JP2010120274A - 印刷機の状態把握システム - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷作業の改善や効率化の手助けとなる印刷機の状態把握システムを提供すること。
【解決手段】印刷機制御装置10は、状態特定部12cと、状態特定部12cによって特定された印刷機状態が継続した時間を、それぞれの状態毎に求める所要時間演算部12dとを備える。また、集計装置16は、所要時間演算部12dが求めた印刷機状態が継続した時間を取得して、印刷機1の稼働状態報告を作成する。そして、状態特定部12cは、印刷機状態に関する電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定される場合には、一意に決定された状態を印刷機状態として特定し、電気信号に対応する印刷機状態が一意に決定されない場合、複数の電気信号の組み合わせに基づいて推定した印刷機1の状態を、印刷機状態として特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷機が実行した作業の種類や印刷機が稼働しているか否かといった印刷機の状態を特定する印刷機の状態特定装置及び印刷機の状態特定方法、並びに印刷機の状態特定用コンピュータプログラムに関する。
印刷機の生産管理のためには、印刷機の稼働状況を把握する必要がある。例えば、特許文献1には、印刷機毎に、積算電力計、ガス流量計、水道流量計及び各種のインキ吐出弁を設け、それぞれに単位使用量当りのパルス信号発生機構を付設し、さらに各印刷機に回転数検出機構を設け、これらの各回転数検出機構に連動させて各パルス信号を取り込むとともにデータ収集装置を介してパルス信号回数を総使用量に変換して積算、集計するコンピュータを備える印刷機械のユーティリティ管理装置が開示されている。
特開平6−47904号公報(0006、0007)
ところで、印刷作業の改善や効率化を図るためには、印刷機の作業の種類や時間が必要になる。また、印刷機のユーザーは、印刷機の作業の種類や時間のうち、外部に出したくない情報がある。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷作業の改善や効率化の手助けとなる印刷機の状態把握システムを提供することと、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できる印刷機の状態把握システムを提供することとのうち、少なくとも一つを実現することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷機の状態把握システムは、印刷機の状態を特定する状態特定手段と、当該状態特定手段によって特定された前記印刷機の状態が継続した時間を、それぞれの状態毎に求める所要時間演算手段と、前記所要時間演算手段が求めた前記印刷機の状態が継続した時間を取得して、前記印刷機の稼働状態報告を作成する集計手段と、を備え、前記状態特定手段は、前記印刷機の状態に関する電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定される場合には、一意に決定された状態を前記印刷機の状態として特定し、前記電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定されない場合、複数の前記電気信号の組み合わせに基づいて推定した前記印刷機の状態を、前記印刷機の状態として特定することを特徴とする。
本発明では、版交換やメンテナンス、正紙印刷、インキ巻き付けといった印刷機の状態が行われた時間をそれぞれの状態毎に求め、それぞれの印刷機の状態と対応付けておく。そして、それぞれの印刷機の状態と対応付けられたそれぞれの時間を用いて、印刷機の能率や非印刷時における印刷機の状態の細分化情報等を含んだ稼働状態報告を作成する。このようにして作成された稼働状態報告は、印刷作業の改善や効率化を手助けとなる。また、本発明では、印刷機の状態が一意に決定できない場合、印刷機の状態に関する複数の電気信号の組み合わせに基づいて印刷機の状態を推定するので、これまでは不明であった印刷機の状態を、より正確に把握できる。その結果、より正確な稼働状態報告が得られるので、印刷作業の改善や効率化に対してより有効である。
本発明の望ましい態様としては、前記印刷機の状態把握システムにおいて、前記状態特定手段は、前記電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定されない場合、推定された前記印刷機の状態を他の状態とともに前記印刷機の状態候補として複数提示し、提示された複数の前記状態候補から一つが選択された場合には、選択された状態候補を前記印刷機の状態として特定し、提示された複数の前記状態候補から前記印刷機の状態が選択されない場合、複数の前記電気信号の組み合わせに基づいて推定された状態を、前記印刷機の状態として特定することが好ましい。これによって、提示された候補から作業者自身が実行した作業を選択して印刷機の状態特定装置へ入力できるので、印刷機の状態を特定する際の精度が向上する。また、複数の電気信号を組み合わせることによっても印刷機の状態を特定できない場合が発生しても、作業者自身が実行した作業を選択して印刷機の状態特定装置へ入力することにより、印刷機の状態を収集するにあたっては、不明な状態をより確実に低減できる。その結果、より正確な稼働状態報告が得られるので、印刷作業の改善や効率化に対してより有効である。
本発明の望ましい態様としては、前記印刷機の状態把握システムにおいて、前記所要時間演算手段と前記集計手段とは、それぞれが通信回線に接続されており、前記集計手段は、前記所要時間演算手段が前記印刷機の状態の種類毎に求めた、前記印刷機の状態の時間を、前記通信回線を介して取得することが好ましい。これによって、印刷機が遠隔地にあるような場合でも、集計手段を用いて稼働状態報告が作成できる。
本発明の望ましい態様としては、前記印刷機の状態把握システムにおいて、前記所要時間演算手段は、前記集計手段が前記印刷機の状態の時間を取得する前に、所定の前記印刷機の状態に対応する時間にマスクをかけることが好ましい。これによって、印刷作業の改善や効率化を手助けとなる効果ともに、印刷機のユーザーが開示したくない情報は、集計手段側で把握できないので、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できるという効果が得られる。
本発明の望ましい態様としては、前記印刷機の状態把握システムにおいて、前記集計手段は、通信回線に接続されており、前記集計手段は、前記印刷機の稼働状態報告を前記通信回線へ出力する前に、前記印刷機の稼働状態報告に含まれる所定の情報にマスクをかけることが好ましい。これによって、印刷作業の改善や効率化を手助けとなる効果ともに、印刷機のユーザーが開示したくない情報は、集計手段側で把握できないので、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できるという効果が得られる。
本発明の望ましい態様としては、前記印刷機の状態把握システムにおいて、前記状態特定手段は、前記印刷機の制御装置が接続される通信回線に接続されており、前記状態特定手段は、前記通信回線を介して前記電気信号を取得するとともに、前記電気信号のうち所定の電気信号は、前記状態特定手段によって取得される前にマスクされていることが好ましい。これによって、印刷作業の改善や効率化を手助けとなる効果ともに、印刷機のユーザーが開示したくない情報は、集計手段側で把握できないので、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できるという効果が得られる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷機の状態把握システムは、印刷機の状態の種類毎に、それぞれの状態に要した時間を集計して印刷機の稼働状態報告を作成するとともに、作成した当該印刷機の稼働状態報告に含まれる所定の情報にマスクをかけてから出力する集計手段を備えることを特徴とする。これによって、印刷機のユーザーが開示したくない情報は、集計手段側で把握できないので、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できるという効果が得られる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷機の状態把握システムは、印刷機の状態に関する電気信号のうち、所定の電気信号にマスクをかけてから、マスクをかけた電気信号及びマスクをかけない電気信号を出力する電気信号出力装置を備えることを特徴とする。これによって、印刷機のユーザーが開示したくない情報は、集計手段側で把握できないので、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できるという効果が得られる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷機の状態把握システムは、通信回線を介して取得された印刷機の正紙枚数と、前記印刷機の電源ON時間と、前記印刷機の稼働時間と、前記印刷機の所定の状態が継続した時間とに基づいて、前記印刷機の稼働状態報告を求めて出力することを特徴とする。これによって、印刷機の能率を含んだ稼働状態報告が作成でき、また、稼働状態報告に印刷機の状態についての情報が含まれることから、印刷機の状態を把握できるので、印刷作業の改善や効率化を手助けとなる情報が提供できる。
