JP2010120420A - 飛翔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】より効率的に揚力を発生することができるコアンダ効果を利用した飛翔体を提供すること。
【解決手段】本発明による飛翔体1は、コアンダ効果を利用した飛翔体1であって、翼2の外縁2Eに外縁2Eの下面2b側から上面2a側に指向する空気流を吹き付ける吹き付け手段4を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、山岳遭難救助、海難救助、被災者救助、貨物運搬に適用されて好適な飛翔体に関する。
従来から、ベルヌーイの定理を応用した通常のジェット式やプロペラ式の飛行機、ヘリコプターや飛行船とは異なり、コアンダ効果を利用した飛翔体が開発され、一部の国においては実用化がなされている。
このような飛翔体においては、揚力を発生するための翼の下方に、従来の飛行機やヘリコプター、飛行船に比して大きな荷室を配置することが可能となり、貨物の運搬効率を高くすることができる。特にヘリコプターにおいてはロータの下方には大きな荷室を配置することができないため、飛翔体はヘリコプターに対してより高い運搬効率を有する。
特には海難において被災者を救助するようなケースにおいて、ヘリコプターであれば下方に大きな風を発生させ渦を発生させてしまって、足場が不安定な岩場等においてはホバリングすることが困難となるような場合においても、荷室の姿勢を安定させることが可能となり、被災者救助をより安定的に行うことができる。また、飛行船に対しても全体としての大きさを小さくできると言うメリットもある。
このようなコアンダ効果を利用した飛翔体としては例えば特許文献1に記載されているようなものがある。
特開2005−343310号公報
ところが、このようなコアンダ効果を利用した飛翔体においては、翼の外縁すなわち、空気流が翼に沿って流れる最も下流側の位置において、翼の上面と下面との境界が形成されており、揚力を発生させる空気流が外縁で翼から円滑に剥離できずに、下面側に回り込む翼端渦又は随伴渦が発生する。
通常のベルヌーイの定理を利用する航空機の主翼の後端においても、このような翼端渦又は随伴渦は発生するが、航空機においては主翼の下面における圧力は上面における圧力よりも大きいため、翼端渦を航空機の左右方向に垂直な断面から観察すると、下面から上面に回り込み、これに伴い発生するコアンダ効果による発生力は、上下方向の下方から上方に向かう上昇方向の力となるので問題とならない。
ところが、コアンダ効果により発生する揚力を利用する飛翔体においては、図6に示すような、翼端渦ERを翼の外縁52Eに垂直な断面から観察すると、翼52の上面52aから下面52bに回り込むこととなるので、これに伴い発生するコアンダ効果による発生力は、上下方向の上方から下方に向かう下降方向の力DFとなるので、揚力を打ち消す方向の反力となってしまい、揚力を発生する効果が小さくなるという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑み、より効率的に揚力を発生することができるコアンダ効果を利用した飛翔体を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明による飛翔体は、
コアンダ効果を利用した飛翔体であって、
翼の外縁に前記外縁の下面側から上面側に指向する空気流を吹き付ける吹き付け手段を備えることを特徴とする。
ここで、前記翼は典型的には鞍型又はお椀型の二種類のものが用いられ、所謂鞍型の翼は、前記翼が前記進行方向及び前記左右方向に対して傾斜しない基本状態において、前記飛翔体の進行方向に垂直な断面における形状が左右方向の中央から外側に向けて上方から下方に上側が凸となるように湾曲しており、左右方向の中央から外側に向けてサイクロイド曲線を描く形状を有している。
この前記鞍型の翼は、この断面形状を前記進行方向に対して所定の長さだけ連続させた形状をなし、前記翼の下方に位置する荷室を上方から覆い、かつ、前記進行方向の前方及び後方にそれぞれ開口部を有する形態をなす。前記所定の長さは前記荷室の進行方向長さに応じて適宜決定される。
