JP2010119035A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像部1と、撮像部1の出力から外部閃光を検出する閃光検出部2と、閃光を検出していないときは撮像部1の出力の画面全体を所定のガンマ値で補正変換し、閃光を検出したときは撮像部1の出力の個々の画素について自画素と周辺画素の平均輝度レベルにより適用する補正特性を変えてレベル変換する適応ガンマ処理部3を備え、閃光を検出しているときの適応ガンマ処理部3の処理において、自画素と周辺画素の平均輝度レベルが高いほどガンマ値を大きくした補正特性を用いる。これにより、外部閃光により影響を受けても、明部は高輝度部分に階調を大きく割り当て、暗部は低輝度部分に階調を大きく割り当てることができるため白飛びや黒つぶれを低減することができる。
【選択図】図1
Description
図6に示すように、撮像装置900は、CCDセンサ、センサ駆動回路を有し、連続画像を撮像して垂直有効720ライン、水平有効1280画素、フレーム周波数60Hzの順次走査画像信号を出力する撮像部91と、撮像部91の出力に対し増幅回路により信号ゲインを制御するゲイン制御部93と、を備える。また、撮像装置900は、撮像部91の出力に対し連続するフレームの画像を比較し外部閃光の有無を検出する閃光検出部92と、ゲイン制御部93から出力される画像信号に対してガンマ補正を行うガンマ処理部94と、ガンマ処理部94から出力される画像信号の高輝度部分に相当する信号に対して折れ線処理(いわゆるニー処理)を行うニー処理部と、を備える。
まず、撮像部91では、センサ駆動回路から駆動信号をCCDセンサに供給し、CCDセンサに入射した光信号(被写体からの光)を光電変換により電気信号に変換し、光電変換されることで取得された電気信号が、順次走査画像信号として、撮像部91から出力される。この順次走査画像信号は、ゲイン制御部93と閃光検出部92に供給(出力)される。
閃光検出部92では、入力された順次走査画像信号に対して、1フレーム分の平均輝度レベルを計算し、入力された信号のフレーム平均輝度レベルと直前のフレームの平均輝度レベルとを比較し、大幅に平均輝度レベルが増加した場合、フラッシュのような外部閃光が存在する環境下で撮像画像が撮像部91により取得されたと判断する。例えば、入力された信号のフレーム平均輝度レベルと直前のフレームの平均輝度レベルとの平均輝度レベルが100%以上増加した場合、閃光検出部92は、フラッシュのような外部閃光が検出された(外部閃光が存在する環境下で撮像された)と判定し、閃光検出信号の信号値を「1」にして、閃光検出信号を出力する。なお、閃光検出部92は、外部閃光を検出していないときは、閃光検出信号の信号値を「0」として、閃光検出信号を出力する。このようにして、閃光検出部92は、フレーム単位での閃光の有無を示す閃光検出信号を生成する。そして、この閃光検出信号は、ゲイン制御部93に入力される。
ガンマ処理部94では、ゲイン制御部93から出力される画像信号に対してガンマ値0.45(γ=0.45)のガンマ補正を行う。図7は、従来の撮像装置900のガンマ補正の入出力特性図である。ガンマ処理部94の入力画像信号は、標準レベルが100%、飽和レベルが400%に調整されており、図7に示した入出力特性によりガンマ補正がなされる。なお、「標準レベル」の「100%」とは、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)や電波産業界のスタジオ規格でいうところの白ピークレベルに相当するレベルをいう。そして、この白ピークレベルを「100%」とすることで、「%」により、画像信号のレベル(信号値)を表現する。
ニー処理部95では、ガンマ処理部94から出力される画像信号に対して高輝度部に相当する信号に対して折れ線処理(ニー処理)がなされる。図8に示すように、撮像装置900のガンマ補正とニー処理との総合入出力特性は、ニー処理部95から出力される画像信号が出力レベル109%以下(出力ダイナミックレンジが109%(出力レベルが0%〜109%))になるよう、出力レベルが100%から109%になる部分の入出力特性は直線特性となっている。撮像装置900では、図8に示す入出力特性により、画像信号に対して階調変換処理が実行され、階調変換された画像信号が、ニー処理部95から出力される。
通常、撮像装置900は、出力画像信号の平均輝度レベルが標準輝度レベルである100%以下になるよう露光調整して使用される。しかしながら、フラッシュのような外部閃光があった場合、撮像装置900の出力画像信号の平均輝度レベルは、瞬間的に標準輝度レベル100%を超えることになる。
以下では、外部閃光による被写体の高輝度化が起こり、この被写体を撮像装置900により撮像した場合について説明する。具体的には、撮像部91から出力される画像信号中の目標被写体の輝度が180%から220%に分布した場合を例に説明する。