本発明は、印刷作業の改善や効率化の手助けとなる印刷機の状態把握システムを提供することと、開示したくない印刷機についての情報の漏洩を抑制できる印刷機の状態把握システムを提供することとのうち、少なくとも一つを実現できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する内容により本発明が限定されるものではない。また、以下の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲にあるものが含まれる。なお、本発明を適用できる印刷機の種類は問わない。
図1は、本実施形態に係る印刷機の状態特定システムを含む印刷システムを示す模式図である。印刷システム100は、印刷機1と、印刷機1を制御する印刷機制御装置10と、コントロールパネル14とで構成される。この印刷機1は、例えば、オフセット印刷機の枚葉印刷機であり、給紙部2と、印刷部3と、排紙部4とを有する。給紙部2は、セットされた紙(枚葉紙)を繰り出して複数の印刷ユニット3a、3b、3c、3dで構成される印刷部3に供給する。それぞれの印刷ユニット3a、3b、3c、3dは、版胴32と、ブランケット胴33と、圧胴34とを有し、供給された紙にオフセット印刷する。
印刷部3は、例えばカラー印刷用の印刷機であればK、C、M、Yの各印刷色に対応した4つの印刷ユニット3a、3b、3c、3dが連結された構成となっており、紙は圧胴34及び中間胴30やチェーングリッパ等により給紙部2から印刷部3、排紙部4の順に搬送される。
版胴32の外周部には刷版が装着されており、インキ供給部からインキが供給される。前記刷版には、インキによる印刷画像が形成される。前記印刷画像は、ブランケット胴33に転写された後、紙に転写される。圧胴34は、搬送された紙をブランケット胴33に押し当てることにより、紙に前記印刷画像が転写される。すべての印刷ユニット3a、3b、3c、3dで印刷された紙は、排紙部4に送られる。排紙部4は、印刷部3で印刷された紙を積層状態に積み上げる。
印刷機制御装置10は、印刷機1の動作を制御するとともに、集計装置16の集計部12hとともに、本実施形態に係る印刷機の状態把握方法(状態把握方法という)を実行する。このように、印刷機制御装置10は、集計装置16の集計部12hとともに、本実施形態に係る印刷機の状態把握システムを構成する。ここで、集計部12hは集計手段である。
印刷機制御装置10は、コンピュータであり、入出力部(I/O)11と、処理部12と、記憶部13とを備えて構成される。印刷機制御装置10は、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)とメモリとを組み合わせて構成してもよい。
処理部12は、入出力部11を介して印刷機1の制御対象に制御信号を送って印刷機1の動作を制御し、また、印刷機1のセンサ類から印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報を受け取る。印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報は、電気信号の形で印刷機制御装置10の処理部12へ送られる。処理部12は、CPUで構成されており、記憶部13上に存在するプログラム(コンピュータプログラム)と呼ぶ命令列を順に読み込み、解釈し、その結果に従ってデータを移動したり加工したりする。
なお、処理部12は、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。また、処理部12の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本実施形態に係る状態把握方法の処理手順を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、あるいはコンピュータシステムに内蔵されるハードディスクのような記録装置のことをいう。さらに、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にコンピュータプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間コンピュータプログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記コンピュータプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本実施形態に係る状態把握方法は、予め用意されたコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現できる。このコンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して配布することができる。また、このコンピュータプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって前記記録媒体から読み出されることによって実行されるようにしてもよい。
処理部12は、信号取得部12aと、制御条件判定部12bと、状態特定手段である状態特定部12cと、所要時間演算手段である所要時間演算部12dと、印刷機状態候補提示部12eと、印刷機状態候補表示部12fと、印刷機動作制御部12gとを備える。なお、本実施形態に係る状態把握システムの機能は、少なくとも状態特定部12cと、所要時間演算部12dと、集計装置16の集計部12hとによって実現される。
信号取得部12aは、入出力部11を介して、印刷機1の状態に関する電気信号を取得する。制御条件判定部12bは、信号取得部12aが取得した前記電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に決定されるか否かを判定する。状態特定部12cは、信号取得部12aが取得した前記電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に決定されない場合には、複数の前記電気信号の組み合わせに基づいて印刷機1の状態を確定する。また、状態特定部12cは、信号取得部12aが取得した前記電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に決定される場合には、その状態を印刷機1の状態であると推定する。
所要時間演算部12dは、状態特定部12cが確定した印刷機1の状態が継続した時間を求め、印刷機の状態と関連付けたデータの形式で記憶部13に格納する。同じ状態が時間をおいて複数回発生した場合には、所要時間演算部12dは、当該状態の時間を積算する。印刷機状態候補提示部12eは、前記電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に決定されない場合、印刷機1の状態の候補を単数又は複数提示する。そして、印刷機状態候補提示部12eは、入出力部11に接続される入出力手段であるコントロールパネル14の表示手段であるディスプレイ14Dに単数又は複数の前記候補を表示させる。
印刷機状態候補表示部12fは、状態特定部12cが推定した印刷機1の状態を、ディスプレイ14Dに表示された他の候補とは異なる態様で表示させる。例えば、状態特定部12cが推定した印刷機1の状態を点滅させたり、他の候補とは異なる色で表示させたりする。印刷機動作制御部12gは、印刷機1の動作、例えば、メンテナンスに必要な動作や印刷作業に必要な動作を制御する。
コントロールパネル14には、印刷機1の動作を制御するための指令を入力する入力手段14Cが設けられる。本実施形態において、コントロールパネル14は、タッチパネル形式のディスプレイ14Dを備える。したがって、本実施形態においては、入力手段14Cの他にも、ディスプレイ14Dを用いてコントロールパネル14に対して入力できる。なお、ディスプレイ14Dは、タッチパネル式に限定されるものではない。
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリやROM(Read Only Memory)のような不揮発性のメモリ、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体、あるいはこれらを組み合わせて構成される。記憶部13には、本実施形態に係る状態把握方法を実現するためのコンピュータプログラムやデータ、あるいは印刷機1の制御を実現するための制御用コンピュータプログラムや制御データが格納されている。処理部12は、これらのコンピュータプログラムやデータを用いて、本実施形態に係る状態把握方法を実現したり、印刷機1の動作を制御したりする。なお、記憶部13は、通信回線15に接続される他の装置(例えばデータサーバー)に設けられていてもよい(以下の例でも同様)。この場合、印刷機制御装置10は、通信回線15を介した通信によって記憶部13へアクセスする。