この前記鞍型の翼の上面の前記左右方向の中央には複数のファン又はコンプレッサー、あるいは、前記荷室内に設けられたファンと風導により構成される流体供給源が設けられており、この流体供給源が前記左右方向の中央から前記翼の前記左右方向の外縁に向けて空気流を流すことにより、この空気流の流線が前記翼の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として前記翼は力を発生する。これにより、地面に対して滑走なしで発進し滑走なしで着陸する垂直離着陸を可能とし、空中で位置を保持したまま停止するホバリングを実現可能としている。
このような前記鞍型の翼において、前記外縁の下面側から上面側に指向する空気流を吹き付ける吹き付け手段を備えることにより、吹き付けられた空気流により前記翼の上面に沿って流れる空気流が前記外縁において下面側から上面側に指向する方向に押し込まれることとなるので、前記翼の上面に沿って流れる空気流が外縁において上面から下面に向けて回り込むことを防止することができる。これにより所謂翼端渦又は随伴渦の発生を防止して、前記力を打ち消す方向の反力が発生することを防止することができる。これにより、前記翼により、より効率的に力を発生させることができる。
なお、前記吹き付け手段としては、前記ファンとは別個の追加ファンと、追加風導を設けて、前記翼の上面又は前面いずれかの箇所から必要最低限の少量の空気流を前記追加風導の吸込口から吸込み、追加ファンの動力によって空気流の速度を増加さえて又はさせないで、追加風導の吹き付け口を外縁において下面側から上面側に指向するように設けることにより構成される。
前記荷室内においては前記荷室の空中における姿勢を制御するECU(Electronic Control Unit)と、前進方向、左右方向、上下方向の加速度と、前進方向、左右方向、上下方向周りのモーメントを検出するレートセンサとが備えられ、前記翼には可動フラップが備えられており、ECUはレートセンサにより検出した加速度とモーメントに基づいて可動フラップを制御して、前記荷室を所望の姿勢に保持又は移行させる制御を行う。
比較的低い速度における低速前進時においては、コアンダ効果により発生した力の分力を前方に指向させて推進力を発生させて前進するために、前記翼及び前記荷室をともに前方に傾ける。
これとは逆に、比較的速度が高い高速前進時においては、前記翼及び前記荷室をともに後方に傾斜させると、前記飛翔体の前方から後方に流れる空気の流れが前記開口部を通過して前記翼の下面に当たって発生する力を利用する。
さらに、前記飛翔体において前進のためのより大きな推進力を得るために、別途推進ファンを含む推進装置を前記荷室に設けることができる。当該推進装置を設けるか否かは、要求される前記推進力の大きさに基づいて決定される。また、前記鞍型の翼においては前記翼の前記左右方向外側の外縁近傍において、前記翼の上面に沿って流れる空気流の流線を後方に変化させるフィンを設けることにより、前記空気流を後方に噴出させてこれにより前記推進力を得ることもできる。つまり、前記翼を前側に傾けることにより得られる推進力と、前記推進装置による推進力と、前記フィンにより得られる推進力とは、全体として要求される推進力に応じて適宜決定される。
前記飛翔体において右方旋回を行う場合には、前記翼及び前記荷室をともに右側に傾斜させることにより、コアンダ効果により発生した力の分力を右方に指向させて右方旋回力を発生させて右方に旋回する。
同様に、前記飛翔体において左方旋回を行う場合には、前記翼及び前記荷室をともに左に傾斜させることにより、コアンダ効果により発生した力の分力を左方に指向させて左方旋回力を発生させて左方に旋回する。
なお、前記二種類の翼のうち後者のお椀型の翼は、前記翼が前記進行方向及び前記左右方向に対して傾斜しない基本状態において、前記飛翔体の進行方向に垂直な断面における形状が左右方向の中央から外側に向けて上方から下方に上側が凸となるように湾曲しており、左右方向の中央から外側に向けてサイクロイド曲線を描く形状を有している。
前記お椀型の翼は、この断面形状を前記左右方向の中央を中心軸線として一回転するように延在させたお椀形状をなす。前述した鞍型の翼に比べて、上下方向から見て円形状をなしているため、前記翼の上面において中心からお椀型の外縁に向けて360度の範囲に均等に空気を流すことができ、垂直上昇時における揚力をより大きなものとすることが要請される場合に、有利な形態となる。
