JP2010121155A - 酸化被膜除去装置 - Google Patents

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栄一 細田
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Abstract

【課題】有害な刺激臭や毒性ガスの発生がなく、金属製品の酸化被膜除去を簡単に行なう。
【解決手段】硫酸イオンを含む酸性水中に、酸化被膜が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、直流電流を印加し、酸化被膜除去処理を実施するようにした。また、この酸化被膜除去処理を実施することにより酸性水に6価クロム化合物を溶出させて、この6価クロム化合物が溶出した酸性水の中に、(+)の金属イオンを有する金属からなる(+)(−)の両電極棒を漬け、直流電流を印加して廃液処理作業を開始し、処理作業の開始から所定時間が経過した後、酸性水中の6価クロム化合物を3価クロムに変化させ不溶性の水酸化クロムにして沈殿させるようにした。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化被膜除去装置に関し、特に、ステンレス製品を含む種々の金属製品の溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜(スケール)、更にはもらい錆や汚れ等を除去する場合に好適に用いることができる酸化被膜除去装置に関する。
一般に、ステンレス製品を溶接すると、溶接線およびその周囲に見栄えの悪い溶接焼け部を生じることが多い。かかる溶接焼け部を除去するには、機械的方法としては、電解液を含ませた払拭布などによる手作業での除去、グラインダー等の電動工具を使用した除去等がある。また、化学的方法としては、酸洗い液に母材を浸漬・酸洗い液を母材に塗布する方法や、電気分解を利用する方法等がある。
例えば、電解液を含ませた払拭布をペンチで掴んでステンレス製品材の表面に置き、その払拭布をペンチで移動させながら、他方の手で電極棒を払拭布上に押し付けながら払拭する除去作業が行なわれている。このようにワークと電極棒の間に電解液を含ませた払拭布を挟み通電しながら払拭する方法は、下記の特許文献1に記載されている。
また、化学的方法としては、旧来より使用されている市販ステンレス製品脱スケール剤を用いるが、この市販ステンレス製品脱スケール剤の主成分は、フッ化水素酸と硝酸の混酸である(例えば特許文献2参照)。
また、従来、ステンレスの溶接焼けを除去するために、溶接されたステンレス製品を強酸性液で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法が利用されている。
また、中性電解液や弱酸性電解液を利用してステンレス製品の「スケール」を除去する電気分解法では、電解液中に6価クロム化合物が溶出する。水質汚濁防止法で特定施設を有する工場・事業場の排水に対して、6価クロム化合物0.5m/Lという許容限度が設けられている。また、各県の条例ではこれより厳しい排水基準が定められている。クロム廃水を排出する工場では廃水処理装置を設置し、薬品を使用してこれ以下に処理を行って排水しなければならない。
この廃水処理としては、クロム廃水処理用還元剤として商品名「ソ一ビス」(NaHSO)を用いた廃水処理が、以下のようにして行なわれている(非特許文献1参照)。
1) 6価クロム廃水を貯槽から還元槽に移し、まず硫酸でpH2〜3になるようにpHを調整する。
2)商品名「ソ一ビス」(NaHSO)を添加し撹伴溶解させて、黄褐色の排水中の6価クロムを還元し、3価クロムに変化させる。この場合、還元が終わると廃水の色が青色に変わる。酸化還元電位計を取り付ければ、還元の終了の判断が明確になる。
3)還元終了後、中和槽へ移し、苛性ソーダ等で排水のpHを7.5〜8.0に中和する。
4)中和槽から沈降槽へ移し、中和を行うと3価のクロムが不溶性の水酸化クロムに変化して浮遊し、時間を経て沈殿する。
5)沈殿終了後、上澄み液を排水する。
6)沈殿物は適時槽から取り出し、脱水処理を行うなどして廃棄物として処分する。
特開2004−217944号公報 特許第2782023号公報 大東化学株式会社:製品豆知識1〜2頁
ところが,上記した従来の溶接焼け除去方法では、電極棒を払拭布上に単に押しつけているだけなので、払拭除去作業中に電極棒が払拭布から離れてステンレス製品材の表面と接触することがあった。これにより、電気短絡を生じてステンレス製品材の鏡面に短絡傷を付けたり、電源制御器の故障を引き起こすことがあった。また、かかる従来の除去方法では両手がふさがることから、払拭除去作業中は別の手作業を行なうことができず作業性がよくなかった。そこで、電極棒を被ったガラス繊維布を輪ゴムや紐で縛って電極棒に固定して使用していたのである。しかしながら、作業中は電極棒が70C以上に昇温するため、輪ゴムや紐が高熱により切れて電気短絡につながるという欠点があった。また、グラインダー等の電動工具を使用した除去の場合、母材表面が傷つくため、見た目が悪くなるばかりか、貰い錆しやすくなり、耐食性が低下するという問題があった。