入出力部11は、通信回線15に接続される。これによって、印刷機制御装置10の処理部12は、入出力部11を介して通信回線15に接続される。通信回線15は、インターネットやLAN(Local Area Network)である。通信回線15には、印刷機1の稼働状態を集計して、印刷機1の稼働状態報告を作成する集計装置16や、印刷機1の生産管理等に用いられる印刷機管理装置18が接続されている。
集計装置16は、通信回線15に接続される入出力部17と、CPUで構成される処理部16cと、ROMやRAMで構成される記憶部16mとで構成される。集計装置16は、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して構成される。処理部16cは、集計部12hを備える。集計部12hは、通信回線15を介して印刷機制御装置10から取得した、印刷機1の状態及びその状態が継続した時間、あるいは前記時間の積算値から、印刷機1の稼働状態を集計して、印刷機1の稼働状態報告を作成する。印刷機管理装置18は、集計装置16が集計した印刷機1の稼働状態を取得し、印刷機1の生産管理等を行う。
図2は、本実施形態の第1変形例に係る状態特定装置を含む印刷システムを示す模式図である。本変形例に係る状態特定装置及びこれを備える印刷システム100Aは、上述した状態特定装置及び印刷システム100と同様であるが、本変形例に係る状態特定装置は、通信回線15に接続される集計装置16Aの処理部16Acによって実現される点が異なる。他の構成は上述した状態特定装置及び印刷システム100と同様である。
本変形例において、印刷機制御装置10Aは、入出力部11を介して通信回線15に接続されている。印刷機制御装置10Aは、CPUで構成される処理部12Aを備えており、これによって印刷機1の動作を制御する。記憶部13には、本実施形態に係る状態把握方法を実行するためのコンピュータプログラムは格納されておらず、処理部12Aは、印刷機1の動作の制御のみを実行する。本実施形態に係る状態把握方法は、後述するように、通信回線15に接続される集計装置16Aが実行する。
集計装置16Aは、印刷機1の稼働状態を集計するとともに、本実施形態に係る状態把握方法を実行する。このように、集計装置16Aは、本実施形態に係る状態特定装置として機能する。集計装置16Aは、通信回線15に接続される入出力部17と、CPUで構成される処理部16Acと、ROMやRAMで構成される記憶部16mとで構成される。集計装置16Aは、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して構成される。処理部16Acの機能は、上述した印刷機制御装置10の処理部12と同様である。また、記憶部16mの機能は、上述した印刷機制御装置10の記憶部13の機能と同様である。
処理部16Acは、信号取得部12aと、制御条件判定部12bと、状態特定部12cと、所要時間演算部12dと、印刷機状態候補提示部12eと、印刷機状態候補表示部12fと、集計部12hとを備える。これらのうち、信号取得部12a及び制御条件判定部12b及び状態特定部12c及び所要時間演算部12d及び印刷機状態候補提示部12e及び印刷機状態候補表示部12fについては、上述した印刷機制御装置10の処理部12で説明した通りなので、説明を省略する。処理部16Acは、印刷機制御装置10A及び通信回線15を介して、印刷機1の状態に関する電気信号を取得して、本実施形態に係る状態把握方法を実行する。
なお、所要時間演算部12dは、状態特定部12cが確定した印刷機1の状態が継続した時間を演算し、あるいは前記時間の積算値を演算して求め、印刷機の状態と関連付けたデータの形式で記憶部16mに格納する。集計部12hは、記憶部16mから印刷機の状態と当該状態の継続時間との関係を取得し、印刷機1の稼働状態を集計する。
図3は、本実施形態の第2変形例に係る状態特定装置を含む印刷システムを示す模式図である。本変形例に係る状態特定装置及びこれを備える印刷システム100Bは、上述した状態特定装置及び印刷システム100と同様であるが、本変形例に係る状態特定装置は、集計部12hを含む印刷機制御装置10Bで実現される点が異なる。他の構成は上述した状態特定装置及び印刷システム100と同様である。
印刷機制御装置10Bは、図1に示す印刷機制御装置100の処理部12に、集計部12hを設けたものである。そして、印刷機制御装置10Bは、入出力部11を介して印刷機1の状態に関する電気信号を取得して、本実施形態に係る状態把握方法を実行する。そして、集計部12hは、記憶部16mから印刷機の状態と当該状態が継続した時間、あるいは印刷機の状態が継続した時間の積算値との関係を取得し、印刷機1の稼働状態を集計する。本変形例に係る状態特定装置は、印刷機制御装置10B内で印刷機1の稼働状態の集計までが可能である。なお、印刷機制御装置10Bは、入出力部11を介して通信回線15に接続されている。通信回線15には、例えば、サービスセンターの分析装置19や印刷機管理装置18が接続されており、印刷システム100Bにおいて、印刷機制御装置10Bは、通信回線15を介して、これらとデータのやり取りができるように構成されている。
次に、本実施形態に係る状態把握方法の手順を説明する。本実施形態に係る状態把握方法は、図1に示す印刷機制御装置10、あるいは図2に示す集計装置16Aによって実現される。次においては、原則として図1に示す印刷機制御装置10を状態特定装置として用いて本実施形態に係る状態把握方法を実行する例を説明するが、必要に応じて図2に示す集計装置16Aや図3に示す印刷機制御装置10Bが本実施形態に係る状態把握方法を実現する例も説明する。
図4、図5は、本実施形態に係る印刷機の状態把握方法の手順を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る状態把握方法において、一意に決定できる印刷機の状態と一意に決定できない印刷機の状態とを示す図表である。図7は、本実施形態に係る状態把握方法において印刷機の状態を特定する際のタイミングチャートの一例を示す説明図である。図8は、本実施形態に係る状態特定方法において、印刷機の状態の候補をディスプレイに表示させる状態を示す模式図である。図9は、印刷機の状態と当該状態が継続した時間と関連付けて記述したデータマップを示す概念図である。
本実施形態に係る印刷機の状態把握方法を実行するにあたり、まず、図4に示すステップS101において、図1に示す印刷機制御装置10は、例えば、メンテナンス中であるとか、正紙印刷中であるとかといった印刷機1の状態を特定し、その状態が継続した時間を求める。次に、図7を用いて、印刷機1の状態を特定し、その状態が継続した時間を求める方法(印刷機の状態特定方法)手法を説明する。
印刷機1の状態を特定し、その状態が継続した時間を求めるにあたり、図5に示すステップS201において、図1に示す印刷機制御装置10の処理部12が備える信号取得部12aは、印刷機1のセンサ類や印刷機1の制御対象に対する制御信号等から、印刷機1の状態に関する電気信号(以下印刷機状態電気信号という)を取得する。図2に示す集計装置16Aを状態特定装置として用いる場合には、図2に示す印刷機制御装置10A及び通信回線15を介して、処理部16Acが備える信号取得部12aが、印刷機状態電気信号を取得する。印刷機状態電気信号は、印刷機制御装置10が生成する印刷機1に対する制御信号や、印刷機1のセンサ類(例えば、ドアの開閉センサや可動部の動作を制限するリミットセンサ等)が検出する信号等である。
ステップS202において、図1に示す印刷機制御装置10の処理部12が備える制御条件判定部12bは、ステップS201において取得された印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に決定されるか否かを判定する。一意に決定されるとは、取得された印刷機状態電気信号と、これに対応する印刷機1の状態とは一対一に対応していることをいい、印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態が一意に、すなわち単一に決定されると、他の状態はすべて排除される。
したがって、一意に決定されないとは、取得された印刷機状態電気信号と、これに対応する印刷機1の状態とが一対一に対応していない、すなわち、取得された印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は複数存在することをいう。この場合、印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は一意に、すなわち単一に決定されないので、一つの印刷機状態電気信号に対して存在する印刷機1の状態の候補が複数存在することになる。