また、前記お椀型の翼においても、上面の中心において複数のファン又はコンプレッサー、あるいは、前記荷室内に設けられたファンと風導により構成される流体供給源が設けられており、この流体供給源が前記翼の上面の中心から前記翼の径方向外側の外縁に向けて空気流を流すことにより、この空気流の流線が前記翼の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として前記翼は力を発生する。
このような前記お椀型の翼においても、前記外縁の下面側から上面側に指向する空気流を吹き付ける吹き付け手段を備えることにより、吹き付けられた空気流により前記翼の上面に沿って流れる空気流が前記外縁において下面側から上面側に指向する方向に押し込まれることとなるので、前記翼の上面に沿って流れる空気流が外縁において上面から下面に向けて回り込むことを防止することができる。これにより所謂翼端渦又は随伴渦の発生を防止して、前記力を打ち消す方向の反力が発生することを防止することができる。これにより、前記翼により、より効率的に力を発生させることができる。
なおここでも、前記吹き付け手段としては、前記ファンとは別個の追加ファンと、追加風導を設けて、前記翼の上面又は前面のいずれかの箇所から必要最低限の少量の空気流を前記追加風導の吸込口から吸込み、追加ファンの動力によって空気流の速度を増加さえて又はさせないで、追加風導の吹き付け口を外縁において下面側から上面側に指向するように設けることにより構成される。
なお、高速前進時における前記飛翔体の前方から後方に向かう空気流により前記翼の下面に揚力を発生させる要請がある場合には、前記鞍型の翼の形態の方が力を得る上でより有利な形態となるが、この場合においては、前記鞍型の翼の左右方向の外縁においては、前記追加風導の吸込口を前記進行方向前側に開口させ、前記追加風導の吹き付け口を左方向外側又は右方向外側に開口する形態として、前記追加風導すなわちダクトを、前記吸込口と前記吹き付け口とを連通するねじれ形状を有するものとすることにより、前記飛翔体の前進速度を最大限利用して、前記追加ファンを省略することができる。
本発明の飛翔体によれば、より効率的に揚力を発生することができるコアンダ効果を利用した飛翔体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、飛翔体1は、進行方向Frが長辺方向となる直方体状をなす図示しない荷室(胴体)と、前後方向Fr中央Cから後方向の外縁2Eに向けてサイクロイド曲線を描いて伸びる鞍型又はお椀型の翼2と、ファンにより構成される流体供給源3と、ダクトすなわち追加風導4と、追加ファン5とを備えて構成される。翼2と荷室とは適宜の手段により連結されている。翼2には可動フラップが適宜設けられる。図示しないECU(Electronic Control Unit)により適宜制御されて、荷室の姿勢が制御される。
このECUは荷室内において前進方向、左右方向、上下方向の加速度と、前進方向、左右方向、上下方向周りのモーメントを検出するレートセンサととともに配置され、ECUはレートセンサにより検出した加速度とモーメントに基づいて可動フラップを制御して、荷室を所望の姿勢に保持又は移行させる制御を行う。
鞍型又はお椀型の翼2は、翼2が図1に示す前後方向Fr及び左方向Lに対して傾斜しない基本状態において、飛翔体1の左方向Lに垂直な断面における断面形状が中央Cから後方向及び前方向Frに向けて上方UPから下方に上側が凸となるように湾曲しており、中央Cから後方向及び前方向Frの外縁2Eに向けてサイクロイド曲線を描く断面形状を有している。
この翼2は鞍型であれば、翼2の下方に位置する荷室を上方から覆い、かつ、進行方向の前方及び後方にそれぞれ開口部を有する形態をなす。所定の長さは荷室の進行方向すなわち長辺方向長さに応じて適宜決定される。翼2がお椀型である場合には、この断面形状を、中央Cを中心軸線として一回転するように延在させたお椀形状をなす。鞍型の翼2に比べて、上下方向から見て円形状をなしているため、翼2の上面2aにおいて中央Cからお椀型の外縁2Eに向けて360度の範囲に均等に空気を流すことができ、垂直上昇時における揚力をより大きなものとすることが要請される場合においてより有利な形態となる。
