体Bから厚み250μmの薄片体300枚を切り出した。
(比較例1)
中空繊維配列体の各中空繊維の中空部にゲル前駆体溶液を充填した後、昇降台36を降下させず、各中空繊維の一端(一端12a)をウエル内のゲル前駆体溶液Iに浸漬したまま重合させた以外は、実施例1と同様にしてゲル充填中空繊維配列体Cを得て、ミクロトーム装置により、該ゲル充填中空配列体Cから厚み250μmの薄片体300枚を切り出した。
(比較例2)
比較例2は、比較例1と同様の実験を繰り返し、再現性を見たものである。結果を図6に示す。
比較例1と同じ方法でゲル充填中空繊維配列体Dを得て、ミクロトーム装置により、該ゲル充填中空配列体Dから厚み250μmの薄片体300枚を切り出した。
(評価方法)
実施例および比較例で得られた薄片体について、該薄片体の228箇所のゲルスポットの形状を顕微鏡(E200 キヤノン(株)製)を用いて観察し、それらゲルスポットに空洞がある薄片体の数をカウントした。
実施例1および2の薄片体についての結果を図5、比較例1および2についての結果を図6に示す。尚、図5および図6における升目中の各数値は、300枚の薄片体においてその位置のゲルスポットに空洞が確認された枚数を表している。例えば、実施例1(図5(A))では、配列位置(H,18)のゲルスポットに空洞ができた薄片体が4枚あったことを示している。
図5(A)、(B)に示すように、本発明の製造方法を用いた実施例1および2では、ゲルスポットに空洞が形成されていた薄片体の数が少なかった。
一方、図6(A)、(B)に示すように、各中空繊維の一端をゲル前駆体溶液中に浸漬したまま重合を行った比較例1および2では、ゲルスポットに空洞が形成された薄片体の数が実施例に比べて非常に多かった。
以上の結果から、中空繊維(キャピラリ)の一端から該中空繊維中にゲル前駆体溶液を充填した後に、該一端を開放した状態で重合を行うことにより、中空繊維内のゲルに空洞が形成されることを飛躍的に低減できることが確認された。
(実施例3)
実施例1と同じ製造方法で、300枚の薄片体の切り出し、得られた薄片体で1箇所でもゲルスポットに空洞があるものは不良品とし、300枚中の良品の割合を歩留%として求めた(歩留%=良品枚数/300枚×100)。また、これをさらに4回繰り返し、良品の割合を合計5回求めた。
(実施例4)
各中空繊維の一端(一端12a)をウエル内のゲル前駆体溶液Iから離して開放した状態とするまでは実施例1と同様に行った。次に、その中空繊維配列体を支持手段34から取り外して横置きにし、他端12b側のウレタン樹脂で封止した部分を切り離し、中空繊維配列体の各中空繊維の両端が開放された状態とした。その後、該中空繊維配列体を横置きにしたまま、実施例1と同じ条件で重合を行ってゲル充填中空繊維配列体E(ゲル充填配列体)を得て、ミクロトーム装置により、該ゲル充填中空配列体Eから厚み250μmの薄片体300枚を切り出した。得られた300枚の薄片体について、実施例3と同様にして良品の割合を求めた。また、これをさらに4回繰り返し、良品の割合を合計5回求めた。
(比較例3)
比較例1と同じ製造方法を用いた以外は、実施例3と同様にして良品の割合を5回求めた。
実施例3、4及び比較例3において5回ずつ(N=1〜5)良品の割合を求めた結果を表1に示す。
Figure 2010122208
中空繊維(キャピラリ)の少なくとも一端を開放した状態で重合した実施例3及び4では、歩留%が高く、良品の割合が高かった。また、実施例3と実施例4の結果を比較すると、中空繊維両端を開放した状態で重合した実施例4で更に歩留%が向上した。
一方、中空繊維の両端が共に開放されていない状態で重合した比較例3では、歩留%が低く、不良品が多くできた。
本発明の製造方法は、様々な生体関連物質の検出、解析、分析等に用いることができるゲル充填配列体およびバイオチップを、高い生産性で安定して製造することができるため非常に有用である。
10 キャピラリ配列体 12 キャピラリ 14 樹脂固定部 20 ゲル充填配列体 22 バイオチップ 30 重合装置 32 真空容器 34 支持手段 36 昇降台 38 位置決め手段 40 真空ポンプ

Claims (3)

  1. 複数のキャピラリを束ねたキャピラリ配列体の各キャピラリ中にゲルが充填されたゲル充填配列体の製造方法であって、
    複数のキャピラリをそれらの長手方向が一致するように集束して固定する工程(1)と、
    各キャピラリの一端から該キャピラリ中に、重合によりゲルとなるゲル前駆体溶液を充填する工程(2)と、
    ゲル前駆体溶液を充填した各キャピラリの少なくとも一端を開放した状態で、該ゲル前駆体溶液を重合してゲルを形成する工程(3)とを含むことを特徴とするゲル充填配列体の製造方法。
  2. 前記工程(2)において、減圧雰囲気下で前記各キャピラリの前記一端を前記ゲル前駆体溶液に浸漬した後、常圧に戻して該ゲル前駆体溶液を前記各キャピラリ中に充填する、請求項1に記載のゲル充填配列体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られたゲル充填配列体を、前記キャピラリの長手方向と交叉する方向に切断する工程を含むバイオチップの製造方法。
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