また、化学的方法としては、市販ステンレス製品脱スケール剤の主成分はフッ化水素酸と硝酸の混酸であるため極めて刺激臭が強く、また毒性も強い。特にフッ化水素酸は皮膚、粘膜を強く侵すし、付着した直後より短時間経過後に激しい疾痛をおこし、火傷様な痕を残す等の問題を生じていた。
また、従来、ステンレスの溶接焼けを除去するために、溶接されたステンレス製品を強酸性で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法では、作業性が悪く、溶接と同じ程度の作業時間を必要とし、又、ステンレスの溶接焼けを十分に除去することができないという問題があり、又、酸洗いについては、強酸性の薬液を排水設備のない工場で利用することは難しいという問題があった。
また、上記した6価クロム廃棄処理では、6価クロム廃水を貯蔵する貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が必要になり、各槽ごとの処理工程が必要となって、6価クロムの除去処理に多くの工程を必要とし、容易にクロム廃棄処理を行なうことができないという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するものであり、その第1の目的とするところは、ステンレス製品の酸化被膜除去が簡単に行なうことができて、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさない安全なステンレス製品の電解処理法を提供することである。
また、本発明の第2の目的とするところは、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができるステンレス製品の電解処理法を提供することである。
上記の第1の目的を達成するために、本発明の酸化被膜除去装置は、
酸化被膜が形成されている第1処理対象及び第2処理対象に電気的に接続される正電極及び負電極と、
前記第1処理対象及び第2処理対象が含浸される硫酸イオンを含む電解液の容器と、
前記正電極及び負電極に対して直流電流を供給する直流電流源と、を備える。
すなわち、本発明は、典型的には、本発明に係るステンレス製品の電解処理法は、硫酸イオンを含む電解液中に、酸化被膜が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、直流電流を印加し、酸化被膜除去処理を実施するようにしたことを特徴とする。
前記電解液は、植物性の化石土類及び凝灰岩から溶出されるイオン物質を含む液体を電気分解することにより生成されるものを用いるとよい。より具体的には、前記電解液は、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成された酸性水、もしくは、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成されたアルカリ水の何れかの一方でとするとよい。
したがって、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)には、危険な成分が入っていないために、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、ステンレス製品の酸化被膜除去を簡単に行なうことができる。しかも、上記した従来の問題、すなわち、皮膚、粘膜を強く侵すし、付着した直後より短時間経過後に激しい疾痛をおこし、火傷様な痕を残す等の問題、また、従来、ステンレス製品を強酸性で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法では、作業性が悪く、溶接と同じ程度の作業時間を必要とし、又、ステンレスの溶接焼けを十分に除去することができないという問題、又、酸洗いについては、強酸性の薬液を排水設備のない工場で利用することは難しいという種々の問題を解決することができる。
また、典型的には、ステンレスを処理対象とした場合に生じる問題であるが、前記直流電流源から直流電流を供給した結果として、6価クロム化合物が生じる。これを含む電解液に対して、直流電流を印加することによって不溶性の水酸化クロムを生成することが好ましい。この際、前記直流電流を印加する際に用いる電極が、鉄、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウムの何れかとするとよい。
そして、硫酸イオンを含む電解液は、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成された酸性水、もしくは、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成されたアルカリ水の何れかの一方であることが好ましい。