この鞍型の翼2の上面2aの中央Cに位置する部分には、ファンにより構成される流体供給源3が設けられており、この流体供給源3は中央Cから外縁2Eに向けて翼2の上面2aに沿って空気流を流す。この空気流の流線が翼2の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として翼2は図1に示す下方から上方に向かうコアンダ効果による力を発生する。これによりまず滑走を行うことなく地面から飛び立ち、滑走を行うことなく着陸すること、すなわち垂直離着陸を可能とし、空中で飛翔体1の位置を一定に保つホバリングを可能としている。
本実施例1においては吹き付け手段としては、流体供給源3を構成するファンとは別個の追加ファン5と、追加風導4を設けて、翼2の上面2aの中央Cより位置から必要最低限の少量の空気流を吸い込めるように追加風導4の吸込口4aを翼2の上面2aの中央Cから、例えば中央Cから外縁2Eまでの距離の1/3程度の位置に設定し、追加ファン5を追加風導4の中間位置に配置して、追加ファン5の動力によって空気流の速度を増加さえて又はさせないで、追加風導4の吹き付け口4bを外縁2Eにおいて下面2b側から上面2a側に指向するように設けることにより構成される。
このように吹き付け手段を構成して、翼2において、外縁2Eの下面2b側から上面2a側に指向する空気流を吹き付けることにより、吹き付けられた空気流により翼2の上面2aに沿って流れる空気流が、外縁2Eにおいて下面2b側から上面2a側に指向する方向に押し込まれることとなるので、翼2の上面2aに沿って流れる空気流が外縁2Eにおいて上面2aから下面2bに向けて回り込むことを防止することができる。これにより外縁2Eにおいて、所謂翼端渦又は随伴渦の発生を防止して、翼2が発生するコアンダ効果による力を打ち消す方向の反力が発生することを防止することができる。これにより、翼2により、より効率的に力を発生させることができる。
なお、本実施例1においては、比較的低い速度における低速前進時においては、ECUの制御に基づいて、翼2及び荷室をともに前方に傾けて、コアンダ効果により発生した力の分力を前方に指向させて推進力を発生させて前進する。比較的速度が高い高速前進時においては、ECUの制御に基づいて翼2及び荷室をともに後方に傾斜させて、飛翔体1の前方から後方に流れる空気の流れが翼2の下面2bに当たって発生する揚力を利用する。
また、飛翔体1において右方旋回を行う場合には、ECUの制御に基づいて翼2及び荷室をともに右側に傾斜させることにより、コアンダ効果により発生した力の分力を右方に指向させて右方旋回力を発生させて右方に旋回する。同様に、飛翔体1において左方旋回を行う場合には、翼2及び荷室をともに左に傾斜させることにより、コアンダ効果により発生した力の分力を左方に指向させて左方旋回力を発生させて左方に旋回する。
本実施例1においては流体供給源3として前進方向Frに軸方向を有するファンを用いたが、中央C方向つまり図1中縦方向に軸を有するファンを用いることもできる。この場合においては、翼2の上面2aに沿って流れる空気流の態様が実施例1に示したものと異なるものとなる。以下それについての実施例2について述べる。
図2は、本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。図2に示すように、飛翔体11は、進行方向が長辺方向となる直方体状をなす図示しない荷室と、中央Cから外縁2Eに向けてサイクロイド曲線を描いて伸びる翼12と、ファンである流体供給源13と、ダクトすなわち追加風導14と、追加ファン15とを備えて構成される。翼12と荷室とは適宜の手段により連結されている。翼12には図示しない可動フラップが適宜設けられて、図示しないECU(Electronic Control Unit)により適宜制御されて、荷室の姿勢が制御される。
この翼12の上面12aの中央Cに位置する部分には、縦型のファンにより構成される流体供給源13が設けられており、この流体供給源13は中央Cの上方から空気を吸い込んで翼12の中央C近傍に吹き付けた上で外縁12Eに向けて翼12の上面12aに沿って空気流を流す。この空気流の流線が翼12の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として翼12は図2に示す下方から上方に向かうコアンダ効果による力を発生することは実施例1に示したものと同様である。
ただし、本実施例2において示すようにファンの軸を中央C方向に一致させて、空気を翼12の中央近傍に吹き付けることとすると、上部からの気流動圧すなわち、翼12の中央近傍にぶつかることによる抵抗が低くなり、上空の空気を取り込みやすくなるので、上空の負圧(低圧)が強くなり揚力(推力)が増加する。