ガンマ補正とニー処理との総合入出力特性が図8に示す特性である場合、ガンマ補正とニー処理との対象となる入力画像信号の信号レベルが180%から220%(図8のAで示した範囲)まで変化した場合、出力レベル(出力画像信号のレベル)は、102.4%から103.6%という狭い範囲(図8のCで示した範囲)で変化する。つまり、仮に、閃光検出信号が「0」のままで、ゲイン制御部93でゲインを下げる処理がなされないままであれば、図8のAで示す範囲の入力画像信号のレベル変化は、図8のCに示す狭い範囲のレベル変化としてしか表現できない。言い換えれば、図8のAで示す範囲の画像信号がガンマ処理部94に入力された場合、ニー処理部95から出力される画像信号は、102.4%から103.6%という狭い範囲の信号レベルの画像信号に変換されることになる。すなわち、この場合、図8の入出力特性により階調変換された画像信号により形成される画像は、白飛び状態(例えば、表示画面において、本来、白ではなく階調差がある画像領域が、白になってしまい階調差が損なわれた画像領域になってしまう状態)となり、被写体の輪郭なども見づらいものになってしまう。
図9は、従来の撮像装置900のガンマ補正とニー処理との総合入出力特性図に入力レベル45%から55%を範囲Dとして示したものである。図9に示すように、範囲Dに対応する出力レベルは、範囲Eとなる。具体的には、範囲Eは、69.8%から76.4%という範囲であるので、入力レベルが45%〜55%の範囲(範囲D)の信号は、出力レベルが69.8%〜76.4%の範囲(範囲E)の信号に階調変換されることになる。つまり、ゲイン制御部93で、画像信号に対してゲイン「1/4」によるレベル変換処理を実行した場合、出力レベルの取り得る範囲は、ゲイン制御部93でゲインを下げる処理を行わない場合に比べて、広がることになる。
フラッシュのような外部閃光があった場合、閃光光源の近くの被写体は、高輝度化するものの閃光光源から離れた被写体は暗いままである。光源の反対側、すなわち、物体の影の部分も暗いままである。例えば、夜間に乗用車に搭乗している人物を撮影しようと別のスチルカメラでフラッシュが焚かれた場合、乗用車中の人物は明るくなるが、乗用車の背景、特に、遠景は明るくならない。このとき、従来の撮像装置900による撮像画像では、乗用車中の人物の白飛びを抑えることができ、見やすくなる。しかし、従来の撮像装置900では、暗い背景に相当する画像信号に対しては、ゲイン制御部93で、信号レベルを小さくする処理を行うので、撮像装置900による取得される撮像画像は、暗い背景がさらに暗くなり、黒つぶれを起こし見づらいものになってしまう。
撮像部は、撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する。閃光検出部は、撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する。適応ガンマ処理部は、閃光検出信号により制御され、閃光検出部により閃光が検出していない場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、閃光検出部により閃光が検出されている場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、注目画素に対して階調変換を行う。そして、適応ガンマ処理部は、閃光検出部により閃光が検出されている場合、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を階調変換特性に決定し、注目画素に対して階調変換を行う。
そして、この撮像装置では、適応ガンマ処理部の閃光を検出しているときの処理において、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくした補正特性による階調変換を行う。これにより、外部閃光により影響を受けた画像において、明部では高輝度部分に階調を大きく割り当て、暗部では低輝度部分に階調を大きく割り当てることができるので、この撮像装置により取得される画像において、白飛びや黒つぶれを低減することができる。
この撮像装置では、撮像画像の水平方向(ライン方向)に周辺平均輝度レベルを算出する対象の画素領域を設定するので、撮像画像の垂直方向において、急激な変換のある画像に対しても、適切に階調変換処理を行うことができる。
特に、撮像装置の撮像素子として、CMOS型イメージセンサを用いた場合、閃光の影響のある画像(例えば、フレーム画像F1)と、その次の画像(例えば、フレーム画像F1の次のフレーム画像)と、に発生する高輝度画像領域とそれ以外の画像領域との境界付近においても適切は階調補正処理を行うことができる。
第3の発明は、第1の発明であって、適応ガンマ処理部は、注目画素と、注目画素と同一ライン上に存在する複数の画素との平均輝度レベルを周辺平均輝度レベルとする。
この撮像装置では、周辺平均輝度レベルを算出する対象の画素領域を撮像画像の1ライン単位で設定することができるので、簡易かつ効果的に、適応ガンマ処理部による階調補正処理を行うことができる。
第5の発明は、撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる撮像方法であって、閃光検出ステップと、適応ガンマ処理ステップと、を備える。