図6に示すように、例えば、印刷機1で実行される作業が正紙印刷の本刷り、版交換(半自動版交換及び全自動版交換)、洗浄(自動ブランケット洗浄、自動インキ洗浄)、万力による見当合わせである場合、印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は、これらの作業のうちいずれかに特定される。例えば、印刷機1が備える正紙カウンタの出力がONである場合、印刷機1で実行される作業は正紙印刷であると一意に特定される。また、版交換中を示す信号がONである場合、印刷機1で実行される作業は版交換であると一意に特定される。また、ブランケット洗浄中を示す信号がONである場合、又はインキ洗浄(インキの経路の洗浄)を示す信号がONである場合、印刷機1で実行される作業はブランケット洗浄、又はインキ洗浄であると一意に特定される。
また、図7に示すタイミングチャートでは、始業準備J、見当・色合わせ作業及び印刷E、正紙印刷A及び万力による見当合わせFが、それぞれ、印刷機1の電源ONを示す印刷機状態電気信号ES_aのON信号、印刷中を示す印刷機状態電気信号ES_eのON信号、正紙カウンタのONを示す印刷機状態電気信号ES_fのON信号及び万力見当合わせを示す印刷機状態電気信号ES_iのON信号と一対一で対応する印刷機1の状態である。例えば、ステップS201において信号取得部12aが正紙カウンタのONを示す印刷機状態電気信号ES_fのON信号を取得した場合、制御条件判定部12bは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態は、正紙印刷Aであると特定する。また、ステップS201において信号取得部12aが万力見当合わせを示す印刷機状態電気信号ES_iのON信号を取得した場合、制御条件判定部12bは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態は、万力による見当合わせFであると特定する。
ステップS202でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが、印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は一意に決定されると判定した場合、ステップS203へ進む。すなわち、取得された印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は一種類のみであると制御条件判定部12bが判定した場合、ステップS203へ進む。ステップS203において、図1に示す印刷機制御装置10の処理部12が備える状態特定部12cは、ステップS201で取得した印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態を、印刷機状態電気信号を取得したときにおける印刷機1の状態であると特定する。例えば、ステップS201で取得された印刷機状態電気信号が、正紙カウンタのON信号である場合、状態特定部12cは、正紙カウンタのON信号が取得されたときに印刷機1で実行された作業(印刷機1の状態)は正紙印刷であると一意に特定する。なお、特定された印刷機1の状態は、必要に応じて印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される(以下同様)。
次にステップS204へ進み、図1に示す印刷機制御装置10の処理部12が備える所要時間演算部12dは、ステップS203で特定された印刷機1の状態が継続した時間(所要時間)を求める。そして、ステップS205において、所要時間演算部12dは、特定された印刷機1の状態とステップS204で求めた所要時間とを関連付けた形式のデータで、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納する。次に、ステップS202でNoと判定された場合について説明する。
ステップS202でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが、印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は一意に決定されないと判定した場合、ステップS206へ進む。すなわち、取得された印刷機状態電気信号に対応する印刷機1の状態は、複数存在すると制御条件判定部12bが判定した場合、ステップS206へ進む。この時点では、状態特定部12cは、印刷機1の状態を一意に決定できないので、ステップS206において、状態特定部12cは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときの印刷機1の状態を、「その他」に分類して、記憶部13へ一時的に格納する。
次に、ステップS207に進み、印刷機制御装置10の処理部12が備える印刷機状態候補提示部12eは、ステップS201で印刷機状態電気信号を取得したときにおける印刷機1の状態の候補(以下状態候補という)を提示し、コントロールパネル14のディスプレイ14Dに複数表示する。本実施形態では、すべての状態候補がディスプレイ14Dに表示される。なお、ディスプレイ14Dに表示させる状態候補は単数であってもよい。
この場合、図8に示すように、ディスプレイ14Dの表示領域DA1には、印刷の準備に分類される作業項目が状態候補SB1〜SB4として表示され、表示領域DA2には、印刷機1のメンテナンスに分類される作業項目が状態候補SB5〜SB11として表示される。ディスプレイ14Dの表示領域DA3には、本実施形態に係る状態特定方法によって状態特定部12cが推定可能な作業項目が状態候補SB15〜SB28として表示される。ディスプレイ14Dの表示領域DA4には、印刷の準備、メンテナンス、推定可能な作業項目(すなわち状態候補)のいずれにも分類されない作業項目が状態候補SB12〜SB14、SB0として表示される。なお、表示領域DA4に表示される状態候補SB0は、「その他」であり、状態候補SB1〜SB28のいずれにも分類されない印刷機1の状態である。
状態候補がディスプレイ14Dに表示されたら、ステップS208において、制御条件判定部12bは、作業者の入力、すなわち、作業者がディスプレイ14Dに表示された複数の状態候補の中から印刷機1の状態として一つを選択したか否かを判定する。ステップS208でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力があったと判定した場合、ステップS209へ進む。
ステップS209において、状態特定部12cは、入力された状態候補を、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態として特定する。その後、上述したステップS204及びステップS205が実行され、ステップS209で特定された印刷機1の状態とステップS204で求めた所要時間とを関連付けた形式のデータが、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される。次に、ステップS208でNoと判定された場合を説明する。
ステップS208でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力はないと判定した場合、ステップS210に進む。ステップS210において、信号取得部12aは、印刷機1のセンサ類や印刷機1の制御対象に対する制御信号等から、印刷機状態電気信号を取得する。そして、状態特定部12cは、ステップS201及びステップS210で取得した印刷機状態電気信号に基づいて、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態を推定する。これは、例えば、次のようにして推定する。
まず、複数の印刷機状態電気信号の組み合わせと、この組み合わせに対応する印刷機1の状態との対応関係を予め状態推定用データマップに記述して記憶部13へ格納しておく。そして、状態特定部12cが前記状態推定用データマップを参照して、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態を推定する。すなわち、状態特定部12cは、前記状態推定用データマップから、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける、複数の印刷機状態電気信号の組み合わせに対応する印刷機1の状態を取得し、これを推定された印刷機1の状態とする。
状態特定部12cが前記状態を推定できる場合、状態特定部12cは、状態推定可能フラグを0から1にするとともに、推定した印刷機1の状態を、記憶部13へ一時的に格納しておく。状態特定部12cが前記状態を推定できない場合、状態特定部12cは、状態推定可能フラグを0にするとともに、印刷機1の状態を、「その他」とする。
例えば、図6の「一意に決定不可」の項目に示すように、印刷機停止を示す印刷機状態電気信号、及び版交換開始の印刷機状態電気信号がこの順序で取得された場合には、印刷機1の状態(印刷機状態)が版待ちであると推定される。同様に、印刷中を示す印刷機状態電気信号、及び印刷機停止を示す印刷機状態電気信号、及びある印刷ユニットが安全モードを示す印刷機状態電気信号、及び版ブランケットカバー開を示す印刷機状態電気信号、及び寸胴・逆寸を示す印刷機状態電気信号、及び版ブランケットカバー閉を示す印刷機状態電気信号、及び運転モードに復帰を示す印刷機状態電気信号がこの順序で取得された場合には、印刷機1の状態は版手入れ(ゴミ取り)であると推定される。図6に示す手動圧胴洗浄、休憩、湿しメンテナンス、ブランケット洗浄装置メンテナンス、給油についても同様である。