このため、本実施例2においては吹き付け手段としては、流体供給源13を構成するファンとは別個の追加ファン15と、追加風導14を設けて、翼12の上面12aの中央Cより流体供給源13を構成するファンの羽根の半径以内の位置に追加風導14の吸込口14aを設定し、追加ファン15を追加風導14の中間位置に配置して、追加ファン15の動力によって空気流の速度を増加さえて又はさせないで、追加風導14の吹き付け口14bを外縁12Eにおいて下面12b側から上面12a側に指向するように設けることにより構成される。
このように吹き付け手段を構成して、翼12において、外縁12Eの下面12b側から上面12a側に指向する空気流を吹き付けることにより、本実施例2においても、吹き付けられた空気流により翼12の上面12aに沿って流れる空気流が、外縁12Eにおいて下面12b側から上面12a側に指向する方向に押し込まれることとなるので、翼12の上面12aに沿って流れる空気流が外縁12Eにおいて上面12aから下面12bに向けて回り込むことを防止することができる。
これにより外縁12Eにおいて、所謂翼端渦又は随伴渦の発生を防止して、翼12が発生するコアンダ効果による力を打ち消す方向の反力が発生することを防止することができる。これにより、翼12により、より効率的に力を発生させることができる。また、実施例1に示したものに比較して追加風導14による空気の取り込みをよりスムーズなものとすることができる。
本実施例2及び実施例1においては、翼の形態を特定しなかったが、翼がお椀型の形態である場合には、円周状の外縁において下面側から上面側にむら無く空気流を吹き付けることが好ましい。以下、それについての実施例3について述べる。
図3は、本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。図3に示すように、飛翔体21は、進行方向が長辺方向となる直方体状をなす図示しない荷室と、中央Cから外縁22Eに向けてサイクロイド曲線を描いて伸びるお椀状の翼22と、ファンである流体供給源23と、ダクトすなわち追加風導24と、追加ファン25と、フィン26を備えて構成される。翼22と荷室とは適宜の手段により連結されている。翼22には図示しない可動フラップが適宜設けられて、図示しないECU(Electronic Control Unit)により適宜制御されて、荷室の姿勢が制御される。
この翼22の上面22aの中央Cに位置する部分には、複数のファンにより構成される流体供給源23が設けられており、この流体供給源23は中央Cの上方から空気を吸い込んで翼22の中央C近傍から翼22の上面22aに沿って空気流を流す。この空気流の流線が翼22の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として翼22は図3に示す下方から上方に向かうコアンダ効果による力を発生することは実施例1及び2に示したものと同様である。
本実施例3においては吹き付け手段としては、流体供給源23を構成するファンとは別個の追加ファン25と、追加風導24を設けて、翼22の前面に追加風導24の吸込口24aを設定し、追加ファン25を追加風導24の吸込口24aに近接した位置に配置して、追加ファン25の動力によって空気流の速度を増加さえて又はさせないで、追加風導24の吹き付け口24bを翼22の後端に、吹き付け口24cを翼22の左端に、吹き付け口24dを翼22の右端に設けることにより構成される。これに伴い、追加風導24は図3下図に示すように四分岐形態のものとなる。さらに、翼22の前側部分においては左右一対のフィン26が設けられて、流体供給源23から供給される空気流が追加風導24の吸込口24aに供給されないようにしている。
このように吹き付け手段を構成することにより、飛翔体21が前進している状況において、翼22の外縁22Eの後端、左端、右端において、外縁22Eの下面22b側から上面22a側に指向する空気流を、それぞれ吹き付け口24b、24c、24cを介して吹き付けることにより、むら無く吹き付けられた空気流により翼22の上面22aに沿って流れる空気流が、外縁22Eにおいて下面22b側から上面22a側に指向する方向に押し込まれることとなるので、翼22の上面22aに沿って流れる空気流が外縁22Eにおいて上面22aから下面22bに向けて回り込むことをよりむら無く確実に防止することができる。