閃光検出ステップでは、撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する。適応ガンマ処理ステップでは、閃光検出信号により制御され、閃光検出部により閃光が検出していない場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、閃光検出部により閃光が検出されている場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、注目画素に対して階調変換を行う。そして、適応ガンマ処理ステップでは、閃光検出ステップにより閃光が検出されている場合、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を階調変換特性に決定し、注目画素に対して階調変換を行う。
第6の発明は、撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる撮像方法をコンピュータに実行させるプログラムである。撮像方法は、閃光検出ステップと、適応ガンマ処理ステップと、を備える。
閃光検出ステップでは、撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する。適応ガンマ処理ステップでは、閃光検出信号により制御され、閃光検出部により閃光が検出していない場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、閃光検出部により閃光が検出されている場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、注目画素に対して階調変換を行う。そして、適応ガンマ処理ステップでは、閃光検出ステップにより閃光が検出されている場合、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を階調変換特性に決定し、注目画素に対して階調変換を行う。
第7の発明は、撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる集積回路であって、閃光検出部と、適応ガンマ処理部と、を備える。
閃光検出部は、撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する。適応ガンマ処理部は、閃光検出信号により制御され、閃光検出部により閃光が検出していない場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、閃光検出部により閃光が検出されている場合、撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、注目画素に対して階調変換を行う。そして、適応ガンマ処理部は、閃光検出部により閃光が検出されている場合、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を階調変換特性に決定し、注目画素に対して階調変換を行う。
[第1実施形態]
<1.1:撮像装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100のブロック図である。
図1に示すように、撮像装置100は、被写体からの光を電気信号に変換することで画像信号を取得する撮像部1と、撮像部1により取得された画像信号から外部閃光の有無を検出し、検出結果を閃光検出信号として出力する閃光検出部2と、を備える。また、撮像装置100は、撮像部1から出力される画像信号に対して、適応的にガンマ補正を行う適応ガンマ処理部3と、適応ガンマ処理部3からの出力画像信号の高輝度部分に対して、折れ線処理を行うニー処理部4と、を備える。
閃光検出部2は、撮像部1から出力される画像信号を入力とし、連続する各フレームの画像(画像信号により形成されるフレーム画像)を比較し、外部閃光の有無を検出する(フレーム画像内に外部閃光の影響を受けている画像信号があるか否かを検出する)。そして、閃光検出部2は、外光閃光の有無を示す閃光検出信号を適応ガンマ処理部3に出力する。
ニー処理部4は、適応ガンマ処理部3から出力される画像信号に対し、高輝度部(画像信号の画素値が大きい部分)の折れ線処理(いわゆるニー処理)を行う。
次に、以上のように構成された撮像装置100の動作について、説明する。
まず、撮像部1では、センサ駆動回路(不図示)から駆動信号を撮像素子(CCD型イメージセンサ、CMOS型イメージセンサ等)に供給し、撮像素子に入射した光信号を光電変換し順次走査画像信号を取得する。撮像部1により取得された順次走査画像信号は、適応ガンマ処理部3と閃光検出部2とに出力される。
閃光検出部2は、入力された順次走査画像信号に対して、1フレーム分の平均輝度レベルを計算し、入力された信号のフレーム平均輝度レベルと直前のフレーム(1フレーム前のフレーム)の平均輝度レベルとを比較し、大幅に平均輝度レベルが増加した場合、フラッシュのような外部閃光が存在する環境下で撮像画像(デジタル順次走査画像信号)が撮像部1により取得されたと判断する。例えば、平均輝度レベルが100%以上増加した場合、フラッシュのような外部閃光が検出されたと判定し、閃光検出信号の信号値を「1」にして、閃光検出信号を出力する。一方、外部閃光を検出していない場合、閃光検出部2は、閃光検出信号の信号値を「0」(無信号にしてもよい。)にして、閃光検出信号を出力する。
また、フレーム単位で閃光を検出することができる検出方法であれば、他の公知の方法を用いて、閃光検出を行うようにしてもよい。