したがって、6価クロム化合物が溶出した電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)の中に、(+)の金属イオンを有する金属からなる(+)(−)の両電極棒を漬け、直流電流を印加することで、処理作業の開始から所定時間が経過した後、硫酸イオンを含む電解液(酸性水もしくはアルカリ水)中の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させて沈殿させることができる。このように、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、上記した従来の6価クロム廃棄処理で用いた貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が不必要になり、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができる。
本発明に係るステンレス製品の電解処理法によれば、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水及もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)には、危険な成分が入っていないために、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、ステンレス製品の酸化被膜除去を簡単に行なうことができる。しかも、上記した従来の問題、すなわち、皮膚、粘膜を強く侵すし、付着した直後より短時間経過後に激しい疾痛をおこし、火傷様な痕を残す等の問題、また、従来、ステンレス製品を強酸性で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法では、作業性が悪く、溶接と同じ程度の作業時間を必要とし、又、ステンレスの溶接焼けを十分に除去することができないという問題、又、酸洗いについては、強酸性の薬液を排水設備のない工場で利用することは難しいという種々の問題を解決することができる。
本発明に係るステンレス製品の電解処理法によれば、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼさないばかりか、上記した従来の6価クロム廃棄処理で用いた貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が不必要になり、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができる。
発明の実施の形態
本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、主として、ステンレス製品の電解処理法について説明するが、処理対象は、ステンレス以外のいかなる製品であってもよく、具体的には、鉄などの他の金属製品であってもよい。
本発明のステンレス製品の電解処理法は、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)中に、酸化被膜が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、直流電流を印加し、酸化被膜除去処理を実施するようにしたものである。すなわち、ステンレス製品の溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜である「スケール」、更にはもらい錆等を電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)を用いての電気分解を利用して除去することである。
ここで、電解液として硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水とは、引用により本願明細書に取り込まれたものとする、特許第3535451号、或いは、PCT/JP2005/003307明細書に開示されている、硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水である。詳しくは、原水中に電解剤として珪藻類、藍藻類の化石の堆積土が固化してなる植物性の化石土類であって1%の硫黄(硫酸塩)を含む化石土類及び凝灰岩を投入することにより原水中に化石土類及び凝灰岩からイオン物質を溶出させて電解液を生成し、この電解液を電気分解することにより生成された硫酸イオンを含む酸性水、硫酸イオンを含むアルカリ水である。
特許第3535451号に係る電解液としての酸性水の試験検査の内容及び成績は以下の通りである。
pH値:2.6
電気伝導率(−μS/cm):1100
酸化還元電位 (ORP):450
溶存酸素 (DO): 19
硝酸性窒素及び亜塩素酸性窒素 (mg/l) :1.6
塩化物イオン(mg/l) : 31
硫酸イオン (mg/l):140
硬度 (mg/l):3 9
有機物(過マンガン酸力リウム消費量)(mg/l):5.9