これにより外縁22Eにおいて、所謂翼端渦又は随伴渦の発生を防止して、翼22が発生するコアンダ効果による力を打ち消す方向の反力が発生することを防止することができる。これにより、翼22により、より効率的に力を発生させることができる。さらに、翼22の前側部分においては左右一対のフィン26が設けられて、流体供給源23から供給される空気流が追加風導24の吸込口24aに供給されないようにしているので、翼22の外縁22Eの前端において空気流が上面22aから下面22bに流れ込むことを防止して、これにより上方から下方に向かう反力が発生して、力をキャンセルしてしまうことを防止することができる。
さらに、フィン26は飛翔体21の前進に伴い前方から後方に向かって流れる空気流が、流体供給源23から供給されて翼22の上面22aを沿って流れるコアンダ効果による力を発生するための空気流を阻害することを防止することができるので、翼22による揚力をより確実に発生させることができる。さらに、吹き付け口24bから噴出される空気流により、推進力を得ることもできるので、追加ファン25を推進装置として利用することもできる。
本実施例3においては翼の形状をお椀型として、それに対応させて追加風導の形態を最適化する構成としたが、翼の形状を鞍型とした場合においても、それに対応させて追加風導の形態を最適化することができる。以下それについての実施例4について述べる。
図4は、本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。図4に示すように、飛翔体31は、進行方向が長辺方向となる直方体状をなす図示しない荷室と、中央Cから外縁32Eに向けてサイクロイド曲線を描いて伸びる鞍型の翼32と、ファンである流体供給源33と、左右一対のダクトすなわち追加風導34と、推進装置35を備えて構成される。翼32と荷室とは適宜の手段により連結されている。翼32には図示しない可動フラップが適宜設けられて、図示しないECU(Electronic Control Unit)により適宜制御されて、荷室の姿勢が制御される。
この鞍型の翼32の上面32aの中央Cに位置する部分には、複数のファンにより構成される流体供給源33が設けられており、この流体供給源33は中央Cの上方又は前方から空気を吸い込んで噴き出し孔から噴出することにより、翼32の中央C近傍から翼32の上面32aに沿って空気流を流す。この空気流の流線が翼32の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として翼32は図4に示す下方から上方に向かうコアンダ効果による力を発生することは実施例1〜3に示したものと同様である。
本実施例4においては吹き付け手段としては、鞍型の翼32の左右方向の外縁32Eに左右一対に設けられる追加風導34を設けて、追加風導34の吸込口34aを進行方向前側に開口させ、追加風導34の吹き付け口34bを左方向外側又は右方向外側に開口する形態として、追加風導34すなわちダクトを、吸込口34aと吹き付け口34bとを連通するホーン形状を変形させたねじれ形状を有するものとしている。
これによれば、追加風導34すなわちダクトを、吸込口34aと吹き付け口34bとを連通するねじれ形状を有するものとすることにより、飛翔体31の前進速度を最大限利用して、外縁34Eにおいてコアンダ効果を発生するための空気流の、上面32a側から下面32側への回り込みを防止することができ、追加ファンを省略することができる。
本実施例4においては翼の形状を鞍型として、それに対応させて追加風導の形態を最適化する構成としたが、推進装置35を省略して荷室及び翼32をECUの制御に基づいて前側に傾けて推進力を得る構成とすることもできる。以下それについての実施例5について述べる。
図5は、本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。図5に示すように、飛翔体41は、進行方向が長辺方向となる直方体状をなす図示しない荷室と、中央Cから外縁42Eに向けてサイクロイド曲線を描いて伸びる鞍型の翼42と、ファンである流体供給源43と、左右一対のダクトすなわち追加風導44を備えて構成される。翼42と荷室とは適宜の手段により連結されている。翼42には図示しない可動フラップが適宜設けられて、図示しないECU(Electronic Control Unit)により適宜制御されて、荷室の姿勢が制御される。