図7に示すタイミングチャートでは、ステップS201において信号取得部12aがジョブ中を示す印刷機状態電気信号ES_bのON信号を取得した場合、印刷機1の状態は一意に決定できない。したがって、この場合には、状態特定部12cは、印刷機1の状態として、その他Mを記憶部13に格納する。そして、ステップS210で信号取得部12aが、版交換を示す印刷機状態電気信号ES_cのON信号を取得した場合、状態特定部12cは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態は、版待ちGであると推定する(図7の(A))。
また、ステップS201において信号取得部12aが印刷の終了を示す印刷機状態電気信号ES_eのOFF信号を取得した場合、印刷機1の状態は一意に決定できない。この場合には、状態特定部12cは、印刷機1の状態として、その他Mを記憶部13に格納する。そして、ステップS210で信号取得部12aが、印刷中を示す印刷機状態電気信号ES_eのON信号を取得した場合、状態特定部12cは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態は、見当・色合わせ作業Eであると推定する(図7の(B))。
次に、ステップS211において、制御条件判定部12bは、取得した複数の印刷機状態電気信号の組み合わせから、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態が推定できるか否かを判定する。例えば、制御条件判定部12bは、上述した状態推定可能フラグが1であった場合に、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態を推定できると判定し、状態推定可能フラグが0である場合には、印刷機1の状態は推定できないと判定する。
ステップS211においてYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが、取得された複数の印刷機状態電気信号の組み合わせから、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態が推定できると判定した場合、ステップS212へ進む。ステップS212において、印刷機状態候補提示部12eは、ステップS201で印刷機状態電気信号を取得したときにおける状態候補を、コントロールパネル14のディスプレイ14Dに複数表示する。本実施形態では、すべての状態候補がディスプレイ14Dに表示される。
このとき、印刷機状態候補表示部12fは、複数の印刷機状態電気信号の組み合わせに基づいて状態特定部12cが推定した、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態を、他の候補とは異なる態様でディスプレイ14Dに表示させる。ステップS212において、他の候補とは異なる態様で表示されるものは、例えば、図6の「作業者の選択によるもの」における印刷機状態のうち、版待ち、版手入れ、手動圧胴洗浄、休憩、湿しメンテナンス、ブランケット洗浄装置メンテナンス、給油のうち、複数の印刷機状態電気信号の組み合わせに基づいて状態特定部12cが推定したものである。
複数の印刷機状態電気信号の組み合わせに基づいて推定された印刷機の状態を、他の候補とは異なる態様で表示させる場合、例えば、状態候補SB15が状態特定部12cによって推定されたものである場合、印刷機状態候補表示部12fは、状態候補SB15を他の状態候補SB0〜SB14、SB16〜SB28とは異なる色で表示したり、状態候補SB15のみを点滅させたりする。これによって、作業者が選択しやすいように誘導できる。
状態候補がディスプレイ14Dに表示されたら、ステップS213において、制御条件判定部12bは、作業者の入力、すなわち、作業者がディスプレイ14Dに表示された複数の状態候補の中から印刷機1の状態として一つを選択したか否かを判定する。ステップS213でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力があったと判定した場合、ステップS209へ進む。ステップS209以後の手順は上述した通りなので、説明を省略する。
ステップS213でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力はないと判定した場合、ステップS214へ進む。ステップS214において、状態特定部12cは、ステップS210で推定した印刷機1の状態を、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態とする。ステップS210で推定された印刷機1の状態は、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態として確実なものであるので、作業者の入力がない場合には、ステップS210で推定された印刷機1の状態を、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態とするのが妥当だからである。
ステップS214で印刷機1の状態が特定されたら、上述したステップS204及びステップS205が実行され、ステップS214で特定された印刷機1の状態とステップS204で求めた所要時間とを関連付けた形式のデータが、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される。次に、ステップS211でNoと判定された場合を説明する。ステップS211においてNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが、取得された複数の印刷機状態電気信号の組み合わせから、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態が推定できないと判定した場合、ステップS215へ進む。
ステップS215において、制御条件判定部12bは、印刷機1の現在のジョブが終了したか否かを判定する。ステップS215でYesと判定された場合、すなわち制御条件判定部12bが印刷機1の現在のジョブが終了したと判定した場合、ステップS216へ進む。例えば、上記ステップS211で信号取得部12aがジョブの終了を示す印刷機状態電気信号ES_bのOFF信号を取得した場合、制御条件判定部12bは、印刷機1の現在のジョブが終了したと判定する。この場合、ステップS201で印刷機状態電気信号を取得したときにおける印刷機1の状態は一意に決定できない。このため、ステップS216へ進み、印刷機状態候補提示部12eは、ステップS201で印刷機状態電気信号を取得したときにおける状態候補を、コントロールパネル14のディスプレイ14Dに複数表示する。次に、ステップS217へ進み、制御条件判定部12bは、作業者の入力、すなわち、作業者がディスプレイ14Dに表示された複数の状態候補の中から印刷機1の状態として一つを選択したか否かを判定する。
ステップS217でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力があったと判定した場合、ステップS218へ進む。ステップS218において、状態特定部12cは、入力された状態候補を、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態として特定する。
図7に示すタイミングチャートでは、信号取得部12aがジョブの終了を示す印刷機状態電気信号ES_bのOFF信号を取得した場合、状態特定部12cは、印刷機1の状態として、その他Mを記憶部13に格納する。ステップS218で、信号取得部12aが作業者の入力Lを取得した場合、状態特定部12cは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態は、作業者がディスプレイ14Dに表示された状態候補から選択し、かつ入力した状態候補を、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態として特定する(図7の(C))。その後、上述したステップS204及びステップS205が実行され、ステップS218で特定された印刷機1の状態とステップS204で求めた所要時間とを関連付けた形式のデータが、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される。
ステップS217でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bが作業者の入力はないと判定した場合、ステップS219へ進む。ステップS219において、状態特定部12cは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態をその他に特定し、記憶部13へ格納する。取得された複数の印刷機状態電気信号の組み合わせからは、ステップS201で印刷機状態電気信号が取得されたときにおける印刷機1の状態が推定できず(ステップS211:No)、かつ複数の状態候補の中から印刷機1の状態が選択されず(ステップS217:No)、かつジョブが終了した場合、このジョブ中においては印刷機1の状態を特定できないからである。