閃光検出部2により生成された閃光検出信号(フレーム単位での閃光の有無を示す閃光検出信号)は、適応ガンマ処理部3に出力される。
適応ガンマ処理部3では、閃光検出信号に基づいて、撮像部1から出力される画像信号に対して、適応的にガンマ補正を行う。閃光検出部2から出力される閃光検出信号が「0」の場合、すなわち、閃光検出信号が外部閃光を検出していないことを示している場合、適応ガンマ処理部3に入力されている画像信号が形成するフレーム画像には、外部閃光の影響を受けている画像信号がないと判断できる。したがって、この場合、適応ガンマ処理部3は、1フレーム分(外部閃光が検出されていない1フレーム分)の入力画像信号に対して、ガンマ値を「0.45」(γ=0.45)とするガンマ補正処理を行う。
そして、適応ガンマ処理部3では、入力レベルをx、出力レベルをyとしたとき、(数式1)で表した関数となるようにレベル変換(階調変換)を行う。
曲線(1)は、a=0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(2)は、a=0.5の場合の入出力特性曲線である。
曲線(3)は、a=1.0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(4)は、a=2.0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(5)は、a=3.0の場合の入出力特性曲線である。
ここで、a=0.5とは、周辺平均輝度レベルが「50%」であることを意味している。また、a=0のときの入出力特性である図2の曲線(1)は、従来の撮像装置900のガンマ補正の入出力特性として示した図7の入出力特性と同じ特性を実現させる曲線である。撮像装置100では、周辺平均輝度レベルaが「0」に近いとき、すなわち、撮像画像の暗部に相当する画像領域については、従来の撮像装置900と同じガンマ値「0.45」(γ=0.45)による補正(階調変換)が行なわれる。一方、撮像装置100では、周辺平均輝度レベルaが「0」より大きくなるに従って、ガンマ値の大きい入出力特性が適用され、注目画素に対してレベル変換(階調変換)が実行される。
ここで、特に、撮像部1の撮像素子がCMOS型イメージセンサである場合に効果的な適応ガンマ処理について説明する。
図3(a)に、撮像部1の撮像素子の撮像素子面の模式図を示す。撮像部1の撮像素子では、図3(a)のLTで示したラインから垂直方向に、順番に、図3(a)のLBで示したラインまで、蓄積電荷を読み出すことで、1フレーム分に相当する画像信号を生成する。そして、この1フレーム分に相当する画像信号により、1フレームの画像が形成される。
ここで、ラインLM(図3(a)のLMで示したライン)の蓄積電荷を読み出しているタイミングで、外部閃光があった場合について説明する。
このような状況下で読み出された画像信号によるフレーム画像F1を図3(b)に示す。図3(b)から分かるように、撮像素子面の領域R1から読み出された画像信号により形成されている画像領域R1(F1)は、外部閃光の影響を受けていない(図3(b)では、画像領域R1(F1)にハッチングを施すことで、外部閃光の影響を受けていないことを示している。)。一方、撮像素子面の領域R2から読み出された画像信号により形成されている画像領域R2(F1)は、外部閃光の影響を受けており、全体的に高輝度になる(図3(b)では、画像領域R2(F1)を白地にすることで、外部閃光の影響を受けていることを示している。)。
フレーム画像F1を形成する画像信号が読み出されると、再度、図3(a)のラインLTから、垂直方向に順番に、画像信号が読み出される。フレーム画像F1を形成する画像信号のラインLMの読み出し時に外部閃光があったので、フレーム画像F2については、撮像素子面のラインLMより上側の領域R1に含まれるラインから読み出される画像信号は、外部閃光の影響を受けており、その信号値は大きなものとなる。一方、ラインLMより下側の領域R2に含まれるラインの画像信号は、外部閃光の影響を受けていない(外部閃光の影響を受けている画像信号(フレーム画像F1の画像領域F2(F1)に相当する画像信号)は、既に読み出されている)。
このように、外部閃光があった場合、撮像装置100により取得される撮像画像は、連続2フレームにおいて、1番目のフレーム画像(図3の場合のフレーム画像F1)において、下側の画像領域が高輝度になり、その次のフレーム画像(図3の場合のフレーム画像F2)の上側の画像領域が高輝度になる。
次に、上記現象に対応させた周辺平均輝度レベルaを取得する対象となる周辺画素領域の設定方法について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、図3(b)と同様、フレーム画像F1を模式的に示した図である。図4(b)は、図4(a)の画像領域R3に含まれる画素群を示した図である。なお、注目画素をP0としている。
上記で説明したように、画像領域R1(F1)は外部閃光の影響を受けておらず、画像領域R2(F1)は外部閃光の影響を受けているので、両者の境界線付近において、画素値の傾向が大きく異なる。具体的には、図4(b)の注目画素P0が含まれるラインより下側の領域R2(F1)では、外部閃光の影響で画素値が大きくなっている(高輝度化している)が、注目画素P0の上側の領域R1(F1)では、外部閃光の影響はないので、異常に画素値が大きくなる(高輝度化される)ことはない。