燐(mg/l):0.2
銅 (mg/l):0.14
亜鉛 (mg/l):0.10
鉄(mg/l):5.6
マンガン (mg/l):0.25
力ルシウム (mg/l):10
マダネシウム(mg/l): 3.6
ナトリウム (mg/l):13
クロロホルム(mg/l):0.005
ジプロモクロロメタン(mg/l):0.001未満
プロモジクロロメタン(mg/l) :0.002
プロモホルム (mg/l):0.017
総トリハロメタン(mg/l):0.024
また、電解液としてのアルカリ水の試験検査の内容及び成績は以下の通りである。
pH値:9.4
電気伝導率(−μS/cm):550
酸化還元電位 (ORP):150
溶存酸素 (DO): 7.9
硝酸性窒素及び亜塩素酸性窒素 (mg/l) :1.7
塩化物イオン(mg/l) : 26
硫酸イオン (mg/l):81
硬度 (mg/l):19
有機物(過マンガン酸力リウム消費量)(mg/l):7.6
燐(mg/l):0.1未満
銅 (mg/l):0.03
亜鉛 (mg/l):0.038
鉄(mg/l):0.86
マンガン (mg/l):0.070
力ルシウム (mg/l):6
マグネシウム(mg/l): 1.8
ナトリウム (mg/l):93
クロロホルム(mg/l):0.001
ジプロモクロロメタン(mg/l):0.001未満
プロモジクロロメタン(mg/l):0.001未満
プロモホルム (mg/l):0.002
総トリハロメタン(mg/l):0.003
(実施例)
処理槽に100ccの酸性水を満たした状態で、この酸性水の中に、「スケール」が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、電圧48V、電流値0.9Aの条件で直流電流を印加し、「スケール」除去処理作業を開始した。
処理作業の開始から2分後、ステンレス製品より6価クロム化合物が溶出し始め、20分後、透明であった酸性水が黄褐色に変色した。この状態で、通電を遮断して「スケール」除去処理作業を終了した。処理槽から取り出したステンレス製品の「スケール」は完全に除去されていた。
この場合、酸性水のpH値は2.6と低く、かつ、硫酸イオンを含む酸性水には、危険な成分が入っていないために、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、ステンレス製品の酸化被膜除去を簡単に行なうことができるし、上記した従来の問題、すなわち、皮膚、粘膜を強く侵すし、付着した直後より短時間経過後に激しい疾痛をおこし、火傷様な痕を残す等の問題、また、従来、ステンレス製品を強酸性で洗い流す酸洗い法又は中性電解液や弱酸性電解液を利用した電気分解法では、作業性が悪く、溶接と同じ程度の作業時間を必要とし、又、ステンレスの溶接焼けを十分に除去することができないという問題、又、酸洗いについては、強酸性の薬液を排水設備のない工場で利用することは難しいという種々の問題を解決することができる。
また、硫酸イオンを含むアルカリ水でも、硫酸イオンを含む酸性水の場合と同様に、ステンレス製品の「スケール」は完全に除去されていた。すなわち、処理槽に100ccの硫酸イオンを含むアルカリ水を満たした状態で、このアルカリ水の中に、「スケール」が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、電圧48V、電流値0.9Aの条件で直流電流を印加し、「スケール」除去処理作業を開始した。
処理作業の開始から2分後、ステンレス製品より6価クロム化合物が溶出し始め、20分後、透明であったアルカリ水が黄褐色に変色した。この状態で、通電を遮断して「スケール」除去処理作業を終了した。処理槽から取り出したステンレス製品の「スケール」は完全に除去されていた。
次に、6価クロム化合物が溶出した酸性水であるクロム廃液の電解処理方法を説明する。
処理槽にクロム廃液を満たした状態で、このクロム廃液の中に、(+)(−)電極である銅Cuからなる電極棒を漬け、初期値が電圧55V、電流値0.77Aの条件で直流電流を印加し、廃液処理作業を開始した。処理作業の開始から10分後、電圧が150Vになったので50Vに降圧した。
処理作業の開始から15分が経過した後、黄褐色に変色しているクロム廃液中の6価クロム化合物が、銅Cuの(+)の金属イオンによる還元作用で3価クロム化合物に変化し不溶性の水酸化クロムになって浮遊し、時間を経て沈殿した。処理作業の終了時、電圧55V、電流値0.24Aである。沈殿終了後、上澄み液を排水するとし、沈殿物は適時槽から取り出し、脱水処理を行うなどして廃棄物として処分することになる。
上記した実施例では、(+)(−)電極に、銅Cuからなる電極棒を用いたが、本出願人は、(+)(−)電極に鉄Fe、ニッケルNi、金Au、銀Ag、アルミニウムAlを用いて実験を実施した結果、いずれの金属電極を用いた実験においても、(+)の金属イオンによる還元作用でクロム廃液中の6価クロム化合物が3価クロム化合物に変化し不溶性の水酸化クロムになって浮遊し、時間を経て沈殿した。