ステップS219で印刷機1の状態がその他に特定されたら、上述したステップS204及びステップS205が実行され、ステップS219で特定された印刷機1の状態(すなわちその他)とステップS204で求めた所要時間とを関連付けた形式のデータが、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される。次に、ステップS215でNoと判定された場合を説明する。ステップS215でNoと判定された場合、すなわち制御条件判定部12bが印刷機1の現在のジョブが終了したと判定した場合、ステップS210〜ステップS219を繰り返す。
本実施形態では、上述した手順により、印刷機1の状態が特定される。所要時間演算部12dは、特定された印刷機1の状態(印刷機状態)と、その状態が継続した時間(所要時間)とを関連付けて、例えば、図9に示す印刷機状態マップ50に記述する。なお、印刷機状態マップ50は、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納される。印刷機状態マップ50は、例えば、ある一日に実行されたすべてのジョブにおけるそれぞれの印刷機状態の所要時間を、印刷機状態の種類毎に積算して記述したものである。すなわち、印刷機状態マップ50に記述される時間は、所定の印刷機状態の所要時間の積算値(積算時間)である。この場合、印刷機状態マップ50は、印刷機1が稼働した日毎に作成されて、記憶部13に保存される。
印刷機状態の所要時間を印刷機状態マップ50に記述する場合、所要時間演算部12dは、状態特定部12cによって特定された印刷機状態を印刷機状態マップ50から検索する。そして、所要時間演算部12dは、検索された印刷機状態に対応する所要時間の保存領域に、特定された印刷機状態の所要時間を書き込む。前記保存領域に、すでに値が書き込まれている場合、所要時間演算部12dは、その値に新たな所要時間を加算する。このようにして、印刷機状態マップ50には、ある期間(例えば一日)に実行されたすべてのジョブにおけるそれぞれの印刷機状態に要した所要時間の積算値、すなわち積算時間が、それぞれの印刷機状態に対応して書き込まれる。
なお、記憶部13に格納される印刷機1の状態のうち、その他に分類されたものには、それぞれに他との識別ができるIDを付してもよい。そして、例えば、一日の作業が終了した後に、記憶部13からその他に分類されたものを読み出し、作業者のマニュアル入力によってその他に分類された印刷機1の状態を特定してもよい。これによって、不明な印刷機の状態をさらに低減できる。また、ディスプレイ14Dに表示された状態候補から作業者が選択したものについては、印刷機制御装置10(すなわち本実施形態に係る状態特定装置)によって特定されたものとは異なるファイルで記憶部13へ格納してもよい。これによって、例えば、集計時に印刷機制御装置10によって特定されたものと作業者が選択したものとを比較して、より正確な方を選択することもできる。
(印刷機の状態をさらに細分化する方法)
図10は、本実施形態に係る状態特定方法において、印刷機の状態をさらに細分化する方法手順を示すフローチャートである。本実施形態では、次に説明する印刷機の状態を分類する方法(印刷機状態分類方法)により、印刷機1の状態をさらに細分化して、細分化した印刷機の状態が継続する時間を求めてもよい。この印刷機状態分類方法は、特定された印刷機1の状態が継続する時間、すなわち所要時間に基づいて、印刷機1の状態を細分化する。以下において、印刷機1の状態は、印刷機自体の状態の他、印刷機1に対する作業者の作業、例えば、印刷機1に対して作業者が版交換やローラのゴミ取り等を実行している行為も含むものとする。
本実施形態に係る印刷機状態分類方法は、上述した状態特定方法において、特定された印刷機1の状態の所要時間が求められた後に実行される。本実施形態に係る印刷機状態分類方法が実行されるのは、特定された印刷機1の状態の所要時間が求められた後であればよく、例えば、図5のステップS204の後、あるいはステップS205の後であればよい。
本実施形態に係る状態特定方法において、特定された印刷機1の状態の所要時間が求められた後(例えば、図5のステップS205の後)、本実施形態に係る印刷機状態分類方法のステップS301が実行される。ステップS301において、図1に示す制御条件判定部12bは、本実施形態に係る状態特定方法において特定された印刷機1の状態に要した所要時間Tが、所定の第1閾値Ta以下であるか否かを判定する。
ステップS301でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bがT≦Taであると判定した場合、ステップS302へ進む。ステップS302において、図1に示す状態特定部12cは、印刷機1の状態を、状態Aに分類して、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納する。ステップS301でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bがT>Taであると判定した場合、ステップS303へ進む。ステップS303において、制御条件判定部12bは、本実施形態に係る状態特定方法において特定された印刷機1の状態に要した所要時間Tが、所定の第2閾値Tb以下であるか否かを判定する。
ステップS303でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bがTa<T≦Tbであると判定した場合、ステップS304へ進む。ステップS304において、状態特定部12cは、印刷機1の状態を状態Bに分類して、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納する。ステップS303でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部12bがT>Tbであると判定した場合、ステップS305へ進む。ステップS305において、状態特定部12cは、印刷機1の状態を状態Cに分類して、印刷機制御装置10の記憶部13へ格納する。
第1閾値Ta、第2閾値Tbは、印刷機1の状態を分類するための閾値であって、予め設定されて、記憶部13へ格納される。例えば、ローラのゴミ取りに要する時間や、版交換に要する時間や、ニップの調整に要する時間等、印刷機1に対する作業者の作業に必要な時間を、第1閾値Taや第2閾値Tbとする。
制御条件判定部12bは、ステップS301、ステップS302を実行する際に、記憶部13から第1閾値Taあるいは第2閾値Tbを読み出して、所要時間Tと比較する。第1閾値Ta、第2閾値Tbは、例えば、状態Aや状態Bが継続する時間の平均値としてもよいし、印刷機1の作業者の熟練度、印刷における絵柄や紙質に応じて個別に設定してもよい。個別に第1閾値Ta、第2閾値Tbを設定する場合、作業者の熟練度に応じて第1閾値Taや第2閾値Tbを変更したり、印刷における絵柄や紙質に応じて第1閾値Taや第2閾値Tbを変更したりしてもよい。このようにすれば、本実施形態に係る印刷機状態分類方法において、印刷機1の状態を分類する際の精度が向上する。
また、印刷機1の状態と、この状態に要した所要時間Tとの関係が蓄積されてきた場合には、その平均値や標準偏差等の統計量を用いて、第1閾値Taや第2閾値Tbを再設定してもよい。これは、例えば、図1に示す状態特定部12cが、記憶部13に蓄積された印刷機1の状態と、所要時間Tとの関係から、ある印刷機1の状態に要した所要時間Tの統計量を演算し、その結果に基づいて第1閾値Taや第2閾値Tbを再設定する。例えば、前記統計量として、ある印刷機1の状態に要した所要時間Tの平均値を用いる場合、状態特定部12cは、状態Aや状態B等に要した所要時間Tの平均値を求め、求めた平均値がこれまでの第1閾値Taや第2閾値Tbと異なっていた場合には、求めた平均値を、第1閾値Taや第2閾値Tbに再設定して、記憶部13へ格納する。このようにすれば、本実施形態に係る印刷機状態分類方法において、印刷機1の状態を分類する際の精度が向上する。
本実施形態に係る印刷機状態分類方法において分類される状態A、B、Cは、例えば、図6に示す、一意に決定不可の印刷機状態を、第1閾値Taや第2閾値Tbによってさらに細分化したものであってもよい。例えば、印刷機状態が、信号の組み合わせから推定された、あるいは作業者により選択された版手入れである場合、これを、第1閾値Taや第2閾値Tbによって、さらにゴミ取り(状態A)、ローラーメンテナンス(状態B)、ニップの調整(状態C)に細分化する。すなわち、所要時間Tが第1閾値Ta以下である場合はゴミ取りに、所要時間TがTaよりも大きく第2閾値Tb以下である場合にはローラーメンテナンスに、所要時間Tが第2閾値Tbよりも大きい場合にはニップの調整に分類する。このようにすれば、一意に決定不可の印刷機状態をより細分化して推定し、特定できる。