つまり、上記外部閃光の影響を受けにくくするために、撮像装置100の適応ガンマ処理部3においては、以下のようにして、周辺画素領域を設定すればよい。
(1)注目画素P0を含む1ラインを構成する全ての画素により形成される画素領域を周辺画素領域に設定する。
(2)注目画素P0および注目画素P0の左右に隣接するN個(Nは自然数)の画素により形成される画素領域を周辺画素領域に設定する(なお、注目画素P0を周辺画素領域に含めないようにしてもよい)。
次に、ニー処理部4以降の処理について、説明するが、以降の説明は、撮像部1の撮像素子がCMOS型イメージセンサである場合に特化したものではない。
ニー処理部4では、適応ガンマ処理部3から出力される画像信号に対して高輝度部に相当する信号に対して折れ線処理(ニー処理)がなされる。ニー処理部4から出力される画像信号が出力レベル109%以下(出力ダイナミックレンジ109%)になるよう、出力レベルが100%から109%になる部分の入出力特性は直線特性となっている。撮像装置100では、画像信号に対して、この入出力特性による階調変換が実行され、階調変換された画像信号が、ニー処理部4から出力される。
図5の各階調変換特性曲線(1)〜(5)と周辺平均輝度レベルaとの関係を以下に示す。
曲線(1)は、a=0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(2)は、a=0.5の場合の入出力特性曲線である。
曲線(3)は、a=1.0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(4)は、a=2.0の場合の入出力特性曲線である。
曲線(5)は、a=3.0の場合の入出力特性曲線である。
ここでa=0の場合の入出力特性である図5の曲線(1)は、従来の撮像装置900のガンマ補正とニー処理との総合入出力特性として示した図8の入出力特性と同じ特性を実現させる曲線である。撮像装置100では、閃光検出信号が「0」のとき、すなわち、外部閃光を検出していない場合、周辺平均輝度レベルaの値に関わらず、全てガンマ値「0.45」(γ=0.45)による補正(階調変換)が実行され、さらにニー処理が実行されるため、ガンマ補正とニー処理との総合入出力特性は、図5の曲線(1)により実現される入出力特性と一致する。
通常撮像装置は、出力画像信号の平均輝度レベルが標準輝度レベルである100%以下になるよう露光調整して使用される。しかしながら、フラッシュのような外部閃光があった場合、瞬間的に標準輝度レベル100%を超えることになる。具体的には、外部閃光による被写体の高輝度化が起こり、撮像装置100の撮像部1から出力される画像信号中の目標被写体の輝度レベルが180%から220%に分布した場合を例に説明する。
図5のAで示す範囲は、入力レベルが180%〜220%の範囲である。この範囲Aに含まれるレベルの画像信号は、仮に、図5の曲線(1)の入出力特性で変換されるのであれば、従来の撮像装置900で説明したように、ニー処理部4から出力される画像信号の出力レベルは、102.4%〜103.6%になる。つまり、この場合、入力レベルの変化(図5の範囲A)は、狭い範囲(図5の範囲C)の出力レベルの変化としてしか表現できないことになる。すなわち、この場合、上記階調変換により取得される画像は、白飛び状態となり、被写体の輪郭なども見づらいものになってしまう。
一方、閃光検出部2により外部閃光を検出された場合であり、かつ、周辺平均輝度レベルが小さく、周辺平均輝度レベルa=0に近い暗部(撮像画像上の暗部画像領域)が存在していたとしても、画像信号に対して、図5の曲線(1)の入出力特性による階調変換が実行される。そのため、暗部の階調を確保することができる。なぜならば、図5の曲線(1)から(5)の入出力特性のうち、曲線(1)が最も原点付近の傾きが大きくなっているため、暗部の範囲が最も広い範囲に変換されるからである。つまり、撮像装置100では、適応ガンマ処理部3により、入力レベルの小さい画像信号(暗部に相当する画像信号)の出力ダイナミックレンジを、曲線(1)による階調変換により、効果的に広げることができるので、撮像装置100により取得される撮像画像上の暗部の階調を適切に保持することができる。
つまり、撮像装置100では、適応ガンマ処理部3の閃光を検出しているときの処理において、周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくした補正特性による階調変換を行う。これにより、外部閃光により影響を受けた1フレームの画像において、明部では高輝度部分に階調を大きく割り当て、暗部では低輝度部分に階調を大きく割り当てることができるので、撮像装置100により取得される画像において、白飛びや黒つぶれを低減することができる。
上記実施形態では、撮像装置100において、フレーム単位の処理を行う場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、撮像装置100において、フィールド単位の処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、閃光検出部2が、フレーム単位で閃光を検出する場合について説明したが、これに限定されることはなく、閃光検出部2が、フレーム画像(あるいはフィールド画像)に含まれる画素単位、あるいは走査ライン単位での情報を用いて閃光検出を行うものであってもよい。