この鞍型の翼42の上面42aの中央Cに位置する部分には、複数のファンにより構成される流体供給源43が設けられており、この流体供給源43は中央Cの上方又は前方から空気を吸い込んで噴き出し孔から噴出することにより、翼42の中央C近傍から翼42の上面42aに沿って空気流を流す。この空気流の流線が翼42の湾曲形状により上方から下方に向けて曲げられて、その反作用として翼42は図5に示す下方から上方に向かうコアンダ効果による力を発生することは実施例1〜4に示したものと同様である。
本実施例5においては吹き付け手段としては、鞍型の翼42の左右方向の外縁42Eに左右一対に設けられる追加風導44を設けて、追加風導44の吸込口44aを進行方向前側に開口させ、追加風導44の吹き付け口44bを左方向外側又は右方向外側に開口する形態として、追加風導44すなわちダクトを、吸込口44aと吹き付け口44bとを連通するホーン形状を変形させたねじれ形状を有するものとしている。
これによっても、追加風導44すなわちダクトを、吸込口44aと吹き付け口44bとを連通するねじれ形状を有するものとすることにより、飛翔体41の前進速度を最大限利用して、外縁42Eにおいてコアンダ効果を発生するための空気流の、上面42a側から下面42b側への回り込みを防止することができ、追加ファンを省略することができる。
さらに、推進装置35を省略することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
上述したような飛翔体1〜41は、鉄道や幹線道路が発達していない僻地、又は、山岳に四方を囲まれて鉄道や幹線道路頭のインフラを整備することが困難な地域に対する食料や物資の輸送、航空機やヘリコプターが離着陸する設備を整備することが困難な場所へ同じく食料や物資の輸送を行う場合に、より有利な運搬手段として利用することができる。
さらに、山岳遭難や、海上遭難において、遭難者を救助するに当たって、飛翔体1〜41によれば飛翔体1〜41の下方の地形の形態の特異性、例えば崖等であることにかかわらずに、上空でホバリングを行うことができるので、救助をより円滑に実施することができる。さらに、ヘリコプターに比べて、強風等の外乱条件に対しても、ロータという回転部分を有していないことに起因して、荷室の姿勢を安定させることが容易であるため、これによっても、救助をより円滑かつ確実に行うことができる。
本発明は、被災者救助、貨物運搬等に適用して好適な飛翔体に関するものであり、より効率的な揚力を発生させることができる、コアンダ効果を利用した飛翔体を提供することができるので、消防用貨物運搬用の飛翔体に適用して有益なものである。
本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る飛翔体の一実施形態を示す模式図である。 従来の飛翔体の一実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 飛翔体
2 翼(鞍型、お椀型)
2a 上面
2b 下面
2E 外縁
3 流体供給源(ファン)
4 追加風導(ダクト)
4a 吸込口
4b 吹き付け口
5 追加ファン
11 飛翔体
12 翼(鞍型、お椀型)
12a 上面
12b 下面
12E 外縁
13 流体供給源(ファン:縦型)
14 追加風導(ダクト)
14a 吸込口
14b 吹き付け口
15 追加ファン
21 飛翔体
22 翼(お椀型)
22a 上面
22b 下面
22E 外縁
23 流体供給源(ファン)
24 追加風導(ダクト)
24a 吸込口
24b 吹き付け口
24c 吹き付け口
24d 吹き付け口
25 追加ファン
26 フィン
31 飛翔体
32 翼(鞍型)
32a 上面
32b 下面
32E 外縁
33 流体供給源(ファン)
34 追加風導(ダクト)
34a 吸込口
34b 吹き付け口
35 推進装置
41 飛翔体
42 翼(鞍型)
42a 上面
42b 下面
42E 外縁
43 流体供給源(ファン)
44 追加風導(ダクト)
44a 吸込口
44b 吹き付け口

Claims (1)

  1. コアンダ効果を利用した飛翔体であって、翼の外縁に前記外縁の下面側から上面側に指向する空気流を吹き付ける吹き付け手段を備えることを特徴とする飛翔体。
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