また、本実施形態に係る印刷機状態分類方法において分類される状態A、B、Cは、例えば、一意に決定不可の印刷機状態であって、信号の組み合わせから推定された候補の中から、第1閾値Taや第2閾値Tbによって分類されるものであってもよい。例えば、本実施形態に係る状態特定方法においては、信号の組み合わせから推定された印刷機1の状態候補が複数存在する場合、図1のディスプレイ14Dに状態候補SB0、SB1等が表示される。これらはあくまで信号の組み合わせから推定されたものなので、印刷機1の作業者の実作業とは異なることがある。したがって、本実施形態に係る印刷機状態分類方法は、第1閾値Taや第2閾値Tbによって、推定された状態候補を分類する。
上述したように、第1閾値Taや第2閾値Tbを、印刷機1の作業者の熟練度、印刷における絵柄や紙質に応じて個別に設定すれば、推定された状態候補の分類においては、実際の作業状態を反映させることができるので、一意に決定不可の印刷機状態の推定精度が向上する。なお、本実施形態では、印刷機1の状態を3種類に分類したが、印刷機1の状態の分類数はこれに限定されるものではない。本実施形態に係る印刷機状態分類方法において分類された状態(印刷機状態)A、B、Cは、所要時間演算部12dによって、それぞれの状態が継続した時間(所要時間)と対応付けられて、例えば、図9に示す印刷機状態マップ50に記述される。なお、上述したように、印刷機状態マップ50には、ある期間(例えば一日)に実行されたすべてのジョブにおけるそれぞれの印刷機状態に要した所要時間の積算値、すなわち積算時間が、それぞれの印刷機状態に対応して書き込まれる。
上述した手順により、印刷機状態及びその所要時間が得られる。次に、図4のステップS102において、得られた印刷機状態及びその所要時間から、印刷機1の稼働状態報告(以下、稼働状態報告という)が作成される。稼働状態報告を作成するにあたり、図1に示す通信回線15に接続されている集計装置16の集計部12hは、通信回線15を介して印刷機制御装置10の記憶部13から、印刷機状態マップ50を取得する。そして、集計部12hは、印刷機状態マップ50に記述された印刷機状態及びそれに対応する積算時間(あるいはその状態が継続した時間)を読み込むとともに、読み込んだ印刷機状態及び積算時間等を、その種類毎に集計して、印刷機1の作業毎に分類する。これによって、集計部12hは、印刷機1の稼働状態報告を作成する。
図1に示す印刷システム100では、印刷機制御装置10と集計装置16とがそれぞれ通信回線15に接続されている。したがって、印刷システム100では、印刷機制御装置10の所要時間演算部12dと、集計装置16の集計部12hとが、それぞれ入出力部17、入出力部11を介して通信回線15に接続されることになる。このように、所要時間演算部12dと集計部12hとが通信回線15に接続されるとは、入出力部やインターフェースを介して接続される態様であってもよいし、直接接続される態様であってもよい。
なお、集計部12hが印刷機状態マップ50の情報を読み込む場合、例えば、印刷機制御装置10が所定のタイミング(例えば、一日のジョブがすべて終了して印刷機1の電源がOFFになった後)で読み込み指令を集計部12hに発行する。これは、自動であっても、作業者のマニュアル操作であってもよい。そして、集計部12hは、この読み込み指令を受信したら、印刷機状態マップ50の情報を読み込む。これによって、集計部12hは、自動的に印刷機状態マップ50の情報を入手できるので、稼働状態報告が迅速に作成されるとともに、作業の負担が軽減される。
稼働状態報告は、例えば、印刷機1の非印刷時におけるそれぞれの状態の所要時間を、それぞれの状態に対応して記述したものである。また、稼働状態報告には、印刷機1の正紙枚数と、印刷機1の電源ON時間と、印刷機1の稼働時間とから求めた印刷機1のA能率及びC能率を含めてもよい。印刷機1のA能率は、正紙枚数/印刷時間で求めることができ、印刷機1のC能率は、正紙枚数/稼働時間で求めることができる。印刷機1の稼働時間は、印刷機1の電源ON時間から休憩時間と待ち時間とサービスマンによるメンテナンス時間との和を減算して求める。したがって、印刷機1の稼働時間には、印刷時間と非印刷時間の一部(例えば印刷準備時間や印刷機1の作業者によるメンテナンス時間等)とが含まれる。また、印刷機1の正紙枚数は、正紙印刷時において、印刷機1の排紙部4に設けられた排紙カウンタで計数された印刷後の紙の枚数である。なお、印刷機1の損紙枚数は、印刷機1の給紙部2に設けられた通紙カウンタにより求めた通紙枚数から正紙枚数を減算して求めることができる。さらに、稼働状態報告には、印刷枚数やジョブ情報(絵柄や用紙の種類等)を含めてもよい。この場合、集計部12hは、必要な情報を印刷機制御装置10から通信回線15を介して取得する。
集計部12hは、作成した稼働状態報告を、印刷機1のユーザーに送る。図1に示す印刷システム100の場合、集計部12hは、稼働状態報告を通信回線15に出力して、印刷機1のユーザーが管理している印刷機管理装置18へ自動的に送信してもよい。これによって、印刷機1の管理者は、速やかに、タイムラグなく印刷機1の稼働状態報告を知ることができる。稼働状態報告の自動送信は、例えば、印刷機1のユーザーが定期的に稼働状態報告を必要とする場合に好ましい。
集計部12hが、稼働状態報告を印刷機管理装置18へ送信する場合、集計部12hは、印刷機管理装置18のアドレスを指定して、稼働状態報告を送信する。印刷機管理装置18のアドレスは、例えば、印刷機状態マップ50に記述しておく。そして、集計部12hが印刷機状態マップ50に記述された印刷機状態及び積算時間等を読み込むときに、集計部12hが印刷機管理装置18のアドレスも読み込む。なお、集計部12hは、作成した稼働状態報告を、例えば、ディスプレイ等の表示装置に出力したり、プリンタに出力したりしてもよい。
図11は、稼働状態報告の一例を示す図である。集計部12hが自動作成する稼働状態報告は、例えば、図11に示すように、時間情報60と、印刷時間情報61と、正紙/損紙情報62と、能率情報63と、非印刷時間情報64とを含んで構成される。ここで、集計部12hが作成する稼働状態報告に加え、時間情報60や印刷時間情報61等を分析した結果を稼働状態報告に含めて、集計部12hが、前記分析結果を含めた稼働状態報告を、通信回線15や表示装置等に出力するようにしてもよい。分析は、集計部12hの保有者、例えば、サービス会社の担当者が時間情報60や印刷時間情報61等に基づいて行う。
例えば、A能率とC能率との差は、印刷時間と稼働時間との差である。この差は、非印刷時間のうち、印刷準備時間や印刷機1の作業者によるメンテナンス時間等に起因するので、これらに要した時間を分析することにより、非印刷時間を短縮する方策を提案できることがある。特に、本実施形態に係る状態推定方法では、非印刷時間における印刷機の状態を細かく特定できるので、より精度の高い分析が可能となる。その結果、非印刷時間を短縮する方策を提案しやすくなる。このように、稼働状態報告に分析結果を加えることで、印刷機1のユーザーに対してきめ細かいサービスが提供できる。また、分析結果を稼働状態報告に加えるためには、時間情報60や印刷時間情報61等の分析が必要になるので、印刷機1のユーザーとサービス会社との間で、印刷機1の状態についての情報を共有できるので、両者の間で意思の疎通が迅速になるという利点もある。さらに、時間情報60や印刷時間情報61等を分析する際には、例えば、サービス会社は、複数のユーザーから情報を取得し、分析する。これによって、ユーザーは、他のユーザーとの比較もできるので、これによって、印刷作業の改善や効率化の手助けとなる有用な情報が得られる。
本実施形態において、集計部12hによる稼働状態報告の自動送信と、サービス会社等の分析結果を加えた稼働状態報告の送信とは、印刷機1のユーザーが選択できるように構成される。これは、例えば、印刷機制御装置10のコントロールパネル14から設定する。このように、稼働状態報告の自動送信と、分析結果の付加とを印刷機1のユーザーが選択できるようにすることで、ユーザーの多様な要求に柔軟に対応しやすくなる。
ここで、所要時間演算部12dは、集計部12hが印刷機状態マップ50を取得する前、すなわち、集計部12hが印刷機状態に対応する所要時間、あるいは積算時間を取得する前に、所定の印刷機状態に対応する積算時間にマスクをかけてもよい。マスクをかけられた積算時間等は、例えば、所要時間演算部12dによって印刷機状態マップ50から削除されるので、集計部12hは、マスクをかけられた積算時間等を取得することはできない。これによって、マスクをかけられた積算時間等は、集計部12hによる稼働状態報告の作成には用いられない。例えば、図9に示す印刷機状態マップ50において、印刷機状態手動ブランケット洗浄及び手動インキ洗浄に対応する積算時間等にマスクをかけたとする。すると、集計部12hは、これらの積算時間等を取得することができないので、これらの積算時間は、集計部12hによる稼働状態報告の作成からは除外される。そして、集計部12hによる稼働状態報告の作成には、マスクをかけない積算時間等のみが用いられる。