なお、上記実施形態で説明した撮像装置において、各ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る撮像装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
1 撮像部
2 閃光検出部
3 適応ガンマ処理部
4 ニー処理部
Claims (7)
- 撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部と、
前記撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する閃光検出部と、
前記閃光検出信号により制御され、前記閃光検出部により閃光が検出していない場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、前記注目画素に対して階調変換を行う適応ガンマ処理部と、
を備え、
前記適応ガンマ処理部は、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を前記階調変換特性に決定し、前記注目画素に対して階調変換を行う、
撮像装置。 - 前記適応ガンマ処理部は、前記注目画素と、前記注目画素の水平方向に隣接する1または複数の画素との平均輝度レベルを前記周辺平均輝度レベルとする、
請求項1に記載の撮像装置。 - 前記適応ガンマ処理部は、前記注目画素と、前記注目画素と同一ライン上に存在する複数の画素との平均輝度レベルを前記周辺平均輝度レベルとする、
請求項1に記載の撮像装置。 - 前記適応ガンマ処理部は、前記注目画素と、前記注目画素と同一ライン上に存在する全ての画素との平均輝度レベルを前記周辺平均輝度レベルとする、
請求項1に記載の撮像装置。 - 撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる撮像方法であって、
前記撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する閃光検出ステップと、
前記閃光検出信号により制御され、前記閃光検出部により閃光が検出していない場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、前記注目画素に対して階調変換を行う適応ガンマ処理ステップと、
を備え、
前記適応ガンマ処理ステップでは、前記閃光検出ステップにより閃光が検出されている場合、前記周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を前記階調変換特性に決定し、前記注目画素に対して階調変換を行う、
撮像方法。 - 撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる撮像方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する閃光検出ステップと、
前記閃光検出信号により制御され、前記閃光検出部により閃光が検出していない場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、前記注目画素に対して階調変換を行う適応ガンマ処理ステップと、
を備え、
前記適応ガンマ処理ステップでは、前記閃光検出ステップにより閃光が検出されている場合、前記周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を前記階調変換特性に決定し、前記注目画素に対して階調変換を行う、
撮像方法をコンピュータに実行させるプログラム。 - 撮像素子を有し、入射する光信号を電気信号に変換して画像信号を取得する撮像部を備える撮像装置に用いられる集積回路であって、
前記撮像部により取得された画像信号から外部閃光の検出をして、外部閃光の検出結果を示す閃光検出信号を出力する閃光検出部と、
前記閃光検出信号により制御され、前記閃光検出部により閃光が検出していない場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の全画素に対して、所定のガンマ補正特性により階調変換し、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記撮像部により取得された画像信号が形成する画像の個々の画素について、処理対象である注目画素とその周辺画素の平均輝度レベルである周辺平均輝度レベルにより適用する階調変換特性を決定し、決定した階調変換特性により、前記注目画素に対して階調変換を行う適応ガンマ処理部と、
を備え、
前記適応ガンマ処理部は、前記閃光検出部により閃光が検出されている場合、前記周辺平均輝度レベルが高いほど、ガンマ値を大きくしたガンマ補正特性を前記階調変換特性に決定し、前記注目画素に対して階調変換を行う、
集積回路。
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