したがって、6価クロム化合物が溶出した酸性水の中に、(+)の金属イオンを有する金属からなる(+)(−)の両電極棒を漬け、直流電流を印加することで、処理作業の開始から所定時間が経過した後、酸性水中の6価クロム化合物を不溶性の水酸化クロムに変化させて沈殿させることができる。このために、上記した従来の6価クロム廃棄処理で用いた貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が不必要になり、各槽ごとの処理工程が不必要となって、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができる。
また、硫酸イオンを含むアルカリ水でも、硫酸イオンを含む酸性水の場合と同様に、6価クロム化合物が3価クロム化合物に変化し不溶性の水酸化クロムになって浮遊し沈殿させることができる。
すなわち、処理槽に、6価クロム化合物が溶出したアルカリ水であるクロム廃液を満たした状態で、このクロム廃液の中に、(+)(−)電極である銅Cuからなる電極棒を漬け、初期値が電圧55V、電流値0.77Aの条件で直流電流を印加し、廃液処理作業を開始した。処理作業の開始から10分後、電圧が150Vになったので50Vに降圧した。
処理作業の開始から15分が経過した後、黄褐色に変色しているクロム廃液中の6価クロム化合物が、銅Cuの(+)の金属イオンによる還元作用で3価クロム化合物に変化し不溶性の水酸化クロムになって浮遊し、時間を経て沈殿した。処理作業の終了時、電圧55V、電流値0.24Aである。沈殿終了後、上澄み液を排水するとし、沈殿物は適時槽から取り出し、脱水処理を行うなどして廃棄物として処分することになる。
(比較例)
処理槽に100ccのpH6.9の水道水を満たした状態で、この水道水の中に、「スケール」が発生したステンレス製品を漬け、一方のステンレス製品を(+)電極に接続し、他方のステンレス製品を(−)電極に接続して、電圧48V、電流値0.9Aの条件で直流電流を印加し、「スケール」除去処理作業を開始した。
処理作業の開始から5分後、ステンレス製品より6価クロム化合物が溶出し始め、20分後、透明であった酸性水が黄褐色に変色した。この状態で、通電を遮断して「スケール」除去処理作業を終了した。処理槽から取り出したステンレス製品の「スケール」は除去されていなかった。
次に、6価クロム化合物が溶出した水道水であるクロム廃液を処理槽に満たした状態で、このクロム廃液の中に、(+)(−)電極である銅Cuからなる電極棒を漬け、初期値が電圧160V、電流値0.4Aの条件で直流電流を印加し、廃液処理作業を開始した。処理作業の開始から10分後、電圧が100V、電流値0.25Aに降圧した。
処理作業の開始から15分が経過した後、黄褐色に変色しているクロム廃液中の6価クロム化合物が、銅Cuの(+)の金属イオンによる還元作用で3価クロム化合物に変化し不溶性の水酸化クロムになって浮遊し、時間を経て沈殿した。
本発明に係るステンレス製品の電解処理法によれば、硫酸イオンを含む電解液(硫酸イオンを含む酸性水もしくは硫酸イオンを含むアルカリ水)には、危険な成分が入っていないために、有害な刺激臭や、毒性がないばかりか、化学薬品を使わず、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、ステンレス製品の酸化被膜除去を簡単に行なうことができるし、人体と環境に悪影響を及ぼすことなく、上記した従来の6価クロム廃棄処理で用いた貯蔵槽、還元槽、中和槽、沈降槽等が不必要になり、簡単な設備で容易に6価クロム廃棄処理を行なうことができるという効果を有しており、種々のステンレス製品における溶接時の溶接線及び溶接による熱影響部表面の黒色及び褐色酸化被膜、更にはもらい錆や汚れ等の除去処理事業、且つ酸化被膜除去処理を実施することにより電解液に溶出した6価クロム化合物の廃液処理事業に有用である。

Claims (4)

  1. 酸化被膜が形成されている第1処理対象及び第2処理対象に電気的に接続される正電極及び負電極と、
    前記第1処理対象及び第2処理対象が含浸される硫酸イオンを含む電解液の容器と、
    前記正電極及び負電極に対して直流電流を供給する直流電流源と、を備える、酸化被膜除去装置。
  2. 前記電解液は、植物性の化石土類及び凝灰岩から溶出されるイオン物質を含む液体を電気分解することにより生成される、請求項1記載の酸化被膜除去装置。
  3. 前記直流電流源から直流電流を供給した結果として生じる6価クロム化合物を含む電解液に対して、直流電流を印加することによって不溶性の水酸化クロムを生成する、請求項1記載の酸化被膜除去装置。
  4. 前記直流電流を印加する際に用いる電極が、鉄、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウムの何れかである、請求項3記載の酸化被膜除去装置。
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