これによって、例えば、印刷機1のユーザーが開示したくない情報に対してマスクをかけることで、その情報がユーザー以外の者に漏洩するおそれを低減できる。その結果、ユーザーの機密をより確実に担保できる。なお、マスクの手法は、上述したものに限定されるものではない。例えば、マスクをかける対象の情報を暗号化し、暗号の解読キーを集計部12hの保有者(例えば、サービス会社)に対して非開示として、所定の情報にマスクをかけてもよい。また、マスクをかける対象の情報を、集計部12hの保有者(例えば、サービス会社)に対しては非開示として、所定の情報にマスクをかけてもよい。マスクを書ける情報は、ユーザーによって予め選択しておいてもよいし、集計部12hが稼働状態報告を作成する毎に、ユーザーが設定してもよい。また、集計部12hの保有者、例えば、サービス会社がマスクをける情報を設定してもよい。
図3に示す印刷システム100Bでは、印刷機制御装置10Bに集計部12hが含まれており、印刷機制御装置10Bとサービス会社の分析装置19(例えば、コンピュータで構成される)とは通信回線15に接続される。なお、集計部12hは、入出力部11を介して通信回線15に接続されている。分析装置19は、通信回線15を介して集計部12hから稼働状態報告を取得する。この印刷システム100Bでは、集計部12hは、稼働状態報告を通信回線15へ出力する前に、その稼働状態報告に含まれる所定の情報にマスクをかける。例えば、図11に示す稼働状態報告のうち、非印刷時間情報64に記述される、印刷準備の詳細項目に要した積算時間にマスクをかける。これによって、印刷機1のユーザーが開示したくない情報は、ユーザー以外の者に漏れるおそれを低減できるので、ユーザーの機密をより確実に担保できる。マスクの手法については上述した通りである。
図2に示す印刷システム100Aでは、集計装置16Aが通信回線15を介して印刷機1の電気信号を取得する。この場合、印刷機制御装置10Aの処理部12Aは、集計装置16Aの保有者(例えば、サービス会社)に対して開示したくない電気信号にマスクをかける。すなわち、集計装置16Aが備える状態特定部12cは、印刷機制御装置10Aが接続される通信回線15に入出力部17を介して接続されている。そして、状態特定部12cは、通信回線15を介して印刷機の状態に関する電気信号を取得するとともに、前記電気信号のうち所定の電気信号は、状態特定部12cによって取得される前に印刷機制御装置10Aの処理部12Aによってマスクされている。すなわち、前記電気信号のうち所定の電気信号がマスクをかけられ、残りの電気信号はマスクをかけられないで印刷機制御装置10Aから出力される。本実施形態では、印刷機制御装置10Aが電気信号処理装置となり、処理部12Aがこの電気信号処理装置に機能を実現する。これによって、印刷機1のユーザーが秘密にしておきたい情報が、ユーザー以外の者に漏れるおそれを低減できるので、ユーザーの機密をより確実に担保できる。マスクの手法については上述した通りである。
上記説明では、印刷機状態を一意に決定できない場合には、複数の電気信号の組み合わせに基づいて印刷機状態を特定し、特定した印刷機状態の所要時間や積算時間に基づいて、稼働状態報告を作成した。しかし、一意に特定できる印刷機状態の所要時間や積算時間を用いて、稼働状態報告を作成してもよい。
以上のように、本発明に係る印刷機の状態把握システムは、印刷機の状態を収集して、印刷機の稼働状態を分析することに有用である。
本実施形態に係る印刷機の状態特定システムを含む印刷システムを示す模式図である。 本実施形態の第1変形例に係る状態特定装置を含む印刷システムを示す模式図である。 本実施形態の第2変形例に係る状態特定装置を含む印刷システムを示す模式図である。 本実施形態に係る印刷機の状態把握方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る印刷機の状態把握方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る状態把握方法において、一意に決定できる印刷機の状態と一意に決定できない印刷機の状態とを示す図表である。 本実施形態に係る状態把握方法において印刷機の状態を特定する際のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 本実施形態に係る状態特定方法において、印刷機の状態の候補をディスプレイに表示させる状態を示す模式図である。 印刷機の状態と当該状態が継続した時間と関連付けて記述したデータマップを示す概念図である。 本実施形態に係る状態特定方法において、印刷機の状態をさらに細分化する方法手順を示すフローチャートである。 稼働状態報告の一例を示す図である。
符号の説明
1 印刷機
2 給紙部
3 印刷部
4 排紙部
10、10A、10B 印刷機制御装置
11 入出力部
12、12A 処理部
12a 信号取得部
12b 制御条件判定部
12c 状態特定部
12d 所要時間演算部
12e 印刷機状態候補提示部
12f 印刷機状態候補表示部
12g 印刷機動作制御部
12h 集計部
13 記憶部
14 コントロールパネル
14C 入力手段
14D ディスプレイ
15 通信回線
16、16A 集計装置
16c、16Ac 処理部
16m 記憶部
17 入出力部
18 印刷機管理装置
19 分析装置
50 印刷機状態マップ
60 時間情報
61 印刷時間情報
62 損紙情報
63 能率情報
64 非印刷時間情報
100、100A、100B 印刷システム

Claims (9)

  1. 印刷機の状態を特定する状態特定手段と、
    当該状態特定手段によって特定された前記印刷機の状態が継続した時間を、それぞれの状態毎に求める所要時間演算手段と、
    前記所要時間演算手段が求めた、前記印刷機の状態が継続した時間を取得して、前記印刷機の稼働状態報告を作成する集計手段と、を備え、
    前記状態特定手段は、
    前記印刷機の状態に関する電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定される場合には、一意に決定された状態を前記印刷機の状態として特定し、
    前記電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定されない場合、複数の前記電気信号の組み合わせに基づいて推定した前記印刷機の状態を、前記印刷機の状態として特定することを特徴とする印刷機の状態把握システム。
  2. 前記状態特定手段は、
    前記電気信号に対応する前記印刷機の状態が一意に決定されない場合、推定された前記印刷機の状態を他の状態とともに前記印刷機の状態候補として複数提示し、
    提示された複数の前記状態候補から一つが選択された場合には、選択された状態候補を前記印刷機の状態として特定し、
    提示された複数の前記状態候補から前記印刷機の状態が選択されない場合、複数の前記電気信号の組み合わせに基づいて推定された状態を、前記印刷機の状態として特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷機の状態把握システム。
  3. 前記所要時間演算手段と前記集計手段とは、それぞれが通信回線に接続されており、
    前記集計手段は、前記所要時間演算手段が前記印刷機の状態の種類毎に求めた、前記印刷機の状態が継続した時間を、前記通信回線を介して取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷機の状態把握システム。
  4. 前記所要時間演算手段は、前記集計手段が前記印刷機の状態の時間を取得する前に、所定の前記印刷機の状態に対応する時間にマスクをかけることを特徴とする請求項3に記載の印刷機の状態把握システム。
  5. 前記集計手段は、通信回線に接続されており、前記集計手段は、前記印刷機の稼働状態報告を前記通信回線へ出力する前に、前記印刷機の稼働状態報告に含まれる所定の情報にマスクをかけることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷機の状態把握システム。
  6. 前記状態特定手段は、前記印刷機の制御装置が接続される通信回線に接続されており、前記状態特定手段は、前記通信回線を介して前記電気信号を取得するとともに、前記電気信号のうち所定の電気信号は、前記状態特定手段によって取得される前にマスクされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷機の状態把握システム。
  7. 印刷機の状態の種類毎に、それぞれの状態に要した時間を集計して印刷機の稼働状態報告を作成するとともに、作成した当該印刷機の稼働状態報告に含まれる所定の情報にマスクをかけてから出力する集計手段を備えることを特徴とする印刷機の状態把握システム。
  8. 印刷機の状態に関する電気信号のうち、所定の電気信号にマスクをかけてから、マスクをかけた電気信号及びマスクをかけない電気信号を出力する電気信号出力装置を備えることを特徴とする印刷機の状態把握システム。
  9. 通信回線を介して取得された印刷機の正紙枚数と、前記印刷機の電源ON時間と、前記印刷機の稼働時間と、前記印刷機の所定の状態が継続した時間とに基づいて、前記印刷機の稼働状態報告を求めて出力することを特徴とする印刷機の状態把握システム。
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